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◆真珠湾攻撃の日米比較:攻撃の経緯と戦果・損害一覧
◇ Pearl Harbor Attacked 1941/12/07

日本と米国の双方からみた真珠湾攻撃の経過をまとめた資料編です。攻撃の影響や評価については、本編の真珠攻撃の研究をご覧ください。

Links
盧溝橋事件・上海事変・南京攻略:半年で北京・上海・南京を攻略した日本軍
米中接近:ドイツと共に枢軸国として敵視された日本
南京虐殺:残虐行為を考える
ノモンハン事件:国共合作・中ソ不可侵条約から中ソ接近に至る道
アメリカ義勇部隊「フライング・タイガーズ」:中国における対日秘密戦争
真珠湾攻撃の研究:宣戦布告なしの騙まし討ち,先制テロ攻撃なのか
真珠湾攻撃の写真集:被害艦船・復旧写真
写真解説:米国の戦時動員:航空機産業における女子労働者
写真解説:米国の兵力動員:陸軍・海兵隊・民間防衛軍の増強
写真解説:米国の生活:1940年代初めの都市・農村,学校,家庭,プエルトリコの様子

これらの関連サイトで,詳細をご覧ください。

 
真珠湾攻撃部隊「第一航空艦隊」(機動部隊) 司令長官 南雲忠一中将

任務 

 艦種

 隻数

 艦艇名称

 損害

 空襲隊

空母

6隻

赤城(3万7000トン)、加賀、蒼龍(1万7000トン)、飛龍、瑞鶴(2万7000トン)、翔鶴

 

 支援隊

戦艦

2隻

比叡(3万1000トン)、霧島

 

支援隊

重巡洋艦

2隻

利根(1万2000トン)、筑摩

 

警戒隊

軽巡洋艦

1隻

阿武隈(6000トン)

警戒隊

駆逐艦

9隻

谷風(1800トン)、浜風、磯風 陽炎、霞、霰、秋雲ほか

 

 哨戒・攻撃

潜水艦

8隻

伊19 伊21 伊23
伊16(2200トン) 伊18 伊20 伊22 伊24

特殊潜航艇5隻

 補給隊

特設補給艦

8隻

極東丸、國洋丸、健洋丸、神国丸、東邦丸ほか

 

 

空母搭載機

350機

零式艦上戦闘機78機、九九式艦上爆撃機129機、九七式艦上攻撃機143機

戦闘機9機、爆撃機15機、攻撃機5機

 

真珠湾空襲部隊(特別攻撃部隊)の編成

 

 

 指揮官氏名・階級

 機数

 搭載母艦

 損害

第1次攻撃隊

 第1波

淵田美津雄中佐

183機 

 

 9機 

 

水平爆撃隊
(800kg徹鋼弾)

淵田中佐 

48機 

赤城 加賀 蒼龍 飛龍

 

 

雷撃隊
(800kg航空魚雷)

村田重治中佐

39機 

赤城 加賀 蒼龍 飛龍

 5機  

 

急降下爆撃隊
(250kg通常弾)

高橋赫一少佐

51機 

翔鶴 瑞鶴

 1機  

 

制空零戦隊
(20ミリ機銃、7.7ミリ機銃)

板谷茂少佐 

45機 

赤城 加賀 蒼龍 飛龍 翔鶴 瑞鶴

 3機  

第1次攻撃隊

 第2波

嶋崎重和少佐

168機 

 

 20機 

 

水平爆撃隊

嶋崎少佐 

 54機 

 翔鶴 瑞鶴

 

 

急降下爆撃隊

江草隆繁少佐

 78機 

 赤城 加賀 蒼龍 飛龍

 15機  

 

制空零戦隊

進藤三郎大尉 

 36機 

 赤城 加賀 蒼龍 飛龍

 5機  

 特別攻撃隊

特殊潜航艇「甲標的」
(800kg魚雷2本)

 

 5隻 

伊16 伊18 伊20 伊22 伊24

5隻 


1941年12月7日の真珠湾攻撃の経緯
時間

0618

空母部隊がウェーキ島方面の演習から帰還する途上、真珠湾西方215マイルの地点で、前方哨戒機を発進。150マイルまでの索敵をする。(日本艦隊はハワイの北方を航行)
0630
雑役補助船アンタレス(1万1100トン,訓練部隊所属,標的運搬)が小型潜水艦らしきものを発見。通報により哨戒中の駆逐艦ワォード(1400トン,4インチ砲4門装備,1918年竣工)が捜索。
0633
海軍哨戒機が目標に2発の発煙弾を投下。
0645
通報を受けた駆逐艦ワォードが2分間、目標に発砲。一番砲塔より1発,三番砲塔より1発発射。二弾目の三番砲塔の4インチ砲が,国籍不明潜水艦の艦橋に命中した模様。目標は,急速に沈没。哨戒機が爆雷投下。
0700 定期訓練に4機ののカタリナ飛行艇が発進。14p-1号が真珠湾口1マイル(1.852km)地点で敵潜水艦を撃沈。航空隊は4時間以内に72機を出動準備させることになった。このとき、滞空していた哨戒機は14機。

0735

14P-1号機の電文を担当将校が解読。真珠湾口1マイルで敵潜水艦が撃沈されたことが分かる。
0745

担当官が、他の哨戒機に警戒を出す。
小型水上機母艦アボセットが真珠湾内のフォード島飛行場で爆発を目撃。
駆逐艦タッカー(2100トン)は使用不能な3番3インチ砲塔以外の全砲火、機銃で航空機に応戦。
フォード島では航空機2機が格納庫内部、4機が格納庫の南、6機が誘導路にあったが、7機が炎上。パトロンが敵機2期を目撃、ライフル銃3丁で即座に応戦、格納庫南端に機銃2門を据付けて応戦。
カネオヘ海岸では、カタリナ飛行艇8機が完全に破壊される。
0750  戦艦カリフォルニアに士官が搭乗し出航準備。停泊中の戦艦オクラホマに魚雷3発命中。
軽巡洋艦ホノルル(9650トン)では、対空機銃の応戦準備ができ、30口径7.62ミリ機銃2,800発、50口径12.7ミリ機銃4,500発、25口径5インチ砲250発の弾丸が用意される。
0755 戦艦テネシー爆弾2発を受ける。戦艦オクラホマ転覆。戦艦カリフォルニア大破着底。戦艦ウェストヴァージニア大火災。
0758 航行中の戦艦ネヴァダに魚雷命中、爆弾1発命中。
ドックにいる戦艦ペンシルヴァニに爆弾投下。
0800 戦艦に誤認された標的艦ユタ転覆、魚雷5本命中の公算、爆弾命中なし、救出作業で32名を救助。

