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◆大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、次の著作を参考にしてください。
『アジア地域コミュニティ経済学ーフィリピンの棚田とローカルコモンズ』東海大学出版部、405ページ、2015年刊行
『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』(多賀出版2007年):少子高齢化・ジェンダー,再生可能エネルギー,熱帯林,廃棄物輸出を分析しました。
『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』(東海大学出版会2002年)と『CRUGE研究叢書 環境ネットワークの再構築 環境経済学の新展開』田中廣滋編(中央大学出版部2001年)は「草の根民活論」の嚆矢です。
『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』(東海大学出版会):「環境協力論」「開発経済学」「環境政策」のテキストで,難民,軍縮も扱っています。
『環境ネットワークの再構築−環境経済学の新展開』田中廣滋編(中央大学出版部)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
『地球環境政策』宇沢弘文・田中廣滋編著(中央大学出版部)の一章を担当し、南北格差を踏まえて、持続可能な開発に必要な環境政策を整理しました。
『ポスト福祉国家の総合政策−経済・福祉・環境への対応』丸尾直美編著(ミネルヴァ書房)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
学習まんが 世界の伝記NEXT『ヘレン・ケラー:世界に希望の光をあたえた奇跡の人』(集英社)を監修しました。
『学習漫画 サリバン先生』(集英社2011年刊行)を監修し解説を書きました。アンの生い立ち、ヘレンケラーとのかかわりから、ノーマライゼーション提唱者としての先見性まで扱っています。
『写真ポスターから学ぶ戦争の百年−二十世紀初頭から現在』(青弓社2008年刊行)では、二十世紀の戦争を扱い大量破壊、大量殺戮からプロパガンダまで扱いました。
『写真ポスターから見るナチス宣伝術−ワイマール共和国からヒトラー第三帝国』(青弓社2011年刊行)では、暴力、テロによるナチ党政権奪取と戦争動員を解説しました。
◆ホームレスの自立の支援等に関する基本方針(法第8条、平成15年7月31日、厚生労働省、国土交通省告示第1号)では、「ホームレスとなるに至った要因としては、主として?就労する意欲はあるが仕事がなく失業状態にあること、?医療や福祉等の援護が必要なこと、?社会生活を拒否していることの3つがあり、これらが複雑に重なりあってホームレス問題が発生していると考えられており、こうした中、最近の経済情勢の悪化、家族や地域の住民相互のつながりの希薄化、ホームレスに対する社会的な排除等が背景となって、ホームレス問題が顕在化してきたと指摘されており、こうした要因や背景を踏まえた総合的かつきめ細かなホームレス対策を講ずる必要がある」としている。
◆大阪ホームレス就業支援センター
(あいあいサポートセンター)は、「お仕事をお探しの皆さまへ」で次のように述べている。 就労支援の対象者は、府域4ヶ所にある自立支援センターで就労自立を目指している入所者、あいりん地域の日雇労働者で、NPO釜ケ崎支援機構に登録している方、住居喪失不安定就労者(いわゆるネットカフェ難民)の方でOSAKAチャレンジネットに登録して、安定した就労による生活の確立を求めて就職活動をしている人です。多くの方が就職支援セミナーや技能講習を受けています。
◆鳥飼行博ゼミ。 大阪府の行政計画「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画」は、2002年8月制定の「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」第9条により、国の「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」を指針とし、府域のホームレスの状況などを踏まえたホームレスの自立を支援する施策を実施するために策定されたものである。
◆大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画の全国調査(2003年1月〜2月)によれば、全国のホームレス人数は、2万5,296人と過去最多となり、都道府県全部でホームレスの人が確認されている。
