マニラ首都圏パサイ市
Pasay City, NCR
マニラ首都圏パサイ下町
National Capital Region
フィリピンのマニラ首都圏(NCR)パサイ市の路地。手前の白いケースは雨水をためる容器。洗濯や食器洗いに使用する。
フィリピンのマニラ首都圏(NCR)パサイ市の路地での洗濯。井戸の近くで洗濯をする。井戸水は飲料には用いず、洗濯や食器洗いに使用する。飲料水は、給水所で購入する。
フィリピンのマニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City )の下町。数十世帯に1カ所のポンプ式井戸 が設けられているが、水質が悪く、飲料には使用しない。洗濯や沐浴に利用する。ケソン市のスラム街にも井戸はあるが、ポンプ式ではなく、綱の付いたバケツを落として水を汲んでいる。
アジア開発銀行 (ADB )が発表した「2014年度アジア太平洋地域の主要指数 」報告書によると、アジアの多くの地域において、極度貧困ライン の1日1.25ドル未満の支出を賄えないという基準では、最低限の生活が維持できない場合もでてきた。なぜかというと、アジアの貧困には、食料経費の増加、洪水・津波・地震などの自然災害の発生といった原因が十分に配慮されているとは言えないからという。
ADBは、1日1.25ドルという従来の極度貧困ライン では、貧困率は21%であるが、新基準では50%以上になる。さらに憂慮すべきは、アジアの人口の17%以上が2030年までに極度貧困 から逃れられないと予測されていることだ。他方、1日1.25ドルという従来の極度貧困ラインではその率は1.4%と低い。
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City )のメトロレール (Manila Metro Rail Transit :MRT)タフト駅近くの下町。井戸水 は、複数世帯で共有しているが、水質が悪く、洗濯や沐浴に使用しても、飲料には使わない。
ADB によれば、従来の極度貧困ライン (1日1.25ドル基準)がアジアにあてはまらない理由は、 ?従来の極度貧困ラインは貧困15か国の国内貧困ラインの平均だが、そのうち13カ国はアフリカ諸国でアジアの国はタジキスタンとネパールの2カ国しか含まれていない。つまり、1日1.25ドルはアフリカの極度貧困ラインであり、アジアは食品価格など生活必需品の平均価格はアフリカと比べて高価であり、最低生活基準が賄えない可能性が高い。 ?極度貧困ライン (1日1.25ドル基準)は1988年から2005年のデータに基づいている。ADBによればアジアの貧困ラインの設定には最新データを反映する必要があるという。アジアでは食料価格が一般物価よりも大きく上昇する傾向にある。
フィリピンのマニラ首都圏 (Metro Manila )のパサイ市(Pasay City )メトロレイル のタフト駅近くの下町。井戸水 をポンプで汲むことを「ボンバ」という。ケソン市のスラム街にも井戸はあるが、ポンプではなく、綱の付いたバケツを落として水を汲んでいる。
世界銀行 は、
?2030年までに極度貧困者 を世界人口3%まで削減する
?開発途上国における所得分布 の下位40%の人々の所得拡大を促進する、
という2目標を掲げている。
国際貧困ライン (1日1.90ドル未満)の基準では、貧困者は2012年8億9600万人(世界人口の12.7%)、2015年7億200万人(世界人口の9.6%)に減少する。
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City )の下町にはいくつもの井戸がある。
世界銀行は、2015年10月、国際貧困ライン を2011年の購買力平価 (purchasing power parity:PPP )に基づき、1日1.90ドルと設定している。 (2015年10月以前は、1日1.25ドル未満=1ドル以下)
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City )下町。
世界の貧困率および貧困層の数
貧困率 1990年:37.1% 2012年:12.7%
貧困層の数 1990年:19億5800万人 2012年:8億9600万人
(2011年の購買力平価 に基づき、国際貧困ライン を1日1.90ドルで計算)
フィリピン Philippinesマニラ首都圏 に位置するパサイ市(Pasay City )の給水所 。飲料水 を販売、運搬している。飲料水販売所 では水ボトル 、プラスチックカバーを封印する。ボトルの栓にプラスチックのカバーをかけて、ドライヤーの熱で溶かして封印する。都市部の井戸 は飲料水 に適さないので、飲料水を買い求める世帯に販売する。自動車でまとめて購入してゆく業者、バランガイ(集落)も多い。
世界では7億5,000万人が安全な飲料水 を確保できず、毎日、子ども1,000人が下痢を原因とする病で死亡している。「安全な飲料水 の確保」下水・トイレの設備」は人々の健康や生命の維持というベーシックヒューマンニーズ「衛生」に不可欠な要素である。「農業用水の安定供給」は食料確保にというベーシックヒューマンニーズ「食」に不可欠の要素である。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏 パサイ市(Pasay City )の給水所 。飲料水を販売、運搬している。飲料水販売所 では水ボトル 、プラスチックカバーを封印する。ボトルの栓にプラスチックがバーをかけて、ドライヤーの熱で溶かして封印し、低所得層向けに飲料水を販売する。メトロレイル の駅近くで、通りをジプニー、バスが多く走行しており、公共交通機関が発達しているので、自家用車がなくとも不便はない。
経済学の一つの目標は、あらゆる人々がベーシック・ヒューマン・ニーズ (BHN:Basic Human Needs )を受けるための経済的基盤を効果的に確立することである。、ベーシック・ヒューマン・ニーズ (BHN:Basic Human Needs )とは、衣食住、教育、衛生、医療であり、食糧、シェルター(家や施設などの居住環境)、衣服・履物から、安全な飲料水、衛生環境、公共交通、教育と文化へのアクセスなど、基本的な財貨サービスであり、あらゆる人々が受けることができることが重要である。
パサイ市MRTタフト駅 Metro Rail Transit
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City )のMRTのタフト駅。ここから、MRTでケソン市 (人口220万人)、リテック(Litex )と移動し、パヤタス(Payatas )を訪問した。パヤタスではスラムやNGO を見学し、住民やスタッフに聞き取り調査を行った。
マニラ首都圏 パサイ市(Pasay City )のMRT駅前の鳥飼ゼミナール 。
日本最大規模の青森県八戸港 館鼻岸壁「みなと日曜朝市 」は、館鼻岸壁の駐車場で開かれている。ここでは、早朝から326店が出店するが、リテックス市場はそれをはるかに上回る規模である。 八戸市 内、陸奥湊駅 前の魚菜市場、青森県三戸郡 と上北郡などでも、農家や漁業世帯が、弁当、惣菜、漬物といった食品から、魚介類、果物、衣料・日用品を販売している。また、飲食店、お好み焼き屋、コーヒーショップなど食堂もある。リテックス市場も、食品、日地用品、食堂が揃っており、規模は日本の市場よりもはるかに大きく、多種多彩な業種が集まっている。
パサイ市(Pasay City )タフトアベニューのMRT駅に上る階段には、露店が並んでいる。雨をバラ売りしているので、両替にもなる。
メトロレール (Manila Metro Rail Transit :MRT)のタフトアベニュー駅からケソンに向かった。
「みなと日曜朝市 」朝市の来場者は、湊周辺を中心とした八戸住民もあるが、青森県南から岩手
県北にかけての住民や県外からの観光客であり、地元民だけではない。早朝から午前9 時
過ぎまでに、来場者は1万を上回る。他方、リテックス市場には、遠方から自家用車を使ってやってくる顧客はおらず、周辺に居住する低所得者層、地元民が来場者の中核である。
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City )のメトロレールのタフト駅入り口では、雨が降った時に備えて雨傘を打っている。ここからジープやトライシクルが出ている。
八戸港館鼻岸壁「みなと日曜朝市 」出店業者の年間売上高は推計6 億円、その周辺店舗・関連事業から観光関連も加えると売上額は年10億円程度と推計されている。高橋俊行 (2003)八戸港館鼻岸壁「 みなと日曜朝市 」の経済波及効果 と地域活性化への課題ー日本一の「館鼻岸壁日曜朝市」『八戸短期大学研究紀要』第36 号参照)
マニラのリテック、パヤタスの地図
メトロレール Manila Metro Rail Transit System
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City )タフトアベニュー駅のMRT切符売り場。駅周辺には、スラムバラック はなく、スクオッター (squatter :不法占拠者)もいない。
