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◆イギリス軍バレンタイン(Valentine)歩兵戦車 写真(右)1942年、イギリス南岸、ドーセット州ボービントン・キャンプで演習に参加したバレンタイン (Valentine)Mk III歩兵戦車 Infantry Tank :第一次世界大戦の最中の1916年、イギリス陸軍省は戦車兵訓練施設としてボービントン・キャンプを設立した。現在はボービントン戦車博物館The Tank Museum, Bovington)として、ドイツ軍のI号戦車、II号戦車、III号戦車、IV号戦車、V号戦車パンター、ティーガーI、ティーガーII、ヘッツァー駆逐戦車、ヤークトパンター駆逐戦車、ヤークトティーガー駆逐戦車、バレンタイン Mk III 歩兵戦車、マチルダI歩兵戦車、マチルダII歩兵戦車、チャーチル歩兵戦車、M3グラント中戦車、M4シャーマン中戦車、シャーマン ファイアフライ、M10 駆逐戦車などを保管・展示している。
Catalogue number: TR 113, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: War Office official photographer
Object description: Valentine tanks on a training exercise at Bovington, 1942.写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (TR 113)引用。
写真(右)2017年3月、イギリス南岸、ドーセット州ボービントン戦車博物館、イギリス陸軍バレンタイン(Valentine) Mk II歩兵戦車 (Infantry Tank) :主砲のオードナンス QF 2ポンド速射砲(Ordnance QF 2 pounder)は52口径40mm(40×304mm.R)、弾薬重量1.08 kg (2.4ポンド)。
English: Bovington Tank Museum: Valentine Mk II Date 17 March 2017 Source Own work Author Morio.写真はWikimedia Commons, Category:Valentine Mk II in the Bovington Tank Museum File:Valentine Mk II front-right 2017 Bovington.jpg引用。
写真(右)2015年10月、ロシア、モスクワ、クビンカ戦車博物館、イギリスが供与したソ連赤軍バレンタイン(Valentine) Mk III 歩兵戦車 (Infantry Tank) :Mark IIよりも砲塔が前方に設けられ、砲塔後方が大型化されているが、主砲はオードナンス QF 2ポンド40mm速射砲で同じである。
Description 0478 - Moskau 2015 - Panzermuseum Kubinka Date 1 October 2015, 10:58 Source 0478 - Moskau 2015 - Panzermuseum Kubinka Author Uwe Brodrecht.写真はWikimedia Commons, Category:Valentine tank in the Kubinka Museum File:0478 - Moskau 2015 - Panzermuseum Kubinka (26307536022).jpg 引用。
写真(右)2018年5月、イギリス、ダクスフォード、帝国戦争博物館、イギリス陸軍バレンタイン(Valentine) Mk III 歩兵戦車 (Infantry Tank) :Mark IIの車体側方装甲60 mm (2.4インチ)を50 mmに減少させ、重量軽減を図っている。
Photo ref; Nikon-D80-2018-DSC_0611 (Edited) Date 19 May 2018, 10:50 Source Valentine tank, Imperial War Museum, Duxford, May 19th 2018. Author Roland Turner from Birmingham, Great Britain.写真はWikimedia Commons, Category:Valentine tank in the Duxford Imperial War MuseumMk II in the Bovington Tank Museum File:Valentine tank, Imperial War Museum, Duxford, May 19th 2018. (42465603455).jpg引用。
写真(右)2010年7月、イギリス、ダクスフォード、帝国戦争博物館、イギリス陸軍バレンタイン(Valentine)Mk IX歩兵戦車(右)とバレンタイン Mk II 歩兵戦車 (左手前)、マーモン・ヘリントン(Marmon-Herrington)装甲車、1940型ハンバー1940(Humber)Mk I装甲車(左奥) :バレンタインMark IX戦車の主砲はオードナンス QF 6ポンド速射砲(Ordnance Quick-Firing 6-pounder 7 cwt)、砲弾重量2.86kg(6.3ポンド)に強化されている。
Bovington Tank Museum 315 Date 7 July 2010, 15:15  Source Bovington Tank Museum 315 Author DAVID HOLT from London, England.写真はWikimedia Commons, Category:Valentine Mk IX in the Bovington Tank Museum File:Flickr - davehighbury - Bovington Tank Museum 315.jpg。


1.イギリス陸軍マチルダMk I 歩兵戦車 Infantry tank Mk I Matilda I (A11)

マチルダMk I 歩兵戦車 Infantry tank Mk I Matilda I)は、小型で乗員2名、重量11tと小型だが装甲が厚いため重い戦車で、エンジンが非力なため、最大時速は整地でも13km/hと遅く、機動力は低かった。攻撃力は機関銃1丁だけで、装甲車と同じである。

GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1938年頃、イギリス、イギリス陸軍のマチルダMk I 歩兵戦車 Infantry tank Mk I Matilda I (A11):1935年に開発が始まった60ミリの重装甲の歩兵支援戦車で、兵器メーカー、ヴィッカース社のジョン・カーデンの設計になる小型戦車。武装は機銃のみなので、攻撃力は弱い。
BRITISH ARMOURED FIGHTING VEHICLES 1918-1939、 Catalogue number: KID 68, Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period: Interwar、 Alternative Names: object category: Colour, Creator: War Office official photographer, 
Object description: Infantry tank Mk I Matilda I (A11)写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (KID 68)引用。


イギリス陸軍は1936年に戦車を「歩兵戦車」と「巡航戦車」の二種類に分類したが、これは重装甲で火力支援用(当初は機関銃射撃のこと)の戦車と快速の軽装甲の攻撃用戦車が想定されていた。イギリス陸軍 マチルダMk I 歩兵戦車 Infantry tank Mk I Matilda I (A11))はイギリス陸軍初の歩兵戦車であり、1937年4月発注開始、1940年8月までに140輌が生産された。

マチルダMk I 歩兵戦車 Infantry tank Mk I Matilda I (A11))諸元
全長:4.85 m、 全幅:2.29 m、 全高:1.87 m
重量:11.2 t、乗員:2 名
最高時速:12.9 km/h、航続距離:129 km 兵装:7.7mmヴィッカース重機関銃1丁(銃弾4,000発)あるいは12.7ミリヴィッカース重機関銃1丁
装甲:10?60 mm
エンジン:フォードV型8気筒液冷ガソリン 70 hp / 3,500 rpm

写真(右)1938-1939年、イギリス、イギリス軍が試作させたA12 マチルダ Mk II Matilda II (A12EI) 歩兵戦車のプロトタイプ:BRITISH ARMOURED FIGHTING VEHICLES 1918-1939、 Catalogue number: KID 1542, Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white,
Object description: Infantry Tank Mk II Matilda II (A12EI) prototype. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (KID 1542)引用。


1938年4月にマチルダ II 歩兵戦車(Infantry Tank Mk II Matilda II (A12EI) prototype)の試作車が完成、オードナンス2ポンド40ミリ速射砲(Ordnance QF 2-pounder)を搭載してドイツ軍に対抗するために6月に140輌、8月に40輌の発注がされた。1939年から部隊配備開始。

A12 マチルダ II Mark II Matilda歩兵戦車 諸元
全長:5.61 m、全幅:2.59 m、全高:2.52 m
重量:27.0 t
最高速度:(整地)24.1 km/h、航続距離:257 km
兵装:オードナンス52口径オードナンス2ポンド40mm速射砲(QF:Quick-firing gun:搭載砲弾数93発)
砲塔装甲:全周75 mm 上面20 mm
車体装甲: 前面上部75 mm、側面上部70 mm、側面下部45 mm
エンジン:液冷V型6気筒ディーゼル2基 174馬力
生産台数2890輌

歩兵戦車とし第二次世界大戦直前に完成したマチルダ II 歩兵戦車Mk II Matilda II (A12) )は、2ポンド砲を装備し、イギリス戦車として初めてディーゼルエンジンを搭載した。装甲は、砲塔前面70ミリと第二次大戦後期の戦車並みの重装甲で、攻撃力は小さかったが防御力は第二次世界大戦初期では最高だった。ドイツ軍が1940年5月にフランス侵攻すると、その新鋭戦車III号戦車を相手に互角以上の戦いを見せたものの、歩兵用に分散配備されていたために、空地一体化した電撃戦と戦車の集団用法を用いたドイツ軍に敗退した。

写真(右)1941年7月28日、イギリス、ロンドンで開催された戦車競技に参加するために、サセックスのクロウバラで整備を受けているイギリス軍第8装甲師団第23装甲旅団第40王立戦車連隊のバレンタイン歩兵戦車(奥)とマチルダ歩兵戦車(手前) :この二つのタイプの戦車が似通った形状であることがよくわかる、サスペンションの形状は異なっているが、砲塔の部分はそっくりで、同一の2ポンド40ミリ速射砲を搭載している。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 20265, Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Console (Capt) Tanner (Lt)
Object description: A Matilda tank and a Valentine of 40th Royal Tank Regiment, 23rd Armoured Brigade, 8th Armoured Division being 'bulled up' at Crowborough in Sussex for a 'Speed the Tanks' parade in London, 28 July 1941. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 20265)引用。


イギリス軍は、1935年に戦車区分として歩兵戦車を指定したが、その第1号がA7中戦車として設計が始まった「マチルダMk.I(マークI)」歩兵戦車だが、150両程度の生産に終わったため、大量生産型の第1号はマチルダ II 歩兵戦車Mk II Matilda II (A12) )である。

 歩兵戦車のマークIとマークIIとは、同じ「マチルダ」と命名されてはいるが、大きさ、形状から搭載火砲まで、全く異なった別の開発の戦車である。マチルダMk.I は機関銃1丁を搭載するだけの歩兵戦車だったが、マチルダMk.IIは、2ポンド(40ミリ)速射砲(40 mm 2-pounder Ordnance QF gun)を搭載している。

第二次大戦中、イギリス軍がマチルダ II 歩兵戦車やバレンタイン戦車を配備し始めた時期、アメリカ軍はM3中戦車を制式としていた。M3中戦車には、砲塔上面に司令塔(キューポラ)が突出しているアメリカ軍仕様の「M3 Lee」と、砲塔上面に司令塔がないイギリス軍仕様「M3 Grant」とがあった。リーは、南北戦争当時の南軍の将軍、グラントは、北軍の将軍で同時代のライバルだった。

 M3リー/グラント中戦車は、1941年4月から1942年12月までに6258輛が量産された。1941年12月にアメリカが第二次大戦に参戦する前から、アメリカは武器貸与法に基づいて、飛行機、戦車から燃料まで、軍事物資をイギリスに大量に貸与していた。貸与とは、戦後に代金を支払う約束によって武器を供給するという信用、借金である。

写真(右)1941年9月12日、イギリス、イギリス軍第6装甲師団第20装甲連隊のマチルダ II 歩兵戦車とハレンタイン戦車
BRITISH TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES 1939-45、 Catalogue number: CP 5233B, Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white,
Object description: A Matilda and Valentine tanks of 20th Armoured Brigade, 6th Armoured Division, on parade for HM King George VI near Brandon in Suffolk, 12 September 1941. The commander is demonstrating the Bren gun mounted for anti-aircraft defence. This Matilda has the War Department number T29812. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (CP 5233B)引用。


マチルダ II 歩兵戦車Mk II Matilda II (A12) )は、車体側面が平面的で、装甲カバーから車体までが一体的な設計で、車体と砲塔は鋳造構造で量産されている。第二次世界大戦の当初、1941年に北アフリカ戦線でドイツ軍、イタリア軍にたいして投入されたが、60ミリ以上の正面装甲は、当時は最強の防御力を誇っていた。

しかし、マチルダMk.II(マークII)歩兵戦車は、機動性が低く、量産性にも問題があったため、アメリカの武器貸与法によって、アメリカが開発したM3グラント中戦車、さらにM4シャーマン中戦車がイギリス軍に大量供給されると、地雷除去戦車や架橋戦車などに改修され、第一線の戦闘部隊からは次第に姿を消していった。

イギリス軍 マチルダ II Mark II Matilda歩兵戦車は、キャタピラが巻き込んだ泥や異物が、キャタピラカバー(覆いのスカート)の上部に詰まって、キャタピラーの動きや誘導輪の回転の障害になった。この泥を除去しようと思っても、カバー内部に詰まった異物は取り除くことが困難だった。なぜならば、キャタピラーのカバー(スカート)と誘導輪が一体化されているために、カバーの取り外しができなかったためである。 
  マチルダ II Mark II Matilda歩兵戦車は、足回りの構造が欠陥となって機動性を維持するのが困難だった。

写真(右) 1940年11月、イギリス、イギリス軍マチルダMark II Matilda歩兵戦車 :1938年4月に試作車が完成、ドイツの急速な再軍備に対抗するために6月に140輌、8月に40輌の発注がされた。1939年から部隊配備開始。
THE INFANTRY TANK MK II (A12) MATILDA II, Catalogue number: ZZZ 14439, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white,  Creator: Press Agency photographer
Object description: A Matilda tank during a demonstration in the UK, November 1940.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (ZZZ 14439)引用。


