Search the TorikaiLab Network

Googleサイト内

I L O 駐 日 事 務 所(〒150−0001 東京都渋谷区神宮前5−53−70 国連大学本部ビル8階 )は、次のような見解を掲げている。

「児童労働」とは、以下のような子どもの労働のことです。
◆原則15歳未満の子どもが、大人のように働く労働
ILO138号条約 が定める就業最低年齢

最低年齢 15歳
・ 義務教育修了年齢を下回らない(原則)
・ 途上国は14歳とすることができる

軽易な労働 13歳
・ 途上国は12歳とすることできる

危険な労働 18歳
・ 健康・安全・道徳が保護され、適切な職業訓練を受ける場合は16歳

* 子どもたちの健全な成長を妨げる労働をさし、家や田畑での手伝い、小遣い稼ぎのアルバイトなどは含まれません。

◆18歳未満の子どもが行う最悪な形態の労働

ILO182号条約
人身取引、債務奴隷、強制的な子ども兵士、その他の強制労働
買春・ポルノ、麻薬の製造・密売などの不正な活動
子どもの健康・安全・道徳を害し、心身の健全な成長を妨げる危険で有害な労働

◆家族の元で行われる児童家事労働でも、教育に使用をきたすこともあるし、過酷なこともある。路上での物乞いや買い物袋の販売は小遣い稼ぎとて行われる。これが「児童労働」には含まれませんというのは、より過酷な状況の子供たち、「最悪な形態の労働」の救済・保護を優先しているからであって、放置しておいてよい問題ではない。

◆なぜ「児童労働」があるのですか?

一番の原因は <貧困> です。(1日1米ドル未満で暮らす人は10億人) しかし、その他にも...
・ 子どもの教育へのアクセスがない
・ 親の教育の欠如
・ 子どもの地位が低い価値観や社会慣行
・ 地域社会の労働慣行
・ 地方から都市への移住
・ 家庭の問題
・ 不適切な法律の施行

◆なぜ「児童労働」をなくさなくてはならないのですか?
・ 子どもの人権を侵害するから
・ 子どもが教育を受ける権利を侵害するから
→ 十分な教育を受けられまま大人になり、貧困の連鎖につながる
・ 子どもの心身の健全な発達を妨げるから

児童労働撤廃のコストは、途上国の軍事費の約2割と試算されています。


再生トイレットペーパの製造工程

1)古紙回収(原料)
2)溶解
3)精選
4)脱墨
5)洗浄
6)減菌・漂白
7)抄紙
8)加工
9)製品保管  

ビール製造工程
1)製麦:大麦から麦芽へ
2)仕込み:麦芽から麦汁へ
3)発酵:麦汁からビールへ
4)貯酒:ビールの低温での熟成
5)濾過:おり、酵母を除去し生ビールへ
6)缶詰:容器に酸素が入らないように注入


再生トイレットペーパの製造工程

1)古紙回収(原料)
2)溶解
3)精選
4)脱墨
5)洗浄
6)減菌・漂白
7)抄紙
8)加工
9)製品保管  

ビール製造工程
1)製麦:大麦から麦芽へ
2)仕込み:麦芽から麦汁へ
3)発酵:麦汁からビールへ
4)貯酒:ビールの低温での熟成
5)濾過:おり、酵母を除去し生ビールへ
6)缶詰:容器に酸素が入らないように注入

ケソン市Quezon City)は人口200万人以上で、大規模な廃棄物最終処分場とスラム街がある。特に、パヤタス通りには、トタン板に囲まれたジャンクショップ(屑屋)が並んでいる。そのような場所にも、キリスト教会があるが、普通の家と変わらないバラック造りである。

キアポ市場の市場にある露店は、都市インフォーマル部門urban informal sector)の生業である。会社に雇用されていなければ、お金を稼ぐために都市インフォーマル部門urban informal sector)に雇用機会を見出すしかない。
 政府による社会保障生活保護も不十分であるからこそ、スラムではリサイクル小規模事業=草の根民活の動きがある。
マニラ首都圏に多い都市インフォーマル部門urban informal sector)は、イントラムロスではほとんど見かけない。

 マニラ市エルミタ地区から、デビソリア(Divisoria)行きジプニーで20分のところに、キアポ市場がある。キアポ地区は、16のバランガイ(Barangays:最小の行政単位)からなる人口2.5万人の地区。キリスト教徒のほか、イスラム教徒も住んでいる。

華僑(かきょう)とは、中国、特に広東省、福建省を僑郷(華僑のふるさと)として、海外に移住した中国人を指す。現在、世界に2000万人いるとされるが、清朝時代、満州族の王朝・官僚に抵抗して亡命した中国人漢民族から、経済的な成功のチャンスを求めた中国人まで、移住の動機はさまざまである。

アヘン戦争後、列国の中国半植民地化の動きの中で、窮乏化たり、海外ビジネスのチャンスをつかもうとしたりした南部の中国人が多数、海外に移民した。「半封建・半植民地のもとで生活に窮した人々は、戦争や農民反乱の混乱から逃れて、大量に海外へと流出していった」「福建省の場合も、元代以降大規模移民が始まっている。もともと山がちで耕地が少なく、多くの人口を抱えていたという事情に加えて、自然災害の発生、海外貿易の発展といったことが、そうした大量移民を出現させる背景であった。」との華僑の解釈もある。

 しかし、筆者の研究では、華僑は、窮乏化した労働者の海外出稼ぎだけでなく、新たなビジネスチャンスを求めた積極的な海外渡航が契機になっていることも多く、その出身者も中間層以上の中国人も例外ではない。孫文の革命運動を支えた興中会、中国同盟会会員の中には多数の華僑があるが、彼らは富裕層ともいえる。また、中国辛亥革命後、華僑が海外送金や外国情報の提供、外交仲介で、国民政府を手助けした。

 ◆中国狩人北京経済技術開発区によれば、北京経済技術開発区(BDA)は、1992年に着工、1994年8月に北京市唯一の国家級の経済技術開発区として国務院に批准された。1999年1月、国家級の経済技術開発区及び国家高度技術産業区として優遇されることになった。

