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I L O 駐 日 事 務 所(〒150−0001 東京都渋谷区神宮前5−53−70 国連大学本部ビル8階 )は、次のような見解を掲げている。

「児童労働」とは、以下のような子どもの労働のことです。
◆原則15歳未満の子どもが、大人のように働く労働
ILO138号条約 が定める就業最低年齢

最低年齢 15歳
・ 義務教育修了年齢を下回らない(原則)
・ 途上国は14歳とすることができる

軽易な労働 13歳
・ 途上国は12歳とすることできる

危険な労働 18歳
・ 健康・安全・道徳が保護され、適切な職業訓練を受ける場合は16歳

* 子どもたちの健全な成長を妨げる労働をさし、家や田畑での手伝い、小遣い稼ぎのアルバイトなどは含まれません。

◆18歳未満の子どもが行う最悪な形態の労働

ILO182号条約
人身取引、債務奴隷、強制的な子ども兵士、その他の強制労働
買春・ポルノ、麻薬の製造・密売などの不正な活動
子どもの健康・安全・道徳を害し、心身の健全な成長を妨げる危険で有害な労働

◆家族の元で行われる児童家事労働でも、教育に使用をきたすこともあるし、過酷なこともある。路上での物乞いや買い物袋の販売は小遣い稼ぎとて行われる。これが「児童労働」には含まれませんというのは、より過酷な状況の子供たち、「最悪な形態の労働」の救済・保護を優先しているからであって、放置しておいてよい問題ではない。

◆なぜ「児童労働」があるのですか?

一番の原因は <貧困> です。(1日1米ドル未満で暮らす人は10億人) しかし、その他にも...
・ 子どもの教育へのアクセスがない
・ 親の教育の欠如
・ 子どもの地位が低い価値観や社会慣行
・ 地域社会の労働慣行
・ 地方から都市への移住
・ 家庭の問題
・ 不適切な法律の施行

◆なぜ「児童労働」をなくさなくてはならないのですか?
・ 子どもの人権を侵害するから
・ 子どもが教育を受ける権利を侵害するから
→ 十分な教育を受けられまま大人になり、貧困の連鎖につながる
・ 子どもの心身の健全な発達を妨げるから

児童労働撤廃のコストは、途上国の軍事費の約2割と試算されています。
■中国
中国のバイオマスエネルギー:ローカルコモンズ里山での薪採取
貴州省の低地と山村
貴州省の持続可能な農業:肥やしと堆肥
雲南省の窯業:剣川県の農村家内工業の粘土瓦生産
雲南省のタバコ生産
雲南省の牧畜:ローカルコモンズ入会地
雲南省の白族定期市
雲南省の仏教:白族の祭礼
雲南省剣川県の古鎮
北京市街地:公衆トイレ/中日友好病院
北京の食品製造工場:燕京ビール/三元乳業
北京の地下鉄・河南省の寝台列車
中国河南省の農村と薪採取
河南省開封市の繁華街
四川省丹巴県甘孜蔵族の農業とバイオマス/堆肥
福建省南靖県お茶生産
福建省南靖の生活/農業
成都平原の三星堆遺跡:長江文明:四川青銅器文化

■フィリピン
カリンガ州棚田の田植え
Rice Terrace, Kalinga

カリンガ州棚田の稲刈り
Rice Terrace, Cordillera
カリンガ州山村の小学校
Elementary School at Kalinga

カガヤン州ツゲガラオの市場
Market of Tuguegarao, Cagayan

マニラのスモーキーマウンテン
Smokey Mountain, Manila

メトロマニラのスラム街:ケソン市リテック/パヤタス
マニラのパヤタス廃棄物処分場:スカベンジャー
セブ市のアルミ再生工場:サンドダイカスト
バタンガスの自動車工場:修理と廃車リサイクル
セブ島の造船所

■タイ王国
写真解説:タイ農村の米作
写真解説:タイの家内工業:養蚕とシルク反物
写真解説:タイの牧畜・繊維作物生産
論文「タイの家内工業とワークシェアリング」



再生トイレットペーパの製造工程

1)古紙回収(原料)
2)溶解
3)精選
4)脱墨
5)洗浄
6)減菌・漂白
7)抄紙
8)加工
9)製品保管  

ビール製造工程
1)製麦:大麦から麦芽へ
2)仕込み:麦芽から麦汁へ
3)発酵:麦汁からビールへ
4)貯酒:ビールの低温での熟成
5)濾過:おり、酵母を除去し生ビールへ
6)缶詰:容器に酸素が入らないように注入


再生トイレットペーパの製造工程

1)古紙回収(原料)
2)溶解
3)精選
4)脱墨
5)洗浄
6)減菌・漂白
7)抄紙
8)加工
9)製品保管  

ビール製造工程
1)製麦:大麦から麦芽へ
2)仕込み:麦芽から麦汁へ
3)発酵:麦汁からビールへ
4)貯酒:ビールの低温での熟成
5)濾過:おり、酵母を除去し生ビールへ
6)缶詰:容器に酸素が入らないように注入

ケソン市Quezon City)は人口200万人以上で、大規模な廃棄物最終処分場とスラム街がある。特に、パヤタス通りには、トタン板に囲まれたジャンクショップ(屑屋)が並んでいる。そのような場所にも、キリスト教会があるが、普通の家と変わらないバラック造りである。

