◆ロッキード（Lockheed）モデル（Model）12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）
写真（上）1938-1941年頃、アメリカ、カリフォルニア州オークランド飛行場、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機 (登録コード：NA1058)左側側面 ：モデル10を小型化したモデル12は、1936年6月27日初飛行で、乗員2名、乗客6名でモデル10より乗客は6名減少したが、発動機はほぼ同一出力だった目に、速力は362 km/hと40km/hほど向上した。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA.
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091547引用。


写真（上）1938年以前、アメリカ、リバブリック・オイル社リバブリック・オイル社ジミー・マターン（James Joseph Mattern ）のロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機「テキサン」"The Texan" (登録コード：N869E)左側側面 ：全長: 36 ft 4 in (11.07 m) 全幅: 49 ft 6 in (15.09 m) 全高: 9 ft 9 in (2.97 m) 翼面積: 352 sq ft (32.7 m2) 空虚重量: 5,765 lb (2,615 kg) 総重量: 8,400 lb (3,810 kg) 最大離陸重量: 8,650 lb (3,924 kg)。写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091535引用。
写真（上）1942年頃、アメリカ、舗装滑走路に待機するアメリカ陸軍航空隊 C-40A輸送機（登録コード8547）の前右面：ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機の軍用仕様がC-40で、迷彩塗装が施されている。長いアンテナ支柱が取り付けられている。胴体側面の国籍マークの白星中央の赤丸はには残っている。
Lockheed, Model 12A (C-40A), Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A (C-40A), Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A (C-40A) Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Military version used by the Army Air Corps.
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　 Catalog #: 01_0009163８引用。
写真（上）2019年9月、ベルギー、アントワープ飛行場、格納庫前に待機するロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（製造番号 S/N1875：登録コード NC14999）の正面：アントワープ解放祭典での撮影。
Nederlands: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 op de Internationale Luchthaven Antwerpen tijdens de Bevrijdingsfeesten te Antwerpen 2019. English: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 at Antwerp International Airport during the Antwerp Liberation Festivities 2019. Date 7 September 2019, 13:00:59 Source Own work Author Ad Meskens
写真はWikimedia Commons，Category:Lockheed 12A Electra Junior at Bevrijdingsfeesten Antwerpen 2019　 Catalog #: 01_0009163引用。
写真（上）2019年6月、ベルギー、アントワープ上空を飛行するロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（製造番号 S/N1875：登録コード NC14999）の正面：アントワープ解放祭典での撮影。
Nederlands: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 op de Stampe Fly In 2019. Date 2 June 2019, 13:46:00 Source Own work Author Ad Meskens
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed 12A Electra at Stampe Fly In 2019 File:Antwerp Lockheed 12A Electra Junior 01.jpg引用。

１．ロッキード（Lockheed）モデル（Model）10 エレクトラ（Electra）輸送機

写真（右）1937-1940年頃、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 10-A「エレクトラ」（Electra）輸送機：モデル 10A　エレクトラは、軍用機として、アメリカ軍以外では、アルゼンチン空軍（Argentine Air Force）、ブラジル空軍（Brazilian Air Force）、カナダ空軍（Royal Canadian Air Force）、ホンジュラス空軍（Honduran Air Force）、ニカラグア空軍（Nicaragua Air Force）、スペイン空軍（Spanish Republican Air Force）、日本軍、イギリス空軍（Royal Air Force）、ベネスエラ軍（Venezuela）で採用されている。
Lockheed, Model 10A, Electra Title: Lockheed, Model 10A, Electra Corporation Name: Lockheed Designation: Model 10A Official Nickname: Electra Additional Information: USA
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091576引用。

アメリカのロッキード（Lockheed）社は、それまでオリオン（Orion）のような木製の飛行機を生産していたので、ロイド・シャーマン（Lloyd Stearman）とホール・ハイバード（Hall Hibbard）の設計になるロッキード(Lockheed)モデル Model 10「エレクトラ」輸送機は、ロッキード初の全金属製飛行機となった。 命名は、父ミケーネ王を殺害した母に復讐する娘エレクトラ（Electra）で、夜空のおうし座プレアデス星団（Pleiades）の恒星からの命名である。試作機は、1934年2月23日に初飛行した。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 10A「エレクトラ」（Electra）は、民間輸送機として、アメリカ以外では、オーストラリア（Australia）、ブラジル（Brazil）、カナダ（Canada）、チリ（Chile）、キューバ（Cuba）、チェコ（Czech） 、メキシコ（Mexico）、オランダ（Netherland）、ニュージーランド（New Zealand）、パナマ（Panama）、ポーランド（Poland）、ルーマニア（Romania）、イギリス（United Kingdom）、ユーゴスラビア（Yugoslavia）で使用された。

ロッキード(Lockheed)モデル Model 10A「エレクトラ」（Electra）は、軍用機として、アメリカ軍以外では、アルゼンチン空軍（Argentine Air Force）、ブラジル空軍（Brazilian Air Force）、カナダ空軍（Royal Canadian Air Force）、ホンジュラス空軍（Honduran Air Force）、ニカラグア空軍（Nicaragua Air Force）、スペイン空軍（Spanish Republican Air Force）、日本軍、イギリス空軍（Royal Air Force）、ベネスエラ軍（Venezuela）で採用されている。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 10-A エレクトラ（Electra）輸送機の諸元
搭乗員Crew: 2名、乗客Capacity: 10名
全長Length: 38 ft 7 in (11.8 m)
全幅Wingspan: 55 ft 0 in (16.8 m)
全高Height: 10 ft 1 in (3.1 m)
主翼面積Wing area: 458 平方フィート (42.6 平方メートル)
空虚重量Empty weight: 6,454ポンド(2,930 kg)
搭載量Loaded weight: 10,500ポンド lb (4,760 kg) 発動機Powerplant:プラット＆ホイットニー（Pratt & Whitney）ワスプ・ジュニア（Wasp Junior）R-985空冷星形エンジン 450 hp (340 kW) 2基クトラ」輸送機

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ヒューストン、ウィリアム・ホビー飛行場（William P. Hobby airport）の舗装滑走路、エンジンを駆動しプロペラが回転しているロッキード（Lockheed）モデル10B「エレクトラ」（Electra ）輸送機と二人の男性（左奥）：プラット＆ホイットニー（Pratt & Whitney）ワスプ（Wasp）R-1340-49空冷星形9気筒エンジン600 hp (450 kW)2基搭載。
Title: [Two Men with Lockheed 10B Electra]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Dallas, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: Two men looking at a Lockheed Model 10B Electra at William P. Hobby Airport in Houston, Texas..Physical Description: 1 transparency: film, color; 10 x 13 cm
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_95_sm_opt.jpg引用。

1925年ハフ・ダランド（Huff Daland ）がジョージア州アトランタで設立したデルタ航空（Delta Air Lines）は、1936年に最初の全金属製機ロッキード(Lockheed)モデル Model 10-B「エレクトラ」（Electra）輸送機を導入した。この機の旅客輸送能力は、搭乗員2名、乗客10席で、時速190マイルの高速航行が可能で、豪華な設備を持っことが特徴だった。

デルタ航空（Delta Air Lines）が採用したロッキード（Lockheed）モデル Model 10ーB エレクトラ（Electra）新鋭輸送機のキャビンには、乗客用座席が左右の窓際に各１列並、５席が並び、合計で乗客10名分の座席を確保している。高速と快適な設備が売りだった。

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ダラス、ラブ・フィールド飛行場（Love Field Airport）、デルタ航空（Delta Airlines）所属のロッキード（Lockheed）モデル Model 10B エレクトラ（Electra）輸送機：プラット＆ホイットニー（Pratt & Whitney）ワスプ（Wasp）R-1340-49空冷星形9気筒エンジン600 hp (450 kW)2基搭載。
[Models with Oldsmobile Automobile, Lockheed 10B Electra, Delta Air Lines] Title: [Models with Oldsmobile Automobile, Lockheed 10B Electra, Delta Air Lines]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Dallas, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: The photographer’s notes from this negative series indicate these models were working for Neiman Marcus. The photographer's notes from this negative series indicate that the automobile was on loan from Lone Star Oldsmobile Co, Dallas. Two models are next to an Oldsmobile Series 70 automobile, while a group of models stand next to a Lockheed model 10B Electra, owned by Delta Air Lines, at Dallas Love Field Airport.
写真は，SMU Libraries Digital Collections引用。

ロッキード モデル10-B エレクトラ(Lockheed Model 10-B Electra)輸送機は、操縦室に正副パイロットの2名がいるが、副操縦士は、機内客へのランチボックス（box lunches）とコーヒー（coffee）をサービスする役割も担っていた。

キャビンには、左右2列並に乗客10名分の座席が2列に並び、室内灯（dome light）・座席読書灯（reading lamps）・窓カーテン（window curtains）・手荷物用網棚（hat nets）がついている。機首には荷物室があって、機首先端に荷物室ハッチを開閉させて、郵便袋などを出し入れする。1925年設立のデルタ航空（Delta Air Lines）にとっては、初めての全金属製の輸送機だった。 ロッキード モデル 10-B「エレクトラ」(Lockheed Model 10B Electra)輸送機は、フォッカー（Fokker ）F-10トライモーター三発輸送機と同じライト（Wright） R-975-E3 ヴィールウィンド（Whirlwind）440 hp (340 kW)2基を装備した。アメリカ軍も、この機体をC-36C（登録コード：UC-36C）の名称で、1943年に採用し、アメリカ沿岸警備隊（U.S. Coast Guard）も登録コードXR3O-1で要人輸送用に採用している。ロッキード（Lockheed）モデル Model 10-B「エレクトラ」（Electra）輸送機は全部で18機が製造された。

ロッキード L-10B エレクトラ(Lockheed Model 10B Electra)輸送機の発動機は、ライト（Wright） R-975-E3 ヴィールウィンド（Whirlwind）440 hp (340 kW)2基で、 18機が製造されただけに終わった。しかし、ロッキード L-10 エレクトラ(Lockheed Model 10 Electra)全形式を合わせると、1934年2月23日に初飛行、1935年に就役を開始して以来、149機が生産されている。

デルタ航空（DL）での総保有数:　6機:
　保有内訳　1機 Model 10-B イースタン航空（Eastern Airlines）から購入, 4機 Model 10-B ロッキード社（Lockheed）, 1機 Model 10-A ブラニフ（Braniff Airways）から1939年12月ー1940年3月20日までリース

ロッキード・モデル 10-B エレクトラ（Electra）輸送機(Lockheed Model 10-B Electra)輸送機の諸元
総重量:10,300ポンド
航続距離:350 マイル
巡航速力: 時速190 マイル
乗客座席数: 10 名
全長:39 ft.
全幅: 55 ft.
全高:10 ft.
発動機:プラット＆ホイットニー（Pratt & Whitney）ワスプ（Wasp）450 hp 2基

アメリカでは、1934年10月に、飛行機の安全性を確保するために、旅客機、夜間飛行機が単発エンジンであることを禁止し、エンジン故障の際にも飛行可能なように、複数のエンジンを備えることを義務付けた。この航空規制のために、プラット＆ホイットニー（Pratt & Whitney）ワスプ（Wasp）SC1空冷星形エンジン 2基を搭載したロッキード モデル10C「エレクトラ」(Lockheed Model 10C Electra)輸送機は、その高性能と相まって、アメリカの民間航空各社に採用されることとなった。

ロッキード モデル10C エレクトラ(Lockheed Model 10C Electra)輸送機は、プラット＆ホイットニー（Pratt & Whitney）ワスプ（Wasp）SC1空冷星形9気筒エンジン 450馬力 (336 kW)2基を装備した双発双尾翼の全金属製高速輸送機で、全部で8機が生産された。

ロッキード モデル10E エレクトラ(Lockheed Model 10E Electra)輸送機の装備したプラット＆ホイットニー（Pratt & Whitney）ワスプ（Wasp）R-1340-49空冷星形9気筒エンジンは、排気量は、1,344立方インチ (22 L)で、出力は600 馬力 (450 kW)のである。
装備したプロペラ（Propellers）は、ハミルトン・スタンダード（Hamilton Standard）の自動調整ピッチ（controllable-pitch）あるいは恒速ピッチ（constant-speed propeller）の2翅で、直径は 8.5 から 9 フィート (2.6m から 2.75 m)を装備した。

⇒写真集Album:アメリア・イヤハート(Amelia Earhart)ロッキード 10 エレクトラ（Lockheed Model 10 Electra）による世界一周赤道飛行と太平洋上の失踪事件 を見る。


写真（上）1937年頃、アメリカ、アメリア・イヤハートが世界一周飛行に挑戦した時の愛機ロッキード（Lockheed）モデル Model 10-E エレクトラ（Electra）輸送機（登録コード： NR16020、製造番号：1055）：長距離飛行用に燃料タンクを増設、機首下面に方位測定用のループアンテナを装備。プラット＆ホイットニー（Pratt & Whitney）ワスプ（Wasp）R-1340-49空冷星形9気筒エンジン600 hp (450 kW)2基搭載。15機製造。
Lockheed, Model 10E, Electra Title: Lockheed, Model 10E, Electra Corporation Name: Lockheed Designation: Model 10E Official Nickname: Electra Additional Information: USA, Amelia Earhart's ill fated, long distance aircraft.
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091536引用。