北京経済技術開発区のような経済技術開発区は、対外開放の国策の中で、1984年、輸出振興と外資誘致を目的に設置された沿海工業地区であり、1979年に設置された深圳、珠海、汕頭、廈門(アモイ/シーメン)の経済特区经济特区:Special Economic Zone)に準じる税制上の優遇措置などが認められている。つまり、経済技術開発区内の外資系ハイテク企業には、所得税率15%、輸出総額が総生産額の7割を超える企業に対してはさらに10%ポイントの軽減が認められる。ハイテク産業関連の原材料や部品の輸入には、許可証が不要で、関連設備の輸入関税も非課税、製品の輸出も非課税となる。

◆1980年に厦門が経済特別区に指定されて以来、開発区として、湄州島国家観光レジャー区、武夷山国家観光リゾート、東山経済技術開発区、福州経済技術開発区、廈門輸出加工区、福州輸出加工区などが設けられている。福州と厦門には、国家級のハイテク産業開発区(高新技術産業開発区)が設定されているのである。しかし、内陸部南靖県にはこんな山間部の村落がたくさんある。

◆中国では、環境や景観を保全した都市計画として基本農田保護区が設定されている。元来、中国政府は耕地の保護を基本国策としており、基本本農田保護区を画定し、農業専用地として、非農業目的に転用を禁じている。これは、食糧の安全を確保する基盤整備ともいえる。

 張貴民(2006)「北京市における土地利用の空間的変化とその景観分析」(張・菊地 8) によれば、北京は「都市化のため、都市近郊では大量の良質な農. 地が都市的土地利用に転用された。この地域の農地の保護が重要になり、基本農田保護区として指定されている。北京市街地に近づくにつれて、農業的土地利用の中に野菜栽培が目立つように なった」という。
 王府井ヨーカ堂(北京銀座のワンフーチン・ヨーカ堂)は、「この商品は、低農薬栽培に特化している小湯山農園と. パートナーを組んで、北京近郊で"安全・安心な野菜栽培"に取り組ん. でいる農家を組織化。小湯山農園に野菜を集荷して、これをパッケー. ジングし、店舗で販売するというものです」と安全健康な高級野菜を売り込んでいる。

◆雲南省剣川県では、粘土瓦レンガを焼いているだるま窯も、付近に8基見かけた。
 元朝末年に創建された大理剣川県沙溪寺登街は、観光名所でもあり、“三坊一照壁”、“四合五天井”式の大理ペー族伝統な民居がたくさんある。この屋根瓦を造っているのが、このような窯であり、地元の窯業である。


文部科学省科学研究費を得た研究題目
1.アジア太平洋の地域コミュニティにおける個人経営体を重視した社会開発と環境保全(2005)基盤研究(C)2003-2005

2.開発途上国における個人経営体と草の根の環境ODA(2002)基盤研究(C)2001-2002

3.開発途上国における個人経営体に対する草の根の環境ODA(2003)基盤研究(C)1998

4.開発途上国の小規模産業における雇用吸収力と経済援助(1993)奨励研究(A)1993

5.開発途上国の小規模産業における個人経営体のもつ雇用吸収力と経済援助(1992)奨励研究(A)1992

6.開発途上国の諸産業における契約形態についての理論的・実証的研究(1989)東京大学・特別研究員PD

◆中国雲南省剣川県のタバコ煙草生産農家
1.【地球温暖化】【熱帯林減少】【生物多様性】【国際協力】【人口問題】を、現地調査も踏まえて研究してきました。
2.中国雲南省(州都昆明市)の2010年のGDPは7220億元で全国24位、1人あたりGDPは1万5750元です。
3.雲南省でも都市1人当たり所得は平均1万5800元、農村1人当たり所得3750元と格差があります。そこで云南大理州剑川县の山村に、2004年9月に滞在調査した時の写真をもとに、コモンズ利用型放牧を解説します。

中国雲南省点描

 Agriculture of China

 
 
中国のタバコ生産地

 Tobacco field


タバコ畑
云南大理州剑川县の標高2000mの盆地に広がるタバコ畑。ここは、山に囲まれ,渓谷を中心にした盆地は,農地として利用されている。集落内には、漢民族もいるが,住民の多くは白族(ベーツー)で、ほかにもリス族,ナシ族など少数民族も隣接してすむ珍しい地域である  煙草花
タバコの花。世界最大の葉タバコ生産地は、中国で、世界の生産量1000万トンの4割を占める。二位には、アメリカ、インド、ブラジルで、それにトルコが続く。 煙草畑
 剣川県Jianchuan Countyの山に幾重にも囲まれる渓谷を広がるタバコ畑。剣川県(Jianchuan)にあるこの村は、2500-2800mの山に囲まれた盆地に位置していて、稲作のほかに、タバコ生産、牧畜が行われている。三階建てくらいの塔が点在しているが、これはタバコの葉を乾燥させる「ベーハ小屋」(煙草乾燥塔、たばこサイロ)。日本では、米国産の葉煙草を乾燥させる場所のために「米(べい)葉小屋」と呼ばれるようになった。 煙草
  剣川県煙草畑。

 <たばこのリスク
?たばこの煙にはニコチン、種々の発がん物質・発がん促進物質、一酸化炭素、その他多種類の有害物質が含まれている。
?喫煙により循環器系、呼吸器系などに対する急性影響
?喫煙によって、喉頭がん(35倍)肺がん(5倍)をはじめとがんが1.7倍に増加、虚血性心疾患、慢牲気管支炎、肺気腫などの閉塞性肺疾患、胃・十二指腸潰瘍などの消化器疾患、その他種々の疾患のリスクが増大する。
?妊婦の場合、喫煙によって、低体重児、早産、妊娠合併症の率が高くなります。
?受動喫煙により肺がん、虚血性心疾患、呼吸器疾患のリスクが増大する 牛
剣川県Jianchuan Countyの煙草畑と放牧。夕方16:00過ぎになると,牛を連れて放牧に出て行った人たちが,次々と村に帰ってくる。
遊休地、道の脇の草、傾斜地などローカルコモンズを利用した放牧は、資本(設備、機械)化石燃料の軽減になり、温暖化対策ともなっている。さらに、休耕田や耕作放棄地で小規模放牧を行うことにより耕地の維持も期待できる。