地域別では、関東1万188人、近畿9,525人と突出しており、都道府県別では、大阪府7,757人、東京都6,361人、愛知県2,121人、福岡県1,187人と続き、主要都市では、大阪市6,603人、東京23区5,927人、名古屋市1,788人、川崎市829人、横浜市470人と、都市部を中心にホームレスが観察される。
◆大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画を参考にすると、大阪府のホームレス数は、7,757人と全国最多である。地域別に見ると、大阪市ではホームレス自立支援等の推進により2,057人減少した(平成13年調査8,660人)ものの、周辺地域では、逆に352人の増加(平成13年調査802人)となった。大阪市周辺部、特に大阪市隣接地域でのホームレス増加が顕著になっているのは、対策によって、ホームレスが従来いた地域から締め出されたためであろう。
◆「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画」の成果としては、2003年(平成15年)1月と2009年(平成21年)1月、厚生労働省調査による大阪府全域のホームレス数を比較すると、6年間で3,455人(44.5%)が減少。うち大阪市を除く府域では576人(49.9%)が減少したという。
◆大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立の支援等に関する実施計画2004-2008(平成16年度〜平成20年度)2004年3月制定では、「大阪市における野宿生活者の状況」を次のように述べる。
ホームレス(野宿生活者)数は、全国では2万5,296人、都市別では、大阪市6,603人、、東京都23区5,927人、名古屋市1,788人で、都道府県別では、大阪府7,757人、東京都6,361 人、愛知県が2,121人となる。
生活実態調査の状況調査では、全国2,163人、大阪市508人(23.5%)から回答を得た。
◆大阪府大阪市野宿生活者(ホームレス)平均年齢は、55.7歳(全国55.9歳)で、年齢階層別には「55〜59歳」が24.2%(全国23.4%)で最も多い。 野宿生活の状況は、86.8%(全国84.1%) は生活している場所が定まっている。直近の野宿生活になってからの期間が「1年未満」の人は、29.2%(全国30.7%)で、「1年以上3年未満」が23.1%(全国25.6%)で、3年以上が40%以上に達している。
大阪府大阪市野宿生活者(ホームレス)就業については、調査対象者ホームレスの76.3%(全国64.7%)の人は、廃品回収等何らかの仕事に従事している。平均月収は「1万円以上3万円未満」38.3%(全国35.2%)、「3 万円以上5万円未満」18.9%(全国18.9%)で、5万円以上は40%以上に達する。
◆大阪府・市町村ホームレス自立支援推進協議会のもと、府内全域で実施している巡回相談指導事業を通じて把握した、大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス586人の年齢構成(2008年3月末)は、70歳以上46人(7.8%)、60歳〜69歳 205人(35.0%)50歳〜59歳246人(42.0%)、40歳〜49歳71人(12.1%)、40歳未満18人 (3.1%)である。大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス654人について、性別は、男性628人(96.0%)、女性26人(4.0%)である。
大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画平成21年4月」のホームレスの実態に関する全国調査によれば、大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス645人について、野宿期間が3年以上の割合が全体の67.0%、1年以上3年未満22.6%、半年以上1年未満5.7%、半年未満4.7%で、ホームレス期間の長期化がうかがわれる。これは、「野宿期間が短い場合は、必要な支援を受けることで比較的早期にホームレス状態を脱却する場合が多いのに対し、ホームレス状態が長期化すると固定化することによる」とされている。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画平成21年4月」のホームレスの実態に関する全国調査によれば、大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス538人について、 就労の状況(平成18〜20年度の聞き取り)は、アルミ缶回収367人(68.2%)、廃品回収76人 (14.1%)、建設・警備40人(7.5%)、新聞配達・工場での業務その他55人(10.2%)である。 