マチルダ Matilda Mk II 歩兵戦車の砲塔には、52口径2ポンド(40ミリ)QF速射砲(砲弾搭載数93発) と同軸の7.92mmベサ機関銃1丁(2925発)装備されている。ベサ機関銃は、チェコのブルーノZ-53空冷ベルト給弾機関銃をイギリスで国産化した機関銃である。
 砲塔の左右に2基ずつ発煙筒を装備できるラックがついている。しかし、実戦の写真を見ると、発煙筒を装備していなかったり、1基しか備えていなかったりと、完備しているとは限らない。

写真(右)1942年11月9日、イギリス、イギリス西部軍司令部の武器学校で訓練するA12 マチルダ Mk II Matilda II 歩兵戦車
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 25216, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period:Second World War Alternative Names: object category: Black and white,
Creator: War Office official photographer Taylor (Lt)
Object description: Matilda tanks at a weapon training school in Western Command, 9 November 1942. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 25216)引用。


イギリス軍マチルダ Matilda Mark II歩兵戦車 :1938年4月に試作車が完成、ドイツの急速な再軍備に対抗するために6月に140輌、8月に40輌の発注がされた。1939年から部隊配備開始。

歩兵戦車(Infantry Tank)は歩兵に随伴して、歩兵の楯となって火力支援する戦車であるため、高速を発揮する機動性はなくてもよいが、標的になりやすいために重装甲が必要である。つまり、歩兵部隊を守る重戦車といえる。ただし、マチルダ Matilda Mark II 歩兵戦車の装備したオードナンス52口径2ポンド40ミリ速射砲(QF 2 pounder 40 mm:収容砲弾数 93発)は、1942年当時としては、ドイツ、日本の戦車と同様の口径で、取り立てて協力というわけではない。

写真(右) 1941年頃、イギリス(?)、52口径2ポンド(40ミリ)QF速射砲を搭載したイギリス軍マチルダ Mark II Matilda歩兵戦車 :1938年4月に試作車が完成、ドイツの急速な再軍備に対抗するために6月に140輌、8月に40輌の発注がされた。1939年から部隊配備開始。
ALLIED AFV'S ( ARMOURED FIGHTING VEHICLES ) OF THE SECOND WORLD WAR; TANKS., Catalogue number: MH 9264, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white 
Object description:A front three quarter view of an Infantry tank Mk.IIa, Matilda.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 9264)引用。


他方、巡航戦車(Cruiser Tank)は、戦車を中心とした機械化装甲部隊として、迅速に行動できるような速力と機動力が重要で、そのためには、軽量化した車体とすることが求められる。そこで、戦車の装甲は薄くなり、巡航戦車(Cruiser Tank)は快速の軽戦車といえる。

1941年3月 11日に制定された武器貸与法Lend-Lease)にのっとって、アメリカはイギリスに飛行機・戦車から燃料・被服まで大量の軍事物資を貸与した。M3A軽戦車「スチュアート」は1942年8月までにアメリカで5800輌生産され、さらに強力なM3グラント中戦車、M4シャーマン中戦車も武器貸与法に基づいて、北アフリカ戦線で戦うイギリス陸軍に大量に供給されている。したがって、イギリスが自らマチルダ Matilda Mark II 歩兵戦車のような戦車を量産しなくとも、戦車は足りる状況になった。そこで、イギリスは、同盟国のソ連に大量のマチルダ歩兵戦車を供与しているほどである。

イギリス陸軍マチルダMatilda歩兵戦車を見る。

写真(右)1942-1943年頃、ヨーロッパ大陸侵攻・北アフリカ侵攻に配慮して開発されたマチルダ・バロンMatilda Baron flail tankフライル地雷除去戦車:イギリス製マチルダ戦車の砲塔を除去し軽量化し、車体前面に鎖をつけた回転ローラー(クラブ・フライル)を装備して、鎖の衝撃で敷設された地雷を破壊する。爆破の衝撃や破片から乗員を保護するために装甲が施されている。
Catalogue number: H 31847, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Watson (Gnr), Object description: Matilda Baron flail.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 31847)引用。


1942年8月19日のディエップ奇襲上陸作戦Dieppe Raid)では、イギリスが新鋭チャーチル歩兵戦車を投入した。この戦車は、重装甲と攻撃力、すなわち対歩兵に軽快な戦車砲を砲塔に搭載し、大型榴弾を発射できる大口径砲を車体に搭載していた。つまり、対歩兵・対戦車能力を併せ持っており、奇襲上陸に大きな威力を発揮すると期待されていた。しかし、軟弱な砂浜海岸や障害物でその機動が制限され、十分な威力を発揮できずに、立ち往生してしまったのである。

 1942年8月のディエップ奇襲上陸作戦Dieppe Raid)の失敗を受けて、イギリス軍は、北アフリカ侵攻 (North African Campaign)、ヨーロッパ大陸侵攻の時の上陸作戦のためには、海岸に上陸する際の特殊装甲工作車が必要であると認めるようになった。こうして、装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)と称される工兵部隊用の特殊車両が開発されるようになった。

装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)の母体となったのは、イギリス製チャーチル戦車やマチルダ戦車、あるいはアメリカ製M4シャーマン中戦車など、既存の戦車で装甲が施された車両だった。つまり、海岸に上陸するに際して、敵の下記の反撃を想定し装甲車が、砂浜海岸の軟弱地盤を支障なく装甲するキャタピラ式の車両が求められたが、新規の設計・生産では効率が悪いので、結局、装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)は既存の戦車を利用することになった。

 砂浜海岸への上陸作戦のために準備された工兵部隊用の特殊車両は、装甲車両王立工兵隊指揮官パーシー・ホバートPercy Hobart:1885-1957)少将に因んで「ホバーツ・ファニーズ」(Hobart's Funnies:ホバートの奇妙な連中)と自嘲気味に呼ばれることになった。戦車を改造した、装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)は、特異な装備をして、車両の形状も異彩を放っていたからである。


2−1.イギリス陸軍バレンタイン Valentine 歩兵戦車

GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1941年1月9日、イギリス(?)、イギリス軍バレンタイン歩兵戦車Mk III Valentine
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 6558, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: War Office official photographer Malindine E G (Lt)
Object description: A Valentine tank, 9 January 1941. This photograph was commissioned for use in propaganda posters.写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 6558)引用。


第二次大戦の緒戦で、軍備に後れを取っていたイギリスが1940年5月に試作した戦車がバレンタイン Valentine歩兵戦車である。この時期は、ダンケルク撤退、フランス敗北と、イギリス本土防衛の危機の時期で、英首相にチェンバレンに替わってチャーチルが就任した時期であったために、試験車はすぐに採用され、「歩兵戦車 Mk.? バレンタイン」として量産に移されることになった。 実戦投入は、北アフリカ戦線が最初であるが、防御力が高く、チャーチル歩兵戦車よりも小型で、量産むきだったために、1944年4月まで生産されている。

写真(右)1941年6月4日、イギリス、サフォークのウッドブリッジ近くで、演習に参加するためイギリス軍のバレンタイン歩兵戦車 :砲塔には2ポンド40ミリ速射砲を搭載している。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 10266, Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Puttnam (Lt)
Object description: Valentine tanks of 48th Royal Tank Regiment, 21st Army Tank Brigade, exercising in strength on Sutton Common, near Woodbridge in Suffolk, 4 June 1940. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 10266)引用。


写真(右)1941年6月23日、イギリス、ノールウィッチ近くで行われる演習に参加するために、トレーラーで運搬する準備をしているイギリス軍のバレンタイン歩兵戦車 :砲塔には2ポンド40ミリ速射砲を搭載している。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 10984, Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Puttnam (Lt)
Object description: Valentine tanks of 6th Armoured Division being unloaded from railway flat-cars in preparation for exercises near Norwich, 23 June 1941. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 10984)引用。


写真(右)1941年7月28日、イギリス、ロンドンで開催された戦車競技に参加するために、サセックスのクロウバラで整備を受けているイギリス軍第8装甲師団第23装甲旅団第40王立戦車連隊のバレンタイン歩兵戦車(奥)とマチルダ歩兵戦車(手前) :この二つのタイプの戦車が似通った形状であることがよくわかる、サスペンションの形状は異なっているが、砲塔の部分はそっくりで、同一の2ポンド40ミリ速射砲を搭載している。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 20265, Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Console (Capt) Tanner (Lt)
Object description: A Matilda tank and a Valentine of 40th Royal Tank Regiment, 23rd Armoured Brigade, 8th Armoured Division being 'bulled up' at Crowborough in Sussex for a 'Speed the Tanks' parade in London, 28 July 1941. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 20265)引用。


写真(右)1941年7月25日、イギリス、ベッドフォード、演習に参加したイギリス軍第6装甲師団のバレンタイン歩兵戦車 :車体前面の左右に夜間行動用のヘッドランプが付いているが、ランプを下に向けてガラスカバーを保護できる状態にしている。操縦席の覗き窓が車体中央に開いている。”SNEZY”とあるのは、この戦車の愛称(固有名詞)である。2ポンド40ミリ速射砲を搭載している。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 12016, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Puttnam (Lt)
Object description: Valentine tanks of 6th Armoured Division passing through a village during exercises in Bedfordshire, 25 July 1941. The leading vehicle is named 'Sneezy'. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 12016)引用。


1940年5月試作車完成したバレンタイン Valentine歩兵戦車は、イギリス本土のドイツ軍侵攻という危機に直面していたこともあって、直ちに量産を開始。バレンタイン Valentine歩兵戦車は、低速で、威力の低い2ポンド砲、二人しか入れない狭い砲塔という欠点があったが、1944年4月までに6,855輌も量産された。バレンタイン歩兵戦車は、イギリスからソ連に対する軍需物資援助の一環として、3,332輌がソ連軍に貸与された。これは、アメリカの武器貸与法によって、M3Aスチュアート軽戦車、M3グラント中戦車、M4シャーマン中戦車が大量にイギリス軍に供与されたためである。

写真(右)1941年8月26日、イギリス、ノース・ヨークシャード、ウィットビーで行う演習に参加するために、イギリス軍第11装甲師団のバレンタイン歩兵戦車をトレーラーに搭載している。 :">50口径2ポンド40ミリQF速射砲が運送の邪魔にならないように、砲塔を後方に向けている。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 13041, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer O'Brien (Lt)
Object description: Valentine tank of 11th Armoured Division being loaded onto a tank transporter after an exercise near Whitby, 26 August 1941.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 13041)引用。


バレンタインValentine 歩兵戦車の諸元
全長:5.4 m
全幅:2.6 m
全高:2.2 m
重量:17 t
最高時速:15 km/h(整地)、8 km/h(不整地)
兵装:Mk.I-VII:50口径2ポンド40ミリQF速射砲(::Ordnance Quick-Firing 6-pounder
Mk.VII-X:6ポンド砲
Mk.XI:75ミリ砲

MK.I-VII, X, XI:ベサ同軸機銃1丁
乗員:3〜4 名
エンジン:AEC A189 ガソリンエンジン135馬力

写真(右)1941-1942年頃(?)、イギリス(?)、バレンタインValentine II 歩兵戦車(斜め前方からの眺め): 砂漠戦用に、キャタピラーの上部を覆うスカートを装着したバレンタインValentine II 歩兵戦車。
ALLIED AFV'S ( ARMOURED FIGHTING VEHICLES ) OF THE SECOND WORLD WAR; TANKS.、 Catalogue number: MH 9266, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit、 Object description: A front three quarter view of a Valentine Mk.II tank with added sand skirts and auxiliary fuel tanks..
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 9266)引用。


バーナード・モントゴメリーBernard Montgomery)将軍は、イギリス軍第3師団の指揮官としてイギリス遠征軍(BEF)に参加したが、ドイツのフランス侵攻を防ぐことができず、敗退。しかし、1940年5月、第2軍団指揮官に任命され、イギリス軍の英本土撤退ダイナモ作戦Operation Dynamo)を成功させ、「ダンケルクの奇跡」を演出した。

 1941 年1月6日、新年のフランクリン・デラノ・ルーズベルトFranklin Delano Roosevelt: FDR)の発表した年頭教書State of the Union :Four Freedoms)では、
?アメリカの国防圏は、西半球だけでなくイギリスおよび大英帝国を含む領域に拡大した。
?ナチス・ドイツとの宥和を否定し、和平があり得ないことを表明した。
戦時経済への移行し国防を充実するため、軍事費を増額する。
これは、アメリカの孤立主義から逸脱したもので、民主主義の兵器廠(Arsenal of Democracy)を超えて世界の警察官としての役割として活動し始める。

1941年3月11日、武器貸与法(Lend-Lease Act)の制定し、その当日には、イギリス・ギリシャへの武器貸与を決定している。

 M3グラント中戦車の試作完成は1941年1月で、量産は1941年4月から開始された。アメリカは、1941年12月まで第二次世界大戦参戦せず、中立だったが、フランクリン・デラノ・ルーズベルトFranklin Delano Roosevelt)の意向を受けて武器貸与法Lend-Lease Act 1941)により、量産したM3など軍事物資をイギリスに供与していた。