 0810

 戦艦カリフォルニア5インチ砲を急降下爆撃機に発砲。

 0815

 飛行中の航空機が日本機空襲に警戒せよの連絡を受ける。

0820 戦艦アリゾナに魚雷命中。戦艦カリフォルニアに魚雷命中。
駆逐艦レイド(2100トン)が38口径5インチ砲で高空の敵機に発砲。
雑役船(潜水艦母艦)サムナー出航準備完了。
0830 戦艦ネヴァダに大型爆弾命中。
戦艦カリフォルニア対空砲で爆撃機に発砲、1機撃墜。
サムナー発砲開始。工作艦リゲル艦長帰艦。
0840 戦艦カリフォルニアに4発の至近弾。
水上機母艦カーチス、浮上した潜水艦が魚雷1発を駆逐艦に発射するのを目撃、発砲し司令塔に命中。
0900 軽巡洋艦フェニックス(9500トン)が銀色の敵編隊11機(高度1000フィート)に5インチ砲で射撃。50発発砲するも効果なし。軽巡洋艦ホノルル(9600トン)に敵機が向かってくrのを他の艦とともに応戦し撃墜。
戦艦カリフォルニアに爆弾1発命中。1万2000-5000フィートの高空を飛ぶ敵機が、南からやってきて真珠湾を爆撃するのを目撃。
駆逐艦ラルフタルボット(2200トン)出航。5インチ砲150発、50口径12.7ミリ機銃1500発を発射。降下中の敵機2機のうち1機を撃墜。駆逐艦パターソン出航。
0905 機雷敷設艦プレビールが30機の急降下爆撃機が双発機を爆撃し、多数の爆弾がドックに投下されるのを目撃。
0908

ドックに入渠している戦艦ペンシルヴェニアが爆撃を受ける。15発芽ドックを外れ海面に投下。同じく入渠している駆逐艦ドーンズに大型爆弾命中。しかし、5機の敵機を撃墜し、そのうち2機は戦艦ペンシルヴァニアによる。
0910
駆逐艦母艦ドビンが3機の爆撃機の攻撃を受けるが、命中しなかったが、破片で3名死亡、2名重傷。
0915

戦艦ネヴァダに6発以上の爆弾が命中。機雷敷設艦トレーシー(1100トン)に戦闘指揮艦が帰艦。太陽を背にして2機の急降下爆撃機が攻撃してくる。
0920
戦艦ペンシルヴァニアの入渠していた乾ドックに浸水。入渠中の駆逐艦2隻は大火災。

0921

 全部隊に宛て、敵艦は、胴体の底部分に赤い丸red dot(日の丸)を描いてあるとの連絡。全艦艇に至急出航するように命令が下る。

0925

高速掃海艇ワスムスが敵第二波は西方から爆撃,雷撃をすると報告。1機を撃墜。戦艦アリゾナから白煙が上がる。
戦艦カリフォルニア搭載機がガソリン火災から引き離す作業中に転覆・沈没。

0928

駆逐艦マグフォード(2200トン)が急降下爆撃機が降下後引き起こす際、50口径12.7ミリ機銃で撃墜。

0930

敷設艦ギャンブル、高速機雷敷設艦ブリーズ、高速機雷敷設艦トレヴァー出航。
戦艦ウェスト・ヴァージニア炎上中。ウィットニーが第二波攻撃終了と報告。
戦艦ペンシルヴェニアが前方の浮きドック駆逐艦が爆発したと報告。

0945

 駆逐艦デワイ(2300トン)が第三派攻撃が急降下爆撃機によって開始されたと報告。

0947

 駆逐艦マグフォードが軽巡洋艦ホノルルが出航、南西から日本機来襲と報告。

0948

戦艦テネシーは技術部門の調査のために出航できず待機。

0950

敵(日本)航空母艦2隻がバーバー岬南西30マイルを航行中と報告あり。
工作艦ベルタル座礁。駆逐艦ブルー(2200トン)が潜水艦音を捕捉、爆雷4発投下。再び聴音し、爆雷2発投下。油の流出と空気泡が海面に上がったことから撃沈確実。3回目の聴音で、潜水艦が高速で軽巡洋艦セントルイス(1万トン)に向かっているのを捕捉、爆雷2発投下、油が海面に浮かぶ。1隻撃沈確実、撃沈2席の可能性ありと報告。

0954

戦艦テネシーが戦艦メリーランドが火災にあることを観測。

0958

戦艦テネシーの火災鎮火。戦艦メリーランドで乗員4-5名が火災からクレーンによって脱出しようとしているのを目撃。

1000

駆逐艦母艦ウィトニーが、駆逐艦ライド(2100トン)、駆逐艦セルフリッジャー(2600トン)が出航すると報告。

1003

駆逐艦マグフォード、日本機が水道(狭い航路)に機雷を投下したと報告。

1005

機雷敷設艦ギャンブル、水道を掃海。複数の大型爆撃機日本機が大型爆弾らしきものを水道に投下したが爆発しなかった。これは機雷らしいと報告。
駆逐艦マグフォードが浮きドック入渠中の駆逐艦シャウが爆発したと報告。駆逐艦マグフォード、主機とボイラー2基で出航準備完了。

1008

戦艦テネシーが、戦艦ネヴァダ全体が火災に包まれたのを観測。

1010

駆逐艦ライド、ボイラー4基で出航。軽巡洋艦フェニックス出航。
潜水艦母艦サムナー、砲と機銃で対空射撃行うも効果なし。

1015

100-300海域で日本航空母艦捜索せよとの命令が出る。機雷敷設艦ギャンブル、射撃指揮所上に7.62ミリ対空機銃を移動。

1018

命令「真珠湾より困難を克服し最大限12機の偵察機で索敵せよ。オアフ北西の敵を見つけ、第5空母部隊はこれを迎撃せよ。敵の編成は不明。」
第8空母部隊より司令部に「緊急時にはフォード島飛行場を使用可能か」と質問。

1020

戦艦テネシーが戦艦アリゾナは着底した模様と報告。これ以上巡洋艦を海上に出すなとの命令。
敵航空母艦や兵力に関する報告多数あったバ-バー岬南30マイルに、1000ポンド爆弾を搭載した15機の攻撃隊を発進。敵に接触できず。空母攻撃隊は待機。

