フィリピンカリンガ州
Kalinga Province
ツゲガラオ市
Tuguegarao
カガヤン州ツゲガラオ郊外はカガヤン川の水供給を利用した稲作、畑作地帯。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)郊外。カガヤン州ツゲガラオ郊外はカガヤン川の水供給を利用した稲作、畑作地帯。2012年3月撮影。
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)飛行場へは、マニラ空港から1時間45分、2012年3月撮影。
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)郊外。マニラ首都圏から北へ450km、2012年3月撮影。
メトロポリタンカテドラル
Sts. Peter & Paul Metropolitan Cathedral
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ の中心街にある聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂。カテドラルの前なら安心できる。2012年3月撮影。
カガヤン州ツゲガラオ 聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂。日曜ミサにやってくる人の中には、自家用車や運転手つきの自家用車でやってくる中間層以上の人々もいる。車をふかしたままエアコンを消さない運転手もいた。けれども、みんなが教会に祈りに来るとき、神の前の平等を意識する。2012年8月撮影。
カガヤン州ツゲガラオ のカテドラル。
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR) )には、アブラAbra州 /アパヤオ州/
ベンゲット州 /イフガオ州 /カリンガ州/マウンテン州 の6州がある。2010年人口センサスによると、CAR人口は161万6,867人。
カガヤン州ツゲガラオ聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂における日曜ミサに参加するクリスチャン。2012年8月撮影。
カガヤン州ツゲガラオ聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂 。2012年3月撮影。
水田 が広がる中にツゲガラオの町がある。
ツゲガラオ
Cagayan Province
ツゲガラオ 。
「帰納法」とは、個別な事例から一般法則を導く推論の仕方で、他方、「演繹法」とは、一般法則から個別事例に対する結論を導く推論の仕方である。簡単化すれば、林檎が落ちる事例から重力の存在を考えるのが帰納法、重力が作用するから、投げた石は落下すると考えるのが演繹法、といえる。
コルディリェラ行政地方 はルソン島 山岳地域で海に面していない内陸地。
個別事例の観察や実験を繰り返して,一般法則を導き出したとしても、観察や実験の例外事例もあるかもしれないので、帰納法によって導出された結論は必ずしも正しいとは限らない。他方、一般原則が正しいとすれば、そこから導かれた個別事例も同じ結論に至るはずだが、観察や実験の条件や前提が異なっていれば、一般原則は当てはまらず、誤った推論となる。
カガヤン州ツゲガラオ の中心街にある聖ピーター・ポール・メトロポリタン大聖堂。 信仰、人間性への尊厳、他人の善意や倫理を信じることと、経済学における市場礼賛や社会主義の信奉は、同じような人間の内面にある心理であるが、それを信じるようになった、あるいは信じないようになったのは、帰納法によったのか、ソレトンも演繹法から導かれたのか。経済学や経済理論の始まりを考えると、この両方のアプローチがあったことが窺われる。
カガヤン州ツゲガラオ のカテドラル。 コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR) )には、アブラ州/アパヤオ州/ベンゲット州/イフガオ州/カリンガ州/マウンテン州の6州がある。2010年人口センサスによると、CAR人口は1,616,867人。
「世界経済の発展のためには、市場(マーケット)が不可欠である」という一般原則は、経済学の大家の示した正しい原則であり、それをもとに市民も行動すべきなのか。それとも、消費者、労働者として、様々な経済や取引の事象を観察し経験したことで、そのような一般原則にたどり着いたのか。「世界経済」と聞くとマクロ経済学の事象だと思うのは素人で、経済がよって立つ「市場」は、ミクロ経済学の根幹となる課題である。その意味で、我々の授業でも、経済学の大家の言葉、すなわち経済学の原則をよく聞くとともに、身近な経験から見た経済がどのように一般法則に繋がってくるかを考えるべきであろう。
カガヤン州ツゲガラオ市 (Tuguegarao City )のガソリンスタンド。カリンガ州に行くジプニーには屋根に乗客が乗っている。何気なく屋根に乗るのは、勇ましい証拠ともなる。カリンガ州の若者の特徴といえる。2012年3月撮影。
HK鳥飼担当「ミクロ経済学」では、帰納法と演繹法の双方の立場から、実例を踏まえて学びを進める。市場(いちば)での商品の売買取引、農民や零細事業者の経済活動を眺めるときも、そのような帰納法と演繹法の視点があると、新しい見方が可能になる。貧困や所得格差のような状況は、経済原則の典型なのか例外なのか、経済原則から見て、貧困・所得格差のような状態は、原則にのっとっているのか、例外なのか。このような思考法、考え方ができるかどうか、慣れているかどうかで、真の大学教育を受け身に着けたか、高等教育を修了したかが決まってくる。