263人の月収(平成18〜20年度の聞き取り)については、「アルミ缶や廃品回収の場合、買い取りの相場や季節による変動もあることから、平均的な月収に換算した。詳細まで聞き取りできない場合も多かった」という。月収は1万円未満49人5万円未満(18.6%)、1〜2万円52人(19.8%)、2〜3万円63人(24.0%)、3〜4万円35人(13.3%)、4〜5万円21人(8.0%)、5万円以上43人(16.3%)であり、全体の約8割以上は月収5万円未満であり、生活状況は厳しい。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画平成21年4月」のホームレスの実態に関する全国調査によれば、2009年1月現在、全国のホームレスは1万5,759人(2003年より▲9,537減少、▲37.7%減)、大阪府4,302人(2003年より▲3,455減少、▲44.5%減)、大阪市3,724人(2003年より▲2,879減少、▲43.6%減)である。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画」では次のようにホームレス対策の推進方策を打ち出している。 ホームレス対策は、ホームレスが自らの意思で安定した生活を営めるように支援することが基本である。このためには、就業の機会(建設業務労働者就業機会確保事業)が確保されることが最も重要であり、併せて、安定した居住の場所(居住場所確保等支援状況)が確保されることが必要である。その他、保健及び医療の確保(高齢者の医療の確保に関する法律)、生活に関する相談及び指導(障害者職業生活相談員)等の総合的な自立支援施策を講ずる必要がある。なお野宿生活を前提とした支援については、恒常的に実施するものではなく、あくまで緊急的かつ過渡的な施策として位置付ける必要がある。
◆ホームレス・日雇い労働者の就業支援の方策として、職場体験講習がある。この職場体験講習は、ハローワークに求職の申込みをした、35歳から59歳までの中高年を対象とした、会社で職場を体験する制度。この職場体験講習を受講すると、失業 保険の給付が終了している一般求職者には、職場体験講習受講奨励金が支給される。 つまり、職場体験講習制度によって、事業所で作業体験をして、就業に対する不安の解消、就業意欲の工場を図ることが期待されている。職場体験講習を実施して支給される奨励金は、次の通り。 職場体験講習制度の事業主への奨励金は、1日〜4日5,000円、5日〜8日9,000円、9日〜12日1万4,000円、13日〜16日1万6,000円。
受講者への奨励金は、1日あたり定額で3,000円と交通費。
◆あいりん地域高齢日雇労働者特別清掃事は、就労環境が厳しい高齢日雇労働者の雇用の安定と「あいりん労働福祉センター」の環境美化を図る目的で公益財団法人西成労働福祉センターが実施している。この事業は、大阪府の行政計画「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画」から補助事業として認められ、予算が支出されている。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画(平成21年4月)では、「巡回相談指導事業の推進」を次のように述べる。 「大阪府・市町村ホームレス自立支援推進協議会のもと、府内全域で実施している巡回相談指導事業は、ホームレスの状況を把握し、その状況やニーズに応じた相談を行うなかでホームレス状態からの脱却を促し、経済的、社会的な自立を目指すために必要な支援の方策を検討していくもので、ホームレスの自立を支援する様々な取り組みの根幹となる事業であり、今後とも大阪市事業及び大阪府と市町村の共同事業として、積極的に推進していく。大阪府は事業の推進に必要な支援、連絡・調整を行う。 巡回相談指導事業では、市町村や公共施設管理者等と連携して新たなホームレスの発見、把握に努め、継続的に面談を行い、社会的な係わりを望まないホームレスも含めて信頼関係の構築を目指す。そのうえ、その状況やニーズを把握し、関係機関と連携、協力してホームレスの自立に必要な支援を行う。
◆ホームレスの実態に関する全国調査報告書の概要(平成15年1月〜2月調査)によれば、路上(野宿)生活直前に就いていた仕事について、調査対象2,163人の職業、従業上の地位は次のとおりである。 職業:「建設作業従事者」733人(34.9%)、「建設技能従事者」426人(20.3%)、「生産工程・製造作業者」221人(10.5%)、「サービス従事者」187人(8.9%)、「販売従事者」90人(4.3%)。
