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◆対人・対戦車地雷の撤去掃除とオタワ条約; Demining & Mine Clearance Vehicle 写真(上)2005年、ドイツ連邦軍のM48A2ケイラー(Keiler:イノシシ) 地雷除去(Mine Clearing)工兵戦車:ドイツの兵器製造会社ラインメタル(Rheinmetall)が、アメリカ陸軍のM48パットン(Patton)中戦車の車体をベースに開発した。車体前面の回転ローラーに連動するチェーン(鎖:クラブ・フライル)の衝撃で敷設された地雷を起爆し破壊することで、安全な通り道を確保する。地雷の爆発の衝撃は大きいため、地雷処理車輛は防御力に優れた頑丈な構造が求められる。そこで、軍用の地雷掃除専用機には、戦車の車体を改造したものが多い。
諸元 重量:53 トン(52 long tons)、全長:10.7 m (35 ft 1 in)、全幅:6.35 m (20 ft 10 in) 、全高:3.76 m (12 ft 4 in)、乗員:2名、エンジン:ディーゼル機関 Motoren und Turbinen Union(MUT:マイバッハ) MB 871 Ka 501 986 hp、サスペンション(Suspension):トーションバー,ねじり棒式(torsion-bar)、航続距離: 600 km (370 mi)、最高速度:50 km/h (31 mph)
Description Deutsch: Minenrüumpanzer KEILER beim Tag der offenen Tür der Wehrtechnischen Dienststelle 41 (WTD41) in Trier 2005 English: Mine Clearing System KEILER Day of the open Door Wehrtechnischen Dienststelle 41 (WTD41) Trier 2005 Date 2005 Source Own work Author Sonaz
写真はWikimedia Commons, Wikimedia Commons>Category:Keiler mine flail tank File:Mine Clearing System KEILER.jpg引用。

日本軍の地雷写真(右)1933年、日本陸軍が制式した九三式戦車地雷(Anti-Tank Land Mine, T-93):・金属製で円盤ガタ形状の対戦車地雷で、円周部外縁に2ヶ所の環とそこを通る紐がついている。これは、運搬や保管の便宜を図るとともに、地雷を複数結び付け威力を倍加させたり、紐を使って戦車のキャタピラに挟まれるように操作したりする目的がある。信管は圧力で起爆するが、この作動圧力は荷重140kg以上で、信管内部の金属製の撃針によって起爆する。この撃針は、バネの男性を利用して、雷管に衝撃を与え発火させるものである。
93式対戦車地雷の諸元:
直径:17cm、全高:5cm、炸薬量:890g(黄色薬)、作動荷重:140kg、全備重量:1,450g
Description Accession: 2011-29-19 Anti-Tank Land Mine, T-93, Japanese 2 3/8"H x 7.75" Dia The T-93 was used throughout World War II by the Japanese. The mine is in its original crate. Collection of Curator Branch, Naval History and Heritage Command. Date 19 February 2011, 18:10 Source 2011-29-19 T-93 Anti-Tank Land Mine Author Naval History & Heritage Command from Washington, DC, USA .
写真はWikimedia Commons, Category:Anti-personnel landminesFile: Type 93 landmines引用。


20世紀末、世界各地に敷設されている対人地雷Anti-Personnel Landmines)の数は、1997年(平成9年)の国連の報告では1億1,000個、2001年(平成13年)アメリカ国務省の報告では5,000万個もある。存在する対人地雷の数は不確定であるが、埋設してある対人地雷は、軍事的な目的で仕掛けた場合でも、民間人の生活を脅かすものである。

世界中に埋設された地雷数の正確な個数は不確定ではあるが、元来、地中に埋設されていおり、目で見えないために、埋設地雷数を確認することは困難である。地雷を埋設した軍隊や武装組織でも、正確なデータを保有しておらず、データの公開も難しい状況にあるといえる。

地雷写真(右)1970年代からイギリス軍の使用したL10型対人地雷(L10 Ranger Anti-Personnel mine)。L9地雷を改良して、1970年代から20世紀末まで使用されたイギリス軍の代表的な対人地雷。重量136グラム (4.8 oz)、高さ30 ミリ (1.2 in)、 直径(Diameter)60 ミリ (2.4 in)、起爆方式(Filling)トリメチレントリニトロアミン爆薬(Research Department eXplosive:RDX)109 グラム (3.8 oz)
English: L10 Ranger Anti-Personnel Mine & Arming Key 日付 2009年10月25日 原典 投稿者自身による作品 作者 Zaphod66.
写真はWikimedia Commons, Category:Anti-personnel landminesFile: L10 Ranger Anti-Personnel Mine & Arming Key.JPG引用。


対人地雷PMA-2写真(右)旧ユーゴスラビア軍が製造したPMA-2対人地雷(PMA-2 AP-Mine ):対人地雷PMA-2は、 生産国ユーゴスラビアだけではなく、アンゴラ(Angola),ナミビア(Namibia)、ジンバブエ(Zimbabwe)などアフリカ諸国でも汎用されている。
対人地雷PMA-2の諸元
全高: 60mm 直径: 68mm 炸薬: 100g TNT
解説 Deutsch: PMA-2 AP-Mine 原画像データの生成日時 2012年8月2日 (木) 07:51 原典 投稿者自身による作品 作者 MoserB. Original uploader was ドイツ語版ウィキペディアのMoserBさん 許可 (ファイルの再利用) Released into the public domain (by the author).
写真はWikimedia Commons, Category:PMA-2 (mine)File:PMA 2 Mine.JPG引用。


そこで、1997年(平成9年)に、オタワ条約Ottawa Treaty)、すなわち、対人地雷禁止条約Anti-Personnel Landmines Convention)が成立した。そして、40カ国が批准した半年後、すなわち1999年3月1日に、対人地雷禁止条約が発効(効力が発生)した。2016年末には日本やEUを含む162カ国が署名している。しかし、非加盟国としては、中国、エジプト、韓国、北朝鮮、ラオス、ロシア、スリランカ、 シリア、アメリカ、ベトナムなど地雷生産国や埋設国があり、これらの軍事優先国は対人地雷Anti-Personnel Landmines)を有効な武器と見なして手放さず、開発・使用し続けている。

 他方、地雷撤去・除去など無害化の方法は、以前から研究されており、第二次世界大戦のときには、戦車を利用した地雷処理車輛Mine roller)、磁気反応式地雷探知機Metal detector)を使った工兵による地雷掃除が研究され、実戦でも使われてきた。


Which Countries Still Have Active Landmines?


1.アメリカ軍シャーマン・マーキス・フライル地雷処理戦車Sherman "Marquis" Flail Tank

写真(右)1942-1943年頃、アメリカ製M4シャーマン戦車の車体を改修したシャーマン・マーキスSherman "Marquis" Flail Tank フライル戦車:砲塔を除去して車体前面に鎖をつけた回転ローラーを装備している。シャーマン戦車は75ミリ砲を装備した砲塔があったが、重量軽減のためか、主砲は除去されている。この型の後に、75ミリ砲を搭載した砲塔をそのまま残した地雷掃除戦車が開発された。
Catalogue number: MH 9289, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Object description: A side profile of a Sherman "Marquis" Flail Tank.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 9289)引用。


地雷を対象別に区分すると、人員殺傷を目的とする対人地雷Anti-personnel mine)と戦車やトラックなど乗り物を対象とする対戦車地雷Anti-tank mine)の2種類がある。

写真(右)1944年6月の北フランス、ノルマンディー侵攻に投入された地雷掃除専用のシャーマン Shermanクラブ・フライル戦車:車体前面に鎖をつけた回転ローラー(クラブ・フライル)を装備して、鎖の衝撃で敷設された地雷を破壊する。爆破の衝撃や破片から乗員を保護するために装甲が施されている。
Catalogue number: MH 9334, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Object description: Sherman Marquis flail.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MH 9334)引用。



2.アメリカ軍 M4 シャーマン ロブスター・フライル地雷処理戦車Sherman Lobster flail

写真(右)1943年頃、イギリス、M4シャーマン対地雷偵察キャスター戦車Sherman V with AMRCR (anti-mine reconnaissance castor roller:大型転輪の付いたキャスターを押しながら、その重量で人員殺傷を目的とする対人地雷Anti-personnel mine)や戦車やトラックなど乗り物を対象とする対戦車地雷Anti-tank mine)を爆破して前進する地雷除去戦車。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、Catalogue number: MH 14125, Part of CHERTSEY COLLECTION, Subject period: Second World War、Object description: Sherman V with AMRCR (anti-mine reconnaissance castor roller)
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 14125)引用。


 1942年8月19日、「ディエップ奇襲上陸作戦」(Dieppe Raid)が実施された。カナダ軍・イギリス軍を中核にしたコマンド部隊6,000人がチャーチル歩兵戦車30両のとともに上陸したが、優勢なドイツ軍の反撃にあって半数以上の損害をだし、作戦は大失敗に終わった。この上陸で、軟弱な砂浜や障害物を乗り越えることも、トーチカの守備隊への攻撃も困難であることが判明した。そこで、作戦失敗を活かして、敵の防備する海岸に上陸する際、その障害・防備を打ち破ることのできる特殊装甲工作車両の必要性が認識されたのである。

写真(右)1943年10月16日、イギリスイギリス軍第79装甲師団所属のM4シャーマン対地雷偵察キャスター戦車Sherman V with AMRCR (anti-mine reconnaissance castor roller:大型転輪の付いたキャスターを押しながら、その重量で地雷を爆破して前進する地雷除去戦車。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、Catalogue number: H 33676, Part of CHERTSEY COLLECTION, Subject period: Second World War、Creator:War Office official photographer Baynes (Sgt)、 Object description: Sherman of 79th Armoured Division fitted with AMRCR (anti-mine reconnaissance castor roller), 16 October 1943.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 33676)引用。


 1942年8月19日のディエップ奇襲上陸作戦Dieppe Raid)では、イギリスが新鋭チャーチル歩兵戦車Churchil)を投入した。この戦車は、重装甲と攻撃力、すなわち対歩兵に軽快な戦車砲を砲塔に搭載し、大型榴弾を発射できる大口径砲を車体に搭載していた。つまり、対歩兵・対戦車能力を併せ持っており、奇襲上陸に大きな威力を発揮すると期待されていた。しかし、軟弱な砂浜海岸や障害物でその機動が制限され、十分な威力を発揮できずに、立ち往生してしまったのである。


3.アメリカ軍シャーマン キャスター・ローラー地雷処理戦車Sherman Castor Roller

写真(右)1944年4月27日、イギリス、ノルマンディー侵攻に投入予定の第79装甲師団の地雷掃除用のM4シャーマン キャスター・ローラー地雷処理戦(Sherman Castor Roller):車体前方にキャスターの付いた張出を付けて、その重量で埋設された地雷の上を通り、信管を起動させて爆破処理する。
Catalogue number: MH 14050 Department Photographs Part of CHERTSEY COLLECTION Subject period: Second World War Alternative names: object name: Official photograph object category: Black and white Categoryphotographs Purchase & License Share and Reuse This item is available to be shared and re-used under the terms of the IWM Non Commercial Licence Object description Sherman Lobster flail.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 14050)引用。


 1942年8月のディエップ奇襲上陸作戦Dieppe Raid)の失敗を受けて、イギリス軍は、ヨーロッパ大陸侵攻、北アフリカ侵攻時の上陸作戦のためには、海岸に上陸する際の特殊装甲工作車が必要であると認めるようになった。こうして、装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)と称される工兵部隊用の特殊車両が開発されるようになったのである。

 1939-1945年の第二次世界大戦中、イギリスとアメリカは、対人地雷Anti-personnel mine)と戦車やトラックなど車輛を対象とする対戦車地雷Anti-tank mine)を処理できる地雷処理専用機械を多数配備した。しかし、イギリス、アメリカも、戦後に頻発した内戦や紛争の最中に、アジア、アフリカ、バルカンで埋設された地雷の処理には、このような地雷除去戦車を1台も派遣しなかったようだ。

写真(右)1944年4月27日、イギリス、M4シャーマン キャスター・ローラー地雷処理戦車Sherman Castor Rollerは、同じ地雷掃除用のM4シャーマン(Sherman Lobster flail)ロブルター・フライル戦車の先駆車である。 長い支柱の先についている回転盤(地雷を誘爆させる衝撃器)は、クラブ・フライルでは、円筒状に変更されている。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、Catalogue number: MH 14028, Part of CHERTSEY COLLECTION, Subject period: Second World War、Object description:Sherman Lobster flail.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MH 14028)引用。


 装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)の母体となったのは、イギリス製チャーチル戦車やマチルダ戦車、あるいはアメリカ製M4シャーマン中戦車など、既存の戦車で装甲が施された車両だった。つまり、海岸に上陸するに際して、敵の下記の反撃を想定し装甲車が、砂浜海岸の軟弱地盤を支障なく装甲するキャタピラ式の車両が求められたが、新規の設計・生産では効率が悪いので、結局、既存の戦車を利用することになった。

写真(右)1943-1944年頃、イギリス(?)、ヨーロッパ大陸侵攻に投入予定の地雷掃除用のM4シャーマンSherman Lobster flailロブルター・フライル戦車:クラブ・フライルとは異なって、穴の開いた回転円板では、そこに巻き揚げた土砂が詰まってしまい、円滑な回転ができなくなったと考えられる。回転ローラーを支えるアーム(支柱)に、土砂除けのカバーが無いと、アームにも土砂が堆積し、左右あるいは前後のバランスを崩したたのかもしれない。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、Catalogue number:MH 14126, Part of CHERTSEY COLLECTION, Subject period: Second World War、Object description:Sherman Lobster flail.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・引用 IWM (MH 14126)


 砂浜海岸への上陸作戦のために準備された工兵部隊用の特殊車両は、装甲車両王立工兵隊指揮官パーシー・ホバートPercy Hobart:1885-1957)少将に因んで「ホバーツ・ファニーズ」(Hobart's Funnies:ホバートの奇妙な連中)と自嘲気味に呼ばれることになった。戦車を改造した特殊車両は、特異な装備をして、車両の形状も異彩を放っていたからである。


4.アメリカ軍シャーマン クラブ・フライル地雷撤去戦車 Sherman Crab flail

写真(右)カナダ、オンタリオ(Ontario)州、ボーデン軍事博物館(Base Borden Military Museum)に展示されているアメリカ軍M4シャーマン・クラブファイル地雷処理戦車:ボーデン軍事博物館(Base Borden Military Museum)は、1990年代にトロントから100キロのカナダ軍ボーデン基地(CFB Borden:1916年に開設)敷地内にある。
Title: M4A4 flail at at Base Borden Military Museum. Date Created/photographer: 2015/8/9, JustSomePics
写真は,Wikimedia Commons> File:M4A4 flail tank Base Borden Military Museum 1.jpg引用


写真(右)カナダ、オンタリオ(Ontario)州、ボーデン軍事博物館(Base Borden Military Museum)に展示してあるアメリカ軍M4シャーマン・クラブファイル地雷処理戦車:ボーデン軍事博物館(Base Borden Military Museum)で展示・保管されている第二次大戦の戦闘車輛としては、イギリス軍のマチルダII歩兵戦車、アメリカ軍のM3リー中戦車、M4シャーマン中戦車、ドイツ軍のヘッツァー軽駆逐戦車などが展示されている。
Title: M4A4 flail at at Base Borden Military Museum. Date Created/photographer: 2015/8/9, JustSomePics
写真は,Wikimedia Commons>File:M4A4 flail tank Base Borden Military Museum 2.jpg引用


写真(右)イギリス、ドーセット州、ボービントン戦車博物館に展示されているアメリカ軍M4シャーマン・クラブファイル地雷処理戦車シャーマン・ファイアフライ Sherman Firefly は車体前面の回転ローラーに連動するチェーン(鎖:クラブ・フライル)の衝撃で敷設された地雷を起爆し破壊することで、安全な通り道を確保する。敵陣地に反撃するために、砲塔に搭載した75ミリ戦車砲を残している。西側連合国アメリカとイギリスは、地雷掃除専用の戦車を多数開発したものの、戦後アジア、アフリカ、バルカンの内戦や紛争終了後に始まった埋設地雷の撤去作業に、このような地雷掃除戦車を1台も貸与、派遣しなかった。
Title: Sherman Crab with flail. Photographed at the Tank Museum, Bovington. Date Created/photographer: 2014/10/15, Rodw
写真はWikimedia Commons>File:Sherman Crab at Tank Museum 03.JPG引用


ボービントン戦車博物館The Bovington Tank Museum)は、イギリス、ドーセット州、ボービントンに第二次大戦後の1947年に開設された装甲戦闘車輛の博物館で、 第一次世界大戦に登場したイギリス陸軍マーク I 戦車、ロールス・ロイス装甲車、ルノーB1から、第二次世界大戦に登場したイギリス軍のマチルダI歩兵戦車、マチルダII歩兵戦車、チャーチル歩兵戦車、コメット巡航戦車、アメリカ軍のM3リー中戦車、M4シャーマン中戦車、シャーマン ファイアフライ、M10駆逐自走砲、ソ連軍のSU-76自走砲、T-26軽戦車、T-34中戦車、ドイツ軍の1932年開発開始のI号戦車Panzerkampfwagen I)、II号戦車、III号戦車、IV号戦車、V号戦車パンテルPanzerkampfwagen V Panther)、VI号戦車ティーゲルPanzerkampfwagen VI Tiger)、ティーガーIIなどが展示されている。

写真(右)ボービントン戦車博物館に展示されているアメリカ軍M4シャーマン・クラブファイル地雷処理戦車:回転ローラーに鎖が結ばれており、鎖の先端に鉄球が付けられている。回転ローラーの支柱の内側の様子が良くわかる。西側連合国イギリス、アメリカは、地雷除去戦車を多数開発したが、戦後のアジア、アフリカ、バルカンで内戦や紛争が終了し、埋設された地雷の撤去が必要になった時、このような地雷処理去戦車を1台たりとも貸与しなかった。
Title: Sherman Crab with flail. Photographed at the Tank Museum, Bovington. Date Created/photographer: 2014/10/15, Rodw
写真は,Wikimedia Commons>File:Sherman Crab at Tank Museum 02.JPG引用


写真(上)イギリス、ドーセット州、ボービントン戦車博物館に展示されているアメリカ軍M4シャーマン・クラブファイル地雷処理戦車:回転ローラーに繋がれた鎖(チェーン)で地面を叩いて、敷設してある地雷を爆破しながら進み、地雷除去をして安全な通り道を確保する。
Title: M4A4 Sherman V Flail Crab. Date Created/photographer: 2010/4/18, Simon Q from United Kingdom
写真はWikimedia Commons>File:M4A4 Sherman V Flail Crab (4536574134).jpg引用


 地雷除去戦車とは、戦車の前面に張出したローラー・キャスター・鎖などを回転させ、その重量や衝撃で、地雷を起動させ爆破する戦車である。
?雷爆破の衝撃が大きいこと、
?対戦車地雷起爆に必要な重量や衝撃が大きいこと、
?地雷処理作業中に敵からの反撃を受けること、
を考慮して、装甲戦闘車輛として計画され、場合によっては敵に攻撃を加えることも考慮して、火砲を搭載している。地雷除去装置には各所あるが、第二次大戦当時の西側連合軍では、鎖を回転させ、その衝撃で地雷を起爆させる、地雷掃除方式が普及していた。現代では、鋤によって地雷を掘り返す方式も多い。



 1942年8月19日、戦局悪化の打開とソ連指導者(共産党書記長)ヨシフ・スターリンのヨーロッパ侵攻による第二戦の形成要求に応じる形で、英首相ウィンストン・チャーチルは、本格的なヨーロッパ侵攻前の試験的な奇襲作戦として「ディエップ奇襲上陸作戦」(Dieppe Raid)が実施された。これは、北フランスのディエップに上陸し、防備手薄な小規模なドイツ軍部隊を攻撃、6時間で直ちに撤退する奇襲である。つまり、いまだにドイツ軍は優勢であり、ヨーロッパ反攻は不可能な状況にあることを認識し、北フランスに橋頭堡を築くのではなく、政治的効果、イギリス軍の士気高揚を狙った短期的作戦であった。

写真(右)1943-1944年、イギリスにおいて、地雷掃除試験をしているアメリカ製M4シャーマン Shermanクラブ・フライル地雷除去戦車:地雷誘爆衝撃装置の回転ローラーを支えるアーム(支柱)には、土砂除けのカバーがない。しかし、実戦に投入されることになる改良型では、支柱の上端をカバーで覆うように変更されている。
Catalogue number: STT 9486, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War.
Alternative Names: object category: Black and white, Object description: A Sherman Crab mine clearing flail tank in action during tests in the UK, 1943-1944.
Labe: A Sherman Crab flail tank in action during mine clearing tests in the UK, 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (STT 9486)引用。


 1944年6月6日、西側連合軍がヨーロッパ大陸反攻としてノルマンディー(Normandy)侵攻オーバーロード作戦)を実行した際、上陸海岸に敷設されたドイツ軍の地雷除去作業の目的で、地雷掃除戦車が開発された。地雷除去戦車の中核は、M4シャーマン戦車を利用したもので、車体前面に鎖付き回転ローラードラムを装備し、それを回転駆動させて地雷を爆破あるいは破壊することを企図した。M4シャーマン・クラブフライルSherman Crab Flail)と呼ばれた地雷除去戦車は、上陸作戦以降も、地雷除去作業、地雷爆破用に使用され、1945年4月のドイツ本土進攻にも先陣を切っている。

写真(右)1944年4月27日、イギリス、ヨーロッパ大陸侵攻に投入予定のイギリス王室工兵隊パーシー・ホバート少将指揮下の第79装甲師団の地雷掃除用のアメリカ製M4シャーマン(Sherman Crab Mark II)クラブ・フライル地雷処理戦車:ノルマンディー上陸作戦のために準備された工兵部隊用の特殊車両は、指揮官に因んで以Hobart's Funnies(ホバートの仲間たち)と通称された。回転ローラーを支えるアーム(支柱)には、土砂除けのカバーが装着されている。
Catalogue number: H 38079, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War、Object description: Sherman Crab Mark II minesweeping flail tank, one of Hobart's 'funnies', used to clear already identified minefields. Label: Sherman Crab Mk II flail tank, one of General Hobart's 'funnies' of 79th Armoured Division, during minesweeping tests in the UK, 27 April 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 38079)引用。


