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I L O 駐 日 事 務 所(〒150−0001 東京都渋谷区神宮前5−53−70 国連大学本部ビル8階 )は、次のような見解を掲げている。

「児童労働」とは、以下のような子どもの労働のことです。
◆原則15歳未満の子どもが、大人のように働く労働
ILO138号条約 が定める就業最低年齢

最低年齢 15歳
・ 義務教育修了年齢を下回らない(原則)
・ 途上国は14歳とすることができる

軽易な労働 13歳
・ 途上国は12歳とすることできる

危険な労働 18歳
・ 健康・安全・道徳が保護され、適切な職業訓練を受ける場合は16歳

* 子どもたちの健全な成長を妨げる労働をさし、家や田畑での手伝い、小遣い稼ぎのアルバイトなどは含まれません。

◆18歳未満の子どもが行う最悪な形態の労働

ILO182号条約
人身取引、債務奴隷、強制的な子ども兵士、その他の強制労働
買春・ポルノ、麻薬の製造・密売などの不正な活動
子どもの健康・安全・道徳を害し、心身の健全な成長を妨げる危険で有害な労働

◆家族の元で行われる児童家事労働でも、教育に使用をきたすこともあるし、過酷なこともある。路上での物乞いや買い物袋の販売は小遣い稼ぎとて行われる。これが「児童労働」には含まれませんというのは、より過酷な状況の子供たち、「最悪な形態の労働」の救済・保護を優先しているからであって、放置しておいてよい問題ではない。

◆なぜ「児童労働」があるのですか?

一番の原因は <貧困> です。(1日1米ドル未満で暮らす人は10億人) しかし、その他にも...
・ 子どもの教育へのアクセスがない
・ 親の教育の欠如
・ 子どもの地位が低い価値観や社会慣行
・ 地域社会の労働慣行
・ 地方から都市への移住
・ 家庭の問題
・ 不適切な法律の施行

◆なぜ「児童労働」をなくさなくてはならないのですか?
・ 子どもの人権を侵害するから
・ 子どもが教育を受ける権利を侵害するから
→ 十分な教育を受けられまま大人になり、貧困の連鎖につながる
・ 子どもの心身の健全な発達を妨げるから

児童労働撤廃のコストは、途上国の軍事費の約2割と試算されています。
■中国
中国のバイオマスエネルギー:ローカルコモンズ里山での薪採取
貴州省の低地と山村
貴州省の持続可能な農業:肥やしと堆肥
雲南省の窯業:剣川県の農村家内工業の粘土瓦生産
雲南省のタバコ生産
雲南省の牧畜:ローカルコモンズ入会地
雲南省の白族定期市
雲南省の仏教:白族の祭礼
雲南省剣川県の古鎮
北京市街地:公衆トイレ/中日友好病院
北京の食品製造工場:燕京ビール/三元乳業
北京の地下鉄・河南省の寝台列車
中国河南省の農村と薪採取
河南省開封市の繁華街
四川省丹巴県甘孜蔵族の農業とバイオマス/堆肥
福建省南靖県お茶生産
福建省南靖の生活/農業
成都平原の三星堆遺跡:長江文明:四川青銅器文化

■フィリピン
カリンガ州棚田の田植え
Rice Terrace, Kalinga

カリンガ州棚田の稲刈り
Rice Terrace, Cordillera
カリンガ州山村の小学校
Elementary School at Kalinga

カガヤン州ツゲガラオの市場
Market of Tuguegarao, Cagayan

マニラのスモーキーマウンテン
Smokey Mountain, Manila

メトロマニラのスラム街:ケソン市リテック/パヤタス
マニラのパヤタス廃棄物処分場:スカベンジャー
セブ市のアルミ再生工場:サンドダイカスト
バタンガスの自動車工場:修理と廃車リサイクル
セブ島の造船所

■タイ王国
写真解説:タイ農村の米作
写真解説:タイの家内工業:養蚕とシルク反物
写真解説:タイの牧畜・繊維作物生産
論文「タイの家内工業とワークシェアリング」



再生トイレットペーパの製造工程

1)古紙回収(原料)
2)溶解
3)精選
4)脱墨
5)洗浄
6)減菌・漂白
7)抄紙
8)加工
9)製品保管  

ビール製造工程
1)製麦:大麦から麦芽へ
2)仕込み:麦芽から麦汁へ
3)発酵:麦汁からビールへ
4)貯酒:ビールの低温での熟成
5)濾過:おり、酵母を除去し生ビールへ
6)缶詰:容器に酸素が入らないように注入


再生トイレットペーパの製造工程

1)古紙回収(原料)
2)溶解
3)精選
4)脱墨
5)洗浄
6)減菌・漂白
7)抄紙
8)加工
9)製品保管  

ビール製造工程
1)製麦:大麦から麦芽へ
2)仕込み:麦芽から麦汁へ
3)発酵:麦汁からビールへ
4)貯酒:ビールの低温での熟成
5)濾過:おり、酵母を除去し生ビールへ
6)缶詰:容器に酸素が入らないように注入

華僑(かきょう)とは、中国、特に広東省、福建省を僑郷(華僑のふるさと)として、海外に移住した中国人を指す。現在、世界に2000万人いるとされるが、清朝時代、満州族の王朝・官僚に抵抗して亡命した中国人漢民族から、経済的な成功のチャンスを求めた中国人まで、移住の動機はさまざまである。