キアポ市場の市場にある露店は、都市インフォーマル部門urban informal sector)の生業である。会社に雇用されていなければ、お金を稼ぐために都市インフォーマル部門urban informal sector)に雇用機会を見出すしかない。
 政府による社会保障生活保護も不十分であるからこそ、スラムではリサイクル小規模事業=草の根民活の動きがある。
マニラ首都圏に多い都市インフォーマル部門urban informal sector)は、イントラムロスではほとんど見かけない。

 マニラ市エルミタ地区から、デビソリア(Divisoria)行きジプニーで20分のところに、キアポ市場がある。キアポ地区は、16のバランガイ(Barangays:最小の行政単位)からなる人口2.5万人の地区。キリスト教徒のほか、イスラム教徒も住んでいる。

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◆カガヤン州ツゲガラオの市場と馬車空撮
1.【地球温暖化】【熱帯林減少】【生物多様性】【国際協力】【人口問題】を現地調査も踏まえて研究します。
2.フィリピン共和国の面積は30万平方キロ(日本の80%)、人口9900万人、GDP2000億ドルで、1人当たりGDPは2,100ドルと日本の5%ですが、工業部門がGDPの30%以上を占めています。
3.当研究室では,ルソン島北部に位置するカガヤン州ツゲガラオ市を写真解説します。
4.他の写真は,アジア写真解説一覧を参照して下さい。

フィリピンカリンガ州

 Kalinga Province

 
 














ツゲガラオ市

 Tuguegarao

 
ツゲガラオ
カガヤン州ツゲガラオ郊外はカガヤン川の水供給を利用した稲作、畑作地帯。2012年3月撮影。
ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)郊外。カガヤン州ツゲガラオ郊外はカガヤン川の水供給を利用した稲作、畑作地帯。2012年3月撮影。
飛行場
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)飛行場へは、マニラ空港から1時間45分、2012年3月撮影。
ツゲガラオ
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)郊外。マニラ首都圏から北へ450km、2012年3月撮影。

メトロポリタンカテドラル

 Sts. Peter & Paul Metropolitan Cathedral

 
キリスト教会カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオの中心街にある聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂。カテドラルの前なら安心できる。2012年3月撮影。
キリスト教会カガヤン州ツゲガラオ聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂。日曜ミサにやってくる人の中には、自家用車や運転手つきの自家用車でやってくる中間層以上の人々もいる。車をふかしたままエアコンを消さない運転手もいた。けれども、みんなが教会に祈りに来るとき、神の前の平等を意識する。2012年8月撮影。
キリスト教会カガヤン州ツゲガラオのカテドラル。
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))には、アブラAbra州/アパヤオ州/ ベンゲット州イフガオ州/カリンガ州/マウンテン州の6州がある。2010年人口センサスによると、CAR人口は161万6,867人。

キリスト教会
カガヤン州ツゲガラオ聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂における日曜ミサに参加するクリスチャン。2012年8月撮影。 キリスト教会
カガヤン州ツゲガラオ聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂。2012年3月撮影。 水田が広がる中にツゲガラオの町がある。
ツゲガラオ

 Cagayan Province


カガヤン州
ツゲガラオ

「帰納法」とは、個別な事例から一般法則を導く推論の仕方で、他方、「演繹法」とは、一般法則から個別事例に対する結論を導く推論の仕方である。簡単化すれば、林檎が落ちる事例から重力の存在を考えるのが帰納法、重力が作用するから、投げた石は落下すると考えるのが演繹法、といえる。 カガヤン州
コルディリェラ行政地方ルソン島山岳地域で海に面していない内陸地。

個別事例の観察や実験を繰り返して,一般法則を導き出したとしても、観察や実験の例外事例もあるかもしれないので、帰納法によって導出された結論は必ずしも正しいとは限らない。他方、一般原則が正しいとすれば、そこから導かれた個別事例も同じ結論に至るはずだが、観察や実験の条件や前提が異なっていれば、一般原則は当てはまらず、誤った推論となる。 町カガヤン州ツゲガラオの中心街にある聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂。

 信仰、人間性への尊厳、他人の善意や倫理を信じることと、経済学における市場礼賛や社会主義の信奉は、同じような人間の内面にある心理であるが、それを信じるようになった、あるいは信じないようになったのは、帰納法によったのか、ソレトンも演繹法から導かれたのか。経済学や経済理論の始まりを考えると、この両方のアプローチがあったことが窺われる。 町カガヤン州ツゲガラオのカテドラル。
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))には、アブラ州/アパヤオ州/ベンゲット州/イフガオ州/カリンガ州/マウンテン州の6州がある。2010年人口センサスによると、CAR人口は1,616,867人。

「世界経済の発展のためには、市場(マーケット)が不可欠である」という一般原則は、経済学の大家の示した正しい原則であり、それをもとに市民も行動すべきなのか。それとも、消費者、労働者として、様々な経済や取引の事象を観察し経験したことで、そのような一般原則にたどり着いたのか。「世界経済」と聞くとマクロ経済学の事象だと思うのは素人で、経済がよって立つ「市場」は、ミクロ経済学の根幹となる課題である。その意味で、我々の授業でも、経済学の大家の言葉、すなわち経済学の原則をよく聞くとともに、身近な経験から見た経済がどのように一般法則に繋がってくるかを考えるべきであろう。 町
カガヤン州ツゲガラオ市Tuguegarao City)のガソリンスタンド。カリンガ州に行くジプニーには屋根に乗客が乗っている。何気なく屋根に乗るのは、勇ましい証拠ともなる。カリンガ州の若者の特徴といえる。2012年3月撮影。