　 ジェンダー不平等・女性差別が当たり前で、体力的・精神的に女性は男性にはるかに劣る、女性は感情的なので機械の扱いや論理的思考はできない、とされた20世紀初め、空への憧れたアメリア・イアハート（Amelia Earhart）は、女性であっても、飛行士として自由に飛び回れること、男女にかかわりなく自分の夢を叶えたいという強い意志と弛まぬ努力が大きな成果・業績を生み出すことを、世界に実証した。女性にも知性、勇気、行動力、論理性、沈着さがあることを示し、強固な意志があれば、男性と同等に立ち振る舞うことができることを証明した。

アメリア・イヤハート（Amelia Mary Earhart）は、1936年7月24日の39歳の誕生日に、ロッキード・エレクトラ10E（Lockheed 10E Electra Special）登録コードNR16020を受け取り、登録コードNR16020の愛機を使って、ジョージ・パットナム（George Palmer Putnam）の支援の下で、世界一周赤道飛行を計画した。長距離の危険な飛行のため、機体には燃料タンクを増設し、新型の無線航法装置を導入した。また、単独飛行は困難なので、航法士・副操縦士フレデリック・フレッド・ヌーナン（Frederick Joseph "Fred" Noonan：1893-1937)が搭乗員として加わった。

西回り世界一周を目指すアメリアは、他の3人の搭乗員とともに1937年3月17日にロッキード・エレクトラ10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード；NR16020）でカリフォルニア州オークランドを離陸し、ハワイのホノルルに着地した。しかし、ホノルルで故障したために、アメリカ本土に船で戻った。そして、機体を修理してから、今度は東回り世界一周を企図し、1397年7月1日にオークランドを飛び立った。

通常型ロッキード・エレクトラ（Lockheed Electra）10E（Lockheed Model 10E Electra ）の諸元
空虚重量（Empty Weight）: 6,454 ポンド（pounds）
全長（Length）: 38 feet, 7 inches
全高（Height）: 10 feet, 1 inch
発動機：プラット・アンド・ホイットニー（Pratt & Whitney）R-1340「ワスプ」Wasp SH31空冷星形9気筒エンジン600馬力2基
巡航速力（Cruise speed）: 時速190-194マイル（mph）
最高速力（Max Speed）: 時速202マイル（mph）
航続距離（Range）: 619 マイル（nautical miles）
実用上昇限度（Service Ceiling）: 19,400 feet


写真（右）1937年製造、アメリカ、カリフォルニア州オークランド飛行場、赤道上の世界一周飛行に出発前、愛機ロッキード 10 エレクトラ（Lockheed Model 10 Electra：登録コード:NR16020）胴体上部に新設だれたベンディックス（Bendix）無線方位装置（radio direction finder）のループアンテナ（同一製品）：ハワイ諸島オアフ島のホノルルに飛行するアメリア愛機エレクトラ10Eのコックピット上面に設置された。胴体中央部には燃料タンクが増設され、機体前方と後方を繋ぐ通路はなかった。
Amelia Earhart looking through Bendix Corporation radio direction finder antenna ring used on her Lockheed 10E Electra.　 Bendix Radio Direction Finder ...give Host an Event Bendix Radio Direction Finder Home Multimedia Gallery BendixRadioDirectionFinder Amelia Earhart and... photographer.Unknown Subject Earhart, Amelia 1897-1937
Created: November 26, 2012 Photographer: Eric Long
写真はSmithsonian's National Air and Space Museum　・Bendix Radio Direction Finder　ID#: NASM2012-02106引用。

アメリア・イアハート（Amelia Earhart）の愛機Lockheed ロッキード・エレクトラ10E（Lockheed 10E Electra Special）登録コードNR16020の特別仕様
１）燃料タンクを主翼と胴体に増設、追加し、主翼に6個、胴体に6個の燃料タンクを装備。合計燃料容積は 1,150ガロン（4,353L）に増加し、巡航速力で20時間以上飛行可能になった。ただし、コックピットには、胴体に燃料タンクを増設したために、胴体後部の扉からは入れなくなり、主翼の上から機首のコックピット上の天蓋にもぼって入らなければならない。

２）遠距離飛行のため、通信・航法危機を改良し、より強力なウエスタン・エレクトリック（Western Electric）のより強力な無線機（radio）を搭載、当時の先端技術を使ったベンディックス（Bendix）(無線方位装置（radio direction finder）)、弱いモールス信号（Morse code）でも検出可能な振幅発振回路(Beat Frequency Oscillator：BFO)を搭載した。

アメリア・イアハート（Amelia Earhart）は、世界一周赤道飛行に再挑戦するために、1937年3月17日にアメリカ、カリフォルニア州バーバンク（Burbank）飛行場から、特別仕様ロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed 10E Electra Special：NR16020）に搭乗し、発進した。このときも、専属カメラマンとなっていたアルバート・ブレスニック（Albert Bresnik）が写真撮影している。

アメリア・イヤハート（Amelia Earhart）愛機ロッキード・エレクトラ10E（Lockheed 10E Electra Special）登録コードNR16020の機首先端には、夜間着陸に使用するためか照明塔が2個ついている。プロペラは２翅であるが、その後、エンジン出力が増加し、プロペラ長が長くなると、３翅プロペラが導入されるようになった。機体は、塗装を施さず、銀色の無地のアルミ合金外板が輝いている。

1937年3月17日のロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード；NR16020）による女性飛行家アメリア・イアハート（Amelia Earhart）と航法士・副操縦士フレデリック・フレッド・ヌーナン第1回目の世界一周赤道飛行は、カリフォルニア州オークランド発、ハワイ諸島オアフ島ホノルルに到着したところで離陸に失敗、飛行機が大破して中止となった。

次は、第二回目のロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード；NR16020）による挑戦で、飛行経路は、第一回目と反対にアメリカ本土カリフォルニア州オークランドからフロリダ州マイアミ経由で、中南米、アフリカへと東回りの世界一周赤道飛行の計画である。

女性飛行家アメリア・イアハート（Amelia Earhart）と航法士・副操縦士フレデリック・フレッド・ヌーナン（Frederick Joseph "Fred" Noonan)の搭乗したロッキード・エレクトラ10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード；NR16020）は、ハワイのホノルル、ウィーラー飛行場（Wheeler Field）に着陸した時に、潤滑油や降着装置に問題が起きたために、真珠湾のアメリカ海軍基地内フォード島（Ford Island）ルーク飛行場（Luke Field）に運ばれ、格納庫の中で整備を受けた。整備には時間がかかり、予定より3日間遅れて、整備がなり、ルーク飛行場（Luke Field）を離陸しようとした。しかし、ルーク飛行場（Luke Field）滑走路で、アメリア・イヤハート（Amelia Earhart）愛機愛機ロッキード・エレクトラ10E（Lockheed 10E Electra Special）登録コードNR16020のは、グラウンドループ（滑走中のスピン）を起こし、機体・降着装置を大きく破損した。

女性飛行家アメリア・イアハート（Amelia Earhart）特別仕様ロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed 10E Electra Special：NR16020）は、ハワイで大破したたため、世界一周赤道飛行計画は一時断念したが、機体を、アメリカ本土にまで船舶輸送し、ロッキード・バーバンク（Lockheed Burbank）工場で、本格的に修理して、出直すことになった。

1932年、ロッキード・ベガ単発機で女性初の大西洋単独横断飛行に成功した女性飛行家アメリア・イアハート（Amelia Earhart）は、世界一周赤道飛行をするにあたって、ロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed 10E Electra Special：NR16020）を選択したが、これはロッキード社の意向と便宜を受けての事であろう。したがって、初めての世界一周赤道飛行の挑戦で、ハワイで機体を損傷したからといって、夫で実業家のジョージ・パットナム（George Palmer Putnam：1887-1950）とロッキードの名誉にかけて、途中退場は許されない。再挑戦は、当然の帰結だった。

⇒写真集Album:アメリア・イヤハート(Amelia Earhart)ロッキード 10 エレクトラ（Lockheed Model 10 Electra）による世界一周赤道飛行と太平洋上の失踪事件 を見る。

アメリア・イアハート（Amelia Earhart）のロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード NR16020）による第二回目の挑戦では、飛行経路は、第一回目と反対にアメリカ本土カリフォルニア州オークランドからフロリダ州マイアミ経由で、中南米、アフリカへと東回りの世界一周赤道飛行の計画である。

1937年5月21日、女性飛行家アメリア・イアハート（Amelia Earhart）は、愛機ロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード NR16020）に搭乗し、航法士フレデリック・ヌーナン（Frederick J. Noonan ）とともに、第二回目の赤道上世界一周飛行に挑戦した。

ロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード NR16020）による世界一周赤道飛行のルートは、カリフォルニア州オークランドから、フロリダ州マイアミに到着時点に大々的に公開され、マイアミからメキシコ湾を超えて、中米、南アメリカを経て、大西洋を越えてアフリカ大陸に渡った。そして、インド洋を超えて、南東に針路をとり、6月29日、ロッキード・エレクトラ 10Eは、ニューギニア島東北部海岸ラエ（Lae）に到着した。当ここまでの飛行距離は、2万2000マイルで、残すところ7000マイルだった。

写真（右）1937年6月22日、オランダ植民地インドシナ（蘭印）、ジャワ島西部、バンドン（Bandung）、モービル石油による給油を受けるアメリア・イヤハート（Amelia Earhart）愛機のロッキード（Lockheed）モデル Model 10-E エレクトラ（Electra）輸送機（登録コード:NR16020）。赤道上の世界一周飛行で、行程の半分以上を飛翔した。：胴体には燃料タンクが増設されており、機内にコックピット出入口はなかった。そこで、コックピットの天井に設置された昇降口が出入り口となっており、コックピットには、胴体上部まで主翼を使って上る必要があった。
Old Identification Number Number xi.b.3.q Purdue Identification Number b11f2i17 Title Mobil Oil workers refueling Earhart's Lockheed Electra Description Mobil Oil workers refueling Earhart’s Lockheed Electra plane from steel drums, Bandoeng, Java, June 22, 1937 [side view] Date of Original 1937-06-22 Subjects Lockheed Electra Bandung (Indonesia) Indonesia Extent of Original 1 photograph : b&w ; 10 x 15 cm. Repository Purdue University Libraries, Archives and Special Collections Capture Device Epson Expression 10000XL Photo Scanner Capture Details Silverfast 6.4.1 r8c by Lazersoft Date Digitized 01/19/2006 Orientation Landscape Collection George Palmer Putnam Collection of Amelia Earhart Papers
写真はPurdue University Libraries, Archives and Special Collections ・CD Number AECD_171 引用。

1937年5月21日、女性飛行家アメリア・イアハート（Amelia Earhart）は、愛機ロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード NR16020）に搭乗し、航法士フレデリック・ヌーナン（Noonan）とともに、赤道上世界一周飛行に向かって、アメリカ西岸、カリフォルニア州オークランドを飛び立った。ルートは、オークランドからマイアミに飛び、そこから中米、南アメリカを経て、大西洋を越えてアフリカ大陸に渡った。

ロッキード・エレクトラ 10Eは、アフリカから、インド洋を超えて、1937年6月29日、ニューギニア島東北部海岸ラエ（Lae）に到着した。ニューギニア東部は、当時、オーストラリア委任統治領だった。ここまでの飛行距離は、2万2000マイルで、世界一周赤道飛行の完遂まで残すところ7000マイルだった。

1937年7月2日7:20 AM, 女性飛行家アメリア・イアハート（Amelia Earhart）はロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード NR16020）がハウランド島南西20マイルにある と無電連絡し、7:42 AM,巡視船「アイタスカ」（Itasca）に入電した。その後、巡視船上空にあるらしいが、目視出来ず、燃料低下、無電受けることできず、高度1000フィート"We must be on you, but we cannot see you. Fuel is running low. Been unable to reach you by radio. We are flying at 1,000 feet." と，843AMの無電を最後に消息を絶った。アメリア・イアハート（Amelia Earhart）と愛機ロッキード・エレクトラ 10E（Lockheed Model 10-E Electra：登録コード NR16020）は、この無線交信の後に行方不明となり、消息を絶ったままとなった。

⇒写真集Album:アメリアのロッキード(Lockheed)エレクトラ(Electra)世界一周


２．ロッキード（Lockheed）モデル（Model）12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）

写真（右）1937-1938年以前、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機「テキサン」"The Texan"（登録コード：N869E）：
Lockheed, Model 12A, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Modified for long distance flying and named ""The Texan"", the aircraft was completely destroyed by fire in 1938. Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091535引用。

写真（右）1937-1938年以前、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機「テキサン」"The Texan"（登録コード：N869E）：
Lockheed, Model 12A, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Modified for long distance flying and named ""The Texan"", the aircraft was completely destroyed by fire in 1938. Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091535引用。