アヘン戦争後、列国の中国半植民地化の動きの中で、窮乏化たり、海外ビジネスのチャンスをつかもうとしたりした南部の中国人が多数、海外に移民した。「半封建・半植民地のもとで生活に窮した人々は、戦争や農民反乱の混乱から逃れて、大量に海外へと流出していった」「福建省の場合も、元代以降大規模移民が始まっている。もともと山がちで耕地が少なく、多くの人口を抱えていたという事情に加えて、自然災害の発生、海外貿易の発展といったことが、そうした大量移民を出現させる背景であった。」との華僑の解釈もある。

 しかし、筆者の研究では、華僑は、窮乏化した労働者の海外出稼ぎだけでなく、新たなビジネスチャンスを求めた積極的な海外渡航が契機になっていることも多く、その出身者も中間層以上の中国人も例外ではない。孫文の革命運動を支えた興中会、中国同盟会会員の中には多数の華僑があるが、彼らは富裕層ともいえる。また、中国辛亥革命後、華僑が海外送金や外国情報の提供、外交仲介で、国民政府を手助けした。

 ◆中国狩人北京経済技術開発区によれば、北京経済技術開発区(BDA)は、1992年に着工、1994年8月に北京市唯一の国家級の経済技術開発区として国務院に批准された。1999年1月、国家級の経済技術開発区及び国家高度技術産業区として優遇されることになった。

北京経済技術開発区のような経済技術開発区は、対外開放の国策の中で、1984年、輸出振興と外資誘致を目的に設置された沿海工業地区であり、1979年に設置された深圳、珠海、汕頭、廈門(アモイ/シーメン)の経済特区经济特区:Special Economic Zone)に準じる税制上の優遇措置などが認められている。つまり、経済技術開発区内の外資系ハイテク企業には、所得税率15%、輸出総額が総生産額の7割を超える企業に対してはさらに10%ポイントの軽減が認められる。ハイテク産業関連の原材料や部品の輸入には、許可証が不要で、関連設備の輸入関税も非課税、製品の輸出も非課税となる。

◆1980年に厦門が経済特別区に指定されて以来、開発区として、湄州島国家観光レジャー区、武夷山国家観光リゾート、東山経済技術開発区、福州経済技術開発区、廈門輸出加工区、福州輸出加工区などが設けられている。福州と厦門には、国家級のハイテク産業開発区(高新技術産業開発区)が設定されているのである。しかし、内陸部南靖県にはこんな山間部の村落がたくさんある。

◆雲南省剣川県コモンズ利用型放牧の牛・ロバ牧畜。多角的農業として、牧畜を並行する有畜農業が行われている。家畜のエサは、エコフィード(残飯飼料)のほかに、共有地(コモンズ)の草を利用している。ローカルコモンズを活用した多角的牧畜コモンズ利用型放牧)は、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会に通じる持続可能な開発の一形態である。 

◆中国では、環境や景観を保全した都市計画として基本農田保護区が設定されている。元来、中国政府は耕地の保護を基本国策としており、基本本農田保護区を画定し、農業専用地として、非農業目的に転用を禁じている。これは、食糧の安全を確保する基盤整備ともいえる。

 張貴民(2006)「北京市における土地利用の空間的変化とその景観分析」(張・菊地 8) によれば、北京は「都市化のため、都市近郊では大量の良質な農. 地が都市的土地利用に転用された。この地域の農地の保護が重要になり、基本農田保護区として指定されている。北京市街地に近づくにつれて、農業的土地利用の中に野菜栽培が目立つように なった」という。
 王府井ヨーカ堂(北京銀座のワンフーチン・ヨーカ堂)は、「この商品は、低農薬栽培に特化している小湯山農園と. パートナーを組んで、北京近郊で"安全・安心な野菜栽培"に取り組ん. でいる農家を組織化。小湯山農園に野菜を集荷して、これをパッケー. ジングし、店舗で販売するというものです」と安全健康な高級野菜を売り込んでいる。

◆雲南省剣川県では、粘土瓦レンガを焼いているだるま窯も、付近に8基見かけた。
 元朝末年に創建された大理剣川県沙溪寺登街は、観光名所でもあり、“三坊一照壁”、“四合五天井”式の大理ペー族伝統な民居がたくさんある。この屋根瓦を造っているのが、このような窯であり、地元の窯業である。

コモンズ利用型放牧:伝統的で多角的牧畜は、キノコの採取など副業、家庭で使う燃料の薪を集める柴刈りと同時に行われる。つまり、金を稼ぐ労働・勤労と家族の仕事・家事労働が同一の空間・時間で行われる。換言すれば、「仕事」と「家庭」は両立している。開発途上国の社会開発を論じる場合、仕事、家族、家庭を総合してみることが重要である。

◆「粘土瓦」作成労働者の日当は15元(200円)で,三食付く。2006年9月当時、1元=14円で、 宿で一食頼めば(一人なら)5元。この食事で満腹になるが、家族の食費支出以外の出費も踏まえれば、十分な賃金とは言えず、貧困にあるといえる。
<草の根民活>

 従来まで,開発には民間大企業,国営企業,外資,政府の役割が強調され、個人経営体,家族無償労働,女子,地域コミュニティ,都市インフォーマル部門は、社会的弱者として,ソーシャルセイフティネットの対象として改善の対象とみなされてきた。しかし、開発の担い手に,中間所得層を当てるために,彼らを新たに持続可能な開発に参加する主体として認識すべきであろう。

