◆マニラ首都圏の市場:鳥飼ゼミ海外研修
1.
国際協力 や
人口問題 をフィールド調査を踏まえて研究します。
2.2010年のフィリピン共和国の面積は30万平方キロ(日本の80%)、
人口 9900万人、
GDP 2000億ドルで、工業部門がGDPの30%以上を占めています。フィリピンの
1人当たりGDP は2,100ドルと日本の5%で、マニラ首都圏(
人口 1100万人)は、GDPの30%を占める国内では豊かな地域ですが、スラム街も広がっています。
3.2011年8月、東海大学社会環境課程鳥飼ゼミのフィリピン研修で学生が調査をしたケソン市パヤタスとリテックのスラム街について写真解説します。
4.
写真解説一覧 も参照。
〇東海大学
新教養学部 の文系と理系を融合した新人間環境学科では、社会環境課程が廃止され、鳥飼ゼミの海外研修・フィールド調査・国際社会ゼミナールの授業はありません。
フィリピン棄物
Garbarge Slum
マニラ首都圏
Metro Manila
フィリピンのマニラ首都圏 (Metro Manila )のケソン市(Quezon City )。メトロレール (Manila Metro Rail Transit :MRT)のケソン駅からパヤタス行きのジプニーを探していたら、リテック(リテールと聞こえる)行きに乗れと。
マニラ首都圏 (Metro Manila )のメトロレール (Manila Metro Rail Transit :MRT)のケソン駅からジプニーに乗車。満員になると発車する。20分でリテック(リテールと聞こえる)に着く。
フィリピンのメトロマニラにあるケソン市 (Quezon City )の人口は200万人以上。メトロレイル のケソン駅とリテールの間の「共和国通り」には、バスも走っている。車掌が行き先を書いた看板を手にして、客を集めている。
マニラ首都圏 (Metro Manila )のケソン市 (Quezon City )。「共和国通り」を走っているバスの車内。メトロレイルのケソン駅とリテール間で、車掌が切符を売っている。前もって頼めば、指定した場所についたときに教えてくれる。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏 に位置するケソン市Quezon Cityの共和国大通り(Commonwealth Avenue)。左後方にある緑の屋根は、巨大なイグレシア・ニ・クリスト・セントラル教会(Iglesia Ni Cristo - Central Temple )。メトロレイル の駅とリテック(リテールと聞こえる)の間には、ジプニー、バスが多く走行しており、自家用車は日本ほど多くはない。公共交通機関が発達しているので、自家用車がなくとも不便はない。
ケソン市リテックス
Litex, Quezon City
ケソン市 (人口220万人)リテック(Litex )の市場向かいパヤタス(Payatas )に行くジプニー(Jeepney )が出る。パヤタスではスラムを見学し、住民に聞き取り調査を行った。
マニラ首都圏 ケソン市東部に位置するリテック(Litex )。中央、赤のナイキ印のTシャツのおじさんは、バスやジプニーのために、声をかけて乗客を探している客引き 。これも都市インフォーマル部門の仕事。運転手や車掌は、1回1ペソくらいを道路に投げたり、客引きに渡したりする。フィリピンにいた日本人の大半は客引き を誤解している。
リテック(Litex )の中心となる共和国通りには、バスやジープニー が引っ切り無しに通る。そこで、歩行者が道路を横切らないように、鉄の柵が据えられている。
リテックのジープニー (Jeepney )。ここからパヤタス(Payatas )に行くジプニーが出る。
ケソン市パヤタス Payatas, Quezon City
パヤタス の小学校近く。 政府による社会保障給付費 も受け取れず、生活保護支給 もない状況で、スラムバラック が拡大する。
ケソン市パヤタス の低所得層住宅地、スラムバラック 。このあたりはスクオッター (squatter :不法占拠者)かもしれないが、自治組織のバランガイがある。
マニラ首都圏パヤタス の低所得層住宅地。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であれば、貧しい住民の中には、やむを得ず不法占拠者となる場合もある。
パヤタス 住宅、スラムバラック 。排水路の近く。
スラムの商売 Business Model
パヤタス にもたくさんのサリサリ(雑貨店)がある。スラム でなくとも雑貨店(Sari-sari store )はたくさんある。タガログ語で「いろいろあること」をサリサリ(Sari-sari store )といい、雑貨店をサリサリ・ストア(Sari-sari store )と呼ぶ。 サリサリは、フィリピンの伝統的な個人営業コンビニ(Convenience store )で、「萬屋」(よろずや )である。
メトロマニラのパヤタスの炭火焼 。豚肉、ソーセージ、鶏肉などの串肉を炭火で焼いてくれる。パヤタス住宅地での炭火の串肉焼屋 の露天商いはほかにもたくさんある。
マニラ首都圏ケソン市パヤタススラム街 の炭火焼 。レストランの高級な串肉炭火焼 とは違って、路上にたくさんある。
パヤタス の生業。炭(ウリン)を買ってきて、小分けをして売る準備をする。 政府による社会保障給付費 も受け取れず、生活保護支給額 もゼロであるからこそ、スラム に草の根民活が発達する。
2011年3月、パヤタススラム街 では、炭をまとめ買いし、それを小さな袋に分けている。それを販売する。
パヤタスの子供
Children Dreaming
マニラ首都圏ケソン市パヤタススラム街 裏通りで遊ぶ子供たち。スラム街 でも靴はおろか、草履も履いていない子供たちも少なくない。
