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中国雲南省点描 |
Agriculture of China |
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役畜の飼育 |
Ass Grazing |
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剣川県のロバ〈驢馬〉。ロバは、粗食なうえに忍耐強いこともあり、荷物運びの役畜として、古代から利用されている。
牧畜:家畜を飼育して乳製品や肉を生産する農業で、放牧、遊牧を含む。
放牧:牧畜の一局面あるいは一形態で、家畜を野外で放し飼いにして、牧草を食ませること。草原、傾斜地など自然牧草地(コモンズ)を利用することも、牧草地を柵で囲った牧場を利用することもある。日本の放牧は、主に夏に行われ、冬は家畜舎で飼育することが多い。 遊牧:牧草を求めて家畜と人間が長期間移動する放牧。
剣川県のロバ〈驢馬〉の放牧。
剣川県。ロバを放牧する老人。道脇の草を食べさせている。地域コミュニティの共有資源,すなわちローカルコモンズに依存した農業と言える。
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剣川県の放牧。
バイオマス・ニッポン総合計画では、日本の木質バイオマスを有効活用することを提唱しているが、剣川県の農村なら農業廃棄物、山林の木質バイオマスなど、広い範囲のバイオマスを地域コミュニティの中で、利用している。日本のバイオマス利用計画は、地域コミュニティの視点を軽視していては実行性に乏しいままとなる。
云南大理州剑川县で牛1頭を放牧するお父さん。引いてきた牛に、道脇の草を食べさせている。つまり、「地域コミュニティの共有資源」であるコモンズに依存した放牧」=コモンズ利用型放牧と言える。
中国の雲南省剣川県の地図を見る
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雲南省剣川県の牧畜 |
Jianchuan County |
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雲南省剣川県(Jianchuan)の、地域コミュニティにおける放牧。遊休地、道の脇の草、傾斜地などローカルコモンズを利用した放牧は、資本(設備、機械)化石燃料の軽減になり、温暖化対策ともなっている。さらに、休耕田や耕作放棄地で小規模放牧を行うことにより耕地の維持も期待できる。
剑川县は、山に囲まれ,渓谷を中心にした盆地は,農地として利用されている。集落内には、漢民族もいるが,住民の多くは白族(ベーツー)で、ほかにもリス族,ナシ族など少数民族も隣接してすむ珍しい地域である。
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剑川县(白族の言葉でyit-dut)の牧畜。剣川県(Jianchuan)にあるこの村は、盆地に位置していて、稲作地、タバコ畑が広がっているが、ローカルコモンズを活用した牧畜(コモンズ利用型放牧)も盛んである。このれは、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会に通じる持続可能な開発の一形態である。
中国南部の農村部では、このような広々としたローカルコモンズを活用して、コモンズ利用型放牧が行われる。ここ雲南省剣川県の山村では、2004年9月、1週間民宿(客桟)に泊まって付近を調査した。
牧畜では、牛の放牧が中心だが,馬,ロバ,ヤギ,水牛を飼育するコモンズ利用型放牧も行われる
日本でも、同じような取り組みが行政によってはじめられている。山口県畜産試験場放牧管理グループが名づけた「山口型放牧」とは、妊娠中の和牛を簡単な電気牧柵で囲んだ耕作放棄地などに放して、雑草や下草を食べてもらう放牧であり、「いつでも、どこでも、だれでも」簡単にできる放牧の技術であるという。 島根県でも平成18年度から地域放牧推進事業(県単)により、畜産農家と耕種農家が. 連携を図り、地域の合意のもと、遊休農地を活用した放牧(島根型地域放牧という)を推進している。これらは、小規模なもので、従事する牧畜業者も少ないが、同じような取り組みは開発途上国では、民活ベースで大規模に実践されている。その一つの事例が、中国雲南省剣川県であり、見習うべきところが多い。
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放牧 |
Pastoralism |
