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◆ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機
写真(上)写真(上)1944-1945年、ニューギニア、ビアク島西方、ヌムフォア島付近を低空飛行するアメリカ陸軍航空隊第419夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61A ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(42-5508/313)の右側面
:1942年5月26日初飛行、全備重量12,610kg、P&W R-2800空冷星型18気筒エンジン2,250hp2搭載、最高速力589 km/h、胴体下部に20mm機関銃4挺、胴体上部に12.7mm機関銃四連装遠隔旋回銃塔を装備。
Permann Other NFs Album Image45 032 Scanned image from the Permann Collection from the "Other NFs" album--Please tag these photos so information can be recorded.---Note: This material may be protected by Copyright Law (Title 17 U.S.C.)--Repository: San Diego Air and Space Museum
写真は , SDASM Archives・ 引用。


写真(右)1945年、アメリカ、アメリカ陸軍航空隊第422夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop) P-61A ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(42-5543)"Tennessee Ridge Runner"の右側面:P-61の胴体上面の遠隔銃塔は撤去されて、上面が平板になっている。機首にSCR-720レーダーを搭載、1944年5月、イギリスの前線へ、1944年6月にガダルカナル島に配備が始まったが、戦争終盤だったために、生産数は706機にとどまった。
English: Northrop P-61A-5-NO Black Widow/42-5543/Tennessee Ridge Runner of the 422d Night Fighter Squadron, 1945 Date 1945 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces.
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:422d Night Fighter Squadron Tennessee Ridge Runner.jpg引用。


写真(上)1947年頃、アメリカ、カリフォルニア州ロスアンゼルス、ホーソン(Hawthorne)、滑走路でエンジンを駆動するアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop)F-15Aリポーター(Reporter)高速長距離偵察機(登録コード: 43-8335)
:P-61B夜間戦闘機改造のXP-61E昼間長距離護衛戦闘機から機銃装備を撤去して軽量化し、高速長距離偵察機としたのがF-15である。アメリカ空軍が独立してからは、偵察機はRFの頭文字となり、あらたにRF-61と命名されている。
Charles M. Daniels Collection Photo Catalog #: 15_000288 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop F-15 Daniels Album Name: American Manufacturers III N to W Album Page #: 14
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive引用。

1.ロッキード(Lockheed) P-38 戦闘機

写真(右)1944年6月-1945年、アメリカ、アメリカ陸軍航空隊ロッキード(Lockheed) P-38H ライトニング(Lightning)戦闘機(267079):前作P-38Gの発動機をアリソンV-1710-89/91液冷エンジン1,425馬力に換装した出力向上型、航続距離:3,640 km、爆弾:1,450 kg(3,200ポンド)で、長距離飛行用には、500L相当の落下増加タンクを主翼下面に2個装備した。P-38Hは、601機生産にとどまったが、写真偵察機仕様F-5Cも128機が生産されている。
Lockheed P-38H Lightning Catalog #: 15_001436 Title: Lockheed P-38H Lightning ADDITIONAL INFORMATION: Lockheed P-38H Lightning Collection: Charles M. Daniels Collection Photo Album Name: U.S Manufacturers IV, G to L Page #: 33 Tags: Lockheed P-38H Lightning PUBLIC COMMONS.SOURCE INSTITUTION: San Diego Air and Space Museum Archive.
写真は San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


1937年2月、アメリカ陸軍航空隊は単座・高々度迎撃戦闘機インターセプター開発要求をアメリカ航空メーカーに出した。性能要求は、最高速力360 mph (580 km/h)、上昇時間20,000 ft (6,100 m)まで6分 、当時の戦闘機の速力を100マイル(160km/h)上回るものとされた。また、爆弾搭載量も1,000 lb (450 kg)と当時の標準搭載量500 lb (230 kg) の2倍が期待されていた。これがロッキード(Lockheed) XP-38に繋がる。

アメリカ陸軍要求にこたえたロッキード(Lockheed)X-608、すなわちXP-38は、ライトフィールド基地で、1939年1月27日に初飛行した。

当初、爆撃機を迎撃する大口径機関砲が望まれていたため、1939年4月27日から13機生産された先行量産型YP-38は、アメリカ陸軍砲兵工廠(Army Ordnance Department)の開発した 37 mm (1.46 in)T9自動砲、すなわち後のM4と弾薬15発を搭載した。

