ビサヤ地方セブ州
Cebu Province, Visayas
自動車工場
Car Industry
フィリピンのメトロマニラからバスで2時間半、バタンガスBatangas州 (人口220万人)の州都バタンガスにつく。この途上にある自動車工場を見学し、聞き取り調査を行った。バタンガス州には、日本の政府開発援助ODAによって整備されたバタンガス港 、マニラとつなぐ幹線道路、カラカ火力発電所 があり、工業団地としてもバタンガス・ユニオン工業団地 や150ヘクタールのファースト・フィリピン工業団地 (First Philippine Industrial Park )ある。
マニラ-バタンガスの地図
バタンガスBatangas州に対する外国資本の進出は、整備されたインフラ につりあって巨額であるとは言い難い。そこで、鳥飼研究室では、外資や政府支援の地域活性化ではなく、地元企業の雇用、市場自由経済 の重要性に目を転じてみる。 イタリア製の中古車を大改造し、磨き上げ、塗装してタクシーとして利用する。元は、暖房装置もついているフィアット社 の乗用車だが、暖房装置をエアコン に変換して使用する。車体座席部分の溶接工事。エンジンのほかに、座席など装備品も変換する。イタリア社の暖房装置を取り外す。
金属溶接工(右)。日本の溶接工の資格としては次のようなものがある。 ■ガス溶接技能者 :ガスを用いる溶接を行う国家資格。労働安全衛生法 によって、技能講習を受講が義務づけられている。 ■ガス溶接作業主任者 :大規模な溶接装置を使うにはガス溶接作業主任者の免許が必要。ガス溶接技能者として実務経験を3年以上積めば受験資格が取得できる。
フィリピンのマニラ首都圏 南の自動車エンジンの修理と整備。
ルソン島のマニラ首都圏 車体の塗装作業。
■CO2溶接
マニラ首都圏(Metro Manila )南の自動車整備工場。車体の再塗装と溶接作業をこなす。CO2溶接 は、溶接ワイヤがトーチコンタクトチップ で通電されてアーク熱を発生させ、ワイヤと母材と溶かし融合する溶接方法。CO2溶接の特徴やポイントは次のようなもとという。
1.1種類のワイヤで軟鋼・高張力鋼等の溶接が可能
2.溶け込みが深く強度が強い
3.全姿勢溶接が容易であらゆる形状に適用できる
4.適用範囲1.2mm〜 6mmまで(ワイヤ径φ1mmの場合)
マニラ首都圏 南の自動車整備工場 。金属の溶接を行う溶接工など熟練労働者も多数育成されている。バタンガス州内陸サントトーマス Sto Tomasのフィルタウン(Philtown)工業団地 には、三菱自動車工業 も進出しているようだが、このような地元工場とのつながりはなさそうだ。
自動車修理整備
metalwork
マニラ首都圏 南の自動車整備工場 。イタリア車を輸入し、エンジン、暖房機 などを改造して、フィリピン国内仕様の自動車に改造する。
マニラ首都圏 南の自動車整備工場 。自動車エンジン は、元々はディーゼル だが、ガソリンエンジン に変換する大作業も行う。修理・改造工場では、エンジン(中古) をリビルトエンジン として、自動車に装着するので、高価な部品である。そこで、鍵のかかる柵の中に保管する。
製造ライン
Jeepny
フィリピン自動車工業会 (CAMPI )によると、年間新車の販売台数は2006年9万9500台、2007年11万7900台、2008年12万4400台、2009年13万2400台、2010年16万8500台、33%増。他方、2005年の自動車販売台数 は、タイ は70万台、マレーシア 55万台、インドネシア53万台とフィリピンの9万7000台よりも多い。
2005年の自動車生産台数 はタイ112.2万台、マレーシア56.3万台、インドネシア 50.1万台、フィリピン 5.3万台。
動力部シャーシー が完成した。このシャーシー 上に車体を装着する。エンジンは中古で、この工場で生産しているのではない。
修理・改造工場だけではなく、製造ラインも別工場にもっている。シャーシー と上に乗せる車体を金属で生産する。エンジンは、中古を利用する。
自動車整備・修理・製造工場 での聞き取り調査。工場経営者の好意で、 JITCOが支援する外国人研修生を仲介している現地送出し機関 の女性マネージャーとともに工場を訪問。彼女が、このページ前半で紹介した「自動車整備工場 」から日本への研修生を送り出している。この製造工場でも、JITCOの支援する「外国人研修生」も日本に送り出せれば労働者の励みになると考えている。
ジプニー製造工場
Jeepny Industry
溶接工など現地労働者や事務職員のなかには日本の瀬戸内にある造船所や関連企業で1年間の研修を受けた人々もいる。金属溶接工を訓練する施設は,造船所と同じ敷地内にある。JITCO国際部 の万城目氏とともに,聞き取り調査を行った。
塗装作業表。毎日の生産・整備台数が掲示されている。車輪はまだなく、車体は吊り下げラインを移動する。JITCO と連携した送出し機関 の協力も得て、聞き取り調査を行った。
