旅行の写真を撮るのは楽しいものです。風景を撮ったり,記念写真を撮ってもらったりと,思い出を作ることができます。還ってから見ると旅行を思い出すことができます。 しかし,帰宅して気づくのは,旅先で出会った人たちの写真が少ないことです。風景の写真はたくさん取れます。
一番思い出深い写真は,人の写真です。特に外国旅行では人の写真に勝るものはありません。ヘタな写真コンテストでは,中途半端なモノ写真が出品されているようです。でも,人間,特に人の顔ほど表情が豊かなものは少ないのです。
人の写真の得意な写真愛好家やプロの中には,望遠レンズを使って,遠距離から自然な人の写真を撮る方がいます。たしかに,構えたポーズではなく,風体はいいものです。しかし,肖像権を考え,他人の気持ちを推し量ることができれば,このようなぶしつけな行為を繰り返すことは,決してほめられたことではありません。 自分がいい写真をとりたいがために,人を「被写体」としかみなしていないからです。他人の写真を勝手に取り平気な人は,いないと思います。自分が勝手に被写体にされ,その写真が,無断でたくさんの人に見られている---という状況はなんだか嫌です。
人の写真を撮影するときには,一言声をかけてみましょう。外国語が話せなくとも,そのくらいのフレーズは,事前に調べておきましょう。万が一わすれても,写真機を出して,日本語で(!)写真とっていですか,と尋ねればわかります。コミュニケーションをとりながら,楽しい旅行をしてください。これこそが,旅の楽しみです。
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