１．ポリカルポフ（Polikarpov）I-15bis複葉戦闘機

1930年代中旬に、ソ連は高い格闘性能をもつポリカルポフ I-15（Polikarpov И-15）戦闘機を制式したが、更に高速化するために、固定車輪を引き込み脚としたI-153が開発された。I-153複葉戦闘機の初の実戦参加は、1939年のノモンハン事件の日本陸軍機との闘いである。

ソ連は，中国共産党にコミンテルンでは反ファシズム戦線の結成を謳い，中国共産党に国民党と内戦を繰り広げるのではなく，国共合作によって，抗日武力闘争を進めるように秘密裏に指令している(らしい)。実際，西安事件で中国共産党も国共合作に合意し，蒋介石を釈放認めている。そして，中国国民党への軍事支援を開始している。

1937年8月21日，中ソ不可侵条約(Sino-Soviet Non-Aggression Pact)を締結したソ連は、1937年以降，ソ連製ポリカルポフI-16戦闘機だけでも約200機が中国に譲渡され,中国空軍の主力戦闘機になっている。

ポリカルポフ I-15bis（Polikarpov I-152）戦闘機の諸元
初飛行：1937年8月2日
生産期間：1939年1004機　1940年1304機　生産機数：2,408機
全長： 6.275m
全幅： 10.20 m
全高： 3.416m
主翼面積： 22.5平方メートル
全備重量： 1700 kg
発動機： シュベツォフ（Shvetsov）M-25V 空冷星型9気筒750HP
最高速力：　327 km/h海面上
379km/h 3500m
342km/h 7000m
上昇時間：5000m/6.8分
離陸滑走距離：120−130m
航続距離： 520 km
実用上昇限度： 9,000 m
乗員： 1名
プロペラ：2翅固定ピッチ直径2.9m
兵装： ShKAS 7.62mm機銃４挺（2300発）

⇒写真集Album：ポリカルポフ （Polikarpov）I-15bis（I-152）複葉戦闘機を見る。


２．ソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機


写真(上)：1935-1938年，ソビエト連邦、ポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機：全金属製主輪引込み式の新鋭戦闘機。
Polikarpov, I-15,　Catalog #: 01_00086849
, I-16 (Tskb-3), Manufacturer: Polikarpov Designation: I-16 (Tskb-3) Notes: Russia
写真はSDASM Archives Catalog #: 01_00086887引用。

ソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機4型（Polikarpov I-16 Type 4）はイギリスのブリストル・ジュピター（Bristol Jupiter）空冷星形エンジンをソ連でライセンス生産したシュベツォフ M-22空冷星形エンジン（двигатель М-22 мощностью）480馬力を装備した初の量産型である。1934年41機、1935年464機、合計505機が量産された。兵装は陸戦用のM1910マキシム（Maxim）水冷式機関銃を空冷化した7.62ミリ口径PV-1 (Pulemet Vozdushny）機関銃2丁。

写真(右)：1934-1935年頃、ソ連、スキー式降着装置をテスト中のソ連空軍ポリカルポフ I-16戦闘機（Polikarpov I-16）試作機：ソ連やフィンランドでは、極北での使用を前提にしたスキー式降着装置が実用化されたが、実際に使用したことはほとんどなかったようだ。
Ray Wagner Collection Image
PictionID: 45939202 - Title: Polikarpov I-16 prototype - Filename: 16_007264.TIF - Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives -- Catalog:16_007264 引用。

写真(右)：1935-1937年頃、ソ連、スキー式降着装置を装備してテスト中のソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機5型（Polikarpov I-16 Type 5）：ソ連やフィンランドでは、極地の雪原を利用した基地で使用することを想定して、スキー式降着装置が実用化されたが、実際に使用したことはほとんどなかったようだ。
Ray Wagner Collection Image
PictionID: 46167732 - Title: Polikarpov I-16. T5 - Filename: 16_007277.TIF - Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog:16_007277引用。

ソ連空軍ポリカルポフ I-16戦闘機5型（Polikarpov I-16 Type 5）は アメリカのライと・サイクロン（Wright Cyclone）R-1820をソ連でライセンス生産したシュベツォフ M-25空冷星形エンジン（двигатель М-25 мощностью）730馬力を装備した二番目の量産型である。1936年861機、1937年1665機、1938年169機、合計2695機が量産され、I-16 戦闘機の初期主力形式となった。兵装は、1932年に開発された7.62ミリ口径ShKAS((Shpitalny-Komaritski Aviatsionny Skorostrelny）機関銃2丁。

写真(右)：1935-1937年頃、ソ連、スキー式降着装置を装備してテスト中のソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機5型（Polikarpov I-16 Type 5）：ソ連やフィンランドでは、極地の雪原を利用した基地で使用することを想定して、スキー式降着装置が実用化されたが、実際に使用したことはほとんどなかったようだ。
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PictionID:45939303 - Title:Polikarpov I-16 Type 5 on tests - Filename:16_007272.TIF - Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog:16_007272 引用。


写真(上)：1935-1937年頃、ソ連、ツポレフ（Tupolev）TB-3四発爆撃機を母機左右主翼に懸架された子機のポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機爆装型 ：ソ連空軍が実用化したズヴェノー（Zveno：Звено）計画の親子飛行機。
Ray Wagner Collection Image Tupolev TB-3 Zveno
Tupolev, TB-3 Manufacturer: Tupolev Designation: TB-3 Notes: USSR Tags: Tupolev, TB-3, USSR
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog #: 01_00088935引用。

ソ連軍はズヴェノー（Zveno：Звено）と呼ぶ親子飛行機を開発し、子機の航続力と攻撃力を増すことに成功した。

写真(右)：1935-1937年頃、ソ連、ツポレフ（Tupolev）TB-3四発爆撃機の左側主翼に懸架されたポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機爆装型 ：大型長距離飛行機に小型短距離飛行機を搭載して航続距離を伸ばす親子飛行機は、ロシアで「ズヴェノー」（Zveno：Звено）と呼ばれ、様々な組み合わせが試みられた。
Ray Wagner Collection Image
PictionID: 45937435 - Title: Polikarpov I-16 carried by Tupolev TB-3 - Filename: 16_007130.TIF - Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog:16_007130 引用。

通常のポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機では、500キロもの爆弾は搭載できない。なぜならば、大型爆弾を搭載すると、爆弾が地面と接触してしまう上に、過重状態での離陸は不可能だからである。しかし、I-16戦闘機に250キロ爆弾2発して、大型爆撃機を母機として、そこから空中発進するズヴェノー（Zveno：Звено）親子飛行機であれば、過重爆装状態でも運用可能である。

写真(右)：1935-1937年頃、ソ連、ツポレフ（Tupolev）TB-3四発爆撃機の主翼に懸架されたポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機に250キロ爆弾2発を搭載した爆装型：
Ray Wagner Collection Image Tupolev TB-3 Zveno
PictionID: 45937407 - Tit Polikarpov I-16 carried by Tupolev TB-3 - Filename: 16_007128.TIF - Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog: 16_007128引用。

長距離大型飛行機に短距離小型飛行機を搭載する寄生飛行機（親子飛行機）であれば、搭載した小型機の航続距離を伸ばすことができ、小型戦闘機による長距離爆撃機の空中援護に使用できる、また小型戦闘機による地上襲撃など対地支援任務の航続距離を延長することもできる。このような親子飛行機は、空中空母の発想であり、ロシア語でズヴェノー（Zveno：Звено）と呼ばれ、様々な組み合わせが試みられた

写真(右)：1935-1937年頃、ソ連、ツポレフ（Tupolev）TB-3四発爆撃機の右側主翼に懸架されたポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機 ：爆装していないが、大型長距離飛行機に小型短距離飛行機を搭載して航続距離を伸ばすことで、母機の爆撃機の援護戦闘機として子機を使用することも可能だった。「ズヴェノー」（Zveno：Звено）には、親子機の様々な組み合わせが試みられた。
Ray Wagner Collection Image
PictionID: 45939264 - Title: Polikarpov I-16 - Filename:1 6_007269.TIF - Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog: 16_007269 引用。

写真(右)：1935-1937年頃、ソ連、降着装置を引き込んだまま支柱を使って水平に支えられているポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機の正面 ：爆走していないが、ツポレフ（Tupolev）TB-3四発爆撃機を親機にして搭載するためのてすとをしているのであろうか。母機の大型機に運搬してもらえれば、子機は航続距離を伸ばすことができた。このような親子飛行機は「ズヴェノー」（Zveno：Звено）と呼ばれた。
Ray Wagner Collection Image
PictionID: 45939290 - Title: Polikarpov I-16 - Filename: 16_007271.TIF - Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catlog: 16_007271引用。

写真(右)：1936年-1938年、ソ連、飛行中のソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機：
R Image Wagner Collection
Pictionay ID: 46167883 - Catalog:16_007289
Title:Polikarpov I-16. T17 - Filename: 16_007289.TIF - Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog: 16_007289 引用。

ソ連空軍ポリカルポフ I-15（Polikarpov И-15）戦闘機の後継機ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機は、アメリカのライト（Wright）SGR-1820サイクロン空冷星形エンジンを国産化した搭載したが、大直径のエンジンを収めるカウリングの処理は、後年の空冷星形エンジン搭載の新鋭機と同じく、排気ジェットを活用した斬新な設計となっている。エンジン前面の扁平なスピナー、橇式固定尾輪は、1930年代半ばの飛行機では当たり前だが、尾翼や機尾の処理は、絞り込んでおり空力的に滑らかである。日中戦争に際して、蒋介石政権の中国空軍に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加している。

写真(右)：1936年、ソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機：空冷星形エンジンを搭載したが、エンジンカウリングの処理は、後年の空冷星形エンジン搭載の新鋭機と同じく、排気ジェットを活用した斬新な設計となっている。
Ray Wagner Collection Image
PictionID:　45939276 - Title:　Polikarpov I-16 Type 5 - Filename:　16_007270.TIF - Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog:16_007270引用。

ソ連空軍ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機は、複葉機戦闘機が配備されていた時期の1933年12月30日初飛行、片持式低翼単葉、モノコックの胴体、引込式降着装置、スライド式ガラス風防コックピット、エンジンカウリングに沿って配置された推力式単排気管など、後年の航空機が採用することになる新設計を取り込んでいる。特にアメリカのカーチス・ライト社（Curtiss-Wright）が開発したライト R-1820「サイクロン」空冷星形9気筒エンジンをソ連でライセンス生産したシュベツォフ（Shvetsov）M-62を装備したが、エンジンカウリングの処理は、後年のフォッケウルフFw-190戦闘機と同じように、単排気管から噴出する排気ジェットを推力と乱気流の排除に活用した先進的な構造となっている。

ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機は、エンジン前面の扁平なスピナーや橇式固定尾輪はともかく、尾翼や機尾の処理は空力的に滑らかである。日中戦争に際して、蒋介石政権の中国空軍側に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。

写真(右)：1936年、ソ連、離陸中のソ連空軍ポリカルポフ I-16B（Polikarpov I-16B）戦闘機：大きな直径の空冷星形エンジンを搭載したが、エンジンカウリングの処理は、後年の空冷星形エンジン搭載の新鋭機と同じく、排気ジェットを活用した斬新な設計となっている。エンジン前面の扁平なスピナーや橇式固定尾輪はともかく、尾翼や機尾の処理は空力的に滑らかである。日中戦争に際して、蒋介石政権の中国空軍に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。
Ray Wagner Collection Image
Polikarpov I-16B Title: Polikarpov I-16B Date: 1936 Collection: Charles M. Daniels Collection Photo Album Name: Soviet Aircraft Page #: 1 Tags: Soviet Aircraft, Charles Daniels,
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives Catalog #: 15_002202引用。

ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機は、エンジン前面の扁平なスピナー、橇式固定尾輪など1940年時点では旧式化してしまう設計ではあるが、尾翼や機体尾部は細く絞り込まれており、経常的には空力的に優れた処理で、滑らかである。1936年勃発のスペイン内戦、1937年勃発の日中戦争にソ連から派遣され、共和国政府、蒋介石政権の空軍力を増強することに貢献した。ソ連兵士がパイロットとして参戦した場合は、ソ連軍義勇航空兵としの建前をとったがとったが、事実上ソ連の参戦だった。

写真(右)：1936年-1938年、ソ連（？）中、木造の掩体壕から発進一に地上勤務員に導かれて移動するソ連空軍ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機：大きな空冷星形エンジンを搭載したために、地上での前方視界が悪く、地上勤務員による誘導が必要になった。エンジン前面にはシャッター式の空気取入れ口の切り欠きがある。日中戦争に際して、蒋介石政権の中国空軍に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。
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PictionID: 46167922 - Catalog: 16_007292
Title:Polikarpov I-16. T29 - Filename:16_007292.TIF - Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives PictionID:46167922 引用。