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City )タフトアベニュー駅のMRT切符売り場。自動券売機 ではなく、掲示してある料金表・行き先駅を言って改札口 の券売係員 から買う。わからないことは、その場で係員に尋ねることができる。
マニラ首都圏 (Metro Manila )のMRT。日本輸出入銀行 (現在の国際協力銀行)の輸出信用を受けて建設されたメトロレールトランジット。改札口 の券売係員 から切符を購入する。自動券売機 よりも係員から購入するほうが簡単で間違いがない。日本では、鉄道の自動券売機で切符を購入できない場合、係員呼び出しボタン を押して係員が来るまで待たされる。
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City )からパヤタス の低所得層住宅地にMRTで向かう鳥飼ゼミナール 。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であれば、貧しい住民の中には、やむを得ず不法占拠者 となる場合もある。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City)のMRT ケソンアベニュー駅。MRTはメトロレール (Metro Rail Transit )の意味で3線ある軽量鉄道列車の一つ。メトロマニラの南北を結ぶMRTは、タフト・アベニュー(Taft Ave.)駅とノース・アベニュー(North Ave.)駅を結ぶ三号線(Line3)のこと。他の二線は、LRT(Light Rail Transit )と呼ばれる。メトロマニラを南北に延びるタフト通りに沿って南のバクララン (Baclaran)駅とルーズベルト(Roosevelt)駅の間を走る一号線は、LRTエドサEDSA駅からMRTタフト駅に簡単に乗り換えが可能。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City)、MRTケソンアベニュー駅。MRTは日本輸出入銀行 の輸出信用を受けて建設された。LRT(Light Rail Transit Line)一号線は、タフト通りの南のバクララン (Baclaran)駅とルーズベルト(Roosevelt)駅の間を結ぶもので、LRT(Light Rail Transit )のエドサEDSA駅からMRTタフト駅とから簡単に乗り換えができる。
ジプニー Transportation
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )でジープの発車を待つ鳥飼ゼミナール 。満員になるまでは発車しない。乗車、降車する場所は、客が指図して停車してもらえばよいので便利。フィリピンの交通機関では、運転手と客とのコミュニケーションも盛ん。
メトロマニラのケソン市(Quezon City )でジープの発車を待つ鳥飼ゼミナール。ワンマンカーなので、車掌は乗らない。しかし、始発のターミナルでは、客引きがいて、乗客を呼び込んだり、行き先をおいえたりして、非正規スタッフとして働いている。この仕事は、運転手からのチップによっている場合が多いが、非正規雇用、不安定な個人経営下の雇用、低収入という意味で、都市インフォーマル部門といえる。
メトロマニラのケソン市(Quezon City )のジープ車内に張ってしてある料金表。料金は、6ペソから18ぺソくらいの距離を運航している。始発から終点まで40分くらいかかる。
マニラ首都圏 (Metro Manila )のケソン市 (Quezon City )共和国通り(Commonwealth Avenue )を走るジープ車内。乗車、降車する場所は、客が指図して停車してもらえばよいので便利。運転手に乗車賃を払う場合、近くの客に「バヤドー」(支払)と言ってお金を渡せば、誰かが運転手までお金を手渡ししてくれる。
政府による社会保障給付費 も受け取れず、生活保護支給額 もゼロであるからこそ、民間どうしのコミュニケーションが盛んであり、スラム に草の根民活が発達する。会社員、従業員、労働者の位置づけよりも、市民としての位置づけが上位にあることがわかる。
ケソン市リテックス
Litex, Quezon City
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックスの市場。ここに面してキリスト教会(Iglesia ni Cristo chapel, Capitol )がある。住所は、Katuparan St. (Commonwealth), 1121 Quezon City。
マニラ首都圏ケソン市(Quezon City )リテックスの共和国通り(Commonwealth Ave.)に面して建つキリスト教会(Iglesia ni Cristo chapel, Capitol )。
祈祷時間:Worship Service Schedule :
Thursday 7:45PM TAGALOG
Thursday 5:45AM TAGALOG
Thursday 4:45PM ENGLISH
Sunday 5:45AM TAGALOG
Sunday 9:45AM ENGLISH
Sunday 5:45PM TAGALOG
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックスの共和国通り(Commonwealth Ave.)に面して建つキリスト教会(Iglesia ni Cristo chapel, Capitol )敷地で販売されているペット の鳩と、色つきのヒヨコ 。命を助けてあげるという意味があるのか、教会前では、生き物がペット として売られている。
市場と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、魚の市場、野菜の生鮮市場などの「いちば」である。市場といは、財貨サービスを、生産者と消費者が自由に取引する場であり、取引は財貨サービスと金銭との交換で成り立っている。つまり、需要と供給が均衡する点で価格が決まる。市場には、財貨サービスを扱う商品市場、労働力を取引する労働市場、資金や株式・社債など債券を取引する売買を行う金融市場、外国為替を取引する為替市場などがある。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市 (Quezon City )リテックス、共和国通り(Commonwealth Avenue )に面しているIglesia ni Cristo chapel, Capitol 敷地で販売されている金魚。貧しいといっても、食べることだけに関心があるのではない。貧しくても、ネコ、闘鶏 用ニワトリから金魚まで、ペット としてかわいがっている。
財貨サービスが市場で自由に取引される経済を「市場経済」という。これは、需要と供給の双方のバランスのとれた市民社会を前提にしている。他方、資本主義(経済)とは、供給者が大企業や大資本家であり、経済的に大規模となった半面、消費者・市民が資金・資本・技術の点で供給者に比して矮小化されていること、市民は労働力を提供する労働者として扱われる状態にあることを特徴とする。 市場経済と資本主義とは、重複する部分もあるが、経済社会的に、イデオロギー的には異なるものである。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックス、共和国通り(Commonwealth Avenue )に面しているIglesia ni Cristo chapel, Capitol 敷地で販売されているエンジェルフィッシュ (スズキ目 ベラ亜目 シクリッド科 エンゼルフィッシュ属)。生息地は、ベネズエラ・ブラジルを流れるオリノコ川流域。エンジェルフィッシュ は、水質・水温の適応性が高く、比較的容易に飼育できる熱帯魚として親しまれている。
ケソン市リテックス
Litex, Quezon City
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックス、共和国通り(Commonwealth Ave )に沿って、貧困者 も含めて、庶民の市場 ができて賑わっている。色々な野菜、果物が売っていて、売り手と買い手が対面して取引する。市場の店は、同じ場所で、同じような商品を販売しているので、馴染みの消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。
2002年、経営コンサルタントC.K.プラハラード (2002)『ネクスト・マーケット 』で、40億人以上の以上の人々が1日2ドル以下(世帯年収1500ドル以下)で暮らしている貧困者 を対象としたBOP(Bottom of The Pyramid )の概念を提唱し、貧困者 を救済すべき社会的弱者としてではなく、自助努力を続ける意欲的な個人経営体 や起業家 として、あるいは顧客や消費者として認識すべきでると提唱した。