写真（右）1936年6月以降、アメリカ、飛行機格納庫前のロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード：NC4000）の右側面：搭乗員2名、乗客6名で小型のために、個人機や地方路線の運航に使用された。政府用・軍用の個人輸送機として採用された。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091569引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機は、1936年6月27日初飛行、ライト（Wright）R-975ウィールウィンド（Whirlwind：旋風） 空冷星形エンジン450 馬力 (336 kW)2基を装備している。原型のロッキード（Lockheed）モデル Model 10 エレクトラ（Electra）を若干小型化し、8座席、6人乗客の全金属製双発輸送機である。1930年代後半から、小規模な航空会社、大企業、資産家が購入して使用したほか、政府要人も使用した。 ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）の生産機数は、130機に達した。

写真（右）1936年6月17日以降、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード：VH-ASG）：
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091544引用。

ロッキード モデル 10 エレクトラ（Electra）は149機量産され、10数機機が現存している。
ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は 130機が量産され12機が現存している。

写真（右）1936年6月17日以降、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード：NC16052）の右上面：
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091545引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、企業経営者、実業家、社主、裕福層のプライベート輸送機として使用することを目的に開発された全金属製双発機で、1930年代後半の機体としては、新技術の引込み式降着装置（脚）を採用した新鋭高速機である。

写真（右）1936年6月17日以降、アメリカ、トランスコンチネンタル・ウェスタン航空（TWA：Transcontinental & Western Air）のロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード：NC18137）の左上面：
Lockheed, Model 12A, Electra Junior Catalog #: 01_00091531 Title: Lockheed, Model 12A, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USAA
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091531引用。

1925年設立のウエスタン・エアー・エキスプレスとは、1928年に創設されたトランスコンチネンタル・エアー・トランスポートに吸収され、新たにトランスコンチネンタル・アンド・ウエスタン航空と社名を変更した。そして、1932年には、新鋭機ダグラス(Douglas)DC-1旅客輸送機を購入し、その量産型ダグラス(Douglas)DC-1旅客輸送機、ダグラス(Douglas)DC-2旅客輸送機を採用して航路を拡張した。そして、アメリカ大陸横断航路を開拓して、航空網を全米に拡張した。このジャック・フライ社長の積極的経営に注目した飛行家・実業家ハワード・ヒューズ（Howard Hughes）は、1939年にTWAを買収し、社主となった。

写真（右）1937-1938年頃、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（ Electra Junior）輸送機（登録コード：NC8）：
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091558引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（ Electra Junior）輸送機の諸元
乗員Crew: 2名、乗客Capacity: 6名
全長Length: 36 ft 4 in (11.07 m)
全幅Wingspan: 49 ft 6 in (15.09 m)
全高Height: 9 ft 9 in (2.97 m)
主翼面積Wing area: 352 ft2 (32.7 m2)
空虚重量Empty weight: 5,765 lb (2,615 kg)
搭載量Loaded weight: 8,650 lb (3,924 kg)
最大離陸重量Max. takeoff weight: 9,200 lb (4,173 kg)


写真（右）1937-1938年頃、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード：G-AGTL）：
Lockheed, Model 12, Electra Junior
Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior
Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12
Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，SDASM Archives　Catalog #: 01_00091559引用。

写真（右）1937年5月以降、カナダ、モントリオール（？）、カナダ運輸省所属のロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（CF-CCT）の右側面：1937年製造、製造番号C/n (msn): 1219、1937年5月10日にCF-CCTで民間登録された。トランス・カナダ航空（Trans-Canada Airway）がモントリオール（Montreal）＝バンクーバー（Vancouver）間を5地点を経由して1日で結んだ。この機体は、1963年にオンタリオ（Ontario）州オタワ（Ottawa）のカナダ航空博物館（ Canada Aviation Museum）に寄贈された。
Lockheed, Model 12A, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Delivered to the Canadian Department of Transport in 1937. Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　 Catalog #: 01_000915421引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機は、ベビー・エレクトラの愛称でも呼ばれている。民間航空の輸送機としての利用は一部の地方路線だけで少なく、社用のプライベート機、軍用要人輸送機として利用されている。

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、アメリカ、テキサス州ヒューストン、ウィリアム・ホビー飛行場（William P. Hobby airport）の舗装滑走路、エンジンを駆動しプロペラを回転させているロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機：左翼下面に登録コードは17379とある。
Lockheed 12A Electra Junior]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Houston, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: A Lockheed Model 12A Electra Junior, belonging to the Continental Oil Company, at William P. Hobby Airport in Houston, Texas..
Physical Description: 1 transparency: film, color; 10.0 x 12.6 cm.
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_K_16_lockheed_sm_opt.jpg引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機は、前作L10エレクトラ輸送機を若干小型化し、全長36 ft 4 in (11.07 m)で70センチ減、全幅: 49 ft 6 in (15.09 m)で1.7m減、総重量 8,400 ポンド (3,810 kg)で900kg減、乗員2名（同じ）、乗客6名と6名減とした。発動機はほぼ同排気量、同出力のライト（Wright）R-975ウィールウィンド（Whirlwind：旋風）空冷星形9気筒エンジン (排気量15.98 L) 450 hp (336 kW)2基に換装されている。最大速力は、L-10の 202 mph (325 km/h)より向上して、L-12は 225 mph (362 km/h）と40km近く速くなったが、航続距離は800マイル (1,300 km)でほぼ同じである。

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ヒューストン、ウィリアム・ホビー飛行場（William P. Hobby airport）の舗装滑走路、プロパラを回転しているロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機：手前は、ブラニフ航空（Braniff Airline）の操縦士と同社のロッキード（Lockheed）モデル10-B エレクトラ（Electra）輸送機。
Title: [Braniff Airline Pilots Watching a Lockheed 12A Electra Junior]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Houston, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description:Two Braniff Airline pilots, standing behind a Lockheed Model 10B Electra, watching a Lockheed Model 12A Electra Junior, belonging to the Continental Oil Company, maneuver on the tarmac at William P. Hobby Airport in Houston, Texas..
Physical Description: 1 transparency: film, color; 10 x 13 cm.
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_92_sm_opt.jpg.引用。

1936年6月初飛行のロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機は、全長 36 ft 4 in (11.07 m)で、1938年10月初飛行のカーチス（Curtiss）P-40戦闘機の全幅11.35m、リパブリック（Republic）P-47 サンダーボルト（Thunderbolt ）の全長36 ft 1+3⁄4 in (11.02 m)とほぼ同じサイズである。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）の全備重量は 8,400 ポンド (3,810 kg)で、カーチス（Curtiss）P-40の総重量 8,515ポンド (3,862 kg)と同じである。

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ヒューストン、ウィリアム・ホビー飛行場（William P. Hobby airport）の舗装滑走路、サンタマリア飛行学校（Santa Maria School of Flying）所属のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機と女性モデルの宣伝写真の撮影風景：L-10 エレクトラ輸送機より若干小型で、乗員2名、乗客6名とし、ライト（Wright）R-975ウィールウィンド（Whirlwind：旋風）空冷星形9気筒エンジン (排気量15.98 L) 450 hp (336 kW)2基搭載。後方には、双胴ツインブーム低翼単葉機ステアマン＝ハモンド Y-1（Stearman-Hammond Y-1）が見えるが、この機体はエンジン125 hp (93 kW)が機体後方に装備され、プロペラは推進式だった。
[Alice Faye and Photographer with Lockheed 12A Electra Junior] Title: [Men in front of Lockheed 12A Electra Junior Airplanes]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Houston, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: Actress Alice Faye posing for a photographer, next to a Lockheed model 12A Electra Junior, belonging to the Santa Maria School of Flying, at William P. Hobby airport in Houston, Texas. The aircraft in the background is a Stearman-Hammond Y-1.
Physical Description: 1 transparency: film, color; 10 x 13 cm.
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_92_sm_opt.jpg.引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、前作L-10エレクトラ、ボーイング モデル247と同様、主翼桁は胴体を貫通していたので、胴体中央部の客室キャビンの床面に主翼桁の分だけ段差があった。客室キャビンには6名分の客席を確保できたが、前後の客室キャビン間に主翼桁が通っていたために、客室キャビン底面には段差が生じ移動性に障害があった。客室キャビンの後部には洗面所トイレが設置されている。ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）の標準的な客室キャビンでは、レイアウト上、 6人乗りの客席が配置されたが、社用機あるいは個人機などパーソナルな利用に際しては、座席を減らして、余裕を持たせた贅沢なレイアウトに変更されている。

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ダラス、未舗装滑走路、ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機の左主翼下で降着装置のゴムタイヤのホイールを点検している整備員：手前は、ブラニフ航空（Braniff Airline）の操縦士と同社のロッキード（Lockheed）モデル10B エレクトラ（Electra）輸送機。
[Aviation Mechanic with Lockheed 12A Electra Junior]
Title: [Lockheed 12A Electra Junior in Flight over Dallas]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Dallas, Texas
Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: An aviation mechanic removing the hubcap from the wheel of a Lockheed Model 12A Electra Junior, belonging to Byrd-Frost Incorporated, at Dallas Love Field Airport in Dallas, Texas..
Physical Description: 1 transparency: film, color; 12.6 x 10.2 cm.
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_ 100_lockheed_sm_opt.jpg引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）の試作1号機は、1936年6月27日昼12時12分に初飛行したが、これはアメリカ航空局の出した地方民案輸送機の競争試作締め切り期限の6月末の3日前だった。 つまり、ロッキードL-12の名称に因んだ飛行時間を選んだのである。ただし、航空局の競争試作に応じたロッキード以外の機体は、ビーチクラフト モデル 18もバークレー グロウ T8P-1もともに試作機完成の期限に間に合わなかったために、競争試作ではロッキードL-12が勝ち残ることになった。ただし、エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）という形式名称は、原型のエレクトラとの混同を招きやすかったためか、普及しないで終わった。この機体はL-12,すなわちロッキード モデル12（Lockheed Model 12） の社内名称がそのまま使用された。

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ヒューストン、デルタ航空（Delta Airlines）所属の3機のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）：L10エレクトラ輸送機より若干小型で、乗員2名、乗客6名とし、ライト（Wright）R-975ウィールウィンド（Whirlwind：旋風）空冷星形9気筒エンジン (排気量15.98 L) 450 hp (336 kW)2基搭載。12Aエレクトラジュニアは、70機が生産された。
[Men in front of Lockheed 12A Electra Junior Airplanes] Title: [Men in front of Lockheed 12A Electra Junior Airplanes]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Houston, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: A group of men standing in front of three Lockheed Model 12A Electra Junior aircraft, belonging to the Oil Country Services Manufacturing Company and the Superior Oil Company, at William P. Hobby Airport in Houston, Texas.
Physical Description: 1 transparency: film, color; 10 x 13 cm.
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_K13_sm_opt.jpg.引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）の乗客は6人乗りで、原型となったロッキード・モデル10エレクトラの小型化、高速化が企図された。しかし、企業や政府の輸送機としては採用されたものの、収益性が低かったために民間輸送機としては普及しなかった。

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ダラス、ラブ・フィールド飛行場(Love Field Airport)、バード・フロスト社（Byrd-Frost, Incorporated）所属のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード：NC1734）：バード・フロスト社は、石油など地下資源を取り扱うアメリカの企業である。
[Four Men with a Lockheed 12A Electra Junior] Title: [Four Men with a Lockheed 12A Electra Junior] Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Dallas, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: Four men standing next to a Lockheed model 12A Electra Junior, owned by Byrd-Frost, Incorporated, at Dallas Love Field Airport.
Physical Description: 1 transparency: film, color; 10 x 13 cm
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_94_sm_opt.jpg.引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機は、最高速力225マイル/時 (362 km/h, 196 ノット)/高度 5,000フィート (1,500 m)、航続距離 800 マイル (1,300 km, 700 海里)、実用上昇限度22,900フィート (6,980 m)、上昇率 1,140 フィート/分 (427 m/分)。生産機数は、130機。

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ダラス上空を飛翔する、バード・フロスト社（Byrd-Frost, Incorporated）所属のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード：NC1734）：
[Lockheed 12A Electra Junior in Flight over Dallas]
Creator: Robert Yarnall Richie
Date: March 1940
Place: Houston, Texas
Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: A Lockheed Model 12A Electra Junior, belonging to Byrd-Frost, Incorporated, in flight over Dallas, Texas..
Physical Description: 1 transparency: film, color; 10 x 13 cm.
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_103_lockheed_sm_opt.jpg.引用。

前作ロッキード（Lockheed）モデル（Model）L-10 エレクトラ（Electra）は、高速輸送機として成功作だったが、同時期のダグラスDC-2、DC-3と比較して、民間航空にとっては、経費が高くつきすぎた。そこで、量産は制限されたが、経費節減のために、エレクトラの小型化のロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機として人気が出ると考えられた。

同時に、アメリカ航空商業局（U.S. Bureau of Air Commerce）は、小型地方空港用の民間航空機 "feeder airliner"を開発することを提案し、競争試作を各社に提案した。競争試作として完成したロッキード（Lockheed）L-12エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、1936年6月30日に初飛行している。


カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ダラス、ラブ・フィールド飛行場(Love Field Airport)、スペリア―・オイル社（Superior Oil Company）所属のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機のエンジン・プロペラを点検する整備士：アメリカのスペリア―・オイル社は、1921年にカリフォルニア州コアリンガ（Coalinga）でウィリアム・ケッチ（William Myron Keck）によって設立され石油企業である。石油採掘用のドリルで石油と天然ガスを探査し採掘した。その後、活動場所は、テキサス州に移った。1931年までにテキサス州、オクラホマ州、ルイジアナ州、ネブラスカ州、南米ベネズエラに油井を経営していた。1938年に海底油田施設を,メキシコ湾ルイジアナ沖に設けたが、これはアメリカ初の海底油田である。
Title: [Aviation Mechanic with Lockheed 12A Electra Junior]
Creator: Robert Yarnall Richie
Date: March 1940
Place: Dallas, Texas
Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: An aviation mechanic making adjustments to the propeller of a Lockheed Model 12A Electra Junior, belonging to the Superior Oil Company, at Dallas Love Field Airport.
Physical Description: 1 transparency: film, color; 10 x 13 cm
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_93_sm_opt.jpg引用。

カラー写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ヒューストン、デルタ航空（Delta Airlines）所属のロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機：エレクトラ・ジュニアが並び、その前で新聞を読む搭乗員。撮影用の「やらせ」写真で構図が凝っている。滑走路は、コンクリート舗装ではなく、圧延滑走路だが、当時は普通だった。機首には、エンジンカウリングが反射して写り込んでいる。
Title: [Man in front of Lockheed 12A Electra Junior Airplanes]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Houston, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: A man marking a document while in front of two Lockheed Model 12A Electra Junior aircraft, belonging to the Oil Country Services Manufacturing Company and the Superior Oil Company, at William P. Hobby Airport in Houston, Texas.
Physical Description: 1 transparency: film, color; 12.6 x 10.1 cm
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_ K_12_lockheed_sm_opt.jpg..引用。

デルタ航空（Delta Air Lines）は、1928年にルイジアナ州モンローにコレット・E・ウールマン（Collett Everman Woolman）が設立した「デルタ・エア・サービス」が起源である。

写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ダラス、ラブ・フィールド飛行場（Love Field Airport）飛行機格納庫前、デルタ航空（Delta Airlines）所属のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNC173?）とその前で地図を検討している男性：銀色の機体に赤の塗装を施しているようだ。
[Man with Map next to Lockheed 12A Electra Junior, Delta Air Lines] Title: [Man with Map next to Lockheed 12A Electra Junior, Delta Air Lines]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Houston, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: A man charting a flight path on a map, while next to a Lockheed Model 12A Electra Junior belonging to Byrd-Frost, Incorporated, at Dallas Love Field Airport..
Physical Description: 1 negative: film, black and white; 10 x 12.6 cm.
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_007_lockheed_sm_opt.jpg.引用。

コレット・E・ウールマン（Collett Everman Woolmanが創立した民間航空会社ハフ＝ダランド・ダスターズ(Huff Daland Dusters)として、1925年に農薬の空中散布から始まり、1928年にミシシッピ河口デルタに因んでデルタ・エア・サービス(Delta Air Service)と命名した民間航空会社を興し、旅客輸送サービスに参入した。1941年には、アトランタに移転する。1945年に現在のデルタ航空(Delta Air Lines)に改称し、アメリカのエアラインでは最古となった。

写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ヒューストン上空、飛翔するスーペリアー・オイル社（Superior Oil Company）所属のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNC17374）：銀色の機体に赤の塗装を施しているようだ。
Title: [Lockheed 12A Electra Junior in Flight over Houston]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940
Place: Houston, Texas Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection
Description: A Lockheed Model 12A Electra Junior, belonging to the Superior Oil Company, in flight over Houston, Texas.
Physical Description: 1 negative film: black and white; 10 x 13 cm
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_27_sm_opt.jpg.引用。

当初のロッキード（Lockheed）L-12エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）原型は,ワスプ・ジュニア（Wasp Junior）空冷星型エンジンを装備したモデル（Model）12Aで、これが主な生産型となった。改良型のもモデル12Bは、発動機をライト（Wright）R-975-E3ヴィールウィンド（Whirlwind）空冷星型9気筒エンジン (排気量15.98 L)440 hp (330 kW)に換装したが、生産機数は僅か2機のみである。

写真（右）1940年3月、アメリカ、テキサス州ダラス、舗装滑走路上で整備受けているスーペリアー・オイル社（Superior Oil Company）所属のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNC17374）：銀色の機体に赤の塗装を施しているようだ。
[Three Men with a Lockheed 12A Electra Junior, Delta Air Lines] Title: [Three Men with a Lockheed 12A Electra Junior, Delta Air Lines]
Creator: Robert Yarnall Richie Date: March 1940 Place: Dallas, Texas
Part Of: Robert Yarnall Richie Photograph Collection Description: Three men standing next to a Lockheed model 12A Electra Junior, owned by Byrd-Frost, Incorporated, at Dallas Love Field Airport.
Physical Description: 1 negative film: black and white; 13 x 10 cm.
写真は，SMU Libraries Digital Collections　File: ag1982_0234_2116_21_sm_opt.jpg引用。

さらなるロッキード（Lockheed）L-12エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）改良型は、モデル（Model）12Fで、発動機はライト（Wright）R-760ヴィールウィンド（Whirlwind）空冷星型7気筒エンジン(12.4 L) 320 hp (239 kW)を装備した。またロッキード（Lockheed）12M エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、メナスコ・ブキャナ（Menasco Buccaneer）空冷直列6気筒エンジン(排気量8 L)290 hp (220 kW) を装備した。しかし、モデル（Model）12Fとモデル12Mはともに量産されずに終わった。


３．アメリカ陸軍航空隊 C-40 輸送機：ロッキード（Lockheed）モデル（Model）12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用仕様

写真（右）1941年頃、アメリカ、アメリカ陸軍航空隊 C-40A輸送機（登録コードI60）の右側面：ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機の軍用仕様。垂直尾翼は赤白ストライプの大戦参戦前の国籍マークを描いている。目立ちすぎるので、アメリカ参戦後1941年12月に廃止となり、暫時、塗りつぶされてたが、1941年前半までは、アメリカ本土の機体には残っていた。
Lockheed, Model 12A (C-40A), Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A (C-40A), Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A (C-40A) Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Military version used by the Army Air Corps.
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　 Catalog #: 01_00091634引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 10A エレクトラ（Electra）は、軍用機として、アメリカ軍以外では、アルゼンチン空軍（Argentine Air Force）、ブラジル空軍（Brazilian Air Force）、カナダ空軍（Royal Canadian Air Force）、ホンジュラス空軍（Honduran Air Force）、ニカラグア空軍（Nicaragua Air Force）、スペイン空軍（Spanish Republican Air Force）、日本軍、イギリス空軍（Royal Air Force）、ベネスエラ軍（Venezuela）で採用されている。

写真（右）1940‐1941年頃、アメリカ、アメリカ陸軍航空隊 C-40B輸送機の右側面：ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機の軍用仕様だが、機首に固定式の首輪（前輪）設けた実験機で、尾輪式から変更した実験機。主翼の青丸白星赤丸、垂直尾翼の赤白ストライプのアメリカ国籍マークは、大戦参戦前の形式である。ただし、尾輪は残されたままになっている。
Lockheed, Model 12A (C-40B), Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A (C-40B), Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A (C-40B) Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Sole C-40B delivered with fixed tricycle landing gear.
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　 Catalog #: 01_00091641引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機は、130機しか生産されなかったが、ロッキード（Lockheed）C-40軍用輸送機として、アメリカ陸軍航空隊・海軍航空隊・海兵隊のほかにも、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、キューバ、インドネシア、オランダ、南アフリカ連邦、フランスで使用された。

写真（右）1940‐1941年頃、アメリカ、アメリカ陸軍航空隊 C-40B輸送機の右側面：ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機の軍用仕様だが、機首に固定式の首輪（前輪）設けた実験機で、尾輪式から変更した実験機。垂直尾翼は赤白ストライプの大戦参戦前の国籍マークを描いている。ただし、尾輪は残されたままになっている。
Lockheed, Model 12A (C-40B), Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A (C-40B), Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A (C-40B) Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Sole C-40B delivered with fixed tricycle landing gear.
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　 Catalog #: 01_00091640引用。

ロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）と同じく、第二次世界大戦中まで多くの飛行機の降着装置は、尾輪式たが、その利点は、
１）前部に設けた主脚以外の降着装置を尾輪だけにして軽量化できる
２）離着陸時に主翼が迎え角にあり、浮力が離着陸滑走距離が短くなること
の2点である。

写真（右）1940‐1941年頃、アメリカ、1940‐1941年頃、アメリカ、ロッキード（Lockheed）C-40B 輸送機の前輪式仕様の実験機：ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機の前輪式仕様の実験機（NX18964）で、機首に首輪（前輪）を固定装着し、尾輪式から変更した実験機。ただし、尾輪は残されたままになっている。
Lockheed, Model 12A, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Experimentally fitted with fixed tricycle landing gear. Eventually delivered to the Tennessee Valley Authority with conventional landing gear.
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　 Catalog #: 01_00091642引用。

第二次世界大戦後の多くの飛行機の降着装置は、尾輪式ではなく前輪式（首輪式、三輪式）になったが、その利点は、
１）離着陸時に機体仰角が小さいので操縦席からの視界が良いこと
２）離着陸時に機体迎角が小さく仰角をとる必要がないので離着陸操作が容易になること
の2点である。

写真（右）1940‐1941年頃、アメリカ、ロッキード（Lockheed）C-40B 輸送機の前輪式仕様の実験機（NX18964）：機首に首輪（前輪）を固定装着し、尾輪式から変更した実験機。ただし、尾輪は残されたままになっている。
nglish: Lockheed C-40B 3/4 aft view. (U.S. Air Force photo) Date Unknown date Source National Museum of the U.S. Air Force, Lockheed C-40B Fact Sheet Media. Author United States Air Force
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed C-40　 Catalog #: 01_00091642引用。

写真（右）1939年1月9日、アメリカ、舗装滑走路に待機しているアメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用C-40輸送機の左側面：垂直尾翼には、1941年12月に第二次大戦に参戦する前のアメリカの国籍マーク、白赤ストライプが描かれている。
English: English: Lockheed C-40 side view (tail code KA 3) taken Jan. 9, 1939. (U.S. Air Force photo) Date 9 January 1939 Source National Museum of the U.S. Air Force, Lockheed C-40 Fact Sheet Media. Author United States Air Force
写真は Wikimedia Commons, Category:Lockheed C-40　 File:Lockheed C-40A cockpit.jpg引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、アメリカ陸軍航空隊（United States Army Air Corps）がロッキード（Lockheed）C-40軍用輸送機と名称し、アメリカ海軍（United Navy）がJOあるいはR3O-2と命名して使用した。 そのほか、イギリス空軍（Royal Air Force）、カナダ空軍（Royal Canadian Air Force）、ブラジル空軍（Brazilian Air Force）アルゼンチン陸軍（Argentine Army）、インドネシア空軍（Indonesian Air Force）、南アフリカ空軍（South African Air Force）が採用している。
写真（右）1939年3月21日、アメリカ、未舗装草地滑走路に待機するアメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用C-40輸送機の後方左側面：主翼にはKD1の機体番号とアメリカの第二次大戦参戦前の国籍マークがついている。青丸白星赤丸、垂直尾翼には赤白ストライプ。
Description English: Lockheed C-40 3/4 aft view (tail code KD 1) taken March 21, 1939. (U.S. Air Force photo) Date 21 March 1939 Source National Museum of the U.S. Air Force, Lockheed C-40 Fact Sheet Media. Author United States Air Force
写真は Wikimedia Commons, Category:Lockheed C-40　 File:Lockheed C-40 rear quarter.jpg引用。

写真（右）1939年3月23日、アメリカ、未舗装草地滑走路に待機するアメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用C-40輸送機の後方：アメリカの第二次大戦参戦前の国籍マークがついている。主翼には青丸白星赤丸、垂直尾翼には機体番号KD1と赤白ストライプ。
Description English: Lockheed C-40 aft view (tail code KA 3) taken March 23, 1939, at Langley Field, Va. (U.S. Air Force photo) Date 23 March 1939 Source National Museum of the U.S. Air Force, Lockheed C-40 Fact Sheet Media. Author United States Air Force
写真は Wikimedia Commons, Category:Lockheed C-40　 File:Lockheed C-40 rear.jpg引用。

写真（右）1939年頃、アメリカ、未舗装草地滑走路に待機するアメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用C-40A輸送機の左側面：機体番号PA137は、機首、主翼前縁下面、垂直尾翼に記入されている。アメリカの第二次大戦参戦前の国籍マークとして、主翼には青丸白星赤丸、垂直尾翼には機体番号PA137と赤白ストライプ。
Description English: Lockheed C-40A side view. (U.S. Air Force photo) Date Unknown date Source National Museum of the U.S. Air Force, Lockheed C-40A Fact Sheet Media. Author United States Air Force
写真は Wikimedia Commons, Category:Lockheed C-40　 File:Lockheed C-40A left side.jpg引用。

