鳥飼ゼミの国内外研修 Our Field Survey
東海大学鳥飼ゼミ大阪研修 Tokai University 2013
大阪市西成区 で、この安ホテル 玄関に集合した東海大学 教養学部の鳥飼ゼミ の学生たち。鳥飼ゼミでは、大阪府大阪市西成区 で、この安価な宿泊施設 (1泊1500円以下)に連泊して、ホームレス・日雇い労働者 などに聞き取りを行った。チェックインが10:00と早いので、朝、宿に荷物を置いてから調査に出ることもできる。部屋は、3畳、テレビ・冷蔵庫付、風呂共用。
人間環境学科社会環境課程 の鳥飼ゼミでは開発と環境の経済学 がテーマである。そこで、?開発途上国 の貧困解消、?乳幼児死亡率 、成人識字率 など人間開発 、?大気汚染 、温室効果ガスの排出、廃棄物処理 、生物多様性の減少 などの環境問題への対応、を研究している。 持続可能な世界を構築するために、企業の社会的責任 にも目を向けて、日本企業は金儲け第一主義で環境経営をしていない との誤認を解くためにも、直接、フィールド調査をするといい経験になる。
宿泊した大阪市西成区のホテルから、浪速区新世界 に食事に出た鳥飼行博ゼミのメンバー。西成区のあいりん労働福祉センター(公共職業安定所) 、「あいりんハローワーク
」(日雇労働者専門)の前で、就業待機者、求職者、失業者、市民に聞き取り調査をした。
背景に通天閣 展望塔が見える。初代通天閣 は明治45年(1912年)、新世界 のシンボルとして、ビル上にエッフェル塔を真似て建設された。その後解体、戦後1956年に2代目の通天閣 (高さ103m)が再建。 大阪研修の宿泊場所には、。大阪府 大阪市西成区 の安宿。ここには生活保護を受けている生活困窮者 ・日雇い労働者 なども長期滞在している。鳥飼ゼミ大阪研修では、ホームレスなど生活困窮者・日雇い労働者 に職業安定所前や三角公園などで聞き取り調査を行った。
東海大学教養学部 の鳥飼行博ゼミ 男女学生は、大阪府大阪市西成区 萩之茶屋の1泊1500円以下の宿泊所に泊まった。近くには、西成区(あいりん地区) ので寝泊まりできる場所として有名なここ三角公園 (萩之茶屋南公園)がある。
◆人間環境学科鳥飼行博ゼミでは、国内研修・フィールド調査として、大阪府大阪市 西成区の安い宿泊所に連泊し、ホームレス・日雇い労働者 に聞き取りし、西成区の庶民的な下町、そこと対照的な住之江区のアジア太平洋トレードセンター株式会社(ATC) 、浪速区 の新世界・中央区の道頓堀を訪問した。
大阪府大阪市住之江区南港北の地図
アジア太平洋トレードセンター Asia & Pacific Trade Center
大阪府大阪市 の西成区 の宿泊したホテルから、住之江区の大阪南港 に到着。ここのアジア太平洋トレードセンター株式会社(ATC) を訪問した。
大阪府大阪市住之江区 の観光地アジア太平洋トレードセンター に着いた。ここは、臨海地で大阪南港の真ん前にある。
大阪市住之江区 の大阪港アジア太平洋トレードセンター 正面玄関のシンボルマーク。グリーンエコプラザとエイジレスセンターの看板もあった。鳥飼行博ゼミ は、このビル11階にある公的施設おおさかグレーンエコプラザ、ATCエイジレスセンター の二施設を見学し、専門家のお話を伺った。
大阪府大阪市 住之江区 の大阪港アジア太平洋トレードセンター 11階にATCエイジレスセンター とグリーンエコプラザがある。
鳥飼行博ゼミ では、大阪府大阪市 住之江区 の大阪港アジア太平洋トレードセンター を訪問。このすぐ前にある大阪南港コスモフェリーターミナル (大阪市住之江区南港北2-1-10 ATC.ITM棟 2F.2-D-6)には、株式会社フェリーさんふらわあ の船便(1万総トン)がある。大阪南港コスモフェリーターミナル(ATCのりば)から別府観光港まで、日〜木は19:05発 翌朝 06:55着、金・土は19:55 発 翌朝 07:45着。
大阪府住之江区 のコスモスクエア地区 の大阪港アジア太平洋トレードセンター にあるおおさかATCグリーンエコプラザ (大阪市住之江区南港北2丁目1-10 ATC[アジア太平洋トレードセンター]・ITM棟11階西側)を訪問した鳥飼行博ゼミ 。
浪速区ジャンジャン横丁 ・新世界 は、観光地として有名になり地元民・住民よりも、外部からの流入者する観光客(大阪市民も含む)のほうが目立つが、庶民的な飲食やエンターテイメントなどが並ぶ裏通りもある庶民的な町である。しかし、大阪府住之江区 には新しい埋め立て地により巨大なモールが整備されている。それが、大阪港アジア太平洋トレードセンター で、大型商店・飲食店が入居しており、昔ながらの「裏通り」というものは存在しない。
大阪府大阪市 住之江区 の大阪港アジア太平洋トレードセンター 11階におおさかATCグリーンエコプラザがある。
大阪港アジア太平洋トレードセンター のITM(インターナショナルトレードマート)には、大型アウトレットモール「マーレ」をはじめ、家具・インテリア、住宅機器、福祉機器、環境機器、ファッション、ホビーなどの店舗やショールーム、オフィスが並ぶ。タウンアウトレットマーレには、ファッション雑貨、靴、スポーツ関連など幅広い商品を取り扱う店舗が約30店。従来のアウトレットにない30代から40代、子供向け商品も取り扱っている。
大阪府大阪市 住之江区 の大阪港アジア太平洋トレードセンター の目の前に大阪南港が広がる。
ATCグリーンエコプラザ ATC Green Eco Plaza
大阪市住之江区コスモスクエア地区 のおおさかATCグリーンエコプラザ のゲート。この施設は、「大気、水、騒音、廃棄物、エネルギー、地球温暖化問題など、環境に関する諸問題は年々複雑化し、市民・企業や自治体にとって早急に解決すべき課題です。環境問題への対応がますます重要となっている状況の中で設立された」。
大阪府 大阪市住之江区 のコスモスクエア地区 にあるおおさかATCグリーンエコプラザ で開催される環境関連の催しで作成している松ぼっくりの作品。
大阪府住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ には、日本の有名企業のサステイナビリティレポートの現物が揃っていて無料で入手できる。
おおさかATCグリーンエコプラザ では最新の環境ビジネス、環境経営を紹介することで、環境ビジネスの活性化、地球温暖化問題への対応、循環型社会の形成に貢献することを目的としている。ここATCは日本屈指の集客施設であり、大阪の副都心として整備が進むコスモスクエア地区 の中心にある。隣接して福祉をテーマとしたATCエイジレスセンター があるほか、デザイン振興プラザ、ソフト産業プラザ、輸入住宅促進センターといった環境関連産業の育成・振興をはかる拠点も整備されている。企業をはじめ、多くの大阪市民、自治体関係者から、市民・消費者まで。共に環境問題考え、環境保全活動をすることが求められる。「おおさかATCグリーンエコプラザから、市民・企業・行政が一体となって環境問題に取り組んでいくという、理想のトライアングルが生まれればと考えています」とある。
企業の社会的責任
Corporate Social Responsibility
大阪府住之江区アジア太平洋トレードセンター 11階おおさかATCグリーンエコプラザ にある丸一興業 (兵庫県尼崎市杭瀬北新町3-2-28 )は輸送業で、物流包装用木箱・強化ダンボール箱の制作及び梱包を業務とする。
大阪市 の施設面積は4,500m2、常設の環境展示場のほか、セミ室やインキュベーションオフィスがある。休館日は月曜日で、土・日・祝日もオープンしている。開館時間は、午前10時30分〜午後5時30分である。
大阪府住之江区アジア太平洋トレードセンター 11階おおさかATCグリーンエコプラザ にある島津製作所 の環境経営展示スペース。
SHIMADZU は創業以来、社是に「科学技術で社会に貢献する」を掲げ、「人と地球の健康」への願いを実現することをめざしてきました。環境計測機器を手がける企業として、社会に責任を持つ企業として、地球環境の保全と事業活動との調和を経営の最優先課題の一つとして位置づけ、持続可能な社会の構築に貢献しています」とある。
大阪府大阪市大阪市営地下鉄「動物園前駅」 のWC看板。