シャーマン・クラブフライルSherman Crab Mk II flail)は、敷設された地雷を除去するため、回転ローラーに鎖(チェーン)を装備した車輌で、シャーマン・クラブフライルとも呼ばれた。車体前面に鎖をつけた回転ローラー(クラブ・フライル)を装備して、鎖の衝撃で敷設された地雷を破壊する。地雷除去作業の爆破の衝撃や破片から乗員を保護するために装甲が保護こされている。西側連合国イギリス、アメリカは、地雷除去戦車を多数開発したが、戦後のアジア、アフリカ、バルカンで内戦や紛争が終了し、埋設された地雷の撤去作業が必要になった時、当面、このような地雷除去戦車は1台も貸与しなかった。

写真(右)1944年4月27日、イギリスにおいて、地雷掃除試験をしているアメリカ製M4シャーマン Shermanクラブ・フライル地雷処理戦車:回転ローラーに繋がれた鎖(チェーン)で地面を叩いて、敷設してある地雷を爆破しながら進み、地雷掃除をして安全な通り道を確保する。砂埃が舞い上がり、75ミリ砲の砲身に砂塵が侵入するのを防ぐ、車体前部に重い回転ローラーを装備したため、後方にバランスを寄せる、という2点の理由から、砲塔を後方に向けている。
THE BRITISH ARMY IN THE UNITED KINGDOM 1939-45、Catalogue number: H 38080, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War.
Alternative Names: object category: Black and white, Creator:War Office official photographer Mapham J (Sgt)、 Object description:Sherman crab flail tank under test, 79th Armoured Division, 27 April 1944.
Labe: A Sherman Crab flail tank in action during mine clearing tests in the UK, 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (H 38080)引用。


 アメリカ陸軍M4シャーマン・クラブフライルSherman Crab Mk II flail)が、地雷処理作業をすると、砂が舞い上がり、戦車砲の砲口に異物が入り込んだ。そこで、戦車の砲塔を180度回転して、後方に砲身を向けて、地雷掃除作業を行った。つまり、地雷処理作業と敵への砲撃を同時に行うことはできなかった。

地雷写真(右)1944年6月6日、北フランス、ノルマンディーのソードビーチ、動けなくなったシャーマン Sherman Crab flail地雷掃除戦車とアメリカ製のジープM4シャーマン中戦車車体前面の回転ローラーに連動するチェーン(鎖:クラブ・フライル)の衝撃で敷設された地雷を破壊、地雷掃除する。手前の浅瀬には、イギリス軍の捕虜となったドイツ軍兵士の集団が映っている。
Catalogue number: B 5089, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Mapham J (Sgt), Object description: A group of German prisoners standing in the water next to a disabled Sherman Crab flail tank watch as a jeep is towed from the sea, Queen beach, Sword area, 6 June 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 5089)引用。


第二次世界大戦末期、1944年6月6日、西側連合国軍は、ヨーロッパ反攻オーバーロード作Operation Overlord)戦の一環として、ノルマンディーの5カ所の砂浜海岸に上陸した。ソード・ビーチSword Beach)とは、この上陸海岸の1つに付された連合国側のコードネームで、イギリス軍と自由フランス軍とが上陸した。海岸でのドイツ軍の抵抗はわずかだったために、直ぐに内陸に浸透することができた。しかし、内陸部のカーンでイギリス軍は、ドイツ軍第21装甲師団の反撃を受け、進撃は停止させられた。

  地雷写真(右)1944年6月7日、北フランス、ノルマンディーのゴールドビーチ、動けなくなった第79装甲師団ウエストミンスター竜騎兵隊のアメリカ製シャーマン Sherman Crab flailクラブ・フライル地雷掃除戦車:車体前面の回転ローラー(クラブ・フライル)の重量過多で砂浜にのめり込んでしまったようだ。上空には、ドイツ軍機の攻撃を妨害する阻塞気球が上がっている。
Catalogue number: B 5141, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Laing(Sgt), Object description: A Sherman Crab flail tank of the Westminster Dragoons, 79th Armoured Division, disabled on the beach, Gold area, 7 June 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (B 5141)引用。


 1944年6月6日、西側連合国がオーバーロード作戦で上陸したノルマンディー地方の海岸は5カ所あるが、その一つのゴールドビーチには、イギリス軍が0725上陸した。ドイツ軍の抵抗は弱く、隣のジュノー・ビーチに上陸したカナダ軍と連絡をとる事が出来た。しかし、カーン・バイユー間の道路の確保、オマハ・ビーチに上陸したアメリカ軍と連絡はとれなかった。オマハビーチでは、ドイツ軍の反撃を受けたアメリカ軍が、内陸部に侵攻できなかった。オマハ・ビーチは、後に「血のオマハ」と呼ばれることになる。

  写真(右)1944年6月7日、ノルマンディ海岸ソードビーチのイギリス第79装甲師団第22竜騎兵のシャーマン クラブ・フライル(Sherman Crab flail)地雷除去戦車:砂浜で故障したか、軟弱な土地にのめり込んだのか、動けなくなったM4シャーマン クラブ・フライルSherman Crab flail地雷掃除戦車。左は、軟弱な砂浜での自動車や戦車の走行を助けるための金網式舗装通路。
Catalogue number: B 5192, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: object category: Photography, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit, Mapham J (Sgt), Object description: A disabled Sherman Crab flail tank (turret number '94') of 22nd Dragoons, 79th Armoured Division, lies abandoned on Queen White beach, Sword area, 7 June 1944. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 5192)引用。


 1944年6月6日、西側連合軍は、ヨーロッパ大陸反攻のために、ノルマンディに「ネプチューン作戦」(Operation Neptune)」に従って上陸した。ここでは、イギリスのバーナード・モントゴメリーBernard Montgomery:1887-1976)元帥を総指揮官に、西からオマール・ブラッドレーOmar Bradley:1893-1981)准将隷下アメリカ軍が「ユタ」(第4歩兵師団)・「オマハ」(第1歩兵師団)、マイルズ・デンプシーMiles Dempsey:1896-1969 )中将隷下のイギリス軍が「ゴールド」(第50歩兵師団)・「ジュノー」(カナダ第3歩兵師団)・「ソード」(第3歩兵師団)に侵攻した。

写真(右)1944年6月18日、北フランス、ノルマンディーのグッドウッド作戦初期のシャーマン(Sherman Crab flail)クラブ・フライル地雷掃除戦車:地雷除去に使用する回転ローラー(クラブ・フライル)は、車体の前面に装着され、未使用時には引揚げらている。したがって、車体前方に重量が偏ってしまい、バランスが悪くなる。そのためか、車体後部上面や砲塔後方上面には、テントや工具のようなものをたくさん積載している。
Catalogue number: B 7496, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Christie (Sgt),  Object description: Sherman Crab flail tanks wait to advance at the start of Operation 'Goodwood', 18 July 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 7496)引用。


写真(右)1944年7月18日、グッドウッド作戦時のシャーマン クラブ・フライル(Sherman Crab flail)地雷処理戦車とM4シャーマン・ファイアフライ戦車・M4シャーマン戦車・ハーフトラック救急車
Catalogue number: B 7521, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War.
Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Laing (Sgt), Object description: Sherman tanks caryying infantry, a Sherman(correctly Churchill) Crab flail tank, and an ambulance halftrack assemble at the start of Operation 'Goodwood', 18 July 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (B 7521)引用。


 M4シャーマン クラブ・フライル(Sherman Crab flail)地雷掃除戦車は、地雷処理を行わないときも、回転ローラー(クラブ・フライル)を車体の前面に装着していたために、車体前方に重量が偏ってしまい、バランスが悪かった。整地であれば、重量バランスの悪さは、航続距離の短縮程度の問題で済むが、不整地であれば、戦車の自量30トンと回転ローラーの重量が加わって、機動性が大きく損なわれた。
 海岸付近で動けなくなったM4シャーマンクラブ・フライル地雷掃除戦車は、ドイツ軍による反撃を受けたというよりも、機動性が低いために砂浜のような軟弱な地盤で立ち往生してしまった車両も少なくない。

 第二次大戦中に優秀な地雷掃除戦車を開発した西側連合国イギリス、アメリカだったが、残念なことに、戦後のアジア、アフリカ、バルカンにおける内戦・紛争が終了し、埋設地雷の処理が必要になった時期に、自国の地雷処理戦車を1台も貸与しなかった。

写真(右)1944年7月18日、グッドウッド作戦開始時期、ベリー橋を使ってオルヌ川を渡河するシャーマン Shermanクラブ・フライル地雷除去戦車:ベリー橋のベリーとは城郭の外壁のことで、2本の鉄の格子で強度を保ち、その間に架橋するもので、第二次大戦中に応急架橋として連合軍工兵部隊が後半に使用した。
Catalogue number: B 7498, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War.
Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Christie (Sgt), Object description: A Sherman Crab flail tank crosses a Bailey bridge over the Orne, as it moves up to the start line for Operation 'Goodwood', 18 July 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (B 7498)引用。


  写真(右)1944年7月18日、グッドウッド作戦開始時期、オルヌ川にかけたベリー橋を通過するシャーマン Shermanクラブ・フライル地雷除去戦車:シャーマン・クラブフライル地雷掃除戦車は、車体両側から前方にアームを伸ばし、そこに回転ローラーをつけ、装着した鎖を回す。後方から見ても、アームを取り付けているのが明瞭である。回転ローラーは、車体前方にあるが、車体前後のバランスをとるために、アームは車体中央後方から伸びている。
Catalogue number: B 7499, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War.
Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Christie (Sgt), Object description: A Sherman Crab flail tank crosses a Bailey bridge over the Orne, as it moves up to the start line for Operation 'Goodwood', 18 July 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 7499)引用。


  写真(右)1944年10月17日、オランダ南東、フェブラリに向かうイギリス軍シャーマン Sherman Crab flail(クラブ・フライル)地雷除去戦車:ノルマンディー上陸作戦では、砂浜海岸に敷設された地雷を爆破するために、戦車の前方に取り付けたローラーから伸びる鎖を回転させ、その衝撃で地雷を爆破、破壊した。このような有効な地雷掃除戦車を多数開発した西側連合国イギリス、アメリカだったが、戦後のアジア、アフリカ、バルカンで内戦や紛争が終了し、埋設された地雷の撤去作業が必要になった時、地雷掃除戦車を1台も派遣しなかった。
Catalogue number:BU 1213, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Norris (Sgt),  Object description: A Sherman Crab flail tank during the advance towards Venraij, 17 October 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 11632)引用。


アメリカ製M4シャーマンSherman Crab flail(クラブ・フライル)地雷除去戦車は、対人地雷Anti-personnel mine)や戦車やトラックなど乗り物を対象とする対戦車地雷Anti-tank mine)を処理するために鎖の付いたローラーを回転させると、土砂が舞い上がり、砂塵で前方視界が悪くなった。また、75ミリ戦車砲の砲口から砂塵が大量に入り込み、さらに砂塵で前方視界が悪くなるために、戦車砲を正面射撃することはできなかった。地雷除去の時には、Sherman Crab flail(クラブ・フライル)戦車は、砲塔を後方を向ける必要があったのである。つまり、戦車砲を使用しながら、地雷除去をすることは原則できなかった。

写真(右)1944年11月1日、オランダ、ワルヘレン(アントワープ西岸沖)に上陸したイギリス軍シャーマン Sherman Crab flail(クラブ・フライル)地雷除去戦車:LCT(戦車揚陸舟艇)からオランダのワルヘレン島に上陸した地雷除去戦車。前面に装備した回転ローラー(クラブ・フライル)の衝撃で敷設された地雷を破壊できる。手前の浅瀬には、イギリス軍の捕虜となったドイツ軍兵士の集団が映っている。
Catalogue number: B 11632, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Crocker (Sgt),  Object description: A Sherman Crab flail tank coming ashore from an LCT during the invasion of Walcheren Island, 1 November 1944. 
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 11632)引用。


オランダのワルヘレン島Walcheren Island)は、ベルギーの要港アントワープの沖にある島で、ドイツ軍は東岸を中心に防備を固めていた。ドイツ本土侵攻のためにアントワープを起点としたかった西側連合軍は、1944年10月末にワルヘレン島とオランダ本土を結ぶコーズウェーを攻撃した。

写真(右)1945年4月14日、オランダ中部、アルンヘムに突入したイギリス軍の先頭を進むシャーマン Sherman Crab flail(クラブ・フライル)地雷除去戦車:1944年9月、オランダ中部への空挺部隊降下(マーケット・ガーデン作戦)が不調の時に攻撃したが、失敗した。再度の攻撃で攻略したが、初めの作戦失敗から半年も経過していある。
Catalogue number: BU 3515, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Hewitt (Sgt),  Object description: A Sherman Crab flail tank in front of burning buildings in Arnhem, 14 April 1945. Associated places: Arnhem, Gelderland, Netherlands.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (BU 3515)引用。


写真(右)1945年4月14日、オランダ中部、アルンヘムに突入したイギリス軍の先頭を進むシャーマン Sherman Crab flail(クラブ・フライル)地雷除去戦車:1944年9月、オランダ中部への空挺部隊降下(マーケット・ガーデン作戦)が不調だったこともあって、ドイツ本土への西側連合軍の本格的な侵攻は、1945年に入ってからとなった。このような優秀な地雷掃除戦車を開発した西側連合国イギリス、アメリカでも、戦後のアジア、アフリカ、バルカンの内戦や紛争の終了後、埋設地雷の撤去作業に、自国の地雷除去戦車を1台も貸与しないままで終わってしまった。
Catalogue number: BU 3514, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Hewitt (Sgt),  Object description: Sherman Crab flail tanks in front of burning buildings in Arnhem, 14 April 1945. Associated events: Arnhem 1944, Operation Market Garden, North West Europe, Second World War.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (BU 3514)引用。


 ノルマンディー上陸作戦後の1944年8月、ファレーズ包囲戦Falaise Pocket)でドイツ軍戦車部隊に大打撃を与えた西側連合軍は、8月25日にはパリを解放アントワープAntwerpen)を奪還した。そこで、イギリス軍は、ソ連軍によるベルリン攻略The Fall of Berlin)前に、ドイツ本土に深く攻め込み、ドイツの工業地帯であるラインを占領し、早期にドイツを降伏させることを期待した。

 こうして、1944年9月17日、オランダ中部、ドイツとの国境地帯へ空挺部隊を降下させるマーケット・ガーデン作戦Operation Market Garden)が開始された。

 アイントホーフェンEindhoven)、ナイメーヘンなどにイギリス軍の空挺部隊 Parachute Infantry Regiment)を降下させたが、後続すべき地上部隊の進撃が遅かった。また、オランダに駐留していたドイツ陸軍も反撃したため、連合軍の攻勢は停滞し、オランダ諸都市を解放することには成功したものの、ドイツ中枢部のラインラント、ルール地方Ruhrgebiet)を占領することはできなかった。

写真(右)1945年5月4日、ドイツ、オランダ国境近くのケーヴェラアー(デュセルドルフ北西50キロ)、イギリス軍第8装甲旅団のシャーマン・クラブフライルSherman Crab地雷除去戦車:補助装甲板として、車体や砲塔にキャタピラや転輪、工具を装着している。武器貸与法によって、アメリカからイギリス、ソ連に大量の軍事物資が供給された。イギリス軍が自前で生産、配備したチャーチル歩兵戦車も地雷除去戦車が生産されたが、アメリカで生産されイギリスに貸与されたアメリカ製M4Sherman Crab flail(クラブ・フライル)地雷除去戦車のほうが数的に優位にあったようだ。
Catalogue number: B 15148, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Hutchinson (Sgt)、  Alternative Names: object category: Black and white,  Object description: Sherman Crab flail tank of 8th Armoured Brigade passing the church in Kevelaer, 4 March 1945. Label: A Sherman tank of 8th Armoured Brigade in Kevelaer, Germany, 4 March 1945.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録 IWM (B 15148)引用。





5.ドイツ軍の地雷 Land Mine

地雷land mine)とは、地表から地中に、車両や人間が通った時に爆発するように仕掛ける(敷設する)爆弾あるいは手榴弾であり、爆発方法は、接触したり圧力が加わったりすることで爆発する感応式地雷、時限発火式の時限式地雷、遠隔操作して爆発させる操作式地雷などがある。また、地雷land mine)の対象はさまざまであるが、対象に応じた爆発力、起爆方法が異なる。地雷を対象別に区分すると、人員殺傷を目的とする対人地雷Anti-personnel mine)と戦車やトラックなど乗り物を対象とする対戦車地雷Anti-tank mine)の2種類がある。しかし、一般的には高度な技術を要せず使用する資源エネルギーもわずかで済ませる安価なものが多い。そこで、多数の地雷を広範囲に埋設した地雷原も設けられた。

地雷写真(右)1942年1月24日、北アフリカ戦線、チュニジアでドイツ軍の対戦車地雷を安全化するイギリス連邦軍の南アフリカ連邦軍兵士。
Catalogue number E 7602 Department Photographs Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION Subject period Second World War Alternative names object name: Official photograph object category: Photography Creator No 1 Army Film & Photographic Unit Clements (Sgt) Category photographs IWM (E 7602) Purchase & License Share and Reuse This item is available to be shared and re-used under the terms of the IWM Non Commercial Licence Object description South African sappers making German Teller mines safe, 12 January 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (E 7602)File: Commonwealth Forces in North Africa 1941 E7602.jpg引用。


敷設した地雷land mine)の多くは、敵の目標物に被害を与えることなく放置されてしまう可能性が高いが、その敷設した地雷の数%に敵の対象物がかかれば、十分に効果を発揮したとみなすことができる。また、直接地雷による被害を与えなくとも、地雷が敷設してある、地雷原land mine field)と敵軍が心配すれば、敵の機動力や行動を制約し、進撃を遅らせることができる。したがって、単純な構造で安価に大量に配備することのできる地雷は、主に防御兵器として、有効に攻撃を阻止できるため、現在でも効果的な防御兵器であると考えられている。

地雷写真(右)1943年2月24日、北アフリカ戦線、チュニジアでドイツ軍の仕掛けた対戦車地雷を掘り出したイギリス陸軍第8野戦王室工兵大隊の兵士。:このような有効な地雷掃除工兵部隊を多数編成した西側連合国イギリス、アメリカだったが、戦後のアジア、アフリカ、バルカンで内戦や紛争が終了し、埋設された地雷の撤去作業が必要になった時、地雷除去工兵部隊を1人も派遣しなかった。
Catalogue number NA 853 Department Photographs Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION Subject period Second World War Alternative names object name: Official photograph object category: Photography Creator No. 2 Army Film & Photographic Unit Stubbs (Sergeant) Categoryphotographs IWM (NA 853) Purchase & License Share and Reuse This item is available to be shared and re-used under the terms of the IWM Non Commercial Licence Object description A sapper of 8th Field Squadron Royal Engineers lifts a mine on the Thala-Kasserine road, 24 February 1943.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (NA853)File: The British Army in Tunisia 1943 NA853.jpg引用。


第二次世界大戦中のドイツ陸軍は、対人地雷S-マインSplitter-Springmine)を開発したが、これは触角式信管を備えており、そこに接触すると、地上から1メートルの高さまで跳ね上がってから、空中で爆発する。つまり、対人地雷S-マインSplitter-Springmine)は、周囲に鉄片をまき散らして、接触した敵兵の周囲にいた人員も殺傷することができる。他方、感応式対戦車地雷は、対象物が200キログラム程度の圧力を加えると起爆するので、兵士など重量の軽い場合には踏んでも、接触しても起爆することはない。

地雷写真(右)1943-1944年、北フランスあるいはベルギーの大西洋岸、ドイツ軍兵士が大西洋防壁Atlantikwallsとして海岸上陸障害物を構築している。木材を砂浜海岸に組み立てて、連合軍の上陸用舟艇を座礁させる、あるいは障害物先端に装着した地雷で破壊する。
Inventory: Bild 101 I - Propaganda-kompanien der Wehrmacht - Heer und Luftwaffe Signature: Bild 101I-297-1716-34 Archive title: Belgien/ Frankreich.- Atlantikwalls, Aufstellen von Hindernissen am Strand; PK 698 Dating: 1943/1944 Photographer: Schwoon, Karl .
写真はWikimedia Commons, ドイツ連邦アーカイブ Bundesarchiv Bundesarchiv Bild 101I-297-1716-34, Atlantikwall, Aufstellen von Hindernissen.jpg引用。


地雷写真(右)1943-1944年、北フランスあるいはベルギーの大西洋岸、ドイツ軍兵士が大西洋防壁Atlantikwallsとして海岸上陸障害物を構築している。木材を砂浜海岸に組み立てて、連合軍の上陸用舟艇を座礁させる、あるいは障害物先端に装着した地雷で破壊する。
Inventory: Bild 101 I - Propagandakompanien der Wehrmacht - Heer und Luftwaffe Signature: Bild 101I-297-1716-28 Archive title: Im Westen, Belgien/Frankreich.- Atlantikwalls, Aufbau von Hindernissen am Strand; PK 698 Dating: 1943/1944 Photographer: Schwoon, Karl.
写真はWikimedia Commons, ドイツ連邦アーカイブ Bundesarchiv Bundesarchiv Bild 101I-297-1716-28, Im Westen, Belgien-Frankreich, Atlantikwall.jpg引用。


地雷写真(右)1943年4-7月、北フランスあるいはベルギーの大西洋岸、ドイツ軍兵士が大西洋防壁Atlantikwallsとして構築された対戦車用コンクリート障害物と砂浜海岸の「ロンメルのアスパラガス」。「ロンメルのアスパラガス」は、木材を砂浜海岸に組み立てて、連合軍の上陸用舟艇を座礁させる、あるいは障害物先端に装着した地雷で破壊する障害物。
Inventory: Bild 101 I - Propaganda-kompanien der Wehrmacht - Heer und Luftwaffe Signature: Bild 101I-293-1464-29 Archive title: Frankreich-Nord/Belgien.- Soldaten vor einer Wallmauer des Atlantikwalls, April/Juli 1943; PK 698 Dating: 1943 Mitte Photographer: Lüthge.
写真はWikimedia Commons, ドイツ連邦アーカイブ Bundesarchiv Bundesarchiv Bild 101I-293-1464-29, Nordfrankreich-Belgien, Soldaten vor Wallmauer.jpg引用。