写真(右)：1936年、ソ連空軍ポリカルポフ I-16.T5（Polikarpov I-16.T5）戦闘機：空冷星形エンジンを搭載したが、エンジンカウリングの処理は、後年の空冷星形エンジン搭載の新鋭機と同じく、排気ジェットを活用した斬新な設計となっている。エンジン前面の扁平なスピナーや橇式固定尾輪はともかく、尾翼や機尾の処理は空力的に滑らかである。日中戦争に際して、蒋介石政権の中国空軍に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。
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PictionID: 46167681 - - Title:Polikarpov I-16.T5 of VMF photo from L. Andersson - Filename:16_007273.TIF - - Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog:16_007273 -引用。

ソ連空軍ポリカルポフ I-16.T5（Polikarpov I-16.T5）戦闘機はシュベツォフ M-25（Shvetsov M-25）空冷星形エンジン700馬力（522 kW）を装備し、それまでの角張ったエンジンカウリングに曲面を取り入れM-62エンジンを搭載して試験され量産された。

シュベツォフ M-25（Shvetsov M-25）空冷星形エンジン700馬力は、アメリカのライト R-1820-F3「サイクロン」空冷星形9気筒エンジンをソ連でライセンス生産したエンジンの名称である。アメリカではフィート・インチが使用されているが、それをメートル・ミリで合わせた設計となっている。

写真(右)：1936年、ソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機：空冷星形エンジンを搭載したが、エンジンカウリングの処理は、後年の空冷星形エンジン搭載の新鋭機と同じく、排気ジェットを活用した斬新な設計となっている。エンジン前面の扁平なスピナーや橇式固定尾輪はともかく、尾翼や機尾の処理は空力的に滑らかである。日中戦争に際して、蒋介石政権の中国空軍に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。
Ray Wagner Collection Image
PictionID: 46167693
Title: Polikarpov I-16.T5 of VMF photo from L. Andersson
Filename:16_007274.TIF
- Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog:16_007274 -引用。

1939年制式のソ連空軍ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機Тип 24諸元
乗員: 1名
全長: 6.13 m
全高: 3.25 m
全幅: 9 m
翼面積: 14.5平方メートル
空虚重量: 1,490 kg
最大離陸重量: 1,941 kg
発動機: シュベツォフ M-63空冷星形9気筒エンジン900馬力 (670 kW)
生産機数：1939年155機
1940年760機
1941年19機
合計934機

ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機24型は,最高速力525キロに達する強力な兵装・防御力の最終量産型だが、ソ連軍は後継機を1938年から開発し、1939-1940年には、ラボーチキン、ヤコブレフ、ミコヤン、グレビッチらが設計した新鋭軍用機を登場させている。

写真(右)：1936年、ソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16戦闘機：空冷星形エンジンを搭載したが、エンジンカウリングの処理は、後年の空冷星形エンジン搭載の新鋭機と同じく、排気ジェットを活用した斬新な設計となっている。エンジン前面の扁平なスピナーや橇式固定尾輪はともかく、尾翼や機尾の処理は空力的に滑らかである。日中戦争に際して、蒋介石政権の中国空軍に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。
Ray Wagner Collection Image
PictionID: 46167719 - - Title: Polikarpov I-16 Petrov photo collection - Filename:16_007276.TIF
- Image from the Ray Wagner collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives - Catalog:16_007276 -引用。

1939年制式のソ連空軍ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機Typ 24の性能
最高速度: 525 km/h (高度3000 m)
航続距離: 700 km
最大上昇限度：11,000m
実用上昇限度: 9,700 m
上昇率: 14.7 m/min
高度5000mまで5.8分
兵装： 7.62-mm-SchKAS機関銃2丁、 20-mm SchWAK機関砲2門
爆弾搭載量：50−10キロ爆弾2発
あるいはRBS-82空対地ロケット弾4-6発

ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機24型は,1937年に開発された空対地ロケット弾とそれを搭載・発射するランチャーRO-82を装備している。ソ連軍のロケット弾は、直径82ミリのRS-82（重量6.8 kg）と直径132ミリのRS-132（重量23.0 kg）の2種類がある。発射ランチャーは、レール式で空対地ロケット弾の進行方向・弾道を安定させる役割があるが、ロケット弾自体の弾道は、砲弾の弾道に比べて遥かに不安定なため、命中率は悪かった

しかし、空対地ロケット弾発射装置は、簡易構造で軽量だったので、命中精度の低さを多数のロケット弾を発射することである程度補うことができた。また、その一斉発射するによる弾幕の威力は、地上目標に対して大きな効果を期待できた。アメリカ軍もドイツ軍も空対地ロケット弾を第二次大戦後期になって実用化、実戦で使用したが、日本軍はロケット弾を実用化できずに終わった。

写真(右)：1938-1941年頃、第二次世界大戦前、ソ連空軍のポリカルポフ（Polikarpov）I-16 (Tskb-3)戦闘機：国籍記章（赤い星）は主翼上面には付けていないが、主翼下面、垂直尾翼、胴体両側についている。
Polikarpov, I-16 (Tskb-3),
Polikarpov, I-16 (Tskb-3), Manufacturer: Polikarpov Designation: I-16 (Tskb-3) Notes: Russia
写真は, SDASM Archives Catalog #: 01_00086880引用。

ソ連空軍ポリカルポフ I-153（Polikarpov И-153）を継いだポリカルポフ（Polikarpov）I-16 (Tskb-3)戦闘機は、主翼全幅よりも短い太い機体胴体で、アブのようなイメージであり、ソ連軍ではイシャク（Ishak：ロバ）、スペイン内戦ではモスカ（Mosca：ハエ）あるいはラタ（Rata：ネズミ）という愛称を付けられている。

写真(右)：1938-1941年頃、第二次世界大戦前（？）、空中戦の様子を手真似しながら話し合うソ連空軍のポリカルポフI-16 (Tskb-3)（Polikarpov I-16）戦闘機の操縦士たち：
Polikarpov, I-16 (Tskb-3), Manufacturer: Polikarpov Designation: I-16 (Tskb-3) Notes: Russia
写真は, SDASM Archives Catalog #: 01_00086882引用。

ソ連空軍のポリカルポフI-16 (Tskb-3)（Polikarpov I-16）戦闘機は、エンジンカウリング上面に7.62ミリShKAS機関銃 2丁、主翼内に20ミリShVAK機関砲 2丁を装備していたが、これは日本、ドイツの戦闘機が装備していた7.7ミリ、7.92ミリ機関銃2丁よりも遥かに強力だった。さらに、世界初の対地あるいは対空攻撃用のロケット弾としてRS-82ロケット弾 6発を装備することができた。

写真(右)：1938-1941年頃、第二次世界大戦前、ソ連空軍のポリカルポフI-16 (Tskb-3)（Polikarpov I-16）戦闘機の戦列：国籍記章（赤い星）は主翼上面には付けていないが、垂直尾翼、胴体両側についている。
Polikarpov, I-16 (Tskb-3), Manufacturer: Polikarpov Designation: I-16 (Tskb-3) Notes: Russia
写真は, SDASM Archives Catalog #: 01_00086879引用。

ソ連空軍のポリカルポフ I-15（Polikarpov И-15）戦闘機は複葉・固定脚だったが、ポリカルポフI-16 (Tskb-3)（Polikarpov I-16）戦闘機は、単葉、引込み式の降着装置を装備していて、固定脚の機体よりも空気抵抗を減少させている。主輪を機体内に引き上げるには、パイロットが主導の滑車でワイヤを駆動し、引き込む方式である。このような最新の技術を導入したために、1935年の配備当初は、戦闘機として世界最高速力は、日本陸軍の九五式戦闘機、ドイツ空軍He 51戦闘機よりも遥かに早かった。

写真(右)：1938-1941年頃、第二次世界大戦前、ソ連空軍のポリカルポフI-16 (Tskb-3)（Polikarpov I-16）戦闘機の戦列：国籍記章（赤い星）は主翼上面にも、主翼下面、垂直尾翼、胴体両側にも記入されていない。
Polikarpov, I-16 (Tskb-3), anufacturer: Polikarpov Designation: I-16 (Tskb-3) Notes: Russia
写真は, SDASM Archives Catalog #: 01_00086881 引用。

初飛行が1933年12月30日のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機は、ポリカルポフ I-15（Polikarpov И-15）戦闘機と同様に、ソ連空軍のほか、スペイン共和国、中華民国、フィンランドで使用された。

写真(右)：1939年、モンゴル・満州国境、カルヒンコルの戦い（ノモンハン事件）に参戦したソ連空軍ポリカルポフ I-16B（Polikarpov I-16B）戦闘機：国籍記章（赤い星）は主翼上面・下面にはついていないが、垂直尾翼にはついている。
Ray Wagner Collection Image
English: Khalkhyn Gol, Soviet i-16 Русский: И-16 на Халхин-Голе Date 1939 Source former image source [1]; current image source [2] Author soviet reporter
写真は Wikimedia Commons, Category:Polikarpov I-16 File:Khalkhin Gol Soviet i 16 1939.jpg引用。

ソ連空軍ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機は、機首エンジンカウリング上面に前方固定式 7.62 mm ShKAS機関銃 2挺、左右主翼内部に前方固定式 20 mm ShVAK機関銃 2挺を装備している。

7.62 mm ShKAS機関銃は、口径7.62mm、弾薬7.62x54mmR（リム）、弾薬重量24g、弾丸重量9.6g、ベルト給弾式、ガス圧作動、空虚重量10kg、総重量（弾薬650発込み）40kg、発射速度1,800発/分、プロペラ同調後の発射速度1,625発/分、銃口初速775-825m/秒。

写真(右)：1941年夏、ソ連西部、ドイツ軍のソ連侵攻「バルバロッサ作戦」（Barbarossa）時期、地上で撃破されたソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16UTI 複座練習戦闘機(UTI-4)：ポリカルポフ I-16B（Polikarpov I-16）戦闘機の複座練習機型。後方にはドイツ軍のヘンシェルHs-126偵察機が見える。
Magyar: Szovjet harctér 1941-ben, I-16 Rata repülőgép roncsa. Tags: wreck, airplane, transport, Soviet brand, fighter;plane, second World War, eastern front Title: Szovjet harctér 1941-ben, I-16 Rata repülőgép roncsa. Date 1941.
FOTO:Fortepan — ID 13996: Home pagePictureInformation page Adományozó/Donor: Ungváry Krisztián.
写真は Wikimedia Commons, Category:Polikarpov I-16 File:Operation Barbarossa - Russian planes.jpg引用。

写真(右)：1941年、飛行場の飛行機掩体壕に隠匿された破損したポリカルポフ（Polikarpov） I-16UTI 複座練習戦闘機：1941年9月6-7日にソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16UTI 複座練習戦闘機(UTI-4)を鹵獲したフィンランド軍は、折れ曲がったプロペラ、プロペラスピナーなどを修理したうえで、稼働できるように直して、自国空軍向けに部隊で使用した
Sotasaaliiksi jatkosodassa saatu Polikarpov I-16UTI (myöh. Suomen ilmavoimien rekisterimerkintä UT-1) noudettiin Kenttälentovarikko 4:n toimesta Troitsankonnun lentokentältä 6.-7.9.1941, jossa se oli saatu sotasaaliiksi kentän valtauksen yhteydessä. Troitsankonnun lentokenttä sijaitsi ns. Ohtalin lohkolla Syvärin pohjoisrannalla. Ins. ltn. Arne Lakomaa mekaanikkoryhmineen Troitsankonnun lentokentällä syyskuussa 1941. Henkilöt tuntemattomia. Kuva: Arne Lakomaa. VÄHEMMÄN Aineistotyyppi Valokuva Organisaatio Suomen Ilmailumuseo Kokoelma Ilmailu-lehti Tunniste SIM VK 453:1 Mitat Vedos Kuvaustiedot 1941 Syväri, Troitsankonnun lentokenttä
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive sim.M016-11916引用。

ソ連空軍ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機は、初飛行が1933年12月30日と早いが、大きな直径の空冷星形エンジンを搭載したが、エンジンカウリングを後年のFw190戦闘機と同じように、排気管を並べて排気ジェットを活用して処理している。1933年から生産が始まり、8,644機も大量産された。

写真（右）1941年9月8日、フィンランド軍に鹵獲されたソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-16UTI 複座練習戦闘機(UTI-4)：樹木で隠蔽偽装された掩体壕に待機している。
Vänrikki J.Korpivaara, valokuvaaja Syvärin rannalla olevalta lentokentältä sotasaaliiksi saatu täysin kunnossa oleva ryssien hävittäjä metsän keskellä naamioituna. Kuvan lentokone on Polikarpov I-16 tyyppi 15 (UTI-4). Aineistotyyppi Valokuva Organisaatio Sotamuseo Kuvaustiedot 1941-09-08
写真は，Museot Finna M44:DKMDKKV2017002:108用。