牧畜:家畜を飼育して乳製品や肉を生産する農業で、放牧、遊牧を含む。
放牧:牧畜の一局面あるいは一形態で、家畜を野外で放し飼いにして、牧草を食ませること。草原、傾斜地など自然牧草地(コモンズ)を利用することも、牧草地を柵で囲った牧場を利用することもある。日本の放牧は、主に夏に行われ、冬は家畜舎で飼育することが多い。
遊牧:牧草を求めて家畜と人間が長期間移動する放牧。


中国の雲南省剣川県の地図を見る

雲南省剣川県のタバコ農家

 Tobacco farmers


煙草
「 ベーハ小屋」(煙草乾燥塔、たばこサイロ)に隣接する農家でタバコの葉を,二枚一組にして,棒に吊るしている。

 世界銀行(2000)Curbing the epidemic(邦訳「たばこ流行の抑制」)によれば、葉タバコ栽培国は100カ国以上、生産量(600万トン)。世界一生産国は、中国で世界の3割、米国、インド、ブラジル、トルコを含む上位5カ国で世界総生産の7割を占める。ただし、中国の葉タバコは国内市場向けが多いが、他国は輸出向けが多い。中国国内の葉タバコ産地は、雲南省、貴州省、河南省、湖南省、四川省など南部諸州。 煙草農家
剑川县(白族の言葉でyit-dut)のタバコ農家。

 日本の農林水産省によれば、平成22年の煙草就業者は、1万1000人で、多いのは青森県、岩手県、福島県、熊本県、宮崎県、鹿児島県など、生産量は2.9万トンで熊本県、宮崎県、青森県、岩手県、福島県など。 煙草
タバコ農家における葉たばこ加工順序。
?煙草葉を葉肉と葉脈に分ける「除骨」
?貯蔵・熟成に適した水分に調整する煙草乾燥塔における「乾燥」
?熟成させるための「保管」
煙草
地域コミュニティにおけるタバコ加工の準備作業。

雲南省剣川県(Jianchuan)放牧
 剣川県(Jianchuan)の総人口は17.21万人,そのうち農業人口15.52万人,非農業人口1.69万人;白族人口が総人口の92﹪を占め,全国で白族人口比率が最高の県で“白族之郷”といわれる。 煙草
 タバコ農家では,収穫したタバコの葉を加工する準備中。

◆国際協力の分野では、1980年代以降開発途上国の女性の地位向上に着目した「開発と女性(WID)」、「ジェンダーと開発(GAD)」というアプローチがある。

WIDは、女子を家事・育児以外にも、生産活動における役割を重視するもので、従来の女子の生産活動が過小評価され、女子が開発プロジェクトから疎外されてきたとした。そこで、女子を単なる受益者として一方的に捉えるのではなく、人的資源として活用するために、開発に統合すべきであるとした。

◆「ジェンダーと開発GAD」は、ジェンダー不平等の要因を、女性と男性の関係と社会構造の中で把握し、役割固定化と役割分担、ジェンダー格差を生み出す仕組みを変えることを目指す。換言すれば、GADは、ジェンダー不平等を解消するうえでの男性の役割に注目し、社会・経済的に不利な立場におかれた女子のエンパワーメントを促進する政策である。 煙草
日本では、たばこ事業法によって、農家が生産した葉タバコはすべて日本たばこ産業(JT)に売却しなければならない。日本には2011年時点でタバコ農家は1万戸、1.2万ヘクタールある。
  煙草
2011年9月17日の産経ニュース「葉タバコ農家 廃作意向4割」によれば、「葉タバコを生産する全国38府県の農家のうち、約4割の4106戸が、平成24年以降の耕作をやめる意向であることが16日、全国たばこ耕作組合中央会(東京都港区)のまとめで分かった。日本たばこ産業(JT)の廃作の募集に応じたもので、耕作面積も、全体の3割強に当たる4412ヘクタールの減少となる方向だ」とある。 煙草
雲南省剣川県(Jianchuan)の、地域コミュニティにおけるタバコ生産。ここの住民の多くはベー族で,ほかにもリス族ナシ族など少数民族も隣接して居住している。

 雲南省剣川県の古鎮では、2004年9月、1週間民宿(客桟)に泊まって付近を調査した。 煙草
剑川县のタバコ農家。

 Whenever ONLINE「業界ウォッチング:〜中国タバコ業界〜」によれば、「中国はタバコの生産量、消費量が世界の3分の1を占めるといわれる。06年の販売量は前年同期比3.9%増の2兆352億本、売上高は同11.5%増の3,090億元にのぼった。82年に中国煙草公司が設立、専売制度が整って以降、大きな成長を続けている。主な生産地は雲南省、河南省、湖南省、四川省など。全国に数多くのメーカーが分散し、地方によって流通する銘柄が異なるのが特徴だ。同時に全国区の銘柄が少ないというのが業界の弱みでもある。特に世界貿易機関(WTO)加盟後は海外製品の輸入関税が引き下げられ、海外銘柄の流入が増加。これに対抗できる製品が不足している状況だ。 そのため、01年からは業界の再編が急ピッチで行われている」とある。 

タバコ乾燥塔のサイロ

 Tobacco drying

 
煙草
 雲南省の剣川県のタバコ農家には、たばこ葉を乾燥させる煙草乾燥塔がある。

 煙草乾燥塔は、日本ではアメリカ種タバコ葉という意味でべーハ(米葉)と呼ばれ、それを乾燥させる小屋を「ベーハ小屋」という。 煙草
雲南省のタバコ乾燥塔。日本では「ベーハ小屋」と呼ばれるが、タバコ葉を燻して加工する場所である。塔のようになっているのは、塔内にタバコ葉を並べて吊り下げ、下方で薪を焚いて燻(いぶす)すため。

