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◆フィリピンの箒作り:Tiger Grass Broom Making
箒作り 1.フィリピン共和国コルディリェラ行政地方カリンガ州では、イネ科多年草のタイガーグラスを栽培し、これを原材料とした箒(ホウキ)を生産しています。
2.フィリピン共和国の面積は30万平方キロ(日本の80%)、人口9900万人、GDP2000億ドルで、1人当たりGDPは2,100ドルと日本の5%ですが、工業部門がGDPの30%以上を占めています。
3.当研究室では,2013年3月に聞き取り調査をしたコルディリェラ行政地方カリンガ州山村におけるタイガーグラスを材料とした労働集約的技術labor-intensive industry)を用いる農村家内工業として箒作りを写真解説します。
4.写真解説一覧フィリピン早乙女の田植え小学校スモーキーマウンテン鳥飼ゼミ研修箒材料タイガーグラスの収穫ティンラヤンの鍛冶屋柴刈り・薪採取とバイオマススモーキーマウンテン2014年ケソン市パヤタス廃棄物処分場ゼミ外国研修2015年マニラのスラム街ゼミ研修も参照。

フィリピン北部カリンガ州

 Kalinga Province

 
 


















フィリピンカリンガ州

 Cordillera Administrative Region

 
ウマの家
フィリピン共和国コルディリェラ行政地方カリンガ州チコ川渓谷にある小学校を訪問し、稲作や生活について、聞き取り調査を行った。
カリンガ州ウマ
ルソン島北部のコルディリェラ行政地方は、言語、文化の点でフィリピン独自の地位が認められている。地方政府として、独自の議会、条例が認められている。

フィリピンコルディリェラ行政地方Cordillera Administrative Regionの中心都市バギオ(Baguio)から、カリンガ州の州都タブクまで、国道で結ばれているが、山岳地では未舗装の国道も残っている。

カリンガ州の箒作り

 Bloom Making

 
うま水
フィリピン、ルソン島内陸部、コルディリェラ行政地方(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村ウマでは、山の湧水を利用した水道が敷設され、共同水場がある。棚田の稲作を中核に、豆・イモの畑作に加えて、労働集約的技術に依存した草箒を作りを主な収入源としている。 カリンガ州ウマ箒
コルディリェラ行政地方カリンガ州山村ウマでは、棚田の米作、タイガーグラスの栽培、イネ科多年草のタイガーグラスを材料とした箒作りが行われている。標高1000メートル。
 箒作りは、必ずしも力仕事ではないので、高齢者や児童も就労しており、労働集約的技術labor-intensive industry)を用いる農村家内工業で、雇用吸収力は、少ない資本ではあっても高い。 ツゲガラオ
カリンガ州に隣接する、カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)州都ツゲガラオの市場。ここにもタイガーグラス製の箒が売られている。2012年3月撮影。 ツゲガラオ
カリンガ州に隣接する、カガヤンバレー地方(Cagayan Valley region)カガヤン州(Cagayan Province)州都ツゲガラオの市場。タイガーグラス製の箒が山積みされていた。2012年3月撮影。
タイガーグラス

Tiger Grass



草1
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの棚田の上に傾斜地に栽培されているタイガーグラス。渓谷の斜面にあり、平坦な土地や水田・畑地は少ない。そのため、田植えが一段落した農閑期の3月には、ホウキの材料のタイガーグラス(Tiger Grass)刈取り、切り 揃えの後、天日の乾燥作業が行われる。
 大規模製造業の存在しないカリンガ州にあって、タイガーグラス(バイオマス)を原材料とした箒(ホウキ)の製造は、局地的市場(ローカル・マーケット)、地産地消を対象にした、l労働集約的技術labor-intensive technology)を体化した農村家内工業である。 草ウマ
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村ウマでは、傾斜地や水の得にくい場所で、米に代わって、箒の材料のタイガーグラスを栽培している。棚田もあるが、>ホウキの材料のタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena maxima)刈取りを行われている。
草1
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマでは、田植えが一段落した農閑期の3月、ホウキの材料となるイネ科多年草のタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena maxima)刈取り作業があり、その後、天日の乾燥される。

フィリピン山村のタイガーグラス収穫作業の写真解説を見る。

箒材料タイガーグラス

 Tiger Grass

 
バナナ棚田
カリンガ州ウマにでは3月にタイガーグラスの収穫が行われた。 タイガーグラス
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村の棚田、その周囲にイネ科多年草のタイガーグラスが栽培されている。
チコ川上流には、世界遺産のバナウェ・ライステラスがある。 棚田とタイガーグラス
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))には、アブラ州/アパヤオ州/ベンゲット州/イフガオ州/カリンガ州/マウンテン州の6州がある。2010年人口センサスによると、CAR人口は1,616,867人。 カリンガ州山村ウマ草刈り
コルディリェラ行政地方はルソン島山岳地域で海に面していない内陸地。タイガーグラスの栽培地で箒の材料を採取する。
草刈りウマ
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村ウマでは、傾斜地や水の得にくい場所で、米に代わって、箒の材料のタイガーグラスを栽培している。棚田もある。
ウマの住民が、タイガーグラスの草刈りに雇われた。栽培地は谷間にあったので、そこまで下り30分かかった。近くには、水があるので棚田もあった。
草刈り
カリンガ州ウマ。チコ川渓谷の棚田の近くにあるタイガーグラスの収穫をする農業労働者。タイガーグラスは、 農村家内工業で製造される箒の材料となる。