ツゲガラオ
Tuguegarao
ツゲガラオ (Tuguegarao City )は、カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)の州都。人口は、1990年5月は9万4,767人、2007年8月は12万9,539人。2010年5月は13万8,865人、有権者登録は7万3,226人。
経済とは、カネ、モノ、ヒト、ワザ、すなわち資金、資本、労働、技術を操作可能な構成要素とし、取引、活動によって人々の豊かさに結び付く事象である。アダム・スミス(Adam Smith:1723-1790)は、経済学の父とされるが、この時期、国民国家、市民社会、国際貿易を通じて、そして、ニュートン流の物理学から化学・天文学・医学などの科学の発展に伴って、経済学が生まれた。アダム・スミスが扱ったのは、まさに「社会環境」といっていい経済の動きだった。彼はそこから、科学的発想を持って、何らかの経済の原則、法則、原理のようなものを見つけ出そうと探求した。
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ (Tuguegarao City )は、マニラ首都圏から北へ450km。2012年8月撮影。
イギリスの経済学者アダム・スミス(Adam Smith)は『諸国民の富』で、市場を礼賛し、個人の自由な活動が、何らかの社会的な利益にもつなが鵜と考えた。そして、市民社会論に対する信頼も持っていた。特に、アダム・スミスはもう一冊の名著『道徳感情論』のなかで、市民・消費者・生産者の心理、エゴ、社会との繋がりをも説いている。この二冊の経済学書は、現実の裏と表、表裏一体の関係にあるように思えてくる。アダム・スミスの経済学思想は、21世紀のグローバル化した資本主義世界の中でも、そのよって立つ基盤、これがミクロ経済学であるが、を提供してくれる。そこに立つことで、積み上げられてきた経済学思想を垣間見て、自分の滋養として吸いあげることができれば、経済学が少しは理解できた、といえるはずだ。
カガヤン州ツゲガラオ市 (Tuguegarao City )2012年8月撮影。
カガヤン州ツゲガラオ市 (Tuguegarao City )の面積は、144.8 kmイ、人口密度は959人/kmイ [2010]、年平均人口増加率は1.41%/year [2000 → 2010]。2012年8月撮影。
アダム・スミス(Adam Smith)『諸国民の富』
「すべての国民の年間の労働は、その国民が年聞に消費するすべての生活の必需品や便益品を供給する原資であって、消費される必需品や便益品は、常に国民の労働の直接の生産物であるか、あるいはその生産物で他の諸国民から購入されるものである。したがってこの生産物、またはこの生産物で購入されるものと、それを消費する人びとの数との割合が大きいか小さいかに応じて、その国民が必要とする必需品と便益品が十分に供給されているといえるか どうかが決まる。この割合は、どの国民にあっても二つの異なる事情によって規定される。すなわち、第一には、その国民の労働が一般に使用される際の熟練、技量、および判断力によって、そして第二には、有用な労働に従事する人びとの数と、そうでない人びとの数との割合によって規定される。国の土壌や気候 や国土の広さがいかなるものであろうとも、そうした特定の状況の中で、その国民が受ける必需品と便益品の年間の供給が豊かであるか乏しいかは、それら二つの事情に依存する」⇒豊かさとは何か/物の豊かさやベーシックヒューマンニーズの充足
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年8月撮影。
アダム・スミス『諸国民の富』「どの個人も、できるだけ自分の資本を国内の労働を支えることに用いるよう努め、その生産物が最大の価値をもつように労働を方向づけること にも努めるのであるから、必然的に社会の年間の収入をできるだけ大きくしようと努めることになる。たしかに個人は、一般に公共の利益を推進しようと意図し てもいないし、どれほど推進しているかを知っているわけでもない。-----個人はこの場合にも、他の多くの場合と同様に、見えざる手に導かれて、自分の意 図の中にはまったくなかった目的を推進するのである。それが個人の意図にまったくなかったということは、必ずしも社会にとって悪いわけではない。自分自身 の利益を追求することによって、個人はしばしば、社会の利益を、実際にそれを促進しようと意図する場合よりも効果的に推進するのである。」⇒市場における神の見えざる手/市場機能への信頼と市場に介入する者への疑念
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)の州都ツゲガラオ(Tuguegarao City)のデパート前。2012年3月撮影。
アダム・スミス『諸国民の富』「優先と抑制の体系がすべて除去されれば、単純かつ明快な自然的自由の体系が自然に確立される。そこでは、正義の諸法を犯さないかぎり、すべての人が自分のやり方で利益を追求することができ、自分の労働と資本を使って、どの人、またはどの階層の人とも自由に競争することができる。主権者は、遂行しようとすれば必ず無数の迷妄に惑わされ、また人間のどんな知恵や知識をもってしでも適切に遂行できない義務から、すなわち個人の勤労を監督し、それを社会の利益に最も適った用途に向かわせるという義務から完全に解放される。」⇒市場での競争/自由闊達な競争、能力の発揮を重視