讃岐のベーハ小屋」によれば、香川県には、越屋根(こしやね)を持つ、煙草の乾燥小屋が昭和20年代〜30年代に建てられ、今でも多数現存している。現在、香川県の生産者、就業者は全国最低水準だが、煙草栽培が盛んになったとき、香川県にベーハ小屋が多数建設され、今では「ベーハ小屋フォトギャラリー」にあるように、全国有数の保存状態が良い地域とも推測される。

 
煙草乾燥塔
タバコ葉を乾燥させるために,煙草乾燥塔内部に棒に揃えて吊るす作業。棒には紐が付いていて,それをタバコの葉の茎に引っ掛けて留める。4人で丸一に近かった。この後,葉をは燻す。  煙草乾燥塔
周囲(左)に棒に吊るしたタバコの葉が煙草乾燥塔の脇に置かれている。これから,梯子で塔の上に登って,タバコの葉を詰める。棒にかけられたタバコの葉が順々に,塔の中に吊るされていく。塔の脇には,薪を入れる炉がある。薪を焚いて葉を燻すと緑の葉は茶色になる。干し草を乳酸発酵させ保管するサイロのようなつくりになっている。

 サイロでは、干し草を発酵させサイレージとするが、現在、干し草ロールによってサイレージが作られるようになり、牧場にサイロは残っていても、本来の目的では使用されていない。

煙草乾燥塔の内部

 Tobacco leaves


煙草塔入口
剣川県の煙草乾燥塔の扉から内部を見るとタバコ葉が干されているのがわかった。

 世界銀行(2000)Curbing the epidemic(邦訳「たばこ流行の抑制」)では、1995年の15歳以上の男女の喫煙率について、世界で男性47%、女性12%、平均 29%とし、喫煙人口は 11億4200万人としている。東アジア太平洋地域の喫煙率は、男性 59%、女性 4%、平均 32% 4億人が喫煙者である。そして、貧困と教育において低位にある人々ほど喫煙率が相対的に高いと推測して、2000年に、たばこが原因で死亡した人々は400万人に達すると推計している。 煙草
タバコの葉は煙草乾燥塔の中で,燻されると茶色に変化する。タバコの塔の下の入り口から見ると,中にはタバコの葉がびっしりと吊り下げられている。 煙草

タバコを燻すのに使用する煙草乾燥塔下の薪の投入口。

 集落には農村家内工業労働者もいるが、地域コミュニティという地縁・血縁と雇用契約による賃金労働という就労が完全に分離しているわけではない。現代日本では「仕事」と「家族」という概念が完全に分離している。

煙草
乾燥させたタバコ葉を収集、保管する。

 2006年世界禁煙デー たばこ:どんな形や装いでも命取り
国立がんセンター(「喫煙と健康WHO指定研究協力センター)・たばこと健康問題NGO協議会・国立保健医療科学院(たばこ政策情報室)監訳
 「たばこへの依存は、障害、病気、生産力低下、死亡といった犠牲を最も強く受けている国々や地域をさらに荒廃させようとしている地球規模での流行病です。たばこ産業はいのちより利益を優先しています;将来の世代の健康より、自らの事業の拡大を優先しています;発展に向け苦悩している国々の持続可能な開発よりも、自らの経済的収入を優先しています。
 最近、たばこ会社は、20世紀によく用いられた「ライト」「マイルド」そして「低タール」たばこの、キャンペーンと新製品を作って拡大し続けています。最近、たばこ会社は、健康を心配している喫煙者を新製品は安全だというまぼろしを提供し、安心させようとしています。たばこ会社は、古くからの顧客、そして新たな顧客を、より健康そうな名前、フルーティな香り、あるいはより魅力的なパッケージで装った新製品を宣伝し、販売して、巧妙にごまかし続けています。」 煙草
乾燥させたタバコ葉を大事に扱う姿が印象的だった。煙草を勧められても吸わないので味はわからないが、キセル煙管で一服して、コミュニケーションを図るのには有用だろう。
 タバコは,乾燥させ,燻してた後,刻みタバコにする。刻みタバコは,計量して販売する。

2011年10月現在、剣川県委書記(县委书记)は、莽绍标氏、県委副書記(县委副书记)は、李劲松氏、赵喜旺氏、王跃氏。

 現代日本では「働く」という意味を、金を稼ぐ会社での勤労と同一視している。このような近視眼的な「仕事」や「労働」の概念では、開発途上国も含まれるグローバルな問題に対応できない。
 
 現代日本では「働く」という意味を、勤労サラリーマンという外仕事の意味で使用しているが、このような範囲に限定すれば、老人は、労働力を提供しない「老齢従属人口」として、扶養対象としてのみ認識されてしまう。高齢者を「狭い範囲の労働」の概念で理解しようとすれば、老人は「社会保障」の問題を引き起こす「厄介者」でしかない。日本での「高齢者への認識」は、開発途上国も含まれるグローバルな「少子高齢化問題」には応用できない場合が多い。
 例えば、柴刈りのようなバイオマスエネルギーの採取は立派な仕事で,家事労働の一環で行われている。    

村の伝統的生活

 Life


放牧
福建省南靖県のお茶の選別作業。半発酵茶の「青茶」は、日本でも普及しており、「烏龍茶」の総称で呼ばれている。しかし、烏龍茶とは本来は「烏龍」品種の茶樹から作られるお茶のこと。煙草もお茶も植物の葉を利用した農産物であるが、効能は大きく異なっている。 

市場
剣川県の古鎮の露店。週一回の市が立つが、その時は、普段は空いている公設市場もたくさんの店と客で溢れる。野菜、コメ、豚肉、雑貨が中心で、刻みタバコ葉販売しているしているところが一か所あったが、商業的生産目的のタバコ葉を売っているところはなかった。

 1867年カール・マルクスKarl Marx:1818-1883)『資本論』では、投下労働量に応じて商品価値が決まるとする労働価値説(labour theory of value)を提唱した。そして、資本家は労働者から剰余価値搾取を搾取して、資本蓄積を永遠に続けるという資本の論理論を展開した。福建省のお茶の農村家内工業に、搾取されているワーキングプア(失業者ではなく働く貧困層)がいるであろうか?