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雲南省剣川県(Jianchuan)の放牧。 剣川県(Jianchuan)の総人口は17.21万人,そのうち農業人口15.52万人,非農業人口1.69万人;白族人口が総人口の92﹪を占め,全国で白族人口比率が最高の県で“白族之郷”といわれる。
集落には農村家内工業労働者もいるが、みんなが同じ傾斜地や道脇の草を利用するコモンズ利用型放牧の姿は、懐かしくもあり、仲間の団らんのように見えてしまう。これは、地域コミュニティという地縁・血縁と賃金労働という就労が分離できない状況を反映している。現代日本では「仕事」と「家族」という概念が完全に分離している。
剣川県におけるコモンズ利用型放牧。山に幾重にも囲まれているが,渓谷にある盆地は,耕地化され,周辺の傾斜地は牧草地として利用される。
女性放牧従事者もいる。
コモンズ利用型放牧伝統的で多角的牧畜は、キノコの採取など副業、家庭で使う燃料の薪を集める柴刈りと同時に行われる。つまり、金を稼ぐ労働・勤労と家族の仕事・家事労働が同一の空間・時間で行われる。換言すれば、「仕事」と「家庭」は両立している。開発途上国の社会開発を論じる場合、仕事、家族、家庭を総合してみることが重要である。
「粘土瓦」作成労働者の日当は15元(200円)で,三食付く。2006年9月当時、1元=14円で、 宿で一食頼めば(一人なら)5元。この食事で満腹になるが、家族の食費支出以外の出費も踏まえれば、十分な賃金とは言えず、貧困にあるといえる。
雲南省剣川県のコモンズ利用型放牧は、伝統的で多角的牧畜。
2011年10月現在、剣川県委書記(县委书记)は、莽绍标氏、県委副書記(县委副书记)は、李劲松氏、赵喜旺氏、王跃氏。 現代日本では「働く」という意味を、金を稼ぐ会社での勤労と同一視している。このような近視眼的な「仕事」や「労働」の概念では、開発途上国も含まれるグローバルな問題に対応できない。 残飯利用のエコフィード(残飯飼料)作りも立派な仕事なはず。
放牧では,道路脇や空き地,公有地の牧草を利用する。この牧草は,地域コミュニティの共有資源(コモンズ)として認識されている。
現代日本では「働く」という意味を、勤労サラリーマンという外仕事の意味で使用しているが、このような範囲に限定すれば、老人は、労働力を提供しない「老齢従属人口」として、扶養対象としてのみ認識されてしまう。高齢者を「狭い範囲の労働」の概念で理解しようとすれば、老人は「社会保障」の問題を引き起こす「厄介者」でしかない。日本での「高齢者への認識」は、開発途上国も含まれるグローバルな「少子高齢化問題」には応用できない場合が多い。 例えば、柴刈りのようなバイオマスエネルギーの採取は立派な仕事で,家事労働の一環で行われている。
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剣川県の地域コミュニティにおける放牧。
剣川県の放牧。夕方16:00過ぎになると,牛を連れて放牧に出て行った人たちが,次々と村に帰ってくる。住民の多くはベー族で,ほかにもリス族,ナシ族など少数民族も隣接して居住している。
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交通の確保 |
stone arch bridge |
剣川県の集落北端に、清朝時代に建築された小さなアーチ式石橋がかかっている。こんな辺鄙なところにと思う反面、農業、牧畜にとって、この橋が重要な役割があることに気付かされた。集落に買い物などに出かけるだけであれば、集落近くに清朝時代の大きなアーチ式石橋があるので、それを使えばいい。しかし、この橋があるおかげで、牧畜や柴刈りに出かけるなど、ローカルコモンズの利用も可能になる。
剣川県の採石場のふもとにかかる清朝時代のアーチ橋。
アーチ式石橋
アーチ式石橋を渡る牧草を刈り取った女性。
清朝時代のアーチ式石橋の欄干の狛犬(獅子)。
入会地・里山は、無償で利用はできるが、アクセスが、地域コミュニティのメンバーに限定されていたり、現地住民が相互利益に配慮しながら管理してたりしている。つまり、里山は、「ローカル・コモンズ」の一種である。現地住民は、地域コミュニティの他のメンバーの利益に配慮して、ローカル・コモンズを利用する。そこで、フリーライダー、モラルハザードが抑制され、「コモンズの悲劇」は生じにくい。 つまり、現地住民が利用する入会地・里山は、自由にアクセスできる自由財ではなく、地域コミュニティのメンバーに限って利用できるローカル・コモンズであり、持続可能な利用がされてきた。