タイガーグラス運搬

 Tiger Grass

 
草運ぶ
フィリピン、ルソン島内陸部、コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマでは3月にタイガーグラスを収穫し、運んでいる。 タイガーグラス
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村の棚田の周囲にタイガーグラスが栽培されている。
 箒製造は、労働集約的技術を用いる農村家内工業である。 運ぶタイガーグラス
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))、タイガーグラスを収穫し運ぶ。 草運ぶ
コルディリェラ行政地方はルソン島山岳地域で海に面していない内陸地。タイガーグラスの栽培地で収穫し、箒の材料とするために運んでいる。
 大規模製造業による労働需要が存在しない地方にあって、現地のタイガーグラス(バイオマス)を原材料とした箒(ホウキ)の製造は、労働集約的技術labor-intensive technology)を体化した農村家内工業である。タイガーグラスの箒は、海外市場(外需)ではなく、局地的市場(ローカル・マーケット)、地産地消に向けて生産されていたが、近年、フェアトレードFair trade)や輸出も始まっている。
タイガーグラス乾燥

Bloom Made of Tiger Grass

コンクリ乾し
カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にある。水田・畑地は少ないため、ホウキの材料のタイガーグラス(Tiger Grass)を栽培している。刈取り、切り揃えの後、天日の乾燥作業が行われる。
コンクリ乾し
コルディリェラ行政地方カリンガ州カリンガ州山村、タイガーグラスを天日乾燥させ、穂についている実を叩き落とす>労働集約的技術作業。2013年3月撮影。
 箒製造は労働集約的技術labor-intensive industry)を用いる農村家内工業であり、雇用吸収力は強い。 栽培地
カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にある。水田・畑地は少ないため、ホウキの材料のタイガーグラス(Tiger Grass)を栽培している。刈取り、切り揃えの後、天日の乾燥作業が行われる。箒(ほうき)作りは、労働集約的技術labor-intensive industry)を用いる農村家内工業が担っている。
乾燥
コルディリェラ行政地方カリンガ州山村、タイガーグラスを天日乾燥させ、穂についている実を叩き落とす。箒製造は、労働集約的技術labor-intensive industry)を用いる農村家内工業の一典型である。2013年3月撮影。
乾燥たたき準備
コルディリェラ行政地方カリンガ州山村、コンクリート床の上で、タイガーグラスを天日乾燥させる。この後、穂についている実を叩き落とす。2013年3月撮影。
 箒製造は労働集約的技術を用いる農村家内工業といえる。 乾燥たたき準備
コルディリェラ行政地方カリンガ州山村、タイガーグラスを天日乾燥させ、穂についている実を叩き落とす。箒作りは、労働集約的技術を用いる農村家内工業である。2013年3月撮影。
タイガーグラス加工

Bloom Made of Tiger Grass

たたき
カリンガ州ウマで、イネ科多年草のタイガーグラスの穂先なった実を叩き落とす作業をする子供たち。
農村家内工業工場制手工業など初期資本主義とされる労働集約的産業として、カリンガ州には箒作りがある。 たたき4
カリンガ州山村で、で、タイガーグラスの穂についた身を叩き落とす作業をする子供たち。 たたき4
カリンガ州山村で、ホウキの材料となるタイガーグラスの実をコンクリートに叩きつけ、落とす作業をしている。2013年3月撮影。
カリンガ草たたき
カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地で水田・畑地は少ない。そのため田植えが一段落した農閑期の3月には、女性でも現金収入を求めて、ホウキの材料となるタイガーグラスの穂先の実を、コンクリートに叩きつけ、落とす作業をしている。2013年3月撮影。
 大規模製造業による労働需要が存在しない地方にあって、現地のタイガーグラス(バイオマス)を原材料とした箒(ホウキ)の製造は、労働集約的技術labor-intensive technology)を体化した農村家内工業である。タイガーグラスの箒は、海外市場(外需)ではなく、局地的市場(ローカル・マーケット)、地産地消に向けて生産されていたが、近年、フェアトレードFair trade)や輸出も始まっている。 カリンガたたき
カリンガ州そのためルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地で水田・畑地は少ない。そのため、田植えが一段落した農閑期の3月には、女性でも現金収入を求めて、ホウキの材料となるイネ科多年草タイガーグラスの穂先の実を、コンクリートに叩きつけ、落とす作業をしている。2013年3月撮影。
草たたき
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地で水田・畑地は少ない。そのため、田植えが一段落した農閑期の3月には、女性でも現金収入を求めて、ホウキの材料となるタイガーグラスの穂先の実を、コンクリートに叩きつけ、落とす作業をしている。箒作りの作業は労働集約的技術が主体で農村家内工業として営まれている。
カリンガたたき
カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地で水田・畑地は少ない。そのため田植えが一段落した農閑期の3月には、女性でも現金収入を求めて、ホウキの材料となるイネ科多年草のタイガーグラス穂先についた実を、コンクリートに叩きつけ、落とす労働集約的作業をしている。2013年3月撮影。
カリンガたたき
カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地で水田・畑地は少ない。そのため、田植えが一段落した農閑期の3月には、女性でも現金収入を求めて、ホウキの材料となるタイガーグラスの穂先の実を、コンクリートに叩きつけ、落とす労働集約的技術を使う作業をしている。2013年3月撮影。

