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レイテ戦と神風特攻作戦発動

1944年神風特攻隊のフィリピン戦

フィリピンのアジアハイウェイ路線

公式報告書

各国便り「中国農村部における意図せざる環境保全」『かけはし』第94号、国際研修協力機構,4頁,2009年10月

各国便り「フィリピン」 『かけはし』第79号、国際研修協力機構,4頁,2007年4月

『アジア太平洋地域における人口・エネルギー・廃棄物 : アジア太平洋の地域コミュニティにおける個人経営体を重視した社会開発と環境保全 −科学研究費補助金基盤研究(C)(2)研究成果報告書 ; 平成15-17年度』東海大学印刷業務課,105頁,2006年3月

万城目正雄・鳥飼行博共著『開発途上国からの研修生等受入れに伴う実態調査:技能実習生フォローアップ(第6回)調査報告書』国際研修協力機構,75頁,2003年3月

『開発途上国の草の根民活論 : 人口・家内工業・廃棄物を巡って−平成13・14年度科学研究費成果報告書』東海大学印刷業務課,135頁,2003年3月

鳥飼行博・成家克徳・三好敏夫・万城目正雄共著『開発途上国からの研修生等受入れに伴う実態調査:技能実習生フォローアップ(第5回)調査報告書』国際研修協力機構,82頁,2002年3月

高橋彰・鳥飼行博他3名2番目共著『外務省国別評価報告書 フィリピン共和国』外務省経済協力局評価室,91頁,1999年3月

Japanese Evaluation Team (TAKAHASHI,Akira,and Yukihiro TORIKAI et al.) Evaluation of the Japanese Development Assistance toward the Philippines. Ministry of Foreign Affairs, pp.1-48, 1998/09,外務省

文部科学省・科学研究費補助金の報告書

1.アジア太平洋の地域コミュニティにおけるコモンズ管理と草の根民活論(2011)基盤研究(C)2010-2011
2.アジア太平洋の地域コミュニティにおける個人経営体を重視した社会開発と環境保全(2005)基盤研究(C)2003-2005

3.開発途上国における個人経営体と草の根の環境ODA(2002)基盤研究(C)2001-2002

4.開発途上国における個人経営体に対する草の根の環境ODA(2003)基盤研究(C)1998

5.開発途上国の小規模産業における雇用吸収力と経済援助(1993)奨励研究(A)1993

6.開発途上国の小規模産業における個人経営体のもつ雇用吸収力と経済援助(1992)奨励研究(A)1992

7.開発途上国の諸産業における契約形態についての理論的・実証的研究(1989)東京大学・特別研究員PD



「政府開発援助 : その現状と問題点:日本と欧州連合の場合」東海大学紀要. 教養学部 28,311-320,1998 (東海大学出版会/東海大学

「地球環境問題の実態」東海大学紀要. 教養学部 28,1998 (東海大学出版会/東海大学)

「工業化戦略の有効性 : 貿易と国際分業をふまえて」
Effectiveness of Industrial Policies in Developing Economies
東海大学紀要. 教養学部 28,1998 (東海大学出版会/東海大学)

「環境政策と開発戦略に関する研究」東海大学紀要. 教養学部 26,337-342,19950000(ISSN 03892018) (東海大学出版会/東海大学)

「地球環境問題とその対策 : リサイクル,環境税,国際環境規格,環境ODA」
Economics for Sustainable Development
東海大学紀要. 教養学部 26,1995 (東海大学出版会/東海大学)

「資本進出と経済介入に関する一考察 : 日本の朝鮮経営,ODA,海外直接投資,コンディショナリティーの功罪を巡って」
The Capital Flow to Developing Countries and Japan's Commitment
(東海大学紀要. 教養学部 25,69-94,1994(東海大学出版会/東海大学)

「国際資本移動の構造と冷戦後の世界 : 資本供給国としての日本の役割」
The Structure of Capital Flow and The Post-Cold War : Japan's Role as a Capital Supplier
東海大学紀要. 教養学部 24,1993 (東海大学出版会/東海大学)

「政府開発援助と開発途上国の雇用メカニズム」
Official Development Assistance and the Job Creation Mechanism in LDCs
東海大学紀要. 教養学部 23,1992 (東海大学出版会/東海大学)

「契約選択の経済学 : フィリピンにおける漁業契約の内容とその選択」
Economics of Contract Choice : Contracts of the Small-scale Fishing in the Philippines
東海大学紀要. 教養学部 21,1990 (東海大学出版会/東海大学)

日・フィリピン経済関係

日系企業の海外活動に当たっての環境対策 (フィリピン)

フィリピンにおける大気汚染削減とエネルギー政策

フィリピン>工業団地リスト

フィリピン日本人商工会議所 リンク集

フィリピン生活事情・物価の話

ジプニー (jeepney)

マニラで公共交通機関に電動ジープニー導入へ

環境にやさしいジープニー

待望のジープニー路線図が発売

マニラの排ガス対策:マニラ首都圏では、粒子状物質の21%、窒素酸化物の83%、一酸化炭素の99%、硫黄酸化物の12%が自動車の排気ガスによるものと推定(1990年調査)。

マニラ・オートサロン2009

ジープニーの車窓からフィリピン交通事情

昭和ゴム化学工業所

フィリピンで建築事業/東海工業

日東電工 | フィリピンに販売加工拠点を新設

フィリピン・セブ島及び沿岸域の水質汚染域 における生物生息環境回復事業

黒い斑点に汚れる海岸の石

平成17年度環境再生保全機構地球環境基金助成事業









【森林飽和 [ 太田猛彦 ]

【森林セラピーガイドブック [ 森林セラピーソサエティ ]

【Q&A農地・森林に関する法律と実務 [ 末光祐一 ]

 菌と世界の森林再生

【イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか [ 渡辺一夫(森林インストラクター) ]

【森林異変 [ 田中淳夫 ]

【森林・林業実務必携 [ 東京農工大学 ]

【全国森林鉄道 [ 西裕之 ]

【森林水文学 [ 森林水文学編集委員会 ]