おおさかATCグリーンエコプラザの運営 は、大阪市とアジア太平洋トレードセンター株式会社と日本経済新聞社が出資するATCグリーンエコプラザ実行委員会が主催している。おおさかATCグリーンエコプラザの後援団体には、環境省、経済産業省、大阪府、大阪商工会議所、関西経済連合会、関西経済同友会が名を連ねている。
大阪府住之江区アジア太平洋トレードセンター 11階、おおさかATCグリーンエコプラザにあるコニカミノルタ の展示説系を聞く鳥飼行博ゼミ学生 。 コニカミノルタ の展示スペースには「エコビジョン2050」「中期環境計画2015」のほか、製品の企画・開発から生産、販売まで、ものづくりの全ての段階を通じて環境負荷の低減、環境経営をめざす独自の取り組みである「グリーンファクトリー認定制度 」「グリーンプロダクツ認定制度 」「グリーンマーケティング活動 」を紹介しています。また、トップクラスの低電力消費でオフィスの省エネルギーに配慮した、最新のカラー複合機bizhub C654 を展示するとともに、ブースにお越しいただいた皆様には、製品に直接触れてその性能を体感していただいています。さらに、省エネ性能に優れ、次世代照明として期待されるLED 照明、有機EL 照明についても、独自技術の解説パネルを掲示しています」とある。
新容器カートカン Cartocan
大阪市 コスモスクエア地区 おおさかグリーンエコプラザに出店している凸版印刷株式会社 が開発した紙製飲料容器「カートカン 」は、2013年7月、セブンプレミアムの健康飲料で採用。」は、株式会社セブン&アイ・ホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 最高執行責任者(COO):村田紀敏、以下 セブン&アイ)のプライベートブランド(PB)商品「セブンプレミアム 健康果実1日分 プラスコラーゲン」と、「セブンプレミアム 毎日おいしい緑黄色野菜 プラスビタミンA」に採用された。
大阪府住之江区アジア太平洋トレードセンター 11階、おおさかATCグリーンエコプラザにある凸版(トッパン)印刷株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾)は、「印刷テクノロジーでつなげるエコな未来」と称して2011年12月15日(木)から17日(土)まで、東京ビックサイトで「エコプロダクツ展2011」にエコプラザと同様の出展をしている。使いまわしをすればエコである。
凸版印刷カートカン は、凸版印刷の透明ハイバリアフィルム「GLフィルム」を使用した、長期保存と風味の維持が可能な紙製の複合容器。紙の原料に間伐材を含む国産材を30%以上使用、「間伐材マーク」を取得。
カートカン (cartocan)は、セブン&アイと一般財団法人セブン-イレブン記念財団が2012年6月より開始した、日本の森林を育て国産木質材の利用を促進する「セブン&アイの森プロジェクト」で得られた間伐材を含む国産材を30%以上使用。「間伐材を使用することで「植える→育てる→収穫する」という、健全な森林の育成に重要な循環が促進されます。間伐材を含む国産材を活用するカートカンは、CO2吸収効率の高い健全な森林を育てることで、地球温暖化防止に貢献しています。さらに、カートカンは、売り上げの一部が「緑の募金」に寄付されており、その普及は日本の森林づくりにつながっています」という。
エコカー Eco Vehicles & Eco-Friendly Cars
大阪府大阪市住之江区コスモスクエア地区おおさかATCグリーンエコプラザ に展示してるエコバイク (電動バイク )の実物。
「これからの電気自動車(EV)の課題と対策」と題したセミナー で大阪市立大学大学院工学研究科特任教授 南繁行氏は次のように述べた。「いま電気自動車 がブームになっている理由の一つは、石油の枯渇です。世界の石油の埋蔵量 は、富士山の体積と同じだといわれています。約1兆バレルです。現在、年間250億バレル使っていますので、あと40年でなくなってしまう計算です。一方、電気で走る乗り物は、運輸分野のエネルギー消費割合としては、現在たった2%を占めているだけです。これは主に鉄道です。つまりほとんどの乗り物がガソリンや軽油 (ディーゼル)を使っているのです。将来の石油の事情を考えると電気自動車が注目を集めるのは当然といえるでしょう。」
大阪府大阪市住之江区コスモスクエア地区おおさかATCグリーンエコプラザ に展示してるエコバイク (電動バイク )の実物。西成区(あいりん地区) に走っていても似合うだろう。
大阪府大阪市 住之江区 のおおさかATCグリーンエコプラザ 展示のエコバイク (電動バイク )を環境経営と地球温暖化対策の視点で検討する鳥飼ゼミの学生 たち。
大阪府大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ展示のエコカー(Eco-Vehicle・Electric Car )PALETTE に試乗する鳥飼行博ゼミ の学生。
スズキ が生産・販売しているパレット(PALETTE) は、ロングホイールベース化による室内長、後席両側スライドドア、低床プラットフォームと後席ダイブダウンシートの採用を特徴とする軽ハイトワゴン。動力は直列3気筒、DOHC12バルブVVT(54馬力)ガソリンエンジン搭載で、この電気自動車とは異なる。副変速機構付CVTに改良を加え、効率を高めたことで2WD・CVT車の燃費22.5km/L(10・15モード)を達成。その他、全車に燃費効率 が良い運転状態になると点灯するエコドライブインジケーター を新採用した。
大阪府大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示のエコカー に試乗する鳥飼行博ゼミ の学生。
大阪市立大学大学院工学研究科 特任教授 南繁行氏は、電気自動車を自作することの意義を次のようなことと述べている。
1.安価なEV(Eco-Vehicle ・Electric Car )を製造できるか、ビジネスとして成立するかを検討するため。
2.市販されていない燃料電池車や超高性能車を作りたい。
3.古い愛着のあるエンジン車をEV(Eco-Vehicle・Electric Car )として長く使いたい。
4.その地域だけにあった必要十分の性能をもったEVを作りたい。観光地なら低速のオープンカーとか、海のそばなら塩害に強いボディにするなど。
5.特殊用途のEVを製作したい。トンネルでの作業や建屋での運搬など、特殊車両はEV向き。
6.EVをローコストで体験したい。
7.高齢化社会での低速交通体系に適合した車両を設計・試作し、普及が可能か模索したい。
8.EV(Eco-Vehicle・Electric Car )試作を通じて、未来の交通体系の車両電化の意味を知りたい。
9.自作という趣味の世界でEVを楽しみたい。
10.部品故障が少ない点を生かして長持ちする車を作りたい。
11.作れた時の感動を共有したい。
12.自分好みのデザインの車で街を走りたい。
13.市販車の整備や故障時のサービスに対応する知見を得たい。
大阪府大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示のエコカー
大阪府大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示のエコカー
「ATCピロティ広場及びATC ビル周辺道路でエコカーの展示・試乗会」 のエコカー。いすゞ自動車 株式会社天然ガス車エルフ、大阪日野自動車 株式会社ハイブリッド車デュトロ ハイブリッド、株式会社スズキ二輪電動オートバイ e-Let's(イーレッツ)、ダイハツ工業 株式会社超低燃費車ミラ イース、トヨタ自動車株式会社プラグインハイブリッド車プリウスPHV、西日本三菱自動車販売 株式会社 電気自動車i-MiEV・電気自動車miniCAB MiEV、大阪市電気自動車i-MiEV、大阪府燃料電池車FCHV-adv 。
大阪府大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示のエコカー 。
電気自動車EVは50kW以上というような大きなパワーを消費するが、これは電気主任技術者による管理が必要とされる装置である。しかし、電気自動車ということで電気用品安全法の規制を受けない。