1939年9月の第二次世界大戦勃発から1940年春まで、ドイツ西部戦線では、都市爆撃（Aerial bombing of cities）、民間人への空襲は行われていなかった。

1)民間人への無差爆撃（indiscriminate bombingはテロと見なされ、戦争の大義を失う、
2)戦略爆撃（Strategic bombing）、民間人への空襲は行われていなかった。

は報復爆撃を招聘し大損害を被る、

このように空爆（air raidを考えた各国の政治的指導者は、都市爆撃を回避していた。

しかし、1939年11月、ソ連軍は小国フィンランドに対して、即座に都市爆撃を行った。ソ連は、ポリカルポフI-16戦闘機などの迎撃防空体制を過信して、レニングラードへのフィンランド空軍による空襲を防ぐことは容易であるとの自信があった。そして、第二次大戦当初のドイツ東部戦線におけるワルシャワ空襲で戦略爆撃の有効性を認識して、開戦劈頭にヘルシンキ空襲を実施し、即座にフンランドが降伏することを期待したようだ。

写真(右)：1941年夏、ソ連西部、ドイツのソ連侵攻「バルバロッサ作戦」（Barbarossa）時期、道路脇に不時着しようとし破損したソ連空軍ポリカルポフ I-16 B（Polikarpov I-16）戦闘機戦闘機：ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機に不審者を近づけないために、道路上では兵士が1名、不時着機を警戒している。右主翼が折れて、主翼断面の金属補強骨格が良くわかる。
English: Image printed in the 60's from Polish Archive negative and distributed by the Archive, now in Marek Tuszyński's collection of WWII prints. Scan by Jarekt from 5 × 8 cm print.
English: Operation Barbarossa: Russian and German planes destroyed on the ground. In the front Russian Polikarpov UTI-4 a two seater training version of I-16 Soviet fighter. In the back a plane with German markings is likely Henschel Hs 126.
写真は Wikimedia Commons, Category:Polikarpov I-16 File:Operation Barbarossa - Russian planes.jpg引用。

写真(右)：2015年11月、ロシア連邦ぺテルスブルク、ソ連海軍中央博物館（Central Naval Museum）、ソ連英雄ボリス・フェオクトソヴィッチ・サフォノヴ（Boris Safonov）中佐の操縦したポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機：
English: There is an I-16. The pilot of this aircraft is Boris Feoktistovich Safonov. 日本語: ボリス・フェオクトソヴィッチ・サフォノヴが搭乗していたI-16.
Date 9 November 2015 Source Own work Author Nodotty .
写真は Wikimedia Commons, Category:Polikarpov I-16 File:Самолёт И-16.JPG引用。

ソ連海軍ボリス・サフォノヴ（Boris Safonov）中佐は、モスクワ南トゥーラ州で1915に生まれ、ソ連海軍のパイロットととして、極北戦線のムルマンスク方面、コラ半島で戦った。ここは、イギリス・アメリカからソ連軍への軍事物資、兵器が補給されてくる重要なシーレーンで、ムルマンスクとレニングラード方面とは鉄道で繋がっていた。1941年9月16日には、開戦3カ月たたずにソ連邦英雄として表彰された。

写真(右)：2004年夏、ロシア連邦ぺテルスブルク、ソ連海軍中央博物館（Central Naval Museum）、ソ連英雄ボリス・フェオクトソヴィッチ・サフォノヴ（Boris Safonov）中佐の操縦したポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機：
English: There is an I-16. The pilot of this aircraft is Boris Feoktistovich Safonov. 日本語: ボリス・フェオクトソヴィッチ・サフォノヴが搭乗していたI-16。
Fighter I-16 of the WW II hero I.B.Safonov. The exhibit of Navy Museum in Saint-Petersburg, Russia. Date 2004 Source Own work Author Sergey Nemanov.
写真は Wikimedia Commons, Category:Polikarpov I-16 File:Fighter I-16.jpg引用。

ソ連英雄ボリス・サフォノヴ（Boris Safonov）は、1942年3月には、イギリス使節団長マクフォーラン中将が4名の北方艦隊パイロットに大英帝国で最高の空軍勲章である空軍殊勲十字章を授与した。1942年3月、中佐に昇進し、アメリカの武器貸与法で提供されたカーチスP-40 戦闘機E型で戦った。1942年5月30日に、イギリスからソ連、ムルマンスク港に向かうPQ-16船団を援護中、襲撃してきたドイツ空軍ユンカース（Junkers）Ju-88爆撃機を攻撃中に戦死した。ボリス・サフォノヴの戦果は、単独撃墜20機、共同5機とされる。

図(右)：2015年8月、ロシア連邦、ソ連の英雄ボリス・フェオクトソヴィッチ・サフォノヴ（Boris Safonov）中佐と彼の乗機ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機を描いたロシア連邦の記念切手：
English: There is an I-16. The pilot of this aircraft is Boris Feoktistovich Safonov. 日本語: ボリス・フェオクトソヴィッチ・サフォノヴが搭乗していたI-16。
Русский: 100 лет со дня рождения Б.Ф. Сафонова (1915–1942), лётчика-истребителя, дважды Героя Советского Союза Date 26 August 2015 Source [1] Author Stamp issuing authority - MARKA Publishing & Trading Centre. Printer - Association GOZNAK of the Ministry of Finance of the Russian Federation .
写真は Wikimedia Commons, Category:Boris Safonov File:RUSMARKA-1988.jpg引用。

ソ連英雄ボリス・サフォノヴ（ Boris Safonov）は、当初は、ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機を乗機として戦っていたが、これと同じ機体が、サンクトペテルブルク（旧レニングラード）のソ連海軍中央博物館に、保管、展示されている。彼の名は、北方艦隊所属の第2親衛旗飛行戦隊に与えられ「サフォーノフ戦隊」と呼ばていたが、その後、2005年12月、ロシア海軍空母「アドミラル・クズネツォフ 」（ Boris Safonov）搭載の艦上戦闘機部隊に「サフォーノフ戦隊」の名前が付与された。 。

写真(右)：ロシア連邦ぺテルスブルク、ソ連海軍中央博物館（Central Naval Museum）が所蔵するソ連空軍の英雄ボリス・フェオクトソヴィッチ・サフォノヴの操縦したポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機と思われる。：1936年のスペイン市民戦争に際して、共和国政府軍側に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。その後、1939年のノモンハン事件では、日本軍と、「冬戦争」ではフィンランド軍と戦った経験がある。
SDASM Archives
Ray Wagner Collection Image Polikarpov I-16 Replica of the Polikarpov I-16. ADDITIONAL INFORMATION: The Polikarpov I-16 is a diminutive fighter, nicknamed Ishak, Ishachok (Donkey, Burro) by Soviet pilots, prominently featured in the Second Sino-Japanese War, the Battle of Khalkhin G Title:Polikarpov I-16 Replica of the Polikarpov I-16. ADDITIONAL INFORMATION: The Polikarpov I-16 is a diminutive fighter, nicknamed Ishak, Ishachok (Donkey, Burro) by Soviet pilots, prominently featured in the Second Sino-Japanese War, the Battle of Khalkhin Gol and the Spanish Civil War where it was called the Rata (Rat) by the Nationalists or Mosca (Fly) by the Republicans. The Finnish nickname for I-16 was Siipiorava (Flying Squirrel). - Catalog:15_003476 - Filename:15_003476.tif - Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation.
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives PictionID:42764979 -引用。

アメリカ,ワシントン州エバレット、ペインフィールド空港にあるフライング・ヘリテージ・コレクション（Flying Heritage Collection :FHC）は、マイクロソフト共同経営者ポール・アレン（Paul Gardner Allen： 1953年1月21日ー2018年10月15日）が1998年に開館した博物館である。ここには、1935年以来のホーカー「ハリケーン」（Hawker Hurricane）戦闘機、イリューシン「スツルモビーク」（Ilyushin II-2M3 Shturmovik）襲撃機、フォッケウルフ（Focke-Wulf）Fw 190戦闘機など軍用機 26機、チャーチル（Churchill）歩兵戦車Mk VII、T-34/85中戦車、ヘッツァー（Jagdpanzer 38(t) Hetzer)駆逐戦車など戦闘車両 25輌を展示している。

写真(右)：1998年頃、ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機： ロシア連邦ぺテルスブルク、ソ連海軍中央博物館（Central Naval Museum）が所蔵するソ連空軍の英雄ボリス・フェオクトソヴィッチ・サフォノヴの操縦した愛機と思われる。
SDASM Archives
Ray Wagner Collection Image Polikarpov I-16 Replica of the Polikarpov I-16. ADDITIONAL INFORMATIONThe Polikarpov I-16 was a Soviet fighter aircraft of revolutionary design; it was the world's first low-wing cantilever monoplane fighter with retractable landing gear to have attained - Title:Polikarpov I-16 Replica of the Polikarpov I-16. ADDITIONAL INFORMATIONThe Polikarpov I-16 was a Soviet fighter aircraft of revolutionary design; it was the world's first low-wing cantilever monoplane fighter with retractable landing gear to have attained operational status and as such introduced a new vogue in fighter design. - Catalog:15_003474 - Filename:15_003474.tif - Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation.
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives PictionID:42764955 引用。


３．スペイン内戦のソ連空軍ポリカルポフI-16（Polikarpov I-16）戦闘機


写真(上)：1936年、スペイン、マドリード近くの飛行場に並んだソ連空軍が派遣したポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機：
Описание И-16 на аэродроме Кампо под Мадридом 1936 год 1936 год Источник собственноручный скан журнала «История авиации» 4. — 2000.（雑誌「航空史」第4号） — с. 11. Время создания 1936 год Автор или правообладатель в источнике не указан
写真は Материал из Википедии , Категория:Изображения:Испания-Файл:И-16 на аэродроме под Мадридом 1936 год.jpg引用。

写真(右)：1936年-1938年、スペイン共和国政府に供与されたソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機：スペイン市民戦争に際して、共和国政府軍側に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。
SDASM Archives
Ray Wagner Collection Image PictionID:45939251 - Catalog:16_007268 - Title:Polikarpov I-16 in Spanish Republic Markings US Air Force Photo SDASM photo - Filename:16_007268.TIF .
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives Polikarpov I-153, China, c44-45, Jack Canary引用。

スペイン市民戦争は、1936年に勃発、1939年に反乱軍の勝利で終わったスペイン第二共和政時期の内戦。共和派のマヌエル・アサーニャの人民戦線政府（共和派）に対して、フランシスコ・フランコ将軍を中心とする陸軍・カトリック教会などが国民戦線を称して反乱軍起こした。ソ連は、反ファシズムを掲げて人民戦線協和政府を軍事支援し、西欧・アメリカのインテリや若者も義勇兵士として参加した。他方、反乱軍には、ファシズム陣営のドイツ、イタリアが参戦し、軍隊を送った。


写真(上左)：スペイン市民戦争に、共和政府側で戦ったアメリカ人戦闘機操縦士フランク・グラスゴウ・タインカー（Frank Glasgow Tinker：1909-1939・6・13戦死）：図(上右)：1936年、スペイン共和政府に供与されたアメリカ人フランク・グラスゴウ・タインカー（Frank Glasgow Tinker）操縦のソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機 No CM-023：スペイン市民戦争に参加して、反乱フランンコ将軍派に加わったドイツ・コンドル軍団のBf109戦闘機を撃墜したのが、この共和国政府軍側に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加したI-16戦闘機である。
SDASM Archives
Description The I-16 Polikarpov No CM-023 flown by FG Tinker in the 1st Sq Moscas with which he shot down the 2 German Bf109B
Date 27 July 2006 (original upload date)
Source Transferred from en.wikipedia to Commons.
Author Imansola at English Wikipedia
写真は Flickr, a Yahoo company, Category:Frank Glasgow TinkerCatalog:16_007279 引用。

写真(右)：1993年3月、で、スペイン共和国、マドリッド、スペイン航空博物館、スペイン内戦の時にスペイン共和政府軍パイロット、アントニオ・アリアス（Antonio Arias）搭乗のソ連製ポリカルポフ I-16 (Tskb-3)（Polikarpov　I-16 (Tskb-3)）戦闘機（登録コード CM-260）：スペイン市民戦争に際して、1938年7月から11月、スペイン北東部、エブロ川の戦い反乱軍のフランコ将軍の国民戦線と戦った共和国政府軍人民戦線側のソ連軍ポリカルポフ I-16（Polikarpov　I-16　Type10）戦闘機で、垂直尾翼に漫画のポパイ（Popeye）を描いて、1938年秋の塗装を復元している。
SDASM Archives
Polikarpov, I-16 (Tskb-3), Manufacturer: Polikarpov Designation: I-16 (Tskb-3) Notes: Russia Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation.
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives Catalog #: 01_00086875-引用。