祭礼の時のたばこ
剣川県の古鎮の祭礼。右のおじさんのタバコは、タバコの葉を刻んで自分で紙に巻いたもの。小さなキセル(煙管パイプ)がテーブル端に置いてある。奥には、女性たちの持ち寄った願の札を代筆するおじさん。巻物に漢字で氏名を記帳している。ベー族の年配者には,自分の名前が漢字で書けない人も多い。インテリのおじさんが有料で代筆している。この巻物を例祭の最後に寺男が読み上げ,仏様に報告する。
農村の行動原理

 Work Sharing

ワーク・シェアリングによるリスク分散

収穫の一定比率を報酬としたり,作柄を実ながら雇う農業労働者の数を決めたりすることは,農家が雇用労働者へ支払いをする場合,不作で収穫が少なければ支払いも少なく,豊作で収穫が多ければ支払いも多いのであって,リスク負担は小さくなる。また,同じ年であっても,土地条件の違いから,各農家の収穫には大きな差が生まれる。降水量が少なく水の得にくい土地が不作であっても,水が得やすい低地の収穫は豊作かもしれず,またこの逆もありうる。

 このように,同じ地域コミュニティ内の農家にあっても個々の収穫は不確実であるため,個々の農家が自分の土地の収穫にのみ所得を依存していれば,毎年の所得は大きく変動する。しかし,地域コミュニティの全農家について収穫の平均値は,個々の農家の収穫よりも安定している。つまり,収穫の不確実性に大数の法則が成立すれば,相互雇用によって多くの農家の下で少しずつ収穫を分けてもらうことで,毎年の所得の変動は小さくなる。換言すれば,収穫の不確実性の下で,相互雇用は所得安定化の機能を持っており,そのために地域コミュニティの慣習となっていると考えられる。

 こうした所得安定化は課税や生活保護手当の支給等による生活保障と同じく事後的な所得再分配によっても達成できる。しかし,地域コミュニティがこのような再分配政策を実施するには権力の正統性がなく困難である。また,再分配を合意した地域コミュニティのメンバーには,高い収穫を得た後,自家労働の投入の多さ,経営管理の良さなどを理由に,低収穫の農家への再分配を拒否するかも知れない。また所得再分配が実施されるのであれば,他の農家の収穫を当てにでき,怠けていても損はしないのであり,地域コミュニティにおける労働インセンティブは低下する。このように事後救済がとられることを見越して怠惰になるモラル・ハザードの存在のために,地域コミュニティにおいても事後的な所得再分配の実施は困難である。

 しかし,相互雇用は事後的な所得再分配ではなく,報酬を伴う雇用によって労働インセンティブを維持し,モラル・ハザードを抑制している。

 したがって,農家の雇用労働依存はインカム・シェアリングというよりも,雇用労働を地域コミュニティのメンバーに分与している点を強調してワーク・シェアリングと呼ぶほうが適切である。相互扶助,住民参加,情報交換,社会的制裁を通じて,住民相互の信頼関係が醸造されている地域コミュニティにあっては,低い取引費用でワーク・シェアリングが実施でき,所得安定化,生活保障の利益が生まれる。 

 農家が土地なし労働者に農作業を依存するのは,貧困者に所得を無償分与するよりは労働力の有効活用につながるうえに,土地喪失や失業のリスクを軽減できるという利点が指摘できる。小作農家には土地を地主から取り上げられるリスクがあり,自作農家でも家族員を含め,病気や災害によって土地を失ったり,家族員の雇用機会がなくなったりする。そうであれば万が一の場合でも、誰かに土地なし労働者として雇ってもらえるように,自分も日頃から土地なし労働者を雇用する, すなわち仕事の分与というワーク・シェアリングを行うはずである。

  ◆昔話「桃太郎」冒頭で「おじいさんが山にシバ刈りに、おばあさんが川に洗濯に行きました。---」とある。貧しいお婆さん、水のある川まで衣類を洗いに行ったが、お婆さんが柴刈り にいってもおかしくはない。洗濯も柴刈りも、老人や子供など、体力の劣る人でもできる仕事だからです。男性と女性の社会的差異を「ジェンダー」といいます。男が洗濯をするのはおかしい---と思うのは、ジェンダーがあるからだ。

2011年の家事労働者条約(第189号)では、労働・社会保障法の適用対象外になることが多い家事労働者を労働者と認定し、その労働条件改善を目指して初めて採択された国際基準。家事労働者は他の労働者と同じ基本的な労働者の権利を有するべきとして、安全で健康的な作業環境の権利、一般の労働者と等しい労働時間、最低でも連続24時間の週休、現物払いの制限、雇用条件に関する情報の明示、結社の自由団体交渉権といった就労に係わる基本的な権利及び原則の尊重・促進・実現などを規定。家事労働を、一つもしくは複数の世帯においてまたは世帯のために遂行する業務と定義し、雇用関係の枠内で家事労働に従事する者を家事労働者とする、としている。

◆中国南部の農村部では、広々としたローカルコモンズを活用して、コモンズ利用型放牧が行われる。

入会地里山は、無償で利用はできるが、アクセスが、地域コミュニティのメンバーに限定されていたり、現地住民が相互利益に配慮しながら管理してたりしている。つまり、里山は、「ローカル・コモンズ」の一種である。現地住民は、地域コミュニティの他のメンバーの利益に配慮して、ローカル・コモンズを利用する。そこで、フリーライダーモラルハザードが抑制され、「コモンズの悲劇」は生じにくい。
 つまり、現地住民が利用する入会地・里山は、自由にアクセスできる自由財ではなく、地域コミュニティのメンバーに限って利用できるローカル・コモンズであり、持続可能な利用がされてきた。

 ローカルコモンズは、世界各地に古くから存在してきた。そして、地域コミュニティの現地住民による利用と管理の下にあった。このようなローカル・コモンズとして里山や入会地が維持できるのであれば、フリーライダー、モラルハザードに起因する里山の崩壊、すなわち「コモンズの悲劇」は、起こらないであろう。

入会・里山は、牧草、薪というバイオマス供給源であり、飼料や再生可能エネルギーを住民に提供してきた。バイオマスというと、現在の日本ではバイオマス発電バイオ液体燃料など間接利用が注目されているが、歴史的には、入会の牧草利用、里山からの薪採取という形で、住民にバイオマス供給していた。これは、草の根民活として、地域コミュニティの住民による、自主的な入会・里山管理を示唆するものである。