写真(右)1943年頃、ニューギニア島(?)、無迷彩塗装のアメリカ陸軍航空隊のアメリカ陸軍航空隊ロッキード(Lockheed) P-38J ライトニング(Lightning)戦闘機の左前方:コックピット前方の機首上面は、操縦士に対する日差し反射による幻惑を防止するために、反射除けの黒色塗装がなされている。
Lockheed, P-38J, Lightning Title: Lockheed, P-38J, Lightning Catalog #: 01_00090996 Corporation Name: Lockheed Designation: P-38J Official Nickname: Lightning Additional Information: USA Tags: Lockheed, P-38J, Lightning Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は, SDASM Archives引用。


ロッキード(Lockheed) P-38 L ライトニング(Lightning)戦闘機の発動機は、アメリカ製アリソン(Allison)V-1710-111/113液冷V-12気筒エンジン1,600 hp (1,200 kW)2基搭載、最高速力 414 mph (666 km/h),航続距離 4,180 km、P-38L型だけで3,923機が生産された。

ロッキードXP-38は、1939年1月27日に初飛行し、12週間後の2月11日には軍用機としては最高峰の最高速力420 マイル(680 km/h)を記録した。制式されたP-38は「ライトニング」と命名され、1941–1945年に1万機が量産された。

先行量産型YP-38の装備したT4は信頼性に問題がある上に発射速度が遅いため、23 mm T1機関砲(弾薬35発)に換装された。結局、量産型の P-38Eの兵装は、機首に12.7mm M2ブローニング(Browning)機関銃4挺、イスパノ(Hispano)20 mm 機関砲(弾薬150発)1門とされた。

写真(右)1945年2月5日以降、アメリカ、飛行するアメリカ陸軍航空隊ロッキード(Lockheed) P-38 M ライトニング(Lightning)夜間戦闘機:1945年2月5日に初飛行。機首に下面にレーダーポッドを搭載し、主翼前縁にレーダーアンテナを装着している。コックピットは複座式で、ガラス風防が後上方に突出している部分がレーダー手の席である。コックピットは複座式で、ガラス風防が後上方に突出している部分がレーダー手の席である。P-38L戦闘機を改修して, P-38夜間戦闘機を(44-27234)を開発した。
Ray Wagner Collection Image PictionID:46902432 - Catalog:16_008112 - Title:Lockheed P-38M 44-27234 - Filename:16_008112.tif - Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation --- ---Please Tag these images so that the information can be permanently stored with the digital file.---Repository: San Diego Air and Space Museum.
写真は San Diego Air and Space Museum Archive引用。


ロッキード(Lockheed) P-38 ライトニング(Lightning)戦闘機の諸元

初飛行:1939年1月27日
生産数:10,037機
乗員: 1名
全長: 11.53 m (37 ft 10 in)
全高: 3.00 m (9 ft 10 in)
翼幅: 15.85 m(52 ft 0 in)
翼面積: 30.43 m2 (327.5 ft2)
空虚重量: 5,800 kg (12,780 lb)
全備重量: 7,940 kg (17,500 lb)
最大離陸重量: 9,798 kg (21,600 lb)
発動機: アリソン(Allison) V-1710液冷スーパーチャージャーV型12気筒液令エンジン1,600 hp (1,200 kW) × 2
最高速力: 高度 7,620 m 時 667 km/h (高度 25,000 ft 時 415 mph) 失速速度: 170 km/h (105 mph)
フェリー航続距離: 3,640 km (2,600 マイル)
航続距離: 1,770 km (1,100 マイル)
実用上昇限度: 13,400 m (44,000 ft)
翼面荷重: 260.9 kg/m2 (53.4 lb/ft2)
イスパノ M2(C) 20 mm 機関銃× 1(携行弾数150発)
ブローニング MG53-2 12.7 mm 機関銃 (携行弾数500発)×4
爆弾:1,000 lb(454 kg)爆弾×2
落下タンク: 300 カロン (1,100 L) 2個

⇒写真集Album:ロッキード(Lockheed) P-38 ライトニング(Lightning)戦闘機を見る。 


2.ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機

写真(右)1941年、アメリカ、ノースロップ工場で生産中のノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機:P-61の胴体上面の円形の穴は、銃塔の取り付け部。機首にはSCR-720レーダーを搭載する。
Northrop P-61Bs on the assembly line, 1944 Date 1944 Source Campbell & Pape, 1994, Northrop P-61 Black Widow: The Complete History and Combat Record, Schiffer, ISBN 0887407382 (Photo Credit given as USAAF photo) Author United States Army Air Forces
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