【森林の崩壊 [ 白井裕子 ]






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◆フィリピン山村の柴刈り・薪採取とバイオマスエネルギー
柴刈り 1.コルディリェラ行政地方カリンガ州では、柴刈りで採取した再生可能エネルギーとして利用しています。
2.2009年のフィリピンの地域別一人当たり所得(1985年基準価格)をみると、全国平均は1万5528ペソに対して、メトロマニラ(Metro Manila:マニラ市と周辺市区)は4万838ペソと全国平均の2.6倍の高水準にあり、コルディリェラ行政地方(Cordillera Administrative Region:CAR)の一人当たり所得は、全国平均をやや上回る1万9007ペソである。それに対してミンダナオ島南部のムスリム自治区は3572ペソ(全国平均の23%)、ルソン島南部のビコール地方は7650ペソ(同49%)、中部ルソン地方は1万1636ペソ(75%)と半分程度の低い水準にとどまっている。
3.当研究室では,2013年3月と8月に聞き取り調査をしたカリンガ(Kalinga)州山村のバイオマスエネルギーを解説します。
4.写真解説一覧ブツブツの鍛冶屋柴刈り・薪採取とバイオマススモーキーマウンテン箒作り家内工業2014年廃棄物処分場ゼミ研修2015年マニラのスラム街ゼミ研修箒材料タイガーグラスの収穫も参照。

フィリピン北部カリンガ州

 Kalinga Province

 
 


















フィリピンカリンガ州

Cordillera Administrative Region


ウマの棚田
フィリピン共和国コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))には、アブラ州/アパヤオ州/ベンゲット州/イフガオ州/カリンガ州/マウンテン州の6州がある。2010年人口センサスによると、CAR人口は1,616,867人。

1995年にUNESCO世界遺産に登録されたイフガオ州の棚田は、標高700から1500メートルに広がっている。イフガオ州の79%、面積にして19万8246ヘクタールが、山岳コミュニティに属し、棚田は面積1万7138ヘクタールである。渓谷の上から下まで階段状に広がる棚田は、壮大な景観であるが、近世の政治権力者が資金を投じて、住民を動員して行った大規模な開墾の結果できたものではなく、歴史的に中世あるいは古代からの歴史を持つという。 水田
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作る家内工業世帯のある集落。2013年3月撮影。
カリンガ州樹木
ルソン島北部のコルディリェラ行政地方は、言語、文化の点でフィリピン独自の地位が認められている。地方政府として、独自の議会、条例が認められている。

フィリピンコルディリェラ行政地方Cordillera Administrative Regionの中心都市バギオ(Baguio)から、カリンガ(Kalinga)州の州都タブクまで、国道で結ばれているが、山岳地では未舗装の国道も残っている。

カリンガ州

Kalinga Province


ウマ
コルディリェラ行政地方(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村ウマでは、箒を作り、タブック市などに売り現金収入を得ている。
カリンガ州ウマ
カリンガ(Kalinga)州山村ウマでは、平地が少ないが、棚田で米作が行われている。チコ川上流には、世界遺産バナウェ・ライステラスがある。
ウマの集落

Uma, Kalinga Province



家1
ルソン島北部コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマの木造家屋。傾斜地では箒の材料のタイガーグラスが栽培され、棚田の田植えが段落した農閑期の3月、タイガーグラス(Tiger Grass)刈取り、収穫の作業が行われている。

コルディリェラ行政地方の一人当たり所得は、全国平均を若干上回っていて、一見すると山岳地とはいっても貧困地域ではないようにみえる。しかし、2010年のコルディリェラ行政地方の産業別域内生産は、製造業の比率が42.2%と全国平均の21.0%よりも遥かに高く、金、銅、銀といった鉱業の比率も3.2%と全国平均の1.5%よりも高い。つまり、産業部門構成比から見て、労働生産性の高い部門の比率が高く、地域の一人当たり所得が押し上げられている。 家ウマ
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村ウマでは、木造家屋が主流。屋根は、GIと呼ばれるトタン板で、茅葺屋根はほとんど姿を消している。産業としては、棚田での稲作、ホウキの材料のタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena maxima)栽培がおこなわれている。
家1
コルディリェラ行政地方(Cordillera Administrative Region (CAR)) カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマでは、棚田の稲作、ホウキの材料のタイガーグラス(Tiger Grass:Thysanolaena maxima)栽培が生業の中核。

フィリピン山村のタイガーグラス収穫作業の写真解説を見る。

里山

 Mountain Forest

 
子供柴刈り
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村のウマでは、民生エネルギーの大半を、バイオマス、特に薪用木材(woods)が占めている。薪を集める柴刈り作業は、子供から大人、老人まで、男女別なく行われる。また、このほか小学校教育、稲作、箒作りについて、聞き取り調査を行った。2013年8月撮影。
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村ウマの棚田の奥には、里山があり、そこで家庭調理用の薪を集めている。ナタで、直径2-3センチの枝や小木、いわゆる柴(しば)を刈る。 柴刈りは、斧、マサカリ、木挽き(のこぎり)などを用いる樹木伐採とは異なる。
子供柴刈り hspace=10
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))のカリンガ州チコ川渓谷にあるルブアガン町ウマで。バイオマスエネルギー(Biomass Enrgy)(特に柴刈り、薪採取)の現場を実際に目にすることは容易ではない。森林の中は視界が狭く、山道しかないため、里山のどこで柴刈りが行われているのかが分からないからである。ここでは、子供が柴刈りをしているので、集落から徒歩上り15分ほどで、すぐ近くにトウガラシ畑、棚田があった。2013年8月撮影。
子供柴刈り
子供の柴刈り作業。家庭で使う薪、すなわち木質バイオマスを集めている。 子供柴刈り
コルディリェラ行政地方はルソン島山岳地域で海に面していない内陸地。棚田、タイガーグラス栽培が生業で貧しい地域であり、電気、ガスなどエネルギー関連インフラは未整備。
子供柴刈り hspace=10
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村ウマには、道路沿いは電化されているが、奥の集落には送電されていない。調理には、薪炭など木質バイオマスをエネルギーとすることが多い。 ウマは、傾斜地が多く、棚田の稲作、箒の材料のタイガーグラス栽培が行われている。