HK鳥飼担当「ミクロ経済学」では、帰納法と演繹法の双方の立場から、実例を踏まえて学びを進める。市場(いちば)での商品の売買取引、農民や零細事業者の経済活動を眺めるときも、そのような帰納法と演繹法の視点があると、新しい見方が可能になる。貧困や所得格差のような状況は、経済原則の典型なのか例外なのか、経済原則から見て、貧困・所得格差のような状態は、原則にのっとっているのか、例外なのか。このような思考法、考え方ができるかどうか、慣れているかどうかで、真の大学教育を受け身に着けたか、高等教育を修了したかが決まってくる。

ツゲガラオ

 Tuguegarao

 
カガヤン州
ツゲガラオTuguegarao City)は、カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)の州都。人口は、1990年5月は9万4,767人、2007年8月は12万9,539人。2010年5月は13万8,865人、有権者登録は7万3,226人。

経済とは、カネ、モノ、ヒト、ワザ、すなわち資金、資本、労働、技術を操作可能な構成要素とし、取引、活動によって人々の豊かさに結び付く事象である。アダム・スミス(Adam Smith:1723-1790)は、経済学の父とされるが、この時期、国民国家、市民社会、国際貿易を通じて、そして、ニュートン流の物理学から化学・天文学・医学などの科学の発展に伴って、経済学が生まれた。アダム・スミスが扱ったのは、まさに「社会環境」といっていい経済の動きだった。彼はそこから、科学的発想を持って、何らかの経済の原則、法則、原理のようなものを見つけ出そうと探求した。 カガヤン州
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオTuguegarao City)は、マニラ首都圏から北へ450km。2012年8月撮影。

 イギリスの経済学者アダム・スミス(Adam Smith)は『諸国民の富』で、市場を礼賛し、個人の自由な活動が、何らかの社会的な利益にもつなが鵜と考えた。そして、市民社会論に対する信頼も持っていた。特に、アダム・スミスはもう一冊の名著『道徳感情論』のなかで、市民・消費者・生産者の心理、エゴ、社会との繋がりをも説いている。この二冊の経済学書は、現実の裏と表、表裏一体の関係にあるように思えてくる。アダム・スミスの経済学思想は、21世紀のグローバル化した資本主義世界の中でも、そのよって立つ基盤、これがミクロ経済学であるが、を提供してくれる。そこに立つことで、積み上げられてきた経済学思想を垣間見て、自分の滋養として吸いあげることができれば、経済学が少しは理解できた、といえるはずだ。 カガヤン州
カガヤン州ツゲガラオ市Tuguegarao City)2012年8月撮影。
ツゲガラオ
カガヤン州ツゲガラオ市Tuguegarao City)の面積は、144.8 kmイ、人口密度は959人/kmイ [2010]、年平均人口増加率は1.41%/year [2000 → 2010]。2012年8月撮影。

アダム・スミス(Adam Smith)『諸国民の富』 「すべての国民の年間の労働は、その国民が年聞に消費するすべての生活の必需品や便益品を供給する原資であって、消費される必需品や便益品は、常に国民の労働の直接の生産物であるか、あるいはその生産物で他の諸国民から購入されるものである。したがってこの生産物、またはこの生産物で購入されるものと、それを消費する人びとの数との割合が大きいか小さいかに応じて、その国民が必要とする必需品と便益品が十分に供給されているといえるか どうかが決まる。この割合は、どの国民にあっても二つの異なる事情によって規定される。すなわち、第一には、その国民の労働が一般に使用される際の熟練、技量、および判断力によって、そして第二には、有用な労働に従事する人びとの数と、そうでない人びとの数との割合によって規定される。国の土壌や気候 や国土の広さがいかなるものであろうとも、そうした特定の状況の中で、その国民が受ける必需品と便益品の年間の供給が豊かであるか乏しいかは、それら二つの事情に依存する」⇒豊かさとは何か/物の豊かさやベーシックヒューマンニーズの充足 カガヤン州
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年8月撮影。

アダム・スミス『諸国民の富』「どの個人も、できるだけ自分の資本を国内の労働を支えることに用いるよう努め、その生産物が最大の価値をもつように労働を方向づけること にも努めるのであるから、必然的に社会の年間の収入をできるだけ大きくしようと努めることになる。たしかに個人は、一般に公共の利益を推進しようと意図し てもいないし、どれほど推進しているかを知っているわけでもない。-----個人はこの場合にも、他の多くの場合と同様に、見えざる手に導かれて、自分の意 図の中にはまったくなかった目的を推進するのである。それが個人の意図にまったくなかったということは、必ずしも社会にとって悪いわけではない。自分自身 の利益を追求することによって、個人はしばしば、社会の利益を、実際にそれを促進しようと意図する場合よりも効果的に推進するのである。」⇒市場における神の見えざる手/市場機能への信頼と市場に介入する者への疑念 カリンガ州ツルガオのデパート
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)の州都ツゲガラオ(Tuguegarao City)のデパート前。2012年3月撮影。