アメリカ陸軍航空隊(United States Army Air Corps :USAAC)の迎撃戦闘機競争試作要請には、ベル・エアクラフト社のモデルB-4(XP-39)も単発機で応じていたが、当時、高速双発輸送機の分野で、低翼単葉、引込み式降着装置を採用してロッキード10エレクトラ双発輸送機、ロッキード14スーパーエレクトラ 双発輸送機を成功させた。

こうした実績を踏まえて、ロッキードは、新型双発機戦闘機の開発に強い自信を持っていたはずだ。しかし、アメリカ軍から見れば、民間機は軍用機と違って、強度も、飛行性能も異なっており、民間機より軍用機の開発のようが遥かに難易度が高いと考えていた。そこで、軍用機開発の経験に乏しかった当時のロッキード社は、実績のない新参メーカーとして、軍は軽く見ていたようだ。

カラー写真(右)1943-1944年、アメリカ、飛行するオリーブドラブ迷彩塗装のアメリカ陸軍航空隊第二戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) XP-61 夜間戦闘機試作機:夜間戦闘機の迷彩塗装は、当初はこのようなオリーブドラブだったようだが、すぐにつやのある黒色の迷彩塗装に変更されている。
Northrop : P-61 : Black Widow Catalog #: 00003561 Manufacturer: Northrop Designation: P-61 Official Nickname: Black Widow Notes: Repository: San Diego Air and Space Museum Archive.
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


他方、ノースロップは、単発機の生産で成功した新興企業であり、ロッキードのような多数の飛行機開発、量産の経験にとぼしかったため、やはりノースロップ(Northrop) XP-61夜間戦闘機の開発に際しても、アメリカ軍は副次的な扱いしかしなかったようだ。

ノースロップ(Northrop)XP-61試作機が、1942年5月26日初飛行しているにもかかわらず、部隊に就役したのは2年経過した1944年中ごろであり、これは戦時急速開発の時期ということを踏まえると、優先順位の低い開発プログラムだったと考えられる。

1940年8月からの英国本土航空決戦で、ドイツ空軍によるロンドン夜間爆撃が実施されたが、アメリカ陸軍航空軍は、夜間爆撃からの防空、迎撃用の夜間戦闘機の必要性を痛感した。同時に、イギリスも国内の飛行機工場の爆撃、海上交通破壊による資源不足に直面し、アメリカから昼間戦闘機、夜間戦闘機のアメリカからの購入・輸入を早急に進める必要があった。

ノースロップ社は、アメリカ陸軍航空隊の開発要求を受けて、ノースロップ(Northrop)P-61夜間戦闘機を双発大型機として開発したが、これはアメリカ軍戦闘機の中で、第二次大戦中、最大級の大きさになった。P-38と同じように、双発双胴の中央にゴンドラを設け、そこを乗員3名のコックピットとしたが、爆撃機のようなガラス風防で、胴体後方尾部にもガラス風防を設けていたが、後方旋回機関銃は搭載する予定はなく、視界確保のための尾部ガラス風防であった。胴体上部に.50 in (12.7 mm) AN/M2ブローニング(Browning)機関銃(携行弾薬560発)4挺を搭載する遠隔銃塔ターレットを設けている。

写真(右)1943-1944年、アメリカ、カリフォルニア州南部、ホーソーン(Hawthorne)、ノースロップ・フィールド(Northrop Field)、フラップを下ろして着陸態勢に入ったアメリカ陸軍航空隊第二戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) XP-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機先行生産型(41-19509) :フラップを下げ引込み式脚を下ろして着陸態勢に入っている。P-61の降着装置は、P-38と同じで三輪式(tricycle)/前輪式/首輪式である。降ろされている大きなフラップは完全引込み式で、設計技師エドワード・ザパーカ(Edward Zaparka)に因んで "Zap flaps" と呼ばれていた。
Charles M. Daniels Collection Photo Catalog #: 15_000279 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Daniels Album Name: American Manufacturers III N to W Album Page #: 11 2nd Fighter (All Weather) Squadron, Mitchel Field, LI. Repository: San Diego Air and Space Museum Archive Author United States Army Air Forces One of two XP-61s, serial 41-19509..
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


ノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の降着装置は、ロッキードP-38と同じく三輪式(tricycle)/前輪式/首輪式で、フラップは完全引込み式で大きいもので、設計技師エドワード・ザパーカ(Edward Zaparka)に因んで "Zap flaps" と呼ばれた。

写真(右)1944年、アメリカ、農地の上空を飛行するアメリカ陸軍航空隊第二戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) YP-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機先行生産型(41-18877):P-61の胴体上面に銃塔の取り付け、機首にはSCR-720のパラボラ・レーダーアンテナを搭載する。
Charles M. Daniels Collection Photo Catalog #: 15_000281 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Daniels Album Name: American Manufacturers III N to W Album Page #: 12 2nd Fighter (All Weather) Squadron, Mitchel Field, LI. Repository: San Diego Air and Space Museum Archive Author United States Army Air Forces YP-61, serial 41-18877.
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


ノースロップ(Northrop)P-61Aブラックウィドウ ノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)は、大型双発戦闘機を高速で飛行させるために、発動機はプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型18気筒エンジン(排気量45.9L)2,000 hp (1,500 kW)2基である。乗員は、操縦士、レーダー操作員、銃手の3名がタンデム配置されている。火力は強力で胴体上面に .50 in (12.7 mm) AN/M2ブローニング(Browning)機関銃(携行弾薬560発)4丁で、銃身は 36 in (910 mm)長、高初速、高発射速度の優れた機関銃として、アメリカ陸海軍戦闘機に普及していた信頼性の高い機関銃である。

こうして設計のなったXP-61は、双発爆撃機並みの大きさで、全長45.5 ft (14 m)、全幅 66 ft (20 m) 、総重量 22,600 lb (10,251 kg) と見込まれたが、これでは過大で、戦闘機としては飛行性能の低下が危惧された。こうした不利な点も、P-61の実用化の遅れにつながったと考えられる。

写真(右)1944年、アメリカ、飛行するアメリカ陸軍航空隊第二戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) YP-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機先行生産型(41-18877)の前下面:P-61の胴体上面に銃塔の取り付け、胴体下面のバルジに20mm機関銃4挺を搭載している。
Northrop : P-61 : Black Widow Catalog #: 00003517 Manufacturer: Northrop Designation: P-61 Official Nickname: Black Widow Notes: Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


1939年9月に勃発した欧州大戦の準戦時の状況にあって、中立国アメリカでも、航空兵力大増産が企画された。そこで、優先順位の低い夜間戦闘機については、アメリカ軍は主力機の開発・生産を担っていなかったノースロップ社に対して夜間戦闘機(ノースロップ(Northrop) XP-61)の開発要求を出した。

写真(右)1943年6月以降、アメリカ、飛行する黒の夜間迷彩塗装のアメリカ陸軍航空隊第348夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) YP-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(41-18882)の右下面
English: YP-61 Black Widow. The antenna of the radar set, either a SCR-520 or SCR-720, can be seen in the partially transparent nose. Date 1943 Source Campbell & Pape, 1994, Northrop P-61 Black Widow: The Complete History and Combat Record, Schiffer, ISBN 0887407382 (Photo Credit given as USAAF photo) Author United States Army Air Forces
写真はWikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:348th Night Fighter Squadron Northrop YP-61-NO Black Widow 41-18882.jpg引用。


ノースロップ社はロッキードP-38と同様の双胴双発戦闘機ノースロップ(Northrop) XP-61を設計し、1941年のXP-61試作機発注を待って製造が開始され、1942年5月26日に試作1号機が初飛行し先行量産型YP-61の生産が始まった。部隊へのノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)の引渡しは1943年10月に開始され、1944年から実戦投入を前提にした配備が始まった。

写真(右)1943年11月、飛行するオリーブドラブ迷彩塗装のアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) YP-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機先行量産型と手前のダグラス(Douglas)P-70 "Black Magic"攻撃機:ニューヨーク州オーランド基地に到着したP-61は、第349夜間戦闘飛行隊ダグラスP-70ナイトホーク(Nighthawk)と会合した。ダグラス(Douglas)A-20 ボストン/ハボック(Boston/Havoc)攻撃機の夜間戦闘機仕様がP-70ナイトホーク(Nighthawk)である。
Description English: The first YP-61 Black Widow night fighter to arrive at Orlando Army Air Base, November 1943 is met by a 349th Night Fighter Squadron Douglas P-70 "Black Magic". Date 1943 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces
写真はWikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:349th Night Fighter Squadron YP-61 P-70.jpg引用。


アメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機は、胴体上面に.50 in (12.7 mm) AN/M2ブローニング(Browning)機関銃(携行弾薬560発)4挺を搭載する遠隔銃塔ターレットを取り付け、機首にSCR-720レーダー1基を装備し、機首を成形するドームは、マイクロ波の電波を透過しやすいプラスチック製の材料で作られている。

写真(右)1944年、アメリカ、カリフォルニア州上空を飛行するアメリカ陸軍航空隊第420夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop) YP-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の上面:P-61は、機首にSCR-720レーダーを搭載した夜間戦闘機だが、すでにドイツ空軍の攻撃力は弱く、対地攻撃に使用されることが多くなった。
English: 420th Night Fighter Squadron P-61 over California Date 1944 Source Air Service, United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces.
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:420th Night Fighter Squadron P-61 over California.jpg引用。


ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)は、最高速力 366 mph (589 km/h, 318 kn) /20,000 ft (6,100 m)、航続距離 1,350 mi (2,170 km, 1,170 nmi)、兵装は機首下にイスパノ(Hispano)20 mm M2 機関銃(携行弾数 200発)4丁搭載回転銃塔、 胴体上面ブローニング(Browning).50 in (12.7 mm) AN/M2機関銃(携行弾薬560発)4挺を搭載する遠隔銃塔ターレットを装備。

写真(右)1944年、飛行する黒の夜間迷彩塗装のアメリカ陸軍航空隊第415夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機
English: 415th Night Fighter Squadron Northrop P-61B-15-NO Black Widow 42-39684 Date 1944 Source Air Service, United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces Permission (Reusing this file) USGOV-PD
写真はWikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:A 96th FS P-38 clearly displays the distinctive twin-boom design.jpg引用。


P-61 ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機で胴体上面の遠隔銃塔ターレットを装備している形式(398機)

P-61A-1型のうち38機
P-61B-11型(.50 in (12.7 mm) 機関銃2丁装備の遠隔銃塔ターレット再装備)5機
P-61B-16型 (.50 in (12.7 mm) 機関銃2丁装備の遠隔銃塔ターレットに再転換;)6機
P-61B-15型153機
P-61B-20型(GE製ターレット装備)84機
P-61C型(排気タービン給機付き)41機

 つまり、 ノースロップ(Northrop) P-61ブラックウィドウ(Black Widow)の総生産数706機の56.4%に相当する398機は、胴体上面に遠隔銃塔ターレットを装備している。他方、残りの308機43.6%のP-61A/B夜戦は遠隔銃塔ターレットを装備していない。

写真(右)1944-1945年頃、アメリカ、沿岸上空を飛翔する、アメリカ陸軍航空隊第2戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(239728)
Charles M. Daniels Collection Photo Catalog #: 15_000283 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Daniels Album Name: American Manufacturers III N to W Album Page #: 13 2nd Fighter (All Weather) Squadron, Mitchel Field, LI. Repository: San Diego Air and Space Museum Archive Author United States Army Air Forces
写真は Wikimedia Commons, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


(Northrop) P-61 ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機は、機首ドームにレーダーを搭載し、攻撃火力は胴体下面の前方固定20mm機関銃4挺、胴体上面の.50in(12.7mm)M2ブローニング(Browning)機関銃4挺を搭載した遠隔操作銃塔1基を備えている。ただし、.50in(12.7mm)M2ブローニング(Browning)機関銃4挺

しかし、重量過大で空気抵抗も大きかったノースロップ(Northrop) P-61 の胴体上面に銃塔は、不必要と判断され、部隊配備を進める際には、銃塔は撤去されている。当初は、銃塔を撤去しただけで、胴体上面は平面だったが、のちの量産型では、胴体上面は曲面状に成形されている。しかし、その後、再び、胴体上面の.50in(12.7mm)M2ブローニング(Browning)機関銃(携行弾薬560発)搭載の遠隔機関銃塔ターレットが復活しているので、P-61の形式はわかりにくくなっている。

