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◆フィリピンのアルミ再生家具工場の廃棄物リサイクル
1.【地球温暖化】【熱帯林減少】【生物多様性】【国際協力】【人口問題】を現地調査も踏まえて研究します。
2.2010年のフィリピン共和国の面積は30万平方キロ(日本の80%)、人口9900万人、GDP2000億ドルで、1人当たりGDPは2,100ドルと日本の5%ですが、工業部門がGDPの30%以上を占めています。
3.当研究室では,2002年に聞き取り調査をしたルソン島に位置する自動車工場について写真解説します。
4.写真解説一覧フィリピン自動車産業セブ州常石造船マニラのスラム街ツゲガラオの市場フィリピンの棚田の田植え棚田の稲作山村の小学校と児童労働マニラのスモーキーマウンテンも参照。

フィリピンのリサイクル

 Recycle

 
 



















フィリピンの資源リサイクル

 Alminium Industry


アルミ回収
フィリピンのメトロマニラから飛行機で1時間半でセブ州(人口350万人)の州都セブ市(人口82万人)につく。ここにあるアルミ再生家具工場を見学し、聞き取り調査を行った。
上の写真は、回収した廃アルミ、アルミ屑で、ここにいったん保管してから、融解炉で溶かして再資源化する。
回収アルミ屑
セブ島工場にあるアルミ再生炉。「外国人技能実習制度」を担うJITCO国際部の万城目氏とともにセブ市の家具工場で聞き取り調査を行った。

セブ市の航空写真/地図

セブ島には、政府によって整備された工業団地Mactan Export Processing Zone?Mactan Export Processing Zone?もあり、電気製品・部品、カメラなども製造されている。
 他方、セブの地場産業は、ギター製造業貝殻加工工場などが有名である。そして、アルミ製品リサイクル産業も興味深い。

廃アルミの融解炉

 crucible furnace

 
アルミ再生炉
アルミ再生家具工場では、廃アルミを回収し、これを融解炉で再資源化(リサイクル)して、再生アルミニウム合金のインゴットを作る。融解炉には、アーク炉( arc furnace )、誘導電気炉( induction furnace )、るつぼ炉( crucible furnace )やキュポラ(cupola )がある。
 るつぼ炉は、坩堝を加熱し、投入物を溶解する。単純な構造で小規模作業に適し,薪炭など燃料からの不純物混入も防止できる。古くは製鋼にも使用されたが、今日では融解温度の低いアルミ,銅,軽合金,特殊金属の溶解に使われる。
再生炉
セブ島工場にあるアルミ再生炉に使用する「るつぼ炉」( crucible furnace )。この坩堝炉は、熱源は電気ではなく、薪炭を燃焼させて熱を回収する。インドでも、このような坩堝炉から溶けた真鍮をすくい出し、型に流し込んで、ドクラの鋳込み製品の製造が行われている。
アルミ再生炉
るつぼ炉」( crucible furnace )で廃アルミを溶解し、インゴットに成型する作業を再現していただいた。
アルミニウムの製造工程
?ボーキサイトbauxite→アルミナ(Al2O3):採掘したアルミニウムの原料であるボーキサイトを、苛性ソーダNaOH(水酸化ナトリウム)で溶解、アルミン酸ソーダ液をつくり、そこからアルミナを抽出する。日本では2008年3月、昭和電工、日本軽金属、住友化学のアルミナメーカー3社が環境問題から2015年までにボーキサイト国内精製から撤退と報じられている。(2008/3/7 日本経済新聞)
?アルミナ→アルミ二ウム(Al):溶融氷晶石でアルミナを電気分解し、アルミ地金を製造。
?アルミニウム(地金)→製品素材:地金を原材料として鋳造・圧延・押出・鍛造など加工をし、製品素材に成形する。
アルミ再生炉
アルミ缶,アンテナ,アルミ塊を炉で融解する。溶けたアルミニウムをかき混ぜて,取り出す。
アルミ再生
廃アルミ回収をして、原料としたアルミインゴットAluminum Ingot)は、再生資源でもある。
セブ島に対する外国資本の進出は、整備されたインフラにつりあって巨額であるとは言い難い。そこで、鳥飼研究室では、外資や政府支援の地域活性化ではなく、地元企業の雇用、市場自由経済の重要性に目を転じてみる。廃品のアルミニウムをリサイクルして家具を製造している地元中小工場を取り上げて、その雇用、技術を再検討してみた。
再生アルミニウム