地雷写真(右)1944年4月18日、北フランス、パド・カレー (Pas de Calais)の大西洋岸、ドイツ軍兵士が大西洋防壁(Atlantikwalls)として構築した対戦車用鉄筋障害物「チェコの針鼠」(Czech hedgehog)。
Inventory: Bild 101 I - Propaganda-kompanien der Wehrmacht - Heer und Luftwaffe Signature: Bild 101I-719-0240-26 Archive title: Frankreich, Pas de Calais.- Inspektion des Atlantikwalls durch Generalfeldmarschall Rommel.- Soldat neben Panzerhindernissen aus Stahl ("Tschechenigel") am Strand; PK KBZ OB West Dating: 18. April 1944 Photographer: Jesse.
写真はWikimedia Commons, ドイツ連邦アーカイブ Bundesarchiv Bundesarchiv Bild 101I-719-0240-26, Pas de Calais, Atlantikwall, Panzersperren.jpg引用。


チェコのヘッジホッグ」(Czech hedgehog)は、金属や木材を砂浜海岸に組み立ててた障害物で、連合軍の上陸用舟艇を座礁させ、戦車の侵入を防ぐ。第二次世界大戦前、ドイツの侵略を警戒していたチェコスロバキアでは、ドイツとの国境に要塞を築き、長大な対戦車用障害物「チェコのヘッジホッグ」(Czech hedgehog)を設けた。

地雷写真(右)1944年6月、北フランス、ユタビーチ(Utah beach)に仕掛けられた対上陸用舟艇用の地雷。木の杭の頂上部に対戦車地雷を金具と針金で固定している「ロンメルのアスパラガス Rommel's asparagus)」の一つ。干潮時には、砂浜上に露出しているが、干潮時には海面下にあって目視することはできない。:ユタビーチは、1944年6月6日の西側連合軍のノルマンディ上陸作戦でアメリカ陸軍セオドア・ルーズベルト・ジュニア准将指揮する第4歩兵師団が上陸した海岸の秘匿名称で最も西側に位置する上陸海岸。ソード -ビーチ、ジュノー -ビーチ、ゴールド -ビーチなど5上陸地点の一つ。最も激戦が展開されたのがアメリカ陸軍第1歩兵師団の上陸したオマハビーチ。
English: Utah beach defences with mine, 1944. (Teller mine) 日付 published in 1948 原典 American Forces in Action Series, UTAH Beach to Cherbourg (6 June--27 June 1944) 作者 Historical Division, War Department (USA) .
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Category: Teller mineFile: USA-A-Utah-p7b.jpg引用。


 フランスを征服したヒトラーは、イギリス本土上陸を考えたが、制空権を掌握できず、矛先をソ連侵攻に向けた。しかし、西部戦線を軽視したわけではなく、特に独ソ戦が長期化することが判明した1943年以降は、西側連合軍のヨーロッパ大陸反攻を予期し、北フランスからオランダ、スカンジナビアまで「大西洋防壁」(Atlantic Wall)と呼ぶことになる防備を固めた。特に、イギリス本土から至近距離にある北フランスが、西側連合軍の有力な上陸地点として考えられた。

 西側連合軍のヨーロッパ大陸反攻を予期したドイツ軍は、特に北フランスを優先上陸地点と想定し、地雷500万個を敷設する準備をした。そして、砲台、トーチカ、機銃座、地雷原land mine field)、鉄条網、対戦車障害物、空挺部隊障害物など「大西洋防壁」(Atlantic Wall)を構築し始めた。防備の重点は、海岸の水際防御に置かれ、上陸容易な砂浜海岸や海岸から内陸に向かう道路に多数の地雷を敷設し、地雷原land mine field)を構築した。空挺部隊、すなわちパラシュート降下兵、グライダー降下兵に対しては、平坦地にも「ロンメルのアスパラガス Rommel's asparagus)」と呼ばれる木製・コンクリート製。金属製の障害物を構築した。さらに、オランダのように低地が多い地域では、堤防を決壊させて、進水させる計画も進められた。大西洋防壁(Atlantikwalls)の砲台としては、ドイツ海軍の最新最大口径の40センチ艦砲まで準備し、分厚いコンクリートで対空・対艦の防備を施した沿岸砲台を建設した。

地雷写真(右)1944年6月19日、北フランスで地雷に吹き飛ばされたユニバーサルキャリアー(ブレン機関銃運搬車)の周囲で時期感応式の地雷探知機を操作してドイツ軍の敷設した地雷を捜索するイギリス軍兵士。:イギリス陸軍第5軍写真班の撮影。このような有効な地雷掃除戦車を多数開発した西側連合国イギリス、アメリカだったが、戦後のアジア、アフリカ、バルカンで内戦や紛争が終了し、埋設された地雷の撤去作業が必要になった時、当面、このような地雷除去戦車は1台も貸与しなかった。
Catalogue number B 5777 Department Photographs Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION Subject period Second World War Alternative names object name: Official photograph object category: Photography Creator No 5 Army Film & Photographic Unit Midgley, A. N. (Sergeant) Categoryphotographs IWM (B 5777) Purchase & License Share and Reuse This item is available to be shared and re-used under the terms of the IWM Non Commercial Licence Object description The remains of a universal carrier blown up by a mine in Tilly-sur-Seulles, 19 June 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 5777)File: The British Army in the Normandy Campaign 1944 B5777.jpg引用。


地雷land mine)を除去する、すなわち掃除のために、西側連合軍は、地雷原land mine field)で戦車の車体前面にキャスターを着けて圧力をかけたり、ドラムに繋いだ鎖を回転させたり、重量のあるローラーで圧力をかけたりして、爆発処理しようと考えた。しかし、このような機械化によって、敷設された全ての地雷を発見、爆発させることは困難であり、最終的には人間が磁気感応式の地雷探知機を使ったり、銃剣や針金を使ったりして、手作業で地雷land mine)を除去しなければならない。

地雷写真(右)1944年7月31日、北フランスで地雷に遭遇したイギリス軍が、磁気式地雷探知機でドイツ軍の敷設した対人地雷を捜索している。:手前に倒れているのは、ドイツ軍兵士。
Catalogue numberB 8302 Department Photographs Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION Subject period Second World War Alternative names object name: Official photograph object category: Black and white CreatorNo 5 Army Film & Photographic Unit Malindine E G (Capt) Categoryphotographs IWM (B 8302) Purchase & License Share and Reuse This item is available Object description Troops use a mine detector along the side of a road during the offensive south of Caumont, 31 July 1944. A dead German lies in the foreground.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 8302)File: The British Army in Normandy 1944 B8302.jpg引用。


 ドイツ軍が構築した大西洋沿岸の海岸防御陣地は、「大西洋防壁」(Atlantikwall)と呼ばれ、軍需大臣フリッツ・トート博士の組織した労働者建設部隊、トート機関が中核となり、多数の現地外国人労働者を徴用・募集して建設された。したがって、工事の内容や進行状況から装備した兵器、地雷原land mine field)や「ロンメルのアスパラガス Rommelspargel)」の位置まで、スパイによって西側連合軍に筒抜けになっていた。

地雷写真(右)1944年8月1日、北フランス、ノルマンディ海岸近くのバイユー東10キロ、ヴィエンヌ=アン=ベッサン、イギリス軍兵士が鹵獲したドイツ軍の対戦車兵器、パンツァーシュレック( Panzerschreck:バズーカ砲)、パンツァーファウスト(携行用対戦車ロケット弾)の大型成型弾と小型成型弾、対戦車地雷(Mine Anti Tank Tellermine):Catalogue number B 8540 Department Photographs Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION Subject period Second World War Alternative names object name: Official photograph object category: Black and white Creator No 5 Army Film & Photographic Unit Mapham J (Sgt) Category photographs IWM (B 8540) Purchase & License Share and Reuse This item is available to be shared and re-used under the terms of the IWM Non Commercial Licence Object description Instructors at a 59th Division school for potential NCOs at Vienne-en-Bessin demonstrate various German anti-tank weapons, including a Panzerschreck, two types of Panzerfaust and anti-tank mines, 1 August 1944.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 8540)引用。


地雷写真(右)1944年9月17-20日、オランダ、マーケットガーデン作戦、ライン川下流のワール川にかかるナイメーヘン(Nijmegen)架橋にドイツ軍が仕掛けた爆破用の地雷を掃除したイギリス陸軍の工兵部隊:ナイメーヘンからは10キロでドイツに至る国境の町。イギリス陸軍第5軍写真班の撮影。
Catalogue number B 10174 Department Photographs Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION Subject period Second World War Alternative namesobject name: Official photograph object category: Black and white Creator No 5 Army Film & Photographic Unit Midgley, A. N. (Sergeant) Categoryphotographs IWM (B 10174) Purchase & License Share and Reuse This item is available to be shared and re-used under the terms of the IWM Non Commercial Licence Object description Nijmegen and Grave 17 - 20 September 1944: British engineers removing the charge which the Germans had set in readiness to blow the Nijmegen bridge.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (B 10174)File: Operation 'market Garden' (the Battle For Arnhem)- 17 - 25 September 1944- Nijmegen and Grave 17 - 20 September 1944 B10174.jpg引用。


写真(右)1939年10月21日、地雷を手に下げているドイツ軍の兵士:手にした木製の棒は、埋設された地雷を感触で探知するために使用する。
Inventory: Bild 146 - Sammlung von Repro-Negativen Signature: Bild 146-2006-0183 Original title: info Bebelheim 21.10.39 Minensucher bei der Arbeit "Achtung, da ist eine". Prop. Kp 612, Bildberichter: Ritter Archive title: Bebelsheim.- Pioniere mit Minen.- Ausbildung, Verlegung oder Räumung von Minen; PK 612 Dating: 21. Oktober 1939 Photographer: Ritter, Heinz
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) ドイツ連邦アーカイブBundesarchiv File: Bundesarchiv Bild 146-2006-0183, Bebelsheim, Minensucher.jpg引用。


地雷写真(右)第二次大戦前にドイツ軍が1935年に開発した対戦車円盤型地雷 Mine Anti Tank Tellermineの金属収納ケース。:Mine Anti Tank Tellermine
Catalogue number:MUN 3419 Department:Exhibits Materialswhole: metal Alternative names:full name: Mine Anti Tank Tellermine simple name: mine, anti-tank : German Category:Weapons and ammunition
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MUN 3419)引用。


 1935年型円盤型対戦車地雷Tellermine 1935)は、金属製で円板状の地雷であり、目的は敵戦車を撃破することであり、兵士のように軽い重量では作動しない。重量weight 8.7 kg、爆薬はTNT4.9 kgが内蔵されている。 信管の作動圧力は、重量79.3 kgか181.4 kgであり、この後に登場する対戦車地雷よりも軽量で作動、爆発する構造である。

 1935年型円盤型対戦車地雷Tellermine 1935)は、1935年に開発された対戦車地雷だが、第二次大戦中も多数使用され、西側連合軍の側でもノルマンディ侵攻の時にこの地雷に直面している。この対戦車地雷は、ドイツGermanyだけでなく、枢軸側に参戦しソ連と戦ったフィンランドFinlandも使用されている。

地雷写真(右)第二次大戦前にドイツ軍が1935年に開発した対戦車円盤型地雷 Mine Anti Tank Tellermineの金属製収納ケース。:Mine Anti Tank Tellermine
Catalogue number:MUN 3419 Department:Exhibits Materialswhole: metal Alternative names:full name: Mine Anti Tank Tellermine simple name: mine, anti-tank : German Category:Weapons and ammunition
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MUN 3419)引用。


 1935年型円盤型対戦車地雷Tellermine 1935)は、1935年に開発された対戦車用地雷で、第二次世界大戦初期まで、ドイツ軍の主力対戦車地雷として使われている。直径320mm、全高80mm、重量9kg、爆薬のTNT(トリニトロトルエン:trinitrotoluene)5.2kg、信管作動圧力80〜180kg、装甲貫通力24mm。後期の地雷と比較すると、信管作動圧力が低く、軽量車輛でも起爆する構造となっている。第二次世界大戦初期、独ソ戦が勃発するまでは、本格的に重戦車が戦いに参加することはなかったからである。

地雷写真(右)第二次大戦中にドイツ軍が1943年に開発した対戦車円盤型地雷Mine Anti Tank Tellermine。:初期の地雷は、収納ケースや安全装置も耐久性があり、堅牢なものが作られている。しかし、量産するには、資源や手間がかかりすぎるために、第二次大戦後期からは、簡易型が地雷の主流になった。Mine Anti Tank Tellermine
Catalogue number:MUN 3419 Department:Exhibits Materialswhole: metal Alternative names:full name: Mine Anti Tank Tellermine simple name: mine, anti-tank : German Category:Weapons and ammunition
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (NA 5130)引用。


対人地雷Anti-personnel mines)は、殺すことよりも負傷させる目的で開発された地雷である。兵士が死亡してしまえば、そのまま放置されるが、負傷して生きているのであれば救助しなくてはならず、その救援のための兵力を割く必要が出る。そして、負傷した兵士を後方に送還し、医療処置を施し続けなければいけなくなる。

 対人地雷Anti-personnel mines)は、こうして医療や看護の経費を敵に負わせることで、敵の国力を低下させる。さらに、後送される途中、そして本国に帰還した負傷者をたくさんの人々が目撃することで、後方に精神的打撃と恐怖心を引き起こし、戦意や士気の低下を引き起こさせる効果も期待できる。

地雷写真(右)第二次大戦中にドイツ軍が開発した対人地雷S.Mi.35 (Sprengen Mine 1935):最上部の触角が信管で、その下に安全装置のピンがついている。本体には350個の鉄の破片が内蔵されている。S.Mi.35 (Sprengen Mine 1935) (S-Mine & Schrapnellmine 35) anti-personnel mine
Catalogue number:MUN 3318 Department:Exhibits Display status:IWM London Materials:whole: metal Dimensionswhole: Depth 100 mm, Diameter 100 mm, Height 235 mm, Width 100 mm Alternative namesfull name: S.Mi.35 (Sprengen Mine 1935) (S-Mine & Schrapnellmine 35) anti-personnel mine simple name: mine, land, anti-personnel : German Category:Weapons and ammunition
Label: The Sprengen Mine 1935, also known as the 'S-Mine ', or 'Schrapnellmine 35', was a German Second World War anti-personnel device, that could be activated by direct pressure on the igniter in the top, or by a pull on one or more tripwires attached to pull igniters. It could also be fired electrically.
Physical description: mine, igniter the mine comprises an outer steel canister, with an inner steel cylinder that is surrounded by 350 steel balls. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MUN 3318)引用。


埋設された対人地雷Anti-personnel mines)は、自己破壊装置を内蔵していない限り、長期間作動しつづけ、その地域を危険な状態にとどめ置く。それは、敵の交通や補給などを阻害することになるが、同時に、地雷の敷設された可能性を恐れて、農業地帯や都市の人々の経済活動が阻害される。

地雷写真(右)第二次大戦中にドイツ軍が開発した対人地雷S.Mi.35 (Sprengen Mine 1935):上の写真の反対側から撮影。
S.Mi.35 (Sprengen Mine 1935) (S-Mine & Schrapnellmine 35) anti-personnel mine
Catalogue number:MUN 3318 Department:Exhibits Display status:IWM London Materials:whole: metal Dimensionswhole: Depth 100 mm, Diameter 100 mm, Height 235 mm, Width 100 mm Alternative namesfull name: S.Mi.35 (Sprengen Mine 1935) (S-Mine & Schrapnellmine 35,) anti-personnel mine simple name: mine, land, anti-personnel : German CategoryWeapons and ammunition
Label: The Sprengen Mine 1935, also known as the 'S-Mine ' or Schrapnellmine 35', was a German Second World War anti-personnel device, that could be activated by direct pressure on the igniter in the top, or by a pull on one or more tripwires attached to pull igniters. It could also be fired electrically. Physical description: mine, igniter the mine comprises an outer steel canister, with an inner steel cylinder that is surrounded by 350 steel balls.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (NA 5130)引用。


第二次大戦の初期からドイツ軍が使用していたスプリング式対人地雷S-Mine "Bouncing Betty" )は、本体に350個の鉄の破片が内蔵されている。信管部の触角は3本あり、起爆すると地雷がスプリングの弾性で高さ1.5m飛び跳ねてから、爆発する。跳躍対人地雷のS-Mineは、空中で爆発し、鉄球弾を100から170メートルの範囲にに飛散するために、地雷を踏んだ兵士だけでなく、その周囲にいた兵士も負傷させることができる。

地雷写真(右)第二次大戦中にドイツ軍が開発した対人地雷S.Mi.35 (Sprengen Mine 1935):S.Mi.35 (German S-Mine - "Bouncing Betty") (S-Mine & Schrapnellmine 35) anti-personnel mine
Catalogue number:MUN 3318 Department:Exhibits Display status:IWM London Materials:whole: metal Dimensionswhole: Depth 100 mm, Diameter 100 mm, Height 235 mm, Width 100 mm Alternative namesfull name: S.Mi.35 (Sprengen Mine 1935) (S-Mine & Schrapnellmine 35) anti-personnel mine simple name: mine, land, anti-personnel : German Category:Weapons and ammunition
Label: The Sprengen Mine 1935, also known as the 'S-Mine ', or 'Schrapnellmine 35', was a German Second World War anti-personnel device, that could be activated by direct pressure on the igniter in the top, or by a pull on one or more tripwires attached to pull igniters. It could also be fired electrically.
Physical description: When activated, a small explosive charge would eject the inner cylinder from its canister several feet above the ground, before the main charge detonated, causing the steel balls to be dispersed in all directions, with an effective range of about 150-200 yards. This particular example has a pressure igniter, and has a diameter of 10cm, and an overall height of 23cm. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MUN 3318)引用。



German S-Mine - "Bouncing Betty"

地雷写真(右)1942年にドイツ軍が開発した対戦車地雷Mine Anti Tank M1942。
Mine Anti Tank M1942
Catalogue number:Catalogue number:MUN 3315 Department:Exhibits Materials:whole: metal Alternative names:full name: Mine Anti Tank M1942 simple name: mine, land : German CategoryWeapons and ammunition.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MUN 3315)引用。


ドイツ軍の開発した1942年型対戦車地雷Tellermine M1942)は、円板上で直径324mm、全高102mm、重量9kg、爆薬TNT(トリニトロトルエン:Trinitrotoluene)5.2kg、作動圧力340kg、装甲貫通力24mm。

 対戦車地雷Anti-tank mine)の円盤中央に信管がセットされているが、その上に敷設前には起爆しないようにネジ式の安全装置がつけられている。対戦車用地雷は、軽い衝撃、たとえば兵士が踏んだとしても起爆しない。起爆するのは、中央の信管に300キログラムの圧力がかかった時である。

 重量のある1942年型対戦車地雷Tellermine M1942)には、鋼製丸棒でできた携行用ハンドルが付けられている。携行ハンドルを固定する金具がついている。円盤中央上には、直径15cmの感圧板があり、その下に信管がセットされている。1935年型対戦車円盤地雷Anti-tank mine)の作動圧力は80〜180kgと軽かったが、戦車の重量が重くなるにつれて、作動にはより高い圧力を必要とするように改良された。1943年型対戦車用地雷は、信管作動する感圧は340kgに引き上げられている。

地雷写真(右)第二次大戦中にドイツ軍が1943年に開発した対戦車地雷(Mine Anti Tank Tellermine M1943):円盤の中央部に信管がセットされているが、敷設前には起爆しないように蓋式の安全装置がつけられている。対戦車用地雷は、軽い衝撃、たとえば兵士が踏んだとしても起爆しない。起爆するのは、中央の信管に300キログラム以上の圧力がかかった時である。
Catalogue number:MUN 3401 Department:Exhibits Materialswhole: metal Alternative names:full name: Mine Anti Tank Tellermine M1943 simple name: mine, land : German Category:Weapons and ammunition
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MUN 3401)引用。


2016年10月、銀座の松竹シネマ試写室でデンマーク・ドイツ合作映画『LAND OF MINE』(日本語タイトル「ヒトラーの忘れもの」)を試写室で鑑賞した。この映画は、第28回東京国際映画祭に『地雷と少年兵』のタイトルで上映され、最優秀男優賞受賞した。ドイツ軍は、大西洋防壁Atlantikwall)の北端デンマークの砂浜海岸に200万個の対人地雷(Anti-personnel landmines)、対戦車地雷を敷設したが、ドイツ敗戦後に、ヒトラーユーゲント出身の少年兵たちが地雷撤去作業を強要される物語である。

地雷写真(右)第二次大戦中にドイツ軍が1943年に開発した対戦車円盤型地雷Mine Anti Tank M1943。:Mine Anti Tank M1943
Catalogue number:MUN 3314 Department;Exhibits Materialswhole: metal Alternative names:full name: Mine Anti Tank M1943 simple name: mine, land : German Category:Weapons and ammunition Physical description:mine
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MUN 3314)引用。


1945年5月、ドイツ敗北後、捕虜のドイツ兵たちは、ドイツ軍が大西洋防壁Atlantikwall)の一環としてデンマーク海岸線に埋めた200万個の対人地雷(Anti-personnel landmines)、対戦車地雷を撤去させるために、動員された。その中には、10代の少年兵たちも多数含まれていた。少年兵には地雷撤去作業の経験はなかったが、デンマーク軍・イギリス軍の指導下で最低限の訓練を受けさせられて、慌ただしく地雷が敷設されているデンマーク西海岸へに派遣された。彼らを指揮するデンマーク軍もイギリス軍は、5年間に及ぶナチス支配の報復を図り、少年兵を憎悪していたため、食料も居住環境も劣悪なまま、地雷撤去作業に従事させた。作業失敗や誘爆によって多数の少年兵が命を落としたが、それに対する同情も憐れみも見られなかった。

地雷写真(右)1943年、イタリア、シシリー島(?)、海岸で対戦車地雷を両手に下げているドイツ軍あるいはイタリア軍兵士。地雷の掃除は危険な作業だったので、捕虜に強要して地雷除去をさせることもたびたびあった。1943年9月のイタリア降伏後、戦意を失いドイツ軍に武装解除され、捕虜となったイタリア軍兵士は、強制労働や地雷撤去作業に使役された。
Inventory: Bild 101 I - Propagandakompanien der Wehrmacht - Heer und Luftwaffe Signature: Bild 101I-303-0598-04 Archive title: Italien.- Soldaten mit freiem Oberkörper (Pioniere ?) beim Verlegen von Minen an einem Strand; PK 699 Dating: 1943 Photographer: Lüthge.
写真はWikimedia Commons, ドイツ連邦アーカイブ Bundesarchiv登録File: Bundesarchiv Bild 101I-303-0598-04, Italien, Soldaten mit Minen an einem Strand.jpg引用。