1021

掃海艦ギャンブル水道の掃海完了。爆雷8発搭載、真珠湾口を離れて潜水艦捜索。

1028

第八空母部隊の「緊急時にはフォード島飛行場を使用可能かと質問」に肯定の回答。

1030

戦艦ペンシルヴェニア、弾薬補給のため複数のモターランチを港に派遣。

1033

再度の空襲に備えろとの命令。第3、第8空母部隊より、バーバー岬10マイルに潜水艦ありと報告。

1040

タワーからの信号あるいは口頭命令によって出航せよの命令。南水道の磁気機雷、接触機雷を掃海せよの命令。

1046

全戦艦は、艦載機搭乗員、航空関係者全員を至急、フォード島へ移動させよの命令。

1048

戦艦テネシーより、戦艦テネシーの損害率30%、戦艦アリゾナ沈没の報告。

1055

第8空母部隊が偵察機6機、000-045海域を50マイル先まで索敵に発進。
駆逐艦マグフォード、真ん前の航空機に3インチ方2発発射。命中せず。全対空機銃発砲。

1058

駆逐艦マグフォード、北方より日本機攻撃中と報告(注意:これは友軍機と思われる)

1100

機雷敷設艦トレーシーが、日本軍は完全に撤退したと報告。小型機雷敷設艦シカード、水平爆撃を目撃。

1115

 ノースザンプトンより搭載機2基を北方150マイルに索敵に発進。

1135

ノースザンプトン、カウアイ島西方15マイルで単発単座日本機に7回の攻撃を受ける。敵の速度は275マイル以上で黒煙を吐いて消え去った。この敵機を捜索中。サムナー、3インチ砲11発を敵爆撃機5機に発射。命中なし。機銃射撃も併用。

1136

駆逐艦マグフォード、フォード島より米国海軍機が離陸するのを観測。

 1140

グアムが攻撃されたことを部署に伝達せよ。

1143

戦艦の搭載機につき、準備できる機数と準備状況を報告せよ。
戦艦カリフォルニアの搭載機2機は、フォード島にて発進準備の予定。アロハタワー4マイルの潜水艦を爆撃、油浮上。

1146

 北岸に敵軍上陸。青い作業服に赤い徽章あり。

1150

バーバー岬に複数のパラシュート降下。

1152

 3機の哨戒機が爆雷を搭載して指定地区を捜索中。

1153

カリフォルニア州サンジエゴ港で空母サラトガと護衛艦の出航準備が明日月曜日8日0900には完了すると連絡。

1155

 全巡洋艦・駆逐艦は直ちに出航し、戦闘準備に入れ。

1156

戦艦テネシーが陸軍航空隊のB17を観測。水路には敵機と潜水艦が横たわっていると信じられていると。

1200

 現時点での艦船(空母エンタープライズ、空母レキシントン、巡洋艦ミネアポリスなど)の所在と出動準備体制を通報。
機雷掃海艇ボーリンは、機雷掃海艇トルコとともに真珠湾を掃海せよの命令を受ける。

1204

 ギャンブル、潜水艦音を探知、爆雷3発投下。

1206

マグフォード、給油中止。11.5万ガロン搭載完了。

1210

戦艦テネシーの報告:的輸送艦かバーバー岬40マイルにありパラシュート部隊が降下した(後に誤報と判明)。第四砲塔の30名の乗員を水上からの攻撃に備えて待機させた。

1217

航空部隊は300マイル遠方まで捜索せよ。

1219

戦艦ウェスタ・ヴァージニア周辺のが大火災のため、戦艦テネシー、戦艦メリーランドは消火用ボートを派遣せよ。

1228

戦闘艦の被害:
PENNSYLVANIA Dive bomb hit starboard side frame 86 drydock now flooded.
MARYLAND magazines flooded-
TENNESSEE fire in wardroom country.
OKLAHOMA capsized.
WEST VIRGINIA sunk but upright.
CALIFORNIA down by the head and heavy list to port probably on bottom.
ARIZONA sunk.
NEVADA beached off Hospital Point.

1230

水上機母艦カーチス、被害のため出撃不可能の連絡。ギャンブルが、ダイアモンドヘッドで爆雷攻撃をしている間に、バーバー岬4マイルの敵輸送艦を攻撃せよとの命令が出る。
ギャンブルは引き続き、爆雷攻撃を続けよ。潜水艦の積極が切れたときは、バーバー岬の輸送艦を攻撃せよ。輸送艦が発見できない場合は、より西方を捜索、攻撃せよ。

1232

敵輸送艦は、バーバー岬4マイルにあり。これを攻撃せよ。

1246

 戦艦カリフォルニアが急速に沈下、全部の上部ハッチを閉鎖、砲塔に火災進入の恐れあり(実際は進入せず)。

 

 

1800

 戦艦ペンシルヴェニア、弾薬をすべて移動移動完了。

1823-38

戦艦テネシー、航空機発見。友軍と思われる。

1855

戦艦テネシーより、空母エンタープライズの航空機、ホノルルに向け飛行中の連絡。

2110

 掃海艇ヴィレオ(840トン)が対空射撃で攻撃してきたと思われた航空機1機を撃墜。救助したところ空母エンタープライズの艦載機で友軍機であった。
エンタープライズの艦載機が飛行中の戦況報告が送付される。

 

 

出所)Chronology Of The Attack From The Deck Logs Of The Vessels Moored At Pearl Harbor December 7 1941に依拠しているが、出所に誤植が散見されるので、筆者の修正、推定もいれて作成した。

1.米軍の反撃はすばやかった。

敵(日本海軍)潜水艦を発見して、直ぐに軍艦と航空機が攻撃している(0645)。発砲の許可を軍司令部に問い合わせるのではなく、事前に攻撃許可を得ているからである。空襲のとき(0415)も、日本の戦記では日曜日で演習と勘違いしてのんびりしていた----、奇襲に驚いて反撃になかなか移れなかった--、と認識している場合が多い。しかし、空襲確認後、作戦行動をしている敵に容赦なく攻撃している意味で、騙まし討ちではあっても、すばやい反撃であった。

2.米軍は、空襲と同じように、潜水艦攻撃を警戒していた。

絶えざる空襲の中でも、潜水艦からの攻撃を警戒していたのは、すでに潜水艦出現が通知されていたためである。しかし、空襲されている最中に、見えない潜水艦を警戒していたのでは、空襲に対する反撃が不十分になってしまう。この最適な事例は、航空機の使用方法である。本来は、爆撃機、哨戒機で敵空母部隊を索敵すればよいが、半数以上の哨戒機を対潜水艦に使用している。湾内の軍艦も、潜水艦を警戒している。これは、日本海軍が二人乗りの特殊潜航艇「甲標的」を使用した成果である。5隻の潜航艇は、大型潜水艦の上部に固定され真珠湾口まで運ばれ、そこで乗員が乗り移ってから発進した。真珠湾で初めに反撃を受けたのも、この特殊潜航艇である。操縦も航法も難しかったはずであるが、厳重な警戒の真珠湾に潜入できた特殊潜航艇もあった。魚雷を2本搭載しているし、実際に発射もている(命中なし)。従来から全く戦果を上げていないとされてきたが、米軍に多大な警戒感を抱かせ、艦艇、航空機など貴重な戦力を捜索に使用させた点で、米軍に大きな負担を強いている。10名(戦死9名、捕虜1名)の挙げた功績である。