写真(右)：1993年3月、スペイン共和国政府に供与されたのと同型機のソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機Type 24(登録コードCM-249）：スペイン市民戦争に際して、共和国政府軍側に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。このI-16戦闘機は、1937年にソビエト連邦で製造された、製造番号 C/N 2421039の機体である。この機体は、1992年にフィンランド国境に近いカレリアで発見されたが、所属はソ連北方艦体第122飛行戦隊（Squadron）のもので、スペイン内戦に派遣された機体ではない。しかし、26万2,000ユーロで譲り受けて、2005年にスペインに到着し、ロシア人ボリス・スミーロフ（Boris Smirnov）を指揮官に編成された3ª Escuadrilla “Moscas”所属ホセ・マリア・ブラボ（Jose Maria Bravo）大尉のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）Type 24戦闘機Super Mosca(登録コードCM-249）として展示されている。この機体の本来の所属は、ソ連北方艦隊第122飛行戦隊（Squadron）で、ドイツ軍やフィンランド軍と戦ったの戦闘機だった。
SDASM Archives
Ray Wagner Collection Image PictionID:46167757 - Title:Polikarpov I-16 T10 Spanish Air Morce Museum, Madrid 3/1993 - Filename:16_007279.TIF - Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation.
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Wikimedia Commons. SDASM Archives File:I-16 Polikarpov Tinker.jpg引用。

写真(右)：2010年4月、スペイン共和国政府に供与されたのと同型機のソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機Type 24(登録コードCM-249）：スペイン市民戦争に際して、共和国政府軍側に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。このI-16戦闘機は、1937年にソビエト連邦で製造された、製造番号 C/N 2421039の機体である。この機体は、1992年にフィンランド国境に近いカレリアで発見されたが、所属はソ連北方艦体第122飛行戦隊（Squadron）のもので、スペイン内戦に派遣された機体ではない。しかし、26万2,000ユーロで譲り受けて、2005年にスペインに到着し、ロシア人ボリス・スミーロフ（Boris Smirnov）を指揮官に編成された3ª Escuadrilla “Moscas”所属ホセ・マリア・ブラボ（Jose Maria Bravo）大尉のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）Type 24戦闘機Super Mosca(登録コードCM-249）として展示されている。この機体の本来の所属は、ソ連北方艦隊第122飛行戦隊（Squadron）で、ドイツ軍やフィンランド軍と戦ったの戦闘機だった。
Español: Polikarpov I-16 con los embleas y colores del EWjército popular Repúblicano de España, preservado por la fundación Infante de Orleans
Date 4 April 2010, 09:48:33 Source Flickr: DSC_6393_FIO_MOSCA_EC-JRK Author José A. Montes
写真は Wikimedia Commons, Category:EC-JRK (aircraft) File:DSC 6393 FIO MOSCA EC-JRK.jpg引用。

1936年のスペイン総選挙で共和派人民戦線が勝利すると、スペイン陸軍を中心に王党派や教会擁護派が反乱を起こしスペイン市民戦争が勃発した。そのスペイン内乱に際して、アサーニャ率いる共和国政府軍側に立ってソ連軍が義勇航空兵が参戦した。ソ連はポリカルポフ I-15（Polikarpov I-15）複葉戦闘機のほか、当時の新鋭機ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機も派遣した。I-16戦闘機は、その主力戦闘機となった。

スペイン共和政府の使用したものではないが、1937年ソビエト連邦製造のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機24型（製造番号 C/N 2421039）は、現在、マドリッド南西8キロ、マドリード＝クアトロ・ビエントス（Madrid–Cuatro Vientos Airport）空港（LEVS, LECU）のスペイン航空宇宙博物館（Museo de Aeronáutica y Astronáutica）の第3格納庫で保管・展示されている。

スペイン航空宇宙博物館が展示しているソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機Type 24(登録コードCM-249）は、1937年にソビエト連邦で製造された、製造番号 C/N 2421039の機体である。この機体は、1992年にフィンランド国境に近いカレリアで発見されたが、所属はソ連北方艦体第122飛行戦隊（Squadron）のもので、スペイン内戦に派遣された機体ではない。しかし、26万2,000ユーロで譲り受けて、2005年にスペインに到着し、現在はスペイン共和政府の塗装を施されて保管・展示されている。

写真(右)：2008年6月、ロシア人ボリス・スミーロフ（Boris Smirnov）を指揮官に編成された3ª Escuadrilla “Moscas”所属ホセ・マリア・ブラボ（Jose Maria Bravo）大尉のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）Type 24戦闘機Super Mosca(登録コードCM-249）復元機：この機体の本来の所属は、ソ連北方艦隊第122飛行戦隊（Squadron）で、ドイツ軍やフィンランド軍と戦ったの戦闘機だった。スペイン市民戦争に際して、共和国政府軍側に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。この機体は、スペイン航空宇宙博物館で保管、展示されている。
Español: Polikarpov I-16 con los embleas y colores del Ejército popular Repúblicano de España, preservado por la fundación Infante de Orleans Canon EOS 400D + Sigma 70-300 @ 86mm f/8 1/500s ISO 100 Date 6 July 2008, 13:28 Source cropped from File:Polikarpov I-16-Spain.jpg, original at Polikarpov I-16 Uploaded by Petronas Author Álvaro from Getafe, España
写真は Wikimedia Commons, Category:EC-JRK (aircraft) File:Polikarpov I-16-Spain (clipped and decolored).jpg引用。

スペイン、マドリッド郊外にあるスペイン航空宇宙博物館（Museo del Aire）は、1981年設立で、6万6,938平方メートルの広大な敷地に、スペイン内戦で戦ったソ連製ポリカルポフPolikarpov I-15複葉戦闘機、ポリカルポフ（Polikarpov） I-16戦闘機(Mosca-Rata)、ドイツ製CASA 2.111E (ハインケルHeinkel 111H)爆撃機、CASA 352L (ユンカースJunkers Ju 52)輸送機、ドルニエ（Dornier）Do 24T-3飛行艇、フィーゼラー（Fieseler）Fi 156連絡機、イタリア製フィアット（FIAT）CR-32複葉機 (Chirri)など200機の飛行機が格納庫7棟と野外に保管・展示されている。

スペイン内戦で共和政府（Republican）側には、ソ連から278機に及ぶ ポリカルポフ（Polikarpov） I-16戦闘機(Mosca-Rata)が派遣された。其のうち喪失は、戦闘で112機、事故で75機とされる。1939年4月のスペイン内戦終戦時に残っていたポリカルポフ（Polikarpov） I-16戦闘機は53機で、その何機か課は1953年まで、練習機としてスペイン空軍（Ejército del Aire）で使用されていた。しかし、現存するスペイン空軍のポリカルポフ（Polikarpov） I-16戦闘機は1機もない。

スペイン,マドリード、オルレアン・インファンテ財団（Foundacion Infante de Orleans：FIO）は、1992年にフィンランド国境に近いカレリアでポリカルポフ（Polikarpov） I-16戦闘機が発見されたときに、その機体を、スペイン内戦を記念するためにスペインに展示したいと考えた。実際、ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機Type 24は、1937年にソビエト連邦で製造され、製造番号 C/N 2421039を与えられた機体であり、機体の所属は、ソ連北方艦隊第122飛行戦隊（Squadron）であり、ドイツ軍やフィンランド軍と戦ったのものである。

つまり、スペイン内戦に派遣されたポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機ではないが、スペインのオルレアン財団（Foundacion Infante de Orleans：FIO）は、 26万2,000ユーロで譲り受けて、2005年にスペインに持ち帰った。そして、1937年にスペイン市民戦争で戦うためにロシア人ボリス・スミーロフ（Boris Smirnov）を指揮官に編成された3ª Escuadrilla “Moscas”に所属したホセ・マリア・ブラボ（Jose Maria Bravo）大尉のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機Super Mosca、CM-249として復元し、スペイン航空宇宙博物館で保管・展示されている。

写真(右)：2013年2月、スペイン共和国、マドリッド、スペイン航空宇宙博物館、ソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機Type 24(登録コード：CM-249）：1992年、フィンランド国境に近いカレリアで発見されたポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機を、スペインのオルレアン財団（Foundacion Infante de Orleans：FIO）が 26万2,000ユーロで譲り受けてスペイン航空宇宙博物館に保管・展示することになった。
SDASM Archives
Description Madrid - Cuatro Vientos (LECU/LEVS) Date 3 February 2013, 14:37 Source Polikarpov I-16 Tipo 24 EC-JRK Uploaded by Dura-Ace Author Magic Aviation
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives File:Polikarpov I-16 Tipo 24 EC-JRK (8441772130).jpg引用。

1939製造のポリカルポフI-16 Type 24 登録コードCM-249（製造番号 C/N 2421039）は、アメリカのライト R-1820サイクロン空冷星形エンジンのライセンス生産型であるソ連製シュベツォフ（Shvetsov）M-63空冷星形エンジン装備、スペイン市民戦争に際して、共和国政府軍側に派遣された。ソ連軍が義勇航空兵として参加した。

写真(右)：1993年3月、スペイン共和国、マドリッド南西8キロ、マドリード＝クアトロ・ビエントス（Madrid–Cuatro Vientos Airport）空港（LEVS, LECU）のスペイン航空博物館に保管・展示されているスペイン国民戦線配備のソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機C.8-25 ：
SDASM Archives
Ray Wagner Collection Image PictionID: 46167769 - Title:　Polikarpov I-16 T10 Spanish Air Morce Museum, Madrid 3/1993 - Filename:　16_007280.TIF - Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation.
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives Catalog: 16_007280 -引用。

スペイン市民戦争に際して、共和国政府軍側に対して反乱を起こしたフランコ将軍の軍事政権「国民戦線」と戦ったソ連軍が義勇航空兵があった。人民戦線は国民戦線に敗北したが、人民戦線の使用したソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機は国民戦線の空軍に配備された。


４．中国空軍のポリカルポフI-16（Polikarpov I-16）戦闘機

写真(右)：1936年-1938年、中国国民政府に供与されたソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機に掲げられた中華民国の国旗「青天白日」：日中戦争に際して、蒋介石政権の中国空軍に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。
Ray Wagner Collection Image
PictionID: 46167846 - Catalog: 16_007286
Title:Polikarpov I-16 - Filename: 16_007286.TIF - Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives Catalog:16_007286引用。

中国空軍は、1937年8月21日に締結した中ソ不可侵条約（Sino-Soviet Non-Aggression PactAlliance）に基づいて、ソ連空軍の金属製単葉・引込み脚の新鋭高速軍用機として、ポリカルポフ I-16戦闘機（Polikarpov I-16）やツポレフ SB（エスベー）爆撃機（Tupolev SB）の供与も受けている。

中国(中華民国)の空軍は、アメリカから輸入機と軍事・技術顧問を雇い入れてスタートしたが、国共合作（国民党と中国共産党との共闘）がなり、1937年8月21日に締結した中ソ不可侵条約（Sino-Soviet Non-Aggression PactAlliance）以降は、共産主義国ソ連から、全金属製・単葉・引込み脚の新鋭高速軍用機を輸入して、空軍力を増強した。これは、国境を接する陸路あるいは空路によるものであり、アメリカから船積みした軍用機を日本の封鎖を突破しながら輸入するよりも迅速に行われた。

写真(右)：1936年-1938年、中国国民政府に供与されたソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機と中国空軍パイロットのリュウ・チー・スン大佐：カーチスホークIII（Hawk III）を駆って中国空軍第21飛行戦隊でトップエースとなったリュウ・チー・スン大佐は、ポリカルポフI-16戦闘機をも乗機とした。日中戦争に際して、蒋介石政権の中国空軍に立ってソ連軍が義勇航空兵として参加した。
Title: Col-Liu Chi-Sun by I-16
Catalog #: 01017
Subject: The Flying Tigers - China
Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives Catalog #: 01017引用。

中華民国空軍（中国空軍）の創設は、1932年で，ほとんどの機体は、諸外国から輸入したものだった。中国における飛行機の軍用利用は、中国国民党軍による軍閥の討伐、いわゆる「北伐」の時期だったが、空軍として戦争に加わったのは、1932年の上海事変の時だった。1930年代初頭、中国空軍は、イタリアから飛行機を輸入し、訓練を依頼しながら成長していったが、機材は少なく、部品も滞りがちで、稼働率も信頼性も低く、人材にも不足した。したがって、強大な日本の航空兵力に対抗するのは困難だった。そこで、宋美齡（Soong Mei-ling）は蒋介石に自ら空軍の育成に乗り出したいとする意見を出した。そして、中国空軍を改善して、敵に勝つことのできる有效な武器を準備したいと希望を述べた。蒋介石はこれに同意し、こうして中国空軍の揺籃期が始まったのである。