写真(右)1944年、アメリカ、飛行するアメリカ陸軍航空隊第424夜間戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) YP-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機”Black Widow”(41-18867):機首にはSCR-720レーダーを搭載したので、機首ドームの白色部分はプラスチック製で電波を通しやすく配慮している。
Description English: 424th Night Fighter Squadron YP-61-NO Black Widow 41-18867 Date 1944 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces
写真はWikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow  File:424th Night Fighter Squadron YP-61-NO Black Widow 41-18867.jpg引用。


写真(右)1943-1944年、アメリカ、農地の上空を飛行するアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61A ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機”Double Trouble”(42-5565):P-61Aの胴体上面にあった銃塔(12.7mm機関銃4丁装備)は取り外され、機首にはSCR-720レーダーを搭載している。機首ドームの黒光沢部分はプラスチック製として、電波を通しやすく配慮した。
Permann Other NFs Album Image45 024 P-61A 42-5565 Scanned image from the Permann Collection from the "Other NFs" album--Please tag these photos so information can be recorded.---Stig Jarlevik 4y Just in case someone does not know which one this is, Double Trouble was P-61A 42-5565 and it has been signed by one of the pilots who flew her, Lt Robert Bolinder. He and his R/O F/O Robert Graham claimed a Heinkel 111 at night 26 Nov 1944.--Repository: San Diego Air and Space Museum.
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。



ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)の胴体上面の遠隔銃塔ターレット未装備の形式(308機)

P-61A-10型100機
P-61B-1型(尾部にSCR-695警戒レーダー搭載)62機
P-61B-2(主翼下面爆弾/落下増槽懸架2基装備) 38機
P-61B-10型(爆弾/落下増槽懸架4基装備)46機

以上の胴体上面の遠隔銃塔ターレット未装備のノースロップ(Northrop) P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜戦は308機で、生産総数706機の43.6%に相当する。他方、P-61の残りの398機56.4%は、遠隔銃塔ターレットを装備している。

写真(右)1944年頃、アメリカ、雲の上を飛行するアメリカ陸軍航空隊第422戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) P-61A ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(42-5544):P-61の胴体上面に銃塔は撤去されて、曲面成形されている。二色迷彩塗装を施しているように見える。機首にSCR-720レーダーを搭載したので、機首ドームの黒光沢部分はプラスチック製として電波を通しやすくしている。
Charles M. Daniels Collection Photo Catalog #: 15_000277 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Daniels Album Name: American Manufacturers III N to W Album Page #: 11 Repository: San Diego Air and Space Museum Archive P-61A serial 42-5544 assigned to the 422nd Night Fighter Squadron.
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。



写真(右)1944年、アメリカ、アメリカ陸軍航空隊第422夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop) P-61A ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(42-5565)の左上面:P-61の胴体上面.50 in (12.7 mm) AN/M2ブローニング(Browning)機関銃(携行弾薬560発)4挺を搭載する遠隔銃塔ターレットは撤去されて、上面が平板になっている。機首にSCR-720レーダーを搭載、1944年5月、イギリスの前線へ、1944年6月にガダルカナル島に配備が始まったが、戦争終盤だったために、生産数は706機にとどまった。
English: 422d Night Fighter Squadron Northrop P-61A-10-NO Black Widow 42-5565 Date 1944 Source Freeman, Roger A (1996) The Ninth Air Force in Colour: UK and the Continent-World War Two, Arms & Armour, ISBN 1854092723 Image source listed as United States Air Force Author United States Army Air Forces Permission (Reusing this file) USGOV-PD.
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:422d Night Fighter Squadron Northrop P-61A-10-NO Black Widow 42-5565.jpg引用。


ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の胴体上面に銃塔は撤去されした初期型は、胴体上面が平板化されている。他方、ノースロップ工場量産型から銃塔ターレット未増備の後期型では、胴体上面を曲面状に成形している。

ノースロップ(Northrop) P-61ブラックウィドウ(Black Widow)は、プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型エンジン(排気量45.9L)2000hpを搭載した。しかし、エンジンは大重量だったので、胴体上面の.50 in (12.7 mm) AN/M2ブローニング(Browning)機関銃(携行弾薬560発)4挺を搭載する遠隔銃塔ターレットを撤去した軽量化も図られた。重量軽減、空気抵抗減少によという航空力学的な改善によって、速力、上昇力、旋回性、航続距離など飛行性能を向上させることを企図したのである。