アーチ式石橋を渡る牧草を刈り取った女性。
ローカルコモンズは、世界各地に古くから存在してきた。そして、地域コミュニティの現地住民による利用と管理の下にあった。このようなローカル・コモンズとして里山や入会地が維持できるのであれば、フリーライダー、モラルハザードに起因する里山の崩壊、すなわち「コモンズの悲劇」は、起こらないであろう。
入会・里山は、牧草あるいは薪というバイオマス供給源であり、飼料や再生可能エネルギーを住民に提供してきた。バイオマスというと、現在の日本ではバイオマス発電、バイオ液体燃料など間接利用が注目されているが、歴史的には、入会の牧草利用、里山からの薪採取という形で、住民にバイオマス供給していた。これは、草の根民活として、地域コミュニティの住民が、自主的に入会・里山を管理していたことを示すものである。
他方、日本の里山の再生が唱えられているが、NPOやボランティアのメンバーが、薪炭などを利用する現地住民でない場合、里山復活は困難な場合が多い。里山利用に伴う利益が、レジャーや自然観察に留まっているのであれば、 財政支援あるいは税制上の優遇措置が必要かもしれない。
以上のように、ローカルコモンズは、飼料や再生可能エネルギーの供給源として、利用され、保全されてきた。つまり、持続可能な開発に大いに関連している。里山の議論を、自然と親しむとか、身近な緑を守るとか、狭い範囲に限定するのではなく、バイオマス利用の場として、世界に通用する視点で、持続可能な社会形成に役立てるべきであろう。 この意味で、日本に限らず、ローカルコモンズの利用と管理は、開発途上国の地域コミュニティに学ぶべき点が多いのである。
◆雲南省剣川県では、粘土瓦やレンガを焼いているだるま窯も、付近に8基見かけた。 元朝末年に創建された大理剣川県沙溪寺登街は、観光名所でもあり、“三坊一照壁”、“四合五天井”式の大理ペー族伝統な民居がたくさんある。この屋根瓦を造っているのが、このような窯であり、地元の窯業である。
◆2011年の家事労働者条約(第189号)では、労働・社会保障法の適用対象外になることが多い家事労働者を労働者と認定し、その労働条件改善を目指して初めて採択された国際基準。家事労働者は他の労働者と同じ基本的な労働者の権利を有するべきとして、安全で健康的な作業環境の権利、一般の労働者と等しい労働時間、最低でも連続24時間の週休、現物払いの制限、雇用条件に関する情報の明示、結社の自由や団体交渉権といった就労に係わる基本的な権利及び原則の尊重・促進・実現などを規定。家事労働を、一つもしくは複数の世帯においてまたは世帯のために遂行する業務と定義し、雇用関係の枠内で家事労働に従事する者を家事労働者とする、としている。
民宿(客桟)から何日か通って作業の様子を撮影したり、聞き取り調査を行ったりして、労働者のみなさんにも顔なじみになって、協力していただいた。
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石灰石の砕石場 |
limestone Quarry |
剣川県の採石場で労働者が石灰岩をとっている。
コンクリートの原料となる石灰岩の採石場。瓦・レンガの原料となる粘土もこの近くで採取されている。
剣川県の窯業の一翼を担う石灰岩採石場。
陶磁器の場合、原料は長石の結晶体が風化分解したカオリンである。花崗岩の中の長石が風化し良質な粘土鉱物であるカオリンは粒子が細かく皮膜力が強く、白粉やパック、ベビーパウダーのような化粧品にも使われる。日本では、東海地方にカオリンの良質な粘土層があり、窯業が盛んになった。 カオリンは、採掘地「高嶺(カオリン)」にちなんだものでchina clayともよばれる。中国の景徳鎮などで高品質の磁器として実用化されたが、その製法は18世紀まで西欧に伝わっていない。中国でもネパールでも、瓦や陶器づくりの窯業を調べたが、工芸品のように美しい作品が生み出されるまでの労働過程が興味深い。
剣川県の採石場では,石灰岩を採掘している。この地域では,道路を舗装するのに,コンクリートやアスファルトではなく,石灰岩を砕いたものを敷いている。また,家の支柱や土台にも石灰岩が多用される。
◆国際協力の分野では、1980年代以降開発途上国の女性の地位向上に着目した「開発と女性(WID)」、「ジェンダーと開発(GAD)」というアプローチがある。