ツゲガラオ(Tuguegarao City)のデパート前。2012年3月撮影。
アダム・スミス『諸国民の富』「浪費についていうなら、支出に駆り立てる性向は、現在の享楽を求める情念である。この情念は、ときには激しくて、きわめて抑制しがたいこ ともあるが、一般には瞬間的で、たまにしか起きない。これに対し、貯蓄に駆り立てる原理は、自分の状態を改善しようとする欲求である。この欲求は、一般には平静で非激情的ではあるが、胎内からわれわれとともに生まれ、われわれが墓に入るまで決して離れることがない。----大部分の人びとは、生涯の平均をとれば、支出性向よりも倹約性向の方が優位を占め、その優位さは著しいように思われる。」⇒個人消費の意味/贅沢よりも質素倹約を重視
州都ツゲガラオ(Tuguegarao City)のデパート従業員。2012年3月撮影。
アダム・スミス『諸国民の富』「商人や親方製造者は、地域の人々の寛大さにつけこみ、地域の利害ではなく自分たちの利害が公共の利害と一致するのだという、まことに 単純で正直な信念から、地域を説得して彼の利益をも公共の利益をも放棄させてきた。しかしながら、商業や製業のどの部門でも、商人や生産者たちの利害は、 つねに何らかの点で公共の利害とは異なるし、それに対立することもある。市場を拡大し、競争を制限することは、つねに商人や生産者たちの利益となる。市場を拡大することは、しばしば公共の利益と一致するであろう。他方、競争を制限することは、つねに公共の利益に反するに違いない。競争の制限によって、商人や生産者たちは利潤を自然な水準以上に引き上げることができ、自分たちの利益のために、他のすべての同胞市民たちに、恣意的に税を転嫁することができる。商業上たは規制 について、この階層から提案されるものには、最も周到な注意だけでなく、最も疑り深く注意を怠らずに検討した上でなければ、 決して彼らの提案を採用してはならない。彼らが公共の利害と一致しない階層の人びと、一般に公共を欺くことは、普通であり、実際、これまで多くの場合に 公共を欺く人びとから出されている提案なのである。」⇒ビジネスとは/生産者よりも消費者の主権を重視
ツゲガラオ(Tuguegarao City)のデパート内部。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)のアイスクリーム屋。カガヤン州(Cagayan State)の州都だけのことはあって60ペソ(120円)以上と高いがおいしい。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。 アダム・スミス『道徳感情論 』を考察してきたが、グローバル化が進む中、リバタリアンをはじめとする冷徹な市場原理主義者の言説が支配する環境にあって、人間の交際する場を「市場」としてとらえたスミスの視点は温かい。愛国心をめぐる論考もまた明快である。本書を通じ、従来スミスに抱いていたイメージ、すなわち国家は常に経済発展のために、規制を撤廃し、利己心に基づいた競争を促進することによって高い成長率を実現し、豊かで強い国を作るべきだとするイメージは完全に覆った。
ツゲガラオ市場
Market
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)のモール。2012年3月撮影。
マルクス経済学で言う「商品」とは市場(しじょう)で、金銭あるいは他の商品と交換可能な財貨をいう。したがって、「商品」は、第一に使用価値を持つ、第二に交換価値を持つ、のが特徴である。商品に内在する価値が交換において消費者に何らかの価値・効用をもたらすのである。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の雑貨屋。2012年3月撮影。 商品の価値を生み出したものは何か。カール・マルクスは、どんな商品にも共通する特徴は、労働が生み出した価値であり、生産物であるとして、商品の価値は労働にありと考え、労働価値説を唱えた。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。
カール・マルクス(Karl Marx)は、商品価値の大きさは、商品に内在化する労働量(労働時間・努力)によって決まると考えた。これが、労働価値説の根幹である。しかし、似たような商品でも、ありは同じ商品でも生産者が異なれば、生産するのに要する労働量は異なるのがふつうである。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。 そこで、マルクス経済学では、商品の価値の大きさは、商品の生産に必要な労働量の平均的な値、すなわち「社会的必要労働量」によって決定されるとみなした。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の店で売られていたコップ類。2012年3月撮影。