箒作り家内工業

Bloom Making


箒造り0
カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ない。周囲には、棚田が広がり、2月、3月の田植え時期には、早乙女を目にすることができる。

 大規模製造業による労働需要が存在しない地方にあって、現地のタイガーグラス(バイオマス)を原材料とした箒(ホウキ)の製造は、労働集約的技術labor-intensive technology)を体化した農村家内工業である。タイガーグラスの箒は、海外市場(外需)ではなく、局地的市場(ローカル・マーケット)、地産地消される。しかし、近年、フェアトレードFair trade)や輸出も始まっている。 箒造り1カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ないため、傾斜地では、タイガーグラスが栽培されている。
タイガーグラスを材料とする箒製造は、労働集約的技術labor-intensive industry)を用いる農村家内工業であり、雇用吸収力は強い。 箒作り2
コルディリェラ行政地方 カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ないため、傾斜地では、タイガーグラスが栽培されている。
箒作り3
コルディリェラ行政地方 カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ないため、傾斜地では、タイガーグラスが栽培されている。刈り取り作業前に、作作業用の衣服(使い古しの長袖)に着替える。
箒作り4 hspace=10
カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ないため、女性でもタイガーグラス刈取りの農業労働に従事する。
箒作り5
ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ないため、女性でもタイガーグラス刈取りの農業労働に従事する。
タイガーグラス(バイオマス)を原材料とした箒(ホウキ)の製造は、l労働集約的技術labor-intensive technology)を用いる農村家内工業であり、雇用吸収力は強い。

タイガーグラス箒

Tiger Grass Farming & Broom Making


箒造り女性
コルディリェラ行政地方ルブアガン町ウマにおけるタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の刈入れ。穂先を箒の材料として使う。箒の形状は、中国で作られているものに酷似している。中国製なら2万本購入すれば卸売価格は1本当たり0.75から1.5ドル。
箒作り1人
コルディリェラ行政地方ルブアガン町ウマにおけるタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の刈入れ。穂先を箒の材料として使う。箒の形状は、中国で作られているものに酷似している。
箒ひご加工
聞き取りをしたカリンガ州ウマの箒職人が、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の箒しばる竹ひごを加工する労働集約的な作業工程。
タイガーグラス栽培に結びついた箒作りは、アグロフォレストリーAgroforestry)、柴刈りDomestic firewood collection )と並行して、農村家内工業として地域の雇用吸収に大きな役割を果たしている。 箒ひご
コルディリェラ行政地方ルブアガン町ウマ、労働集約的な作業工程を経てタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)箒を縛るひごをつくる。
箒ひご
コルディリェラ行政地方ルブアガン町ウマにおけるタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の刈入れ。穂先を箒の材料として使う。箒の形状は、中国で作られているものに酷似している。中国製なら2万本購入すれば卸売価格は1本当たり0.75から1.5ドル。
箒ひご加工
カリンガ州ルブアガン町ウマの箒職人が、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の箒しばる竹ひごを加工する。
 タイガーグラス(バイオマス)を原材料とした箒(ホウキ)の製造は、l労働集約的技術labor-intensive technology)を用いる農村家内工業であり、雇用吸収力は強い。 箒ひご加工
カリンガ州ルブアガン町ウマの箒職人が、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の箒しばる竹ひごを加工する。
箒ひご加工
カリンガ州ルブアガン町ウマの箒職人が、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の箒しばる竹ひごを加工する。
タイガーグラスの刈取り、竹の竹籤(ヒゴ)への加工、タイガーグラスの加工など労働集約的産業といえる箒作りは、フィリピン山村では農村家内工業として営まれている。 箒ひご加工
フィリピン、ルソン島内陸部、コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの箒職人が、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の箒しばる竹ひごを加工する。労働集約的な作業工程である。
箒ひご加工
聞き取りをしたカリンガ州ウマの箒職人が、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の箒しばる竹ひごを加工する。
労働集約的技術を用いる箒製造は、農村家内工業である。 箒ひご加工
カリンガ州ルブアガン町ウマの箒職人が、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の箒しばる竹ひごを加工する。
箒ひご加工
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの箒職人が、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の箒しばる竹ひごを加工するのは、労働集約的技術である。
草運び
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマの箒職人が、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)を運んでいる。これを竹ひごで縛って箒を作る。
このような箒生産は、労働集約的技術を用いる農村家内工業といえる。

タイガーグラス箒

Tiger Grass Blooms


家内工業
コルディリェラ行政地方ルブアガン町ウマにおけるタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の刈入れ。穂先を箒の材料として使う。
 タイガーグラス(バイオマス)を原材料とした箒(ホウキ)の製造は、l労働集約的技術labor-intensive technology)を用いる農村家内工業であり、雇用吸収力は強い。 家内工業
カリンガ州ルブアガン町ウマでのタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の刈入れ。穂先を箒の材料となる。