BOPビジネス は、それまで貧困者 に目を向けてこなかった経営者やビジネスマン には革新的な提言だった。開発途上国 の貧困者を、援助対象やソーシャルセイフティネット の対象とする政策的アプローチではなく、ビジネスパートナー あるいは顧客として、互いに経済発展を目指すことを提唱したからである。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックスの庶民の市場 近くで、共和国通り(Commonwealth Avenue )に面して、路上の露天商 も盛んで都市インフォーマル部門 の活気を見ることができる。 グリーンツーリズム振興とは、財政負担をして観光客を誘致して、農作物の販売祖促進することだが、庶民の市場では、様々なたくさん商品が安く売られている。なぜ、増税して公的経費負担 をして、農産物の市場に観光客を呼び寄せなくてはならないのか。
マニラ首都圏(NCR ) ケソン市(Quezon City )リテックスの共和国通りには、路上の野菜売りも多く都市インフォーマル部門 の活気を見ることができる。値段交渉をしながら、売り手と買い手が対等の立場で対峙する庶民の市場である。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックスの共和国通り路上、庶民の市場 で、イワシの干物を販売する露天商 。マニラ首都圏の庶民の市場 は、キアッポ、バクラランといくつかある。 露天商とは、道路や歩道上に簡易な店を出す零細商人で、常設的に店を出すもの,定期市や縁日に出店するものがある。日本でもフィリピンでも、本来は、露天であっても営業許可 が必要である。しかし、世界、特に開発途上国では、営業許可を得ず、不正規に露天 を営む者の都市インフォーマル部門が主流である。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックスの共和国通りの露天 で、小魚を販売する露天商 。表示してある15 1/2 KALAHATEとは、小魚0.5kg(1/2キログラム)当たり15ペソ(60円)。 マニラ首都圏の庶民的な大規模市場キアッポ 、バクララン と比較して、より安価なものが多い。観光客や外人向きのマニラ・ガイドブックにも掲載されていないため、観光客や外国人もまず来ないのが、ここリテックスの市場である。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックスの共和国通りの露天 で魚を販売する児童。 インターネットの普及により、インターネットを通して商品・サービスを購入する人が増加している。従来の市場での購買行動と比べ、インターネットショッピングでは、?店舗に出向かない、?実物を手にしない・見ない、?対面コミュニケーションをしない、という特徴がある。
マニラ首都圏ケソン市 (Quezon City)リテックスの共和国通りの露天 で人参を販売する都市インフォーマル部門 。個人営業の店なので、売り手と買い手(消費者)が、対等に取引できる。
21世紀に入って、SNS (ソーシャルネットワーキングサービス )などソーシャルメディアが普及し、その利用が盛んになる中で、若者から働き盛りのものまで、コミュニケーション行動が単純化し、従前の対面コミュニケーション や礼儀 を伴わない非人的コミュニケーションが選択される傾向が強まった。これは、機械親和的なコミュニケーションであるが、SNSを通じた絆 が新たに強化されることも意味している。コミュニケーションの幅を著しく狭まった半面、SNSによりその頻度は膨大になった。これは、市場における需要者と供給者の取引についてもあてはまる。ソーシャルネットワーキングサービス による取引が盛んになったために、コミュニケーション行動と密接な関係を持つサービスの形態も変化した。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックス、庶民の市場 のココナツの殻。果肉のコプラを削って絞れば、ココナツオイル を採油できる。ココナツの殻は、油を含んでいるので燃えやすく、薪の焚き 付けに重宝する。
リテックスのスカベンジャー
Community Health Centre
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックスの裏通りは住宅地。パヤタスのごみ集積場からは遠いが、市場のごみから有価物のPET、段ボール 、ガラス瓶 、プラスチックを集めている世帯にお話を伺った。
マニラ首都圏(NCR ) ケソン市 (Quezon City)リテックスの裏通りは、住宅地。パヤタスのごみ集積場からは遠いが、市場のごみから有価物のPET,段ボール、ガラス瓶 、プラスチック を集めている世帯にお話を伺った。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )リテックスの裏通りは住宅地。パヤタスのごみ集積場からは遠いが、市場のごみから有価物のPET,段ボール、ガラス瓶、プラスチック を集めている世帯にお話を伺った。
マニラ首都圏ケソン市(Quezon City )リテックス市場 の裏手の居住区でも、闘鶏 を飼育する世帯があった。
リテックス市場
Liex Market
マニラ首都圏(NCR ) ケソン市 (Quezon City)リテックス市場で売られている魚の干物 。市場の店は、同じ場所で、同じような商品を販売しているので、馴染みの消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。 共和国通りと命名しただけあって、道路は広く、駐車スペース も十分ある。もっとも、自家用車保有者が少ないためでもあるが。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であるからこそ、民活はしぶとく粘り強い。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City)リテックス市場で筍(たけのこ )が売られていた。
「さっぽろ朝市食工房 」の北海松前漬け は、冷凍保存で、自然解凍をする。内容量300g。 8種類の具材は、ホッキ貝 ](カナダ産)、真イカ(北海道産)、つぶ貝 (ロシア産)」とある。
マニラ首都圏(NCR)ケソン市 (Quezon City)リテックス市場でみかけたたけのこ 。カリンガ州にはこれより大きな筍 をとっていた。 「函館朝市 」は「函館朝市の信用と秩序を保つ連合会推奨店看板・あさいっちゃん推奨店看板(あさいっちゃんマーク)を掲げている連合会および渡島蔬菜農業協同組合 加盟店による約150店舗。 函館朝市協同組合連合会:約160店舗(4法人・3任意組合・1株式会社・7個人)であり、「『第20回全国朝市サミット2015in八戸 』開催! 我々「全国各地における朝市を組織する団体」が一堂に会して催される『全国朝市サミット 』が、今年は、来る10月17・18日(土・日)の両日に【青森県八戸市】で開催されます。 全国朝市サミットとは、朝市間の交流を促進すると共に朝市の活性化や文化交流を図ることを目的に1988年「五城目町朝市 (秋田県)」での第1回を皮切りに、毎年開催している地域振興イベントです。ぜひ皆様、当日は元気な日本の朝市の空気を体感しに、会場までお越し下さい!!」とある。
マニラ首都圏(NCR)ケソン市 (Quezon City)リテックス市場。市場の店は、同じ場所で、同じような商品を販売しているので、馴染みの消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。
「陸奥湊駅前朝市 」では、「刺身や惣菜を少量ずつ提供する市場は他にもあるが
コチラの陸奥湊駅前朝市は安価で量も多く地元のお客さんも多い。
タラコと筋子の盛り合わせ、カレイやマグロの刺身、ごはんと味噌汁でも800円程度。
飾りっけはないかもしれないが八戸を味わいたいなら」とある。
マニラ首都圏(NCR)ケソン市 (Quezon City)リテックス露天市場 では、日よけパラソル で日射や雨を避けている。
現地生活を知るためには、公設市場を見て回るとよい。その地域の人々の生活振りが推測できる。世界遺産など観光地巡りでは触れることのできない庶民の生活感覚が伝わってくる。市場を見て回る外国人観光客はほとんどいないので、外国人ツーリスト向けのぼったくり価格ということはない。提示してある価格よりも値引きも可能。リテックス市場では、野菜を始め果物、肉、スパイス、魚などいろいろな種類の商品が並んでいる。天井が高い公設市場 には、たくさんの店が決められた場所に陣取っている。肉や魚の臭いも漂ってくる。
マニラ首都圏(NCR)ケソン市 (Quezon City)リテックス露天 市場では、日よけパラソル で日射や降雨を避けている。
魅力のある新鮮な魚貝類が水揚げされて田舎でも、その近くに「新鮮な魚を買える市場」はない。新鮮な魚は、都市の富裕層が高価に買い入れてくれるとすれば、地元で安く売却されることはない。「産地直売 」は、流通が近代化した現在、都市の高級市場に売却できないような低品質の商品が出回ることになる。ただし、形が悪い、色が悪い、傷がついているとしても、味が悪いとはいえないので注意。
「船橋漁港の朝市 」では、「魚貝類だけではなく、船橋産の農作物・加工物の販売や、地元船橋のお店もたくさんのお店も出ます。出店者は皆、農業も漁業も盛んな、地元船橋を愛する人々ばかりです」とある。
リテックスの商業 Litex Market, Quezon City