 つまり,開発途上国にあっては,個人経営体,個人経営体に雇用される民間雇用者,家族無償労働が広範に存在しており,農業はもちろん,製造業やサービス業という産業部門にあっても重要な役割を担っている。そこで,企業やその下で雇用される民間雇用者(勤労者)だけではなく,彼らも開発と環境保全の担い手としての役割を認めるのである。

スラム (Slum) とは、交通・エネルギー・衛生・教育などのインフラが不十分で、都市貧困層の暮らす居住区である。しかし、外見にもかかわらず、そこは、生半可な知識や偏見を抱いた識者が言うように「公共サービスが受けられない」のではないし、「荒廃状態にある状況」とは言い難い。開発途上国の大都市には、どこでもスラム街といっていい地区があるが、そこは貧しいけれども、住民が必死に苦労して生きている場所であり、草の根の民間活力の感じられる場所である。

開発途上国の人口増加と都市化の進展に伴って、スラム人口 (Slum population)人口は増加傾向にあり、2007年時点で、10億人はスラム居住者であると推測され、国別では、中国1.7億人、インド1.1億人、パキスタン2750万人、インドネシア2680万人、フィリピン2390万人、ブラジル4570万人、メキシコ1180万人、ナイジェリア4530万人、スーダン1550万人などされる。

スラムの特徴として高失業率があげられるが、これは正確な表現ではない。なぜならスラム住民で、正規の工場労働者、サラリーマンはきわめて少なく、多くは自らが仕事を作り出している状況にあるからである。

スラム街の居住者を中心に貧困者が、少ない元手で自営的に零細な仕事を起こしているのが、都市インフォーマル部門である。具体的には、食品など材料を安く買って加工したり、小さな袋に分けたりして、露店で売る転売、路上で客を待つ靴磨きや荷物運び、商店やタクシーやバスの客引き、駐車する車の番人など、さまざまな職を自ら生み出している。この特徴は、小規模な元手で行う自営的サービス業という点であり、高失業率といった主に会社の正規雇用を念頭に置いた概念で図ることはできない。

 スラム街の特徴は、都市インフォーマル部門程度しか雇用機会を提供できないという貧困であるが、だからといって「犯罪や麻薬、アルコール依存症や自殺などが多発する」というのも誤解である。開発途上国でなくとも、非衛生的な環境であれば、病気、伝染病が蔓延するが、だからと言って、スラム住民が強盗や盗人に成り下がるということは言えない。

開発途上国のスラム居住者は、農村から押し出され、あるいは都市に惹きつけられた出稼ぎ者や移住者が多く、貧しいながらも貧困から抜け出そうと、都市インフォーマル部門において、厳しい低報酬の労働にいそしんでいる。また教育に熱心になる傾向も指摘できる。彼らは、農村という地域コミュニティを引き継いで、都市のスラムにあっても一定の自治的な秩序をもって生活している。環境の悪い町外れなどの未開発の地域に住み着いたとしても、住民相互には、暗黙の了解・契約があり「無秩序」ではない。

昔話「桃太郎」冒頭で「おじいさんが山にシバ刈りに、おばあさんが川に洗濯に行きました。---」とある。貧しいお婆さん、水のある川まで衣類を洗いに行ったが、お婆さんが柴刈り にいってもおかしくはない。洗濯も柴刈りも、老人や子供など、体力の劣る人でもできる仕事だからです。男性と女性の社会的差異を「ジェンダー」といいます。男が洗濯をするのはおかしい---と思うのは、ジェンダーがあるからだ。

2011年の家事労働者条約(第189号)では、労働・社会保障法の適用対象外になることが多い家事労働者を労働者と認定し、その労働条件改善を目指して初めて採択された国際基準。家事労働者は他の労働者と同じ基本的な労働者の権利を有するべきとして、安全で健康的な作業環境の権利、一般の労働者と等しい労働時間、最低でも連続24時間の週休、現物払いの制限、雇用条件に関する情報の明示、結社の自由団体交渉権といった就労に係わる基本的な権利及び原則の尊重・促進・実現などを規定。家事労働を、一つもしくは複数の世帯においてまたは世帯のために遂行する業務と定義し、雇用関係の枠内で家事労働に従事する者を家事労働者とする、としている。

◆世界銀行(2000)Curbing the epidemic(邦訳「たばこ流行の抑制」)では、1995年の15歳以上の男女の喫煙率について、世界で男性47%、女性12%、平均 29%とし、喫煙人口は 11億4200万人としている。東アジア太平洋地域の喫煙率は、男性 59%、女性 4%、平均 32% 4億人が喫煙者である。そして、貧困と教育において低位にある人々ほど喫煙率が相対的に高いと推測して、2000年に、たばこが原因で死亡した人々は400万人に達すると推計している。

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◆中国の福建土楼の生活から持続可能な開発を考える
1.【地球温暖化】【地球観測】【熱帯林減少】【生物多様性】【廃棄物問題】【国際協力】【人口問題】などを研究しています。
2.地域コミュニティの共有資源(コモンズ)や貧困もふまえて、持続可能な農業を再考します。
3.中国福建省の2010年人口は3689万人、面積は12万平方キロと日本の3割で、省内生産(GDP)は1兆4357億元、前年比13.8%増。
4.福建省でも都市1人当たり所得は平均2万1781元、農村1人当たり所得7427元と格差があります。そこで南靖県の山村に2007年3-4月に滞在し調査した写真をもとにして、その農村家内工業工場制手工業など初期資本主義とされる労働集約的産業を解説します。
5.他の写真は、貴州省のバイオマスエネルギー貴州省の持続可能な農業世界遺産の福建土楼四川省チベット族のバイオマス利用とソーラークッキングを参照。