塗装工程
Painting
2011年4月 [マニラ 14日 ロイター]に次のような記事が出た。 「主要自動車メーカーは日本の震災 で部品供給が滞っていることから、フィリピンでの一時生産停止に踏み切っている。国内業界団体によると、影響の程度は各社さまざまだが、物流や部品供給が共通の問題となっている。 トヨタ自動車 (7203.T: 株価, ニュース, レポート)(TM.N: 株価, 企業情報, レポート)のフィリピン法人は、2日の予定だった復活祭休暇を5日に拡大し、4月18日から生産停止する。米フォード・モーター (F.N: 株価, 企業情報, レポート)のフィリピン法人は、来週から18日間生産停止し、5月9日から再開することを明らかにした。ホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)は先週、50%減産を明らかにしていた。
金属の車体にバンパー(bumper) を取り付ける。ここは、バンパーの塗装作業。
部品の塗装作業も労働集約的に行われている。部品をひとつずつ丁寧に塗装仕上げしている。
車体の外装部品の塗装作業。手塗でバンパーや外反を丁寧に塗ってゆく。車体は奥に行くほど完成度が高い。
塗装乾燥室 Dry off Oven
バタンガス州「タナウアン・コミュニティ開発による所得向上プロジェクト 」は、日本のODA無償資金協力により、 2008年に実施された。Global Voluntary Service 認定NPO法人地球ボランティア協会 のwebsiteには次のようにある。 「バタンガス州タナウアン市一帯は、一部の工業団地と残る大部分の農村部によって構成されています。農村部は、貧しい村落がここかしこに点在しています」
「バタンガス州タナウアン市 一帯は、一部の工業団地と残る大部分の農村部によって構成されています。農村部は、貧しい村落がここかしこに点在しています。本協会は、1995年ごろからこの地域で養豚 ・養牛を始め複数のプロジェクトを通して収入向上に向けた取り組みを行ってきました。 2006年にカウンターパートのKH財団が同市と連携して雇用・健康・教育向上プログラムを開始しました。このような経緯を通し、協同組合の能力強化を始め、販売業者との提携強化、人的資源の開発 、市場の拡大等が、同地域の活性化の鍵を握ることが明確になってきました。 以上のような背景をもとに、本プロジェクトは対象地特産品の品質改善やマーケティング支援を通して、雇用機会の増大と収入向上に着手することで貧困の解消につなげようというものです。(「タナウアン・コミュニティ開発による所得向上プロジェクト 」引用終わり)
車体の塗装の乾燥作業は、乾燥室に車体を入れて行う。労働者が、車体を乾燥室(Dry off Oven )に人力移動しているところ。
車体は塗装の後、乾燥室(Dry off Oven )で1台ずつ塗料を付着させる。車輪は装着されておらず、車体は上方から吊り下げたれてラインを移動する。
車体の塗装も労働力が頼り。天井部分も労働者が磨き上げる。
JITCOが日本に受け入れてた外国人技能研修 は7万2000人あるが、そのうち金属溶接関連は4000人、5.7%を占めている。
トランスミッション
transmission
NNA 2011年10月19日(水)8時31分配信に次の記事が出た。 「フィリピン自動車工業会(CAMPI )加盟企業に現代自動車販社、現代アジア・リソーシズ(HARI) を加えた17社の9月の新車販売台数は、前年同月比0.3%減の1万4,167台だった。単月で3月に次ぐ今年2番目の高水準となったものの、マイナス成長を記録。ただ、CAMPI加盟16社の販売台数は同1.3%増の1万2,555台と、6カ月ぶりにプラスに回復した。 9月販売台数をメーカー別にみると、上位10社中5社がプラス成長を達成。うち3社が2桁の伸びを示した。首位のトヨタ・モーター・フィリピンは前年同月比11.6%増の5,231台となり、9月単月の最高販売台数を更新。販売促進イベントや新モデルの投入が貢献した。フォード・モーター・カンパニー・フィリピンは38.8%増の1,202台で上位10社中最大の伸びを記録。コンパクトカー「フィエスタ」 の好調な販売が全体の数字を押し上げたとみられる。起亜自動車販社 のコロンビアン・オートカーは、28.6%増の602台だった。 一方、三菱モーターズ・フィリピンズは18.6%減の2,269台、HARIは11.3%減の1,612台、ホンダ・カーズ・フィリピンズは18.1%減の1,058台と、いずれも2桁減。マラヤによると、HARIは4月に発売した小型乗用車「エラントラ」 などが好調だった半面、供給不足により商用車の販売が伸び悩んだという。
動力部シャーシーの上に塗装済みの車体を装着する。動力部シャーシーが完成した上に車体を装着する。エンジンは中古で、この工場で生産しているのではない。