1935年，宋美齡が督促したことで、中国はアメリカからの武器と飛行機を大規模に取り入れることが決まった。1937年，1936年，蒋介石夫人の宋美齡は、「軍事委員会航空秘書長」に就任したが、これは事実上、中国国民党空軍司令長官の地位と同じだった。この時期、宋美齡が掌握した空軍に彼女が招聘したアメリカ陸軍航空隊のクレア・リー・シェンノート（Claire Lee Chennault：陳納徳）将軍が中国にきて、中国空軍を育成することになった。

1937年8月13日，第二次上海事変が勃発すると、中国航空委員会は、「空軍作戦第一号令」を出し、1938年5月20日には、中国空軍の双発爆撃機マーチン139WC（B-10の中国輸出仕様）爆撃機（両架轟炸機）によって、日本本土に飛来し、上空で伝単（ビラ）を散布することを命じた。

　宋美齡（Soong Mei-ling）に従う副官だった夏公権の回想では、居所の客間には、抗日戦争初期、南京大校飛行場で、空軍飛行兵に論功行賞をしている巨大な写真が掲げてあったという。宋美齡は、1937年3月12日，「航空の統一」の一文を発表し文、その中で「中国統一を新展開し促進するために、飛行機の果たすべき役割が大きい」とした。

1938年春， 宋美齡（Soong Mei-ling）は、健康上の理由で航空委員会秘書長の職務から離れ、兄の宋子文に任務を任せた。しかし、宋美齡は始終、空軍の人事に対して影響力を奮い、訓練、作戦などの大権を保持していた。宋美齡は、中国航空委員会秘会長として、当時の中国空軍の組織編制に尽力し，日後、空軍から栄誉をもって“中国空軍之母”と呼ばれるようになった。宋美齡による中国空軍への卓抜な功績に鑑み、青天白日勲章を授与されたが，これは女性では唯一の受賞である。

宋美齡（Soong Mei-ling）は、空軍へのアメリカからの軍事援助に関わっており、英語も堪能でアメリカの軍事顧問とも交流を図っていたから、空軍の作戦を独自の見解で進める気概を持ち、それを誇りにしていたようだ。その後も長い間、胸に空軍飛行徽章を飾っていた。そして、自分が空軍の母であると考え、それを愛し、国民党空軍を「我的空軍」と呼んでいた。

1937年8月14日（土曜）16時過ぎ、中国、上海国際共同租界、南京路にあるキャセイ・パレスホテルに中国空軍機の投下した爆弾が爆発し、多数の死傷者を出した。上海事変での戦闘は、列国の利権の錯綜した上海共同租界には及ばないと考えた中国人が多数、国際共同租界に流入してきた。しかし、中国空軍は、日本海軍装甲巡洋艦「出雲」などを攻撃しようとして、誤って共同租界内に爆弾を投下した。そのため、避難していた中国人が誤爆で多数死傷した。

1937年8月13日、第二次上海事変（Battle of Shanghai ）で日中両軍の武力衝突が起こったが、実は、中国人の多くは、上海での戦闘は、列国の利権の錯綜した上海国際共同租界には及ばないと考えた。しかし、1937年8月14日（土曜）16時過ぎ、中国空軍がバンドの日本海軍装甲巡洋艦「出雲」を空襲しようとしたとき、投下した爆弾は、共同租界内に落下し、繁華街で爆発した。

日中両軍の衝突の被害から逃れようと上海国際共同租界に避難していた中国人が中国空軍の誤爆で多数死傷した。共同租界のグランドパレスホテルも誤爆され、投下された爆弾によって、上海の戦闘から逃れ避難していた中国人など400名が死傷してた。ニューワールド娯楽街でも1000名が死傷した。中国空軍機による上海国際共同租界の誤爆は、大惨事をもたらし、「血の土曜日」と呼ばれるようになった。

写真(右)：1937年8月14日（土曜）16時過ぎ、中国、上海国際共同租界、南京路のキャセイ・パレスホテルに中国空軍のノースロップ ガンマ（Northrop Gamma ）2E爆撃機の投下した爆弾が爆発し、多数の死傷者を出した。実は、中国人の多くは、上海事変での戦闘は、列国の利権の錯綜した上海共同租界には及ばないと考えた。しかし、中国空軍がバンドの日本海軍装甲巡洋艦「出雲」を空襲したが、投下した爆弾は、共同租界内に落下し、繁華街で爆発した。日中両軍の衝突の被害から逃れようと共同租界に避難していた中国人がこの誤爆で多数死傷した。
Title:Shanghai, China
Caption: Aftermath of Chinese bomb explosion at the Cathay and Palace Hotels, Nanking Road, Shanghai, on 14 August 1937.
Description: Courtesy of Vice Admiral M.L. Deyo, USN(Ret), 1973.
Catalog #: NH 77845
Copyright Owner: Naval History and Heritage Command
Original Date: Sat, Aug 14, 1937
写真は NH 77845 Shanghai, China 引用。

1937年8月13日、第二次上海事変（淞滬會戰）での日中両軍の戦闘は、当初は一時的なものであり、イギリス、アメリカ、フランスなど列国の利権が確立されている上海共同租界に、日中両軍が不法侵入することはないと考えられた。そこで、日中両軍の衝突の被害から避けるように、多数の中国人が、国際共同租界に避難し、ニューワールド娯楽街も避難民でいっぱいになった。

写真(右)：1937年8月14日（土曜）16時過ぎ、中国、上海国際共同租界、南京路、キャセイ・パレスホテルに中国空軍ノースロップ ガンマ（Northrop Gamma ）2E爆撃機の投下した爆弾が爆発し、多数の死傷者を出した。
Title:Casualties and debris, Cathay Hotel bombing, Shanghai
Notes：University of Bristol - Historical Photographs of China reference number: AL-s53. Chinese bombers were apparently trying to bomb the Japanese cruiser Izumo (Idzumo), when two bombs fell between the Cathay and Palace Hotels in Nanking Road. Approximately 400 people were killed or wounded. Known as “Bloody Saturday”. Side entrances to the Cathay Hotel are on the right. See AL-s59. Cathay & Palace Hotels : Aug 14 1937
Location：Shanghai Date：Saturday 14 August 1937
Identifier：AL-s55
写真はUniversity of Bristol Historical Photographs of China (HPC) 引用。

中国空軍は、アメリカ製、ソ連製の軍用機を輸入し、軍事顧問も招聘して、空軍部隊の訓練を行った。特に、蒋介石夫人の宋美齢は、英語に堪能だったため、中国に対する国際的な軍事援助を引き出すために尽力し、空軍の創設にも関わった。しかし、そのノースロップ ガンマ（Northrop Gamma ）2E爆撃機による初めての本格的出撃で、誤爆による大惨事を招いたのは、空軍が血気にはやり、訓練不足・準備不足の中で、初の実戦攻撃を仕掛けたためであろう。


写真(上)：2011年7月，中華人民共和国、北京市郊外、中国空軍博物館、1937年頃ソビエト連邦空軍から供与された中華民国ポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機：青天白日の中華民国空軍の国籍マークを描いている。
English: Polikarpov I-16 (China Aviation Museum) Date 16 July 2011 Source https://www.flickr.com/photos/ambbrescia/5943714067 Author Flavio Mucia (AMB Brescia)
写真はWikimedia Commons, Category:Polikarpov I-16 in service with ROCAF- File:Polikarpov I-15 bis (num 19) on the MAKS-2009 (01).jpg引用。

中国国民政府（南京政府）蒋介石は、西安事件後、中国共産党との連携して、抗日戦争を戦う国共合作を認め、ソ連との連携も強化しようと、1937年8月21日に締結した中ソ不可侵条約（Sino-Soviet Non-Aggression PactAlliance）を締結した。


写真(上)：2012 年10月，中華人民共和国、北京市郊外、中国空軍博物館、1937年頃ソビエト連邦空軍から供与された中華民国ポリカルポフI-16 戦闘機：青天白日の中華民国空軍の国籍マークを描いている。ソ連空軍のポリカルポフI-16 (Tskb-3)戦闘機は、主翼全幅よりも短い太い機体胴体で、アブのようなイメージであり、ソ連軍ではイシャク（Ishak：ロバ）、スペイン内戦ではモスカ（Mosca：ハエ）あるいはラタ（Rata：ネズミ）という愛称を付けられている。
Description CHINA AVIATION MUSEUM AT DATANSHAN CHINA OCT 2012 Date 19 October 2012, 06:27 Source CHINA AVIATION MUSEUM AT DATANSHAN CHINA OCT 2012 Uploaded by MainFrame Author calflier001
写真はWikimedia Commons, Category:Polikarpov I-16 in service with ROCAF- File:CHINA AVIATION MUSEUM AT DATANSHAN CHINA OCT 2012 (8916504278).jpg引用。

中ソ不可侵条約によって、中国はソ連から引込み脚の新鋭高速軍用機のポリカルポフ I-153（Polikarpov I-153bis）戦闘機、ポリカルポフ I-16戦闘機（Polikarpov I-16）、ツポレフ SB（エスベー）爆撃機（Tupolev SB）などを購入し、1937年の日中戦争で、日本陸海軍機と戦った。

これらのソ連製の軍用機は、日本機と比較して性能的には遜色なかった。フィンランド軍が鹵獲したソ連機を使用するのは1939年末からだから、中国空軍はフィンランド空軍よりも2年以上早くソ連機を実戦投入していた。

ポリカルポフ I-16戦闘機（Polikarpov I-16）諸元
全長: 6.13 m、全高: 3.25 m
翼幅: 9 m 翼面積: 14.5平方メートル
自量: 1,490 kg
全備重量: 1,941 kg
発動機: シュベツォフ M-63空冷星形エンジン （1,100 hp）
最大速度: 525 km/h (高度3000 m)
航続距離: 700 km (増槽搭載時)
実用上昇限度: 9,700 m
高度5000mまで5.8分
兵装：7.62ミリShKAS機関銃 2丁
20ミリShVAK機関砲 2門
RS-82ロケット弾 2-6発
生産機数：8,600機。

第二次世界大戦以前から大量配備され、ソ連空軍の主力戦闘機となったポリカルポフI-16（И-16：Polikarpov I-16）は、世界最初の実用的な引き込み脚を持った戦闘機である。後に、タンデム縦列配置の複座型ポリカルポフ（Polikarpov） UTI-4複座練習戦闘機 (I-16UTI)：高等練習機も開発され、生産された。

wikipedia日本語版のポリカルポフ I-16戦闘機「いずれの戦闘でも敵方により新しい高性能の戦闘機が現れたことで、不運にもある意味で「やられ役」を演じることとなってしまった」との感想があるが、これは日本語による書籍の引き写しから得た印象を敷衍した誤りであり、初めての実戦投入1936年から5年以上も経過してからの第二次世界大戦の中盤の時期の出来事であことを忘れている。

1943年には、ソ連空軍は、ラボーチキン、ミグ、ヤクの各新鋭戦闘機を前線に配備している。もしこのような誤読が成り立つなら、一式戦隼、ゼロ戦、Bf109戦闘機など、ほぼすべての主力戦闘機について「新しい高性能の戦闘機が現れたことで、不運にもある意味で「やられ役」を演じることとなってしまった」と記すべきであろう。

⇒1937年7月7日の盧溝橋事件と日中戦争の背景は，盧溝橋事件・上海事変・南京攻略で詳述した。


５．フィンランドのポリカルポフ （Polikarpov）I-16 戦闘機／ UTI-4複座練習機

写真(右)：1939年11月30日-1940年3月13日、第二次世界大戦勃発後に起きた冬戦争で、フィンランドに墜落したソ連空軍のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機をフィンランド軍がトラックに乗せて回収している。：鹵獲したポリカルポフ I-16を修理して、フィンランド軍用に再使用したり、復元する部品パーツの回収に利用した。
Tuntematon, Valokuvaaja 1939 Kuorma-auto, jonka kyydissä rikkoontunut venäläinen hävittäjä Polikarpov I-16. Lentokone on mahdollisesti sotasaalis. Kuva on otettu talvisodan aikaan. Aineistotyyppi Valokuva Organisaatio Lapin maakuntamuseo Inventaarionro 390:22 Kuvaustiedot 1939-11-30/1940-03-13 Suomi Tuntematon, Valokuvaaja.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive Kuvan numero：66681引用。