中国雲南省福建省点描

 Agriculture of China

 
 
福建省特異建築「土楼」

 Fujian tulou

 
福建土樓
中国南部、福建省のいわゆる福建土楼(ふっけんどろう)は、厦門西200kmの南靖県と永定県の辺地に分布している円形や方形土楼で、客家の集合住宅といえる。客家は、3世紀、中国の北部・中部から、新たに侵入してきた異民族を逃れて、南下した中国人である。この客家が、福建省に安住するために要塞のような福建土楼を建築したといわれている。 福建省茶摘み
中国南部、福建省のいわゆる福建土楼(ふっけんどろう)には、四角い土楼もある。円形の土楼よりも古い形式だという。

世界遺産にも登録されたことで円形あるいは方形の福建土楼には、中国内外からたくさんの観光客がやってくる。中を見学するのに見学料がかかるところも増えてきた。  世界遺産とは、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(Convention Concerning the Protection of the World Cultural and Natural Heritage:世界遺産条約)によって、世界中の顕著で普遍的な価値のある文化遺産・自然遺産を人類共通の宝として保全し、次世代に伝えようとする国際条約である。世界遺産リスト登録件数は2010年8月現在、文化遺産704、自然遺産180、複合遺産27(合計911)。茶摘み
丘陵連なる福建省内陸部南靖県の福建土楼(ふっけんどろう)は、城壁のような高い土塀に囲まれた巨大な建築物で、振成楼、福裕楼、承啓楼など有名な建物もあるが、小さなものも入れると4000軒ほど建築されている。集合住宅の福建土楼は、今でいうアパートやマンションのようでもあり、共同生活を営む伝統的建築物として、2008年7月世界遺産に登録された。有名など土楼では、中国内外からたくさんの観光客がやってくるので、見学料を取るところが増えたけれども、一人で行き、話をしたり、聞き取りをしたりしていると、そうでもない。かえって、おいしい素朴な食事を出していただいた。
お〜いお茶」は、家族が団らんの中でゆったりとお茶をするイメージだが、実際のPETボトルや缶のインスタント飲料のお茶やインスタントお茶文化は、日本の大発明で、なんとお茶の伝統を誇る中国にまで輸出されている。

福建省南靖県の衛星画像地図 。

福建省土楼のある山村

 Ass Grazing



おちゃっぱ
南靖県の城壁のような高い土塀に囲まれた巨大な福建土楼Fujian tulou)の中には、振成楼、福裕楼、承啓楼のように日本人がたくさん宿泊している土楼もある。これは、ツーリストが訪れる場所が見栄えのいい土楼と決まっているからで、目立たない土楼は、観光化されていないし、そのようなひっそりとした土楼のほうが実は多いことに気が付いた。なにしろ4000軒もあるので、山道をあるいたり、バイクに乗ったりして、地元生活や産業を訪ねていると、次々に出くわした。

土楼
中国の福建土楼Fujian tulou)は、方形のほうが円形の土楼より古く、数も遥かに多いが、観光客のお目当ては、巨大な円形の土楼である。これらは客家が18世紀末から19世紀に建築されたもので、土楼の中では、古いものではない。方形のほうが大きくできるということか、方形が流行したが、近代になって大きな円形土楼が資産誇示もあって、作られるようになった。
南靖県hspace=10
福建省南靖県の山村では、水の得やすい渓谷沿いに村落があり、細い道路で結ばれている。野菜や服を洗ったり、泳いだり沐浴したりするのは、村の中央を流れる渓流でです。気分よく泳ぐことができる。ここらの農村には、バスはない。そのかわりにバイクタクシーがある。 南靖県
福建省南靖県山村福建土楼Fujian tulou)のある集落には、日本では、既になくなってしまった個人雑貨屋「よろず屋」(万屋)が健在。南靖県でも懐中電灯、お菓子、PETボトル飲料、野菜の種、缶詰、ライターなど日用品が安価に手に入る。  茶摘み男女
丘陵連なる福建省内陸部の南靖県では渓流沿いに村落が点在してる。周囲の丘陵地帯では、福建省南靖県山村にも福建土楼Fujian tulou)が残っている。お茶生産が盛んで、道の走る下からはよくわからないが、段々畑がある。これには、山の上でも農地としなくては収入が得られないという事情がある。 南靖県
福建省内陸部の南靖県の渓谷沿いの村落。大きな家や福建土楼Fujian tulou)の裏側には、役に立ちそうなものが置かれている。集合住宅の土楼は、今でいうアパートであり、生活は豊かとはいえないが、その共同生活・伝統的生活・伝統技法は興味深く、持続可能な開発を草の根民活の視点で見直させてくれる。周囲にある段々畑でのお茶の葉の摘み取り作業が行われているが、お茶の葉の摘みを見学し聞き取りをするにも、道路のある渓谷の底からは見ることはできない。斜面に段々畑として広がる茶畑に上って、上から作業をしている人たちを捜す必要がある。 茶摘み男女
福建省南靖県段々畑でのお茶の葉の摘み取り作業。お茶の葉の摘みを見学し聞き取りをするにも、山斜面に広がる茶畑に上って、仕事をしている人を捜さないといけませんから、労力が必要です。