マニラ首都圏 のケソン市 (Quezon City )リテック。ケソン通りからジプニー(ジープを土台とした乗合自動車)で20分でリテックの商業地区に到着する。貧困者が多いが、ジプニーやバス、トラックが行き交っており、公共交通機関 には不自由しない。
豊富な食材が並ぶ公設市場 では、天然光を取り入れている。多少薄暗く感じるのは、経費節約で節電しているため。
マニラ首都圏ケソン市 (Quezon City)リテックス公設市場 。表示の35 1/4というのは 肉0.250kg(1/4キログラム)当たり35ペソ(140円)。
市場では、どんな消費者でも、すきな生産者と相対して、自由に「安くていいもの」を購入する。すべての取引・売買は、自由な意志・自発性によって実行される。
これは、生産者・消費者が、イデオロギー ・民族・国籍・性別・年齢・障害の有無などによって差別されることのない民主的な公正な取引である。個人の自由意思に基づく取引は、自由主義 、民主主義 、国際主義、市民社会 につながる。市場が創設されたことで、近代市民社会の前提となる市民(ブルジョアジー :Bourgeoisie )が形成された。政府の介入(関税や取引制限)を排除し、個人の自由な経済活動を保証することが民主主義的な形で、価値自由な状況で「安くていいもの」を市場にもたらす。この予定調和 は、自由な市場によって保障される。
マニラ首都圏ケソン市 (Quezon City)パヤタスからジプニーで10分のリテック。タイガーグラス を材料にした箒 が売られていた。このような箒 は、ルソン島北部コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町 で家内生産されている。これらの商品は、フィリピン製造の商品で、陸上輸送を使ってマニラ首都圏まで運搬されたのであろう。
マニラ首都圏 (Metro Manila ),ケソン市 (Quezon City)リテック公設市場 で販売されている白米 。
白米 の表示の41.00とは、白米 1kg(1キログラム)当たり40ペソ(160円)。白米 とは、玄米 から糠(ぬか)および胚芽 (はいが)を除いたもので、エネルギーは100g当たり350kcal。普通に言うお米のこと。日本の白米 の四分の一の価格であり、日本からフィリピンに対してコメの食糧援助 をしても、効果的ではないことは明らか。 これらの商品は、フィリピン国産の商品で、陸上輸送を使ってマニラ首都圏まで運搬されたのであろう。
マニラ首都圏 (Metro Manila ),ケソン市 (Quezon City )リテール公設市場 で販売されている甲殻類(エビ、カニ)。ガザミ (ワタリガニ)の表示の45 1/2 KALAHATEとは、カニ0.5kg(半キログラム)当たり45ペソ(180円)。
マニラ首都圏ケソン市リテック公設市場 。店の前に養殖が盛んなバングス(BANGS )が並んでいる。表示の35 1/2 KALAHATEとは、バングス(BANGS )0.5kg(半キログラム:KALAHATE )当たり35ペソ(130円)。市場の店は、同じ場所で、同じ商品を販売しているので、馴染みの消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。
マニラ首都圏,ケソン市 (Quezon City )のリテックス公設市場 で売られている養殖魚のバングス。やすい店がずらりと並ぶ公設市場では、鳥飼ゼミナールの訪問を笑顔で歓迎してくれ、写真撮影にはポーズをとってくれた。2014年8月2日撮影。
路上での販売に比べて、市場建物内部の店は整っている。しかし、都市インフォーマル部門は、会社や工場に雇用されず、自分の商店も持てないBOPビジネス として重要である。
お金を稼ぐために都市インフォーマル部門 (urban informal sector )に雇用機会を見つけるしかない。
マニラ首都圏 (Metro Manila ),ケソン市 (Quezon City )市リテック公設市場 。パヤタスからジプニーで10分離れているリテック市場 の肉類販売 コーナー。貧困者が多いが、ジプニーやトラックが行き交っているので、公共交通機関 には不自由しない。
マニラ首都圏 (Metro Manila ),ケソン市リテック公設市場 の肉販売。公設市場 で指定場所で売る商人は、都市インフォーマル部門の露天商 とは異なる。
マニラ首都圏ケソン市 リテック公設市場 の豚足 販売。豚の脚先の部分は、ゼラチン質 ,コラーゲン を多く含む。公設市場で指定場所で売る商人は、都市インフォーマル部門 の露天商 とは異なる。2014年8月2日撮影。
マニラ首都圏 (Metro Manila ),商売が盛んなケソン市 リテック公設市場 の豚足 販売。豚足は、100g当たり廃棄率:40% カロリー:238kcal。
イギリス経済学者アダム・スミス (Adam Smith)は1776 年に出版した『国富論 』(諸国民の富)で、市場経済が成り立っている市民社会では、“神の見えざる手 ”(invisible hand of God)の働きで繁栄がもたらされるとした。これは、市場メカニズムが予定調和をもたらすという予定調和説である。基本的人権が保障された市民は、経済的自由を手に入れた。そして、封建制度 や神権政治とは異なった新しい秩序である市場メカニズムが普及した。アダム・スミスは、市場メカニズムが働いていれば、生産者と消費者、あるいは市民個人が生産、消費という取引を自由に行うことで、利己心と競争心に基づいて相互に作用して市民社会を「安くていいもの」で満たし、、さらに市場が市民社会を結合させることを系統的かつ包括的に示した。
マニラ首都圏ケソン市商業地区 リテックス公設市場 で売られている腸詰・ソーセージ・内臓。公共交通機関 の
バスやジプニー の停留所が近いのでたくさんの人が行き来している。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市リテック市場で売られているイサキ。表示の40 1/2 KALAHATE とは、魚0.5kg(半キログラム)当たり40ペソ(160円)。公設市場 で指定場所で売る商人は、都市インフォーマル部門 の露天商 とは異なる。
ケソン市 リテック公設市場 の魚販売。政府による社会保障給付費 も受け取れず、生活保護支給 もないからこそ、草の根民活 の都市インフォーマル部門 が興隆する。これらの商品は、フィリピン国内で漁獲された水産物で、陸上輸送を使ってマニラ首都圏まで運搬されたのであろう。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市パヤタスからジプニーで10分のケソン市リテック公設市場 のカツオ 販売。75 1/2とは、鰹 0.5kg当たり75ペソ(300円)。
ケソン市パヤタスからジプニーで10分のケソン市リテック公設市場 のイカ と小魚の販売。奥の60 1/2とはコウイカ 0.5kg当たり60ペソ(250円)。
公設市場 で指定場所で売る商人は、都市インフォーマル部門 の都市インフォーマル部門 の露天商 とは異なる。
フィリピンのマニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市リテール公設市場 における内臓・ソーセージ (詰め物)販売所。手前の少年が手にしているビニール袋は、有料(1-2ペソ)。マイバック がなくても、市場にいる児童労働の子供から、食料を入れる買い物用ビニール袋 (Plastic bags )を購入することができる。この少年は、ビニール袋 (Plastic bags )を販売して収入を得る。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックス公設市場 。カリトン (三輪荷車)物を運ぶ仕事をして駄賃を稼ぐに雇い労働者もいる。社会保障 も生活保護 も不十分であり、高齢者も貧困者も働くしかない。老人ホームのような施設入居の機会も生活資金も得ることができないのである。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックス公設市場 。市場にある店は、同じ場所で、同じような商品を販売しているので、馴染みの消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。
平成16年4月1日 15農振第2654号では、地方農政局長・北海道知事・沖縄総合事務局長あてに、日本の農林水産省農村振興局長が、「グリーン・ツーリズムセンター機能確立事業実施要領の制定について 」を出した。ここでは、「新グリーン・ツーリズム総合推進対策実施要綱 の制定について」(平成15年4月1日付け14農振第2599号農林水産事務次官依命通知)に掲げるグリーン・ツーリズムセンター機能確立事業の実施に当たり、別紙のとおりグリーン・ツーリズムセンター機能確立事業実施要領を制定したので、御了知の上、本事業の円滑かつ的確な実施に特段の御配慮を願いたい。 なお、「都市農村交流対策事業実施要領 の運用について」(平成12年4月1日付け12構改B第273号構造改善局長通知)は、平成15年4月1日をもって廃止する。」とある。こんな調子の農政指導と対照的な庶民の市場。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックス公設市場 のパイナップル 。皮を剥いてあると、パイナップル の熟れ具合もわかる上に、すぐ食べることができる。1個25ペソ(100円)で売られているパイナップル (Pineapple )。パイナップル科アナナス属は亜熱帯から熱帯地方で栽培される。果実の形状が松かさ(Pine)に酷似し、味はりんご(Apple)のようであるためにパイナップルといわれる。