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WIDは、女子を家事・育児以外にも、生産活動における役割を重視するもので、従来の女子の生産活動が過小評価され、女子が開発プロジェクトから疎外されてきたとした。そこで、女子を単なる受益者として一方的に捉えるのではなく、人的資源として活用するために、開発に統合すべきであるとした。 ◆「ジェンダーと開発(GAD」は、ジェンダー不平等の要因を、女性と男性の関係と社会構造の中で把握し、役割固定化と役割分担、ジェンダー格差を生み出す仕組みを変えることを目指す。換言すれば、GADは、ジェンダー不平等を解消するうえでの男性の役割に注目し、社会・経済的に不利な立場におかれた女子のエンパワーメントを促進する政策である。
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水コモンズ |
Spring water source |
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剣川県の湧水をためた水源。
共有地を無制限に過剰利用してしまいコモンズの悲劇が起きるとされたが、これは地域コミュニティのコモンズ利用ではまずありえない。外部からの大規模な侵入、企業進出、フロンティア開発、アグリビジネスといった場合に、コモンズの収奪的利用が行われる可能性が高い。
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人口移動 |
Population |
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◆華僑(かきょう)とは、中国、特に広東省、福建省を僑郷(華僑のふるさと)として、海外に移住した中国人を指す。現在、世界に2000万人いるとされるが、清朝時代、満州族の王朝・官僚に抵抗して亡命した中国人漢民族から、経済的な成功のチャンスを求めた中国人まで、移住の動機はさまざまである。
アヘン戦争後、列国の中国半植民地化の動きの中で、窮乏化たり、海外ビジネスのチャンスをつかもうとしたりした南部の中国人が多数、海外に移民した。「半封建・半植民地のもとで生活に窮した人々は、戦争や農民反乱の混乱から逃れて、大量に海外へと流出していった」「福建省の場合も、元代以降大規模移民が始まっている。もともと山がちで耕地が少なく、多くの人口を抱えていたという事情に加えて、自然災害の発生、海外貿易の発展といったことが、そうした大量移民を出現させる背景であった。」との華僑の解釈もある。
しかし、筆者の研究では、華僑は、窮乏化した労働者の海外出稼ぎだけでなく、新たなビジネスチャンスを求めた積極的な海外渡航が契機になっていることも多く、その出身者も中間層以上の中国人も例外ではない。孫文の革命運動を支えた興中会、中国同盟会会員の中には多数の華僑があるが、彼らは富裕層ともいえる。また、中国辛亥革命後、華僑が海外送金や外国情報の提供、外交仲介で、国民政府を手助けした。
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◆中国狩人北京経済技術開発区によれば、北京経済技術開発区(BDA)は、1992年に着工、1994年8月に北京市唯一の国家級の経済技術開発区として国務院に批准された。1999年1月、国家級の経済技術開発区及び国家高度技術産業区として優遇されることになった。
◆北京経済技術開発区のような経済技術開発区は、対外開放の国策の中で、1984年、輸出振興と外資誘致を目的に設置された沿海工業地区であり、1979年に設置された深圳、珠海、汕頭、廈門(アモイ/シーメン)の経済特区(经济特区:Special Economic Zone)に準じる税制上の優遇措置などが認められている。つまり、経済技術開発区内の外資系ハイテク企業には、所得税率15%、輸出総額が総生産額の7割を超える企業に対してはさらに10%ポイントの軽減が認められる。ハイテク産業関連の原材料や部品の輸入には、許可証が不要で、関連設備の輸入関税も非課税、製品の輸出も非課税となる。
◆1980年に厦門が経済特別区に指定されて以来、開発区として、湄州島国家観光レジャー区、武夷山国家観光リゾート、東山経済技術開発区、福州経済技術開発区、廈門輸出加工区、福州輸出加工区などが設けられている。福州と厦門には、国家級のハイテク産業開発区(高新技術産業開発区)が設定されているのである。しかし、内陸部南靖県にはこんな山間部の村落がたくさんある。
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◆中国では、環境や景観を保全した都市計画として基本農田保護区が設定されている。元来、中国政府は耕地の保護を基本国策としており、基本本農田保護区を画定し、農業専用地として、非農業目的に転用を禁じている。これは、食糧の安全を確保する基盤整備ともいえる。