3.米軍は、空襲後に、ハワイ諸島、特に真珠湾のあるオアフ島に日本軍が艦船あるいはパラシュート部隊によって上陸・降下したと信じていた。

日本は真珠湾を占領する計画を立てたこともなかったらしい。日本から遠すぎて補給が困難な上に、米国海軍が壊滅しない限り、上陸はできないからである。米国海軍の壊滅が不確実であれば、二兎を追うとは困難であろう。この誤報によって、西方に撤退していた日本の機動部隊を捜索する艦船、航空機が減少したから、日本にとっては有利であった。

誤報が起きたのは、座礁した特殊潜航艇の乗員がいたこと、被弾した日本海軍機が不時着したり、損害を受けた日本の航空機からパラシュート降下、脱出した兵士がいたこと、が背景にある。

4.米軍は、戦艦部隊が使用できなくなったにもかかわらず、空母部隊、陸上航空兵力によって、規模もよく分からない敵空母部隊に反撃を加えようとした。

戦艦の砲撃戦を中核とする艦隊決戦を想定していた日米海軍だったが、真珠湾の空襲に対しては、米軍も空母部隊を反撃の主力として即座に採用した。つまり、真珠湾には使用可能な巡洋艦、駆逐艦が残っていたが、それらを空母部隊の反撃に向かわせることはなかった。真珠湾を出航させているのは、空襲の標的になるのを避けるため、敵潜水艦を捜索するため、んっぽんぐんが敷設した(らしい)機雷を掃海(除去)するためである。よく真珠湾攻撃簿に、米国も空母中心の艦隊運用をするようになったといわれるが、真珠湾攻撃の最中にそうなっているのである。


真珠湾攻撃の日米損害


米国US

日本Japan

死者Personnel Killed

2388

海軍Navy

1998

64

海兵隊Marine Corps

109

陸軍・陸軍航空隊Army and Army Air Corps

233

民間人Civilian

48

重傷者Personnel Wounded

1178

不明unknown

海軍Navy

710

海兵隊Marine Corps

69

陸軍・陸軍航空隊Army and Army Air Corps

364

民間人Civilian

35

艦船Ships

撃沈・座礁Sunk or Beached**

12

5(2人乗り特殊潜航艇)

大中破Damagged*

9

航空機Aircraft

破壊Destroyed

164

29

損傷Damaged

159

74


* 未確定。
** アリゾナ、ユタ、オクラホマは、引き揚げられ戦列復帰したので、それらを除く米国艦艇。

その他の統計


戦艦アリゾナ死傷者

戦艦アリゾナ生存者

戦艦アリゾナ帰還者
(334名の生存者中23名)

戦艦アリゾナの兄弟乗員

l真珠湾での死傷者
(戦艦アリゾナの死傷者を除く場所別の死傷者と民間人死傷者名簿)

真珠湾攻撃の米国側の死傷者数

死者

重傷者

合計

海軍

2001

710

2711

海兵隊

109

69

178

陸軍

231

364

595

民間人

54

35

89

合計

2395

1178

3573

注)艦船と航空機の損害は同じ。

出所)http://my.execpc.com/~dschaaf/pearl2.html#december


「真珠湾で果敢に応戦した米国」の視点

しかし、従来語られてこなかった、日本の航空兵力の損害も考慮する必要がある。騙まし討ちの奇襲で、米国航空隊の反撃が僅かしかなかったにもかかわらず、30機近い機体と50名以上のパイロット・偵察員・航法員を失っている。300機以上の出撃であるから、10%弱の大損害である。

真珠湾の一日の経過を見ても分かるように、日曜日午前中に不意を疲れたとは言うものの、反撃するのに躊躇はない。攻撃してきた敵機にはもちろん、対空戦闘もすばやく準備され、戦争状態に入ったかどうかの確認を取るまでもなく、兵士の判断で応戦している。近年の自衛隊海外派遣で、応戦する判断を誰が下すかが問題になった時期もあるが(現在は現場指揮官にあるとされる)、大規模な攻撃にはそのような議論をするまでもなく、応戦している。

しかし、湾内に侵入しようとする国籍不明の潜水艦にも果敢に攻撃を仕掛けている。これは、敵が実際に発砲していなくとも、攻撃準備行動をしている国籍不明潜水艦への攻撃、撃沈、人員殺害である。事前に哨戒任務についていたとはいえすばやい行動である。真珠湾攻撃が空襲によって始まったと解釈するのは、攻撃とは、発砲、爆弾投下といったまさに敵に打撃を与える直接の行動のみを捉えているが、直接打撃を与えるための準備行動もまぎれもなく「攻撃」である。米軍でも攻撃してきたものへは、有無を言わさず反撃している。

攻撃精神旺盛な敵として米軍を認識していた航空機搭乗員や指揮官にとって、第二波攻撃は、かなり緊張していたであろう。応戦体制のできている真珠湾への再攻撃となり、奇襲でなくなる。攻撃最中に、航空母艦が攻撃を受け、帰還できなくなるかもしれない。したがって、被害も大きくなる。せっかく大戦果を上げながら、戦艦以外の攻撃目標に再び命がけの攻撃を仕掛けるのは、第一次攻撃が大戦果を上げた後だけに、勇気がいる。このように航空機の搭乗員や指揮官、機動部隊司令官さえもが再攻撃に消極的になっても不思議ではない。損害を受けていない日本の機動部隊が,米国の空母部隊(航空母艦2隻)に攻撃されたら大変だ,というのは,空母6隻を有する大艦隊にしては慎重すぎる。

優勢な米国太平洋艦隊に対して、念入りに準備し、訓練した部隊で奇襲攻撃をかけ、戦艦部隊を一時的に使用不能にすることができた、この点で、真珠湾攻撃は、成功である。しかし、攻撃が不徹底であった。空襲も戦艦・航空機に限定せず、造船・燃料関連施設など戦艦以外も広く艦艇が使用できる施設を破壊し、被害復興を阻む必要があった。また、潜水艦や駆逐艦なども、停泊しているうち容易に撃沈できたであろう。第二次攻撃を行えなかったのは,米兵が勇敢に反撃からでだるともいえる。

いずれにせよ戦艦、特に速力が26ノット以下の旧式戦艦は、人員、燃料消費を考慮すると、無用の存在になりつつあった。その戦艦を撃破したことで艦隊決戦が企図される事もなかった。そう考えると、真珠湾攻撃で上げた戦果は、航空機の撃破と優秀な艦船乗組員(人員)の殺戮、奇襲に備えて(無駄な)警戒を多方面に強いるという点が(9.11テロと同じく)特記されるべきなのだろうか。