地雷写真(右)1943年7月10日-8月17日、イタリア、シシリー島パレルモに進撃する途上、アメリカ軍はドイツ軍が保管していた大量の地雷を発見、鹵獲した。:このような有効な地雷掃除戦車を多数開発した西側連合国イギリス、アメリカだったが、戦後のアジア、アフリカ、バルカンで内戦や紛争が終了し、埋設された地雷の撤去作業が必要になった時、こうした地雷除去戦車を全く貸与しなかった。
Catalogue number:MUN 3315 Department: Exhibits Materialswhole: metal Alternative namesfull name: Mine Anti Tank M1942 simple name: mine, land : German Category:Weapons and ammunition The Drive for Messina 10 July - 17 August 1943: A huge dump of German Teller mines captured by the Americans near Roccopalunba during their drive on Palermo. 写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MUN 3318)引用。


ドイツ軍の開発した1943年型対戦車円盤型地雷(Tellermine M1943)は、円板状で直径 318mm、全高 92mm、重量 8,2kg、爆薬5.2kg、点火圧力320kg、 装甲貫通力24mm。


6.イギリス軍マチルダ・バロンMatilda Baron flail tankフライル地雷除去戦車

マチルダ・バロン写真(右)1942-1943年頃、ヨーロッパ大陸侵攻・北アフリカ侵攻に配慮して開発されたマチルダ・バロン(Matilda Baron flail tank)フライル地雷除去戦車の側面記録写真:イギリス製マチルダ戦車の砲塔を除去し軽量化し、車体前面に鎖をつけているが、回転した鎖は、棍棒やゴルフのクラブのようなので、クラブ・フライルと呼ばれた。鎖を回転して衝撃で地雷を爆破する。アームが伸びているが、その先のローラーを回転させるトランスミッションが内蔵されたアームが伸びている。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、 Catalogue number: MH 3681, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Watson (Gnr), Object description: Matilda Baron flail tank in action.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MH 3681)引用。


マチルダ・バロン写真(右)1942-1943年頃、ヨーロッパ大陸侵攻・北アフリカ侵攻に配慮して開発されたマチルダ・バロン(Matilda Baron flail tank)フライル地雷除去戦車の側面記録写真:イギリス製マチルダ戦車の砲塔を除去し軽量化し、車体前面に鎖をつけているが、回転した鎖は、棍棒やゴルフのクラブのようなので、クラブ・フライルと呼ばれた。鎖を回転して衝撃で地雷を爆破する。アームが伸びているが、その先のローラーを回転させるトランスミッションが内蔵されたアームが伸びている。
Catalogue number: MH 3682, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Watson (Gnr), Object description: Matilda Baron flail tank in action.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MH 3682)引用。


 1942年8月19日、戦局悪化の打開とソ連のスターリンのヨーロッパ侵攻による第二戦の形成要求に応じる形で、本格的なヨーロッパ侵攻前の試験的な奇襲作戦として「ディエップ奇襲上陸作戦」(Dieppe Raid)が実施された。これは、北フランスのディエップに上陸し、防備手薄な小規模なドイツ軍部隊を攻撃、6時間で直ちに撤退する奇襲である。つまり、いまだにドイツ軍は優勢であり、ヨーロッパ反攻は不可能な状況にあることを認識し、北フランスに橋頭堡を築くのではなく、政治的効果、イギリス軍の士気高揚を狙った短期的作戦であった。

 1942年8月19日、「ディエップ奇襲上陸作戦」(Dieppe Raid)が実施された。カナダ軍・イギリス軍を中核にしたコマンド部隊6,000人がチャーチル歩兵戦車30両のとともに上陸したが、優勢なドイツ軍の反撃にあって半数以上の損害をだし、作戦は大失敗に終わった。この上陸で、軟弱な砂浜や障害物を乗り越えることも、トーチカの守備隊への攻撃も困難であることが判明した。そこで、作戦失敗を活かして、敵の防備する海岸に上陸する際、その障害・防備を打ち破ることのできる特殊装甲工作車両の必要性が認識された。

写真(右)1942-1943年頃、ヨーロッパ大陸侵攻・北アフリカ侵攻に配慮して開発されたマチルダ・バロンMatilda Baron flail tankフライル地雷除去戦車:イギリス製マチルダ戦車の砲塔を除去し軽量化し、車体前面に鎖をつけた回転ローラー(クラブ・フライル)を装備して、鎖の衝撃で敷設された地雷を破壊する。爆破の衝撃や破片から乗員を保護するために装甲が施されている。
Catalogue number: H 31847, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Watson (Gnr), Object description: Matilda Baron flail.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (H 31847)引用。


1942年8月19日のディエップ奇襲上陸作戦Dieppe Raid)では、イギリスが新鋭チャーチル歩兵戦車を投入した。この戦車は、重装甲と攻撃力、すなわち対歩兵に軽快な戦車砲を砲塔に搭載し、大型榴弾を発射できる大口径砲を車体に搭載していた。つまり、対歩兵・対戦車能力を併せ持っており、奇襲上陸に大きな威力を発揮すると期待されていた。しかし、軟弱な砂浜海岸や障害物でその機動が制限され、十分な威力を発揮できずに、立ち往生してしまったのである。

 1942年8月のディエップ奇襲上陸作戦Dieppe Raid)の失敗を受けて、イギリス軍は、北アフリカ侵攻 (North African Campaign)、ヨーロッパ大陸侵攻の時の上陸作戦のためには、海岸に上陸する際の特殊装甲工作車が必要であると認めるようになった。こうして、装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)と称される工兵部隊用の特殊車両が開発されるようになったのである。

写真(右)1942年11月5日、マチルダ・バロンMatilda Baron flail tankフライル地雷除去戦車:北アフリカの砂漠に投入されたマチルダ・バロンフライル地雷除去戦車は、イタリア軍、ドイツ軍の敷設した対戦車地雷を破壊し、突破口を開くことができたのであろうか。
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、Catalogue number: E 19019, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Fox (Sgt), Object description: Matilda Scorpion flail tank, 5 November 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (E 19019)引用。


 装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)の母体となったのは、イギリス製チャーチル戦車やマチルダ戦車、あるいはアメリカ製M4シャーマン中戦車など、既存の戦車で装甲が施された車両だった。つまり、海岸に上陸するに際して、敵の下記の反撃を想定し装甲車が、砂浜海岸の軟弱地盤を支障なく装甲するキャタピラ式の車両が求められたが、新規の設計・生産では効率が悪いので、結局、装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)は既存の戦車を利用することになった。

写真(右)1942年11月5日、北アフリカ、マチルダ・バロンMatilda Baron flail tankフライル地雷除去戦車:撮影場所が指定されていないが、戦車の塗装と状況から見て、北アフリカの砂漠に投入されたものだが、実戦に何台投入されたのであろうか。
THE BRITISH ARMY IN NORTH AFRICA 1942、Catalogue number: E 18868, Part of WAR OFFICE SECOND WORLD WAR OFFICIAL COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 1 Army Film & Photographic Unit Groom (Sgt), Object description: A Matilda Scorpion flail tank, 2 November 1942.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (E 18868)引用。


 砂浜海岸への上陸作戦のために準備された工兵部隊用の特殊車両は、装甲車両王立工兵隊指揮官パーシー・ホバートPercy Hobart:1885-1957)少将に因んで「ホバーツ・ファニーズ」(Hobart's Funnies:ホバートの奇妙な連中)と自嘲気味に呼ばれることになった。戦車を改造した、装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)は、特異な装備をして、車両の形状も異彩を放っていたからである。

イギリスとアメリカは、1939-1945年の第二次世界大戦中に、人員殺傷を目的とする対人地雷Anti-personnel mine)と戦車など車輛破壊を目的とする対戦車地雷Anti-tank mine)を処理可能な特殊車両を多数開発、量産、配備した。そして、ドイツ軍の大西洋防壁(Atlantikwalls)の地雷原を突破し、ヨーロッパ侵攻を成功させた。しかし、イギリス、アメリカも、戦後に頻発した内戦や紛争の最中に、アジア、アフリカ、バルカンで埋設された地雷の掃除・処理には、このような地雷処理専用車両を1台も派遣しなかったようだ。先進工業国が、本格的に地雷処理専用車両を開発し、開発途上国における地雷掃除のために派遣するようになったのは、1997年の対人地雷全廃条約Mine Ban Treaty:オタワ条約)ができてから以降である。


7.イギリス軍バレンタイン・スコーピオン・フライルValentine Scorpion flail地雷除去戦車

写真(右)1943-1944年頃(?)、イギリス(?)、バレンタイン地雷処理ローラー装備戦車(Valentine with AMRA :anti-mine roller attachment):重量のあるローラーを前進させてその重みで地雷を爆発させ、地雷の無い安全な通り道を確保する地雷処理戦車。地雷処理中にも敵の攻撃を受けることが予測されるために、防御力と反撃力のある戦車が地雷処理に使われた。
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、 Catalogue number: MH 14147, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Object description: Valentine with AMRA (anti-mine roller attachment).
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 14147)引用。


写真(右)1943年頃(?)、イギリス(?)、バレンタイン・スコーピオン・フライルValentine Scorpion flail地雷除去戦車(蠍):
TANKS AND ARMOURED FIGHTING VEHICLES OF THE BRITISH ARMY 1939-45、 Catalogue number: MH 9308, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM、 Production date; 1942, Subject period: Second World War、 Alternative Names: object category: Black and white、 Creator: No. 2 Army Film & Photographic Unit、 Object description: Valentine Scorpion flail.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 9308)引用。


バレンタイン・スコーピオン・フライル地雷除去戦車Valentine Scorpion flail)は、バレンタイン歩兵戦車の砲塔もオードナンス43口径QF 6ポンド57ミリ砲Mk.IIIを撤去して、車体前部に地雷を爆破して撤去する鎖を取り付けた特殊車両。鎖はローラーによって回転して、地面を叩きながら進んでゆく。地雷を鎖による衝撃で起動し爆破する。この爆破の衝撃を避けるように、車体前面には爆破除けの防備用楯が取り付けられている。そして、大量生産されたM4中戦車を改造したSherman Crab flail(クラブ・フライル)地雷除去戦車が量産された。

さらに、戦場で戦車が壕に埋まったり、軟弱地盤に足をとられたりした場合、車体を若干持ち上げて、牽引することで、脱出できる場合が多い。戦場で動けなくなった戦車を素早く改修、修理して前線に復帰させることで、兵力の維持は、新兵や新しい戦車の供給を待つよりも早期に回復できる。そこで、走行を施して、敵の攻撃を予期しつつ、戦車を回収、牽引できる装甲回収車が開発、部隊配備されるようになった。


8.イギリス軍チャーチル対地雷キャスターローラー戦車Churchill AMRCR(Anti-Mine Reconnaissance Castor Roller)

写真(右)1943-1944年頃、ヨーロッパ大陸反攻用に開発されたイギリス軍のチャーチルChurchill対地雷偵キャスターローラー戦車AMRCR(Anti-Mine Reconnaissance Castor Roller):地雷が敷設してある海岸を、重量のあるキャスターを押して、圧力をかけて事前に地雷を爆破する地雷除去戦車。試作のみで実戦には投入されなかった。
Catalogue number: MH 14037, Part of CHERTSEY COLLECTION, Subject period: Second World War Alternative Names: object category: Black and white, Creator: War Office official photographer Baynes (Sgt), Object description: Churchill with AMRCR(Anti-Mine Reconnaissance Castor Roller) equipment.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 14037)引用。


 1942年8月19日、「ディエップ奇襲上陸作戦」(Dieppe Raid)が実施された。カナダ軍・イギリス軍を中核にしたコマンド部隊6,000人がチャーチル歩兵戦車Churchill)30両のとともに上陸したが、優勢なドイツ軍の反撃にあって半数以上の損害をだし、作戦は大失敗に終わった。この上陸で、軟弱な砂浜や障害物を乗り越えることも、トーチカの守備隊への攻撃も困難であることが判明した。そこで、新鋭チャーチル歩兵戦車を投入した作戦失敗を活かして、敵の防備する海岸に上陸する際、その障害・防備を打ち破ることのできる特殊装甲工作車両の必要性が認識されたのである。


Churchill Toad Mine clearing flail post WW2

 1942年8月19日のディエップ奇襲上陸作戦Dieppe Raid)では、イギリスが新鋭チャーチル歩兵戦車Churchill)を投入した。この戦車は、重装甲と攻撃力、すなわち対歩兵に軽快な戦車砲を砲塔に搭載し、大型榴弾を発射できる大口径砲を車体に搭載していた。つまり、対歩兵・対戦車能力を併せ持っており、奇襲上陸に大きな威力を発揮すると期待されていた。しかし、軟弱な砂浜海岸や障害物でその機動が制限され、十分な威力を発揮できずに、チャーチル歩兵戦車は立ち往生してしまったのである。

 1942年8月のディエップ奇襲上陸作戦Dieppe Raid)の失敗を受けて、イギリス軍は、ヨーロッパ大陸侵攻、北アフリカ侵攻時の上陸作戦のためには、海岸に上陸する際の特殊装甲工作車が必要であると認めるようになった。こうして、装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)と称される工兵部隊用の特殊車両が開発されるようになったのである。

 装甲車両王立工作車(AVRE:Armoured Vehicle Royal Engineers)の母体となったのは、イギリス製オードナンス50口径6ポンド57ミリQF速射砲Mk.VOrdnance QF 6-pounder Mk.V)装備のA22 チャーチル歩兵戦車Churchill)やマチルダ戦車、あるいはアメリカ製M4シャーマン中戦車など、既存の戦車で装甲が施された車両だった。つまり、海岸に上陸するに際して、敵の下記の反撃を想定し装甲車が、砂浜海岸の軟弱地盤を支障なく装甲するキャタピラ式の車両が求められたが、新規の設計・生産では効率が悪いので、結局、既存の戦車を利用することになった。大量生産されていたM4中戦車を改造したSherman Crab flail(クラブ・フライル)地雷除去戦車が最も普及するようになったのは当然だった。

 そして、ドイツ軍の大西洋防壁(Atlantikwalls)の砂浜海岸上陸作戦のために準備された工兵部隊用の特殊車両は、装甲車両王立工兵隊指揮官パーシー・ホバートPercy Hobart:1885-1957)少将に因んで「ホバーツ・ファニーズ」(Hobart's Funnies:ホバートの奇妙な連中)と自嘲気味に呼ばれることになった。戦車を改造した特殊車両は、特異な装備をして、車両の形状も異彩を放っていたからである。

 このように第二次大戦中にドイツ軍の大西洋防壁(Atlantikwalls)の地雷原突破のために優秀な地雷掃除戦車を生産したイギリス陸軍、アメリカ陸軍は、残念なことに、戦後のアジア、アフリカ、バルカンにおける内戦/紛争が終了し、埋設地雷の処理が必要になった時期、自国の地雷掃除戦車を1台も貸与しなかった。


9.イギリス戦車 A27L セントー(ケンタウル)ドーザー工作戦車 Centaur Dozer

写真(右)1943年頃、イギリス、イギリス軍A27L セントー(ケンタウル)Centaur Dozer.ドーザー工作戦車ARMOURED FIGHTING VEHICLES, Catalogue number: MH 13993, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM 、 Subject period: Second World War、  Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Laing (Sgt)
Object description: Centaur Dozer.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM(MH 13993)引用。


写真(右)1943年頃、イギリス、イギリス軍A27L セントー(ケンタウル)Centaur Dozer.ドーザー工作戦車:このような有効な地雷掃除戦車を多数開発した西側連合国イギリス、アメリカだったが、戦後のアジア、アフリカ、バルカンで内戦や紛争が終了した時の対応は冷たかった。これらの諸国で、埋設地雷の撤去作業が必要になった時、地雷除去戦車は1台も貸与しなかった。
ARMOURED FIGHTING VEHICLES,Catalogue number: MH 13993, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM 、 Subject period: Second World War、Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Laing (Sgt)
Object description: Centaur Dozer.
写真はイギリス帝国戦争博物館Imperial War Museum登録・IWM(MH 13993)引用。


写真(右)1943年頃、イギリス、イギリス軍A27L セントー(ケンタウル)Centaur Dozer.ドーザー工作戦車 :ARMOURED FIGHTING VEHICLES,Catalogue number: MH 14081, Part of FIGHTING VEHICLE ESTABLISHMENT CHOBHAM 、Subject period: Second World War、Alternative Names: object category: Black and white, Creator: No 5 Army Film & Photographic Unit Laing (Sgt)
Object description: Centaur Dozer.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM(MH 14081)引用。



10.イギリス軍 クロムウェル工作戦車 Cromwell ARV

写真(右)1943年頃、イギリス、斜め前方から見たイギリス軍のクロムウェル工作戦車Cromwell ARV :Mk.VIII クロムウェル巡航戦車 (A27)の砲塔を撤去して軽量化し、牽引力を強化し、最前線での使用を考慮して装甲を残した戦車回収車。西側連合国アメリカが宗国、イギリスは、地雷掃除専用の戦車を多数開発したものの、戦後アジア、アフリカ、バルカンの内戦や紛争終了後に、埋設された地雷の撤去作業が必要になった時、このような地雷掃除戦車を1台も貸与、派遣しなかった。
TANKS AND AFVS OF THE BRITISH ARMY 1939-45、Catalogue number:MH 3665、Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period: Second World War、Alternative Names: object category: Black and white、Object description:Cromwell ARV.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・ IWM (MH 3665)引用。


写真(右)1943年頃、イギリス、斜め後方から見たイギリス軍のクロムウェル工作戦車Cromwell ARV :Mk.VIII クロムウェル巡航戦車 (A27)の砲塔を撤去して軽量化し、牽引力を強化し、最前線での使用を考慮して装甲を残した戦車回収車。
TANKS AND AFVS OF THE BRITISH ARMY 1939-45、Catalogue number:MH 3666、Part of MINISTRY OF SUPPLY (KIDBROOKE) COLLECTION, Subject period: Second World War、Alternative Names: object category: Black and white、Object description:Cromwell ARV.
写真はイギリス帝国戦争博物館 Imperial War Museum登録・IWM (MH 3666)引用。


 イギリスとアメリカは、すでに1939-1945年の第二次世界大戦中に、人員殺傷を目的とする対人地雷Anti-personnel mine)と戦車など車輛破壊を目的とする対戦車地雷Anti-tank mine)を処理する目的で、戦車を改造した特殊地雷処理車両を開発し、量産・配備していた。他方、第二次大戦後、アジア、アフリカ、中東、バルカンで頻発した内戦や紛争で、多数の地雷が埋設され、和平が達成された後、地雷の掃除・処理が必要になった時期、イギリスもアメリカもこのような地雷処理専用車両を開発途上国へは派遣しなかった。先進工業国が、本格的に地雷処理専用車両を開発し、開発途上国における地雷掃除のために派遣するようになったのは、1997年の対人地雷全廃条約Mine Ban Treaty:オタワ条約)が署名されて以降である。


11. 地雷とその撤去

 対人地雷は、地中5〜10cmに埋設し、その信管は0.5〜10kgの圧力が加わると起爆する。対人爆薬量は 20gから200gと様々だが、爆発で直接、あるいは内包した鉄球、破片などを散布し、周囲の将兵、人員を殺傷する。地雷は、当初、金属を材料としていたが、金属探知に反応するのを防ぐために、21世紀には、プラスチック、ベークライトなど金属関知しない材料が使用されている。ただし、点火装置、スプリング、信管の撃針などは、金属製で、100%非金属の地雷はない。

地雷写真(右)ソビエト連邦軍が開発、装備した対人地雷(PMN-2):ソ連製の対人地雷(PMN-2)の諸元
全高: 53 mm、直径: 120 mm、炸薬重量: 100 g TG-40 (RDX/TNT)、総重量: 420 g、信管: MD-9 (stab-sensitive)
PMA-3対人地雷は、アルバニアAlbania, ボスニアBosnia, カンボジアCambodia, チャドChad, チリChile, クロアチアCroatia, コソボKosovo, レバノンLebanon, ナミビアNamibia、ペルーPeruでも使用されている。
Русский: Противопехотная мина ПМН-2 продемонстрированная в День защиты детей в Донецке 原画像データの生成日時 2011年5月29日 (日) 12:18 原典 投稿者自身による作品 作者 English: This picture has been taken by Andrew Butko. Contact infоrmation - e-mail: abutko@gmail.com. Do not copy this image illegally by ignoring the terms of the СС-BY-SA or GNU FDL licenses, as it is not in the public domain. Other photos see here.
写真はWikimedia Commons, Category:Anti-personnel minesFile: 2011. День защиты детей в Донецке 053.jpg引用。


銃、火砲に比較して、地雷の構造は簡単であり、材料の上からも安価に製造、量産可能である。製造するにも、大型機械は必ずしも必要なく、開発途上国の零細工場でも大量生産可能である。対人地雷の価格は、1個当たり1ドルから30ドル程度で、あらゆる場所に普及した。

地雷写真(右)ソビエト連邦軍が開発、装備した対人地雷(PMA-3):地雷本体の湾曲したボックスに破片700個内蔵し、地上に敷設して起爆すると一定方向に破片を散布して50メートル以内の人間を殺傷する。一人が起爆することで、その周辺の将兵まで殺傷できるため、殺傷力が広範囲に及ぶ。最大散布距離は250m。
ソ連製の対人地雷(PMN-2)の諸元
全高: 40 mm、直径: 111 mm、炸薬重量: 35 g Tetryl /TNT、総重量: 0.18 kg
解説 PMA-3 Yugoslavian anti-personnel blast mine (shown upside down). 日付 1996年11月22日 原典 http://www.dodmedia.osd.mil/Assets/2002/Army/DA-SD-02-00190.JPEG US Government image 作者 PFC TRACEY L. HALL-LEAHY 許可 (ファイルの再利用) US Army photo thus public domain US-army. .
写真はWikimedia Commons, Category:Anti-personnel minesFile: 2011. День защиты детей в Донецке 053.jpg引用。