大阪府大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示の車椅子搭載可能なエコカー について、専門家からお話を伺った。この車椅子搭載可能なエコカー は、2年に一度開催される2013年第43回東京モーターショー に出品され、自動車の華やかさを競うだけでなく、福祉車両 の未来像を髣髴とさせた。
固形廃棄物処理 Solid Waste Management
大阪府大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示の廃棄処理モデル を環境経営・環境保全の視点で検討する鳥飼行博ゼミ学生 。
大阪市おおさかATCグリーンエコプラザ 展示のごみ処分場模型
鳥飼ゼミ大阪研修では、舞洲工場(破砕設備設置)(まいしまこうじょう) にも見学、聞き取りに出かけた。鳥飼ゼミ学生FD報告書に次のようにある。 舞洲工場 は,大阪市此花区のごみ処理,焼却施設として平成13年4月に竣工し,日に900tの焼却と170tの粗大ごみの処理が可能である。 焼却施設の可燃ごみは,焼却される燃焼前の約20分の1のかさの灰となり埋め立て処分地に送られ,焼却時に出た燃焼ガスは,ろ過式集塵機 でガス中の煤塵を除去し,ガス洗浄塔 で塩化水素,硫黄酸化物を除去されたのち脱硝反応塔 で窒素酸化物の除去が行われる。除去した煤塵は,加熱脱塩素化装置 で加熱され,煤塵に含まれるダイオキシン類を分解し,キレート処理により無害化される。工場内には,蒸気タービン発電機を備え,焼却炉の余剰蒸気を発電に利用しており,工場内だけでなく関西電力へ供給が4対6の割合で行われている。 不燃性の粗大ごみは,回転式破砕機 で15cm以下の小片に破砕され,可燃性粗大ごみは,低速回転式せん断破砕機 で約40cm以下の小片に切断される。回転式破砕機で破砕されたごみは,磁選機,アルミ選別機等で鉄,アルミを取り除き,低速回転式せん断破砕機で破砕されたごみは焼却される。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示のごみ処分場模型
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示のごみ処分場模型
小形充電式電池リサイクル
Rechargeable Battery Recycling
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示のJapan Portable Rechargeable Battery Recycling Center (JBRC) (東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館3F)の展示では、「JBRCは資源有効利用促進法に基づき、 小形充電式電池の回収・再資源化が義務付けられたメーカー約300社が共同でリサイクルを推進する団体です。全国約3万の協力店に設置したリサイクルBOXを通して、広く皆様へ充電池の回収を呼びかけています。」 JBRC出展物の地球環境との関連・貢献度・来場者へのPRには「身の回りのコードレス機器や防災設備にはニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池などの小形充電式電池が数多く使われ、これらには地球の希少な資源がたくさん含まれています。JBRCは充電池のリサイクル活動を通し循環型社会づくりに貢献しています」とある。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示の資源有効利用促進法に基づく小形充電式電池のリサイクル の展示。ここには、資源有効利用促進法に基づく小形充電式電池のリサイクル活動 を環境経営の一環として説明している。
Japan Portable Rechargeable Battery Recycling Center (JBRC:ジェイ・ビー・アール・シー) は小形充電式電池のリサイクル活動を共同で行う団体として、2001年施行「資源の有効な利用の促進に関する法律」(資源有効利用促進法)に基づき、小形充電式電池の回収・再資源化が義務づけられた小形充電式電池メーカーや同電池の使用機器メーカー、それらの輸入事業者など会員の小形充電式電池の回収・リサイクル を行う団体で、同年4月にスタートした。
website一般社団法人JBRC (ジェイ・ビー・アール・シー)概要に「2004年4月より、事業のさらなる充実をめざし有限責任中間法人 JBRCを設立し、同年12月には「廃棄物処理法・産業廃棄物広域認定」を取得。2008年12月の「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」施行に伴う中間法人法の廃止により、2009年6月に「一般社団法人JBRC 」に名称変更しました。JBRCに登録された全国のリサイクル協力店、協力自治体、リサイクル協力事業者等の回収拠点から、小形充電式電池を「資源有効利用促進法」に基づき回収し、再資源化を推進しています」とある。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示の小形充電式電池のリサイクル活動 の展示。小形充電式電池には、ニッケル (Ni) やカドミウム (Cd)、コバルト (Co) など希少な金属が使われている。2012年には電池1200トン回収している。その7割はニカド電池 。
ニカド電池 は、?最大500回程度の充電に耐えられる頑丈さがある、?安定した放電が連続で出来る、?大電流特性(負荷特性)、という長所がある。そこでコードレス電話、電動工具、シェーバー、非常照明に使われてる。しかし、自己放電による容量低下(一日放置していると電池が減少)が多く、電気が残っている状態で継ぎ足し充電をすると、本来の充電容量が減少してしまう「メモリー効果」が発生するといった欠点がある。また、有害物質のカドミウムが含まれている。そこで、使用料は減少しつつある。
非石油系パームオイル洗剤 Palm Oil Products
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示の1952年創業サラヤ (大阪市東住吉区湯里2-2-8)。設立1959年(昭和34年)、資本金4500万円、代表取締役社長:更家悠介 、従業員数は単体1065名うち正社員1135名、グループ全体1590名うち正社員1515名(2012年10月末日現在)。食中毒事故の予防対策である手洗い用石鹸から事業をスタート、営業品目は、家庭用及び業務用洗浄剤、消毒剤、うがい薬。
大阪府大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ のサラヤ は、環境経営に配慮して「いのちをつなぐSARAYA」として、次の2製品は売上の1%がボルネオ保全トラストに使用。
新ヤシノミ洗剤「ハッピーエレファント」:無香料・無着色で、洗浄成分はヤシノミ由来の植物性。洗った後の排水は微生物によって生分解される。
サラヤ 代表取締役社長:更家悠介 (1951年生まれ、1974年、大阪大学工学部卒)「当時は安価な石油系洗剤が市場の大半を占めていたので、値段が高い植物油を原料とするヤシノミ洗剤は、消費者にはなかなか受け入れてもらえませんでした。しかし、よい商品であることを信じ、地道に販売を続けていくうちに、販売が上向き始めました。洗剤による琵琶湖の汚染問題などがクローズアップされたこともあり、生分解性に優れ、環境に優しいヤシノミ洗剤のよさが、時代とともに理解されるようになってきたのです。」
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示されているサラヤ株式会社 の環境経営の一環として生まれたエコ商品、