カリンガ族のホウキには、次のようにある。
 カリンガ族のホウキは、カリンガ州の山奥の村の人々によって作られています。そのうちのひとつ、パシル地方のバリンシアガオ村のホウキ作りをしているある家族とホウキ作りの様子を紹介します。 写真はプゴン集落のエレーニョ・パリガンさん(48歳)と、義理の息子のサラオ・モイセスさん(27歳)が、ホウキをつくっている様子です。 材料は穂の部分はタイガーグラスと呼ばれるススキによく似た草。野生のものもありますが,ホウキ作りをする人は自宅近くに植えている人もます。手の部分に編みこんでいるのはラタン(籐)。穂の部分の根元をしばっているのはニトとよばれる植物のツルです。これらも山で自生しているものを採ってきて材料にしています。
家内工業
コルディリェラ行政地山村ウマにおけるタイガーグラスの草刈り。

カリンガ族のホウキには、次のように箒の作り方を説明している。
?採ってきたタイガーグラスを乾かす。
?穂の余分な葉や種を取り除く。
?ラタンを裂いて太さをそろえ,しごいて滑らかにする。
?タイガーグラスの穂をばらして、茎を芯にして、ニトでひと房ずつしばる。
?6房をひとまとめにして、ラタンで編みこむ(穂と柄の間の三角の部分) ?柄の部分のラタンを編みこんでいく。
?最後に取っ手をつけ、ハサミで穂先をそろえる。
家内工業
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマにおけるタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の刈入れ。穂先を箒の材料として使う。

カリンガ族のホウキには、次のように箒作りを説明している。
 パリガンさんの家には6人の子供がいます。家族は棚田で米を育て、畑で豆やコーヒー、野菜などを育てています。以前は現金収入がほとんどなく、収穫したコーヒーや豆を、必要なときに砂糖や油などと交換していました。いまは、昼間は畑仕事や薪の採取をし、注文があったときには、夜、ホウキ作りをします。まだ注文が安定しないので、材料のストックを持っておらず、足りないときは近所の人などから譲ってもらうこともあります。
 ホウキ作りの技術は、エレーニョさんの父親から教わりました。ホウキによるの収入は彼ら一家にとって貴重な収入源です。エレーニョさんの6人の子供たちは誰も高校を卒業できませんでしたが、ホウキ作りの注文が増え、現金収入がもっと増えたら、サラオさんの子供など孫たちを高校に行かせることもできるかもしれないと思っています。

こども
フィリピン、ルソン島内陸部、コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマで、タイガーグラスを使った箒を作る子供。標高1200メートル。

カリンガ族のホウキには、次のように箒作りを説明している。

 「カラバオ・ママ」ではエレーニョさんのようなホウキ作りの技術を伝えている村人たちに、ホウキ作りをお願いし、バギオの市場で売っている価格の約2倍の価格で買い取っています。カリンガ族のホウキのような自然素材による手工芸品は、材料を山から採取できるため、元手がなくても、手に職があり、買い手さえ見つかれば現金収入につながります。町に出稼ぎに行かず、村にいながらにして稼ぐことができる数少ない手段です。バリンシアガオ村は、山岳地方も中心バギオ市からでも12時間以上かかる山の中の村で、電気も、もちろん電話もなく、商品の輸送や連絡にかなりの費用と手間がかかります。
  しかし、村には昔ながらのすばらしいホウキ作りの伝統が残されています。村人に現金収入を与えるとともに、そのホウキ作りの技術を次の世代に伝えていくためにも、ホウキの注文を続けていくことが必要なのです。 こども
コルディリェラ行政地方カリンガ州山村ウマでタイガーグラスを材料にして箒(ホウキ)を作る子供。標高1200メートル。
NGOは、世界には1億6800万人、世界の子どもの9人に1人が児童労働をしていると非難するような表現をしているが、その多くは、家事労働、家内工業、自営農作業、庭先の畑づくりなど、家族の監督下にある。 こども
コルディリェラ行政地方カリンガ州山村ウマでの児童労働の事例。箒を作る子供。標高1200メートル。
 大規模製造業による労働需要が存在しない地方にあって、現地のタイガーグラス(バイオマス)を原材料とした箒(ホウキ)の製造は、l労働集約的技術labor-intensive technology)を体化した農村家内工業である。タイガーグラスの箒は、海外市場(外需)ではなく、局地的市場(ローカル・マーケット)、地産地消に向けて生産されていたが、近年、フェアトレードFair trade)や輸出も始まっている。 鳥飼行博
コルディリェラ行政地方での児童労働の事例。カリンガ州山村ウマで、タイガーグラスを材料にして箒(ホウキ)を作る世帯を聞き取り調査した。
 NTT労働組合 東京グループ連絡会によれば、「世界には、有給、無給に関わらず、さまざまな形態で働いている子どもたちが多くいます。その中でも、特に幼い子どもが労働を強いられていたり、子どもの心身の発達や、社会性・教育面での発達を阻害するような危険な労働を強いられた場合、それは有害な「児童労働」と定義されます。世界には、こうした児童労働に従事する5〜17歳の子どもは1億6,800万人といわれています。働く子ども(5〜14才)の数が最も多い地域はアジア・太平洋で、世界全体の5割を占めます。また、働く子どものほとんどが開発途上国に住んでいますが、先進諸国の中でも働く子どもたちが存在しています。 」とある。