写真(右)：1940年、第二次世界大戦勃発2か月後の1939年11月に起きた冬戦争時、フィンランド軍が敵国ソ連から鹵獲したポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機スキー仕様：フィンランドは、ソ連=フィンランド冬戦争の時、航空兵力が絶対的に付属していたため、急遽、イギリス、フランス、オランダ、アメリカから軍用機を輸入して使用した。また、不時着したり、放置されたりしたソ連空軍機を鹵獲し、再整備して再利用した。
Neuvo-stoliittolaisval-misteinen Polikarpov I-16 sotasaalislentokone Polikarpov I-16:ssa oli alunperin siivissä 20 mm tykit. Valtion Lentokonetehdas vaihtoi koneeseen siipiaseiksi 7,7 mm Browning-konekiväärit Aineistotyyppi Kuva Organisaatio Museokeskus Vapriikki Kokoelma VAR Tunniste VAR:10210 Kuvaustiedot 1940-1940 Härmälä, Pyhäjärvi Tampere, Suomi.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive sa-kuva-9796引用。

ソ連空軍が第二次大戦前勃発前から大量生産していたポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機が搭載したエンジンは、1931年開発のアメリカのライト（Wright）R-1820サイクロン（Cyclone）空冷星形9気筒エンジン29.87L(1,823in³)をコピーしたシュベツォフ（Швецов）ASh-62 / M-62空冷星型9気筒エンジンで信頼性が高かった。ボア×ストローク：156mm × 175mm （排気量29.8 L）。このM-62エンジンは、ポリカルポフ（Polikarpov）I-153複葉戦闘機、I-16戦闘機、スホーイ（Sukhoi）Su-2偵察爆撃機、アントノフ（Antonov）An-2も搭載している。

写真(右)：1941年12月10日、第二次世界大戦、ドイツ軍のソ連侵攻直後、フィンランドに墜落したソ連空軍のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機：中国空軍のソ連製ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機は1937年11月、日中戦争の華中上空の航空戦に参戦している。
フィンランドは、ソ連=フィンランド戦争の時の失地回復のため、ドイツ軍に呼応してソ連軍を攻めた。白色の迷彩塗装を施し、国籍記章（赤い星）は主翼上面には付けていないが、主翼下面、垂直尾翼、胴体両側についている。機体番号64番。
Riiska 1941.12.10
Kone Polikarpov I-16, tyyppi 5.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive Kuvan numero：66681引用。

中国空軍は、1937年8月21日に締結した中ソ不可侵条約（Sino-Soviet Non-Aggression PactAlliance）に基づいて、ソ連空軍の金属製単葉・引込み脚の新鋭高速軍用機として、ポリカルポフ I-16戦闘機（Polikarpov I-16）やツポレフ SB（エスベー）爆撃機（Tupolev SB）の供与も受けている。

ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機の原型は、1933年12月に初飛行したが、当時は画期的な引込み脚の単葉機だった。胴体は木製だが翼は金属製で、小さな翼のために、翼面荷重が大きく、旋回性やドックファイトには向かなかった。また、引込み脚は、電動でも油圧でもなく、ワイヤー巻き上げはハンドルを52回転させる手動だった。

写真(右)：1941年12月10日、第二次世界大戦、ドイツ軍のソ連侵攻直後、フィンランドに墜落したソ連空軍のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機：主翼下面には、引込み脚とその格納室があり、主翼下面にはロケット弾の懸架レール４基が見える。
Riiska 1941.12.10
Kone Polikarpov I-16, tyyppi 5.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive Kuvan numero：66679引用。

1930年代後半、ソ連空軍戦闘機の主力戦闘機となったポリカルポフ I-16戦闘機は、1936年のスペイン内戦に共和国軍への軍事援助のために派遣され、ファシスト軍のドイツやイタリアの軍用機と空中戦を行った。そして、1937年の日中戦争にも、中国国民政府に派遣され、中国空軍戦闘機として、日本軍との戦った。特に、第二次上海事件に際して、江南上空で、新型の九六式艦上戦闘機、九六式艦上攻撃機、渡洋爆撃で喧伝された九六式陸攻など日本海軍機を攻撃して戦果を挙げた。

写真(右)：1941年12月10日、第二次世界大戦、ドイツ軍のソ連侵攻直後、フィンランドに墜落したソ連空軍のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機：全金属製の主翼下面には、引込み脚とその格納室があり、主翼下面にはロケット弾の懸架レール４基が見える。
Riiska 1941.12.10
Kone Polikarpov I-16, tyyppi 5.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive Kuvan numero：66678引用。

ソ連空軍が第二次大戦前勃発前から大量生産していたポリカルポフ（Polikarpov）I-16 戦闘機が搭載したエンジンは、1931年開発のアメリカのライト（Wright）R-1820サイクロン（Cyclone）空冷星形9気筒エンジン29.87L(1,823in³)をコピーしたシュベツォフ（Швецов）ASh-62 / M-62空冷星型9気筒エンジンで信頼性が高かった。ボア×ストローク：156mm × 175mm （排気量29.8 L）。このM-62エンジンは、ポリカルポフ（Polikarpov）I-153複葉戦闘機、I-16戦闘機、スホーイ（Sukhoi）Su-2偵察爆撃機、アントノフ（Antonov）An-2が搭載している。

写真(右)：1941年12月10日、第二次世界大戦、ドイツ軍のソ連侵攻直後、フィンランドに墜落したソ連空軍のポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機：フィンランドは、ソ連=フィンランド戦争の時の失地回復のため、ドイツ軍に呼応してソ連軍を攻めた。白色の迷彩塗装を施し、国籍記章（赤い星）は主翼上面には付けていないが、主翼下面、垂直尾翼、胴体両側についている。機体番号64番。
Riiska 1941.12.10
Kone Polikarpov I-16, tyyppi 5.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive Kuvan numero：66680引用。

ポリカルポフ I-16戦闘機（Polikarpov I-16）諸元
全長: 6.13 m、全高: 3.25 m
翼幅: 9 m 翼面積: 14.5平方メートル
自量: 1,490 kg
全備重量: 1,941 kg
発動機: シュベツォフ M-63空冷星形9気筒エンジン（排気量：29.8 L）1,100 hp
最高速力: 525 km/h (高度3000 m)
航続距離: 700 km (増槽搭載時)
実用上昇限度: 9,700 m
高度5000mまで5.8分
兵装：7.62ミリShKAS機関銃 2丁
20ミリShVAK機関砲 2門
RS-82ロケット弾 2-6発
生産機数：8,600機。

ソ連空軍ポリカルポフ I-16戦闘機（Polikarpov I-16）は、1936年勃発のスペイン内戦でハインケルHe51戦闘機、1937年勃発の日中戦争で日本海軍の九六式戦闘機と戦い、1939年勃発のノモンハン事件では、日本陸軍の九七式戦闘機と戦った。格闘性能では劣ったが、高速を活かして善戦したようだ。

写真（右）1942年8月24日、ソビエト連邦と戦う継承戦争時、枢軸国フィンランドの装備したドイツ製ハインケル（Heinkel）HE 115 A水上偵察機、輸入したフランス製モラーヌ・ソルニエ（Morane-Saulnier）M.S.406戦闘機 (MS-302)、鹵獲したソ連空軍のポリカルポフ I-16戦闘機 (IR-101), ；1935年8月8日初飛行のモラーヌ・ソルニエ（Morane-Saulnier）M.S.406戦闘機は、前作MS405改良型で、1938年から量産された。それ以前の複葉・開放型風防・固定脚の旧式戦闘機を刷新し、低翼単葉・引き込み脚・密閉風防を採用して、戦前のフランス空軍の主力戦闘機となった。全長：8.15m、全幅：10.71m、全高：2.84m、主翼面積：16.0平方メートル、空虚重量：1,893kg、全備重量：2,720kg、発動機：イスパノ・スイザ 12Y31液冷V型12気筒（860hp）、最高速力：486km/h、実用上昇限度：9,500m、上昇率：5,000m/6分、兵装：20ミリ機関砲1門、7.5ミリ機銃2丁。 フィンランド軍は、このほかアメリカ製バッファロー戦闘機、オランダ製フォッカー戦闘機など世界各国の軍用機を使用したが。
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Kartto - Peronkoski, valokuvaaja Lentokonetehdas. Etummaisena Polikarpov I-16 (tunnus IR-101), sitten Morane-Saulnier M.S.406 (tunnus MS-302) ja viimeisenä Heinkel He 115 A (tunnus HE-115).
写真は Finna.fl : Identifier:sa-kuva-61929引用。

写真(右)：1942年8月24日、第二次世界大戦勃発後1941年6月に起きたフィンランド継続戦争で、フィンランド軍が鹵獲し使用したソ連空軍ポリカルポフ （Polikarpov）I-16戦闘機（IR-101）：このI-16は、バルト海のフィンランド湾内、スールサーリ（Suursaari）島でフィンランド軍がソ連軍から鹵獲し、1942年3月28日に運び出され、1942年8月1日に第6飛行隊第3中隊（3 / LeLv 6：No. 6 Squadron)に引き渡された。機体の胴体横の登録コードはIR-101。フィンランドは、ソ連=フィンランド戦争の時の失地回復のため、ドイツ軍に呼応してソ連軍を攻めた。白色の迷彩塗装を施し、国籍記章（赤い星）は、主翼上面には付けていないが、主翼下面、垂直尾翼、胴体両側についている。後方は、ハインケルHe115水上偵察爆撃機。
Lentokonetehdas. Kartto - Peronkoski, valokuvaaja Lentokonetehdas. Polikarpov I-16:sta käynnistetään käynnistysautolla. Aineistotyyppi Valokuva Organisaatio Sotamuseo Kuvaustiedot Kartto - Peronkoski, valokuvaaja.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive sa-kuva-9796引用。

ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機の原型は、1933年12月に初飛行したが、当時は画期的な引込み脚の単葉機だった。胴体は木製だが翼は金属製で、小さな翼のために、翼面荷重が大きく、旋回性やドックファイトには向かなかった。また、引込み脚は、電動でも油圧でもなく、ワイヤー巻き上げはハンドルを52回転させる手動だった。

写真(右)：1942年8月24日、第二次世界大戦勃発後1941年6月に起きたフィンランド継続戦争で、フィンランド軍が鹵獲し使用したソ連空軍ポリカルポフ （Polikarpov）I-16戦闘機（IR-101）：このI-16は、バルト海のフィンランド湾内、スールサーリ（Suursaari）島でフィンランド軍がソ連軍から鹵獲し、1942年3月28日に運び出され、1942年8月1日に第6飛行隊第3中隊（3 / LeLv 6：No. 6 Squadron)に引き渡された。機体の胴体横の登録コードはIR-101。後方は、ハインケルHe115水上偵察爆撃機。
Lentokonetehdas. Kartto - Peronkoski, valokuvaaja Aineistotyyppi Valokuva Organisaatio Sotamuseo Kuvaustiedot Kartto - Peronkoski, valokuvaaja.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive sa-kuva-9797引用。

ソ連空軍ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機が搭載した発動機は、アメリカのライト（Wright）R-1820サイクロン（Cyclone 9）空冷星形9気筒エンジン（排気量29.87L）をコピーしたシュベツォフ ASh-62/M-62空冷星形9気筒エンジン（排気量29.87L）で信頼性が高かった。ボア×ストローク：156mm × 175mmのシリンダー9気筒で排気量29.8 Lである。このM-62エンジンは、ポリカルポフ（Polikarpov）I-153複葉戦闘機、I-16単葉戦闘機、スホーイ（Sukhoi）Su-2偵察爆撃機、第二次大戦後もアントノフ（Antonov）An-2単発複葉輸送機などが搭載している。

写真（右）1942年8月24日、枢軸国のフィンランド空軍のドイツ製ハインケル（Heinkel）HE 115 A 双発水上偵察機、フランス製モラーヌ・ソルニエ（Morane-Saulnier）M.S.406戦闘機 (MS-302)、奥がソ連製ポリカルポフ（Polikarpov）I-16戦闘機 (IR-101) ；モラーヌ・ソルニエ（Morane-Saulnier）M.S.406戦闘機は、1935年8月8日初飛行で、ソ連空軍I-16と同時期の引込み脚の低翼単葉単座戦闘機だが、プロペラ軸モーターカノンとして20mm機関銃を搭載しており、武装は強力だった。
Lentokonetehdas. Etummaisena Heinkel He 115 A (tunnus HE-115), sen takana Morane-Saulnier M.S.406 (tunnus MS-302) ja viimeisenä Polikarpov I-16. Aineistotyyppi Valokuva Organisaatio Sotamuseo Kuvaustiedot Kartto - Peronkoski, valokuvaaja.
写真は Finna.fl : sa-kuva-9799引用。