写真(右)1941-1942年頃、イギリス(?)、バレンタインValentine II 歩兵戦車(斜後方からの眺め): キャタピラーの上部を覆う砂漠専用スカートを装着したバレンタインValentine II 歩兵戦車。
ALLIED AFV'S ( ARMOURED FIGHTING VEHICLES ) OF THE SECOND WORLD WAR; TANKS.、 Catalogue number: MH 9267, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit、 Object description: A front three quarter view of a Valentine Mk.II tank with added sand skirts and auxiliary fuel tanks..
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 9267)引用。


イギリスは、ドイツのエニグマ暗号を解読しており、1941年には、ソ連をドイツに対峙させ、戦争をはじめさせようとした。そこで,1941年春,ドイツのソ連攻撃が迫っていることを告げた。しかし,ソ連のスターリンは,この情報を信じなかった。イギリスが,ソ連とドイツを離反させたがっていることは明白だったから,謀略によって独ソ戦を誘発しようとしていると疑っていた。スターリンは、独ソが戦争になり、ファシズムと共産主義が共倒れになるのを狙った資本主義国の陰謀があると信じておりに、その誘いには一切乗るつもりがなかった。

 ドイツ軍のフランス侵攻は1940年5月に開始されたが,電撃戦の戦術は,ソ連軍にも大きな影響を与え,快速で攻撃力ある重装甲の戦車の有効性が認識された。ドイツ軍の戦車は,居住性・操作性は優れていたが,実際には,攻撃力も防御力も弱かった。ソ連軍はドイツ軍戦車の威力を過大評価したのかもしれない。

GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1941年6月15日、イギリス南部、ドイツ軍の本土侵攻防衛演習を実施中のバレンタイン歩兵戦車Mk III Valentine :休息をとっている戦車兵。手前の戦車兵はトレンチコートを着ているが、狭い車内では普通使用しないもの。車内に頭を直接ぶつけないように保護する戦車兵用ヘルメットではなくベレー帽を被っている。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 10662, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: War Office official photographer Tanner (Lt)
Object description: The crew of a Matilda tank prepares breakfast in front of their vehicle, during an anti-invasion exercise in the South of England, 15 June 1941.写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 10662)引用。


 クルード・オーキンレックClaude Auchinleck)大将は、第二次世界大戦緒戦のノルウェー戦で戦ったが、ドイツ軍に敗北し、インド勤務を経て、1941年7月に中東方面の連合軍総司令官に就任した。其の隷下のイギリス軍第4装甲旅団は、第2スコットランド近衛連隊、第3王室戦車連隊、第5王室戦車連隊、第8軽騎兵連隊から編成され、北アフリカのビル・ハケイムて、トブルクへ向かうドイツ軍第15装甲師団の前進を止めようと防御線を構築した。配備されていた戦車は、第8軽騎兵連隊が偵察用のM3Aスチュワート軽戦車、第5王室戦車連隊は、M3グラント中戦車を装備されていたが、これらはアメリカから武器貸与法によって供与されたアメリカ製戦車である。



GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1941年7月25日、イギリス中部、ロンドン北方100キロ、ベッドフォードシャーの集落を通過するイギリス軍第6装甲師団のバレンタイン歩兵戦車Mk III Valentine :戦闘の戦車の固有名称は 'Sneezy'(花をむずむずさせる)。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 12016, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION、 Subject period: Second World War、 Alternative Namesobject category: Black and white、 Creator:War Office official photographer、Puttnam (Lt)
Object description: Valentine tanks of 6th Armoured Division passing through a village during exercises in Bedfordshire, 25 July 1941. The leading vehicle is named 'Sneezy'.写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 12016)引用。


1941年3月、アメリカで武器貸与法(レントリース法:Lend-Lease Acts)が成立し、イギリス、ギリシャなど友好国に軍需物資を貸与することができるようになった。「貸与」とは、代金の後払いや信用を認めるもので、事実上、戦後・戦勝後に代金を支払うことが認めらる。独ソ戦が勃発すると、すぐにアメリカはソ連への武器貸与を認め、イギリスも同じくソ連への武器貸与を開始した。

1941年7月に中東方面の連合軍総司令官に就任したクルード・オーキンレックClaude Auchinleck)大将は、アメリカの武器貸与法Lend-Lease Acts)によって、アメリカ製のM3Aスチュアート軽戦車、M3グラント中戦車を貸与されている。

写真(右)1941年8月21日、イギリス連邦、スコットランド、演習に参加したイギリス軍第1ポーランド軍第1戦車連隊第2大隊のバレンタイン歩兵戦車Valentine Mark III :イギリス陸軍参謀総長アラン・ブルック(Alan Francis Brooke Alanbrooke:1883-1963)元帥がスコットランドの演習を視察した時期の撮影。2ポンド40ミリ速射砲を搭載している。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 13003, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date: 1941-08-21, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Lockeyear W T (Lt) (Photographer)
Object description: Valentine Mark III tanks of the 2nd Battalion, 1st Tank Regiment (1st Polish Corps) lined up during exercise in Scotland. Photograph taken during General Alan Brooke's visit to the Scottish Command, 21 August 1941. A number of the tank in the foreground is T 1290295. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 13003)引用。


イギリス陸軍バレンタイン歩兵戦車は、重量16トンで主砲も40mm速射砲と大戦中期には休止しかしていた。しかし、第二次世界大全勃発8か月後、1940年5月から量産型が誕生し、1944年4月までにイギリスとカナダで合計8,275台 (イギリス6,855台+カナダ1,420台)が生産された。これは、イギリス戦車としては最多で、バレンタイン歩兵戦車はイギリス主力車ン社となったのである。主な生産工場は、イギリスではヴィッカース、MCCW (Metropolitan-Cammell Carriage and Wagon), BRC&W (Birmingham Railway Carriage and Wagon)である。

写真(右)1941年10月1日、イギリス、 'Bumper'演習に参加したイギリス軍第6装甲師団のバレンタイン歩兵戦車 :白色の十字マークは演習では敵軍を表している。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 14392, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Puttnam (Lt)
Object description: Valentine tanks of 6th Armoured Division in a village during Exercise 'Bumper', 1 October 1941. The white crosses indicate that these are 'enemy' tanks. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 14392)引用。


しかし、バレンタイン歩兵戦車は、大戦中期には、40mm速射砲、あるいは57mm速射砲で主砲がドイツ戦車には非力で旧式化した。そこで、イギリス陸軍戦車隊にではなく、ソビエト連邦の赤軍に対する軍事援助に回されている。このうちイギリス製バレンタイン歩兵戦車2,394輌、カナダ製バレンタイン歩兵戦車1,388輌が武器貸与としてソビエト連邦に船積みされた。つまり、バレンタイン歩兵戦車の4割はソ連赤軍貸与に充当されている。ただし、ソ連貸与のバレンタイン戦車3,782台のうち、ソ連に到着したのは3,332台で、450台は途中、ドイツ空軍・海軍の攻撃により海没している。

写真(右)1941年、イギリス北東部、戦車工場でイギリス軍のバレンタイン歩兵戦車Valentine Mark Iを生産する初老の工場労働者たち。5名の労働者の平均年齢は71歳だった。 :初期型は全て2ポンド40ミリ速射砲を装備していた。
VETERAN WAR WORKERS GO TO IT!: PENSIONERS BUILD A TANK, ENGLAND, 1941、 Catalogue number: D 4400, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: Ministry of Information Photo Division Photographer
Object description: Three old age pensioners put the finishing touches to this Valentine Mark I at a factory, somewhere in the North East of England. According to the original caption, there are 5 workers at this factory whose average age is 71! 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (D 4400)引用。


バレンタイン歩兵戦車は、ソ連赤軍へ武器貸与されたが、Mark II〜V、VII、IX、Xとほぼ全形式が合計3,332輌も貸与されている。そして、ソ連赤軍では、ドイツ軍がモスクワに迫った1941年11月25日から前線に投入されている。また、1945年8月には、極東方面んで日本の傀儡満州への侵攻にも加わっている。ソ連に対する輸送ルートは、海上交通として北海を経由する北回り、スエズ運河を経由する中東イラン経由があった。

写真(右)1941年6月23日、イギリス、ノールウィッチ近郊で演習に参加したイギリス第6装甲師団バレンタイン歩兵戦車が鉄道輸送のために戦車運搬貨車に乗せられている。 :2ポンド40ミリ速射砲を搭載している。高い位置のある貨車に乗せるために、専用の木金混合のフラットが容易さrている。搭載するときには、戦車を後退させているため、砲塔では後方の様子を見て運転手に伝えている。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 10984, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Puttnam (Lt)
Object description: Valentine tanks of 6th Armoured Division being unloaded from railway flat-cars in preparation for exercises near Norwich, 23 June 1941.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 10984)引用。


バレンタイン歩兵戦車は、16トンとソ連にあっては軽戦車並みで、搭載した主砲も40mm速射砲か57mm速射砲で威力が乏しかった。しかし、軽量であり、信頼性が高かったために、雪、泥濘など悪条件にあっても、運用しやすかった。また、無線機や観測器具ペリスコープなどの装備も信頼性があり、高性能だったために、ソ連赤軍にとって有益な軍事援助になった。チャーチル歩兵戦車のような鈍重な歩兵戦車よりも、ソ連赤軍のT-34中戦車のほうが優れており、イギリスからの武器貸与としては、軽戦車的な運用のできるバレンタイン戦車のほうが好まれたのである。

写真(右)1941年7月25日、イギリス、演習に参加したイギリス軍バレンタイン歩兵戦車 :50口径2ポンド40ミリQF(Quick-firing gun)速射砲は、イギリスの第二次大戦の主力戦車の大半が搭載したオードナンス社の開発にある火砲で、ドイツ、ソ連、日本、アメリカの戦車も37ミリ砲が主力だった。当時としては貫通力に優れた速射砲(QF:Quick-firing gun)だった。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 12016, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Puttnam (Lt)
Object description: Valentine tanks advance during a training exercise, 20 December 1941.写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 12016)引用。


写真(右)1941年11月9日、イギリス、演習に参加したイギリス第11装甲師団のバレンタイン歩兵戦車がイギリス首相ウィストン・チャーチルの検閲を受けている。 :2ポンド40ミリ速射砲を搭載した砲塔にあがかれた丸と四角で敵味方の両陣営に分かれて演習を行ったようだ。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 15377, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Horton (Capt)
Object description: Standing in a scout car, the Prime Minister inspects Valentine tanks and crews of 11th Armoured Division at Helmsley in Yorkshire, 6 November 1941.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 15377)引用。


写真(右) 1941年、イギリス、リバプール港、「ロシア戦車週間、秒読み開始」と書いたソ連への武器貸与されるバレンタインValentine歩兵戦車。輸送船でソ連ムルマンスク港にまで輸送される。
TANKS FOR RUSSIA, SMETHWICK, STAFFORDSHIRE, ENGLAND, UK, 1941., Catalogue number: P 231, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white 
Creator: Ministry of Information official photographer、 Object description: Factory workers ride on Valentine tanks as they leave a factory in Smethwick. The notice on the front of the tanks reads "Tanks for Russia Week. Every Second Counts!". Chalked on the side of the tank (on the left hand side of the photograph) are the words "From Smethwick to Smolensk". The worker sitting on the turret of the tank in the foreground is holding a Russian flag.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (P 231)引用。


歩兵戦車(Infantry Tank)は歩兵に随伴して、歩兵の楯となって火力支援する戦車であるため、高速を発揮する機動性はなくてもよいが、標的になりやすいために重装甲が必要である。つまり、歩兵部隊を守る重戦車といえる。ただし、マチルダ Matilda Mark II 歩兵戦車の装備したオードナンス52口径2ポンド40ミリ速射砲(QF 2 pounder 40 mm:収容砲弾数 93発)は、1942年当時としては、ドイツ、日本の戦車と同様の口径で、取り立てて協力というわけではない。

他方、巡航戦車(Cruiser Tank)は、戦車を中心とした機械化装甲部隊として、迅速に行動できるような速力と機動力が重要で、そのためには、軽量化した車体とすることが求められる。そこで、戦車の装甲は薄くなり、巡航戦車(Cruiser Tank)は快速の軽戦車といえる。

写真(右) 1941年、イギリス、産業都市コヴェントリー西40キロのスメスウィックの戦車製造工場、「みんなでロシアを助けよう」と書いたプラカードを掲げ、イギリス国旗ユニオンジャックとソ連国旗赤旗をはためかせた労働者たちが、ソ連へ武器貸与するバレンタインValentine歩兵戦車の上で祝賀ムードで騒いでいる。
TANKS FOR RUSSIA, SMETHWICK, STAFFORDSHIRE, ENGLAND, UK, 1941., Catalogue number: P 233, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white 
Creator: Ministry of Information official photographer、 Object description: Factory workers ride on Valentine tanks as they leave a factory in Smethwick. A notice propped on the front of the tanks reads "All Help for Russia Now". The workers are holding a Union flag and a Russian flag and many have their fists raised in a Communist salute.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (P 233)引用。


バレンタイン歩兵戦車の諸元:
全長:5.4 m、全幅:2.6 m、全高:2.2 m
最大装甲厚:65mm
重量:17 t
最高時速:15 km/h(整地)、8 km/h(不整地)
主砲はMk.I-VII:50口径2ポンド40ミリQF速射砲(砲弾搭載数60発)。バレンタインMk.I-VII歩兵戦車の2ポンド速射砲は、40ミリ対戦車とみなすことができるが、徹甲弾のみ準備され、榴弾はなかった。チャーチルMk.I歩兵戦車は砲塔に2ポンド速射砲を、車体前面に榴弾を使える3インチ(76ミリ)榴弾砲を搭載して火力支援も可能にしていた。
バレンタインMk.VII-X歩兵戦車は、砲塔に6ポンド(57ミリ)速射砲を搭載した改良型。

GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1941年12月20日、イギリス、バレンタイン歩兵戦車Mk III Valentine :戦車兵は、狭い車内に頭を直接ぶつけないように保護するソフトな特別仕様の戦車兵用ヘルメットを被っている。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 16241A, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: War Office official photographer Puttnam (Lt)
Object description: Valentine tank crews confer during an exercise, 20 December 1941. Note the special 'non-crash' helmets, issued to tank crews. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 16241A)引用。


他方、ソ連のヨシフ・スターリンJoseph Stalin)は、ドイツが西部戦線でイギリスと対峙している以上、ソ連を攻撃する東部戦線を開いてくるとは考えなかった。しかし、1941年6月、バルバロッサ作戦に基づいて独ソ戦争が始まると,アメリカの武器や軍需物資が武器貸与法Lend-Lease Act)に基づいて、ソ連にも即座に貸与されるようになった。

 アメリカの軍事物資は、北海を越える輸送船団あるいはイランを抜けるトラック輸送によって,ソ連にも貸与されるようになった。。米英からソ連への援助ルートは,ペルシャ湾・黒海からからロシア南部に入るルートと,ノルウェー北岸から,ロシア北部に入るルートがあった。

GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1942年3月11日、イギリス 2ポンド速射砲(QF 2 pounder) Mk.Vを装備したバレンタイン Mk III Valentine,歩兵戦車 Infantry Tank
Catalogue number: H 17810, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: War Office official photographer Spender (Lt)
Object description: Infantry Tank Mk III Valentine, 11 March 1942. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 17810)引用。


 アメリカ製M3スチュアート軽戦車やM3グラント中戦車が,武器貸与法Lend-Lease Acts)によって,アメリカからイギリスに大量に貸与されており、イギリスの主力戦車となった。

  1931年、ウェストミンスター憲章Statute of Westminster 1931)で、イギリス本国とニュー人ランド、オーストラリアのような自治領(Dominion:ドミニオン)とが対等でイギリス国王を元首とする共同体(コモンウェルス)を作ることが謳われた。ここで生まれたのが、英自治領コモンウェルスBritish Commonwealth)で、アメリカ参戦に遥かに先んじて、対ドイツ戦に参加し、派兵したり、軍需物資を供給したりして、イギリスを軍事的に援助した。

写真(右)1942年頃、イギリス、イギリス軍のバレンタイン歩兵戦車(Infantry Tank Mk III* Valentine II): 搭載しているのはオードナンス2ポンド40ミリ速射砲で、後のバレンタインは6ポンド57ミリ速射砲に強化されている。
BRITISH TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES 1939-45.、 Catalogue number: KID 652, Part of KID 652、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: War Office official photographer Johnson (Bdr)、 Object description: Infantry Tank Mk III* Valentine II.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (KID 652)引用。


1941年2月、エルヴィン・ロンメル大将隷下、ドイツアフリカ軍団が編成されて、イタリア領リビアに派遣された。4月、アフリカ軍団はイギリス軍を駆逐してベンガジを奪回し、トブルクを包囲した。しかし、トブルクを陥落させることはできず、イギリス軍は港湾都市トブルクを固守していた。1942年5月、アドイツ・アフリカ軍団は、ガザラに防衛線を築いたイギリス軍を攻撃し、6月21日にはトブルクを陥落させた。

1942年8月18日、クルード・オーキンレックClaude Auchinleck)大将の後任として北アフリカ・エジプトのイギリス第8軍を指揮していたバーナード・モントゴメリーBernard Montgomery)は、エルウィン・ロンメルErwin Rommel)元帥隷下のドイツ・アフリカ軍団Deutsches Afrikakorps)をエル=アラメインの戦いで敗退させた。そして、1942年11月に55歳で大将に昇進している。

写真(右)1942年頃、イギリス、イギリス軍のバレンタイン歩兵戦車(Infantry Tank Mk III* Valentine III): 搭載しているのはオードナンス2ポンド40ミリ速射砲で、後のバレンタインは6ポンド57ミリ速射砲に強化されている。
BRITISH TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES 1939-45.、 Catalogue number: KID 652, Part of KID 652、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: War Office official photographer Johnson (Bdr)、 Object description: Infantry Tank Mk III* Valentine III.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (KID 652)引用。


 当時のイギリス軍やコモンウェルスの歩兵が使用した小銃は、1895年制式リー・エンフィールド0.303口径7.69mmボルトアクションライフル(Rifle )Lee Enfield No.4 Mk Iが主流だった。このエンフィールド小銃は長年に渡りイギリス軍の制式小銃として配備されていた。

 エジプトのイギリス軍は、アメリカの武器貸与法(1941年3月31日成立)による戦車・飛行機からトラック・燃料、被服までの補給を受けて、北アフリカの枢軸軍の2倍、すなわち戦車1000輌両(強力なM3グラント、M4シャーマン中戦車は500輌)で、火力、航空支援の下で、1942年10月23日、攻勢を開始したのである。

写真(右)1942年5月30日、イギリス、ケントで演習に参加したイギリス軍第11装甲師団のバレンタイン 歩兵戦車Infantry Tank Mk I Matilda (A11) :この演習では敵軍ドイツ軍の役を演じている。1935年に開発が始まった小型で重装甲の歩兵支援戦車で、兵器メーカー、ヴィッカース社のジョン・カーデンの設計になる。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 20265, Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period:Second World War、 Alternative Names: object category: Photography, Creator: War Office official photographer Tanner (Lt) 
Object description: Valentine tank of 11th Armoured Division, marked with crosses to indicate an 'enemy' vehicle, followed by a universal carrier, during exercises in Kent, 30 May 1942.写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 20265)引用。


1942年10月23日、エジプト・アレクサンドリアの西方、エル=アラメインで、イギリス第8軍指揮官バーナード・モントゴメリーBernard Montgomery "Monty" )中将は、エルヴィン・ロンメルErwin Rommel)のドイツドイツ・アフリカ軍団Deutsches Afrikakorps)・イタリア軍への攻撃を開始した。

写真(右)1942年6月25日、イギリス、ケントで演習に参加したイギリス軍第11装甲師団第29装甲旅団のバレンタイン 歩兵戦車Infantry Tank (A11)の運転手兵ビル・ブラケットが5歳の少女パット・ブロッカーと話している。 :この演習では敵軍ドイツ軍の役を演じている。1935年に開発が始まった小型で重装甲の歩兵支援戦車で、兵器メーカー、ヴィッカース社のジョン・カーデンの設計になる。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 20821, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Photography, Creator: War Office official photographer Tanner (Lt) 
Object description: Trooper Bill Blackett, the driver of a Valentine tank of 29th Armoured Brigade, 11th Armoured Division, chats to Pat Brooker, aged 5, during a halt in the village of Rottingdean in Sussex, 25 June 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 20821)引用。


キャタピラーを覆うカバー(スカート)は、ボルトとネジで止めてあるが、上部に突出したままである。また、砲塔前面の防楯も、留め金が突出したままで、荒いつくりに見える。しかし、簡易量産性を高めるた上では、このような措置はやむを得ない。

写真の撮影された1942年6月25日は、独ソ戦一年後であり、英国本土へのドイツ軍侵攻の危機は薄れたとはいっても、北アフリカで戦闘が続き、ヨーロッパ大陸反攻は当面実施するだけの余力のない時期だった。



写真(右)1942年頃、シエラレオネ、フリータウンの海岸に戦車揚陸艦LSTから上陸するイギリス軍バレンタイン 歩兵戦車Infantry Tank (A11)
THE ROYAL NAVY DURING THE SECOND WORLD WAR、 Catalogue number: A 20036, Part of ADMIRALTY OFFICIAL COLLECTION Subject period:Second World War Alternative Names:object category: Black and white Creator:Royal Navy official photographer  
Object description: A Valentine tank being unloaded down the bow ramp of the landing ship tank HMS BACHAQUERO at Freetown, Sierra Leone.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (A 20036)引用。


 アメリカ軍が北アフリカ戦に加わったのは、1942年11月8日のトーチ作戦Operation Torch)で、ドワイト・アイゼンハワーDwight D. Eisenhower)中将(大将昇格は1944年3月)指揮下の部隊が参戦してからである。ただし、それ以前からイギリス軍はアメリカ製の戦車を大量に北アフリカに投入していた。また、イギリス連邦(英自治領コモンウェルスBritish Commonwealth)・植民地の兵士として、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、インドの兵士も投入されている。



  写真(右)1942年7月10日、北アフリカ、スエズ港で揚陸用舟艇Z型に移し替えられているイギリス軍バレンタイン歩兵戦車: 手前の舟艇には既に戦車5両が乗っていて、さらにクレーンで戦車1両を吊り降ろしている。後方には、空の揚陸用舟艇Z型がもう1隻待機している。
THE BRITISH ARMY IN THE MIDDLE EAST 1940-43、 Catalogue number: E 14135, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit No 1 Army Film & Photographic Unit Chetwyn (Sgt)、 Alternative Names: object category: Object description: Valentine tanks being offloaded from ships onto 'Z' craft at Port Tewfik in the Port of Suez, 10 July 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (E 14135)引用。


  バレンタイン歩兵戦車の諸元
全長:5.4 m、全幅:2.6 m、全高:2.2 m
最大装甲厚:65mm
重量:17 t
最高時速:15 km/h(整地)、8 km/h(不整地)
主砲はMk.I-VII:50口径2ポンド40ミリQF速射砲(砲弾搭載数60発)。バレンタインMk.I-VII歩兵戦車は、オードナンス社50口径2ポンド40mm速射砲(QF:Quick-firing gun)を装備した。この砲は、40ミリ対戦車とみなすことができるが、徹甲弾のみ準備され、榴弾はなかった。チャーチルMk.I歩兵戦車も砲塔に2ポンド40ミリ速射砲(QF:Quick-firing gun)を装備したを、車体前面に榴弾を使える3インチ(76ミリ)榴弾砲を搭載して火力支援も可能にしていた。
バレンタインMk.VII-X歩兵戦車は、砲塔に6ポンド(57ミリ)速射砲を搭載した改良型。

写真(右)1942年3月2日、北アフリカ、エジプト、アッバシア近郊、新たに支給された真新しいイギリス軍王室装甲軍団アメリカ製M3AスチュアートStuart軽戦車(手前2両目)とイギリス製バレンタイン歩兵戦車(一番手前)とクルーセーダー巡航戦車(奥)
Catalogue number: H 17828, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Gladstone (Sgt)、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: Newly-arrived Royal Armoured Corps troops working on a variety of tank types at a training camp near Abbasia in Egypt, 2 March 1943. In the foreground are a Valentine and Stuart tank, with Crusaders and more Valentines behind. On the right is a Covenanter tank, perhaps the only example of its kind to have arrived in North Africa.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・引用 IWM (H 17828)


M3 A1スチュアートStuart軽戦車(初期型)の諸元
重量: 12,6トン
エンジン出力 262 h.p
最高時速: 56.98 km/h
登攀最高傾斜:31度、最高横傾斜:25度
渡河可能水深:0.91m
超壕能力:1.83m
登攀可能障害高:0.61m
車体装甲:前面38ミリ/側面・後面25ミリ、上面12.7ミリ
砲塔装甲:前面50.8 ミリ、側面・後面31.8ミリ、上面12.7ミリ
53.5口径37ミリM6戦車砲(砲弾搭載数103発)
7.62 mmブローニングM1919A4機銃 (搭載銃弾数6,200発)
1942年4月より生産開始、1943年2月までに4,621輌を量産。
1934年開発の航空機用空冷星形エンジンを改修したコンチネンタル社W-670-9A空冷星形ガソリンエンジンで250馬力 (190 kW)搭載。ただし、少数ながらギバースン社T-1020-4空冷ディーゼルエンジンを搭載した型もある。

M3 スチュアートStuart 軽戦車は、重量14.7トン、全長 4.53m 装甲13-51ミリ、(0.52-2 インチ)、53.5口径37ミリ(1.45インチ) M5/M6戦車砲。1934年に飛行機用に開発されたコンチネンタル星形空冷ガソリンエンジンContinental W670-A9(7気筒11リットル250馬力)あるいは星型空冷ディーゼルエンジンGuiberson Diesel T-1020 (9気筒250馬力)を搭載、最高速度 58km/h(36 mph)、航続距離 120km(74.5 mi)、 生産数 1万3,860輌。

写真(右)1942年3月27日、北アフリカ、エジプト、西砂漠、イギリス軍バレンタイン歩兵戦車
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、 Catalogue number: E 9768, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Vanderson (Lieut)、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: Valentine tanks training in the Western Desert, 27 March 1942..
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (E 9768)引用。