写真（右）1939年3月23日、アメリカ、未舗装草地滑走路に待機するアメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用C-40A輸送機(シリアルナンバーS/N 38-548, 機体番号 PA 137).の正面：機体番号PA137は、機首、左主翼前縁下面に記入されている。アメリカの第二次大戦参戦前の国籍マークとして、左右主翼には青丸白星赤丸、アメリカ陸軍（U.S.AREMY）垂直尾翼には機体番号PA137と赤白ストライプ。
English: Lockheed C-40A front view (S/N 38-548, tail code PA 137). Assigned to the 17th Pursuit Squadron. (U.S. Air Force photo) Date Unknown date Source National Museum of the U.S. Air Force, Lockheed C-40A Fact Sheet Media. Author United States Air Force
写真は Wikimedia Commons, Category:Lockheed C-40　 File:Lockheed C-40A front.jpg引用。

写真（右）1939年6月21日、アメリカ、未舗装草地滑走路に待機するアメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用C-40輸送機(PA137)の左前方：アメリカの第二次大戦参戦前の国籍マークとして、主翼には青丸白星赤丸、垂直尾翼にはと赤白ストライプ。
Real Silver Halide Photograph Lockheed C-40 Aircraft WWII WWII photo showing a 3/4 view of a Lockheed C-40, which was a variant of the Lockheed Model 12A. PHOTOGRAPHER / CREDIT: U.S. Air Force DATE: June 21, 1939 IMAGE ID: NA171
写真は, The McMahan Photo Art Gallery and Archive　 WWII Lockheed C-40 Aircraft Photo Print引用。

写真（右）1939年6月21日、アメリカ、未舗装草地滑走路に待機するアメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用C-40輸送機の左側面：アメリカの第二次大戦参戦前の国籍マークとして、主翼には青丸白星赤丸、垂直尾翼には赤白ストライプ。
Real Silver Halide Photograph WWII Lockheed C-40 Aircraft WWII photo showing a side view of a Lockheed C-40. The C-40 model was a variant of the Lockheed Model 12A, with the former used for military purposes and the latter primarily used for civilian purposes. PHOTOGRAPHER / CREDIT: U.S. Air Force DATE: June 21, 1939 IMAGE ID: NA172
写真は, The McMahan Photo Art Gallery and Archive　 Lockheed C-40 Aircraft WWII Photo Print引用。

写真（右）1942年12月23日、アメリカ、アメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用C-40A輸送機のコックピット操縦席：複式操縦席で、左が正操縦士、右が副操縦士で、計器の配置が異なっているのがわかる。
English: Lockheed C-40A cockpit (S/N 38-582) taken on Dec. 23, 1942, after conversion to C-40A standards. (U.S. Air Force photo) Date 23 December 1942 Source National Museum of the U.S. Air Force, Lockheed C-40A Fact Sheet Media. Author United States Air Force
写真は Wikimedia Commons, Category:Lockheed C-40　 File:Lockheed C-40A cockpit.jpg引用。

飛行機の降着装置を配置する尾輪式に比較して、三車輪式は、地上での前方視界が良いが、着陸に際して接地の衝撃を前輪（首輪）で支える必要があり、主輪を支える客の支柱は強度を尾輪式より高める必要があった。

写真（右）1940年6月、アメリカ、舗装滑走路に待機するアメリカ陸軍航空隊 C-40A輸送機（製造番号：NACA00197）の左側面：ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機の軍用仕様。長いアンテナ支柱が取り付けられている。垂直尾翼は赤白ストライプの大戦参戦前の国籍マークは、目立ちすぎるので、アメリカ参戦後1941年12月に廃止された。しかし、胴体側面の国籍マークの白星中央の赤丸はには残っている。
Deutsch: Lockheed 12A als Versuchsflugzeug bei der NACA (Bildnummer: EL-2000-00197). Aufnahme vom 10. Juni 1940. Das mittlere Seitenleitwerk ist Teil der Versuchsanordnung. Date 10 June 1940 Source NASA Author NASA
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　 Catalog #: 01_00091636引用。

写真（右）1942年頃、アメリカ、舗装滑走路に待機するアメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用仕様C-40A輸送機の左側面：機首に大型のピトー管（速度測定器）を装備しているようだ。
Lockheed, Model 12A (C-40A), Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A (C-40A), Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A (C-40A) Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Military version used by the Army Air Corps.
写真は Wikimedia Commons, Category:Aircraft of NACA　 File:Lockheed 12A EL-2000-00197.jpeg引用。

1936年6月27日初飛行のロッキード（Lockheed）モデル Model 12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機は、陸軍用仕様ロッキード（Lockheed）C-40（13機）、海軍仕様ロッキード（Lockheed）JO-1（1機生産）、海兵隊仕様ロッキード（Lockheed）JO-2（5機）を含めて各型合計130機が量産された。


３．外国で使用された C-40 軍用輸送機：エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）軍用仕様

写真（右）1942年8月15日、アメリカ東部、マサチューセッツ州、ピッツフィールド飛行場、オランダ空軍ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）12A（L2-40）の右側面：未舗装の草地滑走路の奥には、ビーチクラフト モデル 18の軍用仕様ビーチAT-11 カンサン（Beech AT-11 Kansan）射撃手/爆撃手訓練用２機が並んでいる。ビーチクラフト モデル 18は、1937年1月15日初飛行。
Nederlands: Collectie / Archief : Fotocollectie Anefo Reportage / Serie : Uitreiking van het vaandel van de Militaire Luchtvaart van het KNIL en de vlag van de Marine Luchtvaartdienst, beide gedecoreerd met de Militaire Willemsorde door koningin Wilhelmina op het militair vliegveld Pittsfield in de staat Massachussets. Beschrijving : Uitreiking van het vaandel van de Militaire Luchtvaart van het KNIL en de vlag van de Marine Luchtvaartdienst, beide gedecoreerd met de Militaire Willemsorde door koningin Wilhelmina op het militair vliegveld Pittsfield in de staat Massachussets. Op de voorgrond een Lockheed A12 [met kenteken L2-40], daarachter Beechcraft AT-11's Datum : 15 augustus 1942 Locatie : Pittsfield Trefwoorden : luchtvaart, tweede wereldoorlog, vliegtuigen Instellingsnaam : Pittsfield Aerodrome Fotograaf : [onbekend] Auteursrechthebbende : Nationaal Archief Materiaalsoort : Negatief (zwart/wit) Nummer archiefinventaris : bekijk toegang 2.24.01.04 Bestanddeelnummer : 934-7840 Date 15 August 1942
写真は Wikimedia Commons, Category:Aircraft of the Royal Netherlands East Indies Army Air Force　 File:Uitreiking van het vaandel van de Militaire Luchtvaart van het KNIL en de vlag v, Bestanddeelnr 934-7840.jpg引用。

写真（右）1942年8月15日、アメリカ東部、マサチューセッツ州、ピッツフィールド飛行場、オランダ空軍ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）12A（L2-39）、同（L2-41）、同（L2-40）の左側面：未舗装の草地滑走路に3機が並んでいる。
Nederlands: Collectie / Archief : Fotocollectie Anefo Reportage / Serie : Uitreiking van het vaandel van de Militaire Luchtvaart van het KNIL en de vlag van de Marine Luchtvaartdienst, beide gedecoreerd met de Militaire Willemsorde door koningin Wilhelmina op het militair vliegveld Pittsfield in de staat Massachussets. Beschrijving : Uitreiking van het vaandel van de Militaire Luchtvaart van het KNIL en de vlag van de Marine Luchtvaartdienst, beide gedecoreerd met de Militaire Willemsorde door koningin Wilhelmina op het militair vliegveld Pittsfield in de staat Massachussets. Lockheed 12A [met kenteken L2-39] Datum : 15 augustus 1942 Locatie : Pittsfield, VS Trefwoorden : luchtvaart, tweede wereldoorlog, vliegtuigen Instellingsnaam : Pittsfield Aerodrome Fotograaf : [onbekend] Auteursrechthebbende : Nationaal Archief Materiaalsoort : Negatief (zwart/wit) Nummer archiefinventaris : bekijk toegang 2.24.01.04 Bestanddeelnummer : 934-7838 Date 15 August 1942 Author Anefo
写真は Wikimedia Commons, Category:Aircraft of the Royal Netherlands East Indies Army Air Force　 File:Lockheed 12A Denmark 2.jpg引用。

写真（右）1970年頃（？）、デンマーク中央部、フィヨン島、イーエスコフ退役軍人博物館、オランダ空軍所属だったロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（L2-38）：（製造番号C/n (msn): 1306）
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，SMU Libraries Digital Collections　Catalog #: 01_00091571引用。

軍用迷彩塗装がなされているこのロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）の胴体には、赤白青の横縞オランダ国旗が描かれている。左手前に3翅金属プロペラが置かれているが、L-12は2翅プロペラ装備である。現在オランダ軍事博物館（Nationaal Militair Museum ：NMM）に保管展示されている機体。1942年2月6日にオランダ領東インド（Netherlands East Indies Govt.：インドネシア）に配備された。

カラー写真（右）1981年、デンマーク中央部、フィヨン島、イーエスコフ退役軍人博物館、オランダ空軍所属だったロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）12A（L2-38） (製造番号c/n 1306) の右側面：
A Lockheed 12A (c/n 1306) at the Egeskov Veteran Car Museum in Kværndrup, Denmark, photographed in 1981. This aircraft is shown here in its former identity of L2-38 of the Royal Netherlands East Indies Army Air Force. It was later transferred to the Militaire Luchtvaart Museum at Soesterberg in the Netherlands, where it was put on display in Royal Netherlands Air Force markings as L2-100. Currently it is under restoration there. Date 1981 Source Lockheed 12a Author Joost J. Bakker from IJmuiden, the Netherlands
写真は Wikimedia Commons, Category:L2-38 (aircraft)　 File:Lockheed 12A Denmark 3.jpg引用。

カラー写真（右）1981年、デンマーク中央部、フィヨン島、イーエスコフ退役軍人博物館、オランダ空軍所属だったロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）12A（ L2-38 ） (製造番号c/n 1306) の機首：
A Lockheed 12A (c/n 1306) at the Egeskov Veteran Car Museum in Kværndrup, Denmark, photographed in 1981. This aircraft is shown here in its former identity of L2-38 of the Royal Netherlands East Indies Army Air Force. It was later transferred to the Militaire Luchtvaart Museum at Soesterberg in the Netherlands, where it was put on display in Royal Netherlands Air Force markings as L2-100. Currently it is under restoration there. Date 1981 Source Lockheed 12a Author Joost J. Bakker from IJmuiden, the Netherlands
写真は Wikimedia Commons, Category:L2-38 (aircraft)　 File:Lockheed 12A Denmark 5.jpg引用。

カラー写真（右）1981年、デンマーク中央部、フィヨン島、イーエスコフ退役軍人博物館、オランダ空軍所属だったロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）12A（ L2-38 ） (製造番号c/n 1306) の胴体右側面：
A Lockheed 12A (c/n 1306) at the Egeskov Veteran Car Museum in Kværndrup, Denmark, photographed in 1981. This aircraft is shown here in its former identity of L2-38 of the Royal Netherlands East Indies Army Air Force. It was later transferred to the Militaire Luchtvaart Museum at Soesterberg in the Netherlands, where it was put on display in Royal Netherlands Air Force markings as L2-100. Currently it is under restoration there. Date 1981 Source Lockheed 12a Author Joost J. Bakker from IJmuiden, the Netherlands
写真は Wikimedia Commons, Category:L2-38 (aircraft)　 File:Lockheed 12A Denmark 1.jpg引用。

カラー写真（右）1981年、デンマーク中央部、フィヨン島、イーエスコフ退役軍人博物館、オランダ空軍所属だったロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）12A（L2-38）(製造番号c/n 1306) の胴体右側面：
A Lockheed 12A (c/n 1306) at the Egeskov Veteran Car Museum in Kværndrup, Denmark, photographed in 1981. This aircraft is shown here in its former identity of L2-38 of the Royal Netherlands East Indies Army Air Force. It was later transferred to the Militaire Luchtvaart Museum at Soesterberg in the Netherlands, where it was put on display in Royal Netherlands Air Force markings as L2-100. Currently it is under restoration there. Date 1981 Source Lockheed 12a Author Joost J. Bakker from IJmuiden, the Netherlands
写真は Wikimedia Commons, Category:L2-38 (aircraft)　 File:Lockheed 12A Denmark 2.jpg引用。

ロッキード（Lockheed）C-40軍用輸送機の原型の民間輸送機ロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、1936年6月30日に初飛行している。同時期の初飛行は、1936年3月4日のドイツ飛行船LZ 129ヒンデンブルク、3月5日のイギリスのスーパーマリン・スピットファイア、3月10日のフェアリー・バトル、3月17日のアームストロング・ホイットワース・ホイットレイ（Armstrong Whitworth Whitley, Armstrong Whitworth A.W.38 Whitley）爆撃機、5月12日のドイツのメッサーシュミット、Bf110双発戦闘機、6月15日のビッカース ウェリントン（Vickers Wellington）爆撃機、10月15日の日本の九七式戦闘機、12月21日のユンカース（Junkers）Ju 88爆撃機、12月27日のソ連のANT-42 / TB-7（Pe-8）重爆撃機などがある。