アダム・スミス『諸国民の富』「優先と抑制の体系がすべて除去されれば、単純かつ明快な自然的自由の体系が自然に確立される。そこでは、正義の諸法を犯さないかぎり、すべての人が自分のやり方で利益を追求することができ、自分の労働と資本を使って、どの人、またはどの階層の人とも自由に競争することができる。主権者は、遂行しようとすれば必ず無数の迷妄に惑わされ、また人間のどんな知恵や知識をもってしでも適切に遂行できない義務から、すなわち個人の勤労を監督し、それを社会の利益に最も適った用途に向かわせるという義務から完全に解放される。」⇒市場での競争/自由闊達な競争、能力の発揮を重視 カリンガ州ツルガオのデパート
ツゲガラオ(Tuguegarao City)のデパート前。2012年3月撮影。

アダム・スミス『諸国民の富』「浪費についていうなら、支出に駆り立てる性向は、現在の享楽を求める情念である。この情念は、ときには激しくて、きわめて抑制しがたいこ ともあるが、一般には瞬間的で、たまにしか起きない。これに対し、貯蓄に駆り立てる原理は、自分の状態を改善しようとする欲求である。この欲求は、一般には平静で非激情的ではあるが、胎内からわれわれとともに生まれ、われわれが墓に入るまで決して離れることがない。----大部分の人びとは、生涯の平均をとれば、支出性向よりも倹約性向の方が優位を占め、その優位さは著しいように思われる。」⇒個人消費の意味/贅沢よりも質素倹約を重視 カリンガ州ツルガオのデパート
州都ツゲガラオ(Tuguegarao City)のデパート従業員。2012年3月撮影。

アダム・スミス『諸国民の富』「商人や親方製造者は、地域の人々の寛大さにつけこみ、地域の利害ではなく自分たちの利害が公共の利害と一致するのだという、まことに 単純で正直な信念から、地域を説得して彼の利益をも公共の利益をも放棄させてきた。しかしながら、商業や製業のどの部門でも、商人や生産者たちの利害は、 つねに何らかの点で公共の利害とは異なるし、それに対立することもある。市場を拡大し、競争を制限することは、つねに商人や生産者たちの利益となる。市場を拡大することは、しばしば公共の利益と一致するであろう。他方、競争を制限することは、つねに公共の利益に反するに違いない。競争の制限によって、商人や生産者たちは利潤を自然な水準以上に引き上げることができ、自分たちの利益のために、他のすべての同胞市民たちに、恣意的に税を転嫁することができる。商業上たは規制 について、この階層から提案されるものには、最も周到な注意だけでなく、最も疑り深く注意を怠らずに検討した上でなければ、 決して彼らの提案を採用してはならない。彼らが公共の利害と一致しない階層の人びと、一般に公共を欺くことは、普通であり、実際、これまで多くの場合に 公共を欺く人びとから出されている提案なのである。」⇒ビジネスとは/生産者よりも消費者の主権を重視 ツゲガラオあいすくりーむ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)のデパート内部。2012年3月撮影。
ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)のアイスクリーム屋。カガヤン州(Cagayan State)の州都だけのことはあって60ペソ(120円)以上と高いがおいしい。2012年3月撮影。
ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。
アダム・スミス『道徳感情論 』を考察してきたが、グローバル化が進む中、リバタリアンをはじめとする冷徹な市場原理主義者の言説が支配する環境にあって、人間の交際する場を「市場」としてとらえたスミスの視点は温かい。愛国心をめぐる論考もまた明快である。本書を通じ、従来スミスに抱いていたイメージ、すなわち国家は常に経済発展のために、規制を撤廃し、利己心に基づいた競争を促進することによって高い成長率を実現し、豊かで強い国を作るべきだとするイメージは完全に覆った。

ツゲガラオ市場

 Market

 
ツゲガラオ
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)のモール。2012年3月撮影。

マルクス経済学で言う「商品」とは市場(しじょう)で、金銭あるいは他の商品と交換可能な財貨をいう。したがって、「商品」は、第一に使用価値を持つ、第二に交換価値を持つ、のが特徴である。商品に内在する価値が交換において消費者に何らかの価値・効用をもたらすのである。 ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。
ツゲガラオ雑貨屋
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の雑貨屋。2012年3月撮影。

商品の価値を生み出したものは何か。カール・マルクスは、どんな商品にも共通する特徴は、労働が生み出した価値であり、生産物であるとして、商品の価値は労働にありと考え、労働価値説を唱えた。 ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。

カール・マルクス(Karl Marx)は、商品価値の大きさは、商品に内在化する労働量(労働時間・努力)によって決まると考えた。これが、労働価値説の根幹である。しかし、似たような商品でも、ありは同じ商品でも生産者が異なれば、生産するのに要する労働量は異なるのがふつうである。 ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。

そこで、マルクス経済学では、商品の価値の大きさは、商品の生産に必要な労働量の平均的な値、すなわち「社会的必要労働量」によって決定されるとみなした。 ツゲガラオ市コップ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の店で売られていたコップ類。2012年3月撮影。