当サイトでは,太平洋戦争中の米国への真珠湾攻撃を,戦術と戦略面から再検討しました。写真は,米国国会図書館(Library of Congress), ナショナル・アーカイブズPearl Harbor Photos from the National Archives、WWW?Resources からの引用です。そのほか、下記のwebを参照して作成しました。
真珠湾攻撃の軍事リンク 
真珠湾攻撃リンク
真珠湾攻撃と米軍
Pearl Harbor Remembered main menu
日本の攻撃に関する事前警告
BBC
米国の戦備
日本海軍の戦備
日米交渉
真珠湾攻撃の作戦計画
真珠湾攻撃の立案と宇垣中将
日本外交官の真珠湾攻撃
山本五十六と真珠湾攻撃
宣戦布告の起草
真珠湾の艦船と損害一覧(日本語)
真珠湾攻撃に係る議会報告書
WW2AirForce
NARA真珠湾攻撃記録



1942年春に解読された日本の暗号Parpul
真珠湾リンク集
写真リンク集
真珠湾の一日 
日本海軍の空襲部隊
1942年12月12日付艦船損害報告書
「真珠湾攻撃の真相」
戦艦アリゾナ記念館
戦艦アリゾナ図書館

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米陸軍死者行方不明者(州別)World War II Honor List of Dead and Missing Army and Army Air Forces Personnel
米国海軍死者・行方不明者(州別)World War II Honor List of Dead and Missing Army and Army Air Forces Personnel
真珠湾在泊主要艦艇
米国海軍艦艇一覧

真珠湾在泊艦船一覧(データ・写真リンク):1941/12/07現在

戦艦3万トン級Battleships(BB)
Arizona (BB-39)沈没・廃棄 (Sunk Total Loss)
Oklahoma (BB-37) 転覆・引き揚げ・修理不能(Capsized -Raised Not Repaired)
California (BB-44) 沈没・修理(Sunk Raised And Repaired)
Nevada (BB-36) 座礁大破・修理(Beached Heavy Damage, Repaired)
Maryland (BB-46) 小破(Light Damage)
Pennsylvania (BB-38) 小破・修理(Light Damage, Repaired)
Tennessee (BB-43) 小破・修理(Light Damage, Repaired)
West Virginia (BB-48) 沈没・修理(Sunk Raised And Repaired)

重巡洋艦1万トン級 Heavy Cruisers(CA)
New Orleans (CA-32) 小破・修理(Light Damage, Repaired)
San Francisco (CA-38) 小破・修理(Light Damage, Repaired)

軽巡洋艦7500トン〜1万トン級 
Detroit (CL-8) 小破・修理(Light Damage, Repaired)
Helena (CL-50) 小破・修理(Light Damage, Repaired)
Honolulu (CL-48) 小破・修理(Light damage, Repaired)
Raleigh (CL-7) 大破・修理(Heavy Damage, Repaired)
Phoenix (CL-46)
St. Louis (CL-49)

 駆逐艦2000トン級 Destroyers(DD)
Cassin (DD-372) 大破・修理不能(Damaged Beyond Repair, Parts Salvaged and Built into new hull)
Downes (DD-375) 大破・修理不能(Damaged Beyond, Repair Parts Salvaged and built into new hull)
Shaw (DD-373) 大破・修理(Very Heavy Damage, Repaired)
Helm (DD-388) 小破・修理(Light Damage, Repaired)
Allen (DD-66)
Aylwin (DD-355)
Bagley (DD-386)
Blue (DD-387)
Case (DD-370)
Chew (DD-106)
Conyngham (DD-371)
Cummings (DD-365)
Dale (DD-353)
Dewey (DD-349)
Farragut (DD-348)
Henley (DD-391)
Hull (DD-350)
Jarvis (DD-393)
Mc Donough (DD-351)
Monaghan (DD-354)
Mugford (DD-389)
Patterson (DD-392)
Phelps (DD-360)
Ralph Talbot (DD-390)
Reid (DD-369)
Schley (DD-103)
Selfridge (DD-357)
Tucker (DD-374)
Worden (DD-352)
潜水艦Submarines(SS)
Cachalot (SS-170)
Dolphin (SS-169)
Narwhal (SS-167)
Tautog (SS-199)

高速掃海艇High Speed Mine Sweepers(DMS)
Perry (DMS-17)
Trever (DMS-16)
Wasmuth (DMS-15)
Zane (DMS-14)

 機雷敷設艇Light Mine Layers(DM)
Breese (DM-18)
Gamble (DM-15)
Montgomery (DM-17)
Preble (DM-20)
Pruitt (DM-22)
Ramsey (DM-16)
Sicard (DM-21)
Tracy (DM-19)

 機雷敷設艦Mine Layer(CM)
Oglala (CM-4) (Capsized Raised, Repaired)

 掃海艇Mine Sweepers(AM)
Bobolink (AM-20)
Grebe (AM-43)
Rail (AM-26)
Tern (AM-31)
Turkey (AM-13)
Vireo (AM-52)

 沿岸掃海艇Coastal Mine Sweepers(AMc)
Cockatoo (AMc-8)
Condor (AMc-14)
Crossbill (AMc-9)
Reedbird (AMc-30)


  砲艦Gunboat(PG)
Sacramento (PG-19)

 魚雷艇Motor Torpedo Boats(PT)
第一魚雷艇中隊MTB Squadron One
PT-20
PT-21
PT-22
PT-23
PT-24
PT-26
PT-27
PT-28
PT-29
PT-30
PT-42

 弾薬運搬船Ammunition Ship
Pyro (AE-1)

 貨物船Cargo Ship
Vega (AK-17)

 駆逐艦母艦Destroyer Tenders
Dobbin (AD-3)
Whitney (AD-4)

 給糧艦General Stores Ships
Antares (AKS-3)
Castor (AKS-1)

 病院船Hospital Ship
Solace (AH-5)

 雑役船Miscellaneous Auxiliaries
Argonne (AG-31)
Sumner (AG-32)
Utah (AG-16) (Capsized Not Raised Or Repaired)

 外洋タグボートOcean Going Tugs
Navajo (AT-164)
Ontario (AT-13)
Sunnadin (AT-28)

 給油艦Oilers
Neosho (AO-23)
Ramapo (AO-12)

 工作艦Repair Ships
Medusa (AR-1)
Rigel (AR-11)
Vestal (AR-4) Heavy Damage

 水上機母艦Sea Plane Tenders
Curtiss (AV-4) 小破Light damage
Tangier (AV-8)

 水上機(駆逐艦)母艦Sea Plane Tender- Destroyer
Hulbert (AVD-6)
Thornton (AVD-11)

 小型水上機母艦Small Sea Plane Tender
Avocet (AVP-4)
Swan (AVP-7)