カール・マルクス(Karl Marx)『資本論』第1巻第1章「商品の価値がその生産中に支出される労働の量によって規定されているとすれば、ある人が怠惰または不熟練であればあるほど、かれはその商品を完成するのにそれだけ多くの時間を必要とするので、彼の商品はそれだけ価値が大きい、というように思われるかもしれない。しかし諸価値の実体をなしている労働は、同じ人間労働であり、同じ人間労働力の支出である。商品世界の諸価値となって現われる社会の総労働力は、無数の個別的労働力から成っているのであるが、ここでは一つの同じ人間労働力とみなされるのである。これらの個別的労働力のおのおのは、それが社会的平均労働力という性格をもち、このような社会的平均労働力として作用し、したがって一商品の生産においてもただ平均的に必要な、または社会的に必要な労働時間だけを必要とするかぎり、他の労働力と同じ人間労働力なのである。社会的に必要な労働時間とは、現存の社会的に正常な生産条件と、労働の熟練および強度の社会的平均度とをもって、なんらかの使用価値を生産するために必要な労働時間である。」
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。
カール・マルクス(Karl Marx)『資本論』第1巻第1章
「使用価値としては,諸商品は,なによりもまず,レろいろに違った質であるが,交換価値としては,諸商品はただいろいろに違った量でんしかありえないのであり,したがって一分子の使用価値も含んではいないのである。商品自体の使用価値を問題にしないことにすれば,商品体に残るものは,ただ労働生産物とL、う属性だけである。しかし,この労働生産物も,われわれの気がつかないうちにすでに変えられている。労働生産物の使用価値を捨象するならば,それを使用価値にしている物体的な諸成分や諸形態をも捨象することになる。それは,もはや机や家や糸やその他の有用物ではない。労働生産物の感覚的性状はすべて消し去られている。それはまた,もはや指物労働や建築労働や紡績労働やその他の一定の生産的労働の生産物でもない。労働生産物の有用性といっしょに,労働生産物に表わされている労働の有用性は消え去り, したがってまたこれらの労働のいろいろな具体的形態も消え去りこれらの労働はもはや互いに区別されることなく,すべてことごとく同じ人間労働に,抽象的人間労働に,還元されているのである」
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。
市場
Tuguegarao, Cagayan
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。2012年3月撮影。 IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、すなわち通信機能を持ちインターネットに接続可能なモノ、自動認識や自動制御、遠隔計測ビッグデータ、AI(人工知能)のど技術がもてはやされていて、市場行動にも従来の取引よりもスピード、インパクトが求められている。贅沢になった消費者は、顧客(consumer)の「お客様」は「ビジネスライク」の対応を受けて、上から目線で、丁寧な応対、消費者主権を当然のように享受している―ーーーと錯覚している。社会が技術革新によって変わったように見えても、経済学の原理、一般原則は変わらない。消費者嗜好が多様化し、女性、高齢化や家族の生活が変化しても、消費の意義やその消費される財貨サービスが取引される市場の機能も従来通りである。
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。2012年3月撮影。 しかし、日本の経済産業省は、昨今の革新的な環境変化が、市場にも大きな変化をもたらしていると説く。今後の市場は、生産者の視点、すなわちサプライサイドの視点ではなく、消費者視点で消費経済市場を見ることが重要になるという。その際、 企業はより消費者を理解するために、消費インテリジェンスに基づく消費者起点の企業経営に転換することが必要だというのである。これは、「ビジネスライク」の表現に過ぎないと思われるが、情報化、成功技術の進歩、AIの普及によって、マスデータ社会が到来し、個々人の消費行動、企業と消費者との関係、について、ますます消費者視点からの分析が重要になると予言している。
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。2012年3月撮影。 経済産業省がいうには、(1)消費対象が所有価値(モノ)から体験価値(コト)に変化した、(2) 消費者が消費と同時に商品販売を行うようになった、という。
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市場。2012年3月撮影。 経済産業省が言うには、2030年代の消費市場は、(1)AIの生体認証、自動運転技術、多様な働き方、 シェアリングエコノミーの普及、 CtoC(consumer-to-consumer)の増加という社会変化により、消費の価値観が多様化し、 個人の物づくり、価格付け、個人向け商品推奨コメントが発達するというる。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)は、カガヤン州(Cagayan State)の州都。マニラ首都圏から北へ450km、2012年3月撮影。
<消費の類型>
自律的消費:自ら嗜好を追及、自らを律しながらの消費行動
他律的消費:自らの嗜好よりも他人や社会の嗜好に重きを置いて、他者との関係の中での消費行動
偶発的消費:インパクト・刺激を求め、ワクワク感・ドキドキ感を重視した偶発性・新しい体験を重視した消費行動
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の魚市場。カツオの頭(かぶと)。2012年3月撮影。