自然派洗剤「ハッピーエレファント 」:天然の酵母によってパーム油 から天然洗浄成分「ソホロリピッド」を主成分にした100%非石油系洗剤。洗浄排水は、生分解され水質環境に負荷をかけない。原料は環境と人権に配慮したRSPO認証油だけを使用。2004年、ボルネオで"鼻にケガをした小象"に出会い、象やオランウータンが安心して暮せる森【緑の回廊】の実現と、本当に環境にやさしい植物原料(=持続可能なパーム油 )の使用を目指している。2012年、サラヤが次世代の自然派洗剤「ハッピー・エレファント」として発表。
熱帯林を伐採してパームオイルを採油するアブラヤシのプランテーションを拡張するのでは、パーム油原料の洗剤需要の拡大は、生物多様性減少となってしまうが、持続可能なパーム油生産ができれば、環境負荷は低く、森林保全にも寄与できるであろう。
水耕栽培の野菜工場 Hydroponic Farming Factory Business
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ が買い取り設置した野菜工場 では水耕栽培装置 によるリーフレタス (サニーレタス)が栽培されている。農薬被害や水質汚染がないという。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ の野菜工場 で水耕栽培装置 されるリーフレタス (サニーレタス)。光源には植物育成用LED照明パネル や植物育成用LEDパネルライト も生まれている。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ の食と環境ビジネス 。野菜工場 の水耕栽培装置 によってリーフレタス (サニーレタス)を栽培している。このような電気エネルギーを投入する野菜工場は、環境経営の一環、環境負荷低減に寄与するのであろうか。
世界の環境ラべリング
Ecolabeling Systems
大阪府 大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示の環境経営の象徴エコマーク
大阪府 大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示の環境経営の象徴エコマーク を見る鳥飼行博ゼミ。
大阪府 大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示されているタイのエコマーク 。鳥飼行博ゼミのタイ留学生たちにはエコマークも環境経営もお馴染みだった。
大阪府 大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示されているタイのエコマーク 。
大阪府 大阪市住之江区エコマーク 付商品
環境調和型商品 Earth Friendly Products
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示されている「エコ石鹸 」。2007年6月17日「リサイクル実験教室〜廃油せっけんを作ろう 〜」が開催された。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示されている「エコ紐 」。牛乳パックのリサイクル商品である「エコひも 」を使うと、分別の手間がかからない。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示されている流木製品 。木材資源の節約、廃棄物排出抑制につながると。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ展示されている廃プラスチックから生産された玩具
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示されているココナツ繊維や棕櫚製品 など植物性バイオ繊維を有効利用することで、廃棄も容易になる。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示されているリサイクル再生品。
ゴミ袋などに使われているポリエチレンフィルム 、すなわち、リニア低密度ポリエチレン (LLDPE)は、薄くても強度があり、耐熱性・耐寒性にも優れていることから、冷凍食品の包装、肥料袋など農業用資材にも広く利用されている。ポリエチレン (PE)は、LLDPEのバージン微粒原料を高温で溶かして、フィルム状にし加工する。しかし、100%再生プラスチックから作られた再生ポリハイもある。
大阪府大阪市住之江区 のコスモスクエア地区 のおおさかATCグリーンエコプラザ 展示されているリサイクル用インクカートリッジエコリカ回収ボックス
(株)エコリカ (2003年設立)は、リサイクルインクカートリッジ ではトップシェアを誇り、2011年10月1日現在で販売累計が8000万個を突破。インクカートリッジ全体で見ても、大手メーカーについで第3位の販売数量を達成。
「当時のプリンター用インクカートリッジというのは、プリンターメーカーの純正新品しかなく、消費者にとっての選択の余地はあまりありませんでした。しかし海外では、すでに再生インクカートリッジ というリサイクル品が商品として流通していました。インクカートリッジを1回だけしか使わず、インクがなくなったらゴミとして廃棄するというのは大変な資源のムダ使いではないかということで、何とかこれを海外のように再生利用できないかとエコリカ回収ボックス 考えたわけです」とある。 2009/6/8(月)より、りそな銀行 近畿2府4県(144店舗)に、チビデクー型回収BOXを設置している。
株式会社エコリカ 事業内容:使用済みのインクカートリッジをユーザーから回収し、これに自社開発インクを充填して販売し、不要になれば再度回収する。そこで使用済みインクカートリッジの回収 のために、家電量販店などに緑色の段ボール製「エコリカ回収ボックス 」を置いている。また、小型の回収ボックスを企業や団体にも設置、使用済みのインクカートリッジを着払いで回収センターに送っている。 回収箱は、最も小型の回収ボックス(W25×H20×D20cm)で約50個、一回り大きいボックス(W30×H31×D27cm)で約200個のカートリッジを入れることが可能。大型金属製のエコリカ回収ボックス は、日本全国の家電量販店に約6000から7000個が設置。2008年には年間2170万個のカートリッジを回収。
回収インクカートリッジ には壊れているもの、傷のあるものがるため、再生商品として販売されるのは回収全体の75%、数量にして約1627万個。このカートリッジ・リユースにより、約325.5tもの石油系資源を節約できる。 傷や損傷により再生化できない残り約24%のカートリッジは、粉砕して再生ペレットにすることで、運搬用のコンテナや輸送用のパレットとして再利用し、またプラスチックとして再利用できない約1%のカートリッジは熱エネルギーとしてサーマルリサイクル Thermal Recycleしている。
廃プラスチックから再生資源化されたカップ。大阪府住之江区アジア太平洋トレードセンター (大阪市住之江区南港北2-1-10)11階、おおさかATCグリーンエコプラザ展示場のクイズ形式スタンプラリーをして、景品に頂いた。
環境展示のパーフォーマンス Environmental Performance
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ でスタッフに世界のエコマーク の解説をしていただいている鳥飼行博ゼミ 学生たち。
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ 展示の段ボール椅子 のような紙製品は市販されている。
キレイスタイルエコマークゾーン出展費用
台上展示
Sサイズ(H300×W450×D450 以内) 31,000 円/年
Mサイズ(H600×W450×D450 以内) 62,000 円/年
Lサイズ(H1200×W450×D450 以内) 93,000 円/年
壁面展示
Sサイズ(H300×W450) 26,000 円/年
Mサイズ(H600×W450) 52,000 円/年
床置展示
LLサイズ(H1,200×W900×D750 以内) 188,000 円/年(消費税を除く)