カール・マルクス(Karl Marx)『資本論』第1巻第1章「商品の価値がその生産中に支出される労働の量によって規定されているとすれば、ある人が怠惰または不熟練であればあるほど、かれはその商品を完成するのにそれだけ多くの時間を必要とするので、彼の商品はそれだけ価値が大きい、というように思われるかもしれない。しかし諸価値の実体をなしている労働は、同じ人間労働であり、同じ人間労働力の支出である。商品世界の諸価値となって現われる社会の総労働力は、無数の個別的労働力から成っているのであるが、ここでは一つの同じ人間労働力とみなされるのである。これらの個別的労働力のおのおのは、それが社会的平均労働力という性格をもち、このような社会的平均労働力として作用し、したがって一商品の生産においてもただ平均的に必要な、または社会的に必要な労働時間だけを必要とするかぎり、他の労働力と同じ人間労働力なのである。社会的に必要な労働時間とは、現存の社会的に正常な生産条件と、労働の熟練および強度の社会的平均度とをもって、なんらかの使用価値を生産するために必要な労働時間である。」 ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。

カール・マルクス(Karl Marx)『資本論』第1巻第1章 「使用価値としては,諸商品は,なによりもまず,レろいろに違った質であるが,交換価値としては,諸商品はただいろいろに違った量でんしかありえないのであり,したがって一分子の使用価値も含んではいないのである。商品自体の使用価値を問題にしないことにすれば,商品体に残るものは,ただ労働生産物とL、う属性だけである。しかし,この労働生産物も,われわれの気がつかないうちにすでに変えられている。労働生産物の使用価値を捨象するならば,それを使用価値にしている物体的な諸成分や諸形態をも捨象することになる。それは,もはや机や家や糸やその他の有用物ではない。労働生産物の感覚的性状はすべて消し去られている。それはまた,もはや指物労働や建築労働や紡績労働やその他の一定の生産的労働の生産物でもない。労働生産物の有用性といっしょに,労働生産物に表わされている労働の有用性は消え去り, したがってまたこれらの労働のいろいろな具体的形態も消え去りこれらの労働はもはや互いに区別されることなく,すべてことごとく同じ人間労働に,抽象的人間労働に,還元されているのである」 ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。

市場

 Tuguegarao, Cagayan


ツゲガラオ
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。2012年3月撮影。

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、すなわち通信機能を持ちインターネットに接続可能なモノ、自動認識や自動制御、遠隔計測ビッグデータ、AI(人工知能)のど技術がもてはやされていて、市場行動にも従来の取引よりもスピード、インパクトが求められている。贅沢になった消費者は、顧客(consumer)の「お客様」は「ビジネスライク」の対応を受けて、上から目線で、丁寧な応対、消費者主権を当然のように享受している―ーーーと錯覚している。社会が技術革新によって変わったように見えても、経済学の原理、一般原則は変わらない。消費者嗜好が多様化し、女性、高齢化や家族の生活が変化しても、消費の意義やその消費される財貨サービスが取引される市場の機能も従来通りである。 ツゲガラオ
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。2012年3月撮影。

しかし、日本の経済産業省は、昨今の革新的な環境変化が、市場にも大きな変化をもたらしていると説く。今後の市場は、生産者の視点、すなわちサプライサイドの視点ではなく、消費者視点で消費経済市場を見ることが重要になるという。その際、 企業はより消費者を理解するために、消費インテリジェンスに基づく消費者起点の企業経営に転換することが必要だというのである。これは、「ビジネスライク」の表現に過ぎないと思われるが、情報化、成功技術の進歩、AIの普及によって、マスデータ社会が到来し、個々人の消費行動、企業と消費者との関係、について、ますます消費者視点からの分析が重要になると予言している。 ツゲガラオ
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。2012年3月撮影。

 経済産業省がいうには、(1)消費対象が所有価値(モノ)から体験価値(コト)に変化した、(2) 消費者が消費と同時に商品販売を行うようになった、という。 ツゲガラオ
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。2012年3月撮影。

 経済産業省が言うには、2030年代の消費市場は、(1)AIの生体認証、自動運転技術、多様な働き方、 シェアリングエコノミーの普及、 CtoC(consumer-to-consumer)の増加という社会変化により、消費の価値観が多様化し、 個人の物づくり、価格付け、個人向け商品推奨コメントが発達するというる。 ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)は、カガヤン州(Cagayan State)の州都。マニラ首都圏から北へ450km、2012年3月撮影。

<消費の類型>
自律的消費:自ら嗜好を追及、自らを律しながらの消費行動
他律的消費:自らの嗜好よりも他人や社会の嗜好に重きを置いて、他者との関係の中での消費行動
偶発的消費:インパクト・刺激を求め、ワクワク感・ドキドキ感を重視した偶発性・新しい体験を重視した消費行動
ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の魚市場。カツオの頭(かぶと)。2012年3月撮影。

企業・消費者の関係は、密接なコミュニケーション、デザインや設計を含む消費者が参加しての商品開発、 SNSを通じた消費者の行動とその予測という面が重視されるようになろう。今後の消費者には、情報開示とそのための消費者意識改革、情報発信と同時に、個人情報保護が過大となろう。 ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)のさなか市場の生エビ。2012年3月撮影。

消費者の消費の目的・価値観がこれまでの「所有欲」だけでなく、地域社会への参加、友人との絆など人間関係の中で「豊かさ」を感じるようになっている。豊かさの概念が、心の「豊かさ重視になるとともに、豊かさが多様化し、さらに豊かさを社会が享受することまで求める価値観が生まてきた。仲間、グループ、コミュニティへの参加自体が消費の目的となることもある。そして、このコミュニティには、SNS上で仲間といった情報技術の生み出した範疇も含まれる。消費者同士のコミュニケーションが重視され、SNSへの投稿目的、そこでの拡散目的の「ネタ」が消費されるようになってきた。
ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。