シャーシーに塗装の終わった上部車体を装着し終わった。
車体の内部の内装作業。座席や窓を取り付ける。
車体にドアや外装部品を取り付ける。
完成したジプニー。
バタンガス
Las Piñas Bamboo Organ
フィリピンは火山島なので、バタンガス地域でも丘陵が多く、火山や火山湖もある。全体は山がちで、丘陵地帯の傾斜地は、傾斜農地 になっている。このような土地利用を、大分県玖珠郡九重町の農業 や琵琶湖沿岸のローカルコモンズ と比較すると興味深い。タガイタイ観光 (ブコアイス&昼食付)のwebsiteには、一人1万円、マニラの南約60キロのタール火山とタール湖を回る団体ツアーがある。そこには「代表的な景勝地。途中ジプニー工場やラスピニャス教会(竹製オルガン)にもご案内します」とある。
マニラ首都圏 南端ラスピニャス市 の石造りのセント・ジョセフ・パリッシュ教会St. Joseph Parish, Las Piñas (ラスピニャス教会 )には、礼拝堂に竹製パイプオルガン(Las Piñas Bamboo Organ )がある。このバンブー・パイプオルガン(Las Piñas Bamboo Organ )ができたのは、スペイン植民地時代に製造された。訪問時には閉鎖されていたが、お願いしたところ礼拝堂を開けて、演奏(Las Piñas Bamboo Organ )をしていただけたのは嬉しかった。
大学
University
ジプニー製造ラインにて。2002年フィリピン自動車産業聞き取り調査。
大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。
持続可能な農業、特に、アグロフォレストリー、柴刈り、森林適正管理、バイオマス利用について専門的に知りたい場合は、著作一覧(アジア途上国の開発と環境保全)紀伊國屋書店 を参照してください。『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』2007年、多賀出版 では、熱帯林の減少と地域コミュニティによる適正管理の有効性を、ローカルコモンズの視点で検討しました。『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』2002年、東海大学出版会 では、再生可能エネルギーの開発を論じたうえで、薪炭生産、用材生産、焼畑、企業的フロンティア開発という森林減少の要因を比較しました。 テキストの『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から 』東海大学出版会 は、これらの研究の端緒になった著作です。
当研究室へのご訪問ありがとうございます。当サイトには,2011年11月8日以来多数の訪問者があります。論文,データ,写真等を引用する際は,URLなど出所を明記してください。ご意見,ご質問をお寄せ下さる時には,ご氏名,ご所属,ご連絡先を明記してくださいますようお願い申し上げます。
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◆大学でのHK講義「ミクロ経済学」「開発経済学」「環境協力論」「環境政策I/II」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。
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『アジア地域コミュニティ経済学 フィリピンの棚田とローカルコモンズ』 (東海大学出版部2015年):政府開発援助、フィリピン財政、棚田の有機農業、バイオマスエネルギーを分析しました。 持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、再生可能エネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。
『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』 (多賀出版2007年):少子高齢化・ジェンダー,再生可能エネルギー,熱帯林,廃棄物輸出を分析しました。
『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』 (東海大学出版会2002年)と『CRUGE研究叢書 環境ネットワークの再構築 環境経済学の新展開』田中廣滋編 (中央大学出版部2001年)は「草の根民活論」の嚆矢です。
『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』 (東海大学出版会):「環境協力論」「開発経済学」「環境政策」のテキストで,難民,軍縮も扱っています。
『環境ネットワークの再構築−環境経済学の新展開』 田中廣滋編(中央大学出版部)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