大人柴刈り

firewood collection areas


柴刈り
カリンガ州ウマでは、薪用木材(fire woods)の採取のため、柴刈りをする。上記の子供たちの父親で、親子で仕事をしている。2013年8月撮影。

フィリピンの2009年の一次エネルギー総供給(TEPS)は、石油換算3884万トンで、エネルギー源別構成比は、石炭15.2%、石油(原油とそれから生成した石油製品)33.5%、天然ガス8.3%、水力2.2%、地熱・太陽22.9%、バイオマス(廃棄物を含む)17.9%であって、地熱と固形バイオマス(solid biomass) 薪炭など木質バイオマスが中心)を合わせた再生可能エネルギーが4割に達している。 柴刈り
ルソン島北部コルディリェラ行政地方(Cordillera Administrative Region (CAR))カリンガ州山村ウマの棚田の周囲に山林があり、そこを里山として、薪用木材(firewood)柴刈りをしている。
水田での仕事であれば、探しやすいが、里山の柴刈りは、どこで、いつ行うかが未定であり、視界が悪く、現場に至るのは困難である。
柴刈り
コルディリェラ行政地域(Cordillera Administrative Region (CAR))における、薪用木材(firewood)柴刈り

フィリピンでは、民生・産業部門におけるバイオマスエネルギー利用が盛んであるが、この利用形態は、バイオマス発電のような電気利用(バイオマスの間接利用)ではなく、木質バイオマス(薪や柴)や農業廃棄物(もみ殻やサトウキビの絞り粕のバガス)などなど、固形バイオマスを燃焼した熱の直接利用である。 柴刈り
コルディリェラ行政地方はルソン島山岳地域で海に面していない内陸地で、主要なエネルギーは木質バイオマス(薪や柴)。薪用木材(firewood)を集める柴刈りをしている。

フィリピンでは、国土面積約3000万ヘクタール(日本の8割)の34%、1020万ヘクタールが農地とされるが、実際には1410万ヘクタールが充てられ、100万ヘクタールが農業経営上不利な限界農地とされている。この限界農地のコルディリェラ行政地方の代表事例が、棚田である。棚田での稲作では、伝統的に多品種が栽培されており、標高1300メートルを超える棚田でも、日当たり、水供給など条件の整った場所では、二期作も行われている。畑作は、水の得にくい土地、棚田と棚田を結ぶ急傾斜地、家の周囲に開かれており、インゲン豆など豆類、タロイモ・サツマイモ(カモテ)などイモ類、トウモロコシなどを栽培している。
父親の柴刈り

Firewood Collection

柴刈り
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町の山村ウマは、渓谷の斜面にある。水田・畑地は少ないが、森林が広がっているために、薪用木材(firewood)集めの柴刈りは近くの里山で行うことができる。子供二人も柴刈りを手伝い、妻はバナナ栽培地の整備、トウガラシ収穫を行っていた。 タイガーグラス(Tiger Grass)を栽培しての箒生産も行われている。
柴刈り
コルディリェラ(Cordillera)行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町の山村ウマ、柴刈りをする男性。2013年8月撮影。

再生可能エネルギーは、自然エネルギー(水力を含む)も固形バイオマス(solid biomass)も太陽からのエネルギーを直接的あるいは間接的に利用することで、仕事ができるようになる。この場合、自然と生物とは、同一の源からエネルギーを得ているのであって、太陽の核融合反応の持続性を引継いでいる点は共通している。 柴刈り
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマは、山林の中にある集落で、薪用木材(fire woods)、建築資材など木材資源にめぐまれている。けれども里山での柴刈りで集めた固形バイオマス(solid biomass)を山林から集落まで運搬するのは、体力が必要である。
柴刈り
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州は面積3,231.25 km²、人口密度は 62.4人/km²。 山村ウマでは薪用木材(firewood)として柴刈りをする。使うのは、片手に持っているナタ(フィリピン語ボロ)で、チェーンソー(電動のこぎり)はもちろん、斧やマサカリも使用しない。
親子供柴
カリンガ(Kalinga)州山村ウマ、父と子で家庭で使う調理燃料の薪用木材(fire woods)を、柴刈りで集めている。再生可能エネルギーの実情を見ると、決して、発電部門だけに焦点を絞ることはできないが、「先端技術を用いたクリーンエネルギー」という一般的なイメージの代表として、電気エネルギーが、次の理由で注目される。
?電気エネルギーの利用用途の広さという汎用性
?スイッチ一つで操作できるという簡便性
?利用にあたって廃棄物や汚染が生じないというクリーン性(清潔感)
対照的に、薪炭のような直接燃焼する利用方法は、煤煙、燃殻による室内の汚れ、汚染の問題を引き起こす。つまり、薪炭など固形バイオマスの直接燃焼は利用空間の汚れを伴うのであって、「クリーンエネルギー」ではない。電気エネルギーには、生産拠点ではともかく、利用空間では清浄であり、その意味で「クリーンエネルギー」といえる。
柴刈り
コルディリェラ(Cordillera)行政地方カリンガ州ルブアガン町の山村ウマ。里山での柴刈り薪用木材(firewood)集めをするが、足場は悪く、道路事情もよくない山村であり、木材を集落まで運搬するのも楽ではない。2013年8月撮影。
柴
カリンガ州ウマ。里山での柴刈りで集めた薪用木材(fire woods)を採取する子供たち。