ソ連空軍ポリカルポフI-16（И-16：Polikarpov I-16）は、ソ連パリカールパフ設計局の開発になる低翼式引込み脚の高速単葉戦闘機で、出現当初は、最先端の設計を具体化したもので、20ミリ機関銃の実用化も早かった。試作機TsKB-12は1933年12月に初飛行し、搭乗員が手動でワイヤを巻き上げる引き込み脚、単葉の高速戦闘機で、同時期のイギリス空軍グラジエーター戦闘機、日本陸軍九五式戦闘機、ドイツ空軍ハインケルHe 51戦闘機は全て複葉戦闘機だった。

写真(右)：1942年8月24日、第二次世界大戦勃発後1941年6月に起きたフィンランド継続戦争で、フィンランド軍が鹵獲し使用したソ連空軍ポリカルポフ （Polikarpov）I-16戦闘機（IR-101）：このI-16は、バルト海のフィンランド湾内、スールサーリ（Suursaari）島でフィンランド軍がソ連軍から鹵獲し、1942年3月28日に運び出され、1942年8月1日に第6飛行隊第3中隊（3 / LeLv 6：No. 6 Squadron)に引き渡された。機体の胴体横の登録コードはIR-101。エンジンカウリングを外して、エンジンを整備をしているようだ。フィンランドは、ソ連=フィンランド戦争の時の失地回復のため、ドイツ軍に呼応してソ連軍を攻めた。縞迷彩塗装を施し、開放式コックピット操縦席前方風防ガラスには、望遠鏡筒形射撃照準器が備えられている。後方の機首とプロペラは、フランス製モラーヌ・ソルニエ（Morane-Saulnier）M.S.406戦闘機。
Lentokonetehdas. Polikarpov I-16 (tunnus IR-101), jonka voimalaitteena on Shvetsov M-25. Aineistotyyppi Valokuva Organisaatio Sotamuseo Kuvaustiedot Kartto - Peronkoski, valokuvaaja
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive sa-kuva-9796引用。

フランス製モラーヌ・ソルニエ（Morane-Saulnier）M.S.406戦闘機は、初飛行は1935年8月8日と、ソ連のI-16戦闘機と同時期だが、機械式引込み脚を採用した低翼単葉単座戦闘機で、機種のプロペラ軸モーターカノンに強力ないスパノスイザ20mm機関銃を搭載していた。

写真（右）1942年3月28日に鹵獲され、1942年8月1日にフィンランド軍第6飛行戦隊第3飛行中隊（3 / LeLv 6）に引き渡されたポリカルポフ（Polikarpov）I-16戦闘機（IR-101）：この機体は、バルト海のフィンランド湾内、スールサーリ（Suursaari）島でフィンランド軍が鹵獲し、1942年3月28日に運び出され、1942年8月1日に第6飛行隊第3中隊（3 / LeLv 6：No. 6 Squadron)に引き渡され。機体の胴体横に登録コード：IR-101と描かれている。写真の下にある「Here Pyry」とは画像の飛行機の名称。フィンランド国営飛行機工場が製造したピリ"Pyry"ではなく、ソビエトのポリカルポフ（Polikarpov）社が製造した I-16戦闘機。この機体は、フィンランド語のスールサーリ（Suursaari）は、「大島」の意味で、ロシア語ではゴーグラント島（огланд）、スウェーデン語でフーグランド（Hogland）で「高地」の意味。現在はロシア領でレニングラード州に属する。レニングラード（サンクトペテルブルク）からは西に180km、フィンランドの海岸からは35kmに位置、島面積21k平方キロ、最高海抜176m。
Myllylä Ari, reprokuvaaja Lahden kaupunginmuseo
tunnistamaton lentäjä koneineen, ulkokuva, talvikuva, lentokone, kuvateksti: Asikkalan Suojeluskuntaa koskevan kuvakeräyksen satoa, henkilöitä ja konetta ei tunnistettu. Lentokoneen kyljessä tunnus: IR-101 Kuvan alareunassa lukee "Tässä Pyry"... kuvan lentokone ei ole Valtion Lentokonetehtaan rakentama "Pyry" vaan Neuvostoliittolainen Polikarpov I-16 (= i-16), lempinimeltään Rata (= rotta naapurimaan kielellä). Kone saatiin sotasaaliiksi 28.3.1942 Suursaaresta ja luovutettiin 3/LeLv 6:lle 1.8.1942 (asiakkaan viesti Finnnaan 12.11.2017).
Organisaatio Lahden kaupunginmuseo Kokoelma
Danielson-Kalmarin museo Danielson Kalmari huvilan kuva-arkisto Inventaarionro DKMDKKV2017002:108
Mitat 24 x 18 cm Tyyppi: merkintä (Merkinnän tyyppi) Tekniikka: käsinkirjoitus (Merkinnän tekniikka) Sijainti: Kuvapuolen alareunassa keskellä. (Merkinnän sijainti) Sisältö: Tässä Pyry. (Merkinnän sisältö)
写真は，Museot Finna M44:DKMDKKV2017002:108用。

写真(右)：1941-1942年、第二次世界大戦の継続戦争緒戦、フィンランド空軍ポリカルポフ（Polikarpov） I-16UTI （UTI-4）複座練習戦闘機 (I-16UTI)：複座練習戦闘機のプロペラを回転させエンジンを始動する起動車と見守る地上勤務員：I-16（Polikarpov I-16）戦闘機をタンデム複座にして、訓練生と教官の2名が搭乗できる高等練習機が、I-16UTIである。フィンランドは、ソ連=フィンランド戦争の時の失地回復のため、ドイツ軍に呼応してソ連軍を攻めたが、このときドイツが鹵獲したソ連空軍機がフィンランドに売却、譲渡されている。国籍記章は白丸に青のカギ十字が、主翼上下面、胴体両側についている。
Sotasaaliiksi saadun Polikarpov I-16 UTI -harjoitushävittäjän (UT-1) moottori starttaa käynnistysauton avustamana. Aineistotyyppi Valokuva Organisaatio Suomen Ilmailumuseo Kokoelma Harju-Jeanty, Raoul Tunniste SIM VK 34:49 Mitat 12x9 cm Vedos Kuvaustiedot 1941-1942.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive sim.M016-13697引用。

ポリカルポフ（Polikarpov）I-16単座戦闘機をタンデム複座にして、訓練生と教官の2名が搭乗できる練習機が、ポリカルポフ（Polikarpov） I-16UTI （UTI-4）複座練習戦闘機である。ソ連空軍が実際の第一線の戦闘機の練習用に生産した高等練習機であるが、フィンランド空軍もソ連から鹵獲したI-16UTI 複座練習戦闘機を使用した。

写真(右)：1942-1943年、フィンランド、飛行するフィンランド空軍ポリカルポフ（Polikarpov） I-16UTI （UTI-4）複座練習戦闘機（登録コード：UT-1）：I-16（Polikarpov I-16）戦闘機を改造し、縦列タンデム配置の複座練習機としたポリカルポフ（Polikarpov）UTI-4 高等練習機をフィンランドは1944年9月の継続戦争敗北、ソ連・イギリスへの降伏の時まで使用した。そして、敗戦後もUTI-4練習機を使用し続けた。国籍記章は白丸に青のカギ十字が、主翼上面、胴体側面に描かれている。
Lehtomäki. Lauri, valokuvaaja 1942–1943 Sotasaalislentokone Polikarpov UTI-4, suomalaisin tunnuksin UT-1, lähestymässä Blenheimia jatkosodan aikana n. 1942-1943. Kuva BL:n tykkitornista taaksepäin. Osasuurennos alkuperäisestä kuvasta.
Aineistotyyppi Valokuva Organisaatio Suomen Ilmailumuseo Kokoelma Tunniste SIM VK 395:2 Mitat 13x9cm Vedos Kuvaustiedot 1942-1943.
写真はThe Finnish Defence Forces, Finnish Wartime Photograph Archive sim.M016-138637引用。

写真(右)：1991年、フィンランド、ヘルシンキ、フィンランド空軍博物館に展示中のフィンランド空軍が使用したソ連製ポリカルポフ（Polikarpov） UTI-4複座練習戦闘機 (I-16UTI)：フィンランドは、ソ連=フィンランド戦争の時の失地回復のため、ドイツ軍に呼応してソ連軍を攻めた。そして、ソ空軍ポリカルポフ I-16（Polikarpov I-16）戦闘機の複座練習機仕様を鹵獲し使用した。
Riiska 1941.12.10
Polikarpov UTI-4 (I-16UTI) Title: Polikarpov UTI-4 (I-16UTI) Date: 1991 ADDITIONAL INFORMATION: Fin Air Museum, Helsinki Collection: Charles M. Daniels Collection Photo Album Name: Soviet Aircraft Page #: 6 Tags: Soviet Aircraft, Charles Daniels .
写真は SDASM Archives　Catalog #: 15_002212引用。

ポリカルポフ（Polikarpov） UTI-4複座練習戦闘機 (I-16UTI)は、ポリカルポフ（Polikarpov）I-16戦闘機Type 10の複座化し練習機として使用できるようにもので、1933年12月31日に初飛行している。生産機数は、3 395機に達しているので、I-16 量産機の三分の一を占めている。

フィンランドは、1941年の継続戦争緒戦でポリカルポフ（Polikarpov） UTI-4複座練習戦闘機 (I-16UTI)を鹵獲し、教育用に.1942年9月11日まで使用した。その後、保管機とされ、1944年8月9日に退役となった。

写真(右)：1991年、フィンランド、ヘルシンキ、フィンランド空軍博物館に保管展示中のフィンランド空軍が使用したソ連製ポリカルポフ（Polikarpov） UTI-4複座練習戦闘機 (I-16UTI)：1941年6月、フィンランドは、ソ連=フィンランド戦争の時の失地回復のため、ドイツ軍に呼応してソ連軍を攻めた。そして、ソ空軍ポリカルポフ UTI-4 複座練習機を鹵獲し教育用に使用した。
Riiska 1941.12.10
Polikarpov UTI-4 (I-16UTI) Title: Polikarpov UTI-4 (I-16UTI) Date: 1991 ADDITIONAL INFORMATION: Fin Air Museum, Helsinki Collection: Charles M. Daniels Collection Photo Album Name: Soviet Aircraft Page #: 6 Tags: Soviet Aircraft, Charles Daniels .
写真は SDASM Archives　Catalog #: 15_002213引用。

フィンランド軍の国籍識別マークは、カギ卍「ハカリスティ」(Hakaristi)で、色彩は白丸に青のカギ十字を描いたものある。1917年、フィンランドでは、ロシア革命に追随する赤軍に対抗して、白軍が組織され、その時に反共産主義の自由のシンボルとして、鈎十字採用された。

当初、スウェーデン人エリック・フォン・ローゼン伯爵が、白軍を支持して、この鍵卍「ハカリスティ」(Hakaristi)には、フィンランドにおける共産主義者との内戦で、反共産主義とソ連・ロシアからの独立の意味で、フィンランド軍が1918年に「ハカリスティ」(Hakaristi)として、軍の国籍マークとして採用し、フィンランドの軍用機や戦車に標識として描いている。

写真(右)：1991年、フィンランド、ヘルシンキ、フィンランド空軍博物館に保管展示中のフィンランド空軍がソ連軍から鹵獲して使用したポリカルポフ（Polikarpov） UTI-4複座練習戦闘機 (I-16UTI)：Polikarpov UTI-4 (I-16UTI) Catalog #: 15_002215 Title: Polikarpov UTI-4 (I-16UTI) Date: 1991 ADDITIONAL INFORMATION: Fin Air Museum, Helsinki Collection: Charles M. Daniels Collection Photo Album Name: Soviet Aircraft Page #: 8 Tags: Soviet Aircraft, Charles Daniels.
写真は SDASM Archives　Catalog #: 15_002213引用。

フィンランドが民主国家であり、ナチス・ドイツと同じ卍（カギ十字）を採用していたことに反感を抱く人々は、両国のカギ十字を関連性がないと強弁しているが、これは完全な誤解で、反革命のルーツは完全に共通している。そのため、フィンランドが、ソ連との継続戦争に敗れ、ソ連と講和した後の1944年10月以降、この青色の「ハカリスティ」(Hakaristi)の国籍マークは廃止されている。これをみても、青色の「ハカリスティ」(Hakaristi)は、自由・独立を象徴しても、それはボリシャビキ、共産主義に反対する意味においてであることが理解できる。

1939年の冬戦争、1941年の継続戦争でも、青のカギ十字は、フィンランド軍の国籍マークとして使われたが、継承戦争末期の1944年、リスト・ヘイッキ・リュティ（Risto Heikki Ryti)は、フィンランド大統領を辞職し、新大統領にカール・グスタフ・マンネルヘイム元帥が就任して、ソ連と講和し、対ドイツ戦争を開始しした。この時に、フィンランド軍のカギ十字「ハカリスティ」(Hakaristi)は廃止された。

wikipedia「ハカリスティは本来ナチスのハーケンクロイツとは無関係であった」というのは、後世、フィンランドにおける白軍と赤軍の内戦、ドイツと組んで対ソ戦を戦った継承戦争、ナチ党の残虐性を忌避するために唱えられた方便か、カギ十字を好む人物の誤解に基づく思い込みである。