 他方、日本の里山再生では、NPOやボランティアのメンバーが、薪炭などを利用する現地住民でない場合、実行性は高くない。里山利用に伴う利益が、レジャーや自然観察に留まっているのであれば、 財政支援・税制上の優遇措置が必要かもしれない。
以上のように、ローカルコモンズは、飼料や再生可能エネルギーの供給源として、利用され、保全されてきた。つまり、持続可能な開発に大いに関連している。里山の議論を、自然と親しむとか、身近な緑を守るとか、狭い範囲に限定するのではなく、バイオマス利用の場として、世界に通用する視点で、持続可能な社会形成に役立てるべきであろう。 この意味で、日本に限らず、ローカルコモンズの利用と管理は、開発途上国の地域コミュニティに学ぶべき点が多い。

◆雲南省剣川県コモンズ利用型放牧の牛・ロバ牧畜。多角的農業として、牧畜を並行する有畜農業が行われている。家畜のエサは、エコフィード(残飯飼料)のほかに、共有地(コモンズ)の草を利用している。ローカルコモンズを活用した多角的牧畜コモンズ利用型放牧)は、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会に通じる持続可能な開発の一形態である。 

◆中国では、環境や景観を保全した都市計画として基本農田保護区が設定されている。元来、中国政府は耕地の保護を基本国策としており、基本本農田保護区を画定し、農業専用地として、非農業目的に転用を禁じている。これは、食糧の安全を確保する基盤整備ともいえる。

 張貴民(2006)「北京市における土地利用の空間的変化とその景観分析」(張・菊地 8) によれば、北京は「都市化のため、都市近郊では大量の良質な農. 地が都市的土地利用に転用された。この地域の農地の保護が重要になり、基本農田保護区として指定されている。北京市街地に近づくにつれて、農業的土地利用の中に野菜栽培が目立つように なった」という。
 王府井ヨーカ堂(北京銀座のワンフーチン・ヨーカ堂)は、「この商品は、低農薬栽培に特化している小湯山農園と. パートナーを組んで、北京近郊で"安全・安心な野菜栽培"に取り組ん. でいる農家を組織化。小湯山農園に野菜を集荷して、これをパッケー. ジングし、店舗で販売するというものです」と安全健康な高級野菜を売り込んでいる。

◆雲南省剣川県では、粘土瓦レンガを焼いているだるま窯も、付近に8基見かけた。
 元朝末年に創建された大理剣川県沙溪寺登街は、観光名所でもあり、“三坊一照壁”、“四合五天井”式の大理ペー族伝統な民居がたくさんある。この屋根瓦を造っているのが、このような窯であり、地元の窯業である。

コモンズ利用型放牧:伝統的で多角的牧畜は、キノコの採取など副業、家庭で使う燃料の薪を集める柴刈りと同時に行われる。つまり、金を稼ぐ労働・勤労と家族の仕事・家事労働が同一の空間・時間で行われる。換言すれば、「仕事」と「家庭」は両立している。開発途上国の社会開発を論じる場合、仕事、家族、家庭を総合してみることが重要である。

◆「粘土瓦」作成労働者の日当は15元(200円)で,三食付く。2006年9月当時、1元=14円で、 宿で一食頼めば(一人なら)5元。この食事で満腹になるが、家族の食費支出以外の出費も踏まえれば、十分な賃金とは言えず、貧困にあるといえる。

<草の根民活>

 従来まで,開発には民間大企業,国営企業,外資,政府の役割が強調され、個人経営体,家族無償労働,女子,地域コミュニティ,都市インフォーマル部門は、社会的弱者として,ソーシャルセイフティネットの対象として改善の対象とみなされてきた。しかし、開発の担い手に,中間所得層を当てるために,彼らを新たに持続可能な開発に参加する主体として認識すべきであろう。

 つまり,開発途上国にあっては,個人経営体,個人経営体に雇用される民間雇用者,家族無償労働が広範に存在しており,農業はもちろん,製造業やサービス業という産業部門にあっても重要な役割を担っている。そこで,企業やその下で雇用される民間雇用者(勤労者)だけではなく,彼らも開発と環境保全の担い手としての役割を認めるのである。

スラム (Slum) とは、交通・エネルギー・衛生・教育などのインフラが不十分で、都市貧困層の暮らす居住区である。しかし、外見にもかかわらず、そこは、生半可な知識や偏見を抱いた識者が言うように「公共サービスが受けられない」のではないし、「荒廃状態にある状況」とは言い難い。開発途上国の大都市には、どこでもスラム街といっていい地区があるが、そこは貧しいけれども、住民が必死に苦労して生きている場所であり、草の根の民間活力の感じられる場所である。


華僑(かきょう)とは、中国、特に広東省、福建省を僑郷(華僑のふるさと)として、海外に移住した中国人を指す。現在、世界に2000万人いるとされるが、清朝時代、満州族の王朝・官僚に抵抗して亡命した中国人漢民族から、経済的な成功のチャンスを求めた中国人まで、移住の動機はさまざまである。

アヘン戦争後、列国の中国半植民地化の動きの中で、窮乏化たり、海外ビジネスのチャンスをつかもうとしたりした南部の中国人が多数、海外に移民した。「半封建・半植民地のもとで生活に窮した人々は、戦争や農民反乱の混乱から逃れて、大量に海外へと流出していった」「福建省の場合も、元代以降大規模移民が始まっている。もともと山がちで耕地が少なく、多くの人口を抱えていたという事情に加えて、自然災害の発生、海外貿易の発展といったことが、そうした大量移民を出現させる背景であった。」との華僑の解釈もある。

 しかし、筆者の研究では、華僑は、窮乏化した労働者の海外出稼ぎだけでなく、新たなビジネスチャンスを求めた積極的な海外渡航が契機になっていることも多く、その出身者も中間層以上の中国人も例外ではない。孫文の革命運動を支えた興中会、中国同盟会会員の中には多数の華僑があるが、彼らは富裕層ともいえる。また、中国辛亥革命後、華僑が海外送金や外国情報の提供、外交仲介で、国民政府を手助けした。