日本の「グリーン・ツーリズムグリーン・ツーリズム 情報提供促進会議の開催
学識経験者、農山漁村代表者、都市住民代表者等で構成するグリーン・ツーリズム情報提供促進会議を開催し、グリーン・ツーリズムに関するポータルサイトの作成等効果的かつ効率的な情報発信方策及びデータベースの構築等に関する検討を行う。
[2] グリーン・ツーリズムニーズ調査の実施
都市住民等の農山漁村部に対するニーズを把握するため、インターネットの双方向性を活用したグリーン・ツーリズムニーズ調査の実施及び調査結果の取りまとめを行う。
[3] グリーン・ツーリズム情報に関するポータルサイトの作成
都市住民等の農山漁村部に対するニーズを踏まえ、効果的かつ効率的に情報発信するため、グリーン・ツーリズムに関する情報検索窓口となるポータルサイトを作成する。
[4] グリーン・ツーリズム情報データベースの構築
マニラ首都圏 ケソン市パヤタスからジプニーで10分のケソン市リテック市場の公設市場 の商人は、都市インフォーマル部門の露天商 とは異なり、正規の個人営業である。コメは、上級で1キロ当たり39ペソから40ペソ。1ペソ約3円で、コメ1キロ120円相当。日本では安いコメも1キロ400円、コシヒカリなら1キロ1000円とフィリピンのコメ価格の10倍高い。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )のリテックス公設市場 のトリ唐揚げ 製造販売。 商店は、同じ場所で、同じような商品を販売しているので、同じような消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックス公設市場 のビザ製造販売。市場の店は、同じ場所で、同じような商品を販売しているので、馴染みの消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。
マニラ首都圏ケソン市(Quezon City )のリテックスの市場のパンケーキ 、クレープ やワッフルなどの製造販売。商店は、同じ場所で、同じような商品を販売しているので、同じような消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。
リテックスの活気
Litex, Quezon City 2014
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )のリテックス公設市場 で炭火 で焼かれているローストチキン 。2014年8月2日撮影。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックス公設市場 。市場の店は、同じ場所で、同じような商品を販売しているので、馴染みの消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックス市場 の雑踏。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックスの市場。2014年8月2日撮影。
マニラ首都圏 ケソン市(Quezon City )のリテックスの市場の雑踏 は活気がある。 露天では、路上の同じ場所で、同じような商品を販売しているので、同じような消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。
マニラ首都圏ケソン市(Quezon City )のリテックスの市場。
アダム・スミス :Smith, Adam (1776)『諸国民の富 』(An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations )は、戦前の日本では国家主義を強調していたので『国富論 』と邦訳された。1776年、スミス53歳の著作で、「国民の年々の労働は、その国民が年々消費する生活必需品と便益品のすべてを本来的に 供給する源であって、この必需品と便益品は、つねに、労働の直接の生産物であるか、またはその生産物によって他の国民から購入したものである」と述べて、あらゆる富の源泉は労働であるという労働価値説 を提唱した。 そして、「多くの利益を生む分業とは、元来、社会の富裕を予見し企図した人々の知恵の所産ではない。分業とは、広範囲の有用性には関心のない人間の本性、すなわち、物と物との交換、交易を望む関係が順次、進んでゆき、必然的な結果として帰結するのである」として分業の有用性 を主張した。 また、市場には神の見えざる手 (an invisible hand )によって、各自が利己的に行動しても、結果として、生産者・消費者など参加者のバランスをとった均衡が達成されるとした。そして、「あらゆる人々は、正義の法を犯さぬかぎり、各人各様のやり方で自己の利益を追求し、 自分の労働および資本の双方を他のどのような人々と競争しようとも、完全に自由に放任される」として、自由放任主義 (laissez-faire:レッセ・フェール )を主張した。そこで、政府の役割は、通貨の発行や安全・治安の確保など、最小限の介入にとどめるべきことを主張した。つまり、市場経済を信頼し、小さな政府・夜警国家が望ましいこと説いた。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックスの市場で売られているゴム草履 (テネラス)。露天では、路上の同じ場所で、同じような商品を販売しているので、同じような消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。 2014年8月2日撮影。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックスの市場の雑踏で立ち売りしているタイガーグラスを材料とした箒 (ほうき)。露店、立ち売り、行き商いは都市インフォーマル部門 の典型である。2014年8月2日撮影。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックスの市場で売られている携帯電話 (モービルフォン)の関連商品。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックスの歩道橋 上で売られている携帯電話 (モービルフォン)の関連商品を販売する都市インフォーマル部門 。これらの商品は、中国や香港で製造されたか、日本など先進工業国の消費者が捨てた中古品と思われるが、フィリピンまで船で運ばれたのであろう。2014年8月2日撮影。
「水上輸送 によって、陸上輸送 によるよりも遥かに大きな市場が、各産業に解放されることになるので、あらゆる産業が自然に細分化されて改善されるのも、海沿いや航行可能な川沿いになる。そして、交易を改善することが内陸部にまで拡大する。乗員二人で馬八頭の牽引する馬車は、6カ月かけてロンドンとエジンバラ間を4 トンの品物を積載して往復する。同時間で、6 人から8 人の乗員の船舶は、ロンドンとリース港の間で200 トンの品物を積載して往復できる。つまり6 人から8 人は、水上輸送 によって、ロンドンとエジンバラ間であれば、同時間で馬車50 台分、乗員100人分、馬400 頭分に相当する貨物を運搬できる。つまり、ロンドンからエジンバラの一番安い陸運で運ばれる品物は、100 人三週間分の経費、馬400 頭と馬車50 台の経費、同様の減価償却用を輸送費用として負担しなくてはならない。」(アダム・スミス (Adam Smith)『国富論 』引用)
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックスの市場を歩道橋 上から俯瞰する。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックスの歩道橋 上で売られている時計 やサングラス の関連商品。 これらの商品は、中国や香港で製造されたか、日本など先進工業国の消費者が捨てた中古品と思われるが、フィリピンまで海上交通機関で運ばれたのであろう。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市(Quezon City )のリテックスの市場を歩道橋 上から俯瞰する。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市のリテックスの歩道橋 上で売られている雑貨 。市場での営業許可を得られないような個人が転売する都市インフォーマル部門 。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの歩道橋上からみた共和国通りとリテックス市場(左)。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの歩道橋上で売られている携帯電話携帯電話 (モービルフォン:Mobile phone )カバー。