企業・消費者の関係は、密接なコミュニケーション、デザインや設計を含む消費者が参加しての商品開発、 SNSを通じた消費者の行動とその予測という面が重視されるようになろう。今後の消費者には、情報開示とそのための消費者意識改革、情報発信と同時に、個人情報保護が過大となろう。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)のさなか市場の生エビ。2012年3月撮影。
消費者の消費の目的・価値観がこれまでの「所有欲」だけでなく、地域社会への参加、友人との絆など人間関係の中で「豊かさ」を感じるようになっている。豊かさの概念が、心の「豊かさ重視になるとともに、豊かさが多様化し、さらに豊かさを社会が享受することまで求める価値観が生まてきた。仲間、グループ、コミュニティへの参加自体が消費の目的となることもある。そして、このコミュニティには、SNS上で仲間といった情報技術の生み出した範疇も含まれる。消費者同士のコミュニケーションが重視され、SNSへの投稿目的、そこでの拡散目的の「ネタ」が消費されるようになってきた。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。
マスデータ(大量の情報)を収集・解析することで異常が活性化し、消費の利便性が高まる一方で、消費がスピードを要求して、入手に手間をかけたり、吟味したりする行動・思考の時間が短くなったことで、消費者が、既存のデータや情報を容易に信じ込み、選択肢がありすぎると逆に行動できなくなったりする、消費者の思考退化の減少がみられるようになった。前もって、情報を入手していなければ、旅行に出られないどころか、料理屋にも入ることができないようなだらしない消費者が増えたのである。このような消費者は、情報操作されやすく、「ビジネスライク」の意味を理解できないまま、自分が上客として、各上に扱われていると錯覚してしまう。あるいは、企業の手今日する玉石混交のデータに振り回されて、自分の嗜好、自分の楽しみ事態を見失ってしまう。そうした消費者は、その喪失感を埋めるため、忘れるために、買い物をするのであって、実は、消費自体は目的ではなくなっている。これが「失われた消費者」「見失った消費者」である。
ツゲガラオのマーケット。
消費者のリテラシーの格差が拡大し、騙されやすい消費者、賢い消費者に分かれる中、顧客への対応も区分されている。さらに、支払い決済方法にクレジットカード、ポイント、ビットコインなど様々な仮想通貨も導入され、技術・法律・システムの知識がないと、騙されやすい消費者になってしまう。CtoCの発展、消費者による商品情報や商品提供が盛んになる中で、消費者がサービス提供者になる機会が増えるに伴い、消費リテラシーを身に着けて、賢い消費者が増えないと、技術革新は、健全な市場をもたらさないのである。
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City )の市場。マニラ首都圏から北へ450km、2012年3月撮影。
技術革新で高度に発展した市場とは対照的に、伝統的な消費者と商人・生産者が対面する市場にはどのような意義があるのかを見直してもらいたい。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)。2012年3月撮影。
中小零細小売業をとりまく経営環境は,消費者ニーズの多様化,個性化に加え,大型店の進出、情報技術の爆発的な発展によって、大きく悪化し、それが地元商店街の「シャーター通り」という閉塞的状況とも結びついている。実際に、対面販売方式の伝統的市場は,20世紀末から、スーパーマーケットやコンビニエンスストア
の躍進の中で衰微してきたが、昨今の情報技術の発展、オンラインストアの興隆によって、その経営基盤は根幹から揺るがされ、流通の激変に対応することができなくなった。「地元商店街を元気にする」という言葉がもてはやされた背景には、地元商店街は衰退している、その対策はまずない、という事実の裏返しである。
地元小売市場から,顧客が流出、商売が成り立たなくなった中で、抜本的な零細小売業の体質強化が可能なのかどうかが問われている。地元商店街が活性化に結びつくような方策はあるのであろうか。
ツゲガラオ(Tuguegarao City )の魚販売。2012年3月撮影。
近い将来、AI、ロボット、3Dプリンタ、自動運転、生体認証など技術とバーチャル・リアリティの進展と相まって、貨幣支払いのないキャッシュレス、仮想通貨の決済が多様化している。SNSコミュニティでのやりとりが当然となった時代、スマートフォンの普及が欠かせない時代、対面型の小規模小売市場、すなわち本源的市場の意義はどこにあるのか。
ツゲガラオ(Tuguegarao City )の魚売り場の男たち。男女比は3:7で女性のほうが多い。2012年3月撮影。
消費者と商人あるいは生産者が対面し、挨拶しコミュニケーションを図り、商品について尋ねあるいは説明して、売買取引をするような小規模市場、すなわち本源的市場では、商品だけではなく、取引している当事者、すなわち売り手と買い手という人間、その人格・性格も重要な要素となる。市場には、経済要素のカネ・モノ・ヒト・ワザのいずれもがかかわっているが、昨今のオンライン市場やグローバルマーケットでもっとも遠ざけられてしまったものが、人間の要素である。人間を情報データで処理して、市場に組み込むことが、風疹技術の発達で可能なるのであろうか。
ツゲガラオ市場
Market