マスデータ(大量の情報)を収集・解析することで異常が活性化し、消費の利便性が高まる一方で、消費がスピードを要求して、入手に手間をかけたり、吟味したりする行動・思考の時間が短くなったことで、消費者が、既存のデータや情報を容易に信じ込み、選択肢がありすぎると逆に行動できなくなったりする、消費者の思考退化の減少がみられるようになった。前もって、情報を入手していなければ、旅行に出られないどころか、料理屋にも入ることができないようなだらしない消費者が増えたのである。このような消費者は、情報操作されやすく、「ビジネスライク」の意味を理解できないまま、自分が上客として、各上に扱われていると錯覚してしまう。あるいは、企業の手今日する玉石混交のデータに振り回されて、自分の嗜好、自分の楽しみ事態を見失ってしまう。そうした消費者は、その喪失感を埋めるため、忘れるために、買い物をするのであって、実は、消費自体は目的ではなくなっている。これが「失われた消費者」「見失った消費者」である。 ツゲガラオツゲガラオのマーケット。

消費者のリテラシーの格差が拡大し、騙されやすい消費者、賢い消費者に分かれる中、顧客への対応も区分されている。さらに、支払い決済方法にクレジットカード、ポイント、ビットコインなど様々な仮想通貨も導入され、技術・法律・システムの知識がないと、騙されやすい消費者になってしまう。CtoCの発展、消費者による商品情報や商品提供が盛んになる中で、消費者がサービス提供者になる機会が増えるに伴い、消費リテラシーを身に着けて、賢い消費者が増えないと、技術革新は、健全な市場をもたらさないのである。 ツゲガラオおばあさん
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。マニラ首都圏から北へ450km、2012年3月撮影。

技術革新で高度に発展した市場とは対照的に、伝統的な消費者と商人・生産者が対面する市場にはどのような意義があるのかを見直してもらいたい。 ツゲガラオ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。

中小零細小売業をとりまく経営環境は,消費者ニーズの多様化,個性化に加え,大型店の進出、情報技術の爆発的な発展によって、大きく悪化し、それが地元商店街の「シャーター通り」という閉塞的状況とも結びついている。実際に、対面販売方式の伝統的市場は,20世紀末から、スーパーマーケットやコンビニエンスストア の躍進の中で衰微してきたが、昨今の情報技術の発展、オンラインストアの興隆によって、その経営基盤は根幹から揺るがされ、流通の激変に対応することができなくなった。「地元商店街を元気にする」という言葉がもてはやされた背景には、地元商店街は衰退している、その対策はまずない、という事実の裏返しである。 地元小売市場から,顧客が流出、商売が成り立たなくなった中で、抜本的な零細小売業の体質強化が可能なのかどうかが問われている。地元商店街が活性化に結びつくような方策はあるのであろうか。 ツゲガラオ魚売り
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の魚販売。2012年3月撮影。

近い将来、AI、ロボット、3Dプリンタ、自動運転、生体認証など技術とバーチャル・リアリティの進展と相まって、貨幣支払いのないキャッシュレス、仮想通貨の決済が多様化している。SNSコミュニティでのやりとりが当然となった時代、スマートフォンの普及が欠かせない時代、対面型の小規模小売市場、すなわち本源的市場の意義はどこにあるのか。 ツゲガラオ魚市場の男
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の魚売り場の男たち。男女比は3:7で女性のほうが多い。2012年3月撮影。

消費者と商人あるいは生産者が対面し、挨拶しコミュニケーションを図り、商品について尋ねあるいは説明して、売買取引をするような小規模市場、すなわち本源的市場では、商品だけではなく、取引している当事者、すなわち売り手と買い手という人間、その人格・性格も重要な要素となる。市場には、経済要素のカネ・モノ・ヒト・ワザのいずれもがかかわっているが、昨今のオンライン市場やグローバルマーケットでもっとも遠ざけられてしまったものが、人間の要素である。人間を情報データで処理して、市場に組み込むことが、風疹技術の発達で可能なるのであろうか。

ツゲガラオ市場

 Market

 
ツゲガラオ荷車
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場では荷車が行き交う。マニラ首都圏から北へ450km。2012年3月撮影。
ツゲガラオ市場の箒
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の箒売り。2012年3月撮影。
 
ツゲガラオ肉
ツゲガラオ(Tuguegarao City)市場の肉売り場。庁など内臓が下がっている。2012年3月撮影。
野菜
ツゲガラオ(Tuguegarao City)市場の野菜売り場。2012年3月撮影。
フルーツ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の果実。2012年3月撮影。
果物
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の果物売り。2012年3月撮影。
ココナツ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市千葉で売られているココナツ(ヤシの実)。コプラから油を搾る。2012年3月撮影。
こめ
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市千葉で売られている白米。1ペソ=2円弱。2012年3月撮影。
雑貨
ツゲガラオ(Tuguegarao City)、2012年3月撮影。
ほうき
ツゲガラオ(Tuguegarao City)2012年3月撮影。
家畜の公設競り