大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ のフジワラ産業 (大阪市西区境川1丁目4番5)の展示。水処理製品および防災製品を開発・設計・製作・販売。 ■津波避難用タスカルタワー :高台避難が難しい沿岸部低地用のタワーで全国で20基以上の採用。 ■モノレール式 汚泥かき寄せ機 (水圧シリンダー駆動方式モノレール式汚泥かき寄せ装置):かき寄せ羽根が池底の汚泥をかき寄せる。
大阪府大阪市コスモスクエア地区おおさかATCグリーンエコプラザ におけるイトーヨーギョー 展示は、ライン導水ブロック の販売及び製造。ライン導水ブロック-F型 は、L型側溝の代替構造物として開発されたコンクリート二次製品で、路肩スッキリ、自転車道対応。
大阪府大阪市コスモスクエア地区おおさかATCグリーンエコプラザ における大阪ヒートアイランド対策技術コンソーシアム (理事長水野稔大阪大学大学院教授)の活動実績には、ヒートアイランド対策技術公開セミナー(平成24年6月1日)で都市・建物外装材の熱容量削減・外断熱化によるUHI緩和効果 の報告、検討部会( ワーキングループ)で素材関連、 熱有効活用・人工排熱低減、クールスポット創造技術手法 、熱負荷評価手法、都市デザインの各ワーキンググループの検討、?保水性舗装 、?外断熱SWG の検討、?高反射率塗料布面 における反射率の経年変化調査報告などが記載されている。
大阪府 大阪市住之江区のおおさかATCグリーンエコプラザ の中国領事館の環境展示 。おおさかATCグリーンエコプラザ では、2010年に次の中国の講演会 を開催している。
「中国政府の環境ビジネスの支援策」中華人民共和国駐大阪総領事館 経済商務室 室長
劉 雲清 氏 「中国の環境ビジネス振興のための香港の役割」香港貿易発展局 アシスタント・マーケティング・マネージャー リッキー・フォン 氏 「日中環境ビジネスの架け橋としての取組み」日本テピア 株式会社 代表取締役社長 劉 炳義 氏 「「東アジア低炭素共同体」の構築と日中協力―新規「大連(旅順)低炭素モデルパーク」
日中協力事業構想と政策ガイドラインの説明」立命館大学政策科学部 教授周 氏
大阪府 大阪市住之江区おおさかATCグリーンエコプラザ の中国領事館 の日中環境協力 関連の雑誌展示
鳥飼ゼミの大阪研修
Torikai Laboratory and Field Studies
大阪府 大阪市コスモスクエア地区おおさかATCグリーンエコプラザ の見学を終えた鳥飼行博ゼミ学生たち
大阪府 大阪市コスモスクエア地区アジア太平洋トレードセンター 11階におおさかATCグリーンエコプラザがある。
大阪府大阪市住之江区アジア太平洋トレードセンター のエレベーター
鳥飼行博ゼミは、大阪市住之江区 アジア太平洋トレードセンターの11階にある大阪環境産業振興センター (おおさかATCグリーンエコプラザ), ATCエイジレスセンターを訪問した。
東海大学鳥飼行博研究室 Torikai Laboratory and Field Studies
大阪市住之江区コスモスクエア地区 にあるアジア太平洋トレードセンター を訪問した鳥飼行博ゼミ
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◆大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。
『アジア地域コミュニティ経済学ーフィリピンの棚田とローカルコモンズ』 東海大学出版部、405ページ、2015年刊行
『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』 (多賀出版2007年):少子高齢化・ジェンダー,再生可能エネルギー,熱帯林,廃棄物輸出を分析しました。
『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』 (東海大学出版会2002年)と『CRUGE研究叢書 環境ネットワークの再構築 環境経済学の新展開』田中廣滋編 (中央大学出版部2001年)は「草の根民活論」の嚆矢です。
『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』 (東海大学出版会):「環境協力論」「開発経済学」「環境政策」のテキストで,難民,軍縮も扱っています。
『環境ネットワークの再構築−環境経済学の新展開』 田中廣滋編(中央大学出版部)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
『地球環境政策』 宇沢弘文・田中廣滋編著(中央大学出版部)の一章を担当し、南北格差を踏まえて、持続可能な開発に必要な環境政策を整理しました。
『ポスト福祉国家の総合政策−経済・福祉・環境への対応』 丸尾直美編著(ミネルヴァ書房)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
学習まんが 世界の伝記NEXT『ヘレン・ケラー:世界に希望の光をあたえた奇跡の人』 (集英社)を監修しました。
『学習漫画 サリバン先生』 (集英社2011年刊行)を監修し解説を書きました。アンの生い立ち、ヘレンケラーとのかかわりから、ノーマライゼーション提唱者としての先見性まで扱っています。
『写真ポスターから学ぶ戦争の百年−二十世紀初頭から現在』 (青弓社2008年刊行)では、二十世紀の戦争を扱い大量破壊、大量殺戮からプロパガンダまで扱いました。
『写真ポスターから見るナチス宣伝術−ワイマール共和国からヒトラー第三帝国』 (青弓社2011年刊行)では、暴力、テロによるナチ党政権奪取と戦争動員を解説しました。
◆開発途上国では、年配者でも地域コミュニティ では、家事労働と農作業という就労についている。他方、現代日本では「働く」という意味を、サラリーマンという外仕事の意味で使用し、老人は、労働力を提供しない「老齢従属人口 」として、扶養対象(従属人口) として認識されている。高齢者を「狭い範囲の労働」の概念で理解しようとすれば、老人は社会保障の問題 を引き起こす「厄介者 」となる。
◆ホームレスの自立の支援等に関する基本方針 (法第8条、平成15年7月31日、厚生労働省、国土交通省告示第1号)では、「ホームレスとなるに至った要因 としては、主として?就労する意欲はあるが仕事がなく失業状態 にあること、?医療や福祉等の援護が必要なこと、?社会生活を拒否していることの3つがあり、これらが複雑に重なりあってホームレス問題が発生していると考えられており、こうした中、最近の経済情勢の悪化、家族や地域の住民相互のつながりの希薄化、ホームレスに対する社会的な排除等が背景となって、ホームレス問題が顕在化してきたと指摘されており、こうした要因や背景を踏まえた総合的かつきめ細かなホームレス対策を講ずる必要がある」としている。
◆大阪ホームレス就業支援センター
(あいあいサポートセンター) は、「お仕事をお探しの皆さまへ」で次のように述べている。 就労支援の対象者は、府域4ヶ所にある自立支援センター で就労自立を目指している入所者、あいりん地域の日雇労働者で、NPO釜ケ崎支援機構 に登録している方、住居喪失不安定就労者(いわゆるネットカフェ難民 )の方でOSAKAチャレンジネット に登録して、安定した就労による生活の確立を求めて就職活動をしている人です。多くの方が就職支援セミナーや技能講習を受けています。
◆鳥飼行博ゼミ 。 大阪府の行政計画「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 」は、2002年8月制定の「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法 」第9条により、国の「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針 」を指針とし、府域のホームレスの状況などを踏まえたホームレスの自立を支援する施策を実施するために策定されたものである。
◆大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 の全国調査(2003年1月〜2月)によれば、全国のホームレス人数 は、2万5,296人と過去最多となり、都道府県全部でホームレスの人が確認されている。