 世界の主流となる再生可能エネルギーは、固形バイオマスであり、これは、開発途上国の家計で薪炭が調理・暖房用に利用され、伝統的バイオマスエネルギーが普及していることを反映している。決してバイオマス発電はバイオマスの主流利用形態ではない。
カリンガ(Kalinga)州山村で、薪用木材(wood)を、柴刈りして集めている。子供二人も手伝い、妻はバナナ栽培地の整備、トウガラシ収穫を行っていた。 柴刈り
フィリピンCARカリンガ州ルブアガン町ウマの柴刈り。
2008年の日本の再生可能エネルギーは、水力発電が8.3万ギガワット時で73.5%を占め、固形バイオマス発電1.5万ギガワット時(13.3%)、廃棄物発電(一般廃棄物と産業廃棄物)7039ギガワット時(6.5%)で、太陽光発電2251ギガワット時(2.0%)、風力発電2623ギガワット時(2.3%)は、地熱発電(2.4%)以下の水準でしかない。したがって、一般的に注目を集めている太陽光、風力は、急増しているとはいっても、再生可能エネルギーにかかわる発電にあっても、5%に満たない。 切り株
コルディリェラ行政地方ルブアガン町ウマにおける、薪用木材(fire woods)を採集した。細い樹齢2−3年程度の木を伐採した。

バイオマス(Biomass)比率が低い先進工業国でも,化石燃料価格の高騰、再生可能エネルギーの普及促進政策から、近年、バイオマスの利用が拡大し、2007年の欧州のバイオマス比率5.6%は2001年の3.9%より格段に上昇している。

コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町上ウマの主要エネルギーは、竈に使う薪である。この薪は、里山での柴刈りで集めたもの。切り出した直後の木材には水分が多量に含まれている。そこで、乾燥させるために、木を割いて天日に干す。調理する囲炉裏の上も、熱気流があるため薪を乾燥させやすい。

木材運び

Tips for collecting firewood


お年寄り木材運搬
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町の山村上ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少なく、貧困地域である。フィリピンの社会福祉、老人年金も整っておらず、生活維持のたえには、高齢者でもできる仕事を果たすしかない。棚田の田植えが終わった農閑期でも、木材(woods)を運ぶ仕事をする老人。
お年寄り木材運搬1 カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町上ウマ、老人が、40キロ以上の薪用木材(fire woods:焚き木)を担いで、山を下ってきた。裸足だった。運動靴を履いている人は少なく、ゴム草履、ゴムの長靴、あるいは裸足が普通。
木材運搬
コルディリェラ行政地方 カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町上ウマは、7−9月は雨季で、山道は滑りやすいが、森林における薪採取柴刈りは、一年を通して行わなければならない仕事である。傾斜地では、タイガーグラスが栽培されているが、その収穫作業は、3-4月までの乾季に行われる。
薪はこび1
コルディリェラ行政地方 カリンガ州カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町上ウマにおけるバイオマスエネルギー(Biomass Enrgy)薪用木材(firewood)の採取、運搬は通年作業である。
薪はこび2 hspace=10
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町上ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少なく、道路もないため、薪用木材(firewood)の運搬はすべて人力で行う。山村では、お年寄りも薪運び、バナナ運びから農作業、箒作り、水汲み、食器洗い、食用巻貝収集など仕事をしている。

木材運び
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町上ウマにおける木材(woods)の運搬。薪採取柴刈りは、通年にわたって行われる。
薪はこび3
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、木材(woods)の運搬はすべて人力で行う。
ロコン木材運び
コルディリェラ行政地方カリンガ州山村ロコン、木材(wood)の運搬はすべて人力で行う。2013年3月撮影。

山村ウマの薪運び

Collecting Firewood


木材はこび1ウマ
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ないために木材(wood)の運搬はすべて人力で行う。 木材運び2 hspace=10
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町西ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ない。山林で木材(wood)を切りだし、薪に加工する世帯を聞き取り調査した。
木材はこび2ウマ
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ないため、固形バイオマス(solid biomass)である木材(wood)の運搬はすべて人力で行う。 木材はこび水田ウマ
コルディリェラ行政地方カリンガ州山村ウマでは、木材(woods)の運搬はすべて人力で行う。

木材きる
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ない。山林で木材(wood)を切りだし、薪に加工する世帯を聞き取り調査した。 薪きり1
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州山村ウマで、木材(woods)を薪に加工する世帯を聞き取り調査した。
薪きり1
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマは、渓谷の斜面にあり、平坦な土地は少ない。山林で木材(wood)を切りだし、薪に加工する世帯を聞き取り調査した。
柴運び

Carrying Firewood

柴はこび
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町の山村ウマは、渓谷の斜面にある。水田・畑地は少ないが、森林が広がっているために、薪用木材(firewood)集めの柴刈りは近くの里山で行うことができる。子供二人も柴刈りを手伝い、妻はバナナ栽培地の整備、トウガラシ収穫を行っていた。 タイガーグラス(Tiger Grass)を栽培しての箒生産も行われている。
柴はこび
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町の山村ウマ、柴刈りをする男性。2013年8月撮影。

柴はこびコルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町にをはこぶ。
再生可能エネルギーは、自然エネルギー(水力を含む)もバイオマスエネルギーも太陽からのエネルギーを直接的あるいは間接的に利用することで、仕事ができるようになる。この場合、自然と生物とは、同一の源からエネルギーを得ているのであって、太陽の核融合反応の持続性を引継いでいる点は共通している。 柴はこび
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマは、山林の中にある集落で、薪用木材(fire woods)、建築資材など木材資源にめぐまれている。けれども里山での柴刈りで集めた薪を山林から集落まで運搬するのは、体力が必要である。
柴はこび
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州は面積3,231.25 km²、人口密度は 62.4人/km²。 山村ウマでは薪用木材(firewood)として柴刈りをする。使うのは、片手に持っているナタ(フィリピン語ボロ)で、チェーンソー(電動のこぎり)はもちろん、斧やマサカリも使用しない。
柴はこび コルディリェラ行政地方ルブアガン町にをはこぶ。
柴はこびコルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町にをはこぶ。
薪割り

Cutting Firewood

薪割り1
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町の山村ウマの薪割り薪用木材(firewood)を集め、柴刈りは近くの里山で行う。
薪わり2
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町の山村ウマ、薪割りをする男性。2013年8月撮影。 薪わり3乾燥
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町の山村ウマ、薪割りした後、薪が乾きやすいように直方体の形状に組んで置いている。広い空間であれば、並べておけるが、家屋の密集している村落内であるため、省スペース化している。 2013年8月撮影。