４．第二次大戦後のロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）

写真（右）1955‐1970年頃、アメリカ、舗装滑走路上で待機しているカリフォルニア・セントラル航空（Clifornia Central Airlines）のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードN71K）：白色の機体に青の塗装を施しているようだ。
Lockheed, Model 12A, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091549引用。

ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードN71K）は、L-12A（ 製造番号c/n1204）として製造され、連邦航空局（Federal Aviation Administration）に登録コードc/r NC1として登録された。その後、民間に払い下げになり、カリフォルニア・セントラル航空（Clifornia Central Airlines）登録コードc/r N71Kとして使用された。

写真（右）1950‐1970年頃、アメリカ、未舗装滑の草地上で待機しているロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードN99K）の右側面：戦後の民間機の斬新な塗装を施している。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091570引用。

ロッキード（Lockheed）L-12エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、1936年6月30日に初飛行し、政府の地方航空機の競争試作に勝ち残った。しかし、民間航空会社は採用しなかった。

写真（右）1950‐1970年頃（？）、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機「ドック・サヴェジ」（Doc Savage）（登録コード: N1161V）（製造番号: 1203）：ケネス・ロブスン（Kenneth Robeson）の冒険小説『Doc Savage Magazine』誌に由来する。この雑誌は、1933年から1949年までに全181編が掲載された。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，SMU Libraries Digital Collections　Catalog #: 01_00091564引用。

ロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）を導入した僅かな民間機航空会社は、コンチネンタル航空（Continental Air Lines）が3機を1930年代末にコロラド州デンバー（Denver）, テキサス州のエルパソ（El Paso）の間を結ぶ路線に導入された。

写真（右）1950‐1970年頃、アメリカ、舗装滑走路上で待機しているカンティーナ（Cantina）社ロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNI6026）：銀色の機体に赤の塗装を施しているようだ。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091565引用。

ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）を導入したもう1社は、英領西インド航空（British West Indian Airways Ltd.）で1940年代中ごろに、カリブ海（Caribbean）小アンティル諸島（the Lesser Antilles）を結ぶ路線にロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）導入している。

写真（右）1950‐1970年頃、アメリカ大陸、飛行機格納庫前の舗装滑走路上で待機しているカンティーナ（Cantina）社のロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNI6026）の左側面：現在（Tintina Air）は、カナダ北西部のユーコン（Yukon）渓谷を飛ぶチャーター便を運航している 。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091550引用。

写真（右）1950‐1970年頃、アメリカ、舗装滑走路上で待機しているロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNC3080？）：銀色の機体に赤の塗装を施しているようだ。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091548引用。

写真（右）1960‐1970年頃、アメリカ、舗装滑走路上で待機しているロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNC3080）の正面：銀色の機体に赤の塗装を施しているようだ。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091554引用。

写真（右）1960‐1970年頃、アメリカ、未舗装滑走路に待機しているロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機の左側面：戦後の民間機の斬新な塗装を施している。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091555引用。

写真（右）1960‐1970年頃、アメリカ、舗装滑走路上で待機しているロッキード（Lockheed）モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードN41058）の左側面：戦後の民間機の斬新な塗装を施している。
Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091552引用。

写真（右）1965‐1983年、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNC48741）：
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写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091562引用。

サンドルフ航空社(Sundorph Aeronautical Corp.)は1965-1983年にアメリカのオハイオ州クリーブランド（Cleveland）あるいはオハイオ州コロンバス（Columbus）近郊の近距離地方路線で運航していた会社である。

写真（右）1965‐1983年、、アメリカ、ロッキード（Lockheed）モデル12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNC48741）：サンドルフ航空社(Sundorph Aeronautical Corp.)の飛行機格納庫があるので、オハイオ州クリーブランド（Cleveland）あるいはオハイオ州コロンバス（Columbus）と思われる。
SDASM Archives Follow Lockheed, Model 12, Electra Junior Title: Lockheed, Model 12, Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12 Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA.
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091563引用。

サンドルフ航空社(Sundorph Aeronautical Corp.)は、ロッキードL−18ロードスター（Lockheed 18 Lodestar）N7001とN4004、ビーチ（Beech）18 (N9532Z)などを運行していたオハイオ州の航空会社である。

写真（右）2006年9月15日、アメリカ、ネバダ州リノ、リノ航空レース（Reno Air Races）、トランスコンチネンタル・ウェスタン航空（TWA）のロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNC18137)：
Lockheed 12A NC18137 on display at the 2006 Reno Air Races. Built in 1937 for Continental Air Lines, this airplane was transferred in 1940 to Transcontinental & Western Air, who used it as an executive transport and research aircraft. One of its frequent pilots was TWA co-founder Paul E. Richter; his daughter, Ruth Richter Holden, acquired the airplane in 2005 and restored it to its TWA appearance. Date 15 September 2006, 12:33 Source 1937 Lockheed 12A Author Bryce Edwards from San Jose, CA, USA
写真はWikimedia Commons, Category:NC18137 (aircraft) 　 File:TWA Lockheed 12A.jpg引用。

写真（右）2007年7月14日、アメリカ、ワシントンD.C.アーリントン（Arlington）、アーリントン・フライ・イン（Arlington Fly-In）、トランスコンチネンタル・ウェスタン航空（TWA）のロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードNC18137)客室キャビン左外観：
Lockheed 12A NC18137 at the 2007 Arlington Fly-In in Arlington, Washington. Built in 1937 for Continental Air Lines, this airplane was transferred in 1940 to Transcontinental & Western Air, who used it as an executive transport and research aircraft. One of its frequent pilots was TWA co-founder Paul E. Richter; his daughter, Ruth Richter Holden, acquired the airplane in 2005 and restored it to its TWA appearance. Date 14 July 2007, 02:17 Source twa2 Uploaded by Altair78 Author steve lodefink
写真はWikimedia Commons, Category:NC18137 (aircraft) 　 File:TWA Experimental prop plane.jpg引用。

写真（右）2023年5月26日、アメリカ、ミズーリ（Missouri）州、カンザスシティー（Kansas City）TWA博物館（TWA Museum）ロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード NR 16020はアメリア・イアハートの愛機を模倣したもので本来はF-AZLL)の下面：
Description English: Lockheed 12A at the TWA Museum. Date 26 May 2023 Source Own work Author ZLEA
写真はWikimedia Commons, Category:NC18137 (aircraft) 　 File:Lockheed 12A (5-26-2023).jpg引用。

トランスコンチネンタル航空輸送（Transcontinental Air Transport ：TAT）とウェスタン・エア・イクスプレス（Western Air Express）は1928年にカンザスシティー飛行場のターミナルを資料し始めた。1929年に合併し、トランスコンチネンタル・ウェスタン航空（Transcontinental & Western Air, Inc.）が生まれ、1932年にカンザスシティー飛行場にTWA本社が設置され、それに隣接してTWA博物館（TWA Museum）が設けられた。


５．第二次大戦後に外国で使用されたロッキード（Lockheed）C-40軍用輸送機

写真（右）1950年頃（？）、ブラジル、未舗装滑走路に並んだ4機のブラジル空軍所属のロッキード（Lockheed）C-40軍用輸送機：モデル12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機の軍用仕様。
Lockheed, Model 12A (C-40), Electra Junior Title: Lockheed, Model 12A (C-40), Electra Junior Corporation Name: Lockheed Designation: Model 12A (C-40) Official Nickname: Electra Junior Additional Information: USA, Brazilian Air Force export model.
写真は，San Diego Air and Space Museum Archive　Catalog #: 01_00091643引用。

写真（右）2016年6月30日、フランス南、ボルドー西70キロ、アルカション（Arcachon）飛行機格納庫前に置かれたロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード NR 16020はアメリア・イアハートの愛機を模倣したもので本来はF-AZLL)：
Description English: NR 16020 in Arcachon Date 30 July 2016, 10:56 Source Own work Author Arcashot
写真はWikimedia Commons, Category:NR16020 (replica F-AZLL) 　 File:NR 16020 lat.jpg引用。

現在のロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コードF-AZLL)（製造番号c/n 1287）は、1941年6月に製造され、登録コードNC33615を与えられた。すぐにアメリカ海軍に R3O-2として配属されNo 02947を与えられた。そして、アメリカ海軍アタッシェ（US Naval Attache）の専用機として、ロンドンで1943年11月から使用された。1945年8月からイギリス空軍に武器貸与法に基づいて貸与された。

写真（右）2016年6月30日、フランス南、ボルドー西70キロ、アルカション（Arcachon）、飛行機格納庫前に置かれたロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード NR 16020はアメリア・イアハートの愛機を模倣したもので本来はF-AZLL)右後方：
Description English: NR 16020 in Arcachon Date 30 July 2016, 10:55 Source Own work Author Arcashot
写真はWikimedia Commons, Category:NR16020 (replica F-AZLL) 　 File:NR 16020 AR.jpg引用。

その後、このロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）民間機として登録コード G-AGTLを与えられ、1945年9月からオーストラリア人飛行家フレデリック・シドニー・コットン（Frederick Sidney Cotton：1894-1969)大尉に譲渡された。改修されてからは、無線支援開発のための使用された。そのために、長距離飛行用に燃料タンクを増設した。

写真（右）2019年6月9日、イギリス、ロンドン北200キロ、キャンブズ州ピーターバラ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード NR 16020はアメリア・イアハートの愛機を模倣したもので本来はF-AZLL)：1941年6月に製造され、降着装置は引込み式だが、降ろしている。
Description c/n 1287 Built June 1941 as NC33615. Almost immediately impressed into US Navy service as an R3O-2 with the Bureau No 02947. Allocated to US Naval Attache in London from November 1943. Leased to the RAF in August 1945 and then civil registered as G-AGTL to Sidney Cotton in September the same year. After a rebuild it was used for radio aid development and was fitted with long-range fuel tanks. It was sold to Kenneth McAlpine in 1957 who then sold it on to France in December 1960, where it became F-BJJY. In 2007 it was reregistered as F-AZLL and is now painted as ‘NR16020’, the Lockheed 10E Electra in which Amelia Earhart disappeared in July 1937. Seen displaying at the 2019 Fête Aérienne Le Temps Des helices (Aerial Festival – The Time of the Propellers). Aérodrome de Cerny-La-Ferté-Alais, Cerny, France 9th June 2019 Date 9 June 2019, 15:41 Source Lockheed 12A Electra Junior ‘NR16020’ (F-AZLL) Author Alan Wilson from Peterborough, Cambs, UK
写真はWikimedia Commons, Category:NR16020 (replica F-AZLL) 　 File:Lockheed 12A Electra Junior ‘NR16020’ (F-AZLL) (49818923296).jpg引用。

このロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、1957年に（Kenneth McAlpine」：1920−2023）が購入し、フランスに1960年12月に渡って登録コードF-BJJYを与えられた。そして、2007年になって、新たにF-AZLLの登録コードを与えられたが、塗装の上ではアメリア・イヤハートの愛機となった大型の前作ロッキード（Lockheed）モデル Model 10 エレクトラ（Electra）NR16020の仮の登録コードを塗装した。

写真（右）2018年9月8日、フランス、パリ郊外、エリック・サラード、飛行中のロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード NR 16020はアメリア・イアハートの愛機を模倣したもので本来はF-AZLL)の右側面：
MSN 1287 Lockheed 12A Electra Junior LE GROS BIPLAN ROUGE / BERNARD CHABBERT LFPM AIRPORT BUILT 1941 EX US NAVY AS 02947 / G-AGTL / F-BJJY Date 8 September 2018, 16:16 Source F-AZLL NR16020 PARISAIRLEGEND 2018 Author ERIC SALARD from PARIS, FRANCE
写真はWikimedia Commons, Category:NR16020 (replica F-AZLL) 　 File:F-AZLL NR16020 PARISAIRLEGEND 2018 (44600040681).jpg引用。

ロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、有名な飛行家の愛機を別の類似機体で再現している騙し飛行機である。このような行為は、航空史の理解のためとはいえ、コマーシャリズムにもとづいたものといわざるをえない。高額な歴史的な飛行機を買いとって保存した心意気は称賛できるが、別の歴史を持つ飛行機で、アメリアの有名機ロッキード（Lockheed）モデル Model 10 エレクトラ（Electra）NR16020を模造したパーフォーマンスは、自らを貶める行為で残念なことだ。

写真（右）2018年9月8日、フランス、パリ郊外、エリック・サラード、飛行中のロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード NR 16020はアメリア・イアハートの愛機を模倣したもので本来はF-AZLL)の下面：
NR16020 ELECTRA PARISAIRLEGEND 2018 Date 8 September 2018, 16:19 Source NR16020 ELECTRA PARISAIRLEGEND 2018 Author ERIC SALARD from PARIS, FRANCE
写真はWikimedia Commons, Category:NR16020 (replica F-AZLL) 　 File:NR16020 ELECTRA PARISAIRLEGEND 2018 (43198610720).jpg引用。