『地球環境政策』 宇沢弘文・田中廣滋編著(中央大学出版部)の一章を担当し、南北格差を踏まえて、持続可能な開発に必要な環境政策を整理しました。
『ポスト福祉国家の総合政策−経済・福祉・環境への対応』 丸尾直美編著(ミネルヴァ書房)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
『学習漫画 サリバン先生』 (集英社2011年刊行)を監修し解説を書きました。アンの生い立ち、ヘレンケラーとのかかわりから、ノーマライゼーション提唱者としての先見性まで扱っています。
『写真ポスターから学ぶ戦争の百年−二十世紀初頭から現在』 (青弓社2008年刊行)では、二十世紀の戦争を扱い大量破壊、大量殺戮からプロパガンダまで扱いました。
『写真ポスターから見るナチス宣伝術−ワイマール共和国からヒトラー第三帝国』 (青弓社2011年刊行)では、暴力、テロによるナチ党政権奪取と戦争動員を解説しました。
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地球温暖化と森林ビジネス―「地球益」をめざして
土の匂いの子
わたしと地球がつながる食農共育
地産地消と循環的農業―スローで持続的な社会をめざして
有機農業法のビジョンと可能性 (有機農業研究年報)
NNA .ASIA に次の記事がある。 国内の自動車業界が、先月に大統領令EO877号として公布された新自動車開発計画(MVDP :Motor Vehicle Development Program )を受け、国内産業の育成や競争力強化に期待を示している。同EOは、旧自動車開発計画(EO156号)を8年ぶりに修正したもので、中古車の輸入規制強化や企業への優遇制度などを盛り込んでいる。国内産業の競争力向上を目的に昨年3月に発足した団体「Philippine Automotive Competitiveness Council Inc.(PACCI )」の事務局長を務めるベンジャミン・セビリヤ氏に、業界の現状、今後の方針などを聞いた。 セビリヤ氏は、「1970年代後半にアジア有数の自動車生産拠点だったフィリピンは、今ではタイやインドネシア、さらにベトナム相手にも競争力を失っている」と現状を嘆く。
同氏が示したデータによると、直近の新車販売ピーク時である1996年には、年間の新車販売台数16万2,098台のうち90%に相当する14万5,888台を国内生産車が占めたが、2002年以降はその割合が年々縮小。03年に70%台、04年に60%台へと低下し、08年には国産車と輸入完成車の比率がついに逆転。昨年は新車販売13万2,444台のうち、国産車は48%の6万3,813台にとどまった。 こうした状況に陥った背景としてセビリヤ氏は、「国を挙げて2トントラック の生産拡大に取り組んだタイなど、投資優遇や補助金の提供、関税による保護などの政策を通じ、近隣国が国産車の育成に努めてきたのとは対照的に、フィリピンはあまりにも無策だった」と指摘している。 今後は、EO877号で定める◇物品税の再編(第4条)◇車両や部品の輸出企業に対する優遇策(第5条)◇自動車産業評議会の設置(第9条)◇産業開発基金の設立(第10条)――などの政策を通じ、官民一体となって自動車産業の復興を目指す方針。 関税による保護政策についてセビリヤ氏は、現行の税率を維持する必要性を認めつつも、「貿易の自由化は避けられない世界的な流れ」とし、現地生産部品の使用比率に応じた優遇制度の拡大など、新たな施策が必要との認識を示した。 EO877号では、中古車輸入に関する規制を強化。スービック など自由港を窓口にした輸入は引き続き認めつつも、規制対象外となった車両に排ガス基準の順守を示す証明書の取得を義務付けるなどしているという。セビリヤ氏は「法的な抜け道がなくなった」として、新車市場の拡大に期待を示した。 陸運局(LTO :Land Transportation Office )の年間の新規登録台数に占める新車販売台数の割合は、約10年前の40%前後から増加傾向にあるが、直近のデータ(08年)でも新規登録17万7,451台のうち新車は約70%の12万4,449台で、新車以外が約30%を占める。
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org)のカリンガ州の説明
カリンガ州 (Province of Kalinga )は、フィリピン 北部ルソン島 のコルディリェラ行政地域 (Cordillera Administrative Region, CAR )に属する州 である。北にアパヤオ州 、西にアブラ州 、南にマウンテン州 、東にカガヤン・バレー地方 のイサベラ州 、カガヤン州 と接している。1995年 2月14日 、旧カリンガ・アパヤオ州(Province of Kalinga-Apayao )が2つに分割されて誕生した。面積は3,119.7km²、人口は174,023人(2000年 )、州都はタブク (Tabuk )である。