張貴民(2006)「北京市における土地利用の空間的変化とその景観分析」(張・菊地 8) によれば、北京は「都市化のため、都市近郊では大量の良質な農. 地が都市的土地利用に転用された。この地域の農地の保護が重要になり、基本農田保護区として指定されている。北京市街地に近づくにつれて、農業的土地利用の中に野菜栽培が目立つように なった」という。 王府井ヨーカ堂(北京銀座のワンフーチン・ヨーカ堂)は、「この商品は、低農薬栽培に特化している小湯山農園と. パートナーを組んで、北京近郊で"安全・安心な野菜栽培"に取り組ん. でいる農家を組織化。小湯山農園に野菜を集荷して、これをパッケー. ジングし、店舗で販売するというものです」と安全健康な高級野菜を売り込んでいる。
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役畜利用 |
Draft animals |
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だるま窯で粘土瓦、レンガを焼いている窯業施設。ここで粘土をこねているの二頭の水牛である。瓦とレンガの成形場。奥に水牛による粘土捏ねの作業。右が轆轤のある小屋。これで敷地の半分。瓦窯は,石と粘土で頑丈な構造であるために,中空であっても頂上部に乗ることができる。
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剣川県山村の市では、ロバが農産物を運搬している。山岳地域のために山道をいかねばならないが、体重150キロ以上の馬やロバなら、その半分の重量を運ぶことができる。
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食生活 |
Foods |
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剣川県の古鎮の肉屋。週一回の市が立つが、その時は、普段は空いている公設市場もたくさんの店と客で溢れる。豚肉が中心で、鶏肉、牛肉は少ない。が、その時は、普段は空いている公設市場もたくさんの店と客で溢れる。豚肉が中心で、鶏肉、牛肉は少ない。
剣川県山村の市では、布団うち(古く湿ったワタを機械と人力で打ち直す)が現役で活躍していた。
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剣川県民宿の食事。食材として、市場で肉、キノコを購入して地元の料理を作っていただいた。
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東海大学 |
Tokai University |
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2004年9月、剣川県農村に1週間滞在して、牧畜、ローカルコモンズなど山村生活のフィールド調査を行った。
当研究室へのご訪問ありがとうございます。当サイトには,2011年11月8日以来名の訪問者があります。論文,データ,写真等を引用する際は,URLなど出所を明記してください。ご意見,ご質問をお寄せ下さる時には,ご氏名,ご所属,ご連絡先を明記してくださいますようお願い申し上げます。 連絡先:
torikai@tokai-u.jp
〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1 東海大学HK社会環境課程 鳥飼 行博 TORIKAI Yukihiro, HK,Toka University,4-1-1 Kitakaname,Hiratuka,Kanagawa,Japan259-1292 |
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◆大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。
持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。
『アジア地域コミュニティ経済学 フィリピンの棚田とローカルコモンズ』東海大学大学出版部、2015年刊行
『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』(多賀出版2007年):少子高齢化・ジェンダー,再生可能エネルギー,熱帯林,廃棄物輸出を分析しました。