 Aluminum Ingot

 
インゴット
 サンドキャストの作業。「外国人技能実習制度」を担うJITCO国際部の城目氏とともにセブ市の家具工場で聞き取り調査を行った。

 ◆外国人研修・技能実習制度とは、日本で使われている技術(技能やワザを含む)を開発途上国に技術移転するために、外国人研修生・技能実習生を日本に受け入れる制度である。しかし、研修生・技能実習生を、日本人の嫌う3K職場で低賃金労働として利用している、「労働者」ではないので、最低賃金や労働法の保護を受けることができないという批判があった。そこで、外国人研修生・技能実習生の人権保護、法的地位の安定のために、2010年7月1日、技能実習制度が改正され、「労働者」としての保護も受けられるようになった。
インゴット
出来上がった再生アルミニウム地金・インゴットAluminum Ingot)。
 アルミ地金は、純度や成分を基準にして、普通純度地金、高純度地金、合金地金に分類される。
◆普通純度地金は、純度99.0〜99.9%で、板材、押出材、鋳造品、鍛造品、線材、箔などはこの普通純度地金で鋳造される。
◆高純度地金は、純度99.95%以上で、融解したアルミニウムを、再度、電解法や偏析法で精製して作る。
合金地金は、アルミニウムに他の金属を添加した地金で、再溶解して鋳造品などの製造に用いる。
アルミ新
アルミ地金は、形状や用途を基準にすれば、インゴット(一般原材料用鋳塊)、スラブ(圧延用に調整された鋳塊)、ビレット(押出用に調整された鋳塊)に分類できる。
 インゴットとは、加工メーカーが目的に応じて自由に溶解して使えるような形状寸法にしたアルミニウム塊のこと。普通純度地金、高純度地金、合金地金もインゴットにして取引される。通常の地金は、重量20kgだが、展伸加工工場向けには、500kgと700kgの大きなインゴットもある。
 上の写真は、冷却,固形化した後,砂の中で固まったアルミニウムインゴットを掘り起こす作業。このリサイクルした再生資源を原料として砂型鋳造サンドカスト)により家具部品を成形する。
アルミインゴット
冷却,固形化した後,砂の中で固まったアルミニウムインゴットを掘り起こしたところ。インゴットとは、金属、非鉄金属などを製錬(せいれん)後に型に流し込んで固めたものを指す。プラスチックでは、発泡スチロールなどの使用済みプラスチックを溶かして、立方形の型に流し込み、固めたものをインゴットという。インゴットは、ダイカスト(Die Casting)に多用される。
インゴット
アルミインゴットAluminum Ingot)を鋳造する鋳型(いがた)は、鋳物を鋳造するときに、溶かした金属を注ぎ入れる型のこと。砂型・金型がある。歴史的には、古代から砂や石を鋳型として、青銅像、祭祀道具、鐘が製造されてきた。現在のアルミカストでも広く使用されている。アルミニウム合金は軽く、強度があり耐食性に優れており、用途も広くあらゆる分野で使用されている。
砂型鋳造
砂型で製造した「砂型鋳造」は、紀元前4000年から行われている歴史的な伝統技法であり、日用品・武器・祭祀道具などが作られてきた。現代でも機械部品など様々な砂型鋳造が作られている。砂型鋳造は、砂で作った型に溶融金属を流し込み成型する鋳造法で、アルミニウム合金では19世紀末頃から実用化されている。特徴は次の通り。
1.大きな鋳物の成形が可能である。
2.型作成コストが金型に比べ安価である。
3.短時間の準備期間で作成することができる。
4.冷却スピードが遅いため金型鋳造などに比べ大量生産に適さない。
サンドキャスティング

 Sand Casting

 
部品鋳造
砂型鋳造Sand Casting)で、家具の台座を製造しているところ。砂型鋳造では木型と呼ばれる原型を砂で象って砂型を製作し、溶湯を流し込んで鋳物を製作する。砂型は製品の形状により複数に分割して製作する。
部品鋳造
砂型鋳造(サンドカスト:Sand Casting))では木型と呼ばれる原型を砂で象って砂型を製作し、溶湯を流し込んで鋳物を製作する。砂型は製品の形状により複数に分割して製作する。
砂型鋳造
砂型鋳造のアルミ・キャスティング(Aluminium Casting)。砂の中の家具部品は,掘り起こされる時に蒸気を上げる。
 砂型鋳造サンドキャスト)は、非鉄金属(アルミなど)鋳物の生産方法の中で、生産性が高く、1つの金型で何回も繰り返し使用することが可能である