 地雷埋設方法は、
?人力によって地中に埋設あるいはブービートラップとして地上に設置する、
?地雷敷設戦車を使用して地雷を自動埋設し迅速に地雷原を形成する、
?飛行機・ヘリコプターによって空中散布して広範囲に迅速に地雷原を形成する、
という方法がある。

 対人地雷の使用目的は、
?爆発によって辞任を殺傷する、
?人を負傷させその救護に余計な経費・労力上の負担をかける、
?地雷で敵将兵に恐怖心を与え地雷埋設地域・地雷原に侵入させないあるいは地雷原に入らせないことでそこでの経済活動や部隊展開に障害を与える、
ということである。したがって、対人地雷の爆薬を抑えて爆発で致死しないようにして、敵への負荷を強め、恐怖心/経済的打撃を与えることが主眼となる。換言すれば、敵兵を一人殺すよりも、負傷した兵士を救護するために複数の兵士を拘束し、彼らを前線から後方に送還するほうが、敵戦力の削減に繋がると考えられる。

写真(右)ドイツ連邦軍の地雷敷設工兵戦車スコーピオン(Skorpion:蠍) :地雷敷設工兵戦車(Landmine laying)は、短時間に大量の地雷を発見しにくく敷設する車輛で、日本自衛隊の94式地雷敷設車も同類である。
スコーピオン(Skorpion:サソリ) 地雷敷設車の諸元:20個の対戦車地雷を収納した格納塔6基を搭載、 重量12トン、最高時速40 km/h、航続距離500 km
解説 Deutsch: Minenwurfsystem "Skorpion" des 2./ PiBtl 722 in Gera (2004) 原画像データの生成日時 2004年7月3日 (土) 14:55 原典 投稿者自身による作品 作者 Zacke82
写真はWikimedia Commons, Wikimedia Commons>Category:Minenwerfer Skorpion File:Minenwerfer Skorpion 04.JPG引用。


非人道的な効果を有する特定の通常兵器の使用の禁止又は制限については、特定通常兵器使用禁止制限条約Convention on Certain Conventional Weapons: CCW)が1980年に採択、1983年に発効した。その附属議定書1では、破片により傷害を与える目的の兵器の使用を全面禁止し、附属議定書2では、自爆機能を持たない対人地雷およびブービートラップBooby-Traps )の使用と移譲を規制した。

写真(右)ドイツ連邦軍の地雷敷設工兵戦車スコーピオン(Skorpion:蠍) :地雷敷設工兵戦車(Landmine laying)は、短時間に大量の地雷を発見しにくく敷設する車輛で、日本自衛隊の94式地雷敷設車も同類である。
スコーピオン(Skorpion:サソリ) 地雷敷設車の諸元:20個の対戦車地雷を収納した格納塔6基を搭載、 重量12トン、最高時速40 km/h、航続距離500 km
解説 Deutsch: Minenwurfsystem "Skorpion" des 2./ PiBtl 722 in Gera (2004) 原画像データの生成日時 2004年7月3日 (土) 14:45 原典 投稿者自身による作品 作者 Zacke82
写真はWikimedia Commons, Wikimedia Commons>Category:Minenwerfer Skorpion File:Minenwerfer Skorpion 01.JPG引用。


 こうして特定通常兵器使用禁止制限条約Convention on Certain Conventional Weapons: CCW)によって、地雷の部分的使用禁止が可能となった。しかし、?内乱には対人地雷の禁止は適用されない、?探知不可能な地雷を禁止していない、という問題点があった。そこで、NGOの地雷廃絶国際キャンペーンInternational Campaign to Ban Landmines:ICBL)が対人地雷の使用、貯蔵、生産、移譲の全面禁止、すなわち全廃を求める活動を始め、それにカナダ政府も加わって、対人地雷全面禁止に賛同する国際世論が高まった。

写真(右)イギリス陸軍のストーマー地雷敷設工兵戦車(Flatbed Stormer):イギリス陸軍は、1970年代にCVR(T)(Combat Vehicle Reconnaissance:Tracked)規格を定め、装軌式の装甲戦闘車輛を開発した。ストーマーは、イギリス軍が1986年に、地対空ミサイル搭載型、シールダー地雷敷設装置(Shielder minelayer system)搭載型を採用している。重量12.7トン、イギリス連邦加盟国でも採用されている。
解説 VLSMS (véhicule du génie britannique) 原画像データの生成日時 2006年6月12日 (月) 16:09 原典 collection personnelle 作者 davric
写真はWikimedia Commons, Category:Shielder minelaying system File:VLSMS 03.jpg引用。


写真(右)イギリス陸軍のストーマー地雷敷設工兵戦車(Flatbed Stormer):イギリス陸軍は、1970年代にCVR(T)(Combat Vehicle Reconnaissance:Tracked)規格を定め、装軌式の装甲戦闘車輛を開発した。ストーマーは、イギリス軍が1986年に、地対空ミサイル搭載型、シールダー地雷敷設装置(Shielder minelayer system)搭載型を採用している。重量12.7トン、イギリス連邦加盟国でも採用されている。
解説 VLSMSVLSMS (véhicule du génie britannique) 原画像データの生成日時 2006年6月12日 (月) 16:05 原典 collection personnelle 作者 davric
写真はWikimedia Commons, Category:Shielder minelaying system File:VLSMS 02.jpg引用。


 対人地雷禁止条約のためのプロセスは、特定通常兵器使用禁止制限条約Convention on Certain Conventional Weapons: CCW)の付属議定書を発展させる形で、カナダ政府と地雷廃絶国際キャンペーンInternational Campaign to Ban Landmines:ICBL)の主導で、1996年10月にオタワの国際会議で始まった。これが「オタワ・プロセス」で、これを通じて対人地雷禁止条約(オタワ条約)すなわち「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」の草案が完成し、1997年12月のオタワでの署名式、1999年3月1日の発効に漕ぎつけた。

写真(右)2015年10月23日、スペイン、サングレゴリオ演習場で、NATO合同演習「トライデント」に参加し、地雷撤去訓練を行うドイツ連邦軍のM48A2ケイラー(Keiler:イノシシ) 地雷除去(Mine Clearing)工兵戦車:2015年NATO合同演習「トライデント」には 3万6,000名の兵士が30カ国から参加した。ケイラー(Keiler:イノシシ) 地雷除去(Mine Clearing)戦車は、ドイツの老舗兵器メーカーのラインメタル(Rheinmetall)が、アメリカ陸軍のM48パットン(Patton)中戦車の車体をベースに開発した特殊車両。車体前面の回転ローラーに連動するチェーン(鎖:クラブ・フライル)の衝撃で敷設された地雷を起爆し破壊する。地雷の爆発の衝撃は大きいため、地雷処理車輛は防御力に優れた頑丈な構造な戦車が母体となっている。
ケイラー(Keiler:イノシシ) 地雷除去戦車の諸元: 重量:53 トン、全長:10.7 m、全幅:6.35 m 、全高:3.76 m 、乗員:2名、発動機:Motoren und Turbinen Union(MUT:マイバッハ) ディーゼルエンジンMB 871 Ka 501 986 hp、懸架装置:トーションバー(torsion-bar)、航続距離: 600km、最高時速: 50km 
Description German Mountain Engineers mine clearing tank "Keiler" on its way to clear the minefield at San Gregorio training area, Spain on October 23, 2015 during Trident Juncture 15. (Photo: A.Markus EKT CJOPCOMMTF) Date 23 October 2015, 09:17 Source DEU Mountain Engineers mine clearing tank "Keiler" on its way to clear the minefield, Trident Juncture 15 Author Allied Joint Force Command Brunssum
写真はWikimedia Commons, Wikimedia Commons>Category:Keiler mine flail tank File:DEU Mountain Engineers mine clearing tank "Keiler" on its way to clear the minefield, Trident Juncture 15 (22247738160).jpg引用。


写真(右)2006年6月、ドイツ連邦軍のM48A2ケイラー(Keiler:イノシシ) 地雷除去工兵戦車:車体前面の回転ローラーに連動するチェーン(鎖:クラブ・フライル)の衝撃で敷設された地雷を起爆し破壊するが、この装置を展開すると、重心バランスが前方に偏ってしまうために、側方に折りたたんで格納することができる。
Description Deutsch: Minenrüumpanzer KEILER in Marschstellung, Seitenansicht von rechts. Date 8 June 2006 Source Own work Author Sonaz
写真はWikimedia Commons, Wikimedia Commons>Category:Keiler mine flail tank File:Mine Clearing System KEILER 2.jpg引用。


 地雷廃絶国際キャンペーンInternational Campaign to Ban Landmines:ICBL)はアメリカで1992年に設立されたNGOで、1997年には,世界60カ国で、1,000以上の組織で活動しているが、この1997年にノーベル平和賞Nobel Peace Prize 1997)を授与されている。

写真(右)2013年1月13日、日本、千葉県、習志野演習場、陸上自衛隊東部方面ヘリコプター隊UH-1Jヘリに搭載された87式地雷散布装置:自衛隊は、短時間で地雷を敷設するために、ヘリコプターに搭載して地雷を空中散布できる87式地雷散布装置)を開発した。採用は1987年。各種ヘリコプターの左右側面に1基ずつ搭載できる87式地雷散布装置は、低空飛行で内装した87式ヘリコプター散布対人地雷または87式ヘリコプター散布対戦車地雷を空中散布し、前進する敵部隊前方へ、短時間で障害を構築する。1981年から富士重工が開発をはじめ、1987年に制式化された。87式地雷散布装置は、 UH−1Jなど多用途ヘリコプターの機体左右に搭載して、超低空で飛行しながら地雷を放出・散布を行う。片側1基に18個の地雷を収納、散布に使用する地雷は装置専用に開発された87式ヘリコプター散布対戦車地雷。 対人地雷は対人地雷禁止条約に日本も入った事で、2003年に破棄されたため、それ以降は散布地雷は全て対戦車地雷で、 散布作業は全て機内から操作する。
Description JGSDF UH-1J & Type87 mine dispenser.Taken by Los688,in Narashino,Japan,at 13-Jan-2013,JGSDF 1st Airborne Brigade 2013 first drop manuver.PD-self Date 13 January 2013 Source my own work Author Los688
写真はWikimedia Commons, Category:JGSDF Type87 Mine dispenser File:JGSDF UH-1J & Type87 mine dispenser 20130113.jpg引用。


写真(右)2013年1月10日、日本、千葉県、習志野演習場、陸上自衛隊東部方面ヘリコプター隊UH-1Hヘリ(機体番号41706号)に搭載された87式地雷散布装置:散布装置の格納容器の蓋が開いており、内部に地雷放出筒が見える。自衛隊の87式地雷散布装置は、87式ヘリコプター散布対人地雷または87式ヘリコプター散布対戦車地雷を搭載し、空中散布、敷設し、短時間で広範囲に地雷原を形成することができる。1個の格納容器に87式ヘリコプター散布対戦車地雷18個を搭載、左右各1基で合計地雷36個を装填、空中から短時間で敷設できる。地雷は、円筒状の容器に一つずつ収納されており、この下部に開けられた放出口から投下する。1998年に対人地雷全廃条約が発効、87式ヘリコプター散布対人地雷は、2003年までに廃棄された。
87式地雷散布装置諸元
散布容器全長 2,610mm 、全幅 470mm(散布容器)、全高 約570mm(散布容器) 全備重量 700kg、 開発: 富士重工、 製造: 富士重工|石川製作所。
Description JGSDF UH-1H & Type87 mine dispenser.Taken by Los688,in Narashino,Japan,at 10-Jan-2010,JGSDF 1st Airborne Brigade 2010 first drop manuver.PD-self Date 10 January 2010 Source my own work Author Los688
写真はWikimedia Commons, Category:JGSDF Type87 Mine dispenser File:JGSDF UH-1J & Type87 mine dispenser 20130113.jpg引用。


埋設された地雷やブービートラップBooby-Traps )を掃除し安全地帯を形成するには、?人間による地雷探知・除去あるいは爆破による地雷処理、?地雷処理専用車両による地雷原の地雷爆破処理、の二つがある。
 人間が地雷の探知をするには、棒の先に取り付けた金属探知機、ナイフ、長い棒などの接触感覚が用いられ、探知した地雷を、盛りだして撤去するか、安全な距離から爆破し処理するかされる。地雷処理機による場合は、地雷を機械で起爆させて爆破処理する方法が採用されているが、地雷やブービートラップBooby-Traps )のある場所が分からなければ、効率が悪い。


Booby Trap - Designed to Kill and Destroy - History Documentary Film

地雷写真(右)1970年代からユーゴスラビア製プラスチック製の指向性破片散布式対人地雷MRUD(Mina Rasprskavajućeg Usmerenog Dejstva)。地雷本体を金属探知機にかからないようにプラスチック製とし、爆発時に周囲に破片を散布して多数の人員を殺傷することを目的とした対人地雷。
Description A close up view of a Former Yugoslavia MRUD ANTI-PERSONNEL MINE (back side view). Date 22 November 1996 Source Television-Audio Support Activity (T-ASA) Author PFC Tracey L. Hall-Leahy Permission (Reusing this file) Public Domain (PD-USGov-Military).
写真はWikimedia Commons, Category:Claymore minesFile: MRUD.JPEG引用。


埋設した地雷が撤去されにくいように、掃除を妨害するための仕掛け、すなわち地雷除去妨害装置Anti-disturbance Devices)や地雷処理誘爆装置Anti-handling device)が、地雷に内蔵されたり、付着されたりする場合も少なくない。これは、次のような誘爆を起こさせる信管である。

1)傾斜起爆装置:敷設地雷を除去しようと傾けると起爆装置に点火、信管が作動して爆発する。
2)磁力起爆装置:敷設地雷を捜索する地雷探知器(金属探知器)が発生している磁気・磁場に信管が反応して起爆する。
3)電気切断起爆装置:地雷を起爆させる電気回路、例えばワイヤーの切断、バッテリーの絶縁に信管が反応し起爆する。
4)光反応起爆装置:光に反応する電気式信管を備え、埋設してある地雷を掘り出し、日光に当たると起爆する。

地雷写真(右)アメリカ軍の指向性破片散布式対人地雷M18 クレイモア(M18 Claymore):地雷本体の湾曲したボックスに破片700個内蔵し、地上に敷設して起爆すると一定方向に破片を散布して50メートル以内の人間を殺傷する。一人が起爆することで、その周辺の将兵まで殺傷できるため、殺傷力が広範囲に及ぶ。最大散布距離は250m。
幅:21.6センチ、奥行き:3.5センチ、高さ:8.3センチ、重量:1.6キログラム
Description A drawing of an M18 Claymore mine (original not later more common M18A1) from a US army document via ORDATA Date Unknown Source ordata online Author US Army image - thus PD.
写真はWikimedia Commons, Category:Claymore minesFile: M18 claymore US army drawing.png引用。


 攻撃対象が定まっている他の兵器に比較して、対人地雷Anti-personnel mines)は相手を選ばないという無差別性が強い。戦時中、対人地雷が埋められた兵士しか近寄らない最前線や軍事基地も、戦後も民間人の経済活動や占領軍の行動に悪影響を与える。大人と子供にも区別なく作動する対人地雷は、非人道的兵器といえる。そこで、NGO主導で対人地雷禁止の活動が展開され、1997年対人地雷禁止条約対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約)ができ、日本でも第143回国会(1998年9月30日)に参議院で投票総数232、賛成232、反対票0で可決された。


Land Mines (The History)

1997 The Convention on the Prohibition of the Use, Stockpiling, Pouduction and Transfer of Anti-Personnel Mines and on their Destruction
1997年対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約(オタワ条約)


前文
締約国は、毎週数百人の人々、主として罪のないかつ無防備な文民、特に児童を殺し又はその身体に障害を与え、経済の発展及び再建を妨げ、難民(Refugees)及び国内の避難民IDPs: Internally Displaced Persons)の帰還を阻止しその他の深刻な結果をその敷設後長年にわたってもたらす対人地雷によって引き起こされる苦痛及び犠牲を終止させることを決意し、
世界各地に敷設された対人地雷を除去するという目標に取り組み及びこれらの対人地雷の廃棄を確保することに効果的なかつ調整の図られた方法で貢献するために全力を尽くすことが必要であると確信し、
地雷による被害者の治療及びリハビリテーション(社会的及び経済的復帰を含む。)に係る援助の提供に全力を尽くすことを希望し、
対人地雷の全面的禁止は信頼の醸成についての重要な措置にもなることを認識し、
過度に傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の禁止又は制限に関する条約(特定通常兵器使用禁止制限条約:Convention on Certain Conventional Weapons)に附属する千九百九十六年五月三日に改正された地雷ブービートラップ及び他の類似の装置の使用の禁止又は制限に関する議定書の採択を歓迎し、また、同議定書を締結していないすべての国による同議定書の早期の締結を要請し、
また、対人地雷Anti-Personnel Mines )の使用、貯蔵、生産及び移譲を禁止する国際的な合意であって、効果的なかつ法的拘束力のあるものを精力的に追求するようすべての国に要請している千九百九十六年十二月十日の国際連合総会決議第四十五S号(第五十一回会期)を歓迎し、
更に,対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲を禁止し、制限し又は停止するためにこの数年間にわたって、一方的に及び多数国間においてとられた措置を歓迎し、
対人地雷の全面的禁止の要請に示された人道の諸原則の推進における公共の良心の役割を強調し、また、このために国際赤十字赤新月運動、「地雷廃絶国際キャンペーン」その他の世界各地にある多数の非政府機関が行っている努力を認識し、
対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲を禁止する国際的なかつ法的拘束力のある合意について交渉することを国際社会に要請している千九百九十六年十月五日のオタワ宣言及び千九百九十七年六月二十七日のブラッセル宣言を想起し、
すベての国によるこの条約への参加を奨励することが望ましいことを強調し、また、すべての関連する場、特に国際連合、軍縮会議、地域的機関及び集団並びに過度に傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる過度に傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の禁止又は制限に関する条約(:Convention on Certain Conventional Weapons)の検討のための会議において、この条約の普遍化を促進するために精力的に努力することを決意し、
武力紛争の当事者が戦闘の方法及び手段を選ぶ権利は無制限ではないという国際人道法の原則、武力紛争においてその性質上過度の傷害又は無用の苦痛を与える兵器、投射物及び物質並びに戦闘の方法を用いることは禁止されているという原則並びに文民と戦闘員とは区別されなければならないという原則に立脚して、
次のとおり協定した。

地雷写真(右)グルジア(ジョージア)共和国の国家軍事科学技術センター(State Military Scientific-Technical Center “Delta” :SMSTC Delta) が開発した対人地雷除去機:ソビエト連邦だったグルジア共和国は、1989年、東西冷戦が終結し、ゴルバチョフの始めたぺレストロイカの中で、独自の民族色を強め、ソ連崩壊に伴って1991年に独立し、翌年から元ソ連外務大臣のエドゥアルド・シェワルナゼの指導の下に置かれた。2008年8月、ジョージア軍と南オセチア軍の軍事衝突に、ロシア連邦が軍事介入したために、ロシアとの間に武力衝突が発生した。一時は停戦までこぎつけたが、ロシアが南オセチアの一方的独立を支持したために、ジョージアとロシアとの国交は断絶した。2015年4月以降、国名を「グルジア」から「ジョージア」へ変更。
:解説 English: Armored demining vehicle 日付 2014年12月22日, 17:04:39 作者 delta.gov.ge
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Category:Military products of STC DELTA Armored demining vehicle STC Delta (Georgia).jpg引用。


地雷写真(右)キャスパー(Casspir)地雷除去装甲車:地雷を誘爆させる鉄製タイヤを装備。キャスパー(Casspir)は、南アフリカ共和国で開発・生産された四輪の地雷耐久指揮装甲兵員輸送車で、これをベースとして地雷撤去装甲車が開発された。キャスパー装甲兵員輸送車は、地雷起爆時に爆風を避けるように車体がV字底となっており、車体の周囲も地雷の爆発や破片が貫通しないように装甲が施されている。また、トランスミッションに損傷があった場合も、部品交換が容易に行える設計を取り入れている。
解説 English: Mine clearing vehicles in Afghanistan. The text VATI KAKI on the side of the vehicle is Afrikaans slang meaning Don't take shit 日付 2004年6月10日 10:26 PM EDT 作者 U.S. Military staff
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Category:Demining in the War in Afghanistan (2001-2014) Mine clearing vehicles in Afghanistan.jpg引用。


第一条 一般的義務
1 締約国は、いかなる場合にも、次のことを行わないことを約束する。
(a) 対人地雷を使用すること。
(b) 対人地雷を開発し、生産し、生産その他の方法によって取得し、貯蔵し若しくは保有し又はいずれかの者に対して直接若しくは間接に移譲すること。
(c) この条約によって締約国に対して禁止されている活動を行うことにつき、いずれかの者に対して、援助し、奨励し又は勧誘すること。
2 締約国は、この条約に従ってすべての対人地雷を廃棄し又はその廃棄を確保することを約束する。

第二条 定義
1 「対人地雷」とは、人の存在、接近又は接触によって爆発するように設計された地雷であって、一人若しくは二人以上の者の機能を著しく害し又はこれらの者を殺傷するものをいう。人ではなく車両の存在、接近又は接触によって起爆するように設計された地雷で処理防止のための装置を備えたものは、当該装置を備えているからといって対人地雷であるとはされない。
2 「地雷」とは、土地若しくは他の物の表面に又は土地若しくは他の物の表面の下方若しくは周辺に敷設されるよう及び人又は車両の存在、接近又は接触によって爆発するように設計された弾薬類をいう。
3 「処理防止のための装置」とは、地雷を保護することを目的とする装置であって、地雷の一部を成し若しくは地雷に連接され若しくは取り付けられ又は地雷の下に設置され、かつ、地雷を処理その他の方法で故意に妨害しようとすると作動するものをいう。
4 「移譲」とは、対人地雷が領域へ又は領域から物理的に移動し、かつ、当該対人地雷に対する権原及び管理が移転することをいう。ただし、対人地雷の敷設された領域の移転に伴って生ずるものを除く。
5 「地雷敷設地域"Mined area")」とは、地雷の存在又は存在の疑いがあることにより危険な地域をいう。