 清朝の時期には、茶道具も揃い中国茶道が生まれ、福建省では青茶(チンチャ)烏龍茶)が製造されています。この青茶の香りを追求する過程で、工夫茶の手法が開発されます。工夫茶とは、時間と手間をかけてゆっくりと丁 寧にいれるお茶のことです。茶器も香りを楽しむ聞香杯(もんこうはい)、味を楽しむ茶杯が使われるようになります。中国茶は香りを楽しむもので、、「花茶」が普及するようになります。中華人民共和国の建国(1951年)、毛沢東の文化大革命(1966〜1976年)の時期、内戦や混乱のために、贅沢なお茶は影をひそめますが、中国大陸のお茶を代替するように、台湾でのお茶の栽培が発展し、現在ではウーロン茶、台湾茶が中国のお茶として有名になりました。 水流
福建省南靖県の村落を流れる渓流。段々畑でのお茶の葉の摘み取り作業は、男性も女性も行う。 自ら現地に赴いてお茶摘み労働を見ると、現代日本では「働く」という意味を、金を稼ぐ会社での勤労と同一視していることが奇異に思える。このような近視眼的な「仕事」や「労働」の概念では、開発途上国も含まれるグローバルな問題に対応できないであろう。
水流
福建省南靖県の村落にそそぐ水流。

福建省のお茶畑

 Ass Grazing


福建省土楼
お茶摘み労働の盛んな福建省南靖県の福建土楼Fujian tulou)。

土楼
福建省南靖県山村の福建土楼Fujian tulou)の裏側。湾曲した壁と石組みが面白い。
福建省土楼
大きな茶摘み鋏(ハサミ)を使って茶摘みされた、葉が袋にたまってきました。

 「夏も近づく八十八夜」の歌い出しで知られる『茶摘(ちゃつみ)』は、1912年(明治45年)に発表された日本の童謡・唱歌。

 夏も近づく八十八夜
 野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは 茶摘ぢやないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠

日和つづきの今日此の頃を、心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ 摘め摘め
摘まねばならぬ 摘まにや日本の茶にならぬ
福建省
福建省山村の福建土楼Fujian tulou)は、本来、防衛拠点だったり、経済力の誇示の記念物だったりと、社会的な意味が強いが、円形のアパート兼仕事場としても現役である。決して、観光資源だけが「土楼」の魅力ではない。 南靖県渓谷沿い
福建省では、1980年に厦門が経済特別区に指定されて以来、開発区として、湄州島国家観光レジャー区、武夷山国家観光リゾート、東山経済技術開発区、福州経済技術開発区、廈門輸出加工区、福州輸出加工区などが設けられている。福州と厦門には、国家級のハイテク産業開発区(高新技術産業開発区)が設定されているのである。しかし、内陸部南靖県にはこんな山間部の村落がたくさんある。 南靖県渓谷沿い
福建省南靖県の渓谷沿いの村落。川には、小魚やカエルもたくさんおり、水泳・沐浴もできる。アナグマも見た。

現代日本では「働く」という意味を、サラリーマンという外仕事の意味で使用している。しかし、このような範囲に限定すれば、老人は、労働力を提供しない「老齢従属人口」として、扶養対象としてのみ認識されてしまう。高齢者を「狭い範囲の労働」の概念で理解しようとすれば、老人は社会保障の問題を引き起こす「厄介者」でしかない。日本での「高齢者への認識」は、開発途上国も含まれるグローバルな少子高齢化問題には応用できない場合が多いが、この似非学問は、もはや農村家内工業が資本主義を生み出したという歴史を無視している。
南靖県渓谷沿い
南靖県渓谷沿いの村落。小川のせせらぎ。

◆国際協力の分野では、1980年代以降開発途上国の女性の地位向上に着目した「開発と女性(WID)」、「ジェンダーと開発(GAD)」というアプローチがある。

WIDは、女子を家事・育児以外にも、生産活動における役割を重視するもので、従来の女子の生産活動が過小評価され、女子が開発プロジェクトから疎外されてきたとした。そこで、女子を単なる受益者として一方的に捉えるのではなく、人的資源として活用するために、開発に統合すべきであるとした。

◆「ジェンダーと開発GAD」は、ジェンダー不平等の要因を、女性と男性の関係と社会構造の中で把握し、役割固定化と役割分担、ジェンダー格差を生み出す仕組みを変えることを目指す。換言すれば、GADは、ジェンダー不平等を解消するうえでの男性の役割に注目し、社会・経済的に不利な立場におかれた女子のエンパワーメントを促進する政策である。 茶摘み労働女性
福建省南靖県の川沿いの村落。福建土楼Fujian tulou)正面に流れる小川のせせらぎ。 南靖県渓谷沿い
福建省南靖県の山村。川沿いの村は気持ちのいい場所。
 このような製茶業は、農村家内工業工場制手工業など封建制度から資本主義が形成されるまで過渡期に生まれた資本主義、すなわち初期資本主義(early capitalism)の時期から、労働集約的産業を髣髴とさせる。
 労働集約的産業は、労働生産性が低く、労働者の賃金も低く「遅れている」技術しかないと批判されることが多い。現代の日本で大学生の就職先がサービス業に限定され、ものづくり・製造業の現場での雇用がほとんどない現状に思い至れば、このような発想は単純すぎる。技術は、簡単化すれば、資本=労働比率(労働の資本装備率)であり、それは資本レンタル=賃金比率という要素相対価格で決まってくる。高賃金国では、資本節約的技術(労働節約的技術)が、低賃金国では労働集約的技術(資本節約的技術)が採用される傾向がこうして生まれる。 茶摘み兄貴まひ
茶摘み作業に従事していたお兄さんに協力していただいて、聞き取りをした。烏龍茶の原料になる。