 潜水艦救難船Submarine Rescue Vessel
Widgeon (ASR-1)

 潜水艦母艦Submarine Tender
Pelias (AS-14)

 未分類Unclassified
Chengho (IX-52)

Yard & District Craft

パトロール艇Patrol Craft
YP-108
YP-109

フェリーFerry Boat
Manuwai (YFB-16)
Nihoa (YFB-17)

 燃料バージFuel Oil Barges

YO-21
YO-28
YO-30
YO-43
YO-44


 浮き作業船Floating Work Shop
YR-20
YR-22


 ゴミ運搬船Garbage Lighters
YG-15
YG-17
YG-21


 関門艇Gate Vessel
YNG-17

 タグボートHarbor Tugs
Hoga (YT-146)
Nokomis (YT-142)
Osceola (YT-129)
Sotoyomo (YT-9) (Sunk Raised and Repaired)
Geronimo (YT-119)
YT-130
YT-152
YT-153


 モータータグMotor Tug
YMT-5

Net Tenders
Ash (YN-2)
Cinchona (YN-7)
Cockenoe (YN-47)
Marin (YN-53)
Wapello (YN-56)

 魚雷試験バージTorpedo Testing Barges
YTT-3

給水バージWater Barge
YW-16

沿岸警備隊所属艦船U.S.Coast Guard VesselsカッターCutters
Reliance (USC-150) (Honolulu Harbor)
Taney (WPG-37) (Honolulu Harbor)
Tiger (WSC-152) (Off Honolulu Harbor Entrance)

沿岸警備艇Coast Guard Boats
CG-8 ( Honolulu Harbor )
AB-27
(Honolulu Harbor)

出所)http://www.navsource.org/Naval/pearl.htm


真珠湾攻撃の研究:9.11テロとの比較
◆2017.6.30産経ニュース「稲田朋美防衛相、失言を初めて陳謝 辞任は否定
 稲田朋美防衛相は(2017年6月)30日の記者会見で、東京都議選の自民党候補に対する応援演説の際に「防衛省・自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」と発言したことについて、「改めて『防衛省・自衛隊、防衛相』の部分は撤回し、おわびしたい」と述べ、公の場で初めて陳謝した。
 発言に関しては「演説を実施した板橋区の隣の練馬区にある練馬駐屯地など、自衛隊を受け入れている地元に感謝する趣旨を入れた演説だった」と述べた。その上で「国民の生命、身体、財産、わが国の領土、領海、領空をしっかりと守るべく、いっそうの緊張感を持って防衛相としての職責を果たしてまいりたい」とし、辞任しない考えを重ねて示した。(2017.6.30 22:25引用終わり)

 日本の「保守」であれば、大切な家族を差し置いて、選挙戦に勝つことばかり願っている平和ボケ防衛大臣など追放すべきである。さらに、文民の大臣が、自衛官を政治的な投票の駒として利用すると公言したとなれば、それは公職選挙法の問題に留まらず、自衛隊を侮辱する発言である。国防重視というのも人気取りのポピュリズム的発想のプロパガンダに過ぎず、そんなエセ保守政治家の本心は、利己的な打算が支配しているにちがいない。1937年の盧溝橋事件が日中全面戦争に至った時も現地駐屯の日本軍や陸軍省・陸軍参謀本部以上に、日本の代表的政治家が「中国叩くべし」(暴支膺懲)との強硬発言をした。これは、国民世論を煽り、リーダーシップを軍から取り返そうとした策略だったかもしれない。しかし、政治家は、和平交渉の機会を捨て去り、国際的孤立を招き、政治・外交・軍事の大失敗に繋がった。主権者国民は、似非政治家のポピュリズム的発想に振り回されず、世界を大局を概観できる能力が求められる。






2011年7月刊行の『写真・ポスターに見るナチス宣伝術-ワイマール共和国からヒトラー第三帝国へ』青弓社(2000円)では、反ユダヤ主義、再軍備、ナチ党独裁、第二次世界大戦を扱いました。ここでは日本初公開のものも含め130点の写真・ポスターを使って、ヒトラーの生い立ち、第一次大戦からナチ党独裁、第二次大戦終了までを詳解しました。

ナチ党ヒトラー独裁政権の成立:NSDAP(Nazi);ファシズムの台頭
ナチ党政権によるユダヤ人差別・迫害:Nazis & Racism
ナチスの優生学と人種民族:Nazis & Racism
ナチスの再軍備・人種差別:Nazism & Racism
ナチスT4作戦と障害者安楽死:Nazism & Eugenics
ポーランド侵攻:Invasion of Poland;第二次大戦勃発
ワルシャワ・ゲットー写真解説:Warsaw Ghetto
ウッジ・ゲットー写真解説:Łódź Ghetto
ヴィシー政権・反共フランス義勇兵:Vichy France :フランス降伏
バルカン侵攻:Balkans Campaign;ユーゴスラビア・ギリシャ
バルバロッサ作戦:Unternehmen Barbarossa;ソ連侵攻(1)
スターリングラード攻防戦;Battle of Stalingrad :ソ連侵攻(2)
ワルシャワゲットー蜂起:Warsaw Uprising
アンネ・フランクの日記とユダヤ人虐殺:Anne Frank
ホロコースト:Holocaust;ユダヤ人絶滅
アウシュビッツ・ビルケナウ収容所の奴隷労働:KZ Auschwitz
マウトハウゼン強制収容所:KZ Mauthausen

◆毎日新聞「今週の本棚」に『写真・ポスターから学ぶ戦争の百年 二十世紀初頭から現在まで』(2008年8月25日,青弓社,368頁,2100円)が紹介されました。ここでは,第二次大戦,ユダヤ人虐殺・強制労働も分析しました。

ドイツ国防軍のヒトラー反逆:Ludwig Beck
ゲオルク・エルザーのヒトラー暗殺未遂:Georg Elser
ヒトラー暗殺ワルキューレ Valkyrie作戦: Claus von Stauffenberg
アンネの日記とユダヤ人

与謝野晶子の日露戦争・日中戦争
石川啄木を巡る社会主義:日清戦争・日露戦争から大逆事件
魯迅(Lu Xun)の日本留学・戦争・革命・処刑
文学者の戦争;特攻・総力戦の戦争文学
戦争画 藤田嗣治のアッツ島玉砕とサイパン島玉砕
統帥権の独立から軍閥政治へ:浜田国松と寺内寿一の腹切り問答