◆ホームレスの実態に関する全国調査報告書の概要(2012年)によれば、路上(野宿)生活ホームレスの数は、2012年の調査では9,576 人で、2007年の1万8,564人より4割減少している。これはホームレス自立支援施策や生活保護適用などによる施策の効果と考えられるが、一方で路上には現れないが、慣習的な住居をもたないでネットカフェや簡易宿泊所などで寝泊まりしている人々や家賃滞納でアパートから退去させられる寸前の人々、契約満了になれば会社の寮から退去しなければならない人々、病院退院、刑務所退所後に行き先のない人々など、いわゆる広義のホームレスは、むしろ拡大しているとの指摘もある。
◆大阪市市政生活保護の適用状況によれば、生活保護受給の状況は、2013年6月現在、全国では 1,583,308世帯、 2,153,122人、保護率 1.69%。 大阪市では、118,356世帯、151,486人、保護率 5.65%、中でも大阪市西成区では、25,069世帯、27,789人、23.22%に達している。
大阪市の保護率が高い主な原因としては、
?失業率が高い:平成23年平均 大阪府 5.1%(全国 4.5%) ※岩手・福島・宮城県を除く数値 ?離婚率が高い:平成23年 大阪市 2.54‰(全国 1.87‰) ?高齢者世帯(とりわけ単身世帯)が多い:単身または高齢者夫婦の世帯の割合が全国平均より高い。大阪市 21.3% 全国 19.4%(うち単身世帯 大阪市 13.5% 全国 9.2%) 特に、西成区(あいりん地域)は、日雇労働者の高齢化による生活保護の増加が顕著で、労働者出身地別構成(平成20年度越年対策事業調査)は大阪市出身 30% 大阪府下出身 15% 他都道府県 55%と、他県からの流入者が多く、流入者が貧困状態にあるために、生活保護率が高まっているとされる。
◆ホームレスの実態に関する全国調査報告書の概要(平成15年1月〜2月調査)によれば 1 全国のホームレスの数:2万5,296人(都道府県別人数は別紙参照)
(1) ホームレスの多い都道府県:大阪府(7,757人)、東京都(6,361人)、愛知県(2,121人)。
(2) ホームレスの多い市区:大阪市(6,603人)、東京都23区(5,927人)、名古屋市(1,788人)、川崎市(829人)、京都市(624人)、福岡市(607人)、横浜市(470人)、北九州市(421人)。 2 ホームレスが生活している場所:都市公園が 40.8%、河川が 23.3%、道路が 17.2%、駅舎が 5.0%、その他施設が 13.7%。
◆大阪府(2009)「大阪府ホームレスの自立の支援等に関する実施計画平成21年4月」のホームレスの実態に関する全国調査によれば、大阪府域(大阪市内を除く)のホームレス666人について、宿場所は公園34.1%、河川敷34.7%、その他31.2%である。その他の野宿場所は、国道・鉄道の高架下・道路敷、駅舎などである。
◆大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立の支援等に関する実施計画2004-2008(平成16年度〜平成20年度)2004年3月制定では「野宿生活までのいきさつ」を次のように述べる。
野宿生活直前の職業が建設関係者62.2%( 全国55.2%)であり、雇用形態が「日雇い」51.2%(全国36.1%)で、「常勤職員・従業員(正社員)」30.2%(全国39.8%)。 大阪のあいりん地域などの日雇労働市場(寄せ場)で就労・求職活動の経験がある人は50.4%(全国36.2%)でした。野宿生活に至った理由として、「仕事が減った」45.2%(全国35.6%)で、「倒産・失業」30.8%(全国32.9%)、「病気・けが・高齢で仕事ができなくなった」19.1%(全国18.8%)。また、野宿生活直前の居住形態が「簡易宿泊所( ドヤ)」24.7%(全国11.8%)。
◆大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立の支援等に関する実施計画2004-2008(平成16年度〜平成20年度)2004年3月制定では、「健康状態」を次のように述べる。
身体の不調を訴えている人53.3%(全国値は47.4%)で、このうち、治療等を受けていない人77.5%( 全国68.4%)でした。障害者手帳(障害者が福祉サービスを利用するのに必要な手帳)や療育手帳(知的障害者が福祉サービスを利用する時に必要な手帳)などの各種福祉手帳を「今、持っている」3.0%(全国値は2.0%)、「以前持っていたがなくした」1.0% (全国0.9%)で、「障害はあるが、もっていない」4.2% (全国6.3%)であった。
◆大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立の支援等に関する実施計画2004-2008(平成16年度〜平成20年度)2004年3月制定では、「自立に向けた今後の希望」を次のように述べる。