土楼でのお茶選別作業

Agriculture


こめ
福建土楼Fujian tulou)内側の中庭でお茶の選別作業が行われていた。

福建省南靖県の山村では、雲南省名産のプーアル茶(普洱茶:Camellia assamica Chang)や福建省原産とされる鉄観音茶などが、労働集約的技術で茶摘み、選別され、農村家内工業Household Manufacture)として製茶されている。
   棚田まひ
お茶の段々畑の下は、コメの棚田土楼もある。お茶の選別作業。土楼の内側の中庭なので、雨も風も防ぐことができる。
棚田まひ
福建省土楼の自家労働によるお茶の選別作業。

 現代日本では「働く」という意味を、サラリーマンという外仕事の意味で使用している。この場合、老人は、労働力を提供しない「老齢従属人口」として、扶養対象として認識され、邪魔者扱いされてしまう。高齢者を「非労働」=退職者・失業の概念で理解しようとすれば、老人は社会保障の問題を引き起こす「厄介者」出しかない。厚生労働省や一部の学者の「高齢者への認識」は、「自家労働」を等閑視しており、開発途上国も含まれるグローバルな少子高齢化問題をも理解していない。


福建省のお茶の選別作業は、労働集約的で、工場的規模のお茶工場でも同じような方法で行われている。
福建省南靖県山村でのお茶の葉の選別作業。日本の茶の製法は、江戸時代末期には、従来の釜熬(かまいり)製茶(摘み取った新芽を釜で火にかけ炒り手揉み乾燥する)、日乾(ひぼし)製粗製茶(葉を日光や日陰干しで乾燥させる)だけでなく、宇治の蒸製煎茶(せんちゃ)製法(茶葉を蒸してから手揉みする)が全国に普及した。幕末1859年(安政6)に開港による貿易が始まると、お茶は日本の重要な輸出商品となる。 おばさん選別
労働集約的なお茶の葉の手選別作業。「荒茶(あらちゃ)」とは、茶畑でとれた茶葉をそのまま加工したお茶。荒茶(あらちゃ)は、お茶問屋へ運ばれ、茎や芽にふるいをかけたり、仕上げ加工をしてから出荷される。

日本の荒茶製造工程
(1)摘取・搬入:日本では4月中旬から5月に育った茶葉を手摘、茶摘機などで摘みとる。
2)蒸(むし):製茶工場に集めた茶葉を蒸機に投入し茶の葉を蒸気で蒸す。
3)冷却:蒸し茶葉の表面の水分をとりのぞき冷やす。冷却によって葉緑素(緑色)が際立つ。
4)葉打ち:葉振いして水分を蒸発させる。
(2)粗揉:茶葉を機械揉みながら熱風で乾かした。
(3)揉捻:茶の葉をふたたび機械で揉みながら熱風で乾かした。
(4)中揉:茶の葉を再度、機械で揉みながら熱風で乾かした。
(5)精揉:茶の葉に熱と圧力を加えて整形し乾燥した。
(6)乾燥:揉みあげた茶を完全に乾燥させる。これで「荒茶」が完成する。 選別されたちゃっぱ
お茶の手選別作業でより分けられたお茶の葉。半ば乾燥した状態になっている。
中国のコメ生産量は1.2億トンで、コメ輸出国でもある。ここ福建省はコメの二期作地帯で有名ですが、山間部では、小規模な田圃が大半です。

世界遺産の土楼もある福建省南靖県。その中庭でのお茶の労働集約的な手選別作業。

 カール・マルクスKarl Marx:1818-1883)『資本論』では、資本主義の本質は、「資本(capital)が無限に自己増殖する価値運動である」とし労働価値説に基づき、資本家は労働者から剰余価値搾取して、資本蓄積をすすめるとの論理を展開した。福建省のお茶生産のような農村家内工業に、このような資本の論理が成立しているのか?
製茶業以外にも、農村家内工業工場制手工業など封建制度から資本主義が形成されるまで過渡期に生まれた資本主義、すなわち初期資本主義(early capitalism)の時期から、箒生産、鍛冶屋、紡績、養蚕、窯業などいくつもの労働集約的産業が興隆してきた。当時は、金融資本家が弱体だったために、独自に資本形成を進めた起業家がたくさんいた。ベンチャーは新しい概念であると思うのは錯覚で、伝統的には、家内工業、工場制手工業など起業が多かった。
福建省南靖県の農業

 Communication


土楼の住民
福建省南靖県の土楼の住民が畑作業に出かける。 農夫
1972年のユネスコ世界遺産条約「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に登録されたことで観光客も増えた福建省南靖県有名など土楼では、中国内外からたくさんの観光客がやってくるので、見学料を取るところが増えた。しかし、一人で行き、話をしたり、聞き取りをしたりしていると、そうでもない。かえって、おいしいお茶をいただいたり、素朴な食事を出していただいたりした。ツーリストが関心を持たず素通りする土楼でも、素通りする山村でも、であった皆さんは親切だった。