市場での営業許可を得られないような個人が転売する都市インフォーマル部門。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの歩道橋 上の都市インフォーマル部門の靴販売。共和国通りをまたいでいる。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの歩道橋 の下は、大きな共和国通りでバスやジープ が流れている。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの歩道橋 の下は、大きな共和国通りでバスやジープ が流れている。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの歩道橋 上の都市インフォーマル部門の携帯電話 (モービルフォン:Mobile phone )商品の販売。 これらの商品は、中国や香港で製造されたか、日本など先進工業国の消費者が捨てた中古品と思われるが、水上輸送を使ってフィリピンまで輸入、運搬されたのであろう。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの歩道橋 上の都市インフォーマル部門の携帯電話 (モービルフォン:Mobile phone )関連商品の販売。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの歩道橋 の下は、大きな共和国通りでバスやジープが流れている。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの歩道橋 上からみた市場通り。
2015ケソン市リテックス市場 Litex, Quezon City 2015
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通り。2015年8月8日撮影。
「国民は、労働 を用いる熟練、技量、判断力のがどのようであっても、年間の供給が豊富であるか稀少であるかは、有用労働 に従事する人々と、有用労働に従事しない人々との数との比率に応じている。有用で生産的な労働者の雇用量は、運用する資本量 と資本の技術とに比例する。したがって、資本の性質、資本の蓄積 、資本の技術に応じて資本が雇用する労働量は異なってくる。」(アダム・スミス『諸国民の富』 )
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通り。2015年8月8日撮影。
これらの商品は、フィリピンの国内で生産された農産物で、陸上輸送を使ってマニラ首都圏まで運搬されたのであろう。
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通り。
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通り。
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通り。日本の「ビーチサンダル」ゴム草履は、テネラスというが1足あたり25ペソ(100円)から100ペソで安価である。
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通り。歩道橋の階段で、宝くじの露店販売が行われている。
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通りを歩道橋から俯瞰。奥にリテックス公設市場がある。2015年8月8日撮影。
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通りを歩道橋から俯瞰。奥にリテックス公設市場がある。
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通りを歩道橋から俯瞰。奥にリテックス公設市場がある。階段の下にリテックス市場が広がっていある。2015年8月8日撮影。
2011年のリテックスの市場 Litex Market, Quezon City 2011
マニラ首都圏 ケソン市リテック(リテックス)。パヤタスからジプニーで10分のリテックの商業地区。廉いお店がずらりと並ぶ。夕方は、薄暗いのは、経費節約の節電のため。
マニラ首都圏ケソン市パヤタスからジプニーで10分のリテック(リテックス)。貧困者が多いが、ジプニーやトラックが行き交っているので、公共交通機関には不自由しない。
マニラ首都圏ケソン市リテック(リテックス)の商業地区。共和国通りと命名しただけあって、道路は広く、駐車スペースも十分ある。もっとも、自家用車保有者が少ないためでもあるが。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であるからこそ、民活はしぶとく粘り強い。
ケソン市リテール(リテックス)。の商業地区。路上に青マンゴを並べて売る露天商 。路上での販売が規制されていようとも、会社に雇用されていなければ、お金を稼ぐために都市インフォーマル部門 (urban informal sector )に雇用機会を見つけるしかない。
マニラ首都圏ケソン市リテック(リテックス)の商業地区の横断歩道で、カラマンシ(レモン)を袋に入れて売っている「立ち売り」。これも都市インフォーマル部門 (urban informal sector )の生業である。
マニラ首都圏ケソン市リテック(リテックス)。お店の前にさらに小さな露店が重なる。これも、都市インフォーマル部門 (urban informal sector )の労働集約的産業。
マニラ首都圏ケソン市 リテック(リテックス)・マーケット。
商売が盛んなケソン市 リテック(リテックス)。カリトン (三輪荷車)物を運ぶ仕事をして駄賃を稼ぐお年寄り。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であり、高齢者も貧困者も働くしかない。老人ホームのような施設入居の機会も生活資金も得ることができないのである。
ケソン市 リテック(リテックス)「共和国通り」にかかる歩道橋。
マニラ首都圏ケソン市リテック(リテックス)の商業地区の歩道橋 (footbridge )。バスやジプニーの停留所が近いのでたくさんの人が行き来している。
マニ首都圏ケソン市リテック(リテックス)歩道橋 (footbridge )でお金を求める障碍者。政府による社会保障 も生活保護 も不十分なため、ポリオのような身体不自由な障碍をもてば、仕事を得ることはまずできない。人通りの多い歩道に家族に運んでもらい、恵みを乞うて生活する。本人の同意を得て撮影・転載不可。
ケソン市 リテック(リテックス)の露天商(urban informal sector )。
ケソン市パヤタスからジプニーで10分のケソン市リテック(リテックス)商業地区。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市リテール(リテックス)からジプニーで20分以上かけてケソン市中心部に向かう。
ケソン市(Quezon City )。メトロレール (Manila Metro Rail Transit :MRT)のケソン駅。夜になると、パヤタスやリテックにはない有名チェーン店のネオンサインが眩しい。
2014ケソン市のジプニー Litex, Quezon City 2014
マニラ首都圏ケソン市のリテックス市場通りのジープ。 マックス・ウェーバーは20世紀初頭『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で、カール・マルクスの言う労働の阻害、資本主義のくびきに置かれた労働者の搾取にを批判するような禁欲的勤労観を賛美した。ただ一度きりの人生を与えられた人間は、死を迎えるまでに何をすべきか。何ができるか。死んだ後の最後の審判で、救われるのか。このように、人生の不確実さと死の確定的な訪れを知れば、だれでも恐怖と不安から、人生を緊張感をもって見つめなおす。与えられた生、命に気が付けば、絶対者の与えた運命に従うしかない。自分に与えられた命を、一生懸命に生きることが人生である。自分には運命、使命、天命が与えられ、この世に生まれたのもそのために違いない。このような神が与えた恩寵の中で、自らの天職を見つけだし、与えられた自分の才覚を最大限に伸ばし、活かして、一所懸命に生きる。宗教的使命感を抱く思惟する個人は、天職を確信して、懸命に働くというエートスを尊重し、与えられた命・宿命を貫く。そして、絶対者・神の栄光(生を与え天職を授けたこと)を現世に体現しようとする。自らの労働自体に価値を見出すことは、カール・マルクスが説いた労働価値説とも、資本主義のエートスとも繋がってくるのであり、貴賤の区別、資本家と労働者の階級格差には関わりがない。