「きちんと就職して働きたい」48.7%( 全国49.7%)で、「アルミ缶、雑誌集めなどの仕事で生活できるくらいの収入が得られればよい」、「行政からの何らかの支援を受けながら、軽い仕事をしたい」という人をあわせ64.3%( 全国64.9%)。「就職することはできないので、福祉を利用して生活したい」、「入院したい」と福祉援護を望む人15.0%(全国値は8.3%)、「今のままでいい」という人は8.5%(全国13.1%)に過ぎない。
◆大阪市西成区役所「生活福祉資金[2012年6月5日]」に次のような記事がある。 生活福祉資金貸付制度は、低所得者、障害者または高齢者の世帯に対し、資金の貸付けと必要な相談支援を行うことにより、その経済的自立および生活意欲の助長促進ならびに在宅福祉および社会参加の促進を図り、安定した生活を送れるようにすることを目的とするものです。
対象:低所得者、障害者又は高齢者の世帯
内容:安定した生活を営むために、国と大阪府が資金を出し、低利で必要な資金をお貸しする貸付金制度で、大阪府社会福祉協議会が実施主体となっています。
種類:福祉資金、教育支援資金、総合支援資金、不動産担保型生活資金
相談先:各地域の民生委員 お申込み・問い合わせ先:各区保健福祉センター民生委員業務担当もしくは 大阪府社会福祉協議会(06-6762-9474)へお問い合わせください。
◆鳥飼行博ゼミ留学生の大阪研修FD報告書に次のようにある。 二日目の午前中、大阪にあるホームレスが集まっている有名な街を回りました。あいりん地区は南大阪の労働者の町である。バブル期には見曾有の好景気に沸き、日雇い労働者が十分にその自由な生活を維持している土壌があった。景気の良い頃には仕事と活気に溢れていたそうだ。日雇いの肉体労働者を求めるトラック、バスが停まり、集まってきた労働者に声をかける。労働者と賃金交渉し、成立すれば労働者はバスに乗り、その日の現場に連れていかれる。日銭を得た労働者は、その金で食事をとり、酒を飲み、眠る。そしてまた次の日には、職業安定所の前に行けば、日雇いの仕事が見つかる。あいりん地区にはいまでもたくさんの日雇い労働者がいる。 しかし、この不景気のため仕事は無く、生活保護者とホームレスが急増しているという。不況の今、その職業安定所の建物の周囲はホームレスのダンボールで埋め尽くされていた。犬を連れリアカーを引くオヤジさん、オヤジさんを乗せた車椅子を押すオヤジさん、道端に寝転ぶオヤジさんなど大勢集まっている。最初はオヤジさんたちが私たち外来の団体に対し、すごく警戒しました。ただ、私たちの本意が知って後、だんだん警戒心が無くなった、気分がよくなった、話が良くできました。今こそにある現実を目の前にして、当たり前のことなのですけど、それを現実として受け止めることしかできない自分の無力さ、非力さを感じたこと一生忘れません。
◆ホームレスに至る主要因としては、?務めていた企業の倒産、リストラ、罷免による失業という就業会社側の要因、?仕事の減少・所得の低下という経済・雇用情勢の悪化というマクロ経済要因、?疾病、心身の障害・不安、借金・多重債務、家庭崩壊、社会適応能力の低下など個人的要因、?都市化、核家族化の進展、地域や家族で共に支え合う地域コミュニティ機能の低下など家庭・地域側の要因、が指摘できる。
◆大阪市西成区役所「生活保護費の不正受給者が逮捕されました(2013年9月20日)」に次の記事がある。
大阪市では、生活保護行政に対する市民の皆様の信頼を得るため、積極的に適正化の取組みを進めています。
この度、西成区在住の生活保護受給者による不正受給が判明し、その内容が極めて悪質なものであったため告訴状を提出していたところ、被疑者が平成25年9月20日(金)に詐欺容疑のため逮捕されたとの連絡が浪速警察署よりありましたのでお知らせします。
被疑者は、平成22年10月から平成23年10月までの間及び平成24年6月から平成25年4月にかけて、生活保護を受給中であるにもかかわらず、親族より慰謝料名目の入金、車の売却代金及びアルバイトによる就労収入を得ていたことを隠し、未収入であると虚偽の申告を行い、保護費を受けとっていました。
不正受給は、違法行為であるとともに、生活保護行政に対する市民の信頼を揺るがす行為であり許しがたいものです。大阪市として、今後も警察との連携を深め、生活保護行政の適切な運営に向けて取組んでまいります。
・被害額 支給額328万732円のうち134万5,780円
(平成22年10月〜平成23年10月及び平成24年6月〜平成25年4月までの間)
◆河北新報ニュース2013年05月05日日曜日大阪・日雇い労働者の街 (下)暗躍 裏で求人 被災地へ/「地下水脈」通じ供給によれば、「西成労働福祉センターの水面下では被災地への誘いがある」として次のような記事がある。
東日本大震災の被災地への労働者供給の実態に迫るため、2月中旬、国内最大規模の日雇い労働者市場がある大阪市西成区を訪れた。スポーツ紙を手に取り、求人欄の見出しに目が留まった。
「震災復興に力を!!」「東北中心の仕事です」。震災関連の求人が目立った。