６．ソ連空軍ポリカルポフ（Polikarpov）I-153複葉戦闘機

1930年代中旬に、ソ連は運動性能の高い複葉戦闘機として ポリカルポフ I-15（Polikarpov И-15）戦闘機を開発し、制式したが、更なる改良型として、固定車輪を引き込み脚としたポリカルポフ（Polikarpov）I-153が開発された。空気抵抗を減少させたために、運動性の良さに高速化が可能になったが、登場した時点では、単葉機が主流となり、速度面での優位性はなくなった。ポリカルポフ（Polikarpov）I-153複葉戦闘機の初の実戦参加は、1939年のノモンハン事件で、日本陸軍機と戦った。

ソ連空軍ポリカルポフ I-15複葉戦闘機は、1936年、スペイン内戦に、後継機ポリカルポフ I-15bis(I-152)複葉戦闘機は、1937年、日中戦争に投入された。しかし、ドイツ空軍Bf109戦闘機、日本海軍九六式艦上戦闘機、日本陸軍九七式戦闘機など金属製単葉戦闘機が高速だったため、I-15bisでは対抗するのが難しくなった。そこで、I-152を高速化する試みがなされ、アメリカ製ライト・サイクロン空冷星形エンジンM-25の国産化したシュベツホフ（Shvetsov）空冷星形エンジン (1000馬力)に換装し、固定客を引込み式脚に変更したI-153が開発された。1939年、ノモンハン事変、フィンランドとの冬戦争に投入され、かなり後になって中国空軍にも送られた。

ソ連空軍のポリカルポフ I-153（Polikarpow I-153bis ）戦闘機は、1937年初飛行、部隊配備1939年で、生産は1939-1941年の期間に3,437機も量産された。ポリカルポフ（Polikarpov） I-153戦闘機は、複葉機ではあるが、脚の車輪は引込み式で、機体と主翼の接合部に収納されている。原型の複葉固定脚のポリカルポフ（Polikarpov）I-15 戦闘機を、エンジンを高馬力のものに換え、同じ複葉機でも、支柱を少なくして、機体と翼の付け根部分もI-15と同じ斬新なガル形状に戻している。

またポリカルポフ（Polikarpov）I-153複葉戦闘機は、兵装も7.62ミリShKAS機銃4丁と日本戦闘機の2倍以上の火力を持ち、地上襲撃用には82mmロケット弾を主翼下面に搭載することもできた。

写真(右)：1944年-1945年、中国、雲南省、ソ連から中国に供与されたポリカルポフ I-153（Polikarpov I-153）戦闘機が1944年になっても残っていた。：
Polikarpov I-153, China, c44-45, Jack Canary Jack D. Canary Special Collection Photo Jack Canary was a Tech Rep with North American Aviation in China during World War Two. After the War, he continued to work with NAA and also built and restored aircraft. He worked as a consultant on the film “Tora, Tora, Tora” and was killed while flying a PT-22 for the film in 1968.
写真は Flickr, a Yahoo company, SDASM Archives Polikarpov I-153, P-7250, China, c44-45, Jack Canary1引用。

ポリカルポフ I-153（Polikarpov I-153）戦闘機の諸元
初飛行：1938年8月
生産期間：1939年1011機　1940年2362機　生産機数：3,437機
全長： 6.275m
全幅： 10.0 m
全高： 3.425m
主翼面積： 22.14平方メートル
全備重量： 1765 kg
発動機： （ Shvetsov）M-62 空冷星型9気筒1000HP
最高速力：　366 km/h海面上
425km/h 2000m
408km/h 7000m
上昇時間：3000m/5.5分
離陸滑走距離：100m
航続距離： 470 km
実用上昇限度： 11,000 m
乗員： 1名
プロペラ：2翅可変ピッチ直径2.8m
兵装： ShKAS 7.62mm機銃４挺（2500発）
爆弾50kg2個またはRS-82ロケット弾6個

⇒写真集Album：ポリカルポフ （Polikarpov）I-153複葉戦闘機を見る。


７．フィンランド軍の対空機関銃

写真（右）1941年7月21日、継続戦争の勃発直後、フィンランド、マトカセルカ、据え付けられた1938年のドイツの20mm軽対空砲(20 ItK 38)を操作するフィンランド軍兵士たち：
20 mm:n it-patteri tuliasemissaan Matkaselässä. Kuvassa saksalainen 20 mm:n kevyt ilmantorjuntatykki vuodelta 1938(20 ItK 38). Content Type Photo Organisation Military Museum Photo info 1941-07-21 Kantoluoto, sotavirkailija, valokuvaaja .
写真は，Museot Finna sa-kuva-80827用。

ドイツ軍の1930年式2センチ単装対空機関砲（2 cm Flak 30）は、フィンランド軍も20 ItK/30 BSWと命名して採用した。1930年式2センチ対空機関砲（2 cm Flak 30 ：20 ItK 30 BSW)は、ラインメタル社が開発したもので、生産期間1934–1939年と大戦前には改良したモーゼル社の1938年式2センチ対空機関砲（2 cm Flak 38）に更新されている。

1930年式2センチ単装対空機関砲（2 cm Flak 30）は、総重量890 kg 全長 225 cm、銃身長 130 mm (L/65口径)、弾薬Patruuna 20 mm x 138 B、発射速度 120 発/分から280 発/分、初速 830–900 m/秒、有効射程 1200 m。

⇒写真集Album：フィンランド軍の対空火器◇Anti-aircraft firearmを見る。


８．ツポレフSB（Tupolev SB）爆撃機

1943年10月、第二次世界大戦、独ソ戦開始2年以上が経過した時期でも、フィンランド軍は、ソ連軍から鹵獲したツポレフSB（Tupolev SB）爆撃機を実戦投入した。出現当初の1930年代後半は、全金属製、低翼・単葉の高速爆撃機として性能的に優れていたため、1936年スペイン内戦、1937年日中戦争では、敵戦闘機による迎撃をかわして被害を小さくすることができた。が、1943年には旧式化していた。

ツポレフSB（Tupolev SB）爆撃機諸元
乗員: 3名
全長: 12.57 m、全高: 3.60 m
翼幅: 66 ft 8 in（20.33 m） 翼面積:56.7平方メートル
自重量:4,768 kg、全備重量: 6,308 kg
発動機： クリモフ M103 液冷V12型エンジン960 hp 2基
最大速力:450 km/h 高度4,100m
航続距離: 2,300 km
実用上昇限度: 9,300 m
兵装：7.62ミリShKAS機関銃4丁
搭載爆弾量: 爆弾倉・翼下爆弾架 1トン

⇒写真集Album：ツポレフ(Tupolev)SB-2/ANT-40 (СБ)爆撃機を見る。



◆戦争にまつわる資料，写真など情報をご提供いただきますれば幸いに存じます。よろしくご協力をお願い申し上げます。
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【目次】 ドイツ・ワイマール共和国の誕生から第三帝国の崩壊まで／アドルフ・ヒトラーの第一次世界大戦／ドイツ革命とその反動／ドイツ・ワイマール共和国の混乱／共和国安定期から世界大恐慌へ／ナチ党ヒトラー独裁の始まり／ナチスの再軍備・対外膨張／第二次ヨーロッパ大戦の勃発／対ソビエト連邦ボリシェビキ戦争／ユダヤ人殲滅のための世界戦争／ヒトラー第三帝国の崩壊／ナチ・プロパガンダ神話の真実

⇒ナチ党ヒトラー独裁政権の成立：NSDAP(Nazi)；ファシズムの台頭
⇒ナチ党政権によるユダヤ人差別・迫害：Nazis & Racism
⇒ナチスの優生学と人種民族：Nazis & Racism
⇒ナチスT4作戦と障害者安楽死：Nazism & Eugenics
⇒ドイツ国防軍のヒトラー反逆：Ludwig Beck
⇒ゲオルク・エルザーのヒトラー暗殺未遂：Georg Elser
⇒ポーランド侵攻：Invasion of Poland；第二次大戦勃発
⇒ワルシャワ・ゲットー写真解説：Warsaw Ghetto
⇒ウッジ・ゲットー写真解説：Łódź Ghetto
⇒ヴィシー政権・反共フランス義勇兵：Vichy France ：フランス降伏
⇒バルカン侵攻：Balkans Campaign；ユーゴスラビア・ギリシャのパルチザン
⇒バルバロッサ作戦：Unternehmen Barbarossa；ソ連侵攻(1)
⇒スターリングラード攻防戦；Battle of Stalingrad ：ソ連侵攻(2)
⇒ワルシャワゲットー蜂起：Warsaw Uprising
⇒アンネ・フランクの日記とユダヤ人虐殺：Anne Frank
⇒ホロコースト：Holocaust；ユダヤ人絶滅
⇒アウシュビッツ・ビルケナウ収容所の奴隷労働：KZ Auschwitz
⇒マウトハウゼン強制収容所：KZ Mauthausen
⇒ヒトラー：Hitler
⇒ヒトラー総統の最後：The Last Days of Hitler
自衛隊幕僚長田母神空将にまつわる戦争論
⇒ハワイ真珠湾奇襲攻撃
⇒ハワイ真珠湾攻撃の写真集
⇒開戦劈頭の「甲標的」特別攻撃隊
⇒サイパン玉砕戦：Battle of Saipan 1944
⇒沖縄玉砕戦と集団自決：Battle of Okinawa 1945
⇒沖縄特攻戦の戦果データ
⇒戦艦「大和」天1号海上特攻 The Yamato 1945
⇒人間爆弾「桜花」Human Bomb 1945
⇒人間魚雷「回天」人間爆弾：Kaiten; manned torpedo
⇒海上特攻艇「震洋」/陸軍特攻マルレ艇
⇒日本陸軍特殊攻撃機キ115「剣」
⇒ドイツ軍装甲車Sd.Kfz.250/251:ハーフトラック
⇒ドイツ軍の八輪偵察重装甲車 Sd.Kfz. 231 8-Rad
⇒スターリングラード攻防戦；Battle of Stalingrad
⇒ソ連赤軍T-34戦車
⇒VI号ティーガー重戦車
⇒V号パンター戦車
⇒ドイツ陸軍1号戦車・2号戦車
⇒ドイツ陸軍３号戦車・突撃砲
⇒ドイツ陸軍4号戦車・フンメル自走砲
⇒イギリス軍マチルダMatilda/バレンタインValentine歩兵戦車
⇒イギリス陸軍A22 チャーチル歩兵戦車: Churchill Infantry Tank Mk IV
⇒イギリス軍クルーセーダーCrusader/ カヴェナンター/セントー巡航戦車
⇒イギリス陸軍クロムウェル/チャレンジャー/コメット巡航戦車
⇒アメリカ軍M3Aスチュアート軽戦車/M3グラント/リー中戦車
⇒アメリカ陸軍M４シャーマン中戦車Sherman Tank
⇒イギリス軍M4A4シャーマン・ファイアフライ Sherman Firefly戦車
⇒シャーマン・クラブフライル地雷処理戦車 Sherman Crab Flail
⇒英軍M10ウォルブリン/アキリーズ駆逐自走砲GMC
⇒ドイツ国防軍のヒトラー反逆：Ludwig Beck
⇒ゲオルク・エルザーのヒトラー暗殺未遂：Georg Elser
⇒ヒトラー暗殺ワルキューレ Valkyrie作戦: Claus von Stauffenberg
⇒アンネの日記とユダヤ人
⇒与謝野晶子の日露戦争・日中戦争
⇒ドルニエ(Dornier)Do-X 飛行艇
⇒ルフトハンザ航空ユンカース(Junkers)Ju90輸送機
⇒ドイツ空軍ハインケル（Heinkel）He111爆撃機
⇒ドイツ空軍ユンカース(Junkers)Ju-88爆撃機
⇒ドイツ空軍ユンカース(Junkers)Ju-188爆撃機/Ju388高高度偵察機
⇒ルフトハンザ航空フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw200コンドル輸送機
⇒ドルニエ（Dornier）Do18飛行艇
⇒ドルニエ（Dornier）Do24飛行艇
⇒アラド（Arado）Ar-196艦載水上偵察機
⇒ブロームウントフォッスBV138飛行艇
⇒ブロームウントフォッスBV222飛行艇
⇒ドイツ空軍ユンカース(Junkers)Ju-88爆撃機/夜間戦闘機
⇒ドイツ空軍（Luftwaffe）メッサーシュミット戦闘機
⇒ドイツ空軍フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw-190戦闘機
⇒ドイツ空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング元帥
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