家具の加工工程

processing



台座
鋳造で成形された家具の底板脚部分
 サンドカストの成形は、表面が円滑でなく、ざらつきがあるが、精密部品や機械部品のように誤差が小さいものでなければ、実用上問題ない。また、サンドダイカスト後に、鑢をかけたり磨いたりして仕上げ加工を行うことで、見栄えもよくなる。工芸品の製作では、石膏型を使うこともある。石膏鋳造は蝋や蜜蝋など高温で溶解する原料で作成して、原形を石膏で塗り固めた後、原形を除去して原料を流し込む。
家具
砂型鋳造のサンドキャスティングによって仕上がった廃アルミニウム再生利用のテーブル脚部。機械でバリを削り取る。 フィリピンから、日本のJITCO「外国人技能研修」を利用して、日本の工場で1年間の研修を受ける人々もいる。再生アルミニウム工場と同じ敷地内にある。JITCO国際部の万城目氏とともに,聞き取り調査を行った。
中国のメーカーやサプライヤーが提供する廃アルミニウム商品の一覧もwebsiteで公開されている。
仕上げ工程

 smoother


家具
再生アルミニウムを原材料とした各部品の余剰バリを機械で削り取る。
塗装
塗装作業。無償あるいは安価に買い取った廃品のアルミニウム、鉄を再生利用し、家具や各部品を製造した。手間のかかる作業=労働集約的産業であるが、低賃金労働が豊富なために、リサイクルが盛んに行われている。 リサイクルには、経費のほかに、手間と時間がかかる。
サンドパーパー
サンドペーパーで家具を磨き上げる作業。サンドペーパーの作業には女性労働者が多い。
サンドパーパー
金属を再生利用した家具をサンドペーパーで磨く。作業も労働集約的に行われ、椅子をひとつずつ丁寧に磨き上げている。
サンドパーパー
鉄の業を丸めてスプリングを作ったり、金属を切断する作業もある。
セブのカトリック教会

 Basilica of Santo Niño


セブの教会
フィリピン人の多くは、カトリックである。セブの守護聖人は「サント・ニーニョ」(Santo Niño de Cebú:幼きイエス)である。サント・ニーニョ像は、マゼランがもたらしたものともされ、フィリピン最古の教会・サント・ニーニョ教会(Santo Niño Curch)に安置されている。
サントニーニョ教会
セブ市のサント・ニーニョ教会Basilica of Santo Niño)の祭壇正面のファサード。教会となりには八角の平屋があり、なかにマゼランクロス(The Cross of Magellan)がある。
教会
サント・ニーニョ教会の中庭にあるキャンドルサービス。
セブ島の景観

 Air photo


航空写真
セブ島観光は、海のリゾートが中心だが、島全体は山がちで、丘陵地帯の傾斜地は、傾斜農地になっている。このような土地利用を、大分県玖珠郡九重町の農業琵琶湖沿岸のローカルコモンズと比較すると興味深い。
航空写真
セブ島東部海岸部分。沖積平野には、水田と住宅地が広がる。
航空写真
セブ島の沖積平野の水田。水路の近くや農地の境目には、樹木が残されている。これは、薪炭などバイオマスエネルギーとして利用するため。
大学

 University

 
ダイカスト
アルミ再生工場での聞き取り調査。 JITCOが支援する外国人研修生を送り出している現地企業を訪問。「外国人研修生」を日本に送り出せれば、技術移転といった狭い範囲以上に、日本人との交流することが労働者の励みになる。

大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。

持続可能な農業、特に、アグロフォレストリー、柴刈り、森林適正管理、バイオマス利用について専門的に知りたい場合は、著作一覧(アジア途上国の開発と環境保全)紀伊國屋書店を参照してください。『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』2007年、多賀出版では、熱帯林の減少と地域コミュニティによる適正管理の有効性を、ローカルコモンズの視点で検討しました。『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』2002年、東海大学出版会では、再生可能エネルギーの開発を論じたうえで、薪炭生産、用材生産、焼畑、企業的フロンティア開発という森林減少の要因を比較しました。二冊とも、発行部数1000部以下の学術図専門書です。前者は文部科学省の助成、後者は東海大学総合研究機構の助成を受けて刊行した「非商業的書籍」です。価格も本体5500円と高価です。公立図書館、大学図書館などで、希望入架してもらうことをお勧めします。
テキストの『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から 』東海大学出版会は、これらの研究の端緒になった著作です。


当研究室へのご訪問ありがとうございます。当サイトには,2011年11月8日以来Counter名の訪問者があります。論文,データ,写真等を引用する際は,URLなど出所を明記してください。ご意見,ご質問をお寄せ下さる時には,ご氏名,ご所属,ご連絡先を明記してくださいますようお願い申し上げます。
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東海大学教養学部人間環境学科社会環境課程
鳥飼 行博 TORIKAI Yukihiro
HK,Toka University,4-1-1 Kitakaname,Hiratuka
Kanagawa,Japan259-1292
東海大への行き方|How to go
 

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