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City )の市場では荷車が行き交う。マニラ首都圏から北へ450km。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City )の箒売り。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City )市場の肉売り場。庁など内臓が下がっている。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City )市場の野菜売り場。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City )の果実。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の果物売り。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City )の市千葉で売られているココナツ(ヤシの実)。コプラから油を搾る。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の市千葉で売られている白米。1ペソ=2円弱。2012年3月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)、2012年3月撮影。 ツゲガラオ(Tuguegarao City )2012年3月撮影。
家畜の公設競り
Livestock Auction Market
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City )の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City )のLivestock Auction Market、2012年8月撮影。
カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)ツゲガラオ(Tuguegarao City )の市場。ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
州都ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)。2012年8月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)の水牛。役畜として利用する。2012年8月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の肉牛。2012年8月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の肉牛。2012年8月撮影。 ツゲガラオ(Tuguegarao City)の豚と肉牛。2012年8月撮影。
ツゲガラオ(Tuguegarao City)の豚。2012年8月撮影。
カガヤン州(Cagayan State)州都ツゲガラオ(Tuguegarao City)の家畜公設競り市場(Livestock Auction Market)の豚。
ブスカランの農作業
Buskalan, Cordillera Administrative Region
カリンガ州山村棚田 。水牛に曳かせた橇は泥に潜ってしまい、その上に人が重しとして乗っている。棚田 で刈り入れの終わった後、残った草を泥の中に踏み込む。重労働なので、水田を一周するごとに、水牛使い・橇の乗りが交替していた。2012年8月撮影。
東海大学教養学部
Tokai University
フィリピン共和国ルソン島北部コルディリェラ行政地方 での聞き取り調査。この後に、カガヤン州ツゲガラオに行ったので、ツゲガラオのビル、物資の豊富さ、車の多さが目に付いた。
大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策�」「環境政策�」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。
持続可能な農業、特に、アグロフォレストリー、柴刈り、森林適正管理、バイオマス利用について専門的に知りたい場合は、著作一覧(アジア途上国の開発と環境保全)紀伊國屋書店 を参照してください。『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』2007年、多賀出版 では、熱帯林の減少と地域コミュニティによる適正管理の有効性を、ローカルコモンズの視点で検討しました。『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』2002年、東海大学出版会 では、再生可能エネルギーの開発を論じたうえで、薪炭生産、用材生産、焼畑、企業的フロンティア開発という森林減少の要因を比較しました。二冊とも、発行部数1000部以下の学術図専門書です。前者は文部科学省の助成、後者は東海大学総合研究機構の助成を受けて刊行した「非商業的書籍」です。価格も本体5500円と高価です。公立図書館、大学図書館などで、希望入架してもらうことをお勧めします。 テキストの『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から 』東海大学出版会 は、これらの研究の端緒になった著作です。
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