1938年、A10巡航戦車を元に開発されたところから バレンタイン歩兵戦車は、1939年4月に設計され、1940年5月には試作が完成した。ダンケルク敗走の時期だったため、イギリス本土防衛のためにすぐにバレンタイン歩兵戦車と命名し量産が開始された。1944年4月まで、ヴィッカース社を初めイギリスで6,855輌、カナダでも1,420輌が量産された。

写真(右)1942年3月27日、北アフリカ、エジプト、西砂漠で訓練に従事するイギリス軍バレンタイン歩兵戦車 :オードナンス社50口径2ポンド40mm速射砲(QF:Quick-firing gun)を装備したバレンタイン歩兵戦車の試作が完成した1940年代中ごろ、フランスが降伏し、イギリスは一国でヨーロッパ大陸を席巻したドイツに対峙することになった。
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、 Catalogue number: E 9772, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Vanderson (Lieut)、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: Valentine tanks training in the Western Desert, 27 March 1942..
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (E 9772)引用。


 西側連合軍はエル=アラメインでの攻勢から2週間後の1942年11月8日、トーチ作戦を発動し、アメリカ軍とイギリス軍は、フランス領モロッコ、仏領アルジェリアの海岸に上陸した。北アフリカ、フランス領アルジェリアFrench Algeria)は、フランスのフィリップ・ペタン 元帥の下にあるヴィシー政権Vichy France)に忠誠を表明していた。しかし、ドイツの支配には反感を抱くフランス兵士が多く、侵攻してきたイギリス軍、アメリカ軍との大規模な衝突は起きなかった。

写真(右)1942年3月27日、北アフリカ、エジプト、西砂漠、イギリス軍バレンタイン歩兵戦車 の2ポンド戦車砲を装填する訓練: バレンタイン歩兵戦車は、オードナンス社50口径2ポンド40mm速射砲(QF:Quick-firing gun)を搭載した防御力の高い歩兵戦車として1939年4月に設計され、1940年5月には試作が完成している。これは第二次大戦初頭の、イギリス本土が危機にある時期だった。
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、 Catalogue number: E 9766, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Vanderson (Lieut)、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: View inside the turret of a Valentine tank showing the 2-pdr gun being loaded, 27 March 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (E 9766)引用。


 フランス領アルジェリアFrench Algeria)を拠点にしたイギリス軍、アメリカ軍は、西側から、エジプトを拠点としたイギリス軍は東から、エルヴィン・ロンメルErwin Rommel)元帥率いるドイツ軍とイタリア軍を挟撃した。

 1943年1月23日、イギリス第8軍指揮官バーナード・モントゴメリー大将は、トリポリを占領、エルヴィン・ロンメル元帥隷下のアフリカ軍団をリビアへ、そしてさらにチュニジア、チュニスに追いつめた。

写真(右)1942年3月27日、北アフリカ、エジプト、西砂漠で通話訓練に従事するイギリス軍バレンタイン歩兵戦車の戦車兵
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、 Catalogue number: E 9766A, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Vanderson (Lieut)、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: View inside the driver's compartment of a Valentine tank, showing the driver talking into the intercom, 27 March 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (E 9766A)引用。


 1942年8月19日、戦局悪化の打開とソ連のスターリンのヨーロッパ侵攻による第二戦の形成要求に応じる形で、本格的なヨーロッパ侵攻前の試験的な奇襲作戦として「ディエップ奇襲上陸作戦」(Dieppe Raid)が実施された。これは、北フランスのディエップに上陸し、防備手薄な小規模なドイツ軍部隊を攻撃、6時間で直ちに撤退する奇襲である。つまり、いまだにドイツ軍は優勢であり、ヨーロッパ反攻は不可能な状況にあることを認識し、北フランスに橋頭堡を築くのではなく、政治的効果、イギリス軍の士気高揚を狙った短期的作戦であった。

写真(右)1942年3月27日、北アフリカ、エジプト、西砂漠での訓練が終了したのか、イギリス軍バレンタイン歩兵戦車の脇で戦車兵が顔を洗いひげを剃っている。: バレンタイン歩兵戦車は1944年4月までにイギリスで6,855輌生産。
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、 Catalogue number: E 9754, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Vanderson (Lieut)、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: The crew of a Valentine tank have a wash and shave in the Western Desert, 27 March 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (E 9754)引用。


 1942年8月19日、「ディエップ奇襲上陸作戦」(Dieppe Raid)が実施された。カナダ軍・イギリス軍を中核にしたコマンド部隊6,000人がチャーチル歩兵戦車30両のとともに上陸したが、優勢なドイツ軍の反撃にあって半数以上の損害をだし、作戦は大失敗に終わった。この上陸で、軟弱な砂浜や障害物を乗り越えることも、トーチカの守備隊への攻撃も困難であることが判明した。そこで、作戦失敗を活かして、敵の防備する海岸に上陸する際、その障害・防備を打ち破ることのできる特殊装甲工作車両の必要性が認識された。

写真(右)1942年6月18日、北アフリカ、エジプト、西砂漠を前進するイギリス軍バレンタイン歩兵戦車を掘り出している戦車兵 : バレンタイン歩兵戦車は1939年4月の設計。
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、 Catalogue number: E 14562, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Flack (Sgt) Ackland A W (Sgt)、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: Valentine tanks advancing in the Western Desert, 18 June 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (E 14562)引用。


1942年8月から9月、イギリス第8軍指揮官バーナード・モントゴメリーBernard Montgomery "Monty" )の下に、エジプト西国境のエル・アラメインを起点に地雷と火砲で守られた堅固なボックス陣地を構築し、ドイツアフリカ軍団のエジプト侵攻を食い止めた。そして、密かに部隊を前線に集結させ、1942年10月23日、一斉攻勢を開始した。

写真(右)1942年6月29日、北アフリカ、エジプト、西砂漠でイギリス軍バレンタイン歩兵戦車を修理する戦車兵
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、 Catalogue number: E 15023, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Vanderson (Lieut)、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: Repairs being carried out on a Valentine tank in the Western Desert, 29 July 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (E 15023)引用。


バレンタイン歩兵戦車は、1939年4月に設計され、1940年5月には試作車が完成した。これはドイツ軍によるフランス敗北、イギリス軍のダンケルク敗走の時期と重なったため、イギリス軍は本土防衛のためにこの戦車を「バレンタイン歩兵戦車」と命名して量産を開始した。1944年4月まで、ヴィッカース社を初めイギリスで6,855輌、カナダでも1,420輌が量産された。

写真(右)1942年7月17日、北アフリカ、エジプト、西砂漠にのめり込んでしまったイギリス軍バレンタイン歩兵戦車を掘り出している戦車兵
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、 Catalogue number: E 14562, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Flack (Sgt)、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: A Valentine tank bogged down on soft ground, 17 July 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (E 14562)引用。


 1942年11月8日、西側連合国軍はトーチ作戦によりモロッコ、アルジェリアのオラン、アルジェに地上軍を揚陸し、西から北アフリカの枢軸軍を攻撃し、東のエジプト方面からの攻撃と連携して、枢軸軍を挟撃した。
 エジプトのエル・アラメインでイギリス第2軍団は、ドイツアフリカ軍団を中核とする枢軸軍を撃破し、1942年11月12日にトブルクを再占領し、枢軸軍は12月にはチュニジアに撤退した。

写真(右)1942年11月30日、地中海の要衝ジブラルタルに到着したイギリス軍バレンタイン歩兵戦車Mk II: バレンタイン歩兵戦車はMk.I-VIIがオードナンス社50口径2ポンド40mm速射砲(QF:Quick-firing gun)を、Mk.VII-Xがオードナンス6ポンド57ミリ速射砲(QF:Quick-firing gun)を搭載している。
THE BRITISH ARMY ON GIBRALTAR 1942.、 Catalogue number: GM 2015, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: War Office official photographer Dallinson G W (Lieut)、 Object description: A newly-arrived Valentine tank on Gibraltar, 30 November 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (GM 2015)引用。


第二次大戦の緒戦で、軍備に遅れを取っていたイギリスが1940年5月に試験した歩兵戦車がバレンタインである。この時期は、ダンケルク撤退、フランス敗北と、イギリス本土防衛の危機の時期であったために、試験車はすぐに採用され、「歩兵戦車 Mk.? バレンタイン」として量産に移されることになった。 実戦投入は、北アフリカ戦線が最初であるが、防御力が高く、チャーチル歩兵戦車よりも小型で、量産むきだったために、1944年4月まで生産されている。

GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1942年12月、北アフリカ戦線、チュニジア、バレンタイン歩兵戦車Mk III Valentineに寄りかかって配達された手紙を読むイギリス戦車兵
THE BRITISH ARMY IN TUNISIA 1942、 Catalogue number: NA 285, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit Loughlin, G. (Lieutenant) (Photographer)
Object description: Crew of a Valentine III tank reading their recently arrived mail in Tunisia, after they had come out of action, December 1942. Label: A Valentine tank crew in Tunisia reading letters by the side of their vehicle, December 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (NA 285)引用。


GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1943年3月、北アフリカ戦線、チュニジア、イギリス軍のブラックワッチ歩兵部隊を運搬しているバレンタインValentine歩兵戦車
THE BRITISH ARMY IN TUNISIA 1942、 Catalogue number: NA 1670, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit McLaren (Lt)
Object description: Valentine tank carrying infantry of the Black Watch, March 1943.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (NA 1670)引用。


 1942年11月8日、西側連合軍は、トーチ作戦Operation Torch)に基づいて、モロッコとアルジェリアに上陸し、1943年初頭、には北アフリカのドイツ軍をチュニジアに退却させた。1943年 1月14日から10日間、連合国首脳はモロッコでカサブランカ会談Casablanca Conference)を開いて、枢軸国に対する無条件降伏の要求を基本方針とした。

GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1943年3月12日、北アフリカ戦線、チュニジア、イギリス軍の歩兵部隊12名以上を運搬しているバレンタインValentine歩兵戦車:車体が小さく、車高も低い上に、装備したオードナンス2ポンド40mm速射砲(QF:Quick-firing gun)も小口径のために、歩兵に比較して戦車が小型に見える。
THE BRITISH ARMY IN TUNISIA 1943、 Catalogue number: NA 1139, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit Palmer (Sgt)
Object description: A Valentine tank carries infantry during an exercise, 12 March 1943.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (NA 1139)引用。


 1943年5月13日、西側連合軍は、チュニジアTunisia)の枢軸国軍25万人を降伏させ、ドイツ軍、イタリア軍は北アフリカから完全に駆逐された。

GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1943年3月29日、北アフリカ戦線、チュニジア中部東岸の良港ガベス、イギリス軍のバレンタインValentine歩兵戦車の前でお茶をたてて飯盒やカップで分け合っている戦車兵
THE BRITISH ARMY IN TUNISIA 1943、 Catalogue number: NA 1528, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit Keating, Geoffrey (Major)
Object description: A Valentine tank crew brew a 'cuppa' in Gabes, 29 March 1943.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (NA 1528)引用。


GERMAN TANKS AND MILITARY VEHICLES OF THE SECOND WORLD WAR写真(右)1943年5月14日、北アフリカ戦線、チュニジア、ボウ・フィッチャ、アメリカ製M4シャーマンSherman戦車(左)の戦車兵がイギリス軍第一軍・第八軍のバレンタインValentine歩兵戦車(右)の戦車兵を歓迎している。M4シャーマン戦車は、アメリカ陸軍の制式戦車だが、武器貸与法に従って、イギリス軍に大量供与された。
THE BRITISH ARMY IN TUNISIA 1943、 Catalogue number: NA 2921, Part of MINISTRY OF INFORMATION SECOND WORLD WAR COLOUR TRANSPARENCY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Photography, Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit Elvin (Sgt)
Object description: A Sherman tank crew greets a Valentine tank crew at the link-up of the First and Eighth Armies at Bou Ficha, 14 May 1943.写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (NA 2921)引用。


 1943年7月10日、アメリカ軍とイギリス軍は、イタリア南部のシチリア島に上陸した。この時、アメリカ軍のドワイト・D・アイゼンハワー中将とともに、イギリス軍のバーナード・モントゴメリーBernard Law Montgomery)大将は、1943年7月、イタリア、シチリア島進攻、ハスキー作戦Operation Husky)に参加した。連合軍は、8月中旬までシチリアを支配、解放した。

写真(右)1943年頃(?)、イギリス(?)、バレンタインValentine Mk III 歩兵戦車(Infantry Tank Mk III* Valentine IX): オードナンス2ポンド40mm速射砲(QF:Quick-firing gun)に換えて、オードナンス6ポンド57mm速射砲(QF:Quick-firing gun)を搭載し、エンジンを165馬力のGMC 6004 ディーゼルに変換した強化型。溶接構造で、鋳造式の新型防楯を装備しているが、生産された戦車の多くはソ連への武器貸与に充てられた。
ALLIED AFV'S ( ARMOURED FIGHTING VEHICLES ) OF THE SECOND WORLD WAR; TANKS.、 Catalogue number: KID 893, Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION、 Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit、 Object description: Infantry Tank Mk III* Valentine IX.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (KID 893)引用。