地域別では、関東1万188人、近畿9,525人と突出しており、都道府県別では、大阪府 7,757人、東京都6,361人、愛知県2,121人、福岡県1,187人と続き、主要都市では、大阪市6,603人、東京23区5,927人、名古屋市1,788人、川崎市829人、横浜市470人と、都市部を中心にホームレスが観察される。
◆大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 を参考にすると、大阪府のホームレス数は、7,757人と全国最多である。地域別に見ると、大阪市ではホームレス自立支援 等の推進により2,057人減少した(平成13年調査8,660人)ものの、周辺地域では、逆に352人の増加(平成13年調査802人)となった。大阪市周辺部、特に大阪市隣接地域でのホームレス増加が顕著になっているのは、対策によって、ホームレスが従来いた地域から締め出されたためであろう。
◆「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 」の成果としては、2003年(平成15年)1月と2009年(平成21年)1月、厚生労働省 調査による大阪府全域のホームレス数を比較すると、6年間で3,455人(44.5%)が減少。うち大阪市を除く府域では576人(49.9%)が減少したという。
◆大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立の支援等に関する実施計画2004-2008(平成16年度〜平成20年度)2004年3月制定 では、「大阪市における野宿生活者の状況」を次のように述べる。
ホームレス(野宿生活者 )数は、全国では2万5,296人、都市別では、大阪市6,603人、、東京都23区5,927人、名古屋市1,788人で、都道府県別では、大阪府7,757人、東京都6,361 人、愛知県が2,121人となる。
生活実態調査の状況調査では、全国2,163人、大阪市508人(23.5%)から回答を得た。
◆大阪府大阪市野宿生活者(ホームレス)平均年齢 は、55.7歳(全国55.9歳)で、年齢階層別には「55〜59歳」が24.2%(全国23.4%)で最も多い。 野宿生活の状況は、86.8%(全国84.1%) は生活している場所が定まっている。直近の野宿生活になってからの期間が「1年未満」の人は、29.2%(全国30.7%)で、「1年以上3年未満」が23.1%(全国25.6%)で、3年以上が40%以上に達している。
大阪府大阪市野宿生活者(ホームレス)就業 については、調査対象者ホームレスの76.3%(全国64.7%)の人は、廃品回収等何らかの仕事に従事している。平均月収は「1万円以上3万円未満」38.3%(全国35.2%)、「3 万円以上5万円未満」18.9%(全国18.9%)で、5万円以上は40%以上に達する。
◆大阪府・市町村ホームレス自立支援推進協議会 のもと、府内全域で実施している巡回相談指導事業を通じて把握した、大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス586人の年齢構成(2008年3月末)は、70歳以上46人(7.8%)、60歳〜69歳 205人(35.0%)50歳〜59歳246人(42.0%)、40歳〜49歳71人(12.1%)、40歳未満18人 (3.1%)である。大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス654人について、性別は、男性628人(96.0%)、女性26人(4.0%)である。
大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 平成21年4月」のホームレスの実態に関する全国調査 によれば、大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス645人について、野宿期間が3年以上 の割合が全体の67.0%、1年以上3年未満22.6%、半年以上1年未満5.7%、半年未満4.7%で、ホームレス期間の長期化 がうかがわれる。これは、「野宿期間が短い場合は、必要な支援を受けることで比較的早期にホームレス状態を脱却する場合が多いのに対し、ホームレス状態が長期化すると固定化することによる」とされている。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 平成21年4月」のホームレスの実態に関する全国調査 によれば、大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス538人について、 就労の状況(平成18〜20年度の聞き取り)は、アルミ缶回収367人(68.2%)、廃品回収76人 (14.1%)、建設・警備40人(7.5%)、新聞配達・工場での業務その他55人(10.2%)である。 263人の月収(平成18〜20年度の聞き取り)については、「アルミ缶や廃品回収の場合、買い取りの相場や季節による変動もあることから、平均的な月収に換算した。詳細まで聞き取りできない場合も多かった」という。月収は1万円未満49人5万円未満(18.6%)、1〜2万円52人(19.8%)、2〜3万円63人(24.0%)、3〜4万円35人(13.3%)、4〜5万円21人(8.0%)、5万円以上43人(16.3%)であり、全体の約8割以上は月収5万円未満であり、生活状況は厳しい。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 平成21年4月」のホームレスの実態に関する全国調査 によれば、2009年1月現在、全国のホームレスは1万5,759人(2003年より▲9,537減少、▲37.7%減)、大阪府4,302人(2003年より▲3,455減少、▲44.5%減)、大阪市3,724人(2003年より▲2,879減少、▲43.6%減)である。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 」では次のようにホームレス対策の推進方策を打ち出している。 ホームレス対策は、ホームレスが自らの意思で安定した生活を営めるように支援することが基本である。このためには、就業の機会(建設業務労働者就業機会確保事業 )が確保されることが最も重要であり、併せて、安定した居住の場所(居住場所確保等支援状況 )が確保されることが必要である。その他、保健及び医療の確保(高齢者の医療の確保に関する法律 )、生活に関する相談及び指導(障害者職業生活相談員 )等の総合的な自立支援施策を講ずる必要がある。なお野宿生活を前提とした支援 については、恒常的に実施するものではなく、あくまで緊急的かつ過渡的な施策として位置付ける必要がある。
◆ホームレス・日雇い労働者の就業支援の方策として、職場体験講習 がある。この職場体験講習は、ハローワークに求職の申込みをした、35歳から59歳までの中高年を対象とした、会社で職場を体験する制度。この職場体験講習を受講すると、失業 保険の給付が終了している一般求職者には、職場体験講習受講奨励金 が支給される。 つまり、職場体験講習制度 によって、事業所で作業体験をして、就業に対する不安の解消、就業意欲の工場を図ることが期待されている。職場体験講習を実施して支給される奨励金は、次の通り。 職場体験講習制度 の事業主への奨励金は、1日〜4日5,000円、5日〜8日9,000円、9日〜12日1万4,000円、13日〜16日1万6,000円。
受講者への奨励金は、1日あたり定額で3,000円と交通費。