 ◆中国狩人北京経済技術開発区によれば、北京経済技術開発区(BDA)は、1992年に着工、1994年8月に北京市唯一の国家級の経済技術開発区として国務院に批准された。1999年1月、国家級の経済技術開発区及び国家高度技術産業区として優遇されることになった。

北京経済技術開発区のような経済技術開発区は、対外開放の国策の中で、1984年、輸出振興と外資誘致を目的に設置された沿海工業地区であり、1979年に設置された深圳、珠海、汕頭、廈門(アモイ/シーメン)の経済特区经济特区:Special Economic Zone)に準じる税制上の優遇措置などが認められている。つまり、経済技術開発区内の外資系ハイテク企業には、所得税率15%、輸出総額が総生産額の7割を超える企業に対してはさらに10%ポイントの軽減が認められる。ハイテク産業関連の原材料や部品の輸入には、許可証が不要で、関連設備の輸入関税も非課税、製品の輸出も非課税となる。

◆1980年に厦門が経済特別区に指定されて以来、開発区として、湄州島国家観光レジャー区、武夷山国家観光リゾート、東山経済技術開発区、福州経済技術開発区、廈門輸出加工区、福州輸出加工区などが設けられている。福州と厦門には、国家級のハイテク産業開発区(高新技術産業開発区)が設定されているのである。しかし、内陸部南靖県にはこんな山間部の村落がたくさんある。

開発途上国の人口増加と都市化の進展に伴って、スラム人口 (Slum population)人口は増加傾向にあり、2007年時点で、10億人はスラム居住者であると推測され、国別では、中国1.7億人、インド1.1億人、パキスタン2750万人、インドネシア2680万人、フィリピン2390万人、ブラジル4570万人、メキシコ1180万人、ナイジェリア4530万人、スーダン1550万人などされる。

スラムの特徴として高失業率があげられるが、これは正確な表現ではない。なぜならスラム住民で、正規の工場労働者、サラリーマンはきわめて少なく、多くは自らが仕事を作り出している状況にあるからである。

スラム街の居住者を中心に貧困者が、少ない元手で自営的に零細な仕事を起こしているのが、都市インフォーマル部門である。具体的には、食品など材料を安く買って加工したり、小さな袋に分けたりして、露店で売る転売、路上で客を待つ靴磨きや荷物運び、商店やタクシーやバスの客引き、駐車する車の番人など、さまざまな職を自ら生み出している。この特徴は、小規模な元手で行う自営的サービス業という点であり、高失業率といった主に会社の正規雇用を念頭に置いた概念で図ることはできない。

 スラム街の特徴は、都市インフォーマル部門程度しか雇用機会を提供できないという貧困であるが、だからといって「犯罪や麻薬、アルコール依存症や自殺などが多発する」というのも誤解である。開発途上国でなくとも、非衛生的な環境であれば、病気、伝染病が蔓延するが、だからと言って、スラム住民が強盗や盗人に成り下がるということは言えない。

開発途上国のスラム居住者は、農村から押し出され、あるいは都市に惹きつけられた出稼ぎ者や移住者が多く、貧しいながらも貧困から抜け出そうと、都市インフォーマル部門において、厳しい低報酬の労働にいそしんでいる。また教育に熱心になる傾向も指摘できる。彼らは、農村という地域コミュニティを引き継いで、都市のスラムにあっても一定の自治的な秩序をもって生活している。環境の悪い町外れなどの未開発の地域に住み着いたとしても、住民相互には、暗黙の了解・契約があり「無秩序」ではない。

東海大学

 Tokai University

祭礼
剣川県の古鎮の寺院の祭礼に出席した。この時、楼閣の二階(二楼)の長老席で,食事に預かった。既に、16時となり、このときには大半の参拝客は食事を早々に終えて,引き上げている。一番最後に偉い男性客に対して、食事が振舞われる。つまり,一番ゆっくり食事を頂けるのが,二楼の長老席である。2004年9月、剣川県農村に1週間滞在して、タバコ農家、牧畜、ローカルコモンズなど山村生活のフィールド調査を行った。

当研究室へのご訪問ありがとうございます。当サイトには,2011年11月8日以来Counter名の訪問者があります。論文,データ,写真等を引用する際は,URLなど出所を明記してください。ご意見,ご質問をお寄せ下さる時には,ご氏名,ご所属,ご連絡先を明記してくださいますようお願い申し上げます。
連絡先: torikai@tokai-u.jp
〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1 
東海大学HK社会環境課程
鳥飼 行博 TORIKAI Yukihiro
HK,Toka University,4-1-1 Kitakaname,Hiratuka
Kanagawa,Japan259-1292
東海大への行き方|How to go
free counters
◆大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。

持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。


『アジア地域コミュニティ経済学 フィリピンの棚田とローカルコモンズ』東海大学大学出版部、2015年刊行

『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』(多賀出版2007年):少子高齢化・ジェンダー,再生可能エネルギー,熱帯林,廃棄物輸出を分析しました。

『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』(東海大学出版会2002年)と『CRUGE研究叢書 環境ネットワークの再構築 環境経済学の新展開』田中廣滋編(中央大学出版部2001年)は「草の根民活論」の嚆矢です。

『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』(東海大学出版会):「環境協力論」「開発経済学」「環境政策」のテキストで,難民,軍縮も扱っています。

『環境ネットワークの再構築−環境経済学の新展開』田中廣滋編(中央大学出版部)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。

『地球環境政策』宇沢弘文・田中廣滋編著(中央大学出版部)の一章を担当し、南北格差を踏まえて、持続可能な開発に必要な環境政策を整理しました。

『ポスト福祉国家の総合政策−経済・福祉・環境への対応』丸尾直美編著(ミネルヴァ書房)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。

『学習漫画 サリバン先生』(集英社2011年刊行)を監修し解説を書きました。アンの生い立ち、ヘレンケラーとのかかわりから、ノーマライゼーション提唱者としての先見性まで扱っています。