地雷写真(右)第二次世界大戦中、ソビエト軍が開発した対人地雷 POMZ-2:第二次世界大戦中、ソビエト軍が使用した対人地雷 POMZ-1を改良したのがPOMZ-2 対人地雷。ブービートラップとして使用するときには、写真上部の紐を展開し、敵兵士が、この紐に引っかかると、信管が起動、炸裂する。
POMZ-2 対人地雷の諸元; 全長:130 mm、信管:MUV-type、炸薬:75g TNT、直径:60 mm。1997年対人地雷全廃条約には、世界の8割の国が参加しているが、アメリカ、ロシア、中国、インド、韓国、北朝鮮など大国や休戦地域の国は参加していない。これらの国々は、対人地雷を大量に敷設し、貯蔵しており、世界の対人地雷の約8割が、これらの条約未加盟国の保有になる。対人地雷の廃絶には、こうした未加盟国の参加が不可欠である。
解説 Deutsch: PMR-2 原画像データの生成日時 2010年9月14日 (火) 13:58 原典 投稿者自身による作品 作者 MoserB
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Category:POMZ PMR-2.jpg引用。


地雷写真(右)スリランカ内戦で、1999年から反政府軍の「タミル解放のトラ」(Liberation Tigers of Tamil Eelam:LTTE)が使用した破片散布式対人地雷ランガン99(Rangan 99 :Jony99) :破片散布式対人地雷ランガン99は、パキスタン軍が使用した対人地雷 P4 MK1をコピーしたもの。この写真は、スリランカ北部、GN(Grama Niladhari)地区マルハマドゥ(Maruthamadu)でデンマークの地雷撤去グループが掘り起こし除去した地雷。
Description English: This is a photo of Jony 99 also known as Rangan 99 Anti personal mine. This photograph was taken at DDG - Danish Demining Group in Maruthamadu GN division close to Omantai Checkpoint storage pit. Date 10 January 2012 Source Own work Author ??????
写真はWikimedia Commons, Category:Weapons of Sri LankaFile: Jony99.JPG引用。


第三条 例外
1 第一条の一般的義務にかかわらず、地雷の探知、除去又は廃棄の技術の開発及び訓練のための若干数の対人地雷の保有又は移譲は、認められる。その総数は、そのような開発及び訓練のために絶対に必要な最少限度の数を超えてはならない。
2 廃棄のための対人地雷の移譲は、認められる。

第四条 貯蔵されている対人地雷の廃棄
締約国は、前条に規定する場合を除くほか、自国が所有し若しくは占有する又は自国の管轄若しくは管理の下にあるすべての貯蔵されている対人地雷につき、この条約が自国について効力を生じた後できる限り速やかに、遅くとも四年以内に、廃棄し又はその廃棄を確保することを約束する。

第五条 地雷敷設地域における対人地雷の廃棄
1 締約国は、自国の管轄又は管理の下にある地雷敷設地域におけるすべての対人地雷につき、この条約が自国について効力を生じた後できる限り速やかに、遅くとも十年以内に、廃棄し又はその廃棄を確保することを約束する。
2 締約国は、自国の管轄又は管理の下にあり、かつ、対人地雷が敷設されていることが知られ又は疑われているすべての地域を特定するためにあらゆる努力を払うものとし、自国の管轄又は管理の下にある地雷敷設地域 におけるすべての対人地雷につき、当該地雷敷設地域におけるすべての対人地雷が廃棄されるまでの間文民を効果的に排除することを確保するためこれらの地域の外縁を明示し並びにこれらの地域を監視し及び囲いその他の方法によって保護することをできる限り速やかに確保する。その外縁の表示は、少なくとも、過度に傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の使用の禁止又は制限に関する条約に附属する千九百九十六年五月三日に改正された地雷、ブービートラップBooby-Traps)及び他の類似の装置の使用の禁止又は制限に関する議定書に定める基準に従ったものとする。
3 締約国は、1のすべての対人地雷について1に規定する期間内に廃棄し又はその廃棄を確保することができないと認める場合には、当該対人地雷の廃棄の完了の期限を最長十年の期間延長することについて締約国会議又は検討会議に対して要請を行うことができる。

第六条 国際的な協力及び援助
1 締約国は、この条約に基づく義務を履行するに当たり、実現可能な場合には、可能な限りにおいて他の締約国の援助を求め及び受ける権利を有する。
2 締約国は、この条約の実施に関連する装置、資材並びに科学的な及び技術に関する情報を可能な最大限度まで交換することを容易にすることを約束するものとし、また、その交換に参加する権利を有する。締約国は、地雷の除去のための装置及び関連する技術に関する情報の人道的目的のための提供に関して不当な制限を課してはならない。
3 締約国は、可能な場合には、地雷による被害者の治療、リハビリテーション並びに社会的及び経済的復帰並びに地雷についての啓発計画のための援助を提供する。この援助は、特に、国際連合及びその関連機関、国際的、地域的若しくは国の機関、赤十字国際委員会、各国の赤十字社及び赤新月社、国際赤十字・赤新月社連盟、若しくは非政府機関を通じて又は二国間で提供することができる。
4 締約国は、可能な場合には、地雷の除去及び関連する活動のための援助を提供する。この援助は、特に、国際連合及びその関連機関、国際的若しくは地域的機関若しくは非政府機関を通じて、二国間で又は「地雷の除去を援助するための任意の国際連合信託基金」若しくは他の地雷の除去に対処する地域的な基金に拠出することによって提供することができる。
5 締約国は、可能な場合には、貯蔵されている対人地雷の廃棄のための援助を提供する。
6 締約国は、国際連合及びその関連機関に設置される地雷の除去に関するデータベースに対して情報(特に、地雷の除去のための各種の方法及び技術に関する情報並びに地雷の除去に関する専門家、専門的な機関又は自国の連絡先の名簿)を提供することを約束する。
7 締約国は、国際連合、地域的機関、他の締約国その他適当な政府間又は民間の場に対し、特に次の事項を定める地雷除去計画の策定に当たって自国の当局への援助を要請することができる。
(a) 対人地雷に関する問題の程度及び範囲
(b) 当該地雷除去計画 の実施に必要な資金、技術及び人的資源
(c) 自国の管轄又は管理の下にある地雷敷設地域におけるすべての対人地雷の廃棄のために必要であると見込まれる年数
(d) 地雷による傷害又は死亡の発生を減少させるための地雷についての啓発活動
(e) 地雷の被害者への援助
(f) 自国の政府と当該地雷除去計画の実施に当たる政府機関、政府間機関又は非政府機関との関係
8 この条の規定により援助を提供する締約国及び当該援助を受ける締約国は、合意された援助計画の完全かつ迅速な実施を確保するために協力する。

第七条 透明性についての措置
1 締約国は、次の事項につき、国際連合事務総長(Secretary-General of the United Nations)に対し、この条約が自国について効力を生じた後できる限り速やかに、遅くとも百八十日以内に報告する。
3 国際連合事務総長(Secretary-General of the United Nations)は、受領した報告のすべてを全締約国に送付する。

地雷写真(右)ロシア軍の指向性破片散布式対人地雷MON-100 (МОН-100) :英語では、”MON-100 Direction Anti-Personnel Mine”と、中国語では「MON100定向反歩兵地雷」と呼ぶ。地雷本体の円形の凹面型ボックスに破片450個を内蔵し、地上に敷設して起爆すると一定方向に100メートル破片を散布して人間を殺傷する。一人が起爆することで、その周辺の将兵まで殺傷できるため、殺傷力が広範囲に及ぶ。
重量:5000g、形状:円錐形、直径:22mm、破片(鋼鉄珠)450個、最大殺傷半径:100メートル
解説 Polski: Sowiecka mina przeciwpiechotna MON-100 ORDATA is a US Government database of EOD - thus PD. Source maic.jmu.edu Author wikidata:Q4233718 .
写真はWikimedia Commons, Category:MON-100File: MON-100 3 (ORDATA).jpg引用。


地雷写真(右)ロシア軍の破片散布跳躍式対人地雷(OZM-3)。地雷本体に破片700個内蔵し、地上に敷設して起爆すると、地表から跳躍し、高さ1.5mで爆発し、周囲に破片を散布し広範囲の人間を殺傷する。地表から高いところで爆発することで、起爆した本人だけでなく、周辺の将兵まで殺傷できるため、殺傷力が広範囲に及ぶ。
直径Diameter: 7.6 cm、高さHeight: 13 cm、重量weight: 3.2 kg、破片散布Fragmentation c TNT
Polski: Sowiecka mina przeciwpiechotna OZM-3 日付 原典 ordata online 作者 不明wikidata:Q4233718 許可(ファイルの再利用) ORDATA is a US Government database of EOD - thus PD.
写真はWikimedia Commons Category:Claymore mines File: OZM-3 3 (ORDATA).jpg引用。


第八条 遵守の促進及び遵守についての説明
1 締約国は、この条約の実施に関して相互に協議し及び協力し並びに締約国がこの条約に基づく義務を履行することを促進するために協調の精神に基づいて協力することを合意する。

第九条 国内の実施措置
締約国は、この条約によって締約国に対して禁止されている活動であって、自国の管轄若しくは管理の下にある者によるもの又は自国の管轄若しくは管理の下にある領域におけるものを防止し及び抑止するため、立法上、行政上その他のあらゆる適当な措置(罰則を設けることを含む。)をとる。

第十条 紛争の解決
1 締約国は、この条約の適用又は解釈に関して生ずる紛争を解決するため、相互に協議し及び協力する。締約国は、締約国会議に当該紛争を提起することができる。
2 締約国会議は、適当と認める手段(あっせんを提供すること、紛争当事国である締約国に対し当該締約国が選択する解決のための手続を開始するよう要請すること及び合意された手続に従って解決するための期限を勧告することを含む。)により、紛争の解決に貢献することができる。

第十一条 締約国会議
1 締約国は、この条約の適用又は実施につき次の事項を含む問題を検討するために定期的に会合する。

第十二条 検討会議
1 検討会議は、この条約の効力発生の五年後に国際連合事務総長(Secretary-General of the United Nations)が招集する。その後の検討会議は、一又は二以上の締約国の要請があった場合には、検討会議の間隔をいかなる場合にも五年以上とすることを条件として、国際連合事務総長が招集する。この条約のすべての締約国は、検討会議に招請されるものとする。

地雷写真(右)1970年代後半から、ソビエト連邦軍が使用しいた空中散布式対人地雷(PFM-1)対人地雷PFM-1(Butterfly landmine)本体はプラスチック類で成形されており、液体爆薬を起爆薬とし、時限式信管が装着されている。作動開始は、安全装置を解除してから40分後なので、その間に空中から散布することもできる。形状は羽根型で、空中散布した時に空気抵抗によって、地表表面に安定的に着地し、衝撃による穴など地雷散布の痕跡を残さない。また、地雷には散布場所に適した迷彩塗装が施されている。信管は5kgの圧力で起爆する。
重量:75g、 内容物:37g VS6-D or VS-60D液体爆薬、信管:MVDM/VGM-572、全長:120mm 全幅:20mm、全高:61mm、起爆圧力:5kg。
Deutsch: PFM-1 + Abwurfbox 日付 2010年10月14日 原典 投稿者自身による作品 作者 MoserB .
写真はWikimedia Commons, Category:OMAR Land Mine MuseumFile: PFM-1 + Abwurfbox.jpg引用。


地雷写真(右)1970年代後半から、ソビエト連邦軍が使用していた空中散布式対人地雷(PFM-1)対人地雷PFM-1(Butterfly landmine)の形状は、プラスチック類で蝶のような形状で、空中で散布されると空気抵抗が大きく、75グラムと軽量なために蝶のように舞いながら落下する。そこで、バタフライと呼称された。安全装置を解除して40分間は、信管は作動しないので、その間に、ヘリコプターなどから空中散布したのである。地表表面に安定的に着地し、衝撃による穴など地雷散布の痕跡を残さない。また対人地雷PFM-1(Butterfly landmine)には散布場所に適した迷彩塗装が施されている。信管は5kgの圧力で起爆する。
重量:75g、 内容物:37g VS6-D or VS-60D液体爆薬、信管:MVDM/VGM-572、全長:120mm 全幅:20mm、全高:61mm、起爆圧力:5kg。
解説:Russian "butterfly" mines 日付 2008年10月21日, 12:31 原典 Russian "Butterfly" mines Uploaded by Mangostar 作者 Carl Montgomery.
写真はWikimedia Commons, Category: OMAR Land Mine Museum File: PFM-1 + Abwurfbox.jpg引用。


第十四条 費用
1 締約国会議、締約国特別会議、検討会議及び改正会議の費用については、適切に調整された国際連合の分担率(2016-18年アメリカ22.0%、日本10.833%、中国5.148%、ドイツ7.141%、フランス5.593%、イギリス5.179%、ブラジル2.934%、イタリア4.448%、ロシア2.438%、カナダ2.984%)に従い、締約国及びこれらの会議に参加するこの条約の締約国でない国が負担する。
2 第七条及び第八条の規定により国際連合事務総長(Secretary-General of the United Nations)が要する費用並びに事実調査使節団の費用は、適切に調整された国際連合の分担率(2017年アメリカ22.0%、日本9.68%、中国7.921%、ドイツ6.389%、フランス4.859%、イギリス4.463%、ブラジル3.823%、イタリア3.748%、ロシア3.088%、カナダ2.921%)に従って締約国が負担する。
第十五条 署名
千九百九十七年九月十八日にノールウェーのオスロで作成されたこの条約は、千九百九十七年十二月三日及び四日にカナダのオタワにおいて並びに千九百九十七年十二月五日からその効力発生までの期間はニュー・ヨークにある国際連合本部(Headquarters of the United Nations)においてすべての国による署名のために開放しておく。

地雷写真(右)フィンランド国防軍の開発した地雷除去機「ライウス」Sisu RA-140 DS: 1990年に設計完了、1994-2001年にかけて、全部で41両が生産された。ユーゴスラビア(Yugoslavia)のボスニアで、国連による地雷撤去作業に投入されたが、問題があったため、デンマーク軍の地雷除去機(Hydrema 910 MCV)と交代した。
:解説 English: Sisu RA-140 DS "Raisu" demining vehicle of Finnish Defence Forces in Lutakko, Jyväskylä Finland日付 2013年4月27日, 13:58:17 原典 投稿者自身による作品 作者 Antti Leppänen
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Category:Sisu military vehicles Sisu RA-140 DS demining vehicle of Finnish Defence Forces.JPG引用。


1997年対人地雷禁止条約オタワ条約)は、対人地雷の使用、貯蔵、生産、移譲を全面的に禁止し、貯蔵地雷を4年以内に廃棄し、埋設地雷を10年以内の除去することを義務付ける対人地雷全廃条約対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」であり、同時に、地雷除去、被害者支援についての国際協力・援助を規定している。

オタワ条約の締約国は、日本を含む122ヵ国から始まり、2017年4月現在、162ヵ国も参加している。つまり、全世界の8割以上の国々が対人地雷全廃条約を締約し、未加盟国は、アメリカ、ロシア、中国、インドなど35ヵ国である。

地雷掃除も進展し、対人地雷全廃条約の締約国では、貯蔵されていた5,100 万個の対人地雷が廃棄された。その結果、対人地雷全廃条約締約の発効時期の1999年、世界に推定1億6000万個あった対人地雷は、2017年初頭では5,000万個まで減少したと考えられる。

地雷写真(右)イギリス軍の開発した地雷除去機 Aardvark JSFU (Joint Service Flail Unit) :乗員Crew 1+1、装甲Armour 防弾ガラス56 mm厚、二重底構造、エンジン ターボスーパーチャージャー式ディーゼルエンジン160馬力、トランスミッション(Transmission)4速4段ギア式。地雷撤去装置(Flail System): チェーン72本、衝撃球 66 個装備。地雷だけでなく、仕掛け爆弾や落とし穴などブービートラップbooby trap)を誘爆したり破壊したりして危険地帯を安全地帯に変える。
解説 English: A French Army 17th Engineering Regiment Aardvark Joint Services Flail Unit (JSFU) is used to clear a possible mine field in Butmir, Bosnia-Herzegovina during Operation Joint Endeavor. 日付 1997年2月22日 原典 http://www.defenseimagery.mil; VIRIN: 970222-N-6676W-001 作者 PHAN Charles L. Withrow
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Category:Landmines in Bosnia and Herzegovina Aardvark demining vehicle.JPEG引用。


UNHCRによれば、難民refugees) とは「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義されている。

地雷写真(右)2014年頃、国連 PKO 局地雷対策サービス部(United Nations Mine Action Service :UNMAS)が支援するアフガニスタンでの地雷除去の訓練:脇の2名は、地雷探知、除去の様子をヘルメットを着けずに見分している。
国連 PKO 局地雷対策サービス部(UNMAS)は、地雷問題に対処するために,国連一部局として1997年に設立され18カ国で地雷掃除をしている。
国連 PKO 局地雷対策サービス部The United Nations Mine Action Service :UNMAS)は職員176 名、うち日本人8名(2015 年)。
De-miners at work in Afghanistan. Photo: UNAMA/Fraidoon Poya.
写真はUNAMA) Armored demining vehicle STC Delta (Georgia).jpg引用。


地雷写真(右)2014年頃、国連 PKO 局地雷対策サービス部(United Nations Mine Action Service :UNMAS)が支援する南スーダンにおける地雷撤去活動訓練:1997年の対人地雷禁止条約を契機に設立された国連 PKO 局地雷対策サービス部(UNMAS)は、18カ国で地雷掃除をしている。
国連 PKO 局地雷対策サービス部The United Nations Mine Action Service :UNMAS)の活動は、次の通り。
1. 国連組織内の地雷対策活動を調整。 2.地雷除去や地雷回避教育等の地雷対策を実施。 3.国連の地雷対策支援信託基金を管理・運営。 4. 地雷対策安全・技術基準の策定 5. 地雷対策支援のアドボカシー活動。
The UN Mine Action Service (UNMAS) carries out mechanical and manual demining exercises in Torit, South Sudan. UN Photo/Martine Perret.
写真はUNAMA) Armored demining vehicle STC Delta (Georgia).jpg引用。


地雷写真(右)1997年1月、アンゴラ、国連 PKO 局地雷対策サービス部(United Nations Mine Action Service :UNMAS)に同行したイギリス皇太子夫人プリンセス・ダイアナ妃:国連 PKO 局地雷対策サービス部(UNMAS)は、地雷問題に対処するために,国連一部局として1997年に設立され18カ国で地雷掃除をしている。
Building the Momentum for the AP Mine Ban Convention, 1996-1997 The image of Princess Diana walking through a minefield in Angola in January 1997 , wearing a suit of protective clothing alongside her subsequent campaigning on the issue and her visit to minefields in Bosnia just a few weeks before her death, helped to create the momentum that led to the adoption of the Anti-Personnel Mine Ban Convention in December the same year. (Martin Barber, Blinded by Humanity, p. 148)​ 2012年、日本は国連 PKO 局地雷対策サービス部United Nations Mine Action Service :UNMAS)に830万ドルの人道支援の実施を決定した。この目的は、多数の地雷が敷設されているアフガニスタン,スーダン,ソマリア,コンゴ民主共和国において,地雷除去及び地雷危険回避教育を支援し、平和な生活を回復することである。
UNMAS provides direct support and assistance to 18 countries/territories/missions including Afghanistan, Central African Republic (MINUSCA), Colombia, Cote d'Ivoire (UNOCI), Cyprus (UNFICYP), Democratic Republic of Congo (MONUSCO), Haiti (MINUSTAH), Lebanon (UNIFIL), Libya (UNSMIL), Mali (MINUSMA), Palestine, Somalia (UNSOA) (UNSOM), Sudan, Abyei (UNISFA), Darfur (UNAMID), South Sudan (UNMISS), Syria, Western Sahara (MINURSO), as well as rapid response and technical support.
写真はThe United Nations Mine Action Service (UNMAS) Together for mine action; a multilateral success story Lying dormant until triggered by a victim and intended to incapacitate, landmines spread terror, maim civilians and render vast tracks of land unusable. 引用。


 しかし、一般的には、政治や迫害を理由にした難民には限定ぜず、政治的な迫害、武力紛争や人権侵害などを逃れるために国境を越えて他国に庇護を求めた人々を指す。 また、外国に避難するだけでなく、住み家を追われて、避難し、国内にとどまっている場合、国境を越えずに避難生活を送っている場合もあり、彼らを、国内避難民Internally Displaced Persons:IDPs) と呼び、広い意味での難民と認めている。このような人々も、難民と同様に外部からの援助なしには生活できない。適切な援助が実施できなかった場合、これらの人々は国境を越えて難民となり、結局、受け入れ国の政府や国際社会は、より重い負担を強いられることになってしまう。

 国内避難民Internally Displaced Persons:IDPs)は、紛争や迫害のために移動を余儀なくされ、国内に避難場所を求めて移動した人々である。狭義の難民は、国境を越えて外国に移動を余儀なくされた人々である。しかし、戦争や民族浄化、宗教による迫害、飢饉と外的要因で移動を強いられている点で共通しており、国内避難民も広義の難民である。

 世界最大の国際人権NGOで1977年ノーベル平和賞を受賞したアムネスティは、IDPの主要な権利を尊重するよう政府とその他当局に求め、宗教、民族、性別、肌の色、言語を理由に移住を強いることに反対している。国内避難民の問題は、政府が保護する義務があるにもかかわらず、保護しない、保護できないという点にある。

 2015年国内避難民Internally Displaced Persons:IDPs)は、全世界で4,080万人に達している。2015年1年間だけで新たに国内難民860万人が発生している。2015年から過去8年間を平均すると、自然災害によって毎年平均2,540万人が避難生活を強いられる環境難民となっている。