写真(右)1943年4月10日、北アフリカ、チュニジア東海岸、スファックスの住民に完成を以って迎え入れられるイギリス軍バレンタイン歩兵戦車(Tank Mk III Valentine IX): 砂漠戦用に薄いカーキ色に迷彩塗装を施されている。搭載しているのはオードナンス6ポンド57mm速射砲(QF:Quick-firing gun)。
THE BRITISH ARMY IN TUNISIA 1943.、 Catalogue number: NA 1913, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit Keating, Geoffrey (Major)、 Object description: Valentine tanks pass cheering crowds as they enter the town of Sfax, 10 April 1943.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (NA 1913)引用。


 クルード・オーキンレックClaude Auchinleck)大将は、第二次世界大戦緒戦のノルウェー戦で戦ったが、ドイツ軍に敗北し、インド勤務を経て、1941年7月に中東方面の連合軍総司令官に就任した。其の隷下のイギリス軍第4装甲旅団は、第2スコットランド近衛連隊、第3王室戦車連隊、第5王室戦車連隊、第8軽騎兵連隊から編成され、北アフリカのビル・ハケイムて、トブルクへ向かうドイツ軍第15装甲師団の前進を止めようと防御線を構築した。配備されていた戦車は、第8軽騎兵連隊が偵察用のM3Aスチュワート軽戦車、第5王室戦車連隊は、M3グラント中戦車を装備されていたが、これらはアメリカから武器貸与法によって供与されたアメリカ製戦車である。

写真(右)1943年5月20日、イギリス中部、バーミンガム西方60キロ、シュロップシャー、クレイブン・アームスでの演習中、ドイツ軍に扮したイギリス軍バレンタイン歩兵戦車(Tank Mk III Valentine)を襲撃した第3郷土防衛軍総司令部学校の歩兵が粘着爆薬を装着しようとしている。THE HOME GUARD 1939-45、 Catalogue number: H 30178, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: War Office official photographer Taylor (Lt)、 Object description: Troops attack a 'German' tank (in reality a Valentine) with 'sticky bombs' during training at No. 3 GHQ Home Guard School at Onibury near Craven Arms in Shropshire, 20 May 1943.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 30178)引用。

写真(右)1943年6月、北アフリカ、チュニジア、イギリス軍のバレンタイン歩兵戦車(Tank Mk III Valentine)がブラック・ワッチの歩兵を戦車に乗せて運んでいる。 車体が小さく、車高も低いために、歩兵に比較して戦車が小型に見える。
THE BRITISH ARMY IN TUNISIA 1943、 Catalogue number: NA 1672, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit McLaren (Lt)、 Object description: Valentine tanks carrying infantry of the Black Watch, March 1943..
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (NA 1672)引用。


1942年8月から9月、イギリス第8軍指揮官バーナード・モントゴメリーBernard Montgomery "Monty" )の下に、エジプト西国境のエル・アラメインを起点に地雷と火砲で守られた堅固なボックス陣地を構築し、ドイツアフリカ軍団のエジプト侵攻を食い止めた。そして、密かに部隊を前線に集結させ、1942年10月23日、一斉攻勢を開始した。

写真(右)1943年6月、北アフリカ、チュニジア、イギリス軍のバレンタイン歩兵戦車(Tank Mk III Valentine)がブラック・ワッチの歩兵を戦車に乗せて運んでいる。 車体が小さく、車高も低いために、歩兵に比較して戦車が小型に見える。
THE BRITISH ARMY IN TUNISIA 1943、 Catalogue number: NA 1670, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit McLaren (Lt)、 Object description: Valentine tanks carrying infantry of the Black Watch, March 1943..
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (NA 1670)引用。


1938年、A10巡航戦車を元に開発されたところから バレンタイン歩兵戦車は、1939年4月に設計され、1940年5月には試作が完成した。ダンケルク敗走の時期だったため、イギリス本土防衛のためにすぐにバレンタイン歩兵戦車と命名し量産が開始された。1944年4月まで、ヴィッカース社を初めイギリスで6,855輌、カナダでも1,420輌が量産された。

写真(右)1943年6月、イギリス、イギリス軍のバレンタイン歩兵戦車(Tank Mk III Valentine)を撮影しているパインウッド・スタジオの陸軍映像写真班の訓練の様子: 搭載しているのはオードナンス2ポンド40ミリQF速射砲で、後のバレンタインはオードナンス6ポンド57mm速射砲(QF:Quick-firing gun)に強化されている。
FILM AND PHOTOGRAPHY DURING THE SECOND WORLD WAR.、 Catalogue number: H 31007, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: War Office official photographer Johnson (Bdr)、 Object description: Training for the Army Film and Photographic Unit at Pinewood Studios, Buckinghamshire: A Valentine tank goes into ?action?, negotiating a water obstacle: one trainee cameraman films from the bank, a second from the tank?s turret. Label: Men of the Army Film and Photographic Unit training with a Valentine tank at Pinewood Studios, Buckinghamshire, June 1943.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 31007)引用。


写真(右)1945年2月21日、オランダ、ゴッホ、イギリス軍王室砲兵隊のバレンタイン歩兵戦車(Valentine Mk XI :左)とチャーチル歩兵戦車(右): 搭載しているのはオードナンス2ポンド40mm速射砲(QF:Quick-firing gun)で、後のバレンタインはオードナンス6ポンド57mm速射砲(QF:Quick-firing gun)に強化されている。
FILM AND PHOTOGRAPHY DURING THE SECOND WORLD WAR.、 Catalogue number: B 14779, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Christie (Sgt)、 Object description: A Churchill tank and a Valentine Mk XI Royal Artillery OP tank (left) in Goch, 21 February 1945.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (B 14779)引用。


写真(右)1945年2月21日、ドイツ西部、ミュンスター北40キロ、ホップシュテン、イギリス軍王室砲兵隊のバレンタイン歩兵戦車(Valentine Mk XI :左)とチャーチ不歩兵戦車(右): 従来搭載しているのはオードナンス2ポンド40ミリ速射砲を6ポンド57ミリ速射砲に強化したタイプ。
FILM AND PHOTOGRAPHY DURING THE SECOND WORLD WAR.、 Catalogue number: BU 3338B 14779, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Travis (Sgt)、 Object description: A Valentine Mk XI artillery OP tank passing through Hopsten, 6 - 8 April 1945.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (BU 3338)引用。





2−2.イギリス陸軍バレンタインValentine flamethrower tank 火炎放射戦車

写真(右)1942年頃(?)、イギリス(?)、バレンタインValentine flamethrower tank 火炎放射戦車: バレンタイン歩兵戦車の砲塔はそのままにして、車体前方右側にを火炎放射器に追加装備し、小型火炎放射用燃料タンクを車体後方に独立させたカートに乗せて牽引する。
Catalogue number: MH 7574, Part of SCHOOL OF TANK TECHNOLOGY COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、  Object description: Valentine flamethrower tank with cordite operated equipment..
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MH 7574)引用。


写真(右)1942年頃(?)、イギリス(?)、バレンタインValentine flamethrower tank 火炎放射戦車: バレンタイン歩兵戦車の主砲の砲塔はそのままにして、車体前方右側にを火炎放射器に追加装備し、大型の火炎放射用燃料タンクを車体後方に独立させたカートに乗せて牽引する。
Catalogue number: MH 7574, Part of SCHOOL OF TANK TECHNOLOGY COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: object category: Black and whiteObject description: Valentine flamethrower tank with gas-operated equipment.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MH 7573)引用。


写真(右)1944年4月20日、イギリス、ハンプシャー ウィンチェスター、バートン・ステーシー、石油戦争局週間に火炎迫撃砲の実演をするバレンタインValentine flamethrower tank 火炎迫撃砲戦車: バレンタイン歩兵戦車の主砲の砲塔を撤去して、戦闘室を設けて、そこに火炎迫撃砲に装備した。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45, Catalogue number: H 37906, Part of SCHOOL OF TANK TECHNOLOGY COLLECTION, Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Waterhouse (Sgt) Object description: Flame mortar fitted to Valentine tank chassis, firing phosphorus bombs during Petroleum Warfare Department trials, Barton Stacey, 20 April 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 37906)引用。



2−3.イギリス陸軍バレンタインValentine flamethrower tank 25ポンド(76.7ミリ)砲自走砲

写真(右)1942年頃、北アフリカ(?)、バレンタイン25ポンド自走砲ビショップ(Bishop:僧正): バレンタイン歩兵戦車の砲塔を撤去して、車体上部に大型の対戦車用の25ポンド(88ミリ)砲を搭載した自走砲。このタイプの自走砲は、いずれもキリスト教会の職種・階位を名称として用いている。
VALENTINE MOUNTED SELF PROPELLED 25 POUNDERS、 Catalogue number: NA 1450, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit、 Object description: Rear view of the tank-gun combination showing Gunners platform.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (NA 1450)引用。


1941年6月、バーミンガム鉄道貨客車社 (Birmingham Railway Carriage and Wagon Company) にバレンタイン歩兵戦車をオードナンス25ポンド速射砲Ordnance QF 25-pounder)搭載の自走砲へ改修する設計が命じられた。そこで、砲塔を撤去し垂直な防楯で覆った四角の大型の開放式戦闘室を設け、そこに火砲を搭載したバレンタイン25ポンド自走砲ビショップ(Bishop)が生まれた。

 オードナンス25ポンド速射砲Ordnance QF 25-pounder)は、1939年制式、28口径88mm速射砲で、砲弾重量は25ポンド(11.3kg)、砲口初速 毎秒198メートルから532メートル、最大射程1万2,2000メートルの優秀な火砲で、第二次大戦中のイギリス軍野砲の主力となった。

写真(右)1943年10月12-16日、イタリア、バレンタイン25ポンド自走砲(Valentine Mounted Self- Propelled 25 Pounder)ビショップ(Bishop:僧正): バレンタイン歩兵戦車の砲塔を撤去して、車体上部に大型の対戦車用に28口径25ポンド(88ミリ)速射砲(Ordnance Quick-Firing 25 Pounder)を搭載した自走砲。このタイプの自走砲は、いずれもキリスト教会の職種・階位を名称として用いている。
THE CAMPAIGN IN ITALY, SEPTEMBER-DECEMBER 1943: THE ALLIED ADVANCE TO THE GUSTAV LINE、 WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION Catalogue number: NA 7712, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit Mott (Sgt)、 Object description: The Volturno River 12 - 16 October 1943: A 25 pounder self-propelled gun at an aerodrome near Grazzanise fires a round during the night barrage in preparation for the crossing of the Volturno by assault troops. The gun is mounted on the wreckage of a German aircraft to obtain more elevation..
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (NA 7712)引用。


バレンタイン25ポンド自走砲ビショップ(Bishop:僧正)の諸元
全長:5.53 m、全幅:2.63 m、全高:2.83 m
重量:17.5 t、乗員:4名
最高時速:24 km/h、航続距離:145 km
兵装:オードナンスQF 25ポンド88ミリ速射砲、ブレン軽機関銃1丁
車体装甲:8~60 mm、防楯:13~51 mm
エンジン:AEC A190ディーゼル131馬力

M7プリースト105ミリ自走榴弾砲105mm SP M7 Priest)は、M3中戦車の車台をベースにした機械化部隊随伴の自走砲で、1941年6月に開発された。105mm砲弾を69発搭載。1942年中に2,000両が生産され、その後1944年10月までにさらに1100両が生産された。M7 105ミリ自走加農砲も開発された。

  バレンタイン25ポンド自走砲ビショップ(Bishop)は、試作車両が8月に完成し、1942年のエル・アラメインの戦いに投入されている。1942年末までに100寮が完成した。しかし、アメリカ製M3グラント戦車を改修したM7プリエスト105ミリ自走榴弾砲 GMC (Gun Motor Carriage)やM15自走砲が完成したために、バレンタイン25ポンド自走砲ビショップの生産は中止となった。


2−4.イギリス陸軍バレンタイン・スコーピオン・フライルValentine Scorpion flail地雷除去戦車

写真(右)1943-1944年頃(?)、イギリス(?)、バレンタイン地雷処理ローラー装備戦車(Valentine with AMRA :anti-mine roller attachment):重量のあるローラーを前進させてその重みで地雷を爆発させ、地雷の無い安全な通り道を確保する地雷処理戦車。地雷処理中にも敵の攻撃を受けることが予測されるために、防御里局と反撃力のある戦車が地雷処理に使われた。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、 Catalogue number: MH 14147, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: Valentine with AMRA (anti-mine roller attachment).
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 14147)引用。


写真(右)1943年頃(?)、イギリス(?)、バレンタイン・スコーピオン・フライルValentine Scorpion flail地雷除去戦車(蠍):
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、 Catalogue number: MH 9308, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit、 Object description: Valentine Scorpion flail.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 9308)引用。


バレンタイン・スコーピオン・フライル地雷除去戦車Valentine Scorpion flail)は、バレンタイン歩兵戦車の砲塔を撤去して、車体前部に地雷を爆破して撤去する鎖を取り付けた特殊車両。鎖はローラーによって回転して、地面を叩きながら進んでゆく。地雷を鎖による衝撃で起動し爆破する。この爆破の衝撃を避けるように、車体前面には爆破除けの防備よう楯が取り付けられている。