スポーツ紙で同様の求人を見つけ、応募した50代男性がいた。昨年9月下旬、大阪市の建設業者に雇われ、仙台市の営業所へ。被災地で3日間、土木作業をした。男性は「仙台で震災復興を手助けし、金を稼ごうと思った。業者からは住民票などの証明書は要らず、健康であれば働けると言われた」と語る。
複数の労働者によると、この業者は就労を支援する財団法人「西成労働福祉センター」を通さず、震災関連の仕事を紹介している。地元では「非公式ルート」(建設業界関係者)とされる。業者は震災後、進出拠点として仙台営業所を設けた。仙台市内の労働者向け寮には200人近くがいるとみられる。
「震災から半年ぐらいたって、西成にもセンターを介さない震災関連の求人が出てきた」。日雇いを30年以上続けるベテラン労働者(68)は振り返る。センターでは震災関連の求人は少ない。非公式のあっせん業者が暗躍するのはなぜか。ベテラン労働者は読み解く。
「センターを通すと雇用条件を守っているか厳しくチェックされる。賃金不払いがあれば告発されるリスクもある。業者のうまみは少ない」
西成から被災地に通じていた労働の「地下水脈」。男性は震災が街に与えた影響として、年の瀬の異変を挙げた。昨年末からことし1月初めにかけ、街の簡易宿泊所は空室が目立ち、飲み屋は閑古鳥が鳴いた。例年なら年末年始は満室で、多くの労働者が飲み歩くという。
◆鳥飼行博ゼミ研修参加者FD報告
あいりん地区は,大阪市西成区,新今宮駅南側の地区で,あいりん労働福祉センターの他,簡易宿所も有る。あいりん地区周辺は,自動販売機の商品,簡易宿所ともに比較的安く提供されるなどの特徴があり,あいりん労働福祉センターには,日雇い労働者が多く集まり,仕事の斡旋を受けている。日雇い労働者は,日本各地からあいりん地区に来ており,自ら進んで日雇い労働者になる方がいるなど日雇い労働者になった理由も貧困だけとは限らないと思われる。また,あいりん地区は,山谷,寿町とともに日本の三大貧民窟とされ,治安が問題視されるが,理由を説明すれば,向こうから話しにくるなど心配は少なく,むしろ,態度が明確ではない時に危険があると思われる。
◆鳥飼行博ゼミ研修参加者FD報告
翌朝、ホテルを出てあいりん地区のあいりん労働福祉センターへ向かい、日雇い労働者にヒアリング調査を行った。私がヒアリング調査をした日雇い労働者は、新さんという方で、沖縄県の出身の55歳の男性である。彼は地元の高校卒業後、仕事のために東京都の山谷、横浜市の寿町と、いわゆる「ドヤ街」を転々としてきた。 彼は、あいりん労働福祉センター発行された雇用保険手帳を見せてくれた。この雇用保険手帳は、本籍地、名前、生年月日、顔写真が印字されてあり、あいりん労働福祉センターが斡旋している仕事を、日雇い労働者が1日働くと、スタンプが押され、ある一定の日数働くと、失業保険として支給されるシステムだと話してくれた。 日雇い労働者の中では、「雇用保険手帳を持っているということは、働いて生活しているとこであり、働かずに飯を食べている生活保護を受給している人とは違う」と新田さんは力説していた。また、生活保護というのは、高齢によって働けなくなった人が受給するものだとも教えてくれた。 以前、生活保護の不正受給が取り上げられていたが、受給する必要のない人が受給し、新さんのように受給すべき人が頑なに受給したがらないのは、理由がある。 私はあいりん地区に来るまで、マスメディアの影響で怖い・危ないという固定観念を抱いていた。また、日雇い労働者に対しても、怖い・何されるかわからない・怠惰に生活して人生に悲観している人たちと、勝手に思い込んでいたが、実際に、日雇い労働者の人と話してみて、無知な私にも保険制度や生い立ちを丁寧に話してくれ、コーヒーをご馳走してもらったり、腕相撲を取ったりと、気さくで明るい人が多く、ここでも自分の思い込みや固定観念が変わった。 ヒアリング調査で新さんが、「金が入ると競馬や酒に消えることが多いが、やっぱり働いた金で飲む酒は最高に美味い。」と話していた。私と生い立ちが全く違っても思うことは同じだと実感し、一番印象深かった。 その後、あいりん地区の近くの商店街で朝食を取った。周辺の定食屋、自動販売機は安く設定されており、所得の低い日雇い労働者がターゲットになっていると感じた。
また、三角公園でもヒアリング調査を行ったが、バラックが立ち並ぶ公園から地上300mと日本一の高さを誇るあべのハルカスビルが見えたので、貧富の差が諸外国と比べて低いとされている日本でも、貧富の差があるのだと、目に見えて実感した。
◆鳥飼行博ゼミFD報告書抜粋:「あいりん地区では,行く前のイメージとして,少し怖いイメージがありました。しかし,実際に行ってみた結果,理由を話し堂々としていれば,質問にもしっかりと答えてくれたり,向こうから話しかけてきてくれたり,恐ろしい場所ではないことを認識する機会となりました。」
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