マニラ首都圏ケソン市のリテックスの市場。 大成功を成し遂げた資本家は、紙が自分に与えた才覚を最大限に生かして、一生懸命に天分を尽くしただけだと謙遜する。資本・資金・配下の労働者・技術の優位性を以て、自分のビジネスが大成功した、自分の経営的才覚が優れているから大富豪になった―――こんなことを経営学者は主張するかもしれないが、成功者が自伝に述べているのは、「みんなに(神に)助けられながら、懸命に働き仕事に打ち込んだだけ」という言葉である。資本主義の二面性、市場の自由な取引、資本・資金・労働・技術の資本家による支配について、実は、労働者・勤労意欲・労働に対する倫理観によって、アダム・スミスの述べた市場における予定調和論にも弁証法的に繋がるのである。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市リテックス、共和国通りを走るジプニー (乗合自動車)。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市のリテックスの共和国通りを通るジプニー (乗合自動車)。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市のリテックスの市場。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市のリテックスの市場前のジープ通り。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市のリテックスの市場のジプニー (乗合自動車)。2014年8月2日撮影。
マニラ首都圏 ケソン市のリテックスの市場前のジープ通り。
マニラ首都圏ケソン市のリテックスの市場のジプニー (乗合自動車)。
2015年8月、フィリピン研修、マニラ首都圏 に位置するケソン市のパヤタスからリテックスに向かうジプニー (乗合自動車)車内。
マニラ首都圏 に位置するケソン市のリテックスからケソン市クバオ(Cubao )の繁華街に向かうバスの車内。
マニラ首都圏 (Metro Manila )に位置するケソン市のリテックスからケソン市クバオまで走るバスの車内。車掌が乗車しているので、行き先や料金、乗り換えなど気軽に尋ねることができる。2014年8月2日撮影。
2015ケソン市クバオ繁華街 Cubao, Quezon Citry 2015
フィリピン Philippinesマニラ首都圏 に位置するケソン市クバオ (Cubao)繁華街。 消費者による購入の意思決定プロセスでは、AIDMA (アイドマ :attention,interest,desire,memory,action)、すなわちA:注意、I:関心、D:欲求、M:記憶、A:行動、が関連するだけでなく、商品購入後の効用増加というプロセスも考慮する必要がある。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏 (Metro Manila )に位置するケソン市クバオ(Cubao )の繁華街。2014年8月2日撮影。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市クバオ(Cubao )の繁華街。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市クバオ(Cubao )の繁華街。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏に位置するケソン市クバオ(Cubao )の繁華街。MRTクバオ駅 を降りたロハス通り周辺には、雑居ビルに挟まれ、たくさんの露天 が小売をしている。露天では、路上の同じ場所で、同じような商品を販売しているので、同じような消費者が購入する場合が多いであろう。これがリピーターである。 2014年8月2日撮影。
2015ケソン市タフト通り Taft Av.,Pasay 2015
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市のMRTタフト駅 のMLT。MRTに乗車してクバオ駅からタフト通り駅に着いた。2014年8月2日撮影。
マニラ首都圏 (Metro Manila )に位置するパサイ市のMRTタフト駅。MRTでクバオからタフトに着いた。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏に位置するパサイ市のMRTタフト駅。男女別の車両があるために、階段部分で女性専用通路ができている。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏(NCR )に位置するパサイ市のタフト駅からみたタフト通り。MRTタフト駅陸橋とエドサ・タフト交差点は、2007年封切りのアメリカ・アクション映画ボーン・アルティメイタム (THE BOURNE ULTIMATUM )の撮影場所でもある。2014年8月2日撮影。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏(NCR )に位置するパサイ市のMRTタフト駅下。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏(NCR )パサイ市(Pasay City)のMRTタフト駅下。車内で飲むのを意識してか、乗り物(バス・ジプニー・MRT・LRT)乗り場では必ず飲料水を販売している。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏(NCR )に位置するパサイ市のMRTタフト駅への階段。障害者や妊婦用のエレベータやエスカレーターはこの駅には備わっていない。バリアフリー化は、一部の駅のみ。2014年8月2日撮影。
マニラ首都圏 (Metro Manila )パサイ市(Pasay City)のMRTタフト駅への階段近くでアボガドを販売する露天は、都市インフォーマル部門の典型。路上の同じ場所で、同じような商品を販売している。
東海大学 University
マニラ首都圏 (Metro ManilaあるいはNCR :National Capital Region))ケソン市パヤタスのキリスト教会の集会に参加した鳥飼ゼミナール。2014年8月の聞き取り調査時。
パヤタス廃棄物最終処分場周囲に暮らす子供たちと鳥飼ゼミナール3年生。2015年8月撮影。
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〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1 東海大学教養学部人間環境学科社会環境課程 鳥飼 行博 TORIKAI Yukihiro HK,Toka University,4-1-1 Kitakaname,Hiratuka Kanagawa,Japan259-1292東海大への行き方 |How to go
◆大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。
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『アジア地域コミュニティ経済学 フィリピンの棚田とローカルコモンズ』 (東海大学出版部2015年):政府開発援助、フィリピン財政、棚田の有機農業、バイオマスエネルギーを分析しました。 持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。
『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』 (多賀出版2007年):少子高齢化・ジェンダー,再生可能エネルギー,熱帯林,廃棄物輸出を分析しました。
『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』 (東海大学出版会2002年)と『CRUGE研究叢書 環境ネットワークの再構築 環境経済学の新展開』田中廣滋編 (中央大学出版部2001年)は「草の根民活論」の嚆矢です。
『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』 (東海大学出版会):「環境協力論」「開発経済学」「環境政策」のテキストで,難民,軍縮も扱っています。
『環境ネットワークの再構築−環境経済学の新展開』 田中廣滋編(中央大学出版部)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
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『ポスト福祉国家の総合政策−経済・福祉・環境への対応』 丸尾直美編著(ミネルヴァ書房)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
『学習漫画 サリバン先生』 (集英社2011年刊行)を監修し解説を書きました。アンの生い立ち、ヘレンケラーとのかかわりから、ノーマライゼーション提唱者としての先見性まで扱っています。
『写真ポスターから学ぶ戦争の百年−二十世紀初頭から現在』 (青弓社2008年刊行)では、二十世紀の戦争を扱い大量破壊、大量殺戮からプロパガンダまで扱いました。
『写真ポスターから見るナチス宣伝術−ワイマール共和国からヒトラー第三帝国』 (青弓社2011年刊行)では、暴力、テロによるナチ党政権奪取と戦争動員を解説しました。