『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』(東海大学出版会2002年)と『CRUGE研究叢書 環境ネットワークの再構築 環境経済学の新展開』田中廣滋編(中央大学出版部2001年)は「草の根民活論」の嚆矢です。
『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』(東海大学出版会):「環境協力論」「開発経済学」「環境政策」のテキストで,難民,軍縮も扱っています。
『環境ネットワークの再構築−環境経済学の新展開』田中廣滋編(中央大学出版部)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
『地球環境政策』宇沢弘文・田中廣滋編著(中央大学出版部)の一章を担当し、南北格差を踏まえて、持続可能な開発に必要な環境政策を整理しました。
『ポスト福祉国家の総合政策−経済・福祉・環境への対応』丸尾直美編著(ミネルヴァ書房)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
『学習漫画 サリバン先生』(集英社2011年刊行)を監修し解説を書きました。アンの生い立ち、ヘレンケラーとのかかわりから、ノーマライゼーション提唱者としての先見性まで扱っています。
『写真ポスターから学ぶ戦争の百年−二十世紀初頭から現在』(青弓社2008年刊行)では、二十世紀の戦争を扱い大量破壊、大量殺戮からプロパガンダまで扱いました。
『写真ポスターから見るナチス宣伝術−ワイマール共和国からヒトラー第三帝国』(青弓社2011年刊行)では、暴力、テロによるナチ党政権奪取と戦争動員を解説しました。
開発NGOとパートナーシップ―南の自立と北の役割
学生が見た済南社会 農村・企業・水環境・緑色食品・観光業
アジアの農業者たち その支援への道
自給と産直で地域をつくる 個性化する日本とアジアの農業
中国内陸部の農業農村構造 日中共同調査と分析
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自給と産直で地域をつくる 個性化する日本とアジアの農業
中国内陸部の農業農村構造 日中共同調査と分析
ワーク・シェアリングによるリスク分散
収穫の一定比率を報酬としたり,作柄を実ながら雇う農業労働者の数を決めたりすることは,農家が雇用労働者へ支払いをする場合,不作で収穫が少なければ支払いも少なく,豊作で収穫が多ければ支払いも多いのであって,リスク負担は小さくなる。また,同じ年であっても,土地条件の違いから,各農家の収穫には大きな差が生まれる。降水量が少なく水の得にくい土地が不作であっても,水が得やすい低地の収穫は豊作かもしれず,またこの逆もありうる。
このように,同じ地域コミュニティ内の農家にあっても個々の収穫は不確実であるため,個々の農家が自分の土地の収穫にのみ所得を依存していれば,毎年の所得は大きく変動する。しかし,地域コミュニティの全農家について収穫の平均値は,個々の農家の収穫よりも安定している。つまり,収穫の不確実性に大数の法則が成立すれば,相互雇用によって多くの農家の下で少しずつ収穫を分けてもらうことで,毎年の所得の変動は小さくなる。換言すれば,収穫の不確実性の下で,相互雇用は所得安定化の機能を持っており,そのために地域コミュニティの慣習となっていると考えられる。
こうした所得安定化は課税や生活保護手当の支給等による生活保障と同じく事後的な所得再分配によっても達成できる。しかし,地域コミュニティがこのような再分配政策を実施するには権力の正統性がなく困難である。また,再分配を合意した地域コミュニティのメンバーには,高い収穫を得た後,自家労働の投入の多さ,経営管理の良さなどを理由に,低収穫の農家への再分配を拒否するかも知れない。また所得再分配が実施されるのであれば,他の農家の収穫を当てにでき,怠けていても損はしないのであり,地域コミュニティにおける労働インセンティブは低下する。このように事後救済がとられることを見越して怠惰になるモラル・ハザードの存在のために,地域コミュニティにおいても事後的な所得再分配の実施は困難である。
しかし,相互雇用は事後的な所得再分配ではなく,報酬を伴う雇用によって労働インセンティブを維持し,モラル・ハザードを抑制している。
したがって,農家の雇用労働依存はインカム・シェアリングというよりも,雇用労働を地域コミュニティのメンバーに分与している点を強調してワーク・シェアリングと呼ぶほうが適切である。相互扶助,住民参加,情報交換,社会的制裁を通じて,住民相互の信頼関係が醸造されている地域コミュニティにあっては,低い取引費用でワーク・シェアリングが実施でき,所得安定化,生活保障の利益が生まれる。