右のコンクリートブロックの二階建ての家屋は、施工から見て、自分たちでブロックを積み上げて建築されたもの。
マニラ首都圏ケソン市パヤタススクオッター (squatter :不法占拠者)のバラック裏通りで遊ぶ子供たち。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であっても、家族があれば子供たちは育ってゆく。
パヤタススラム街 で木製の車体にタイヤ を取り付けたおもちゃの自動車で遊ぶ。
スラム街の住居 housing
マニラ首都圏ケソン市パヤタスのスラム地区 。調理では焜炉(こんろ) 、調理用ストーブ が主流。燃料は薪炭。
マニラ首都圏ケソン市パヤタススラム街 バラック。トタンや金網で屋根や周囲を覆っている。右のほうでは、自動車の車輪の金具を再利用している。
もともと、排水路 や貯水池のあるな窪地で、住んでいる住民がいなかったために、不法占拠者(スクオッター :squatter )がここに仮ごしらえの住居を建築した。それが恒常的な居住地となり、住居も次第に増え、構造的にもしっかりしたものに変化していった。
マニラ首都圏ケソン市パヤタスのスラムバラック でも電気が利用できる。消費電力検針メーターがまとめて設置してある。決して盗電が一般的なのではない。
水供給
water supply
マニラ首都圏ケソン市パヤタス の飲料水販売所。ガラス越しに水ボトルが見えたので中を見せていただいた。
政府による社会保障 も生活保護 も不十分であるからこそ、スラム では草の根民活の動きがある飲料水ボトルを小型トラックに運ぶ少年。後方には、水のろ過装置と水タンクがある。
マニラ首都圏ケソン市パヤタス の飲料水販売所。パヤタス の飲料水販売所では水ボトル、プラスチックカバーを封印する。ボトルの栓にプラスチックがバーをかけて、ドライヤーの熱で溶かして封印し、低所得層向けに飲料水を販売する。自動車でまとめて購入してゆく業者、バランガイ(集落)も多い。
ヘルスセンター
Community Health Centre
マニラ首都圏ケソン市パヤタスのコミュニティ・ヘルスセンター (Community Health Centre )。ごみ集積場のすぐ隣にある。
地域医療センター (コミュニティ・ヘルスセンター:Community Health Centre )では、婦人、子供が多い。これは、妊産婦検診が主要な仕事のためである。
リテックスの商業 Litex Market, Quezon City
マニラ首都圏 ケソン市リテック。パヤタスからジプニーで10分のリテックの商業地区。廉いお店がずらりと並ぶ。夕方は、薄暗いのは、経費節約の節電のため。
マニラ首都圏ケソン市パヤタスからジプニーで10分のリテック。貧困者が多いが、ジプニーやトラックが行き交っているので、公共交通機関には不自由しない。
マニラ首都圏ケソン市リテックの商業地区。共和国通りと命名しただけあって、道路は広く、駐車スペースも十分ある。もっとも、自家用車保有者が少ないためでもあるが。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であるからこそ、民活はしぶとく粘り強い。
ケソン市リテールの商業地区。路上に青マンゴを並べて売る露天商 。路上での販売が規制されていようとも、会社に雇用されていなければ、お金を稼ぐために都市インフォーマル部門 (urban informal sector )に雇用機会を見つけるしかない。
マニラ首都圏ケソン市リテックの商業地区の横断歩道で、カラマンシ(レモン)を袋に入れて売っている「立ち売り」。これも都市インフォーマル部門 (urban informal sector )の生業である。
マニラ首都圏ケソン市リテック。お店の前にさらに小さな露店が重なる。これも、都市インフォーマル部門 (urban informal sector )の労働集約的産業。
マニラ首都圏ケソン市 リテック・マーケット。
商売が盛んなケソン市 リテック。カリトン (三輪荷車)物を運ぶ仕事をして駄賃を稼ぐお年寄り。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であり、高齢者も貧困者も働くしかない。老人ホームのような施設入居の機会も生活資金も得ることができないのである。ケソン市 リテック「共和国通り」にかかる歩道橋。
マニラ首都圏ケソン市リテックの商業地区の歩道橋 (footbridge )。バスやジプニーの停留所が近いのでたくさんの人が行き来している。
マニラ首都圏ケソン市リテック歩道橋 (footbridge )でお金を求める障碍者。政府による社会保障 も生活保護 も不十分なため、ポリオのような身体不自由な障碍をもてば、仕事を得ることはまずできない。人通りの多い歩道に家族に運んでもらい、恵みを乞うて生活する。本人の同意を得て撮影・転載不可。
ケソン市 リテックの露天商(urban informal sector )。政府による社会保障給付費 も受け取れず、生活保護支給 もないからこそ、草の根民活の都市インフォーマル部門が興隆する。
ケソン市パヤタスからジプニーで10分のケソン市リテック商業地区。
フィリピンのマニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市リテールからジプニーで20分以上かけてケソン市中心部に向かう。
ケソン市(Quezon City )。メトロレール (Manila Metro Rail Transit :MRT)のケソン駅。夜になると、パヤタスやリテックにはないような有名チェーン店のネオンサインがまぶしい。
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org)のカリンガ州の説明