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<草の根民活> 従来まで,開発には民間大企業,国営企業,外資,政府の役割が強調され、個人経営体,家族無償労働,女子,地域コミュニティ,都市インフォーマル部門は、社会的弱者として,ソーシャルセイフティネット の対象として改善の対象とみなされてきた。しかし、開発の担い手に,中間所得層を当てるために,彼らを新たに持続可能な開発に参加する主体として認識すべきであろう。 つまり,開発途上国にあっては,個人経営体,個人経営体に雇用される民間雇用者,家族無償労働 が広範に存在しており,農業はもちろん,製造業やサービス業という産業部門にあっても重要な役割を担っている。そこで,企業やその下で雇用される民間雇用者(勤労者)だけではなく,彼らも開発と環境保全の担い手としての役割を認めるのである。
◆スラム (Slum ) とは、交通・エネルギー・衛生・教育などのインフラが不十分で、都市貧困層の暮らす居住区である。しかし、外見にもかかわらず、そこは、生半可な知識や偏見を抱いた識者が言うように「公共サービスが受けられない」のではないし、「荒廃状態にある状況」とは言い難い。開発途上国の大都市には、どこでもスラム街といっていい地区があるが、そこは貧しいけれども、住民が必死に苦労して生きている場所であり、草の根の民間活力の感じられる場所である。
◆開発途上国 の人口増加と都市化 の進展に伴って、スラム人口 (Slum population )人口は増加傾向にあり、2007年時点で、10億人はスラム居住者であると推測され、国別では、中国 1.7億人、インド 1.1億人、パキスタン2750万人、インドネシア2680万人、フィリピン 2390万人、ブラジル4570万人、メキシコ1180万人、ナイジェリア4530万人、スーダン1550万人などされる。
スラムの特徴として高失業率 があげられるが、これは正確な表現ではない。なぜならスラム住民で、正規の工場労働者、サラリーマン はきわめて少なく、多くは自らが仕事を作り出している状況にあるからである。
スラム街の居住者を中心に貧困者が、少ない元手で自営的に零細な仕事を起こしているのが、都市インフォーマル部門 である。具体的には、食品など材料を安く買って加工したり、小さな袋に分けたりして、露店で売る転売、路上で客を待つ靴磨きや荷物運び、商店やタクシーやバスの客引き、駐車する車の番人など、さまざまな職を自ら生み出している。この特徴は、小規模な元手で行う自営的サービス業という点であり、高失業率 といった主に会社の正規雇用を念頭に置いた概念で図ることはできない。
スラム街の特徴は、都市インフォーマル部門 程度しか雇用機会を提供できないという貧困であるが、だからといって「犯罪や麻薬 、アルコール依存症や自殺などが多発する」というのも誤解である。開発途上国でなくとも、非衛生的な環境であれば、病気、伝染病が蔓延するが、だからと言って、スラム住民が強盗や盗人 に成り下がるということは言えない。
◆開発途上国 のスラム居住者は、農村から押し出され、あるいは都市に惹きつけられた出稼ぎ者や移住者が多く、貧しいながらも貧困から抜け出そうと、都市インフォーマル部門 において、厳しい低報酬の労働にいそしんでいる。また教育に熱心になる傾向も指摘できる。彼らは、農村という地域コミュニティ を引き継いで、都市のスラムにあっても一定の自治的な秩序をもって生活している。環境の悪い町外れなどの未開発の地域に住み着いたとしても、住民相互には、暗黙の了解・契約があり「無秩序 」ではない。
<ゼミ研修感想>
私たち鳥飼ゼミナールは、8月にフィリピンへ行き都市のインフォーマル部門やスラムへ行き貧困に対して学ぶためにフィールド調査を行いました。まず、私にとって初めて訪れる土地だったためどういった国柄なのか、文化や習慣などを下調べして行きました。また、現地でフィールド調査を行うにあたって事前の予習を行い過去の歴史や現在の状況、これからの課題等を学んでフィリピンという土地を訪れました。まず、フィリピンの第一印象は、ビルやマンションが建設されていて思っていたよりも都会だということでした。また、日本にもあるファーストフードのお店やチェーン店もあり親近感が湧いたのを覚えています。移動の際にタクシーに乗りましたが、交通整備があまり行われておらず車やバイクがやりたい放題になっていていつ事故が起きてもおかしくない状況でした。そこで、日本の交通整備の凄さや規則を守る国民性、警察の存在意味があるのかなと思いました。
フィリピンでの1日目は、ホテル周辺を散策して、始めての事がとても多くありました。日本では見かけられないサリサリや水を売る業者を含め住宅や道、お店などすべてが私にとって新鮮でした。夜には、電車でご飯を食べにアヤラという町に行き食べましたが、日本にもあるようなショッピングモールがあり1日目にしてフィリピンの貧富の格差を感じました。
2日目は、マニラのケソン市という場所に行きスモーキーマウンテンや貧困のフィールド調査、NGOのリカ縫製作業所を訪れました。ホテルから電車に乗り、ジープを乗り継いで現地に行きました。そこは、前日に行ったアヤラとは同じフィリピンなのに全く違い、家はトタン屋根やビニールで覆われられていたり、服を着ていない子供達がいたり、水道整備も無くタンクを持って行き買い帰りは10キロ以上あるタンクを自宅まで運んでいました。そこに住んでいる方は、ゴミ山(スモーキーマウンテン)からゴミを拾ってきて、ジャンクショップという収集屋に渡しお金を貰い、それをジャンクショップが再利用していくというサイクルが生まれ、それで日々を暮らしていました。実際にジャンクショップを訪れましたが金属のものやプラスチック、生ゴミなど様々なものがあり、それを分別して洗ったりしている姿を見ることができました。また、生ゴミなどが3メートルほど積んであり放置されていたために匂いがひどくハエがとても多かったのを覚えています。しかし、私が驚いたのはそんな中でも住んでいる方達には笑顔がたくさんあってとても貧しい環境で暮らしているとは思えないほどでした。住民の方が「私たちは幸せな貧乏だ」と言っていました。現実を受け止めつつその中で何か楽しいことを見つけ、生きがいのようなものを見つけることで、貧しい生活の中でもたくさんの笑顔が生まれていくのかなと思いました。
3日目は、前日とはまた違うスモーキーマウンテンを訪れました。そのスモーキーマウンテンはとても大きく住宅が多くあり、多くの人が住んでいました。また、草や木も生えていて、更にバナナや芋、トウモロコシなどの野菜を育てていました。こうした野菜を売ることで生計を立てているそうです。スモーキーマウンテンの所有権というのは、国があまり関与できておらず先に住んだもの勝ちらしく早く住んでいる人は土地を多く持っており、しっかりと柵や囲いがされていました。このスモーキーマウンテンはできたのが古かったために全く匂いがひどく無く、土壌も土のようでした。ここでも、たくさんの住人の方と接することができましたが皆さんに笑顔があり貧しい暮らしの中で楽しんでいるようにも見ることができました。
4日目は、鳥飼先生と別れ4人でフィリピンにある水族館に行きました。私自身とても魚が好きなので、とても楽しむことができました。また、水族館に行く時に道に迷ってしまい、現地の人に自分なりの英語でどこにあるのかと伝え、無事つくことができました。こうした、自分から何か聞いたりすることを以前はできませんでしたが、知らない土地で何かしていく上で自己主張や積極性の大切さに気づくことができました。
フィリピン研修を通して得ることができたものは、日本で普通に暮らしていては得ることができないと思えるほど多く刺激的でした。貧富の格差についても、授業や本を読んだりインターネットで調べたりしてもイメージだけで終わってしまうけれど、現地に行くとスターバックスでコーヒーを飲んでいる人もいれば、明日の暮らしさえもままならない人もいるということを知りました。ナイキの靴を履いている人もいれば何も履いていない子供もいたこと。私たち日本人にとって当たり前なことがどれだけ裕福で幸せかということを思い知らされました。水道が通っていて当たり前、ゴミが落ちていなくて当たり前、仕事があることが当たり前、衣食住しっかりしていることが当たり前なのかもしれない。でもそれができていない国や人がいるということを常に思わなければいけないと思いました。また、初めての海外ということでとても新鮮でもありました。フィリピンの人は本当に気さくで話しかけてくれ、日本人よりもあったかいなと思いました。貧しい暮らしをしているかもしれないけど、裕福に暮らしている私たちよりも明るくて、心が豊かだと感じました。そう考えると、幸せってなんなのか考えさせられました。本当にフィリピン研修は楽しいことや辛かったこと、刺激的だったことなどいろいろありましたが、行ってよかったなと思っています。
◆注意!!パヤタスやリテックに行く方法が現地で探し出せないのであれば、「スタディーツアー」や団体旅行としても行くべきではないでしょう。高くつきます。治安や病気が心配だという場合も行くべきではありません。日本の生活感覚、お金や安全の感覚、旅行気分を保って出かけるところではないのです。フィリピン政府にとってもパヤタス貧困観光は好ましいことなはずがありません。望遠レンズを使ったり、カメラマン・ジャーナリスト気取りで、写真を撮り、被写体に嫌悪感を抱かれる人もたくさんいます。了解を得ない写真撮影は、すべきではありません。リテックスやパヤタスに行けば、何が起きても、何を起こしてもおかしくないということを自覚してください。