◆あいりん地域高齢日雇労働者特別清掃事 は、就労環境が厳しい高齢日雇労働者の雇用の安定と「あいりん労働福祉センター」の環境美化を図る目的で公益財団法人西成労働福祉センターが実施している。この事業は、大阪府の行政計画「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 」から補助事業として認められ、予算が支出されている。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画(平成21年4月) では、「巡回相談指導事業 の推進」を次のように述べる。 「大阪府・市町村ホームレス自立支援推進協議会のもと、府内全域で実施している巡回相談指導事業は、ホームレスの状況を把握し、その状況やニーズに応じた相談を行うなかでホームレス状態からの脱却を促し、経済的、社会的な自立を目指すために必要な支援の方策を検討していくもので、ホームレスの自立を支援する様々な取り組みの根幹となる事業であり、今後とも大阪市事業及び大阪府と市町村の共同事業として、積極的に推進していく。大阪府は事業の推進に必要な支援、連絡・調整を行う。 巡回相談指導事業では、市町村や公共施設管理者等と連携して新たなホームレスの発見、把握に努め、継続的に面談を行い、社会的な係わりを望まないホームレスも含めて信頼関係の構築を目指す。そのうえ、その状況やニーズを把握し、関係機関と連携、協力してホームレスの自立に必要な支援を行う。
◆ホームレスの実態に関する全国調査報告書の概要 (平成15年1月〜2月調査)によれば、路上(野宿)生活直前に就いていた仕事について、調査対象2,163人の職業、従業上の地位は次のとおりである。 職業:「建設作業従事者」733人(34.9%)、「建設技能従事者」426人(20.3%)、「生産工程・製造作業者」221人(10.5%)、「サービス従事者」187人(8.9%)、「販売従事者」90人(4.3%)。
◆ホームレスの実態に関する全国調査報告書の概要 (2012年)によれば、路上(野宿)生活ホームレスの数は、2012年の調査では9,576 人で、2007年の1万8,564人より4割減少している。これはホームレス自立支援施策や生活保護適用 などによる施策の効果と考えられるが、一方で路上には現れないが、慣習的な住居をもたないでネットカフェ や簡易宿泊所 などで寝泊まりしている人々や家賃滞納 でアパートから退去させられる寸前の人々、契約満了になれば会社の寮から退去しなければならない人々、病院退院 、刑務所退所 後に行き先のない人々など、いわゆる広義のホームレスは、むしろ拡大しているとの指摘もある。
◆大阪市市政生活保護の適用状況 によれば、生活保護受給の状況は、2013年6月現在、全国では 1,583,308世帯、 2,153,122人、保護率 1.69%。 大阪市では、118,356世帯、151,486人、保護率 5.65%、中でも大阪市西成区では、25,069世帯、27,789人、23.22%に達している。
大阪市の保護率が高い主な原因としては、
?失業率が高い:平成23年平均 大阪府 5.1%(全国 4.5%) ※岩手・福島・宮城県を除く数値 ?離婚率が高い:平成23年 大阪市 2.54‰(全国 1.87‰) ?高齢者世帯(とりわけ単身世帯)が多い:単身または高齢者夫婦の世帯の割合が全国平均より高い。大阪市 21.3% 全国 19.4%(うち単身世帯 大阪市 13.5% 全国 9.2%) 特に、西成区(あいりん地域)は、日雇労働者の高齢化による生活保護の増加が顕著で、労働者出身地別構成(平成20年度越年対策事業調査)は大阪市出身 30% 大阪府下出身 15% 他都道府県 55%と、他県からの流入者が多く、流入者が貧困状態にあるために、生活保護率が高まっているとされる。
◆ホームレスの実態に関する全国調査報告書の概要 (平成15年1月〜2月調査)によれば 1 全国のホームレスの数:2万5,296人(都道府県別人数は別紙参照)
(1) ホームレスの多い都道府県:大阪府(7,757人)、東京都(6,361人)、愛知県(2,121人)。
(2) ホームレスの多い市区:大阪市(6,603人)、東京都23区(5,927人)、名古屋市(1,788人)、川崎市(829人)、京都市(624人)、福岡市(607人)、横浜市(470人)、北九州市(421人)。 2 ホームレスが生活している場所:都市公園が 40.8%、河川が 23.3%、道路が 17.2%、駅舎が 5.0%、その他施設が 13.7%。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画 平成21年4月」のホームレスの実態に関する全国調査 によれば、大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス666人について、宿場所は公園34.1%、河川敷34.7%、その他31.2%である。その他の野宿場所は、国道・鉄道の高架下・道路敷 、駅舎などである。 ◆大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立の支援等に関する実施計画2004-2008(平成16年度〜平成20年度)2004年3月制定 では「野宿生活までのいきさつ 」を次のように述べる。
野宿生活直前の職業が建設関係者62.2%( 全国55.2%)であり、雇用形態が「日雇い」51.2%(全国36.1%)で、「常勤職員・従業員(正社員)」30.2%(全国39.8%)。 大阪のあいりん地域などの日雇労働市場(寄せ場)で就労・求職活動の経験がある人は50.4%(全国36.2%)でした。野宿生活に至った理由として、「仕事が減った」45.2%(全国35.6%)で、「倒産・失業」30.8%(全国32.9%)、「病気・けが・高齢で仕事ができなくなった」19.1%(全国18.8%)。また、野宿生活直前の居住形態が「簡易宿泊所( ドヤ)」24.7%(全国11.8%)。
◆大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立の支援等に関する実施計画2004-2008(平成16年度〜平成20年度)2004年3月制定 では、「健康状態」を次のように述べる。
身体の不調を訴えている人53.3%(全国値は47.4%)で、このうち、治療等を受けていない人77.5%( 全国68.4%)でした。障害者手帳 (障害者が福祉サービスを利用するのに必要な手帳)や療育手帳 (知的障害者が福祉サービスを利用する時に必要な手帳)などの各種福祉手帳を「今、持っている」3.0%(全国値は2.0%)、「以前持っていたがなくした」1.0% (全国0.9%)で、「障害はあるが、もっていない」4.2% (全国6.3%)であった。
◆大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立の支援等に関する実施計画2004-2008(平成16年度〜平成20年度)2004年3月制定 では、「自立に向けた今後の希望」を次のように述べる。
「きちんと就職して働きたい 」48.7%( 全国49.7%)で、「アルミ缶、雑誌集めなどの仕事で生活できるくらいの収入が得られればよい」、「行政からの何らかの支援を受けながら、軽い仕事をしたい」という人をあわせ64.3%( 全国64.9%)。「就職することはできないので、福祉を利用して生活したい」、「入院したい」と福祉援護 を望む人15.0%(全国値は8.3%)、「今のままでいい」という人は8.5%(全国13.1%)に過ぎない。
◆大阪市西成区役所「生活福祉資金[2012年6月5日] 」に次のような記事がある。 生活福祉資金貸付制度 は、低所得者、障害者または高齢者の世帯に対し、資金の貸付けと必要な相談支援を行うことにより、その経済的自立および生活意欲の助長促進ならびに在宅福祉および社会参加の促進を図り、安定した生活を送れるようにすることを目的とするものです。
対象:低所得者、障害者又は高齢者の世帯
内容:安定した生活を営むために、国と大阪府が資金を出し、低利で必要な資金をお貸しする貸付金制度で、大阪府社会福祉協議会が実施主体となっています。
種類:福祉資金、教育支援資金、総合支援資金、不動産担保型生活資金
相談先:各地域の民生委員 お申込み・問い合わせ先:各区保健福祉センター民生委員業務担当もしくは 大阪府社会福祉協議会 (06-6762-9474)へお問い合わせください。