中国のコメ生産量は1.2億トンで、コメ輸出国でもある。ここ福建省はコメのコメの棚田二期作地帯で有名だが、山間部では、小規模な田圃が大半だ。

 1867年カール・マルクスKarl Marx:1818-1883)『資本論』では、投下労働量に応じて商品価値が決まるとする労働価値説(labour theory of value)を提唱した。そして、資本家は労働者から剰余価値搾取を搾取して、資本蓄積を永遠に続けるという資本の論理論を展開しました。福建省のお茶の農村家内工業に、搾取されているワーキングプア(失業者ではなく働く貧困層)がいるであろうか?
農道
福建省南靖県の農作業に出かけるおばさん。 世界遺産土楼もある南靖県。そのため、村道も舗装されている。
福建省南靖県の農業

 Communication


住民 福建省南靖県。土楼の周囲にも小さなイモ畑がある。 段々畑
福建省南靖県。周囲の山と段々畑で収穫されたイモ。 福建省農業
福建省南靖県。福建省南靖県の農作業に出たり帰ったりする人たちが行き交う山村のメインストリート。 ここらの農村には、バスはない。そのかわりにバイクタクシーがある。ただし、これは好意で乗せていただいた。知り合いが多いのだ。このあたりでは、荷役あるいは乗馬のできる馬は見かけたことはない。 福建省農業
福建省南靖県。周囲の山と段々畑、棚田に囲まれている。


選別作業
福建省南靖県の棚田に水を汲み上げる揚水用の水車。これは、水車の上を人が歩いて回転させる人力ポンプの役割を果たしている。 福建省農業
福建省南靖県には棚田もあって米作も行われている。これは、脱穀作業に使う日本と同じ「キネウス」。 選別作業
茶摘みした茶の等級別の選別作業。土楼の中庭で作業をしている。 選別作業
福建省南靖県で脱穀作業に使う日本と同じ「杵臼」はみんなが使用するので土楼の入り口のところにある。これは、他の土楼でも同じ場所だった。 選別する手元
福建省南靖県の農家にある「キネウス」は、シーソー遊びにも使われる。 労働集約的な茶摘みの後、お茶の葉の選別作業。土楼の中庭で作業をしている。
 このような労働集約的な製茶業は、農村家内工業工場制手工業など封建制度から資本主義が形成されるまで過渡期に生まれた資本主義、すなわち初期資本主義(early capitalism)に誕生した。労働集約的技術は、労働生産性が低く、労働者の賃金も低く「遅れている」技術であると「安易な文明論」は批判しているが、開発途上国の就業構造やや日本で大学生の就職先を考えてみれば、雇用吸収力や雇用機会を度外視したこのような安易な発想が誤りであるとがわかる。 選別するおばさん
福建省南靖県の農家にある「挽き臼」。ヒキウス。軸が長いので梃子の原理で少ない力で重たい石臼を回転させることができる。

選別するおばさん
福建省南靖県には棚田もあって米作も行われている。これは、風選作業に使う日本と同じ「とおみ」。

労働集約的なお茶の葉の手選別作業。
 中国の製茶業は小説「三国志」で知られる魏(初代皇帝:曹丕)、蜀(初代皇帝:劉備)、呉(初代皇帝:孫権)の三国時代には興隆していた。古代から労働集約的な農村家内工業として、資本主義の発展する以前から、地方の雇用を担ってきた。

 家畜の糞尿を「肥やし」として、段々畑に撒布している。家畜の糞尿を「肥やし」として活用するためには、家畜の糞尿を収集・保管し、それを農地に運搬しなくてはならない。山の上の段々畑に撒布するには、多大な労力がかかる。バイオマスを有効活用するには、手間が欠かせない。バイオマスの活用など有機農業を進めるに際して、資本と労働力の観点が重要で、ここでみるような肥やしの利用を、衛生的に機械化するのであれば、その工程に多大なエネルギーが必要になる。つまり、機械化されたバイオマスの利用は、資本、資金だけでなく、資源エネルギーの追加投入が必要である。換言すれば、往々にして、持続可能な農業とは相反するものとなるのです。エネルギー収支を検討したうえで、サステイナビリティの評価をする必要があるといえる。 選別て作業
福建省南靖県の調理道具。ストーブの燃料は薪炭で、周囲のコモンズの森林から薪を採取する。
選別おばさん
福建省南靖県の調理道具のストーブ。燃料の薪。

お茶選別
福建省南靖県のお茶の葉の選別。

蒸し機から乾燥機までの製茶工程を経た、生葉から直接に作られたお茶を「荒茶」といいます。茶畑でとれた茶葉を現地で加工した「荒茶(あらちゃ)」は、次のような工程で製造されます。
?集積コンテナ:コンテナに一定量のお茶の生葉を蓄積・保管する。
?蒸し機:ボイラーからの蒸気で茶の葉を蒸し葉の発酵を止め、葉を柔らかくして揉み易くする。
?粗揉機(そじゅうき):お茶を揉みながら熱風を当てて、乾燥を進める。
?揉念機(蒸し葉に錘をかけ、揉み込むことで、揉盤という丸型の山のついた板の上を回転しながら揉み込む)
?中揉機(ちゅうじゅうき):葉中の水分が揉み出た蒸し葉を、さらに揉みながら水分をとばして、ヨリ込み、熱風を当てて乾燥させる。
?精揉機(せいじゅうき):乾燥してきた葉を、熱した揉盤の上で転がして加重をかけてヨリ込むみ、縮れた茶葉をピンとまっすぐに伸ばす。
?乾燥機:伸ばされた茶の形を崩さず、保存性を高めるため回転ドラム乾燥機で80℃から90℃位の熱風により乾燥させ、水分率5%程度にまで減少させる。
福建省のお茶
福建省南靖県。労働集約的な作業によって選別されたお茶。
お茶の選別作業