 Livestock Auction Market



ツゲガラオ競り
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ大鍋
ツゲガラオ(Tuguegarao City)のLivestock Auction Market、2012年8月撮影。
ツゲガラオ競り
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ競り
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ競り
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ競り人
州都ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ水牛
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ水牛
ツゲガラオ(Tuguegarao City家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)の水牛。役畜として利用する。2012年8月撮影。
ツゲガラオ牛
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の肉牛。2012年8月撮影。
ツゲガラオ牛
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の肉牛。2012年8月撮影。
ツゲガラオ豚牛
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の豚と肉牛。2012年8月撮影。
ツゲガラオ豚
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の豚。2012年8月撮影。
ツゲガラオ豚
カガヤン州(Cagayan State)州都ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)の豚。
ブスカランの農作業

 Buskalan, Cordillera Administrative Region



カリンガ
カリンガ州山村棚田。水牛に曳かせた橇は泥に潜ってしまい、その上に人が重しとして乗っている。棚田で刈り入れの終わった後、残った草を泥の中に踏み込む。重労働なので、水田を一周するごとに、水牛使い・橇の乗りが交替していた。2012年8月撮影。
東海大学教養学部

 Tokai University


鳥飼 
フィリピン共和国ルソン島北部コルディリェラ行政地方での聞き取り調査。この後に、カガヤン州ツゲガラオに行ったので、ツゲガラオのビル、物資の豊富さ、車の多さが目に付いた。

大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策�」「環境政策�」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。

持続可能な農業、特に、アグロフォレストリー、柴刈り、森林適正管理、バイオマス利用について専門的に知りたい場合は、著作一覧(アジア途上国の開発と環境保全)紀伊國屋書店を参照してください。『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』2007年、多賀出版では、熱帯林の減少と地域コミュニティによる適正管理の有効性を、ローカルコモンズの視点で検討しました。『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』2002年、東海大学出版会では、再生可能エネルギーの開発を論じたうえで、薪炭生産、用材生産、焼畑、企業的フロンティア開発という森林減少の要因を比較しました。二冊とも、発行部数1000部以下の学術図専門書です。前者は文部科学省の助成、後者は東海大学総合研究機構の助成を受けて刊行した「非商業的書籍」です。価格も本体5500円と高価です。公立図書館、大学図書館などで、希望入架してもらうことをお勧めします。
テキストの『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から 』東海大学出版会は、これらの研究の端緒になった著作です。


当研究室へのご訪問ありがとうございます。当サイトには,2011年11月8日以来Counter名の訪問者があります。論文,データ,写真等を引用する際は,URLなど出所を明記してください。ご意見,ご質問をお寄せ下さる時には,ご氏名,ご所属,ご連絡先を明記してくださいますようお願い申し上げます。
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〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1 
東海大学教養学部人間環境学科社会環境課程 鳥飼 行博
TORIKAI Yukihiro, HK,Toka University,4-1-1 Kitakaname,Hiratuka,Kanagawa,Japan259-1292
大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「ミクロ経済学」「環境政策I/II」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。
持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。

『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』(多賀出版2007年):少子高齢化・ジェンダー,再生可能エネルギー,熱帯林,廃棄物輸出を分析しました。

『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』(東海大学出版会2002年)と『CRUGE研究叢書 環境ネットワークの再構築 環境経済学の新展開』田中廣滋編(中央大学出版部2001年)は「草の根民活論」の嚆矢です。

『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』(東海大学出版会):「環境協力論」「開発経済学」「環境政策」のテキストで,難民,軍縮も扱っています。

『環境ネットワークの再構築−環境経済学の新展開』田中廣滋編(中央大学出版部)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。

『地球環境政策』宇沢弘文・田中廣滋編著(中央大学出版部)の一章を担当し、南北格差を踏まえて、持続可能な開発に必要な環境政策を整理しました。

『ポスト福祉国家の総合政策−経済・福祉・環境への対応』丸尾直美編著(ミネルヴァ書房)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。

『学習漫画 サリバン先生』(集英社2011年刊行)を監修し解説を書きました。アンの生い立ち、ヘレンケラーとのかかわりから、ノーマライゼーション提唱者としての先見性まで扱っています。

『写真ポスターから学ぶ戦争の百年−二十世紀初頭から現在』(青弓社2008年刊行)では、二十世紀の戦争を扱い大量破壊、大量殺戮からプロパガンダまで扱いました。

『写真ポスターから見るナチス宣伝術−ワイマール共和国からヒトラー第三帝国』(青弓社2011年刊行)では、暴力、テロによるナチ党政権奪取と戦争動員を解説しました。

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スラム (Slum) とは、交通・エネルギー・衛生・教育などのインフラが不十分で、都市貧困層の暮らす居住区である。しかし、外見にもかかわらず、そこは、生半可な知識や偏見を抱いた識者が言うように「公共サービスが受けられない」のではないし、「荒廃状態にある状況」とは言い難い。開発途上国の大都市には、どこでもスラム街といっていい地区があるが、そこは貧しいけれども、住民が必死に苦労して生きている場所であり、草の根の民間活力の感じられる場所である。

開発途上国の人口増加と都市化の進展に伴って、スラム人口 (Slum population)人口は増加傾向にあり、2007年時点で、10億人はスラム居住者であると推測され、国別では、中国1.7億人、インド1.1億人、パキスタン2750万人、インドネシア2680万人、フィリピン2390万人、ブラジル4570万人、メキシコ1180万人、ナイジェリア4530万人、スーダン1550万人などされる。