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org)の引用
ルソン
I – イロコス地方
北イロコス | 南イロコス | ラウニオン | パンガシナン
II – カガヤン・バレー地方
バタネス | カガヤン | イサベラ | ヌエヴァ・ヴィスカヤ | キリノ
III – 中部ルソン地方
アウロラ | バターン | ブラカン | ヌエヴァ・エシハ | パンパンガ | タルラック | サンバレス
IV-A – カラバルソン地方 バタンガス | カヴィテ | ラグナ | ケソン | リサール
IV-B – ミマロパ地方
西ミンドロ | 東ミンドロ | マリンドゥク | ロンブロン | パラワン
V – ビコール地方
アルバイ | 北カマリネス | 南カマリネス | カタンドゥアネス | マスバテ | ソルソゴン
コルディリェラ行政地域
アブラ | アパヤオ | ベンゲット | イフガオ | カリンガ | マウンテン
マニラ首都圏
マニラ首都圏の行政区画
ヴィサヤ
VI – 西ヴィサヤ地方
アクラン | アンティーケ | 西ネグロス | カピス | ギマラス | イロイロ
VII – 中部ヴィサヤ地方
ボホール | セブ | 東ネグロス | シキホル
VIII – 東ヴィサヤ地方
ビリラン | 東サマル | レイテ | 北サマル | サマル | 南レイテ
ミンダナオ
IX – サンボアンガ半島地方 北サンボアンガ | 南サンボアンガ | サンボアンガ・シブガイ X – 北部ミンダナオ地方
東ミサミス | 西ミサミス | カミギン | 北ラナオ | ブキドノン
XI – ダバオ地方
コンポステラ・バレー | ダバオ | 南ダバオ | 東ダバオ
XII – ソクサージェン地方 南コタバト | コタバト | スルタン・クダラット | サランガニ
XIII – カラガ地方
北アグサン | 南アグサン | 北スリガオ | 南スリガオ | ディナガット・アイランズ ムスリム・ミンダナオ自治区 バシラン | 南ラナオ | マギンダナオ | スールー | タウイタウイ
◆スラム (Slum ) とは、交通・エネルギー・衛生・教育などのインフラが不十分で、都市貧困層の暮らす居住区である。しかし、外見にもかかわらず、そこは、生半可な知識や偏見を抱いた識者が言うように「公共サービスが受けられない」のではないし、「荒廃状態にある状況」とは言い難い。開発途上国の大都市には、どこでもスラム街といっていい地区があるが、そこは貧しいけれども、住民が必死に苦労して生きている場所であり、草の根の民間活力の感じられる場所である。
◆開発途上国 の人口増加と都市化 の進展に伴って、スラム人口 (Slum population )人口は増加傾向にあり、2007年時点で、10億人はスラム居住者であると推測され、国別では、中国 1.7億人、インド 1.1億人、パキスタン2750万人、インドネシア2680万人、フィリピン 2390万人、ブラジル4570万人、メキシコ1180万人、ナイジェリア4530万人、スーダン1550万人などされる。
スラムの特徴として高失業率 があげられるが、これは正確な表現ではない。なぜならスラム住民で、正規の工場労働者、サラリーマン はきわめて少なく、多くは自らが仕事を作り出している状況にあるからである。
スラム街の居住者を中心に貧困者が、少ない元手で自営的に零細な仕事を起こしているのが、都市インフォーマル部門 である。具体的には、食品など材料を安く買って加工したり、小さな袋に分けたりして、露店で売る転売、路上で客を待つ靴磨きや荷物運び、商店やタクシーやバスの客引き、駐車する車の番人など、さまざまな職を自ら生み出している。この特徴は、小規模な元手で行う自営的サービス業という点であり、高失業率 といった主に会社の正規雇用を念頭に置いた概念で図ることはできない。
スラム街の特徴は、都市インフォーマル部門 程度しか雇用機会を提供できないという貧困であるが、だからといって「犯罪や麻薬 、アルコール依存症や自殺などが多発する」というのも誤解である。開発途上国でなくとも、非衛生的な環境であれば、病気、伝染病が蔓延するが、だからと言って、スラム住民が強盗や盗人 に成り下がるということは言えない。
◆開発途上国 のスラム居住者は、農村から押し出され、あるいは都市に惹きつけられた出稼ぎ者や移住者が多く、貧しいながらも貧困から抜け出そうと、都市インフォーマル部門 において、厳しい低報酬の労働にいそしんでいる。また教育に熱心になる傾向も指摘できる。彼らは、農村という地域コミュニティ を引き継いで、都市のスラムにあっても一定の自治的な秩序をもって生活している。環境の悪い町外れなどの未開発の地域に住み着いたとしても、住民相互には、暗黙の了解・契約があり「無秩序 」ではない。