男の薪割り

Cutting Firewood


薪割り0
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの山林で木材(wood)を切りだし、薪に加工する世帯を聞き取り調査した。
薪割り1
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマで、。薪採取柴刈りをする。そして、薪用木材(fire woods:焚き木)を割って乾燥しやすいように加工する。
薪割り2
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。薪用木材(firewood:焚き木)を作る。2013年3月撮影。
薪割り2
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。薪用木材(firewood:焚き木)を作る。2013年3月撮影。
薪割り3
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。薪用木材(firewood:焚き木)を作る。2013年3月撮影。
薪割り4
コルディリェラ行政地方カリンガ州ティンラヤン町ロコン。薪用木材(firewood:焚き木)を割るバランガイ財務役ドゥマヤグ氏。2012年8月撮影。

薪のある家

Firewood and House


ダナナオ薪のある家
聞き取りをしたカリンガ(Kalinga)州ティンラヤン山村ロコンの朝。建築用の板材、里山での柴刈りでは薪を集め、薪用木材(firewood)とする。 薪のある家
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ポブラシオン。薪用木材(firewood:焚き木)を保管している家屋がみえる。2013年8月撮影。
ドヤアス薪のある家
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマ。薪用木材(firewood:焚き木)を大量保管している家屋。家の周囲には、里山の柴刈りで集めた薪が置かれている。雨のかからない庇の下で乾燥させている。 2013年8月撮影。
ダナナオ薪のある家
聞き取りをしたカリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマ。里山での柴刈りで集めた薪用木材(firewood)を庭先に並べて天日乾燥する。 ウマ下薪加工
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。薪割り(Wood Splitting)とは、ナタで小枝の樹皮を剥いだり、枝を細く割ったりする地道な作業である。

薪の加工1

Freestyle Wood Splitting


加工1
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマ、里山での柴刈りで集めた薪用木材(firewood:焚き木)を乾燥させ、燃えやすいように細く加工している。2013年8月撮影。
加工2
カリンガ州ルブアガン町ウマ。 里山での柴刈りで集めた薪用木材(firewood:焚き木)を乾燥させ、燃えやすいように細く加工している。2013年8月撮影。
加工3
カリンガ州ルブアガン町ウマ。 里山での柴刈りで集めた薪用木材(firewood:焚き木)を乾燥させ、燃えやすいように細く加工している。2013年3月撮影。
加工
カリンガ州ルブアガン町ウマ。 里山での柴刈りで集めた薪用木材(firewood:焚き木)を乾燥させ、燃えやすいように細く加工している。2013年3月撮影。
加工
カリンガ州ルブアガン町ウマ。 里山での柴刈りで集めた薪用木材(firewood:焚き木)を乾燥させ、燃えやすいように細く加工している。2013年3月撮影。
加工
カリンガ州ルブアガン町ウマ。 里山での柴刈りで集めた薪用木材(firewood:焚き木)を乾燥させ、燃えやすいように細く加工している。2013年3月撮影。
コーヒー加工
カリンガ州ルブアガン町ウマ。 里山での柴刈りを調査中に、薪加工をしている世帯からコーヒーをいただいた。ここでとれたコーヒー豆を乾燥させ、皮をむいて臼でついて粉にするカリンガ・コーヒー。2013年3月撮影。

薪の加工2

Freestyle Wood Splitting


ドヤアス1
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマ、里山での柴刈りで集めた薪用木材(firewood:焚き木)を乾燥させ、燃えやすいように細く加工している。2013年3月撮影。
ドヤアス2
カリンガ州ルブアガン町ウマ。 里山での柴刈りで集めた薪用木材(firewood:焚き木)を乾燥させ、燃えやすいように細く加工している。2013年3月撮影。
ドヤアス3
カリンガ州ルブアガン町ウマ。薪割りの作業。これには、
?樹皮をはいだり、細くして乾燥させやすくする、
?小型にして室内で扱いやすくする、
?少量ずつくくべる火力を調節しやすくする、
といった目的がある。 ドヤアス4
聞き取りをしたカリンガ州ウマ。薪割り(Wood Splitting)の作業。これには、
?樹皮をはいだり、細くして乾燥させやすくする、
?小型にして室内で扱いやすくする、
?少量ずつくくべる火力を調節しやすくする、
といった目的がある。 ドヤアス5
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマ。日本には、薪割り機が販売されている。 ドヤアス6
カリンガ州ルブアガン町ウマ。薪割り(Wood Splitting)の作業の目的は、乾燥促進、利便性追求である。
ドヤアス7切り口
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマ。薪割り(Wood Splitting)をしている小枝、柴の直径は、2センチ以下であり、薪採取は大木の伐採を伴わない。
ドヤアス8
カリンガ州ルブアガン町ウマ。薪割り(Wood Splitting)につかうのは、ナタであって、斧ではない。薪は、直径2センチ以下の小枝、柴であって、薪採取は大木の伐採とは異なる。
ドヤアス竈
カリンガ州ルブアガン町ウマ。薪割り(Wood Splitting)をした、直径2センチ以下の小枝、柴を台所の囲炉裏のそばに運ぶ。薪採取は大木の伐採とは異なる。
ドヤアス鳥飼行博薪割り
カリンガ州ルブアガン町ウマ。薪割り(Wood Splitting)をしていた男性に、薪をどこから集めてくるのか、どのくらい使用するのか、薪を集めた山林はだれでも利用できるローカルコモンズなのか、聞き取り調査を行った。

調理場

Cooking With Wood


囲炉裏
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町上ウマの囲炉裏では、煮炊きの主燃料として、薪柴が利用されている。
囲炉裏
コルディリェラ行政地方ルブアガン町上ウマの囲炉裏では、煮炊きの主燃料として薪が利用されている。