スラムの特徴として高失業率があげられるが、これは正確な表現ではない。なぜならスラム住民で、正規の工場労働者、サラリーマンはきわめて少なく、多くは自らが仕事を作り出している状況にあるからである。

スラム街の居住者を中心に貧困者が、少ない元手で自営的に零細な仕事を起こしているのが、都市インフォーマル部門である。具体的には、食品など材料を安く買って加工したり、小さな袋に分けたりして、露店で売る転売、路上で客を待つ靴磨きや荷物運び、商店やタクシーやバスの客引き、駐車する車の番人など、さまざまな職を自ら生み出している。この特徴は、小規模な元手で行う自営的サービス業という点であり、高失業率といった主に会社の正規雇用を念頭に置いた概念で図ることはできない。

 スラム街の特徴は、都市インフォーマル部門程度しか雇用機会を提供できないという貧困であるが、だからといって「犯罪や麻薬、アルコール依存症や自殺などが多発する」というのも誤解である。開発途上国でなくとも、非衛生的な環境であれば、病気、伝染病が蔓延するが、だからと言って、スラム住民が強盗や盗人に成り下がるということは言えない。

開発途上国のスラム居住者は、農村から押し出され、あるいは都市に惹きつけられた出稼ぎ者や移住者が多く、貧しいながらも貧困から抜け出そうと、都市インフォーマル部門において、厳しい低報酬の労働にいそしんでいる。また教育に熱心になる傾向も指摘できる。彼らは、農村という地域コミュニティを引き継いで、都市のスラムにあっても一定の自治的な秩序をもって生活している。環境の悪い町外れなどの未開発の地域に住み着いたとしても、住民相互には、暗黙の了解・契約があり「無秩序」ではない。


Wikipedia(http://ja.wikipedia.org)のコルディリェラ行政地方の説明
山岳管理地域(さんがくかんりちいき、Cordillera Administrative Region, CAR)またはコルディリェラ行政地域は、フィリピン北部ルソン島のコルディリェラ・セントラル地域一帯の内陸地方である。区域内にはフィリピン最高峰のプログ山(Mt. Pulog:2,929m)を含む2,000m級の山々が連なる。中心都市はバギオ(Baguio)である。「コルディリェラ」はスペイン語で「山脈」「山岳地帯」を意味し、現代スペイン語式の「コルディジェラ」という日本語表記も見られるが、フィリピンではジェイスモの影響がないためもっぱら「コルディリェラ」と発音される。


Wikipedia(http://ja.wikipedia.org)のカリンガ州の説明
カリンガ州Province of Kalinga)は、フィリピン北部ルソン島コルディリェラ行政地域Cordillera Administrative Region, CAR)に属するである。北にアパヤオ州、西にアブラ州、南にマウンテン州、東にカガヤン・バレー地方イサベラ州カガヤン州と接している。1995年2月14日、旧カリンガ・アパヤオ州(Province of Kalinga-Apayao)が2つに分割されて誕生した。面積は3,119.7kmイ、人口は174,023人(2000年)、州都はタブクTabuk)である。


ルソン
I – イロコス地方
北イロコス | 南イロコス | ラウニオン | パンガシナン
II – カガヤン・バレー地方
バタネス | カガヤン | イサベラ | ヌエヴァ・ヴィスカヤ | キリノ
III – 中部ルソン地方
アウロラ | バターン | ブラカン | ヌエヴァ・エシハ | パンパンガ | タルラック | サンバレス
IV-A – カラバルソン地方
バタンガス | カヴィテ | ラグナ | ケソン | リサール
IV-B – ミマロパ地方
西ミンドロ | 東ミンドロ | マリンドゥク | ロンブロン | パラワン
V – ビコール地方
アルバイ | 北カマリネス | 南カマリネス | カタンドゥアネス | マスバテ | ソルソゴン
コルディリェラ行政地域
アブラ | アパヤオ | ベンゲット | イフガオ | カリンガ | マウンテン
マニラ首都圏
マニラ首都圏の行政区画
ヴィサヤ
VI – 西ヴィサヤ地方
アクラン | アンティーケ | 西ネグロス | カピス | ギマラス | イロイロ
VII – 中部ヴィサヤ地方
ボホール | セブ | 東ネグロス | シキホル
VIII – 東ヴィサヤ地方
ビリラン | 東サマル | レイテ | 北サマル | サマル | 南レイテ
ミンダナオ
IX – サンボアンガ半島地方
北サンボアンガ | 南サンボアンガ | サンボアンガ・シブガイ
X – 北部ミンダナオ地方
東ミサミス | 西ミサミス | カミギン | 北ラナオ | ブキドノン
XI – ダバオ地方
コンポステラ・バレー | ダバオ | 南ダバオ | 東ダバオ
XII – ソクサージェン地方
南コタバト | コタバト | スルタン・クダラット | サランガニ
XIII – カラガ地方
北アグサン | 南アグサン | 北スリガオ | 南スリガオ | ディナガット・アイランズ
ムスリム・ミンダナオ自治区
バシラン | 南ラナオ | マギンダナオ | スールー | タウイタウイ
他言語版
CampusLife 環境関連職研究教育職国際協力職Kaken買い物楽天本M楽天AfYahooAfcolorr
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