ウマの児童労働

Tiger Grass Broom Making


子供内職
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ、イネ科多年草のタイガーグラス(Tiger Grass)箒を縛る竹ひごを加工する道具。このような家族のもとにおける児童労働は、1919年設立の国際労働機関(ILO:International Labour Organization)が非難する児童労働や1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)には違反しない。
 特定非営利活動法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンによれば、問題となる、児童労働とは、働くことで、心や体が傷ついてしまうような子どもにとって害のある労働をさします。 例えば、学校に通うことができずに働かされたり、法律で禁止されている危険な仕事に子どもが関わっていたら、それは児童労働です。つまり、児童労働は、子どもの権利を奪う、子どもに有害な労働のことです」とある。 女性内職
カリンガ州ルブアガン町ウマ、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)箒を作る道具。
 児童労働ネットワークは、社会正義と人権および労働権を推進するために1919年に設立された国際労働機関(ILO:International Labour Organization)を参照して、「2012年時点の児童労働者数(5歳-7歳)は、1億6800万人と推計しています。これは世界の子ども(5歳-17歳)の9人に1人にあたります。児童労働者の50%以上の1億1500万人が、危険労働に従事している言われています。2000年には2億4600万人だった児童労働者数は少しずつ減少し、2008年当時の推計と比べて2012年は、4700万人も減少しています」とある。 男の子1
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)を原材料とした箒(ホウキ)を作って生活する家内工業世帯。このような家族のもとにおける児童労働は、1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)には違反しない。2013年3月撮影。
 特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンによれば、「児童労働とは? 児童労働は大きく二種類に分けられます。一つは、就業最低年齢(原則15 歳)未満の子どもが大人のように働く労働で、例えば、他人の家で一日中行う家事労働。 もう一つは18歳未満の子どもによる健康・安全・道徳を損なう恐れのある労働で、危険な作業や売春、兵士等、「最悪の形態の児童労働(Tiger Grass)」と言われます。 教育を受けられない、自由に遊ぶ時間がない等、子どもが健全に育つことが難しいという点で、日本で見られるアルバイトやお手伝いとは区別されます。児童労働を強いられる子どもの数は、年間1億6795万人。 これは、世界の子どもの約9人に1人という割合です。さらに、この半数以上は、先述の「最悪の形態の児童労働」に就いており、子どもの人権が脅かされています。児童労働の主な原因は貧困」とある。 男の子2
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒をしばる竹ひご。加工前は太い。2013年3月撮影。

 1973年採択の最低年齢条約(第138号)及び同勧告(第146号) を補足するものとして、18歳未満の児童による最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃を確保するための即時の効果的な措置を求めたのが、1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)である。ここでは、最悪の形態の児童労働は次のように規定される。
a.児童の人身売買、武力紛争への強制的徴集を含む強制労働、債務奴隷などのあらゆる形態の奴隷労働またはそれに類似した行為
b.売春、ポルノ製造、わいせつな演技のための児童の使用、斡旋、提供
c.薬物の生産・取引など、不正な活動に児童を使用、斡旋または提供すること
d.児童の健康、安全、道徳を害するおそれのある労働 女の子内職
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作って生活する家内工業世帯。2013年3月撮影。
女の子内職
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作って生活する家内工業世帯。2013年3月撮影。

 このような家族の監督や管理の下にある児童労働は、1999年の最悪の形態の児童労働条約(第182号)には違反しない。
第一条  この条約を批准する加盟国は、緊急に処理を要する事項として、最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃を確保するため即時のかつ効果的な措置をとる。
第二条  この条約の適用上、「児童」とは、十八歳未満のすべての者をいう。
第三条  この条約の適用上、「最悪の形態の児童労働」は、次のものから成る。
 (a) 児童の売買及び取引、負債による奴隷及び農奴、強制労働(武力紛争において使用するための児童の強制的な徴集を含む。)等のあらゆる形態の奴隷制度又はこれに類する慣行。
 (b) 売春、ポルノの製造又はわいせつな演技のために児童を使用し、あっせんし、又は提供すること。
 (c) 不正な活動、特に関連する国際条約に定義された薬物の生産及び取引のために児童を使用し、あっせんし、又は提供すること。
 (d) 児童の健康、安全若しくは道徳を害するおそれのある性質を有する業務又はそのようなおそれのある状況下で行われる業務。
女の子内職
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作って生活する家内工業世帯。2013年3月撮影。
 国際労働機関(ILO)は、1日8時間労働母性保護、児童労働に関する法律、さらに職場の安全や平和t的な労使関係を推進し、1969年にはノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞。 女の子内職
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作って生活する家内工業世帯。2013年3月撮影。

 児童労働ネットワーク

ルブアガン町女性労働

Tiger Grass Broom Making


野外内職
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ、タイガーグラス(Tiger Grass)を原料とした箒(ホウキ)を縛る竹ひごを加工する道具。

 日本の伝統的な南部箒(ホウキ)は、縮れた穂先で、この穂先のおかげで驚くほどの掃き出す効果が高い。東北の気候風土「やませ」が作りだす縮れた穂先と手作りの職人技術の融合したのが南部箒(ホウキ)であり、南部地方で無農薬で栽培する「ほうき草」、土から育てる徹底した手作りが特徴となっている。南部箒(ホウキ)の特徴である「ちぢれ」により衣類やカーペットに絡みついたペットの毛、髪の毛、スーツや着物の埃をしっかりと絡め取ることができるという。長さ80?、幅25cmの小型の高倉工芸の南部箒(ホウキ)は、1本3万円。 女性内職
カリンガ州ルブアガン町ウマ、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)箒を作る道具。
小屋で内職
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作って生活する家内工業世帯。2013年3月撮影。