これは、女性飛行家アメリア・イアハート（Amelia Earhart）が世界一周旅行に挑戦した時に使ったロッキード（Lockheed）10E エレクトラ（Electra）と同じで、彼女は1937年7月、ニューギニア島ラエから、アメリカ領ハウランド島に飛び立った後に行方不明になった。このロッキード（Lockheed）L-12 エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）は、2019年、フランスのチェルニー（Cerny）郊外、ラ・フェルテ・アレイ空港（Aérodrome de Cerny-La-Ferté-Alais）での航空祭（Fête Aérienne Le Temps Des helices (Aerial Festival – The Time of the Propellers)で実際に飛行する姿を観衆に見せた。

写真（右）2019年6月9日、フランス、パリ郊外、エリック・サラード、着陸態勢に入ったロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（登録コード NR 16020はアメリア・イアハートの愛機を模倣したもので本来はF-AZLL)の右側面：フラップを下げている。
c/n 1287 Built June 1941 as NC33615. Almost immediately impressed into US Navy service as an R3O-2 with the Bureau No 02947. Allocated to US Naval Attache in London from November 1943. Leased to the RAF in August 1945 and then civil registered as G-AGTL to Sidney Cotton in September the same year. After a rebuild it was used for radio aid development and was fitted with long-range fuel tanks. It was sold to Kenneth McAlpine in 1957 who then sold it on to France in December 1960, where it became F-BJJY. In 2007 it was reregistered as F-AZLL and is now painted as ‘NR16020’, the Lockheed 10E Electra in which Amelia Earhart disappeared in July 1937. She is seen landing after displaying at the 2019 Fête Aérienne Le Temps Des helices (Aerial Festival – The Time of the Propellers). Aérodrome de Cerny-La-Ferté-Alais, Cerny, France 9th June 2019 Date 9 June 2019, 15:46 Source Lockheed 12A Electra Junior ‘NR16020’ (F-AZLL) Author Alan Wilson from Peterborough, Cambs, UK
写真はWikimedia Commons, Category:NR16020 (replica F-AZLL) 　File:Lockheed 12A Electra Junior ‘NR16020’ (F-AZLL) (49819232942).jpg引用。

写真（右）2017年6月、カナダ東部、オンタリオ（Ontario）州、カナダ航空宇宙博物館（Canada Aviation and Space Museum）、ロッキード（Lockheed）12A エレクトラ・ジュニア輸送機ZOHEN（CF-CCT）：1937年に製造され、カナダ運輸省に同年に引き渡された。1963年に博物館に寄贈された。
Description Canada Aviation and Space Museum Date 10 June 2017, 17:51 Source Canada Aviation and Space Museum Author Clemens Vasters from Viersen, Germany, Germany
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed Model 12 Electra Junior at Canada Aviation and Space Museum　File:Canada Aviation and Space Museum (35264411096).jpg引用。

写真（右）2017年6月、カナダ東部、オンタリオ（Ontario）州、カナダ航空宇宙博物館（Canada Aviation and Space Museum）、飛行機格納庫の前に待機するロッキード（Lockheed）12A エレクトラ・ジュニア輸送機ZOHEN（CF-CCT）：1937年に製造され、カナダ運輸省に同年に引き渡された。1963年に博物館に寄贈された。
Description A vist to the Canadian Aviation Museum in Ottawa while a Date 5 June 2008, 18:46 Source Canadian Aviation Museum Author Ken Mist from Brampton, Canada
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed Model 12 Electra Junior at Canada Aviation and Space Museum　File:Canadian Aviation Museum (2562292486).jpg引用。

写真（右）1994年7月、カナダ東部、オンタリオ（Ontario）州、カナダ航空宇宙博物館（Canada Aviation and Space Museum）、飛行機格納庫の前に待機するロッキード（Lockheed）12A エレクトラ・ジュニア輸送機（CF-CCT）：1937年に製造され、カナダ運輸省に同年に引き渡されZOHENと命名された。1963年に博物館に寄贈された。
Photographer Alain Rioux Location Ottawa - Rockcliffe (YRO / CYRO), Canada - Ontario Aircraft type Lockheed 12-A Electra Junior Operator Canadian Department of Transport Registration CF-CCT Type Photograph Description English: Built in 1937 and delivered to the Department of Transport the same year. It was donated to the museum in 1963. It was taken outside to take part in the Canada day celebrations Date 1 July 1994
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed Model 12 Electra Junior at Canada Aviation and Space Museum　File:Lockheed 12-A Electra Junior, Canadian Department of Transport AN1168189.jpg引用。

写真（右）2019年6月2日、ベルギー、アントワープ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（製造番号 S/N1875：登録コード NC14999）の正面：アントワープ解放祭典での撮影。
Description Nederlands: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 op de Stampe Fly In 2019. Date 2 June 2019, 14:04:08
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed 12A Electra at Stampe Fly In 2019　 File:Antwerp Lockheed 12A Electra Junior 09.jpg引用。

写真（右）2019年6月2日、ベルギー、アントワープ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（製造番号 S/N1875：登録コード NC14999）の右側面：アントワープ解放祭典での撮影。
Description Nederlands: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 op de Stampe Fly In 2019. Date 2 June 2019, 14:21:02
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed 12A Electra at Stampe Fly In 2019　 File:Antwerp Lockheed 12A Electra Junior 11.jpg引用。

写真（右）2019年6月2日、ベルギー、アントワープ、ロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（製造番号 S/N1875：登録コード NC14999）の機首：胴体後方左側に乗客の昇降扉があり、そこにステップが掛けられている。アントワープ解放祭典での撮影。
Description Nederlands: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 op de Stampe Fly In 2019. Date 2 June 2019, 15:04:58
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed 12A Electra at Stampe Fly In 2019　 File:Antwerp Lockheed 12A Electra Junior 15.jpg引用。

写真（右）2019年6月2日、ベルギー、アントワープ上空から着陸態勢に入った飛行するロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（製造番号 S/N1875：登録コード NC14999）：降着装置は引込み式だが、降ろしている。降下中なので、主翼後縁のフラップを下げている。アントワープ解放祭典での撮影。
Description Nederlands: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 op de Stampe Fly In 2019. Date 2 June 2019, 13:50:53 Source Own work Author Ad Meskens
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed 12A Electra at Stampe Fly In 2019　 File:Antwerp Lockheed 12A Electra Junior 02.jpg引用。

写真（右）2019年6月2日、ベルギー、アントワープ、降下しているロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（製造番号 S/N1875：登録コード NC14999）：アントワープ解放祭典での撮影。降着装置は引込み式だが、降ろしているのは、飛行場が近いからであろうか。主翼後縁のフラップを下げている。
Description Nederlands: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 op de Stampe Fly In 2019. Date 2 June 2019, 13:50:56 Source Own work Author Ad Meskens
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed 12A Electra at Stampe Fly In 2019　 File:Antwerp Lockheed 12A Electra Junior 03.jpg引用。

可動翼のフラップ（flap）は、飛行機主翼の後縁に設けられた可動式の下げ翼で、高揚力装置として機能する。着陸時に低速力だと揚力が低下するために、フラップ（flap）が役に立った。

写真（右）2019年6月2日、ベルギー、アントワープ上空、降下飛行中のロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（製造番号 S/N1875：登録コード NC14999）：翼後縁のフラップを大きく降ろしているのは、飛行場が近いからであろうか。引込み式降着装置の主脚は遅されている。アントワープ解放祭典での撮影。
Description Nederlands: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 op de Stampe Fly In 2019. Date 2 June 2019, 13:57:27
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed 12A Electra at Stampe Fly In 2019　 File:Antwerp Lockheed 12A Electra Junior 06.jpg引用。

写真（右）2019年6月2日、ベルギー、アントワープ、飛行するロッキード（Lockheed）モデル Model 12A エレクトラ・ジュニア（Electra Junior）輸送機（製造番号 S/N1875：登録コード NC14999）の後方：アントワープ解放祭典での撮影。
Description Nederlands: Lockheed 12A Electra Junior (S/N1875) NC14999 op de Stampe Fly In 2019. Date 2 June 2019, 16:14:25
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed 12A Electra at Stampe Fly In 2019　 File:Antwerp Lockheed 12A Electra Junior 23.jpg引用。


６．ロッキード（Lockheed）モデル Model 14 スーパー・エレクトラ（Super Electra）

写真（右）1938年、オランダ領インド、ジャワ島、オランダ領インド航空（Koninklijke Nederlandsch-Indische Luchtvaart Maatschappij：KNILM）ロッキード・スーパーエレクトラ14（Lockheed Model 14 Super Electra：登録コード CF-TCE）：：
Title: Vliegtuig van de Koninklijke Nederlands-Indische Luchtvaart Maatschappij (K.N.I.L.M.) op een vliegveld op Java Shelfmark: KITLV 172182 Subject (topical): Aircraft Airports Subject (geographic): Jawa Language: No linguistic content Country: No place, unknown, or undetermined Published: [Circa 1935] Persistent URL: http://hdl.handle.net/1887.1/item:727402 Extent: Digital image Part of Title: KITLV A1379
写真は，UNLV Special Collections and Archives.・File:KITLV A1379 - Vliegtuig van de Koninklijke Nederlands-Indische Luchtvaart Maatschappij (K.N.I.L.M.) op een vliegveld op Java, KITLV 172182.tiff引用。

アメリアは、1932年、ロッキード・ベガ（Lockheed Vega "Little Red Bus"）を単身操縦士の大西洋無着陸横断飛行を成功させたが、大統領夫人エレノア・ルーズベルトの後押しを受けて、赤道を回る世界一周旅行を計画した。1937年にアメリアが世界一周に使用した愛機ロッキード・エレクトラ10E の改良型ロッキード・エレクトラ14N（Lockheed Model 14-N Super Electra）は、翌1938年7月にアメリカの大富豪ハワード・ヒューズ（Howard Hughes：1905-1976）の愛機として世界一周に成功している。

1928年に設立されたオランダ領インド航空（KNILM）は、1938年にロッキード・エレクトラ14（Lockheed Model 14 Super Electra）を5機を採用しているが、主力は7機配備していたフォッカー三発機でDC-2を3機、DC-3を3機、ダグラス DC-5 (Douglas DC-5) を5機、デ・ハビランド DH.89 ドラゴン・ラピード（de Havilland DH.89 Dragon Rapide）を3機採用している。1947年に解散した。

⇒写真集Album:ヒューズ（Hughes）のロッキード(Lockheed)スーパーエレクトラ(Super Electra)世界一周を見る。

写真（右）1938年、カナダ、バンクーバー、トランス・カナダ航空（Trans Canada Airlines）所属のロッキード（Lockheed） 14H2「スーパー・エレクトラ」（Super Electra）輸送機（登録コード：CF-TCJ ）：
English: Lockheed Super Electra CF-TCE of Trans Canada Airlines Date 1938 Source City of Vancouver Archives under the reference number CVA 260-904 Author Crookall, James
写真はWikimedia Commons, Category:Lockheed Model 14 Super Electra of Trans Canada Airlines 　File:Lockheed Super Electra CF-TCE.jpg引用。

ロッキード（Lockheed）モデル Model 10「エレクトラ」（Electra）輸送機は、双発・単葉の全金属製引込み脚の高速輸送機で、同じく1930年代のアメリカで生産されたボーイング（Boeing）247双発輸送機、ダグラス（Douglas）DC-2双発輸送機と並んで、アメリカの航空技術の優秀さを世界に誇示することができた。

⇒写真集Album:ロッキード（Lockheed Model 14)「スーパー・エレクトラ」輸送機を見る。


７．ロッキード・ハドソン（Lockheed Hudson）爆撃機

カラー写真（右）1942年初め、イギリス北東端、スコットランド、ウィック沿岸を低空飛行するイギリス空軍第48飛行隊ロッキード・ハドソン爆撃機Mark V (s/n AM853： 'OY-K')：
A Royal Air Force Lockheed Hudson Mark V (s/n AM853, 'OY-K') of No. 48 Squadron RAF based at Wick, Caithness (UK), in flight along the Scottish coastline. Date early 1942 Source This photograph COL 183 comes from the collections of the Imperial War Museums. Author No. 48 Squadron RAF
写真はWikimedia Commons，Category:Lockheed Hudson in British service・File:Hudson V 48 Sqn RAF in flight 1942.jpg引用。

ロッキード 14 スパー・エレクトラ（Lockheed Model 14）を軍用仕様にしたのが、ロッキード・ハドソン哨戒爆撃機である。当時、イギリスは、ドイツとの抗争中であり、自国の航空機生産だけでは、戦力増強が困難だった。そこで、アメリカに支援を要請した。

⇒写真集Album:ロッキード・ハドソン（Lockheed Hudson）を見る。

ロッキード 10 エレクトラ（Lockheed Model 10 Electra ）の発動機を強化し、若干大型化した発展型がロッキード 14 スパー・エレクトラ（Lockheed Model 14）輸送機で、1937年7月29日初飛行、354機が生産された。その軍用仕様がロッキード・ハドソン（Lockheed Hudson）爆撃機で、1938年12月10日初飛行で、2,941機生産された。