農家が土地なし労働者に農作業を依存するのは,貧困者に所得を無償分与するよりは労働力の有効活用につながるうえに,土地喪失や失業のリスクを軽減できるという利点が指摘できる。小作農家には土地を地主から取り上げられるリスクがあり,自作農家でも家族員を含め,病気や災害によって土地を失ったり,家族員の雇用機会がなくなったりする。そうであれば万が一の場合でも、誰かに土地なし労働者として雇ってもらえるように,自分も日頃から土地なし労働者を雇用する,
すなわち仕事の分与というワーク・シェアリングを行うはずである。
<草の根民活>
従来まで,開発には民間大企業,国営企業,外資,政府の役割が強調され、個人経営体,家族無償労働,女子,地域コミュニティ,都市インフォーマル部門は、社会的弱者として,ソーシャルセイフティネットの対象として改善の対象とみなされてきた。しかし、開発の担い手に,中間所得層を当てるために,彼らを新たに持続可能な開発に参加する主体として認識すべきであろう。
つまり,開発途上国にあっては,個人経営体,個人経営体に雇用される民間雇用者,家族無償労働が広範に存在しており,農業はもちろん,製造業やサービス業という産業部門にあっても重要な役割を担っている。そこで,企業やその下で雇用される民間雇用者(勤労者)だけではなく,彼らも開発と環境保全の担い手としての役割を認めるのである。
◆スラム (Slum) とは、交通・エネルギー・衛生・教育などのインフラが不十分で、都市貧困層の暮らす居住区である。しかし、外見にもかかわらず、そこは、生半可な知識や偏見を抱いた識者が言うように「公共サービスが受けられない」のではないし、「荒廃状態にある状況」とは言い難い。開発途上国の大都市には、どこでもスラム街といっていい地区があるが、そこは貧しいけれども、住民が必死に苦労して生きている場所であり、草の根の民間活力の感じられる場所である。
◆開発途上国の人口増加と都市化の進展に伴って、スラム人口 (Slum population)人口は増加傾向にあり、2007年時点で、10億人はスラム居住者であると推測され、国別では、中国1.7億人、インド1.1億人、パキスタン2750万人、インドネシア2680万人、フィリピン2390万人、ブラジル4570万人、メキシコ1180万人、ナイジェリア4530万人、スーダン1550万人などされる。
スラムの特徴として高失業率があげられるが、これは正確な表現ではない。なぜならスラム住民で、正規の工場労働者、サラリーマンはきわめて少なく、多くは自らが仕事を作り出している状況にあるからである。
スラム街の居住者を中心に貧困者が、少ない元手で自営的に零細な仕事を起こしているのが、都市インフォーマル部門である。具体的には、食品など材料を安く買って加工したり、小さな袋に分けたりして、露店で売る転売、路上で客を待つ靴磨きや荷物運び、商店やタクシーやバスの客引き、駐車する車の番人など、さまざまな職を自ら生み出している。この特徴は、小規模な元手で行う自営的サービス業という点であり、高失業率といった主に会社の正規雇用を念頭に置いた概念で図ることはできない。
スラム街の特徴は、都市インフォーマル部門程度しか雇用機会を提供できないという貧困であるが、だからといって「犯罪や麻薬、アルコール依存症や自殺などが多発する」というのも誤解である。開発途上国でなくとも、非衛生的な環境であれば、病気、伝染病が蔓延するが、だからと言って、スラム住民が強盗や盗人に成り下がるということは言えない。
◆開発途上国のスラム居住者は、農村から押し出され、あるいは都市に惹きつけられた出稼ぎ者や移住者が多く、貧しいながらも貧困から抜け出そうと、都市インフォーマル部門において、厳しい低報酬の労働にいそしんでいる。また教育に熱心になる傾向も指摘できる。彼らは、農村という地域コミュニティを引き継いで、都市のスラムにあっても一定の自治的な秩序をもって生活している。環境の悪い町外れなどの未開発の地域に住み着いたとしても、住民相互には、暗黙の了解・契約があり「無秩序」ではない。
◆昔話「桃太郎」冒頭で「おじいさんが山にシバ刈りに、おばあさんが川に洗濯に行きました。---」とある。貧しいお婆さん、水のある川まで衣類を洗いに行ったが、お婆さんが柴刈り にいってもおかしくはない。洗濯も柴刈りも、老人や子供など、体力の劣る人でもできる仕事だからです。男性と女性の社会的差異を「ジェンダー」といいます。男が洗濯をするのはおかしい---と思うのは、ジェンダーがあるからだ。
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