 カール・マルクスKarl Marx:1818-1883)『資本論』では、資本主義の本質は、「資本(capital)が無限に自己増殖する価値運動である」とし労働価値説に基づき、資本家は労働者から剰余価値搾取して、資本蓄積をすすめるとの論理を展開した。カリンガ州の箒製造のような農村家内工業に、資本の論理が成立しているでaろうか? 竹ひご
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒をしばる竹ひご。加工前は太い。2013年3月撮影。

男の内職

Tiger Grass Broom Making


竹ひご
カリンガ州ルブアガン町ウマ、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)箒しばる竹ひごを削って細く加工する。
農村家内工業工場制手工業など封建制度から資本主義が形成されるまで過渡期に生まれた資本主義、すなわち初期資本主義(early capitalism)の時期から、労働集約的産業が興隆してきた。それは現在まで、箒作りとして存続し、山村の地域コミュニティ経済の上で重要や役割を果たしている。 竹ひご野外
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ、タイガーグラス(Tiger Grass)を縛る竹ひごを加工する。
小屋で内職
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作って生活する家内工業世帯。2013年3月撮影。
竹ひご加工
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ、ドヤアス。タイガーグラス(Tiger Grass)を縛る竹ひごを,金属に空けた穴を通しながら徐々に細く加工すしてる。2013年8月撮影。

乾燥・整理

Tiger Grass Broom Making


乾燥
カリンガ州ルブアガン町ウマ、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)箒を作る。

 カール・マルクスKarl Marx:1818-1883)『資本論』では、資本主義の本質は、「資本(capital)が無限に自己増殖する価値運動である」とし労働価値説に基づき、資本家は労働者から剰余価値搾取して、資本蓄積をすすめるとの資本の論理を展開した。 野外内職
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ、タイガーグラス(Tiger Grass)を加工して箒を作る。

このような箒製造業は、農村家内工業工場制手工業など封建制度から資本主義が形成されるまで過渡期に生まれた資本主義、すなわち初期資本主義(early capitalism)の状況を髣髴とさせる。そこで見られる労働集約的産業は、労働生産性が低く、労働者の賃金も低く「遅れている」技術しかないと批判されることが多い。しかし、現代の日本で大学生の就職先がサービス業に限定され、ものづくり・製造業の現場での雇用がほとんどない現状に思い至れば、このような発想が単純すぎることがわかる。技術は、簡単化すれば、資本=労働比率(労働の資本装備率)で表すことができ、それは資本レンタル=賃金比率という要素相対価格で決まってくる。高賃金国では、資本節約的技術(労働節約的技術)が、低賃金国では労働集約的技術(資本節約的技術)が採用される傾向がある。

ルブアガン町家内工業

Tiger Grass Broom Making


道具
カリンガ州ルブアガン町ウマ、タイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)箒を作る道具。

 カール・マルクスKarl Marx:1818-1883)『資本論』では、資本主義の本質は、「資本(capital)が無限に自己増殖する価値運動である」とし労働価値説に基づき、資本家は労働者から剰余価値搾取して、資本蓄積をすすめるとの論理を展開しました。カリンガ州の箒製造のような農村家内工業に、この資本の論理が成り立つでしょうか? 道具
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ、タイガーグラス(Tiger Grass)箒を縛る竹ひごを加工する道具。労働集約的技術を用いる農村家内工業である。
室内
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作って生活する農村家内工業。2013年3月撮影。
タイガーグラスの刈入れ・半加工が行われ、箒(ホウキ)を製造する農村家内工業Household Manufacture)は労働集約的技術を備えていて、雇用吸収力が大きい。 家内工業
カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)と竹ひごを材料に箒を作る家内工業世帯。机の上に材料の竹ひご(加工前)がおいてある。

 カール・マルクスKarl Marx:1818-1883)『資本論』では、資本主義の本質は、「資本(capital)が無限に自己増殖する価値運動である」とし労働価値説に基づき、資本家は労働者から剰余価値搾取して、資本蓄積をすすめるとの論理を展開した。カリンガ州の鍛冶屋のような農村家内工業に、このような資本の論理が成立しているのか? 竹ひご
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒をしばる竹ひご。加工前は太い。2013年3月撮影。