ナチ党ヒトラー独裁政権の成立:NSDAP(Nazi);ファシズムの台頭
ナチ党政権によるユダヤ人差別・迫害:Nazis & Racism
ナチスの優生学と人種民族:Nazis & Racism
ナチスの再軍備・人種差別:Nazism & Racism
ナチスT4作戦と障害者安楽死:Nazism & Eugenics
ハンセン病Leprosy差別
ドイツ国防軍のヒトラー反逆:Ludwig Beck
ゲオルク・エルザーのヒトラー暗殺未遂:Georg Elser
ポーランド侵攻:Invasion of Poland;第二次大戦勃発
ワルシャワ・ゲットー写真解説:Warsaw Ghetto
ウッジ・ゲットー写真解説:Łódź Ghetto
ヴィシー政権・反共フランス義勇兵:Vichy France :フランス降伏
バルカン侵攻:Balkans Campaign;ユーゴスラビア・ギリシャのパルチザン
バルバロッサ作戦:Unternehmen Barbarossa;ソ連侵攻(1)
スターリングラード攻防戦;Battle of Stalingrad :ソ連侵攻(2)
ワルシャワゲットー蜂起:Warsaw Uprising
アンネ・フランクの日記とユダヤ人虐殺:Anne Frank
ホロコースト:Holocaust;ユダヤ人絶滅
アウシュビッツ・ビルケナウ収容所の奴隷労働:KZ Auschwitz
マウトハウゼン強制収容所:KZ Mauthausen

自衛隊幕僚長田母神空将にまつわる戦争論
ハワイ真珠湾奇襲攻撃
ハワイ真珠湾攻撃の写真集
開戦劈頭の「甲標的」特別攻撃隊
サイパン玉砕戦:Battle of Saipan 1944
沖縄玉砕戦と集団自決:Battle of Okinawa 1945
沖縄特攻戦の戦果データ
戦艦「大和」天1号海上特攻 The Yamato 1945
人間爆弾「桜花」Human Bomb 1945
人間魚雷「回天」人間爆弾:Kaiten; manned torpedo
海上特攻艇「震洋」/陸軍特攻マルレ艇
日本陸軍特殊攻撃機キ115「剣」

日本陸軍八九式中戦車・九一式重戦車
フランス軍シャール 2C(FCM 2C)・イギリス軍ヴィッカースA1E1・日本陸軍九一式重戦車
ソ連赤軍T-34戦車ソ連赤軍T-35多砲塔重戦車
ソ連赤軍KV-1重戦車・KB-2重自走砲;Kliment Voroshilov

フィアット(FIAT)アウトブリンダ(Autoblindo)AB41装甲車
ドイツ軍Sd.Kfz. 221-4Rad四輪装甲車/Sd.Kfz. 231-6Rad六輪装甲車
ドイツ軍の八輪偵察重装甲車 Sd.Kfz. 231 8-Rad
ドイツ軍装甲車Sd.Kfz.250ハーフトラック
ドイツ軍装甲車Sd.Kfz.250ハーフトラック
ドイツ軍装甲車Sd.Kfz.251ハーフトラック
ドイツ陸軍I号戦車/47mm対戦車自走砲
ドイツ陸軍チェコ38(t)戦車:Panzerkampfwagen 38(t)
ドイツ陸軍2号戦車
ドイツ陸軍3号戦車
ドイツ陸軍4号戦車・フンメル自走砲
ドイツ陸軍マーダー対戦車自走砲 Panzerjäger 38(t) Marder
ドイツ陸軍ヘッツァー駆逐戦車 Jagdpanzer 38(t) 'Hetzer'
ドイツ陸軍III号突撃砲 Sturmgeschütze III
ドイツ陸軍IV号戦車(Panzerkampfwagen IV:Pz.Kpfw.IV)
ドイツ陸軍ナースホルン,フンメル自走砲,IV号駆逐戦車,ブルムベア突撃砲
VI号ティーガー重戦車
ドイツ陸軍VI号キングタイガー"Tiger II" /ヤークトティーゲル駆逐戦車"Jagdtiger"
V号パンター戦車
ドイツ陸軍V号ヤークトパンター(Jagdpanther)駆逐戦車

イギリス軍マチルダMatilda歩兵戦車
イギリス陸軍A22 チャーチル歩兵戦車: Churchill Infantry Tank Mk IV
イギリス陸軍バレンタイン(Valentine)歩兵戦車
イギリス陸軍クロムウェル(Cromwell)巡航戦車
M10ウォルブリン(Wolverine)/アキリーズ(Achilles)駆逐自走砲GMC
イギリス軍クルーセーダーCrusader/カヴェナンター/セントー巡航戦車
イギリス軍M4A4シャーマン・ファイアフライ Sherman Firefly戦車
英軍M10ウォルブリン/アキリーズ駆逐自走砲GMC
イギリス陸軍コメット巡航戦車

アメリカ軍M3Aスチュアート軽戦車/M3グラント/リー中戦車
アメリカ軍グラント(Grant)/リー(Lee)中戦車
アメリカ陸軍M4シャーマン中戦車Sherman Tank
シャーマン・クラブフライル地雷処理戦車 Sherman Crab Flail

フォッカー(Fokker)F.VIIb-3mトライモーター三発輸送機
シェルバ(Cierva)/ピトケイアン(Pitcairn)/ケレット(Kellett)のオートジャイロ
ロッキード(Lockheed)モデル 10 エレクトラ (Electra)輸送機
ロッキード14スーパーエレクトラ(Super Electra)/ロードスター(Lodestar)輸送機
ボーイング(Boeing)247旅客機
ダグラス(Douglas)DC-1旅客輸送機
ダグラス(Douglas)DC-2輸送機
ダグラス(Douglas)DC-3輸送機
ダグラス(Douglas)DC-4E旅客機
ダグラス(Douglas)C-39軍用輸送機
ダグラス(Douglas)C-47スカイトレイン(Skytrain)輸送機
アメリカ陸軍ダグラス(Douglas)C-54 スカイマスター(Skymaster)輸送機
アメリカ海軍ダグラス(Douglas)R5D スカイマスター(Skymaster)輸送機

ユンカース(Junkers)F.13輸送機
ユンカース(Junkers)W33輸送機「ブレーメン」(Bremen)大西洋横断飛行
ユンカース(Junkers)A50軽飛行機「ユニオール」"Junior"
ユンカース(Junkers)W.33輸送機/W.34水上機
ユンカース(Junkers)K43f水上機
巨人機ユンカース(Junkers)G38輸送機/九二式重爆撃機
ユンカース(Junkers)G.24輸送機/K30(R42)水上偵察爆撃機
ユンカース(Junkers)G.31輸送機
ユンカース(Junkers)Ju52/3m輸送機
ハインケル(Heinkel)He70高速輸送機ブリッツ(Blitz)
ハインケル(Heinkel)He111輸送機
ルフトハンザ航空フォッケウルフFw200輸送機/ドイツ空軍コンドル哨戒偵察機
ルフトハンザ航空ユンカース(Junkers)Ju90輸送機