◆鳥飼行博ゼミ 留学生の大阪研修FD報告書に次のようにある。 二日目の午前中、大阪にあるホームレスが集まっている有名な街を回りました。あいりん地区は南大阪の労働者の町である。バブル期には見曾有の好景気に沸き、日雇い労働者が十分にその自由な生活を維持している土壌があった。景気の良い頃には仕事と活気に溢れていたそうだ。日雇いの肉体労働者を求めるトラック、バスが停まり、集まってきた労働者に声をかける。労働者と賃金交渉し、成立すれば労働者はバスに乗り、その日の現場に連れていかれる。日銭を得た労働者は、その金で食事をとり、酒を飲み、眠る。そしてまた次の日には、職業安定所の前に行けば、日雇いの仕事が見つかる。あいりん地区にはいまでもたくさんの日雇い労働者がいる。 しかし、この不景気のため仕事は無く、生活保護者とホームレスが急増しているという。不況の今、その職業安定所の建物の周囲はホームレスのダンボールで埋め尽くされていた。犬を連れリアカーを引くオヤジさん、オヤジさんを乗せた車椅子を押すオヤジさん、道端に寝転ぶオヤジさんなど大勢集まっている。最初はオヤジさんたちが私たち外来の団体に対し、すごく警戒しました。ただ、私たちの本意が知って後、だんだん警戒心が無くなった、気分がよくなった、話が良くできました。今こそにある現実を目の前にして、当たり前のことなのですけど、それを現実として受け止めることしかできない自分の無力さ、非力さを感じたこと一生忘れません。
◆ホームレスに至る主要因 としては、?務めていた企業の倒産、リストラ、罷免による失業という就業会社側の要因、?仕事の減少・所得の低下という経済・雇用情勢の悪化というマクロ経済要因、?疾病、心身の障害・不安、借金・多重債務、家庭崩壊、社会適応能力の低下など個人的要因、?都市化、核家族化の進展、地域や家族で共に支え合う地域コミュニティ機能の低下など家庭・地域側の要因、が指摘できる。
◆大阪市西成区役所「生活保護費の不正受給者が逮捕されました(2013年9月20日) 」に次の記事がある。
大阪市では、生活保護行政 に対する市民の皆様の信頼を得るため、積極的に適正化の取組みを進めています。
この度、西成区在住の生活保護受給者 による不正受給が判明し、その内容が極めて悪質なものであったため告訴状を提出していたところ、被疑者が平成25年9月20日(金)に詐欺容疑のため逮捕されたとの連絡が浪速警察署よりありましたのでお知らせします。
被疑者は、平成22年10月から平成23年10月までの間及び平成24年6月から平成25年4月にかけて、生活保護を受給中であるにもかかわらず、親族より慰謝料名目の入金、車の売却代金及びアルバイトによる就労収入を得ていたことを隠し、未収入であると虚偽の申告を行い、保護費を受けとっていました。
不正受給は、違法行為であるとともに、生活保護行政 に対する市民の信頼を揺るがす行為であり許しがたいものです。大阪市として、今後も警察との連携を深め、生活保護行政 の適切な運営に向けて取組んでまいります。
・被害額 支給額328万732円のうち134万5,780円
(平成22年10月〜平成23年10月及び平成24年6月〜平成25年4月までの間)
◆河北新報ニュース2013年05月05日日曜日大阪・日雇い労働者の街 (下)暗躍 裏で求人 被災地へ/「地下水脈」通じ供給 によれば、「西成労働福祉センターの水面下では被災地への誘いがある」として次のような記事がある。
東日本大震災の被災地への労働者供給の実態に迫るため、2月中旬、国内最大規模の日雇い労働者市場がある大阪市西成区を訪れた。スポーツ紙を手に取り、求人欄の見出しに目が留まった。
「震災復興に力を!!」「東北中心の仕事です」。震災関連の求人が目立った。
スポーツ紙で同様の求人を見つけ、応募した50代男性がいた。昨年9月下旬、大阪市の建設業者に雇われ、仙台市の営業所へ。被災地で3日間、土木作業をした。男性は「仙台で震災復興を手助けし、金を稼ごうと思った。業者からは住民票などの証明書は要らず、健康であれば働けると言われた」と語る。
複数の労働者によると、この業者は就労を支援する財団法人「西成労働福祉センター」を通さず、震災関連の仕事を紹介している。地元では「非公式ルート」(建設業界関係者)とされる。業者は震災後、進出拠点として仙台営業所を設けた。仙台市内の労働者向け寮には200人近くがいるとみられる。
「震災から半年ぐらいたって、西成にもセンターを介さない震災関連の求人が出てきた」。日雇いを30年以上続けるベテラン労働者(68)は振り返る。センターでは震災関連の求人は少ない。非公式のあっせん業者が暗躍するのはなぜか。ベテラン労働者は読み解く。
「センターを通すと雇用条件を守っているか厳しくチェックされる。賃金不払いがあれば告発されるリスクもある。業者のうまみは少ない」
西成から被災地に通じていた労働の「地下水脈」。男性は震災が街に与えた影響として、年の瀬の異変を挙げた。昨年末からことし1月初めにかけ、街の簡易宿泊所は空室が目立ち、飲み屋は閑古鳥が鳴いた。例年なら年末年始は満室で、多くの労働者が飲み歩くという。
◆鳥飼行博ゼミ研修参加者FD報告
あいりん地区は,大阪市西成区,新今宮駅南側の地区で,あいりん労働福祉センター の他,簡易宿所 も有る。あいりん地区周辺は,自動販売機の商品,簡易宿所ともに比較的安く提供されるなどの特徴があり,あいりん労働福祉センターには,日雇い労働者が多く集まり,仕事の斡旋を受けている。日雇い労働者 は,日本各地からあいりん地区に来ており,自ら進んで日雇い労働者になる方がいるなど日雇い労働者になった理由も貧困だけとは限らないと思われる。また,あいりん地区は,山谷,寿町とともに日本の三大貧民窟とされ,治安が問題視されるが,理由を説明すれば,向こうから話しにくるなど心配は少なく,むしろ,態度が明確ではない時に危険があると思われる。
◆鳥飼行博ゼミ研修参加者FD報告
翌朝、ホテルを出てあいりん地区のあいりん労働福祉センター へ向かい、日雇い労働者にヒアリング調査を行った。私がヒアリング調査をした日雇い労働者は、新さんという方で、沖縄県の出身の55歳の男性である。彼は地元の高校卒業後、仕事のために東京都の山谷 、横浜市の寿町 と、いわゆる「ドヤ街」を転々としてきた。 彼は、あいりん労働福祉センター発行された雇用保険手帳 を見せてくれた。この雇用保険手帳 は、本籍地、名前、生年月日、顔写真が印字されてあり、あいりん労働福祉センターが斡旋している仕事を、日雇い労働者が1日働くと、スタンプが押され、ある一定の日数働くと、失業保険として支給されるシステムだと話してくれた。 日雇い労働者の中では、「雇用保険手帳 を持っているということは、働いて生活しているとこであり、働かずに飯を食べている生活保護を受給している人とは違う」と新田さんは力説していた。また、生活保護 というのは、高齢によって働けなくなった人 が受給するものだとも教えてくれた。 以前、生活保護の不正受給 が取り上げられていたが、受給する必要のない人が受給し、新さんのように受給すべき人が頑なに受給したがらないのは、理由がある。 私はあいりん地区に来るまで、マスメディアの影響で怖い・危ないという固定観念を抱いていた。また、日雇い労働者に対しても、怖い・何されるかわからない・怠惰に生活して人生に悲観している人たちと、勝手に思い込んでいたが、実際に、日雇い労働者の人と話してみて、無知な私にも保険制度や生い立ちを丁寧に話してくれ、コーヒーをご馳走してもらったり、腕相撲 を取ったりと、気さくで明るい人が多く、ここでも自分の思い込みや固定観念が変わった。 ヒアリング調査で新さんが、「金が入ると競馬や酒に消えることが多いが、やっぱり働いた金で飲む酒は最高に美味い 。」と話していた。私と生い立ちが全く違っても思うことは同じだと実感し、一番印象深かった。 その後、あいりん地区の近くの商店街で朝食を取った。周辺の定食屋、自動販売機は安く設定されており、所得の低い日雇い労働者がターゲットになっていると感じた。
また、三角公園給 でもヒアリング調査を行ったが、バラックが立ち並ぶ公園から地上300mと日本一の高さを誇るあべのハルカスビル が見えたので、貧富の差が諸外国と比べて低いとされている日本でも、貧富の差があるのだと、目に見えて実感した。
◆鳥飼行博ゼミFD報告書抜粋:「あいりん地区 では,行く前のイメージとして,少し怖いイメージ がありました。しかし,実際に行ってみた結果,理由を話し堂々としていれば,質問にもしっかりと答えてくれたり,向こうから話しかけてきてくれたり,恐ろしい場所ではない ことを認識する機会となりました。」