 1867年カール・マルクスKarl Marx:1818-1883)『資本論』では、投下労働量に応じて商品価値が決まるとする労働価値説(labour theory of value)を提唱した。そして、資本家は労働者から剰余価値搾取を搾取して、資本蓄積を永遠に続けるという資本の論理論を展開した。カリンガ州の農村家内工業に、搾取されているワーキングプア(失業者ではなく働く貧困層)がいるであろうか? 竹ひご
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)を縛る竹ひご。これから、細く加工する労働集約的技術が続く。2013年3月撮影。
竹ひご加工
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒をしばる竹ひご。加工前は太いので細く削る。2013年3月撮影。
カリンガ州の箒製造は、農村家内工業工場制手工業など封建制度から資本主義が形成されるまで過渡期に生まれた資本主義、すなわち初期資本主義(early capitalism)の時期からある。労働集約的技術は、労働生産性が低く、労働者の賃金も低く「遅れている」技術であると「安易な文明論」は批判している。しかし、開発途上国の就業構造やや日本で大学生の就職先を考えてみれば、雇用吸収力や雇用機会を度外視したこのような安易な発想が誤りであるとがわかる。 竹ひご加工
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)を縛る竹ひごを細く加工する。2013年3月撮影。
箒作り仕事は、農村家内工業工場制手工業など封建制度から資本主義が形成されるまで過渡期に生まれた資本主義、すなわち初期資本主義(early capitalism)の状況を髣髴とさせる。そこで見られる労働集約的産業は、労働生産性が低く、労働者の賃金も低く「遅れている」技術しかないと批判されることが多い。しかし、現代の日本で大学生の就職先がサービス業に限定され、ものづくり・製造業の現場での雇用がほとんどない現状に思い至れば、このような発想が単純すぎることがわかる。技術は、簡単化すれば、資本=労働比率(労働の資本装備率)で表すことができ、それは資本レンタル=賃金比率という要素相対価格で決まってくる。高賃金国では、資本節約的技術(労働節約的技術)が、低賃金国では労働集約的技術(資本節約的技術)が採用される傾向がある。 箒職人と鳥飼行博
聞き取りをしたカリンガ州ウマのタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)箒造り職人と鳥飼行博。タイガーグラス栽培に結びついた箒作りは、アグロフォレストリーAgroforestry)、柴刈りDomestic firewood collection )と並行して、労働集約的技術を用いる農村家内工業として地域の雇用吸収に大きな役割を果たしている。 草を持つ
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)を縛る竹ひごを細く加工する。2013年3月撮影。

 1867年カール・マルクスKarl Marx:1818-1883)『資本論』では、投下労働量に応じて商品価値が決まるとする労働価値説(labour theory of value)を提唱した。そして、資本家は労働者から剰余価値搾取を搾取して、資本蓄積を永遠に続けるという資本の論理論を展開した。カリンガ州の農村家内工業に、搾取されているワーキングプア(失業者ではなく働く貧困層)がいるであろうか? 半完成製品
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの家内工業で生産されたタイガーグラス(Tiger Grass)製箒の半完成品。穂先は出来上がっているが、柄の部分にはまだ竹ひごがまかれていない。
できた箒
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。イネ科多年草のタイガーグラス(Tiger Grass)箒をしばる竹ひご。加工前は太いので細く削る。2013年3月撮影。
箒職人
聞き取りをしたカリンガ州ウマの箒職人が、自ら作ったタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena Maxima)の箒を手にして、お土産にもっていってと。
箒生産の作業は、資本節約的技術capital-saving technology)で、男女が従事できる仕事として、山村の重要な雇用機会となっている。

ルブアガン山村の生活

Women in Kalinga

囲炉裏
フィリピン、ルソン島内陸部、コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作る世帯の台所。薪が乾きやすいように木の皮を剥いで、炉の上で乾燥させる。2013年3月撮影。
ごはん
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作る家内工業世帯で、聞き取りをした。そのとき、夕食をいただいた。普段は、トウガラシ汁でご飯を食べるが、この時は特別にサージの缶詰を空けていただいた。2013年3月撮影。
鳥飼行博
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。イネ科多年草タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作る世帯に聞き取り調査をした。2013年3月撮影。
水田
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。労働集約的な作業工程を経てタイガーグラス(Tiger Grass)から箒を製造する家内工業世帯のある集落。2013年3月撮影。

ウマの家屋

Housing


家
フィリピン、ルソン島内陸部、コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地や水田・畑地は少ない。そのため、田植えが一段落した農閑期の3月には、女性でも現金収入を求めて、タイガーグラス刈取りの農業労働に従事する。2013年3月撮影。
脱穀
カリンガ州ルブアガン町ウマは、山がちなため、棚田がある。脱穀も自分の家で行う。ただし、田植えが一段落した農閑期の3月には、女性でも現金収入を求めて、ホウキの材料となるタイガーグラス刈取りの農業労働に従事する。2013年3月撮影。

箒の運送依頼

Kalinga Province


カリンガ州箒出し
フィリピン、ルソン島内陸部、コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマで箒を路上に出しておく。ここを通るジプニーにタブク市の市場に運送、売却を依頼する。2013年3月撮影。箒製造業は、農村家内工業工場制手工業など封建制度から資本主義が形成されるまで過渡期に生まれた資本主義、すなわち初期資本主義(early capitalism)の時期からあった。この他、箒生産、製茶業、紡績、養蚕、生糸生産、瓦製造窯業などいくつもの労働集約的産業が興隆してる。当時は、金融資本家が弱体だったために、独自に資本形成を進めた起業家が大半だった。ベンチャーは新しい概念であると思うのは錯覚で、伝統的には、家内工業、工場制手工業など起業が多かった。 カリンガ州箒出し
カリンガ州山村ウマ。箒を路上に出しておく。ここを通るジプニーにタブク市の市場に運送、売却を依頼する。2013年3月撮影。箒製造は、資本節約的技術capital-saving technology)を採用し、農村家内工業Household Manufacture)として山村に雇用機会を与えている。 カリンガ州箒出し
フィリピン、ルソン島内陸部、コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。箒を路上に出しておく。ここを通るジプニーにタブク市の市場に運送、売却を依頼する。2013年3月撮影。 カリンガ州箒出し
カリンガ州山村ウマ。箒を路上に出しておく。ここを通るジプニーにタブク市の市場に運送、売却を依頼する。2013年3月撮影。