バイオマスが再生可能エネルギーとして日本で注目されたのは、2002年の「バイオマス・ニッポン総合戦略」が閣議決定されてから、バイオマス(biomass)の賦存量の大きさに注目して,化石燃料を少しでも代替できるとしている。ここでは、
?地球温暖化対策(エネルギーの観点)
?循環型社会形成(廃棄物処理の観点)
?競争力のある戦略的産業の育成(経済的観点)
?農林漁業・農林漁村の活性化(地域経済活性化の観点)
という4目的に着目して、日本のバイオマス(biomass)を活用すべきであると提言している。 家内調理
カリンガ州ルブアガン町上ウマの囲炉裏では、煮炊きの主燃料として薪が利用されている。

2002年の「バイオマス・ニッポン総合戦略」では、「動植物,微生物,有機性廃棄物からエネルギー源や生分解素材,飼肥料等の製品を得る」ことのできるものをバイオマス発生起源とし、?廃棄物,?未利用,?資源作物,?新作物、に分類している。 ひあそび
コルディリェラ行政地方ルブアガン町上ウマ山村では、煮炊きの主燃料として薪が利用され、子供たちも火遊びが上手。

IEA (国際エネルギー機関)によれば、2009 年の世界の総エネルギー供給は、石油換算121億6900万トンで、その内訳は石油32.9%、石炭27.1%、天然ガス20.9%、原子力5.8%、水力・バイオマス(biomass)など再生可能エネルギー13.1%である。同様に、OECD諸国の2010年の総エネルギー供給は、52億3772万トンで、石油36.3%、石炭20.2%、天然ガス24.5%、原子力11.0%、再生可能エネルギー7.6%である。 ぶつぶつ
コルディリェラ行政地方カリンガ(Kalinga)州ティンラヤン町山村ブツブツの台所・食堂。では、煮炊きの主燃料として薪が利用されている。

産業、民生部門で広範囲に使用される電力のエネルギー源を見ると、2009 年の世界の電力は、石油5.2%、石炭40.4%、天然ガス21.4%、原子力13.4%、水力・バイオマスなど再生可能エネルギー19.3%である。同様に、OECD諸国の2010年の電力エネルギー源は、石油2.8%、石炭34.6%、天然ガス23.4%、原子力21.2%、再生可能エネルギー17.6%である。 つまり、世界の総エネルギー供給の多くは、石油、石炭など化石燃料であり、電力についても同様であるが、再生可能エネルギーは、OECD諸国よりもそれ以外の国々、すなわち非OECD諸国で普及していることが窺われる。 ダラクナス家
コルディリェラ行政地方ティンラヤン町山村ブツブツのダラクナス家、囲炉裏でコーヒーを入れてくれた。囲炉裏はチャヤポーンと呼ばれ、煮炊きの主燃料には薪を利用する。標高1000メートル。

ダラクナス
コルディリェラ行政地方ティンラヤン町山村ブツブツ、ダラクナス家の囲炉裏では、煮炊きの主燃料として薪が利用されている。標高1200メートル。

バイオマスエネルギーは、バイオマス(biomass)を起源とするエネルギーであり、バイオマスとは「再生可能な生物由来の有機性資源で化石燃料以外のもの」である。この内訳は、?エネルギー作物(資源作物)、?家畜の糞尿、?木材、?農業廃棄物、の4種類である。 鍛冶屋
コルディリェラ行政地方ティンラヤン町山村ブツブツの鍛冶屋では、ブッシュナイフ(ナタ:ボロ)を鍛造している。鉄を鍛えるフイゴの熱には、木炭を使用している。木炭は、煮炊きだけではなく、鍛冶屋のような山村の生業のエネルギーとしても利活用されている。


エネルギー作物から作られるバイオ液体燃料は、バイオエタノールとバイオディーゼルというバイオアルコール類である。家畜の排出する糞尿や分解した廃棄物からメタンなどバイオガスを取り出すこともできる。こられ二つは、液体バイオマス、気体バイオマスとして分類される現代的バイオマスエネルギーである。
しかし、バイオ燃料やバイオガスよりも、先史時代から人類が利用してきた薪炭は木質バイオマスであり、主に草食動物の糞の植物繊維を乾燥させた動物由来バイオマス、すなわち乾燥糞燃料もあり、薪炭と合わせて、固形バイオマスと呼称することができる。これらいずれの固形バイオマスは、伝統的エネルギーとして分類できる。

ウマの囲炉裏

Fire Wood for Cooking


薪乾燥
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町上ウマの再生可能エネルギーとしては、里山での柴刈りで集めたが主燃料となっている。切り出したばかりの木材には水分が多量に含まれている。そこで、薪を乾燥させるために、木を割いて天日に干す。

ウマ囲炉裏
コルディリェラ行政地方(Cordillera Administrative Region (CAR)) カリンガ州ルブアガン町ウマの囲炉裏では、煮炊きの主燃料として、里山での柴刈りで集めた薪が利用されている。標高1200メートル。

 1997年のRPS法制定後も、2008年の政令改正までは、日本の経済産業省も「新エネルギー」の中に廃棄物発電を含んでおり、新エネルギー利用の多くは廃棄物発電であった。しかし、プラスチック類などのサーマルリサイクル(熱回収)は循環型社会の一形態として認められているものの、非再生可能資源の消費・燃焼によるエネルギーの利用は、ワンウェー型であり「再生可能」ではない。
 他方、「新エネルギー」には、古くから行なわれている地熱発電は含まれていない。日本の「新エネルギー」は、環境保全というよりも、経済産業省による産業育成の観点から定義されているために、再生可能エネルギーとは大きく異なることは注意を要する。 ウマ囲炉裏2
コルディリェラ行政地方ルブアガン町ウマの囲炉裏では、煮炊きの主燃料として薪が利用されている。

国際エネルギー機関 (IEA)によれば、2008年の再生可能エネルギーと廃棄物による発熱量は、日本は42万2297テラジュールで中国の868万2943テラジュールより20分の1程度で、日本の再生可能エネルギーの普及は主なアジア諸国と比較しても少ない状況にある。2008年の日本の再生可能エネルギーの生産は、インドネシアの282万317テラジュール、フィリピン70万2865テラジュール、ベトナムの103万9576テラジュールよりも少ない。 ウマ囲炉裏3
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの再生可能エネルギーとしては、里山での柴刈りで集めたが主燃料となっている。標高800メートル。2013年8月撮影。