さらに、戦場で戦車が壕に埋まったり、軟弱地盤に足をとられたりした場合、車体を若干持ち上げて、牽引することで、脱出できる場合が多い。戦場で動けなくなった戦車を素早く改修、修理して前線に復帰させることで、兵力の維持は、新兵や新しい戦車の供給を待つよりも早期に回復できる。そこで、走行を施して、敵の攻撃を予期しつつ、戦車を回収、牽引できる装甲回収車が開発、部隊配備されるようになった。


2−5.イギリス陸軍バレンタイン架橋工作戦車Valentine Bridgelayer

写真(右)1943年9月28日、イギリス本土、ロンドン西方40キロ、サリー、チョブハム、架橋工作を行うイギリス軍装甲戦闘車両(AFV:Armored Fighting Vehicle)のバレンタイン架橋工作戦車 Valentine bridgelayer
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 33298, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Wooldridge (Sgt)
Object description: A Valentine bridgelayer with scissors bridge at the AFV proving establishment at Chobham in Surrey, 28 September 1943 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (SE 3426)引用。


写真(右)1945年3月28日、ビルマ、メイクティーラ近郊で、自動車や戦車を渡河させるための架橋工作を行うイギリス軍第3独立架橋建設中隊のバレンタイン架橋工作戦車 Valentine bridgelayer :1944年のインパール攻略ウ号作戦が失敗した後、ビルマに退却していた日本軍に対して、1944年末から1945年にかけて、イギリスインド軍が攻撃をかけた。
THE BRITISH ARMY IN BURMA 1945、 Catalogue number: SE 3426, Part of WAR OFFICE, CENTRAL OFFICE OF INFORMATION AND AMERICAN SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 9 Army Film & Photographic Unit Stubbs A (Sgt)  
Object description: A Valentine bridgelayer of the 3rd Independent Bridge Building Company, Royal Armoured Corps, picks up a scissors bridge after it was used to cross an estuary near Meiktila, 28 March 1945. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (SE 3426)引用。


写真(右)1945年3月28日、ビルマ、メイクティーラ近郊、架橋工作を行うイギリス軍第3独立架橋建設中隊のバレンタイン架橋工作戦車 Valentine bridgelayer :1945年、イギリスインド軍は、ビルマ奪回のためビルマ平原に先行した。
THE BRITISH ARMY IN BURMA 1945、 Catalogue number: SE 3425, Part of WAR OFFICE, CENTRAL OFFICE OF INFORMATION AND AMERICAN SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 9 Army Film & Photographic Unit Stubbs A (Sgt)  
Object description: A Valentine bridgelayer of the 3rd Independent Bridge Building Company, Royal Armoured Corps, picks up a scissors bridge after it was used to cross an estuary near Meiktila, 28 March 1945. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (SE 3425)引用。


写真(右)1945年3月28日、ビルマ、メイクティーラ近郊で、破壊された橋の上で架橋工作を行うイギリス軍第3独立架橋建設中隊のバレンタイン架橋工作戦車 Valentine bridgelayer :1944年のインパール攻略ウ号作戦で敗北した日本軍は、1945年には、イギリスインド軍が攻撃のため、ビルマ全土から敗退することになる。
THE BRITISH ARMY IN BURMA 1945、 Catalogue number: SE 3429, Part of WAR OFFICE, CENTRAL OFFICE OF INFORMATION AND AMERICAN SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 9 Army Film & Photographic Unit Stubbs A (Sgt)  
Object description: A Valentine bridgelayer of the 3rd Independent Bridge Building Company, Royal Armoured Corps, spans a damaged bridge near Meiktila, 28 March 1945. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (SE 3429)引用。


写真(右)1945年3月28日、ビルマ、メイクティーラ近郊で、破壊された橋の上で架橋工作を実施したイギリス軍第3独立架橋建設中隊のバレンタイン架橋工作戦車 Valentine bridgelayer
THE BRITISH ARMY IN BURMA 1945、 Catalogue number: SE 3430, Part of WAR OFFICE, CENTRAL OFFICE OF INFORMATION AND AMERICAN SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 9 Army Film & Photographic Unit Stubbs A (Sgt)  
Object description: A scissors bridge laid down over a damaged road bridge near Meiktila by a Valentine bridgelayer of the 3rd Independent Bridge Building Company, Royal Armoured Corps, 28 March 1945. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (SE 3430)引用。


写真(右)1945年3月28日、ビルマ、メイクティーラ近郊で、破壊された橋の上で架橋工作を実施したイギリス軍第3独立架橋建設中隊のバレンタイン架橋工作戦車 Valentine bridgelayer
THE BRITISH ARMY IN BURMA 1945、 Catalogue number: SE 3422, Part of WAR OFFICE, CENTRAL OFFICE OF INFORMATION AND AMERICAN SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 9 Army Film & Photographic Unit Stubbs A (Sgt)  
Object description: A Valentine bridgelayer of the 3rd Independent Bridge Building Company, Royal Armoured Corps, crosses a scissors bridge near Meiktila, 28 March 1945. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (SE 3422)引用。



2−6.イギリス陸軍バレンタイン水陸両用戦車Valentine III DD (Duplex Drive) tanks

写真(右)1943-1944年頃(?)、イギリス(?)、バレンタインValentine III DD水陸両用戦車(蠍): 水上走行フロートを装備したが、砲身がカバーの飛び出さないように、そして前後のバランスが均等になるように、砲塔を後ろに回している。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、 Catalogue number: MH 9340, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit、 Object description: Valentine III DD.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 9340)引用。


写真(右)1943-1944年頃(?)、イギリス(?)、バレンタインValentine III DD水陸両用戦車:フロートが付いていて水上に浮くことができるが波が車体に被らないようにカバーを引き上げている。また、水上動力としては、車体の後方にスクリューが取り付けられている。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、 Catalogue number: MH 9338, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit、 Object description: Valentine III DD.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 9338)引用。


写真(右)1944年1月14日、イギリス、イギリス軍第79装甲師団学校のバレンタインValentine III DD水陸両用戦車:フロートが付いていて水上に浮いているが、重いために喫水線は高い。波や水が車体に被らないようにカバーを引き上げているが、車体上面よりも海水面の方が上になってしまい、危なっかしい。水上動力としては、車体の後方のスクリューを使用している。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 35181, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: War Office official photographer Stubbs (Sergeant) 、 Object description: Valentine DD tank with screen erected, in the water alongside a landing craft, 79th Armoured Division School, Gosport, 14 January 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 35181)引用。


写真(右)1944年1月14日、イギリス、戦車揚陸舟艇LCT 882に搭載しようとしているイギリス軍第79装甲師団学校のバレンタインValentine III DD水陸両用戦車
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、 Catalogue number: MH 2215, Part of SPECIALISED ARMOUR DEVELOPMENT ESTABLISHMENT 、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: War Office official photographer Stubbs (Sergeant)、 Object description: Valentine III DD (Duplex Drive) tanks aboard a landing craft.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 2215)引用。


イギリス陸軍バレンタイン水陸両用戦車Valentine III DD (Duplex Drive) Tank) は、フロートを装備し、水上に浮いて移動することができるが、これはあくまで、浅瀬に接岸できなかった場合を考慮して、水上走行可能な装備を施したようだ。戦車揚陸艦を使って直接砂浜に上陸できるとしても、緊急事態に備えて、水上走行可能であれば、確実に戦車を揚陸できる。戦車を上陸させることが必須とされた状況では、このような水上走行可能な戦車を準備することにも利点がある。

 しかし、戦車を水上走行可能にするには、防水装備を余分に準備することになり、量産の上でも制約となってくる。比較衡量すると、バレンタイン水陸両用戦車Valentine III DD (Duplex Drive) Tank) のような特殊装備の水陸両用戦車を多数取り揃える必要は全くないであろう。ドイツ軍も、渡河のために、あるいはイギリス本土上陸作戦のために、潜水可能な戦車を設計、試作したが、ごくわずかしか生産していない。また、このような特殊戦車は、期待したほどの効果がなかったようだ。


写真(右)1944年1月14日、イギリス、戦車揚陸舟艇LCT 882に搭載しようとしているイギリス軍第79装甲師団学校のバレンタインValentine III DD水陸両用戦車
:フロートが付いていて水上に浮くことができるが、戦車揚陸艦を使って直接砂浜に上陸できるのであれば、スクリューはもちろんフロートもカバーも不要であり、かえって、重量がかさみ行動を制約してしまう。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、 Catalogue number: H 35176, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: War Office official photographer Stubbs (Sergeant)、 Object description: Valentine DD tank being reversed into a landing craft (LCT 882), 79th Armoured Division School, Gosport, 14 January 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 35176)引用。


1943年、イギリス(?)、 戦車揚陸用舟艇LCT 340から発進するバレンタインDuplex Drive Valentine水陸両用戦車の動画:フロートが付いていて水上に浮くことができる。波が車体に被らないようにカバーを引き上げて、水上動力としては、車体の後方にスクリューが取り付けられている。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、 Catalogue number: ADM 981, Production date: 1943、  Place madeUnited States of America Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: US Naval Film Unit (Production company) Office of Strategic Services (for) (Production company) Combined Operations Headquarters (Production sponsor)、 Object description: Sea trials of Duplex Drive Valentine.
Full description: Valentine DD, screen collapsed, drives from beach onto LCT 340. LCT then disembarks Valentine into deep water to swim ashore. MS of tank parked on the beach with its flotation screen still raised - a military spectator examines propeller. "General Flotation and Speed": the Valentine at speed in calm water is passed by LCP(R) 774. DD shows off its turning circle. On re-entering the LCT from the water, the tank becomes stuck, and slides back slightly askew down the ramp. Final sequence shows a porpoise being loaded with sacks, to a weight of 1200 lbs, and connected by two cross-over tow bars to the Valentine. The tank drags the sledge down the LCT's vehicle ramp into the water, and gets underway - because of the disturbed water in the tank's wake, the tow does not ride centrally but slews round to starboard.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (ADM 981)引用。


3.イギリス陸軍チャーチル Churchil 歩兵戦車(A22)
写真(右)2017年3月、イギリス南岸、ドーセット州ボービントン戦車博物館、イギリス陸軍チャーチル(Churchill)Mk I (A22)歩兵戦車 (Infantry Tank) :主砲のオードナンス QF 2ポンド速射砲(Ordnance QF 2 pounder)は52口径40mm(40×304mm.R)、弾薬重量1.08 kg (2.4ポンド)でバレンタイン歩兵戦車と同じである。
English: Bovington Tank Museum: Churchill Mk I (A22) Date 14 March 2017 Source Own work Author Morio.写真はWikimedia Commons, Category:Churchill Mk I in the Bovington Tank Museum File:Churchill Mk I (A22) right2 2017 Bovington.jpg引用。


A22チャーチルChurchil Mk.I歩兵戦車Churchill I) は鋳造構造の砲塔に40mm 2ポンドQF速射砲(搭載砲弾150発)を装備し車体には76.2mm3インチ榴弾砲装備しており303輌生産された。A22チャーチルMk.II歩兵戦車(Churchill Mk II)は、車体に搭載していた3インチ砲を7.92mmベサ空冷機関銃に変換したもので、1,127輌生産された。

⇒イギリス軍A22チャーチル Churchil 歩兵戦車
⇒イギリス軍A15 クル―セイダーCruiser Mk VI 巡航戦車
⇒イギリス軍A27M クロムウェル 巡航戦車 Mk VIII Cromwell VI (A27M)
⇒アメリカ軍M3Aスチュアート軽戦車 Stuart
⇒アメリカ軍M4シャーマン中戦車 Sharman

イギリス戦時内閣ウィストン・チャーチルWinston Churchil首相


2011年7月刊行の『写真・ポスターに見るナチス宣伝術-ワイマール共和国からヒトラー第三帝国へ』青弓社(2000円)では、反ユダヤ主義、再軍備、ナチ党独裁、第二次世界大戦を扱いました。ここでは日本初公開のものも含め130点の写真・ポスターを使って、ヒトラーの生い立ち、第一次大戦からナチ党独裁、第二次大戦終了までを詳解しました。

ナチ党ヒトラー独裁政権の成立:NSDAP(Nazi);ファシズムの台頭
ナチ党政権によるユダヤ人差別・迫害:Nazis & Racism
ナチスの優生学と人種民族:Nazis & Racism
ナチスの再軍備・人種差別:Nazism & Racism
ドイツ国防軍のヒトラー反逆:Ludwig Beck
ゲオルク・エルザーのヒトラー暗殺未遂:Georg Elser
ヒトラー暗殺ワルキューレ Valkyrie作戦: Claus von Stauffenberg
ナチスT4作戦と障害者安楽死:Nazism & Eugenics
ハンセン病Leprosy差別
ポーランド侵攻:Invasion of Poland;第二次大戦勃発
ワルシャワ・ゲットー写真解説:Warsaw Ghetto
ウッジ・ゲットー写真解説:Łódź Ghetto
ヴィシー政権・反共フランス義勇兵:Vichy France :フランス降伏
ワルシャワゲットー蜂起:Warsaw Uprising
アンネ・フランクの日記とユダヤ人虐殺:Anne Frank
ホロコースト:Holocaust;ユダヤ人絶滅
アウシュビッツ・ビルケナウ収容所の奴隷労働:KZ Auschwitz
マウトハウゼン強制収容所:KZ Mauthausen