地雷写真(右)2012年5月、スリランカ陸軍(Sri Lanka Army)の地雷掃除部隊(Demining Unit)が運搬した地雷除去機:1983年から2009年のスリランカ内戦は、政府軍とタミル・イーラム解放のトラ (LTTE)による武力衝突で、紛争の激化に伴い、1987年にはインドが平和維持軍(IPKF)をスリランカに派遣し、LTTEとの仲介を企図した。しかし、仲介は不成功に終わり、1990年に平和維持軍は撤退し、政府軍とタミル人武装組織との間で激戦が再開した。2009年5月にスリランカ政府軍がLTTE支配域を制圧し、2009年5月19日、マヒンダ・ラージャパクサMahinda Rajapaksa)大統領は、LTTEのプラバーカラン議長が戦闘で死亡したことを確認し、26年間にわたる内戦の終結を宣言した。しかし、内戦により、28万人のタミル人の国内避難民が帰還しようにも、対人地雷、仕掛け爆弾や落とし穴などブービートラップBooby-Trap)が大量に残っており、帰還できない。そこで、内戦終了後から地雷撤去が開始された。2013年、政府は「地雷撤去は約95パーセントの地域で処理が終了した」と宣言した。地雷は、沼地、海岸線といった一部の地域に残ったままであるが、基本的な生活空間における地雷はほぼ除去され、住民の帰還が進んでいる。
解説 Demining Unit - Sri Lanka Army 日付 2012年5月19日 原典 https: //picasaweb. google.com/ lh/photo/ 作者 Chamal Pathirana
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Category:Mine flails Sri Lanka Military 0245.jpg引用。


1998年対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律 (平成十年十月七日法律第百十六号)

 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 対人地雷の製造の禁止(第三条)
 第三章 対人地雷の所持等の規制(第四条―第十五条)
 第四章 対人地雷の製造の禁止(第三条)の指定する者の検査等(第十六条)
 第五章 雑則(第十七条―第二十一条)
 第六章 罰則(第二十二条―第二十八条)  附則

第一章 総則
第一条(目的)  この法律は、対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約(以下「条約」という。)の適確な実施を確保するため、対人地雷の製造を禁止するとともに、対人地雷の所持を規制する等の措置を講ずることを目的とする。  
第二条 (定義)  この法律において「対人地雷」とは、人の存在、接近又は接触によって爆発するように設計された地雷をいう。 

   第二章 対人地雷の製造の禁止  
第三条  何人も、対人地雷を製造してはならない。

   第三章 対人地雷の所持等の規制
第四条(所持の禁止)  何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、対人地雷を所持してはならない。
一  次条第一項の許可を受けた者(以下「許可所持者」という。)が、同項の許可(第八条第一項の規定による変更の許可があったときは、その変更後のもの)に係る対人地雷を所持するとき。 二  第十条第一項の輸入の承認を受けた者(以下「承認輸入者」という。)が、その輸入した対人地雷を許可所持者に譲り渡すまでの間所持するとき。
三  第十一条第一項の規定により対人地雷を廃棄し、又は引き渡さなければならない者が、廃棄し、又は引き渡すまでの間所持するとき。
四  前三号に掲げる者から運搬を委託された者が、その委託に係る対人地雷を当該運搬のために所持するとき。
五  前各号に掲げる者の従業者が、その職務上対人地雷を所持するとき。

第五条  対人地雷を所持しようとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。ただし、前条第二号、第四号又は第五号に掲げる者がそれぞれ同条第二号、第四号又は第五号に規定する所持をしようとする場合は、この限りでない。
2  前項の許可を受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を経済産業大臣に提出しなければならない。
一  氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二  所持しようとする対人
地雷の型式及びその数量
三  所持の目的及び方法
四  その他経済産業省令で定める事項

第十一条(廃棄) 次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に掲げる者が対人地雷を所持しているときは、その者は、遅滞なく、その対人地雷(第一号に該当する場合にあっては、所持することを要しなくなった部分に限る。)を廃棄し、又は当該対人地雷について新たに許可所持者となった者に引き渡さなければならない。
2  前項の規定により対人地雷を廃棄し、又は引き渡さなければならない者(以下「廃棄等義務者」という。)が、当該対人地雷を廃棄しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、廃棄する対人地雷の型式及びその数量を経済産業大臣に届け出なければならない。
3  廃棄等義務者が、当該対人地雷を引き渡したときは、経済産業省令で定めるところにより、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

第十五条(帳簿)  許可所持者は、帳簿を備え、その所持に係る対人地雷に関し経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。
第十九条(自衛隊についての特例)  自衛隊が行う条約で認められた目的のための対人地雷の所持は、次条の規定により読み替えられた第五条第一項又は第八条第一項の承認を受けたものとみなす。
3  国際連合事務総長(Secretary-General of the United Nations)が条約の定めるところにより指定する者が自衛隊の施設に立ち入り、検査又は質問を行う場合には、第十六条第一項中「経済産業大臣」とあるのは、「防衛大臣」とする。
第二十一条 (経過措置)  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

   第六章 罰則
第二十二条  第三条の規定に違反した者は、七年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
第二十三条  対人地雷をみだりに所持した者は、七年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
第二十四条  前二条の罪は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)第三条 の例に従う。
第二十五条  次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二十六条  次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。 一  第十一条第二項の規定による届出をしないで対人地雷を廃棄した者又は虚偽の届出をした者
五  第十六条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 六  第十七条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第二十八条  第八条第二項又は第十三条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の過料に処する。
第二条 (経過措置)この法律の施行の際対人地雷を所持している者は、この法律の施行の日から三十日を経過するまでの間(以下「猶予期間」という。)に第五条第一項の許可の申請をしなかった場合にあっては猶予期間の経過後遅滞なく、猶予期間に申請した同項の許可を拒否された場合にあってはその処分後遅滞なく、その所持する当該対人地雷を廃棄しなければならない。
2  この法律の施行の際対人地雷を所持している者は、次に掲げる期間は、第四条の規定にかかわらず、その対人地雷を所持することができる。その者の従業者がその職務上所持する場合及びその者から運搬を委託された者(その従業者を含む。)がその委託に係る対人地雷を当該運搬のために所持する場合も、同様とする。


地雷写真(右)日本の株式会社コマツ(Komatsu Ltd.)が開発したコマツブルドーザー:チェコのプラハ郊外のトンネル工事に用いられたコマツのブルドーザー。株式会社小松製作所は、1917年に石川県小松駅近くに設立された小松鉄工所を起源とし、資本金678億円の日本最大の建設機械メーカー。創立70周年の1991年に社名を「コマツ」に変更。売上シェアは世界第2位で、日本以外にも南北アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、中近東、アフリカ、東南アジア、オセアニア、中国にグループ企業を展開する。自衛隊が使用する指揮通信車、偵察警戒車、装輪装甲車、自走無反動砲、自走迫撃砲なども生産。
English: Dejvice, Prague, the Czech Republic. Construction of Blanka Tunnel. カメラの位置 日付 2010年5月24日 原典 投稿者自身による作品 作者 ŠJů (cs:ŠJů)。
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Komatsu bulldozers Stavebníj áma Špejchar, buldozer a válec.jpg引用。


地雷写真(右)日本のコマツが開発したコマツ対人地雷除去機D85MS:コマツ対人地雷除去機D85MSは2007年9月よりアフガニスタンでの地雷除去活動で使用された。2008年1月、コマツとJMASは、カンボジアにおける対人地雷除去作業ならびに復興までのコミュニティ開発事業を進めることで合意し、今後は活動の枠をアフリカのアンゴラなどにも拡大する予定。タカラトミーが2008年9月20日に発売した玩具トミカ「コマツ対人地雷除去機 D85MS」は価格:378円(税抜き価格360円 税5%) 2008年9月の発売から2009年3月末までの本トミカの販売総個数に対して、両社1個につき約5円相当(合計で約10円相当)の寄付を実施。その後の継続については、今後各社で検討。今回の寄付の対象地域は、アンゴラおよびカンボジアを予定。寄付内容は、コマツは対人地雷除去機の補給部品など、タカラトミーは文具や学校備品など子供の教育現場で使用されるものを予定。
:解説 日本語: こまつの杜の対人地雷除去機 日付 2013年4月29日, 16:01:31 原典 投稿者自身による作品 作者 Gamera866
写真はウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons) Komatsu bulldozersD85MS-15.JPG引用。



IAI CIMS - Counter IED and Mine Suite

<新たな対人地雷除去機を開発>

 コマツ(社長:大橋徹二)は、認定特定非営利活動法人「日本地雷処理を支援する会(理事長:荒川龍一郎/JMAS」との対人地雷除去に関する提携を2008年に結び、カンボジアとアンゴラで地雷撤去に協力するとともに、ラオスの不発弾の除去を支援する活動を2016年8月から開始した。
 ラオスでは、国土の3割に不発弾が散在しているため、死者・負傷者が毎年報告されている。JMASは、2006年からラオスの不発弾処理にあたっているが、人による除去作業はリスクが高く、処理時間も長くなってしまう。そこで、コマツは、ブルドーザーベースの従来の方式とは異なり、油圧ショベルをベースにした対人地雷除去機(不発弾処理用)」を開発した。油圧ショベル式対人地雷除去機は、特殊なバケットを備え、硬い金属に覆われている不発のクラスター爆弾を破砕しても安全である。また汎用性があり、地雷や不発弾処理の前に実施する灌木除去、整地作業にも使用可能である。コマツは、対人地雷除去機(不発弾処理用)をJMASへ無償貸与しており、不発弾除去作業を迅速化し、ラオス住民が安全に生活できる支援に努めている。




Convention on the Prohibition of the Use, Stockpiling, Production and Transfer of Anti-Personnel Mines and on their Destruction (Anti-Personnel Mine Ban Convention)
Oslo, 18 September 1997

Article 1 General obligations

1. Each State Party undertakes never under any circumstances:
a.To use anti-personnel mines ;
b.To develop, produce, otherwise acquire, stockpile, retain or transfer to anyone, directly or indirectly, anti-personnel mines;
c.To assist, encourage or induce, in any way, anyone to engage in any activity prohibited to a State Party under this Convention.
2. Each State Party undertakes to destroy or ensure the destruction of all anti-personnel mines in accordance with the provisions of this Convention.

Article 2 Definitions

1. "Anti-personnel mines" means a mine designed to be exploded by the presence, proximity or contact of a person and that will incapacitate, injure or kill one or more persons. Mines designed to be detonated by the presence, proximity or contact of a vehicle as opposed to a person, that are equipped with anti-handling devices, are not considered anti-personnel mines as a result of being so equipped.
2. "Mine" means a munition designed to be placed under, on or near the ground or other surface area and to be exploded by the presence, proximity or contact of a person or a vehicle.
3. "Anti-handling device" means a device intended to protect a mine and which is part of, linked to, attached to or placed under the mine and which activates when an attempt is made to tamper with or otherwise intentionally disturb the mine.
4. "Transfer" involves, in addition to the physical movement of anti-personnel mines into or from national territory, the transfer of title to and control over the mines, but does not involve the transfer of territory containing emplaced anti-personnel mines.
5. "Mined area" means an area which is dangerous due to the presence or suspected presence of mines.

Article 3 Exceptions

1. Notwithstanding the general obligations under Article 1, the retention or transfer of a number of anti-personnel mines for the development of and training in mine detection, mine clearance, or mine destruction techniques is permitted. The amount of such mines shall not exceed the minimum number absolutely necessary for the above-mentioned purposes.
2. The transfer of anti-personnel mines for the purpose of destruction is permitted.

Article 4 Destruction of stockpiled anti-personnel mines

Except as provided for in Article 3, each State Party undertakes to destroy or ensure the destruction of all stockpiled anti-personnel mines it owns or possesses, or that are under its jurisdiction or control, as soon as possible but not later than four years after the entry into force of this Convention for that State Party.

Article 5

Destruction of anti-personnel mines in mined areas
1. Each State Party undertakes to destroy or ensure the destruction of all anti-personnel mines in mined areas under its jurisdiction or control, as soon as possible but not later than ten years after the entry into force of this Convention for that State Party.
2. Each State Party shall make every effort to identify all areas under its jurisdiction or control in which anti-personnel mines are known or suspected to be emplaced and shall ensure as soon as possible that all anti-personnel mines in mined areas under its jurisdiction or control are perimeter-marked, monitored and protected by fencing or other means, to ensure the effective exclusion of civilians, until all anti-personnel mines contained therein have been destroyed. The marking shall at least be to the standards set out in the Protocol on Prohibitions or Restrictions on the Use of Mines, Booby-Traps and Other Devices, as amended on 3 May 1996, annexed to the Convention on Prohibitions or Restrictions on the Use of Certain Conventional Weapons Which May Be Deemed to Be Excessively Injurious or to Have Indiscriminate Effects.
3. If a State Party believes that it will be unable to destroy or ensure the destruction of all anti-personnel mines referred to in paragraph 1 within that time period, it may submit a request to a Meeting of the States Parties or a Review Conference for an extension of the deadline for completing the destruction of such anti-personnel mines, for a period of up to ten years.
4. Each request shall contain:
a.The duration of the proposed extension;
b.A detailed explanation of the reasons for the proposed extension, including:
i.The preparation and status of work conducted under national demining programs;
ii.The financial and technical means available to the State Party for the destruction of all the anti-personnel mines; and
iii.Circumstances which impede the ability of the State Party to destroy all the anti-personnel mines in mined areas;
c.The humanitarian, social, economic, and environmental implications of the extension; and
d.Any other information relevant to the request for the proposed extension.
5. The Meeting of the States Parties or the Review Conference shall, taking into consideration the factors contained in paragraph 4, assess the request and decide by a majority of votes of States Parties present and voting whether to grant the request for an extension period.
6. Such an extension may be renewed upon the submission of a new request in accordance with paragraphs 3, 4 and 5 of this Article. In requesting a further extension period a State Party shall submit relevant additional information on what has been undertaken in the previous extension period pursuant to this Article.


Anti-personnel mines

Article 6 International cooperation and assistance

1. In fulfilling its obligations under this Convention each State Party has the right to seek and receive assistance, where feasible, from other States Parties to the extent possible.
2. Each State Party undertakes to facilitate and shall have the right to participate in the fullest possible exchange of equipment, material and scientific and technological information concerning the implementation of this Convention. The States Parties shall not impose undue restrictions on the provision of mine clearance equipment and related technological information for humanitarian purposes.
3. Each State Party in a position to do so shall provide assistance for the care and rehabilitation, and social and economic reintegration, of mine victims and for mine awareness programs. Such assistance may be provided, inter alia, through the United Nations system, international, regional or national organizations or institutions, the International Committee of the Red Cross, national Red Cross and Red Crescent societies, and their International Federation, non-governmental organizations, or on a bilateral basis.
4. Each State Party in a position to do so shall provide assistance for mine clearance and related activities. Such assistance may be provided, inter alia, through the United Nations system, international or regional organizations or institutions, non-governmental organizations or institutions, or on a bilateral basis, or by contributing to the United Nations Voluntary Trust Fund for Assistance in Mine Clearance, or other regional funds that deal with demining.
5. Each State Party in a position to do so shall provide assistance for the destruction of stockpiled anti-personnel mines.
6. Each State Party undertakes to provide information to the database on mine clearance established within the United Nations system, especially information concerning various means and technologies of mine clearance, and lists of experts, expert agencies or national points of contact on mine clearance.
7. States Parties may request the United Nations, regional organizations, other States Parties or other competent intergovernmental or non-governmental fora to assist its authorities in the elaboration of a national demining program to determine, inter alia:
a.The extent and scope of the anti-personnel mines problem;
b.The financial, technological and human resources that are required for the implementation of the program;
c.The estimated number of years necessary to destroy all anti-personnel mines in mined areas under the jurisdiction or control of the concerned State Party;
d.Mine awareness activities to reduce the incidence of mine-related injuries or deaths;
e.Assistance to mine victims;
f.The relationship between the Government of the concerned State Party and the relevant governmental, inter-governmental or non-governmental entities that will work in the implementation of the program.
8. Each State Party giving and receiving assistance under the provisions of this Article shall cooperate with a view to ensuring the full and prompt implementation of agreed assistance programs.

Article 7 Transparency measures

1. Each State Party shall report to the Secretary-General of the United Nations as soon as practicable, and in any event not later than 180 days after the entry into force of this Convention for that State Party on:
a.The national implementation measures referred to in Article 9;
b.The total of all stockpiled anti-personnel mines owned or possessed by it, or under its jurisdiction or control, to include a breakdown of the type, quantity and, if possible, lot numbers of each type of anti-personnel mine stockpiled;
c.To the extent possible, the location of all mined areas that contain, or are suspected to contain, https://epthinktank.eu/2014/11/27/anti-personnel-mine-ban-convention-maputo15/ under its jurisdiction or control, to include as much detail as possible regarding the type and quantity of each type of anti-personnel mine in each mined area and when they were emplaced;
d.The types, quantities and, if possible, lot numbers of all anti-personnel mines retained or transferred for the development of and training in mine detection, mine clearance or mine destruction techniques, or transferred for the purpose of destruction, as well as the institutions authorized by a State Party to retain or transfer anti-personnel mines accordance with Article 3;
e.The status of programs for the conversion or de-commissioning of anti-personnel mine production facilities;
f.The status of programs for the destruction of https://epthinktank.eu/2014/11/27/anti-personnel-mine-ban-convention-maputo15/ in accordance with Articles 4 and 5, including details of the methods which will be used in destruction, the location of all destruction sites and the applicable safety and environmental standards to be observed;
g.The types and quantities of all anti-personnel mines destroyed after the entry into force of this Convention for that State Party, to include a breakdown of the quantity of each type of anti-personnel mine destroyed, in accordance with Articles 4 and 5, respectively, along with, if possible, the lot numbers of each type of anti-personnel mine in the case of destruction in accordance with Article 4;
h.The technical characteristics of each type of anti-personnel mine produced, to the extent known, and those currently owned or possessed by a State Party, giving, where reasonably possible, such categories of information as may facilitate identification and clearance of anti-personnel mines; at a minimum, this information shall include the dimensions, fusing, explosive content, metallic content, colour photographs and other information which may facilitate mine clearance; and
i.The measures taken to provide an immediate and effective warning to the population in relation to all areas identified under paragraph 2 of Article 5.
2. The information provided in accordance with this Article shall be updated by the States Parties annually, covering the last calendar year, and reported to the Secretary-General of the United Nations not later than 30 April of each year.
3. The Secretary-General of the United Nations shall transmit all such reports received to the States Parties.

Article 8 Facilitation and clarification of compliance

1. The States Parties agree to consult and cooperate with each other regarding the implementation of the provisions of this Convention, and to work together in a spirit of cooperation to facilitate compliance by States Parties with their obligations under this Convention.
2. If one or more States Parties wish to clarify and seek to resolve questions relating to compliance with the provisions of this Convention by another State Party, it may submit, through the Secretary-General of the United Nations, a Request for Clarification of that matter to that State Party. Such a request shall be accompanied by all appropriate information. Each State Party shall refrain from unfounded Requests for Clarification, care being taken to avoid abuse. A State Party that receives a Request for Clarification shall provide, through the Secretary-General of the United Nations, within 28 days to the requesting State Party all information which would assist in clarifying this matter.
3. If the requesting State Party does not receive a response through the Secretary-General of the United Nations within that time period, or deems the response to the Request for Clarification to be unsatisfactory, it may submit the matter through the Secretary-General of the United Nations to the next Meeting of the States Parties. The Secretary-General of the United Nations shall transmit the submission, accompanied by all appropriate information pertaining to the Request for Clarification, to all States Parties. All such information shall be presented to the requested State Party which shall have the right to respond.
4. Pending the convening of any meeting of the States Parties, any of the States Parties concerned may request the Secretary-General of the United Nations to exercise his or her good offices to facilitate the clarification requested.
5. The requesting State Party may propose through the Secretary-General of the United Nations the convening of a Special Meeting of the States Parties to consider the matter. The Secretary-General of the United Nations shall thereupon communicate this proposal and all information submitted by the States Parties concerned, to all States Parties with a request that they indicate whether they favour a Special Meeting of the States Parties, for the purpose of considering the matter. In the event that within 14 days from the date of such communication, at least one-third of the States Parties favours such a Special Meeting, the Secretary-General of the United Nations shall convene this Special Meeting of the States Parties within a further 14 days. A quorum for this Meeting shall consist of a majority of States Parties.
6. The Meeting of the States Parties or the Special Meeting of the States Parties, as the case may be, shall first determine whether to consider the matter further, taking into account all information submitted by the States Parties concerned. The Meeting of the States Parties or the Special Meeting of the States Parties shall make every effort to reach a decision by consensus. If despite all efforts to that end no agreement has been reached, it shall take this decision by a majority of States Parties present and voting.
7. All States Parties shall cooperate fully with the Meeting of the States Parties or the Special Meeting of the States Parties in the fulfilment of its review of the matter, including any fact-finding missions that are authorized in accordance with paragraph 8.
8. If further clarification is required, the Meeting of the States Parties or the Special Meeting of the States Parties shall authorize a fact-finding mission and decide on its mandate by a majority of States Parties present and voting. At any time the requested State Party may invite a fact-finding mission to its territory. Such a mission shall take place without a decision by a Meeting of the States Parties or a Special Meeting of the States Parties to authorize such a mission. The mission, consisting of up to 9 experts, designated and approved in accordance with paragraphs 9 and 10, may collect additional information on the spot or in other places directly related to the alleged compliance issue under the jurisdiction or control of the requested State Party.
9. The Secretary-General of the United Nations shall prepare and update a list of the names, nationalities and other relevant data of qualified experts provided by States Parties and communicate it to all States Parties. Any expert included on this list shall be regarded as designated for all fact-finding missions unless a State Party declares its non-acceptance in writing. In the event of non-acceptance, the expert shall not participate in fact-finding missions on the territory or any other place under the jurisdiction or control of the objecting State Party, if the non-acceptance was declared prior to the appointment of the expert to such missions.
10. Upon receiving a request from the Meeting of the States Parties or a Special Meeting of the States Parties, the Secretary-General of the United Nations shall, after consultations with the requested State Party, appoint the members of the mission, including its leader. Nationals of States Parties requesting the fact-finding mission or directly affected by it shall not be appointed to the mission. The members of the fact-finding mission shall enjoy privileges and immunities under Article VI of the Convention on the Privileges and Immunities of the United Nations, adopted on 13 February 1946.
11. Upon at least 72 hours notice, the members of the fact-finding mission shall arrive in the territory of the requested State Party at the earliest opportunity. The requested State Party shall take the necessary administrative measures to receive, transport and accommodate the mission, and shall be responsible for ensuring the security of the mission to the maximum extent possible while they are on territory under its control.
12. Without prejudice to the sovereignty of the requested State Party, the fact-finding mission may bring into the territory of the requested State Party the necessary equipment which shall be used exclusively for gathering information on the alleged compliance issue. Prior to its arrival, the mission will advise the requested State Party of the equipment that it intends to utilize in the course of its fact-finding mission.
13. The requested State Party shall make all efforts to ensure that the fact-finding mission is given the opportunity to speak with all relevant persons who may be able to provide information related to the alleged compliance issue.
14. The requested State Party shall grant access for the fact-finding mission to all areas and installations under its control where facts relevant to the compliance issue could be expected to be collected. This shall be subject to any arrangements that the requested State Party considers necessary for:
a.The protection of sensitive equipment, information and areas;
b.The protection of any constitutional obligations the requested State Party may have with regard to proprietary rights, searches and seizures, or other constitutional rights; or
c.The physical protection and safety of the members of the fact-finding mission.
In the event that the requested State Party makes such arrangements, it shall make every reasonable effort to demonstrate through alternative means its compliance with this Convention.
15. The fact-finding mission may remain in the territory of the State Party concerned for no more than 14 days, and at any particular site no more than 7 days, unless otherwise agreed.
16. All information provided in confidence and not related to the subject matter of the fact-finding mission shall be treated on a confidential basis.
17. The fact-finding mission shall report, through the Secretary-General of the United Nations, to the Meeting of the States Parties or the Special Meeting of the States Parties the results of its findings.
18. The Meeting of the States Parties or the Special Meeting of the States Parties shall consider all relevant information, including the report submitted by the fact-finding mission, and may request the requested State Party to take measures to address the compliance issue within a specified period of time. The requested State Party shall report on all measures taken in response to this request.
19. The Meeting of the States Parties or the Special Meeting of the States Parties may suggest to the States Parties concerned ways and means to further clarify or resolve the matter under consideration, including the initiation of appropriate procedures in conformity with international law. In circumstances where the issue at hand is determined to be due to circumstances beyond the control of the requested State Party, the Meeting of the States Parties or the Special Meeting of the States Parties may recommend appropriate measures, including the use of cooperative measures referred to in Article 6.
20. The Meeting of the States Parties or the Special Meeting of the States Parties shall make every effort to reach its decisions referred to in paragraphs 18 and 19 by consensus, otherwise by a two-thirds majority of States Parties present and voting.