 対照的に、先進工業国では、バイオマス(biomass)を釜戸、囲炉裏(チャイポーン)、火鉢、コンロ、ストーブ、窯で燃焼するような直接利用は、燃え殻、杯の除去、処分に手間がかかり、手を汚すことになるために、行われない。手を汚さずに使えて汎用性もある電化利用に重点が置かれている。

 このように伝統的バイオマスの直接利用は、労力という汗、燃焼以降の排煙・汚れを伴うのであって、利用方法の上では、「クリーンエネルギー」とみなすことはできない。バイオマスを電化利用している先進工業国の市民は、スイッチ一つで手を汚さずに使用できる。この利便性が、バイオマス電化利用の一つの理由である。 ウマ台所
コルディリェラ行政地方ルブアガン町ウマの熱エネルギーとしては、里山での柴刈りで集めたが主燃料となっている。

 森林面積と植生から推計される木質バイオマス賦存量は、南アメリカ1797億トン、アフリカ707億トンと、熱帯雨林のジャングルが分布している地域に豊富に存在し、オセアニアのような乾燥地域では乏しい。しかし、世界のバイオマス(biomass)賦存量は4217億トンあるから、地域的に偏在してはいても、潜在的には、世界中でエネルギーとして利用可能ともいえる。換言すれば、世界の再生可能エネルギーの中核をなす木質バイオマスは、森林利用のあり方、里山利用に依存している状況にある。

 先進工業国(OECD諸国)のバイオマスエネルギー供給量は石油換算2.2億トンと、総供給量に占める比率(バイオマス比率)は4.0%と低いのに対して、開発途上国(非OECD諸国)は 9.5億トンと15.4%を占め、開発途上国のバイオマスエネルギー供給は,先進工業国の4.3倍に達している。バイオマス比率は、アフリカ47.0%,中南米19.6%,アジア24.5%と開発途上国が主な利用地域となっていて、再生可能エネルギーの利用が盛んな地域は、木質バイオマスの普及している開発途上国であることが明らかで、このような地位では、日本では珍しくなった炭焼きが広く行われ、木炭が普及している。

 バイオマスエネルギーは、、製紙から排出される産業廃棄物(黒液,チップ廃材)、農林畜産業から排出される農業廃棄物(間伐材、もみ殻、牛糞),家計と事務所から排出される一般廃棄物(ごみ,廃油)を燃焼して得られるもので、形態として、熱エネルギーと電気エネルギーがある。可燃性の再生可能エネルギーおよび廃棄物を用いるバイオマス発電の発電電力量は、OECD諸国では、1971年の5967ギガワット時から1990年11万7406ギガワット時、2000年の19万2210ギガワット時と順調に増加し、2009年には23万8822ギガワット時と38年間で40倍に急増した。 アボリ囲炉裏
コルディリェラ行政地方ウマの台所では、エネルギーとしてが多用されている。
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの囲炉裏(チャイポーン)で炊いたウノイ米のご飯。お赤飯とは違いもち米(チャイオット)ではなく、小豆なしでも赤い色をしている。

 非OECD諸国は、1971年の2万5104ギガワット時から2009年の4万9291の2倍弱にしか増えていない。つまり、先進工業国における再生可能エネルギーに関して、バイオマス発電を、バイオマスエネルギーの主流とみなし、その発電電力量の急増を踏まえれば、政策的対応、市民の環境意識の上で、大きな変化があったと考えられる。
アボリ囲炉裏
カリンガ(Kalinga)州ルブアガン町ウマの台所では、エネルギーとしてが多用されている。

 IEAでは,運輸部門に利用されるバイオマス液体燃料をバイオ燃料(biofuel)と呼称しており、世界のバイオ液体燃料供給量(石油換算)は、2000年1000万トン、2007年3410万トンと急増した。この2007年のバイオマス液体燃料の供給量は世界の一次エネルギー供給量(石油換算)120.3億トンの0.28%、バイオマスエネルギー供給量(石油換算)11.8億トンの2.9%、運輸部門の燃料消費の1.5%に相当する。2007年の国別バイオエタノール生産比率は、アメリカ49.4%、ブラジル37.8%、EU4.6%で、バイオディーゼルは、EU58.6%、米国20.0%となっている。 アボリ食堂
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマのキッチンでは、エネルギーとしてが多用されている。標高800メートル。2013年8月撮影。

 2003年のEUバイオ燃料指令でも、バイオ燃料使用の数値目標が、2005年の米国エネルギー政策法でバイオエタノール使用の数値目標が定められている。そして、2003年バイオ燃料指令第4.2 条のレュー条項が提出を求めた報告書で、欧州委員会は、2003年のバイオ燃料指令を改訂し、
?2020年のバイオ燃料比率の最低基準を10%に設定する
?環境保全に有益で安定的なエネルギー供給につながるバイオ燃料の使用を促進する
との条項を盛り込むこととなった。
 

ルブアガン町の森林

Forest


裏山
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの裏山(里山)では、柴刈りが行われる。

 低炭素社会の実現に向けた取組みが進展し、バイオマス、地熱、太陽熱、水力、風力から生産された再生可能エネルギーの供給量は増加する傾向にある。 ここで、木質バイオマスエネルギーに関する統計は、次の三つの理由から、正確な把握は困難である。
?木材用途が商業用と家庭用を問わずに、建築、家具、工芸、印刷、燃料と多岐にわたること
?バイオマスでは、市場に流通しない自家消費、無償の採取など外部経済とみなされる生産と消費が占める比率が高い
?バイオマス利用の統計を公表している機関によって推計方法が異なり、推計方法の十分な説明がなされていない 山と家屋
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの裏山(里山)では、柴刈りが行われる。

 木質バイオマス、木材の統計を公表している国際エネルギー機関(IEA)では、木材以外の農業廃棄物、家畜の糞尿もバイオマスに含め、加えて、林業と商業エネルギー事業者による発熱・発電も加算しているが、世界食糧機関(FAO)の統計は、これらを除いている。 そこで、バイオマスエネルギーの範疇は、正確にとらえることは難しいが、その限界を踏まえたうえで、概観することとする。 裏山
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの裏山(里山)では、柴刈りが行われる。