◆毎日新聞「今週の本棚」に『写真・ポスターから学ぶ戦争の百年 二十世紀初頭から現在まで』(2008年8月25日,青弓社,368頁,2100円)が紹介されました。ここでは,第二次大戦,ユダヤ人虐殺・強制労働も分析しました。

与謝野晶子の日露戦争・日中戦争
石川啄木を巡る社会主義:日清戦争・日露戦争から大逆事件
魯迅(Lu Xun)の日本留学・戦争・革命・処刑
文学者の戦争;特攻・総力戦の戦争文学
戦争画 藤田嗣治のアッツ島玉砕とサイパン島玉砕
統帥権の独立から軍閥政治へ:浜田国松と寺内寿一の腹切り問答

ポーランド侵攻:Invasion of Poland
バルカン侵攻:Balkans Campaign;ユーゴスラビア・ギリシャのパルチザン
バルバロッサ作戦:Unternehmen Barbarossa;ソ連侵攻(1)
スターリングラード攻防戦;Battle of Stalingrad :ソ連侵攻(2)

自衛隊幕僚長田母神空将にまつわる戦争論
ハワイ真珠湾奇襲攻撃
ハワイ真珠湾攻撃の写真集
開戦劈頭の「甲標的」特別攻撃隊
サイパン玉砕戦:Battle of Saipan 1944
沖縄玉砕戦と集団自決:Battle of Okinawa 1945
沖縄特攻戦の戦果データ
戦艦「大和」天1号海上特攻 The Yamato 1945
人間爆弾「桜花」Human Bomb 1945
人間魚雷「回天」人間爆弾:Kaiten; manned torpedo
海上特攻艇「震洋」/陸軍特攻マルレ艇
日本陸軍特殊攻撃機キ115「剣」

日本陸軍八九式中戦車・九一式重戦車
フランス軍シャール 2C(FCM 2C)・イギリス軍ヴィッカースA1E1・日本陸軍九一式重戦車
ソ連赤軍T-34戦車ソ連赤軍T-35多砲塔重戦車
ソ連赤軍KV-1重戦車・KB-2重自走砲;Kliment Voroshilov

フィアット(FIAT)アウトブリンダ(Autoblindo)AB41装甲車
ドイツ軍Sd.Kfz. 221-4Rad四輪装甲車/Sd.Kfz. 231-6Rad六輪装甲車
ドイツ軍の八輪偵察重装甲車 Sd.Kfz. 231 8-Rad
ドイツ軍装甲車Sd.Kfz.250ハーフトラック
ドイツ軍装甲車Sd.Kfz.250ハーフトラック
ドイツ軍装甲車Sd.Kfz.251ハーフトラック
ドイツ陸軍I号戦車/47mm対戦車自走砲
ドイツ陸軍チェコ38(t)戦車:Panzerkampfwagen 38(t)
ドイツ陸軍2号戦車
ドイツ陸軍3号戦車
ドイツ陸軍4号戦車・フンメル自走砲
ドイツ陸軍マーダー対戦車自走砲 Panzerjäger 38(t) Marder
ドイツ陸軍ヘッツァー駆逐戦車 Jagdpanzer 38(t) 'Hetzer'
ドイツ陸軍III号突撃砲 Sturmgeschütze III
ドイツ陸軍IV号戦車(Panzerkampfwagen IV:Pz.Kpfw.IV)
ドイツ陸軍ナースホルン,フンメル自走砲,IV号駆逐戦車,ブルムベア突撃砲
VI号ティーガー重戦車
ドイツ陸軍VI号キングタイガー"Tiger II" /ヤークトティーゲル駆逐戦車"Jagdtiger"
V号パンター戦車
ドイツ陸軍V号ヤークトパンター(Jagdpanther)駆逐戦車

イギリス軍マチルダMatilda歩兵戦車
イギリス陸軍A22 チャーチル歩兵戦車: Churchill Infantry Tank Mk IV
イギリス陸軍バレンタイン(Valentine)歩兵戦車
イギリス陸軍クロムウェル(Cromwell)巡航戦車
M10ウォルブリン(Wolverine)/アキリーズ(Achilles)駆逐自走砲GMC
イギリス軍クルーセーダーCrusader/カヴェナンター/セントー巡航戦車
イギリス軍M4A4シャーマン・ファイアフライ Sherman Firefly戦車
英軍M10ウォルブリン/アキリーズ駆逐自走砲GMC
イギリス陸軍コメット巡航戦車

アメリカ軍M3Aスチュアート軽戦車/M3グラント/リー中戦車
アメリカ軍グラント(Grant)/リー(Lee)中戦車
アメリカ陸軍M4シャーマン中戦車Sherman Tank
シャーマン・クラブフライル地雷処理戦車 Sherman Crab Flail

フォッカー(Fokker)F.VIIb-3mトライモーター三発輸送機
シェルバ(Cierva)/ピトケイアン(Pitcairn)/ケレット(Kellett)のオートジャイロ
ロッキード(Lockheed)モデル 10 エレクトラ (Electra)輸送機
ロッキード14スーパーエレクトラ(Super Electra)/ロードスター(Lodestar)輸送機
ボーイング(Boeing)247旅客機
ダグラス(Douglas)DC-1旅客輸送機
ダグラス(Douglas)DC-2輸送機
ダグラス(Douglas)DC-3輸送機
ダグラス(Douglas)DC-4E旅客機
ダグラス(Douglas)C-39軍用輸送機
ダグラス(Douglas)C-47スカイトレイン(Skytrain)輸送機
アメリカ陸軍ダグラス(Douglas)C-54 スカイマスター(Skymaster)輸送機
アメリカ海軍ダグラス(Douglas)R5D スカイマスター(Skymaster)輸送機

ユンカース(Junkers)F.13輸送機
ユンカース(Junkers)W33輸送機「ブレーメン」(Bremen)大西洋横断飛行
ユンカース(Junkers)A50軽飛行機「ユニオール」"Junior"
ユンカース(Junkers)W.33輸送機/W.34水上機
ユンカース(Junkers)K43f水上機
巨人機ユンカース(Junkers)G38輸送機/九二式重爆撃機
ユンカース(Junkers)G.24輸送機/K30(R42)水上偵察爆撃機
ユンカース(Junkers)G.31輸送機
ユンカース(Junkers)Ju52/3m輸送機
ハインケル(Heinkel)He70高速輸送機ブリッツ(Blitz)
ハインケル(Heinkel)He111輸送機
ルフトハンザ航空フォッケウルフFw200輸送機/ドイツ空軍コンドル哨戒偵察機
ルフトハンザ航空ユンカース(Junkers)Ju90輸送機

フィリックストウ(Felixstowe)F2/F3/ポート(Porte)/フューリー(Fury)/F5 飛行艇
カーチス(Curtiss)H-16/海軍航空工廠(NAF)F.5L 双発飛行艇
NAF H-16民間仕様エアロマリン(Aeromarine)75飛行艇
軍航空工廠(NAF)F.5L/ カーチス(Curtiss)H-16飛行艇の生産
NAF H-16民間仕様エアロマリン(Aeromarine)75飛行艇
スーパーマリン(Supermarine)サザンプトン(Southampton)双発飛行艇
サンダース・ロー(Saunders-Roe)A.19 / A.29 クラウド(Cloud)双発飛行艇
ブラックバーン(Blackburn)アイリス(Iris)/ パース(Perth)飛行艇
ショート(Short)シンガポール(Singapore)四発飛行艇
スーパーマリン(Supermarine)ウォーラス(Walrus)水陸両用飛行艇
スーパーマリン(Supermarine)シーオッター(Sea Otter)水陸両用飛行艇
スーパーマリン(Supermarine)ストランラー(Stranraer)飛行艇
シコルスキー(Sikorsky)S-36水陸両用飛行艇
シコルスキー(Sikorsky)S-38水陸両用飛行艇
シコルスキー(Sikorsky)S-40飛行艇「アメリカン・クリッパー」"American Clipper"
シコルスキー(Sikorsky)S-42飛行艇アメリカン・クリッパー"American Clipper"
マーチン(Martin)M-130チャイナ・クリッパー/M-156四発飛行艇
ボーイング(Boeing)314飛行艇クリッパー"Clipper"

フィンランド内戦:Finnish Civil War
フィンランド対ソ連 1939‐1940年「冬戦争」Talvisota
ソ連フィンランド第二次ソ芬継続戦争Continuation War
フィンランド空軍の対ソ連1939年「冬戦争」1941年「継続戦争」
第二次ソ芬継続戦争のフィンランド海軍(Merivoimat)
第二次対ソビエト「継続戦争」1944年流血の夏、フィンランド最後の攻防戦
ブレダ1916/35年式76ミリ海軍砲(Cannon 76/40 Model 1916)
ブレダ20ミリ65口径M1935機関砲(Breda 20/65 Mod.1935)
フィンランド軍の対空機関銃◇Anti-aircraft machineguns
フィンランド軍の高射砲;Anti-aircraft Guns
フィンランド海軍の対空火器◇Anti-aircraft firearm:Fin Navy
フィンランド軍の防空監視哨

ドルニエ(Dornier)Do-Jワール/スパーワール飛行艇
ドルニエ(Dornier)Do-X 飛行艇
ドルニエ(Dornier)Do18飛行艇
ドルニエ(Dornier)Do24飛行艇
ドルニエ(Dornier)Do-26四発高速飛行艇
ブローム・ウント・フォス(Blohm & Voss)BV222バイキング/BV238飛行艇
ハインケル(Heinkel)He 59 救難機/水上偵察機
ハインケル(Heinkel)He 60 複葉水上偵察機
ドルニエ(Dornier)Do-22偵察爆撃機
ハインケル(Heinkel)He 114 艦載水上偵察機
ハインケル(Heinkel)He115水上偵察機
アラド(Arado)Ar-196艦載水上偵察機
ブロームウントフォッスBV138飛行艇
ブロームウントフォッスBV222飛行艇

ドイツ空軍ルフトバッフェ(Luftwaffe)Bf110,FW58,Go242
ヘンシェル(Henschel)Hs129地上攻撃機
ウルフ(Focke-Wulf)Fw 58 ワイエ"Weihe"練習機
ジーベル(Siebel)Fl 104/ Si 204/ C2A 連絡機
ヘンシェル(Henschel)Hs-126近距離偵察機
フィーゼラー(Fieseler)Fi-156シュトルヒ連絡機
フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw-189偵察機ウーフー"Uhu"
ブロームウントフォスBlohm & Voß BV-141偵察機
ハインケル(Heinkel)He-51複葉戦闘機/アラド(Arado)Ar68
ハインケル(Heinkel)He 100(He 113)戦闘機
メッサーシュミット(Messerschmitt)Me-109 E/F 戦闘機
メッサーシュミット(Messerschmitt)Me-109 G/K 戦闘機
フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw190戦闘機
フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw190D戦闘機
ハインケル(Heinkel)He280/He162ジェット戦闘機
ユンカース(Junkers)Ju-87スツーカ急降下爆撃機
ドルニエ(Dornier)Do 17 爆撃機
ドルニエ(Dornier)Do 215偵察機
ドルニエ(Dornier)Do 217爆撃機
ドルニエ(Dornier)Do 17/215/217 カウツ(Kauz)夜間戦闘機
ドイツ空軍ハインケル(Heinkel)He111爆撃機
ドイツ空軍ユンカース(Junkers)Ju-88爆撃機
ユンカース(Junkers)Ju88 D偵察機/S高速爆撃機
ユンカース(Junkers)Ju88 C/R/G夜間戦闘機
ユンカース(Junkers)Ju-188爆撃機
ユンカース(Junkers)Ju388高高度偵察機

ドイツ空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング元帥
エルンスト・ハインケル(Ernst Heinkel)教授
ムッソリーニ救出作戦
イタリア独裁者ムッソリーニ
独裁者ムッソリーニ処刑
ウィンストン・チャーチル Winston Churchill 首相
マンネルヘイム(Mannerheim)元帥のフィンランド対ソ連「冬戦争」「継続戦争」

サヴォイア=マルケッティ(Savoia Marchetti)SM.73輸送機
カント(CANT)Z.501ガビアーノ(Gabbiano)飛行艇
カント(CANT)Z.506アイローネ(Airone)水上機
サヴォイア=マルケッティSM.75 Marsupial(有袋類)輸送機
サヴォイア・マルケッティSM.82カングロ輸送機
フィアット(Fiat)G.18V輸送機
フィアット(Fiat)G.12/G.212三発輸送機
サボイア・マルケッティ(Savoia Marchetti)SM.79爆撃機
フィアット(Fiat)BR.20/イ式重爆撃機
サヴォイア・マルケッティ(Savoia-Marchetti)SM.84爆撃機
カント(CANT)Z.1007爆撃機
カプローニ(Caproni)Ca.135爆撃機
カプローニ(Caproni)Ca.310偵察爆撃機
カプローニ(Caproni)Ca.311軽爆撃機
ピアジオP.108重爆撃機
マッキ(Macchi)MC.200サエッタ戦闘機
マッキ(Macchi)MC.202フォゴーレ"Folgore"戦闘機
マッキ(Macchi)MC.205Vべルトロ"Veltro"戦闘機

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