フィリックストウ(Felixstowe)F2/F3/ポート(Porte)/フューリー(Fury)/F5 飛行艇
カーチス(Curtiss)H-16/海軍航空工廠(NAF)F.5L 双発飛行艇
NAF H-16民間仕様エアロマリン(Aeromarine)75飛行艇
軍航空工廠(NAF)F.5L/ カーチス(Curtiss)H-16飛行艇の生産
NAF H-16民間仕様エアロマリン(Aeromarine)75飛行艇
スーパーマリン(Supermarine)サザンプトン(Southampton)双発飛行艇
サンダース・ロー(Saunders-Roe)A.19 / A.29 クラウド(Cloud)双発飛行艇
ブラックバーン(Blackburn)アイリス(Iris)/ パース(Perth)飛行艇
ショート(Short)シンガポール(Singapore)四発飛行艇
スーパーマリン(Supermarine)ウォーラス(Walrus)水陸両用飛行艇
スーパーマリン(Supermarine)シーオッター(Sea Otter)水陸両用飛行艇
スーパーマリン(Supermarine)ストランラー(Stranraer)飛行艇
シコルスキー(Sikorsky)S-36水陸両用飛行艇
シコルスキー(Sikorsky)S-38水陸両用飛行艇
シコルスキー(Sikorsky)S-40飛行艇「アメリカン・クリッパー」"American Clipper"
シコルスキー(Sikorsky)S-42飛行艇アメリカン・クリッパー"American Clipper"
マーチン(Martin)M-130チャイナ・クリッパー/M-156四発飛行艇
ボーイング(Boeing)314飛行艇クリッパー"Clipper"

フィンランド内戦:Finnish Civil War
フィンランド対ソ連 1939‐1940年「冬戦争」Talvisota
ソ連フィンランド第二次ソ芬継続戦争Continuation War
フィンランド空軍の対ソ連1939年「冬戦争」1941年「継続戦争」
第二次ソ芬継続戦争のフィンランド海軍(Merivoimat)
第二次対ソビエト「継続戦争」1944年流血の夏、フィンランド最後の攻防戦
ブレダ1916/35年式76ミリ海軍砲(Cannon 76/40 Model 1916)
ブレダ20ミリ65口径M1935機関砲(Breda 20/65 Mod.1935)
フィンランド軍の対空機関銃◇Anti-aircraft machineguns
フィンランド軍の高射砲;Anti-aircraft Guns
フィンランド海軍の対空火器◇Anti-aircraft firearm:Fin Navy
フィンランド軍の防空監視哨

ドルニエ(Dornier)Do-Jワール/スパーワール飛行艇
ドルニエ(Dornier)Do-X 飛行艇
ドルニエ(Dornier)Do18飛行艇
ドルニエ(Dornier)Do24飛行艇
ドルニエ(Dornier)Do-26四発高速飛行艇
ブローム・ウント・フォス(Blohm & Voss)BV222バイキング/BV238飛行艇
ハインケル(Heinkel)He 59 救難機/水上偵察機
ハインケル(Heinkel)He 60 複葉水上偵察機
ドルニエ(Dornier)Do-22偵察爆撃機
ハインケル(Heinkel)He 114 艦載水上偵察機
ハインケル(Heinkel)He115水上偵察機
アラド(Arado)Ar-196艦載水上偵察機
ブロームウントフォッスBV138飛行艇
ブロームウントフォッスBV222飛行艇

ドイツ空軍ルフトバッフェ(Luftwaffe)Bf110,FW58,Go242
ヘンシェル(Henschel)Hs129地上攻撃機
ウルフ(Focke-Wulf)Fw 58 ワイエ"Weihe"練習機
ジーベル(Siebel)Fl 104/ Si 204/ C2A 連絡機
ヘンシェル(Henschel)Hs-126近距離偵察機
フィーゼラー(Fieseler)Fi-156シュトルヒ連絡機
フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw-189偵察機ウーフー"Uhu"
ブロームウントフォスBlohm & Voß BV-141偵察機
ハインケル(Heinkel)He-51複葉戦闘機/アラド(Arado)Ar68
ハインケル(Heinkel)He 100(He 113)戦闘機
メッサーシュミット(Messerschmitt)Me-109 E/F 戦闘機
メッサーシュミット(Messerschmitt)Me-109 G/K 戦闘機
フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw190戦闘機
フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw190D戦闘機
ハインケル(Heinkel)He280/He162ジェット戦闘機
ユンカース(Junkers)Ju-87スツーカ急降下爆撃機
ドルニエ(Dornier)Do 17 爆撃機
ドルニエ(Dornier)Do 215偵察機
ドルニエ(Dornier)Do 217爆撃機
ドルニエ(Dornier)Do 17/215/217 カウツ(Kauz)夜間戦闘機
ドイツ空軍ハインケル(Heinkel)He111爆撃機
ドイツ空軍ユンカース(Junkers)Ju-88爆撃機
ユンカース(Junkers)Ju88 D偵察機/S高速爆撃機
ユンカース(Junkers)Ju88 C/R/G夜間戦闘機
ユンカース(Junkers)Ju-188爆撃機
ユンカース(Junkers)Ju388高高度偵察機

ドイツ空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング元帥
エルンスト・ハインケル(Ernst Heinkel)教授
ムッソリーニ救出作戦
イタリア独裁者ムッソリーニ
独裁者ムッソリーニ処刑
ウィンストン・チャーチル Winston Churchill 首相
マンネルヘイム(Mannerheim)元帥のフィンランド対ソ連「冬戦争」「継続戦争」

サヴォイア=マルケッティ(Savoia Marchetti)SM.73輸送機
カント(CANT)Z.501ガビアーノ(Gabbiano)飛行艇
カント(CANT)Z.506アイローネ(Airone)水上機
サヴォイア=マルケッティSM.75 Marsupial(有袋類)輸送機
サヴォイア・マルケッティSM.82カングロ輸送機
フィアット(Fiat)G.18V輸送機
フィアット(Fiat)G.12/G.212三発輸送機
サボイア・マルケッティ(Savoia Marchetti)SM.79爆撃機
フィアット(Fiat)BR.20/イ式重爆撃機
サヴォイア・マルケッティ(Savoia-Marchetti)SM.84爆撃機
カント(CANT)Z.1007爆撃機
カプローニ(Caproni)Ca.135爆撃機
カプローニ(Caproni)Ca.310偵察爆撃機
カプローニ(Caproni)Ca.311軽爆撃機
ピアジオP.108重爆撃機
マッキ(Macchi)MC.200サエッタ戦闘機
マッキ(Macchi)MC.202フォゴーレ"Folgore"戦闘機
マッキ(Macchi)MC.205Vべルトロ"Veltro"戦闘機

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