 世界食糧機関(FAO)によれば、世界のバイオマスエネルギー生産は、1970年の石油換算5.3億トンから2005年に7.2億トンに増加し、2030年には10.7億トンに達する見込みである。そこで、このバイオマスエネルギーを木材換算すると、その体積は1970年の20億立方メートルから2005年の26億立方メートルに増加し、2030年までに38億立方メートルに達すると予測できる。 広角棚田
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。棚田の稲作とタイガーグラス(Tiger Grass)栽培が生業。

 国際エネルギー機関(IEA)によれば、2009年には世界の一次エネルギー供給は石油換算で121億6900万トンで、再生可能エネルギーは15億8928万トンで13.1%を占めている。世界のエネルギー供給に対する再生可能エネルギー供給の内訳をみると、水力2.3%、風力0.2%、太陽・潮力0.1%、地熱0.5%に対して、バイオマスエネルギーはその3倍の9.9%と比率が圧倒的に高い。
たき
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマの山の湧水。柴刈りをし薪を再生可能エネルギーとして、煮炊きを行うほか、上水は山の湧水を利活用する。 ドヤアス水場
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマでは、飲料水・洗濯用水などの共同水場バイオマスエネルギーとしての採取用(柴刈り)の裏山(里山)などローカルコモンズ利用が盛んである。

ルブアガン山村の生活

Women in Kalinga

台所
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)の箒を作る世帯のキッチンでは、再生可能エネルギーが多用されている。
 「新エネルギー」の過半は、廃棄物発電であり、バイオマス由来の木質チップ、林地残材・製材所廃材、建築廃材、剪定材、農業廃棄物を燃料としたバイオマス発電であれば、再生可能エネルギーに含まれるが、プラスチックなど化石燃料由来の廃棄物発電は、再生可能エネルギーではない。また、この報告書では、「太陽光社会の実現」と題して太陽光発電を、「風力、バイオマス、地熱、雪氷、水力等に対する最大限の取組み」と題して、これらの新エネルギーの急速な発電電力量増加を詳述しているが、日本の一次エネルギー供給の中に占める比率については言及していない。この理由は「新エネルギー」の比率が1.97%と過小な値であるからである。
薪調理
コルディリェラ行政地方上ウマの再生可能エネルギーとしては、が主燃料となっている。
台所女性
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。タイガーグラス(Tiger Grass)の箒を作る世帯のキッチンでは、柴刈り作業で集めた再生可能エネルギーが多用されている。

 2009年の世界の再生可能エネルギーの内訳は、薪炭・動物の糞・木質ペレットなど固形バイオマス70.2%、バイオ液体燃料3.4%、バイオガス1.4%、バイオマスを使用する廃棄物発電0.9%などバイオマスエネルギーが75.9%を占める。その他の再生可能エネルギーは、水力17.7%、風力5.4%、太陽光発電・太陽熱利用・潮力発電1.9%、地熱3.9%である。2010年のOECD諸国の再生可能エネルギーも、固形バイオマス39.6%、バイオ液体燃料10.3%、バイオガス3.8%、廃棄物などバイオマス発電3.3%などバイオマスエネルギーが57.0%を占める。 ふいご女性
ルブアガン町ウマは、を燃やすためにフイゴで空気を送る。また、女性も、里山での柴刈りタイガーグラス刈取りや箒作りの労働に従事する。キッチンでは、再生可能エネルギーが多用されている。

 バイオ燃料ブームを契機に、バイオマス利用は、再生可能エネルギー、新エネルギーとして、従来にはない新技術を駆使して「クリーンエネルギー」を作り出し、急速に拡張しているという印象を強めている。しかし、実際には、太陽光発電などの再生可能な電力エネルギーの供給は、バイオマス発電もバイオ燃料も限定的である。結局、日本でも再生可能エネルギーを論じる場合、バイオマス賦存量が多い固形バイオマス、とりわけ木質バイオマスを無視することはできなくなっている。  台所
カリンガ州ルブアガン町ウマのキッチンでは、柴刈り作業で集めた再生可能エネルギーが多用されている。が乾きやすいように木の皮を剥いで、炉の上で乾燥させる。

 先進工業国では、バイオ液体燃料など現代バイオマスエネルギー供給が急速に増加し。風力発電や太陽光発電と並んで、技術開発に注目が集まっている。しかし、その世界の総エネルギー供給に占めるこれらの再生可能エネルギーの比率は極めて低く、依然として、伝統的バイオマス、すなわち農業廃棄物を含む固形バイオマス、薪炭の直接燃焼という古くからの利用方法が、世界の再生可能エネルギーの大半を占めていることに変わりはない。固形バイオマスの賦存量が大きいことに注目すれば、日本のような先進工業国にあっても、木質バイオマスの利用を拡大するしか、再生可能エネルギーの比率を引き上げる方法はないといえる。 ごはん
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマ。里山での柴刈りで集めた木質バイオマスをエネルギーとした調理。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作る家内工業世帯で、聞き取りをした。そのとき、夕食をいただいた。普段は、トウガラシ汁でご飯を食べるが、この時は特別にサージの缶詰を空けていただいた。2013年3月撮影。
東海大学教養学部

Tokai University


鳥飼行博
コルディリェラ行政地方カリンガ州ルブアガン町ウマのエネルギーの大半は、木質バイオマスを利用した熱。タイガーグラス(Tiger Grass)箒を作る世帯に聞き取り調査をした。2013年3月撮影。
鳥飼 
フィリピン共和国ルソン島北部コルディリェラ行政地方で、採取、柴刈り、バナナ運搬、箒作りに勤しむ世帯に聞き取り調査。

大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策?」「環境政策?」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。

持続可能な農業、特に、アグロフォレストリー、柴刈り、森林適正管理、バイオマス利用について専門的に知りたい場合は、著作一覧(アジア途上国の開発と環境保全)紀伊國屋書店を参照してください。


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