 Old Man & Labor


選別作業
楼の中庭、お茶の葉選別をしている。手前の中庭にあるのは、井戸と水場。
選別作業
福建省南靖県、お茶の葉をより分ける労働集約的な手選別作業。土楼の中庭で労働集約的な作業をしている。
選別する作業
お茶の葉選別をするに際して、資本と労働力の観点が重要となる。ここでみるような労働集約的な選別作業は、工場規模でも行われているが、機械化するのであれば、その工程に多大なエネルギーが必要になる。 選別おばさん
福建省南靖県、茶の手選別。 つまり、機械化された農業は、資本、資金だけでなく、資源エネルギーの追加投入が必要となる。つまり、往々にして、持続可能な農業とは相反するものとなる。エネルギー収支を検討したうえで、サステイナビリティの評価をする必要があるといえる。
選別まひおばさん
 土楼の入り口近くでお茶の葉の選別作業。
 カール・マルクス資本論』では、商品の価値は投下された労働に依存するという労働価値説に基づいて、商品はそれに費やされた労働に応じて交換されるとされた。資本主義において、資本家は労働者から剰余価値を搾取して、資本蓄積をすすめるという論理が展開されました。福建省のお茶生産のような農村家内工業に、このような労働者の搾取が成立しているであろうか?
お茶の加工

 Old Man & Labor


精揉機
揉捻機で茶葉を鉄の波板の上で細くより、揉(も)んでいきます。揉捻機(じゅうねんき)は、茶葉の茎と葉の水分を均一になるように擦り揉む加工機械です。水分むらを解消するため、茶葉に圧力を加え揉むのがこの揉捻機です。 回転ドラム
回転ドラムの付いた中揉機(ちゅうじゅうき)。 揉捻機で揉(も)んだ茶の葉を、次に中揉します。これは、ドラムを回転させる中揉機(ちゅうじゅうき)で、お茶の葉の水分を搾りだします。外側のドラムと内側のウデが逆に回転し、茶葉を乾かしながら揉み込んでいます。第10回中揉-1『中揉の総論と中揉み機』お茶をなぜ揉むのか、では次のようにわかりやすい説明をしています。
?.せんをきかせる。 煎茶をいれたときに、よく出る(または何度も出る)ようにする。
?.葉と茎を同時に乾燥させる 葉の芯に水分が残らないように、構造の違う部位を効率よく同時に乾燥させる。
?.アク抜きをする 揉むことによって茎に含まれるうまみ成分が抽出されて渋み等の成分比率が下がるため、うまみを感じるようになる。

揉捻機とは、茶の葉に力を加えて水分を均一化しながらお茶の葉を揉(も)む機械です。このあと、中揉機をつかって、お茶の葉に浮き出た水分を乾かすために、回転して乾燥化します。 揉捻機の中で、袋に詰められたおちゃっぱを揉む作業です。この中では大きなダンゴ状態で、お茶の葉が揉まれています。

中揉み・中揉工程の目的
1.茶葉の汁気を取り除く。(中揉み)
2.茶葉を均一に乾燥させ、小玉(ミノムシ)をほぐす。
3.次工程の精揉で、揉みやすく形ができやすい中火茶を造る。
回転揉み
揉捻機で茶の葉をもんで水分を搾りだした後で、さらに中揉機(ちゅうじゅうき)のドラム回転でお茶の葉を乾燥させます。そして、包んでいた布に葉を開けます。これから精揉機で布を固く絞る練り揉み重回転の作業に入るところ。
回転揉み鳥飼
中揉機(ちゅうじゅうき)による回転揉みが終わったお茶の葉は、布で縛ったお茶の塊を練り揉み重回転転揉みする。茶の塊を大きくし力を掛けゆっくり転がしながら機械で揉みます。昔は、体重を掛けて人力で揉み込んだとのこと。茶葉内部の水分が揉み出されるるので蒸れないように気を付けます。

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土楼
中国福建省内陸部南靖県の土楼群。円形土楼、方形土楼がありますが、特異な巨大建築は、世界遺産に登録され有名観光地となり、訪問客が多いところです。けれども住民の生活を伺うことができます。また、南靖県の農村山村では農村家内工業、労働集約的な工場制手工業の一つとして製茶業が盛んです。南靖県住民の方に協力していただき、お茶畑、製茶工場で聞き取り調査を実施することができました。山村でのヤギ放牧では、たくさんの子ヤギを見せていただきました。

鳥飼行博
2007年、中国福建省南靖県農村に1週間滞在してお茶生産農家や製茶業を営むう個人経営体を訪問しフィールド調査を行った。この付近は、2008年に世界遺産に登録された円形、方形の土楼群で有名だが、農牧業、製茶が盛んな地位である。

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鳥飼 行博 TORIKAI Yukihiro
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