カリンガ州 (Province of Kalinga )は、フィリピン 北部ルソン島 のコルディリェラ行政地域 (Cordillera Administrative Region, CAR )に属する州 である。北にアパヤオ州 、西にアブラ州 、南にマウンテン州 、東にカガヤン・バレー地方 のイサベラ州 、カガヤン州 と接している。1995年 2月14日 、旧カリンガ・アパヤオ州(Province of Kalinga-Apayao )が2つに分割されて誕生した。面積は3,119.7km²、人口は174,023人(2000年 )、州都はタブク (Tabuk )である。
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org)の引用
ルソン
I – イロコス地方
北イロコス | 南イロコス | ラウニオン | パンガシナン
II – カガヤン・バレー地方
バタネス | カガヤン | イサベラ | ヌエヴァ・ヴィスカヤ | キリノ
III – 中部ルソン地方
アウロラ | バターン | ブラカン | ヌエヴァ・エシハ | パンパンガ | タルラック | サンバレス
IV-A – カラバルソン地方 バタンガス | カヴィテ | ラグナ | ケソン | リサール
IV-B – ミマロパ地方
西ミンドロ | 東ミンドロ | マリンドゥク | ロンブロン | パラワン
V – ビコール地方
アルバイ | 北カマリネス | 南カマリネス | カタンドゥアネス | マスバテ | ソルソゴン
コルディリェラ行政地域
アブラ | アパヤオ | ベンゲット | イフガオ | カリンガ | マウンテン
マニラ首都圏
マニラ首都圏の行政区画
ヴィサヤ
VI – 西ヴィサヤ地方
アクラン | アンティーケ | 西ネグロス | カピス | ギマラス | イロイロ
VII – 中部ヴィサヤ地方
ボホール | セブ | 東ネグロス | シキホル
VIII – 東ヴィサヤ地方
ビリラン | 東サマル | レイテ | 北サマル | サマル | 南レイテ
ミンダナオ
IX – サンボアンガ半島地方 北サンボアンガ | 南サンボアンガ | サンボアンガ・シブガイ X – 北部ミンダナオ地方
東ミサミス | 西ミサミス | カミギン | 北ラナオ | ブキドノン
XI – ダバオ地方
コンポステラ・バレー | ダバオ | 南ダバオ | 東ダバオ
XII – ソクサージェン地方 南コタバト | コタバト | スルタン・クダラット | サランガニ
XIII – カラガ地方
北アグサン | 南アグサン | 北スリガオ | 南スリガオ | ディナガット・アイランズ ムスリム・ミンダナオ自治区 バシラン | 南ラナオ | マギンダナオ | スールー | タウイタウイ
東海大学 University
マニラ首都圏 ケソン市パヤタスのヘルスセンターにて。2011年3月の聞き取り調査時。
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〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1 東海大学教養学部人間環境学科社会環境課程 鳥飼 行博 TORIKAI Yukihiro HK,Toka University,4-1-1 Kitakaname,Hiratuka Kanagawa,Japan259-1292東海大への行き方 |How to go
◆大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。
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『アジア地域コミュニティ経済学 フィリピンの棚田とローカルコモンズ』 (東海大学出版部2015年):政府開発援助、フィリピン財政、棚田の有機農業、バイオマスエネルギーを分析しました。 持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、再生可能エネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。
『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』 (多賀出版2007年):少子高齢化・ジェンダー,再生可能エネルギー,熱帯林,廃棄物輸出を分析しました。
『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』 (東海大学出版会2002年)と『CRUGE研究叢書 環境ネットワークの再構築 環境経済学の新展開』田中廣滋編 (中央大学出版部2001年)は「草の根民活論」の嚆矢です。
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土の匂いの子
◆注意!!パヤタスやリテックに行く方法が現地で探し出せないのであれば、「スタディーツアー」や団体旅行としても行くべきではないでしょう。高くつきます。治安や病気が心配だという場合も行くべきではありません。日本の生活感覚、お金や安全の感覚、旅行気分を保って出かけるところではないのです。フィリピン政府にとってもパヤタス貧困観光は好ましいことなはずがありません。望遠レンズを使ったり、カメラマン・ジャーナリスト気取りで、写真を撮り、被写体に嫌悪感を抱かれる人もたくさんいます。了解を得ない写真撮影は、すべきではありません。リテックスやパヤタスに行けば、何が起きても、何を起こしてもおかしくないということを自覚してください。
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