箒の流通経路

Kalinga Province


ジープ荷台
カリンガ州山村ウマで、タイガーグラス草刈りの現地聞き取り・実測調査をした。2013年3月撮影。箒生産は、労働集約的技術labor-intensive technology)を体化した農村家内工業である。ボロ(ブッシュナイフ)は、海外市場(外需)ではなく、局地的市場(ローカル・マーケット)、地産地消に向けて生産されていたが、近年、フェアトレードFair trade)や輸出も始まっている。 ジープ荷台2
カリンガ州山村ウマで、タイガーグラス草刈りの現地聞き取り・実測調査をした。2013年3月撮影。 ジープ荷台3 hspace=10
カリンガ州山村ウマのジープ荷台に乗せられたタイガーグラスの半加工品。2013年3月撮影。 ジープの上
カリンガ州山村ウマのジープ荷台に乗せられたタイガーグラスの半加工品。2013年3月撮影。 カリンガ州ウマジープ上
カリンガ州山村ウマのジープ荷台に乗せられた労働集約的技術でつくられたタイガーグラスの半加工品。2013年3月撮影。 カリンガ州ジープ上
カリンガ州山村ウマのジープ荷台に乗せられたタイガーグラスの半加工品とタイガーグラス製の箒。袋には、セリや豆などタブックの市場の卸売商に販売する農産物が入っている。2013年3月撮影。 カリンガ州ジープ上
カリンガ州山村ウマのジープ荷台に労働集約的技術で生産されたタイガーグラスの半加工品とタイガーグラス製の箒がみえる。荷袋には、セリや豆などタブックの市場の卸売商に販売する農産物が入っている。2013年3月撮影。 カリンガ州ジープ上
カリンガ州山村ウマで、タイガーグラス草刈りの現地聞き取り・実測調査をした。2013年3月撮影。箒製造は、労働集約的技術labor-intensive technology)を体化した農村家内工業である。鍛造されたボロ(鉈)は、海外市場(外需)ではなく、局地的市場(ローカル・マーケット)、地産地消に向けて生産されていたが、近年、フェアトレードFair trade)や輸出も始まっている。 カリンガ州ジープ上
カリンガ州山村ウマのジープ荷台に乗せられたタイガーグラスの半加工品とタイガーグラス製の箒。袋には、セリや豆などタブックの市場の卸売商に販売する農産物が入っている。2013年3月撮影。農村家内工業工場制手工業など、封建時代から資本主義が形成される時期、すなわち初期資本主義(early capitalism)の時期から、箒生産、鍛冶屋、紡績、養蚕、窯業などいくつもの労働集約的産業が興隆してきた。 カリンガ州ジープ上
カリンガ州山村ウマのジープ荷台に乗せられたタイガーグラスの半加工品とタイガーグラス製の箒。袋には、セリや豆などタブックの市場の卸売商に販売する農産物が入っている。2013年3月撮影。 国道運搬
カリンガ州山村ウマから国道に到着したジープ。タイガーグラス、箒、豆など農産物は、カリンガ州州都のタブク市の市場にいる商人に販売される。2013年3月撮影。 国道運搬
カリンガ州山村ウマから国道に到着したジープ。タイガーグラス、箒、豆など農産物は、カリンガ州州都のタブク市の市場にいる商人に販売される。2013年3月撮影。
 箒製造は、労働集約的技術labor-intensive technology)を体化した農村家内工業である。ブッシュナイフは、海外市場(外需)ではなく、局地的市場(ローカル・マーケット)、地産地消に向けて生産されていたが、近年、フェアトレードFair trade)や輸出も始まっている。
東海大学教養学部

Tokai University


鳥飼 
フィリピン共和国ルソン島北部コルディリェラ行政地方で、箒作りに勤しむ世帯に聞き取り調査。

大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。

持続可能な農業、特にアグロフォレストリーAgroforestry)、柴刈りFirewood Collection)、森林適正管理、バイオマス利用について専門的に知りたい場合は、著作一覧(アジア途上国の開発と環境保全)紀伊國屋書店を参照してください。『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』2007年、多賀出版では、熱帯林の減少と地域コミュニティによる適正管理の有効性を、ローカルコモンズの視点で検討しました。『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』2002年、東海大学出版会では、再生可能エネルギーの開発を論じたうえで、薪炭生産、用材生産、焼畑、企業的フロンティア開発という森林減少の要因を比較しました。二冊とも、発行部数1000部以下の学術図専門書です。前者は文部科学省の助成、後者は東海大学総合研究機構の助成を受けて刊行した「非商業的書籍」です。価格も本体5500円と高価です。公立図書館、大学図書館などで、希望入架してもらうことをお勧めします。
テキストの『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から 』東海大学出版会は、これらの研究の端緒になった著作です。


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鳥飼 行博 TORIKAI Yukihiro
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