ロッキード 14 スパーエレクトラ輸送機の胴体を 5 feet 6 inches (1.68 m)延長し、乗客を増やし、発動機を強化したのが、ロッキード 18 ロードスター（Lockheed Model 18 Lodestar）輸送機で、1939年9月21日初飛行し、625機が生産された。そのロードスターの軍用仕様がロッキード・ベンチュラ（Lockheed Ventura）PV-1哨戒爆撃機で、1941年7月31日初飛行で、3,028機生産された。

ロッキード・PV-1ベンチュラの主翼 551 ft2 (51.2 m2) を 686 ft2 (63.7 m2)に大型化し、武装を強化した改良型が、ハープーン（Harpoon）PV-2哨戒爆撃機で、1943年12月3日初飛行で、ある。しかし、PV-2ハープーン（Harpoon）は、PV-1ベンチュラと同一の発動機一であり、飛行性能は重量増加で若干低下した。生産機数は470機生産されたほか、改造型としてPV-2C練習機が30機、武装強化型PV-2Dが35機生産された。つまり、ハープーン（Harpoon）PV-2は総計535機が生産されたが、ベンチュラPV-1の1,600機に比して、３分の１である。


８．ロッキード（Lockheed）XC-35高高度試作機


写真（右）1940年以降、アメリカ、アメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）XC-35高高度試作機(シリアルナンバー： 36-353 MSN 3501)：カリフォルニア州の農地上空を飛行しているようだ。
Bilstein_00668 Lockheed XC-35 1937 (USAF W-2712) Image from the Roger Belstein Collection--Please tag these photos so information can be recorded.---Note: This material may be protected by Copyright Law (Title 17 U.S.C.)--Repository: San Diego Air and Space Museum
写真はWikimedia Commons，San Diego Air and Space Museum 引用。

アメリカ陸軍航空隊ロッキード（Lockheed）XC-35高高度試作機(シリアルナンバー： 36-353 MSN 3501)は、ロッキード L-10 エレクトラ輸送機を改造して胴体に与圧キャビン・コックピットを設けた高高度実験機である。

ロッキード（Lockheed）XC-35高高度試作機の与圧キャビンにはプラット・アンド・ホイットニー（Pratt & Whitney）XR-1340-43 ワスプ（Wasp）空冷星型9気筒エンジン（排気量22 L） 550 hp (410 kW) のターボ過給機のコンプレッサーで空気が吸入されており、飛行高度30,000 ft (9,144 m)でも与圧コックピット（pressurized cockpit）では、高度12,000 ft (3,658 m)の気圧が維持できた。生産は試作1機のみ。

ロッキード（Lockheed ）XC-35の飛行する高高度飛行の制約の第一は、高高度では酸素不足・気温の低下である。そこで、人間が高高度に滞在するには、酸素吸入マスク・暖房機が必要になる。気温は海面上から100メートル上昇するごとに摂氏0.6度低下する。そのため、高度8kmではマイナス30度、高度10kmでは海面上より60度も低下し摂氏マイナス50度になる。そこで、搭乗者は酸素吸引マスク・電熱服を装備していた。

ロッキード（Lockheed）XC-35の飛行する高高度飛行の制約の第二、高高度では空気の密度が薄くなり、気圧が低下すると、高山病の高地障害症候群(high altitude syndrome: HAS)ような健康上の障害が起こる。たとえ酸素吸入器や暖房機を持参しても、高度27000フィート(8230m)で気圧は海面上の１／３、38000フィート(11582m)で１／５、50000フィート(15240m)で１／１０と大きく低下するので、低気圧に晒された人間は、健康を維持できない。

ロッキード XC-35（ Lockheed 10-E XC-35） (36-353 c/n 3501)のように10km以上の高高度を飛行する高高度飛行機、すなわち「成層圏航空機」は、操縦士、機関士などの搭乗するコックピットの気圧を、人間が長時間耐えられるような低高度の気圧にまで高める「与圧室」も設ける必要があった。室内と外気の気圧格差が大きいので、与圧室は隔壁の強度を維持するために繭のような形状にして、気密性と強度の両立を図っている。気圧格差が大きい高空を飛行するには、高高度まで上昇できるように航空機は軽量であり、かつ気圧格差に耐えられるだけの強度が与圧室に求められた。

⇒写真集Album:ロッキード（Lockheed）XC-35高高度機を見る。


９．ロッキード（Lockheed）18 ロードスター（Lodestar）輸送機

1937年初飛行のロッキード 14 スーパーエレクトラ輸送機は、高性能を追求したために、高価格となり、経済性がダグラスDC-3より劣ったために、販売実績は思わしくなかった。そこで、ロッキード 14 スーパーエレクトラ輸送機の経済性を改善するために、乗客を増やすこととし、そのために胴体後部を長して座席数を増設したのが、ロッキード 18 ロードスター輸送機である。ロッキード 18 ロードスター輸送機の試作1号機の初飛行は、1939年9月21日で、生産機は1940年2月2日に初飛行した。ロッキード 18 ロードスター輸送機の生産機数は、625機である。

写真（右）1947-1953年、アメリカ、カリフォルニア州サンフランシスコ（San Francisco）、アメリカ沿岸警備隊所属ロッキード（Lockheed） R5O-4「ロードスター」（Lodestar）輸送機：星条旗を模した国籍記章は、太平洋戦争勃発後に採用されたもので、青地の丸に白星となり、白帯中央に赤線が入った派手なものとなっている。
A U.S. Coast Guard Lockheed R5O-4 Lodestar in flight. The USCG used the R5O-4 from 1942 to 1953. Date between 1947 and 1953 Source US Coast Guard photo [1] Author USCG.
写真は Wikimedia Commons, Category:Lockheed Model 18 Lodestar　File:Lockheed R5O-4 USCG in flight.jpg引用。

アメリカ軍機の国籍マークは、第二次大戦勃発時も、国旗の星条旗を模した国籍記章で、青地の丸に白星、星中央に赤丸を描いたものだった。しかし、太平洋戦争が勃発アメリカが参戦した後、1942年初頭になると、国籍記章は、青地の丸に白星だけとなり、星中央にあった赤丸は廃止されている。

ロッキード（Lockheed）C-60A 「ロードスター」（Lodestar）輸送機の諸元
搭乗員：3名、乗客：18名
全長：15.19 m (49 ft 10 in) 全幅：19.96 m (65 ft 6 in) 全高：3.6 m (11 ft 10 in)
翼面積：51.2平方メートル(551 平方フィート)
空虚重量：5,670 kg (12,500 ポンド)、全備重量：7,938 kg (17,500 ポンド)
最大離陸重量：9,825 kg (21,000 ポンド)
発動機：ライト（Wright）R-1820-87空冷星形9気筒エンジン 1200馬力 (895 kW)
最高速力：428 km/h (266 mph)、巡航速力：322 km/h (200 mph)
実用上昇限度：7,740 m (25,400 ft)
航続距離：4,025 km (2,500 mi)
上昇時間 10,000 ft (3,050 m)まで 6.6分

ロッキード（Lockheed）18「ロードスター」（Lodestar）輸送機は、 アメリカ陸軍航空隊では ロッキードC-56/C-57/C-60輸送機、アメリカ海軍航空隊・アメリカ海兵隊・アメリカ沿岸警備隊では、ロッキードR5O輸送機の形式名称で制式された。

⇒写真集Album:ロッキード（Lockheed）18「ロードスター」（Lodestar）輸送機を見る。

イギリスでは、ロッキード輸送機をベースとしたハドソン哨戒爆撃機を採用したが、そのハドソンの後継機が、同じロッキードのベランチュラ哨戒爆撃機である。1940年にイギリスは、中立国だが事実上の同盟国のアメリカのロッキード社に対して、ハドソンの後継機として、ロッキード モデル18「ロードスター」を原型とする哨戒爆撃機を発注した。

⇒写真集Album:ロッキード・ベンチュラ（Ventura）PV-1哨戒機を見る。


10．ビーチクラフト モデル 18（Beechcraft Model 18）

写真（右）1940年以降、アメリカ、飛行中のビーチクラフト モデル 18A（Beechcraft Model 18A）：プラット・アンド・ホイットニー（Pratt & Whitney）R-985 ワスプ・ジュニア（Wasp Junior）空冷星型9気筒エンジン（排気量16 L） 450 hp (340 kW)2基搭載、1937年1月15日初飛行で、1937–1970年から、9,000機以上が長期量産された。
Beechcraft : 18A Manufacturer: Beechcraft Designation: 18A
写真はWikimedia Commons，San Diego Air and Space Museum Catalog #: 00060106引用。

ビーチクラフト（Beechcraft）社は、前作モデル17 スタッガーウィング (Model 17 Staggerwing) 単発輸送機に次ぐ双発輸送機ビーチクラフト モデル 18（Beechcraft Model 18“Twin Beech”）の開発を1935年11月に開始した。機体は小型で、搭乗員2名、乗客6名で、企業や実業家の個人機として高速輸送、短距離地方間輸送を前提にした全金属製低翼単葉機で、引込み式式降着装置を採用した。

写真（右）1941年以降、アメリカ、アメリカ陸軍航空隊AT-11 カンザン（Kansan）：全幅47 ft 8 in.、全長 34 ft 3 in.、全高9 ft 8 in.、プラット・アンド・ホイットニー（Pratt & Whitney）R-985 ワスプ・ジュニア（Wasp Junior）空冷星型9気筒エンジン（排気量16 L） 450 hp (340 kW)2基搭載、全備重量9,300 ポンド、最高速力230 マイル時、実用上昇限度21,400 ft、航続距離850 マイル、0.30-口径7.62ミリ機関銃2丁。1,500 機が量産され、1950年代半ばまで広範に使用された。
Beech : AT-11 : Kansan Manufacturer: Beech Designation: AT-11 Official Nickname: Kansan
写真はWikimedia Commons，San Diego Air and Space Museum Catalog #: 00002289引用。

ビーチクラフト モデル 18（Beechcraft Model 18“Twin Beech”）試作1号機は、1937年1月15日にTWA（トランス・ワールド航空）操縦士ジェームズ・ペイトン、ビーチクラフト社副操縦士ランキンが行った。最高速力325km/hは、当時の戦闘機並みの高速であり、着陸時の失速制限速力は89km/hと極めて低速での進入が可能で、未舗装の小型滑走路での運用にも便利だった。

1939年9月に第二次世界大戦が勃発すると中立国アメリカでも航空機大増産が開始され、1940年にはアメリカ陸軍航空隊から、ビーチクラフト モデル 18（Beechcraft Model 18“Twin Beech”）を受注し、軍用輸送機仕様C-45 エクスペディター（C-45 Expeditor）も量産に入った。1941年12月の太平洋戦争を契機にアメリカが第二次世界大戦に参戦すると、民間仕様を原型にして軍用仕様C-45 エクスペディター、航法練習機仕様AT-7 ナビゲーター（Navigator）、射撃手/爆撃手訓練機AT-11 カンザン（Kansan）が開発、量産に移行している。軍用仕様型モデル18は、5,000機以上が製造された。



2011年7月刊行の『写真・ポスターに見るナチス宣伝術-ワイマール共和国からヒトラー第三帝国へ』青弓社（2000円）では、反ユダヤ主義、再軍備、ナチ党独裁、第二次世界大戦を扱いました。
　ここでは日本初公開のものも含め130点の写真・ポスターを使って、ヒトラーの生い立ち、第一次大戦からナチ党独裁、第二次大戦終了までを詳解しました。
バルカン侵攻、パルチザン掃討戦、東方生存圏、ソ連侵攻も解説しました。

⇒写真集Album:ライト・ベランカ （Wright-Bellanca WB-2）「コロンビア」の大西洋横断飛行を見る。
⇒写真集Album:ユンカース（Junkers）W.33「ブレーメン」Bremenの大西洋横断飛行見る。
⇒写真集Album:ベランカCH-400「スカイロケット」の太平洋横断飛行を見る。
⇒写真集Album:ユンカース（Junker）A-50「報知日米親善号」の太平洋横断飛行を見る。
⇒写真集Album:ユンカース（Junker）W33「報知日米親善号」の太平洋横断飛行を見る。
⇒写真集Album:ユンカース（Junker）G-24輸送機を見る。
⇒写真集Album:ユンカース（junkers）Ju 52 輸送機を見る。
⇒ドルニエ(Dornier)Do-X 飛行艇
⇒ルフトハンザ航空ユンカース(Junkers)Ju90輸送機
⇒ドイツ空軍ハインケル（Heinkel）He111爆撃機
⇒ルフトハンザ航空フォッケウルフ(Focke-Wulf)Fw200コンドル輸送機
⇒ドルニエ（Dornier）Do18飛行艇
⇒ドルニエ（Dornier）Do24飛行艇
⇒アラド（Arado）Ar-196艦載水上偵察機
⇒ブロームウントフォッスBV138飛行艇
⇒ブロームウントフォッスBV222飛行艇


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