『写真ポスターから学ぶ戦争の百年−二十世紀初頭から現在』(青弓社2008年刊行)では、二十世紀の戦争を扱い大量破壊、大量殺戮からプロパガンダまで扱いました。

『写真ポスターから見るナチス宣伝術−ワイマール共和国からヒトラー第三帝国』(青弓社2011年刊行)では、暴力、テロによるナチ党政権奪取と戦争動員を解説しました。

少数民族

雲南25の少数民族
価格:2,940円

【長江の旅

雲南・長江の旅
価格:1,785円

雲南と近代中国
価格:3,570円

【挑戦

コモンズ論の挑戦
価格:3,360円



学生が見た済南社会 農村・企業・水環境・緑色食品・観光業



アジアの農業者たち その支援への道



自給と産直で地域をつくる 個性化する日本とアジアの農業



中国内陸部の農業農村構造 日中共同調査と分析

コモンズの社会学
価格:2,520円



自給と産直で地域をつくる 個性化する日本とアジアの農業



中国内陸部の農業農村構造 日中共同調査と分析

グリ-ンフィ-ルズ
価格:2,310円



『悪魔のマーケティング−タバコ産業が語った真実』ASH(ACTION ON SMOKE AND HEALTH) (著), ASH (ACTION ON SMOKE AND HEALTH) (編集), 津田 敏秀 (翻訳), 切明 義孝 (翻訳), 上野 陽子 上野 陽子 (翻訳)
「タバコ産業は自らが作り上げてきた巨大な怪物(喫煙者)に餌を与え続ける方法を探さねばならない。もはや発展途上国でタバコの販売量を増やすしか道はないのだ」――。欧米の元たばこ会社社員のこうしたコメントこそ、たばこ産業の本質を物語っていると編者らは指摘する。
本書は、英国で喫煙率低下のための運動を推進する民間健康推進団体ASH(Action on Smoking and Health)が、欧米のたばこ産業の内部文書などを基に、同産業が世界に向けて発信し続けてきたメッセージの欺瞞や、その裏にある“本音”を暴き出そうとするものだ。たばこ産業は、1950年代には既に喫煙と肺ガンの間の因果関係に気づいていたはずだと言う。「科学的に証明された事実を無視し続けるのはうんざりだ」と、たばこ会社の元研究者が告発する一方で、公式には90年代後半に至ってもなお「様々な見方がある」などと曖昧な見解しか示していない現状を憂える。
 また、聞こえのよい宣伝文句とは裏腹に、同産業は「未成年者にどうやってタバコを売り込んでいくか」に注力してきた実態があると糾弾。「タバコなんざ、ガキや貧乏人に黒人、あとはバカに吸わせておけ」など、耳を疑うような内部関係者の発言が次々に紹介されていく。
(日経ビジネス 2005/03/14 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
出版社 / 著者からの内容紹介
タバコは健康に悪く、発ガン性がある。タバコに含まれるニコチンは依存性が高く、タバコとは麻薬の一種に他ならない――欧米のタバコ産業は1960年代からこの事実を知っていた。そのうえで事実を隠蔽し、ニコチンの依存性を利用して、子供と女性と途上国の人々をターゲットにマーケティングと宣伝とPRをし、商品開発を行い、彼らをタバコ中毒に陥れ、巨万の富を築いてきた――。マルボロマンやオールドジョーのCMは実は子供向けだった! F1にスポンサーをしていたのも子供たちの間でブランド認知度を上げるためだった! 女性向けの「ライトタバコ」は健康に良くないどころか、タバコ消費量を上げる格好の発明だった! ――一連の欧米タバコ産業の「悪魔のマーケティング」の真実が、タバコ訴訟の過程で公開されたタバコ産業自身の内部文書によって、いま明らかにされる。英国のNGOがインターネットで配信し、世界保健機関WHOも公式に取り上げた衝撃のドキュメント、はじめての邦訳! 

悪魔のマーケティング読み終わりました

やっぱり煙草のけむりは嫌いだな

悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実 [編]ASH [掲載]週刊朝日2006年2月17日号 [評者]永江朗「1月26日、たばこ訴訟で患者の敗訴が確定した。たばこ訴訟というのは、肺ガンなどを患う元喫煙者らが、JTと国に損害賠償を求めていたものだ。たばこが有害だと知っていながら売ってきた責任、規制をしていない責任があるだろう、というのが患者らの主張。東京地裁では、たばこの害は認めたけれども、原告個人の病気との因果関係は認めなかった。また、吸う吸わないは個人の意思、というのが裁判所の判断だ。高裁もこれを支持し、今回、最高裁も上告を棄却した。」

たばこ自体の存在が最悪です

福岡県弁護士会 悪魔のマーケティング「24歳をすぎてタバコを吸いはじめるのは5%以下。だからタバコ産業のターゲットは18歳。18歳でタバコを吸いはじめると、その銘柄を忠実に吸い続け、年をとっても銘柄を変えることはない。もし、ヤングアダルト・スモーカーがタバコを吸い続けなければ、タバコ産業は衰退していく。」

女性は、新しい、おおいなるマーケット「女性たちは、日常のさまざまな出来事から逃避し、気分を紛らわす方法を探している。そこで我々は、女性が幻想を抱き、うっとりするようなタバコを生み出すのだ。」

『悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実』を読む「本書は、タバコ訴訟の中で明らかにされてきた欧米のタバコ産業の内部文書・従業員/役員の証言等を引用しながら、タバコ会社が長い期間に渡って、喫煙と肺癌の因果関係やニコチンの依存性に気付きながらも、巧みな商品開発・広報宣伝活動等を通して、(未成年者をも潜在的なターゲットとし)喫煙者を増やしながら巨万の利益を上げてきた」

悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実 についての感想・レビュー・書評

Thank you for visiting our web site. The online information includes research papers, over 6000 photos and posters published by government agencies and other organizations. The users, who transcribed thses materials from TORIKAI LAB, are requested to credit the owning instutution or to cite the URL of this site. This project is being carried out entirely by Torikai Yukihiro, who is web archive maintainer.
Copyright © Torikai Yukihiro, Japan. 2011. All Rights Reserved.