Article 9 National implementation measures

Each State Party shall take all appropriate legal, administrative and other measures, including the imposition of penal sanctions, to prevent and suppress any activity prohibited to a State Party under this Convention undertaken by persons or on territory under its jurisdiction or control.

Article 10 Settlement of disputes

1. The States Parties shall consult and cooperate with each other to settle any dispute that may arise with regard to the application or the interpretation of this Convention. Each State Party may bring any such dispute before the Meeting of the States Parties.
2. The Meeting of the States Parties may contribute to the settlement of the dispute by whatever means it deems appropriate, including offering its good offices, calling upon the States parties to a dispute to start the settlement procedure of their choice and recommending a time-limit for any agreed procedure.
3. This Article is without prejudice to the provisions of this Convention on facilitation and clarification of compliance.

Article 11 Meetings of the States Parties

1. The States Parties shall meet regularly in order to consider any matter with regard to the application or implementation of this Convention, including:
a.The operation and status of this Convention;
b.Matters arising from the reports submitted under the provisions of this Convention;
c.International cooperation and assistance in accordance with Article 6;
d.The development of technologies to clear anti-personnel mines;
e.Submissions of States Parties under Article 8; and
f.Decisions relating to submissions of States Parties as provided for in Article 5.
2. The First Meeting of the States Parties shall be convened by the Secretary-General of the United Nations within one year after the entry into force of this Convention. The subsequent meetings shall be convened by the Secretary-General of the United Nations annually until the first Review Conference.
3. Under the conditions set out in Article 8, the Secretary-General of the United Nations shall convene a Special Meeting of the States Parties.
4. States not parties to this Convention, as well as the United Nations, other relevant international organizations or institutions, regional organizations, the International Committee of the Red Cross and relevant non-governmental organizations may be invited to attend these meetings as observers in accordance with the agreed Rules of Procedure.

Article 12 Review Conferences

1. A Review Conference shall be convened by the Secretary-General of the United Nations five years after the entry into force of this Convention. Further Review Conferences shall be convened by the Secretary-General of the United Nations if so requested by one or more States Parties, provided that the interval between Review Conferences shall in no case be less than five years. All States Parties to this Convention shall be invited to each Review Conference.
2. The purpose of the Review Conference shall be:
a.To review the operation and status of this Convention;
b.To consider the need for and the interval between further Meetings of the States Parties referred to in paragraph 2 of Article 11;
c.To take decisions on submissions of States Parties as provided for in Article 5; and
d.To adopt, if necessary, in its final report conclusions related to the implementation of this Convention.
3. States not parties to this Convention, as well as the United Nations, other relevant international organizations or institutions, regional organizations, the International Committee of the Red Cross and relevant non-governmental organizations may be invited to attend each Review Conference as observers in accordance with the agreed Rules of Procedure.

Article 13 Amendments

1. At any time after the entry into force of this Convention any State Party may propose amendments to this Convention. Any proposal for an amendment shall be communicated to the Depositary, who shall circulate it to all States Parties and shall seek their views on whether an Amendment Conference should be convened to consider the proposal. If a majority of the States Parties notify the Depositary no later than 30 days after its circulation that they support further consideration of the proposal, the Depositary shall convene an Amendment Conference to which all States Parties shall be invited.
2. States not parties to this Convention, as well as the United Nations, other relevant international organizations or institutions, regional organizations, the International Committee of the Red Cross and relevant non-governmental organizations may be invited to attend each Amendment Conference as observers in accordance with the agreed Rules of Procedure.
3. The Amendment Conference shall be held immediately following a Meeting of the States Parties or a Review Conference unless a majority of the States Parties request that it be held earlier.
4. Any amendment to this Convention shall be adopted by a majority of two-thirds of the States Parties present and voting at the Amendment Conference. The Depositary shall communicate any amendment so adopted to the States Parties.
5. An amendment to this Convention shall enter into force for all States Parties to this Convention which have accepted it, upon the deposit with the Depositary of instruments of acceptance by a majority of States Parties. Thereafter it shall enter into force for any remaining State Party on the date of deposit of its instrument of acceptance.

Article 14 Costs

1. The costs of the Meetings of the States Parties, the Special Meetings of the States Parties, the Review Conferences and the Amendment Conferences shall be borne by the States Parties and States not parties to this Convention participating therein, in accordance with the United Nations scale of assessment adjusted appropriately.
2. The costs incurred by the Secretary-General of the United Nations under Articles 7 and 8 and the costs of any fact-finding mission shall be borne by the States Parties in accordance with the United Nations scale of assessment adjusted appropriately.

Article 15 Signature

This Convention, done at Oslo, Norway, on 18 September 1997, shall be open for signature at Ottawa, Canada, by all States from 3 December 1997 until 4 December 1997, and at the United Nations Headquarters in New York from 5 December 1997 until its entry into force.

Article 16 Ratification, acceptance, approval or accession

1. This Convention is subject to ratification, acceptance or approval of the Signatories.
2. It shall be open for accession by any State which has not signed the Convention.
3. The instruments of ratification, acceptance, approval or accession shall be deposited with the Depositary.

Article 17 Entry into force

1. This Convention shall enter into force on the first day of the sixth month after the month in which the 40th instrument of ratification, acceptance, approval or accession has been deposited.
2. For any State which deposits its instrument of ratification, acceptance, approval or accession after the date of the deposit of the 40th instrument of ratification, acceptance, approval or accession, this Convention shall enter into force on the first day of the sixth month after the date on which that State has deposited its instrument of ratification, acceptance, approval or accession.

Article 18 Provisional application

Any State may at the time of its ratification, acceptance, approval or accession, declare that it will apply provisionally paragraph 1 of Article 1 of this Convention pending its entry into force.

Article 19 Reservations

The Articles of this Convention shall not be subject to reservations.

Article 20 Duration and withdrawal
1. This Convention shall be of unlimited duration.
2. Each State Party shall, in exercising its national sovereignty, have the right to withdraw from this Convention. It shall give notice of such withdrawal to all other States Parties, to the Depositary and to the United Nations Security Council. Such instrument of withdrawal shall include a full explanation of the reasons motivating this withdrawal.
3. Such withdrawal shall only take effect six months after the receipt of the instrument of withdrawal by the Depositary. If, however, on the expiry of that six- month period, the withdrawing State Party is engaged in an armed conflict, the withdrawal shall not take effect before the end of the armed conflict.
4. The withdrawal of a State Party from this Convention shall not in any way affect the duty of States to continue fulfilling the obligations assumed under any relevant rules of international law.

Article 21 Depositary

The Secretary-General of the United Nations is hereby designated as the Depositary of this Convention.

Article 22 Authentic texts

The original of this Convention, of which the Arabic, Chinese, English, French, Russian and Spanish texts are equally authentic, shall be deposited with the Secretary-General of the United Nations.


戦後も残る地雷や爆発物が子どもを脅かす
地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー」【2009年4月3日 ジュネーブ発】

地雷と爆発性戦争残存物ERW:Explosive Remnants of War)は、今も世界各地で子どもの大きな脅威となっている。ユニセフは3日、4月4日の「地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー」を前にこの問題に言及した。
世界の多くの国々で、戦争終結から何年も経過した現在も、民間人が日常的に地雷やその他の戦争残存物で死傷している。2007年だけでも、武装勢力によって残された地雷や爆発性戦争残存物ERW:Explosive Remnants of War)で死亡したり障害を負った人の数は約5,426人にのぼる。

おもちゃだと間違える子ども、とくに男の子が被害に合うことが多く、地雷と爆発性戦争残存物ERWExplosive Remnants of War)の被害者全体の30%以上を占めている。2007年の爆発性戦争残存物ERWExplosive Remnants of War)による負傷者のおよそ60%が子どもだった。またそのうち49%が男の子で、12%が女の子である。

負傷すると手足や視覚、聴覚を失ったり、生涯にわたって障害を負う場合も多い。被害者には緊急治療と長期的な支援の両方が必要とされている。しかしながら、このようなことが起きている国々では医療やリハビリテーションの手段が欠如しており、子どもたちは学校に通えなくなり、将来の見通しも限られたものとなっている。

親が地雷で死亡したり障害を負った場合も、子どもの生活は深刻な打撃を受ける。片親または両親がいない子どもは十分な栄養を与えられなかったり、予防接種を受けられない。また搾取や虐待から保護されなかったり、家計を助けるため早期に中途退学することもある。地雷や爆発性戦争残存物ERWExplosive Remnants of War)が除去されないと、地域社会全体にも支障が出る。個人の家庭や学校、保健サービス、社会サービスなどを利用することが困難になり、農地の場合には家庭の幸せや暮らしにもダメージを及ぼす。

地雷禁止条約から10年が経った2008年8月の時点で、まだ70ヵ国以上が地雷の影響を受けていた。また25ヵ国あまりに爆発する可能性のあるクラスター爆弾や小型爆弾が放置されている。これらの国々の子どもたちが持っている能力を十分発揮できるようになるためには、地雷とERWの除去、犠牲者のニーズへの対応能力の改善と社会復帰支援が欠かせない。国際社会やドナーは、地雷と爆発性戦争残存物ERWExplosive Remnants of War)による影響を軽減するために活動している国々と組織を支援することが求めらている。

ユニセフと地雷関連活動
ユニセフは、地雷やその他の無差別兵器を禁止するための広報活動として、対人地雷禁止条約APMBTAnti-Personnel Mine Ban Convention)、クラスター爆弾禁止条約CCMConvention on Cluster Munitions)など関連条約の締結、批准、施行を推進している。ユニセフUNICEF)は過去15年間にわたり、約35ヶ国において地雷リスク教育を中心とする地雷対策活動事業を開発、実施するための技術的、財政的支援を提供するなど、地雷問題に取り組んできた。また、地雷/爆発性戦争残存物ERW:Explosive Remnants of War)の生存者や障害を持つ人々(とくに18歳未満の子ども)のための広報活動、彼らとともに展開する広報活動も行ない、彼らの声を聞き、権利を尊重し、基本的なニーズに対応して彼らが完全に社会参加できるようにしている。(引用終わり)

地雷写真(右)2015年、カンボジア、母親と17歳と12歳の息子、後方にはクボタの地雷撤去用機材が2基写っている。 :対戦車用地雷に父親の農業機械が触発、爆破されたが生き残った子供たち。
Seangchin and Seiha with their mother at her work place in Pailin UNICEF Cambodia/Chhaya Plong/2015
写真はUNICEF Cambodia, Tuesday, February 23, 2016 A child survivor of an anti-tank mine explosion restarts school 引用。


ユニセフUNICEF世界の子どもたちを知るには、次のような対人地雷の記事がある。

カンボジア:地雷被害を受けた子どもたちを支える日本の支援 【2012年12月 カンボジアCambodia発】

フォルン・ソクヘン君は、3年前、カンボジア北西部バッタンバン州サムポブ・ローン地区にあるチョホエル・ティエル村の小学校に、明るく元気に通っていた。当時9歳だったソクヘン君は、おもちゃの車を解体したり、組み立てたりして遊ぶのが大好きだった。この楽しい時間が、彼の人生を変えることになってしまった。

ソクヘン君は、その時のことを、次のように語った。「ある日、家の近くに白いものがあるのを見つけたんだ。おもちゃのトラクターの部品だと思って、学校に持って行ったんだ。休み時間に友達とベンチに座って、夢中になって見ていて、その部品の一部を引っ張ってみたんだ。そうしたら、突然爆発したんだよ。その地雷は、学校で不発弾地雷の危険性について教わった時に見たどんな地雷とも違うタイプの形と色だったんだ」

対人地雷は、カンボジアの30年に亘る紛争の負の遺産。少なくとも4万人以上が地雷で体の一部を失い、世界で最もその割合が高い国のひとつである。障害のあるカンボジアの若者の多くが、地雷不発弾の事故によるものと推定されている。ユニセフ カンボジア事務所日本ユニセフ協会を通じた日本人の支援で、カンボジア政府やパートナー団体と共に、社会福祉制度を強化し、地雷によって障害を負った子どもたちを支援するべく活動してる。

地雷写真(右)2014年、カンボジア、対戦車地雷にかかり爆破された収穫用農業機械:父親が運転し、水田で収穫作業に使用していた農業機械が触発、爆破された。
An anti-tank mine exploded while the boys’ father was driving a harvesting tractor through a rice field in Koy village Mono Ketya/2014
写真はUNICEF Cambodia, Tuesday, February 23, 2016 A child survivor of an anti-tank mine explosion restarts school 引用。


再び“未来”をくれた日本の支援
この支援活動が始まった頃、ソクヘン君は、対人地雷の被害に遭った。地元自治体関係者は、事故が起きるとすぐにソクヘン君の両親に連絡。緊急手術の手配を整えた。ソクヘン君の父親のメアス・ノウンさんは、その後何が起きたのか、次のように話した。「ユニセフUNICEF)や地元当局、NGO団体の助けがあって、息子は、すぐに地域の病院に搬送され、手術を受けました。対人地雷事故が起きた時、私たちは畑にいたんです。知らせを聞いて、泣きながらタクシーに飛び乗りました。病院に着いた時、息子は全身血まみれで言葉も発することができませんでした。腕は完全につぶれ、出血が激しく、命が助かるかどうかもわかりませんでした」

学校に戻るのを諦めていたが、周囲の励ましと、懸命なリハビリのおかげで、ソクヘン君は学校に戻ることができた。 2週間の入院の後、ソクヘン君は、リハビリテーションセンターに移り、両親も、ソクヘン君が日常生活を送るために必要なサポートの仕方をそこで教わった。また、ユニセフの援助で、ソクヘン君には、プラスチック製の義手も支給された。

メアスさんは次のように語った。「息子の体の動きを回復させたり、日常生活を送るための援助の方法を教わりました」「息子は、今では、自分で顔を洗ったり、歯を磨いたり、食事をしたり、トイレに行ったり、服を着たりすることもできます」

対人地雷の事故の後、もう友達と一緒に勉強したり、遊んだりすることができないと思っていたソクヘン君は、学校に戻ることをためらっていた。しかし、両親や地元自治体の関係者、そして病院のスタッフの励ましを受けて、学校に戻った。そしてソクヘン君は、その後3ヵ月で、義手がなくても文字を書く方法を学んだ。

12才になったソクヘン君は、今、小学5年生。ユニセフから支給された自転車に乗って元気に通学してる。障害のある子どもたちが通学しやすいよう、またリハビリの一助にと、ユニセフUNICEF)は、自転車もプレゼントしてた。

地雷写真(右)2014年、カンボジア北西部、バッタンバン州、対戦車地雷・対人地雷・爆発性戦争残存物(ERW:Explosive Remnants of War)の危険性を教えあうロールプレイをするカンボジアの小学生たち:父親が運転し、水田で収穫作業に使用していた農業機械が対戦車地雷に触発し、爆発した。
Child-to-child mine risk education session close to a de-mining operation site in Rattanak Mondul district of Battambang province UNICEF/Plong Chhaya/2014
写真はUNICEF Cambodia, Tuesday, February 23, 2016 A child survivor of an anti-tank mine explosion restarts school引用。


周囲の子どもたちも成長
学校に戻ったソクヘン君のがんばりを見た周囲の子どもたちは、彼のその姿に、すっかり感心した。「10年くらいソクヘン君とは友達なんだけど、彼はとっても頭がいいんだ。自信を持って自転車に乗ったり遊んだり授業を受けたりしているソクヘン君を見た時は、とっても驚いたよ。ソクヘン君が大好きなんだ」こう話すのは、友人のチェアル・ソクロエウルン君(11歳)。別の友達のセン・ソクリーちゃん(11歳)も、次のように話す。「私は、近所に住んでいて、クラスも同じなの。彼は優しいし、友達と冗談を言い合うのが好きよ。前は、手が無くなっちゃった彼の腕に触るのをためらっていたんだけど、今はよく分かっているし、ソクヘン君と遊ぶのが大好き」

ソクヘン君は、以前は怖い夢を見ていたと話す。「何度も、自分の腕が元に戻っている夢を見たんだ。でも、目覚めたら、何も変わってなんていないのに気がつくんだ」とソクヘン君。今の生活を受け入れながら、将来の夢を話してくれた。「一番好きな科目は算数だよ。大きくなったら学校の先生になりたいな。学校では、毎日、僕のことを差別しない学校の友達と一緒に遊んでいるよ」


◆2011年7月刊行の『写真・ポスターに見るナチス宣伝術-ワイマール共和国からヒトラー第三帝国へ』青弓社(2000円)では、反ユダヤ主義、再軍備、ナチ党独裁、第二次世界大戦を扱いました。
ここでは日本初公開のものも含め130点の写真・ポスターを使って、ヒトラーの生い立ち、第一次大戦からナチ党独裁、第二次大戦終了までを詳解しました。
そこでは、ポーランド侵攻、ゲットー設置、ホロコースト、レジスタンス弾圧、東方生存圏、ソ連侵攻バルバロッサ作戦も解説しました。

◆毎日新聞「今週の本棚」に『写真・ポスターから学ぶ戦争の百年 二十世紀初頭から現在まで』(2008年8月25日,青弓社,368頁,2100円)が紹介されました。ここでは,第二次大戦,ユダヤ人虐殺・強制労働も分析しました。

ハワイ真珠湾奇襲攻撃
ハワイ真珠湾攻撃の写真集
開戦劈頭の「甲標的」特別攻撃隊
サイパン玉砕戦:Battle of Saipan 1944
沖縄玉砕戦と集団自決:Battle of Okinawa 1945
沖縄特攻戦の戦果データ
戦艦「大和」天1号海上特攻 The Yamato 1945
人間爆弾「桜花」Human Bomb 1945
人間魚雷「回天」人間爆弾:Kaiten; manned torpedo
海上特攻艇「震洋」/陸軍特攻マルレ艇
日本陸軍特殊攻撃機キ115「剣」
ドイツ軍装甲車Sd.Kfz.250/251:ハーフトラック
ドイツ軍の八輪偵察重装甲車 Sd.Kfz. 231 8-Rad
スターリングラード攻防戦;Battle of Stalingrad
ソ連赤軍T-34戦車
VI号ティーガー重戦車
V号パンター戦車
ドイツ陸軍1号戦車・2号戦車
ドイツ陸軍3号戦車・突撃砲
ドイツ陸軍4号戦車・フンメル自走砲
イギリス軍マチルダMatilda/バレンタインValentine歩兵戦車
イギリス陸軍A22 チャーチル歩兵戦車: Churchill Infantry Tank Mk IV
イギリス軍クルーセーダーCrusader/ カヴェナンター/セントー巡航戦車
イギリス陸軍クロムウェル/チャレンジャー/コメット巡航戦車
アメリカ軍M3Aスチュアート軽戦車/M3グラント/リー中戦車
アメリカ陸軍M4シャーマン中戦車Sherman Tank
イギリス軍M4A4シャーマン・ファイアフライ Sherman Firefly戦車
シャーマン・クラブフライル地雷処理戦車 Sherman Crab Flail
英軍M10ウォルブリン/アキリーズ駆逐自走砲GMC
ドイツ国防軍のヒトラー反逆:Ludwig Beck
アンネの日記とユダヤ人
与謝野晶子の日露戦争・日中戦争
ドルニエ(Dornier)Do-X 飛行艇
ルフトハンザ航空ユンカース(Junkers)Ju90輸送機
ドイツ空軍ハインケル(Heinkel)He111爆撃機
ドイツ空軍ユンカース(Junkers)Ju-88爆撃機
ドイツ空軍ユンカース(Junkers)Ju-188爆撃機/Ju388高高度偵察機
ルフトハンザ航空フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw200コンドル輸送機
ドルニエ(Dornier)Do18飛行艇
ドルニエ(Dornier)Do24飛行艇
アラド(Arado)Ar-196艦載水上偵察機
ブロームウントフォッスBV138飛行艇
ブロームウントフォッスBV222飛行艇
ドイツ空軍ユンカース(Junkers)Ju-88爆撃機/夜間戦闘機
ドイツ空軍(Luftwaffe)メッサーシュミット戦闘機
ドイツ空軍フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw-190戦闘機
ドイツ空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング元帥
ハンセン病Leprosy差別

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