したがって、ノースロップ(Northrop) P-61ブラックウィドウ(Black Widow)の胴体上面の遠隔銃塔ターレットを装備した型と未搭載の型とは、形式の上で、単純にA,Bと区分できないので煩雑である。

写真(右)1944年、アメリカ、農地の上空を飛行するアメリカ陸軍航空隊第348夜間戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機:機首にはSCR-720レーダーを搭載したので、機首ドーム黒光沢部分はプラスチック製で、電波を通過しやすくしている。
English: 348th Night Fighter Squadron P-61 Black Widow Date 1944 Source Air Service, United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces Permission (Reusing this file) USGOV-PD.
写真はWikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow  File:348th Night Fighter Squadron P-61 Black Widow 2.jpg引用。


P-61ブラックウィドウ アメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機は、P-61A-1の一部7機が胴体上面から.50 in (12.7 mm) AN/M2ブローニング(Browning)機関銃(携行弾薬560発)4挺を搭載する遠隔銃塔ターレットは撤去した。P-61A-5 は、胴体上面の遠隔銃塔なしで, R-2800-65空冷エンジン2,250 hp (1,678 kW)に強化して35機が生産された。生産ラインでは、胴体上面を曲面成形している。P-61A-10型100機、P-61A-11型(爆弾/落下増槽懸架2基装備)20機、P-61B-1型(尾部にSCR-695警戒レーダー搭載)62機、P-61B-2(増槽懸架改装)38機、P-61B-10型(爆弾/落下増槽懸架4基装備)46機も遠隔銃塔ターレットなしの夜戦である。つまり、遠隔銃塔ターレットなしのP-61夜戦は、308機が生産されたことになり、生産総数706機の ノースロップ(Northrop) P-61ブラックウィドウ(Black Widow)の43.6%を占めている。

カラー写真(右)1944-1945年、アメリカ、海面上を飛行するアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の上面:胴体上面に12.7mmブローニング機関銃4丁ではなく2丁を搭載した遠隔操作銃塔を装備したのはP-61B-11あるいはB-16で、合計11機が生産された。機首のSCR-720レーダーの電波を通しやすいように、機首ドームの白色部分はプラスチック製である。国籍マークは、1943年9月以降、青丸白星、両側に白色袖・青縁付き”STAR AND BAR”で、第二次大戦後には白色袖の中央に赤ストライプが入った華麗なものとなる。
English: P-61 from above. Date circa 1940s-1950s Source www.ww2incolor.com Author USAF.
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:P-61 from above.jpg引用。


アメリカ軍機の国籍マーク変遷

(1)第二次大戦以前・アメリカ参戦前・太平洋戦争緒戦:青丸に白星、中央に小さな赤丸、垂直尾翼方向舵に赤白ストライプ
(2)太平洋戦争初期・1943年6月以前:青丸白星、白中央の赤丸は削除、方向舵の赤白ストライプは廃止
(3)1943年6月以降、青丸白星、両側に白色袖・赤縁付き”STAR AND BAR”
(4)1943年9月以降、青丸白星、両側に白色袖・青縁付き”STAR AND BAR” (5)第二次世界大戦後、1947年6月以降、青丸白星、両側に白色袖・青縁・赤ストライプ入り”STAR AND BAR”

カラー写真(右):1944年、アメリカ、カリフォルニア州上空を飛翔するアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop)P-61Aブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(42-5507):中央胴体後方上面に12.7mm M2 ブローニング(Browning )機関銃4挺搭載の遠隔操作銃塔が設置されている。白色プラスチック製の機首ドーム内には、SCR-720空対空レーダーのパラボラ・アンテナを装備、機首左右には八木式レーダーアンテナが取り付けられている。1942年5月26日初飛行のP-61夜間戦闘機は、1944年初頭にガダルカナルに派遣され、部隊の習熟訓練が行われた。
English Northrop P-61A-1-NO Black Widow, Serial #42-5507 Official United States Air Force Website P-61 1940's -- NORTHROP P-61 "Black Widow" in flight. Northrop P-61 Black Widow night fighter had pilot, radar operator, and gunner. (U.S. Air Force photo) PHOTO BY: VIRIN: 021002-O-9999G-008 FULL SIZE: 0.69 MBNorthrop P-61 from http://www.af.mil/News/Photos/igphoto/2000593895/
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow  File:Northrop P-61 green airborne.jpg引用。


アメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機は、機首ドーム内には、SCR-720空対空レーダーのパラボラ・アンテナを装備し、その電波の透過性を高めるために、ドームをプラスチック製とした。プラスチック製の機首ドームは地の白色のままである場合と黒迷彩で塗装した場合がある。また機首の左右には八木式レーダーアンテナが取り付けられている。

写真(右)1944-1945年頃、アメリカ、ニューヨーク州ロングアイランド島、ミッチェル基地、アメリカ陸軍航空隊第2戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機:P-61の胴体上面に銃塔は撤去されて、曲面状に成形されている。これは、重量軽減、空気抵抗減少に繋がり、速力、上昇力、旋回性、航続距離など飛行性能を向上させたであろう。機首にはSCR-720レーダーを搭載している。
Charles M. Daniels Collection Photo Catalog #: 15_000284 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Daniels Album Name: American Manufacturers III N to W Album Page #: 13 2nd Fighter (All Weather) Squadron, Mitchel Field, LI. Repository: San Diego Air and Space Museum Archive Author United States Army Air Forces
写真は Wikimedia Commons, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右)1944-1945年、アメリカ、舗装滑走路に駐機しているアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の左側面:ガラス風防は前部コックピットと後部府コックピットが段あり風防に一体化されていてる。ガラス窓を支える窓枠が多数見える。胴体後上方には銃座がまだ設置されていないので、無武装のようだ。
Black Widow Northrop P-61B PictionID:40971411 - Title:Black Widow Northrop P-61B - Catalog:15_002841 - Filename:15_002841.tif - Image from the Charles Daniels Photo Collection album "US Army Aircraft."----SOURCE INSTITUTION: San Diego Air and Space Museum Archive.
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右)1944年6月以降、イギリスあるいはフランス(?)、滑走路に置かれたアメリカ陸軍航空隊第416夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(42-39682)の左側面:胴体上面に12.7mmブローニング機関銃4丁を搭載した遠隔操作銃塔を装備している。胴体下面が膨らんだバルジになっているのは、20mm機関銃4丁を装備したためである。主翼外側には500L相当の増加増槽を懸架している。
English: English: 416th Night Fighter Squadron Northrop P-61B-15-NO Black Widow 42-39682 Date 1944 Source Air Service, United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces.
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:416th Night Fighter Squadron Northrop P-61B-15-NO Black Widow 42-39682.jpg引用。


写真(右):1944年7月-1945年、フランス北部、セーヌ=エ=マルヌ県(Seine-et-Marne)、クロミエ(Coulommiers)、アメリカ陸軍航空隊第425夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の左尾翼と奥の2機:野営用の大型テントが張られている。舗装滑走路あるいは誘導路が手前にはしっている。
COULOMMIERS,FRANCE - P - 61'S From SDASM's 425th Night Fighter Sq. Collection Repository: San Diego Air and Space Museum Archive D. Sheley 12y Coulommiers,France (USAAF code # A-58) was an active field from September 8,1944 to August 8,1945. Three different units spent time based there. 425th Night Fighter Squadron: from September to October 1944 410th Bomb Group: September 1944 to February 1945 437th Troop Carrier Group: February to July 1945
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive引用。


写真(右)1944年7月以降、フランス北東部、ルクセンブルク国境付近、エストのムアメリカ陸軍航空隊第425夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機
ETAIN, FRANCE - WORKSHOP From SDASM's 425th Night Fighter Sq. Collection Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


ノースロップ(Northrop) P-61ブラックウィドウ(Black Widow)は最高速力 366 mph (589 km/h, 318 kn) /20,000 ft (6,100 m)、航続距離 1,350 mi (2,170 km, 1,170 nmi)、兵装は機首下にイスパノ(Hispano)M2 20 mm 機関銃(携行弾数 200発)4丁搭載回転銃塔、 胴体上面.50in(12.7mm)M2ブローニング(Browning)機関銃(560発)4丁。

写真(右)1944年7月以降、フランス北東部、ルクセンブルク国境付近、エストのムアメリカ陸軍航空隊第425夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機とそのエンジンを整備するアメリカ兵士レイ・バーナード・ミラー(Ray Bernard Miller):発動機プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型18気筒エンジン(排気量45.9L)を分解整備しているようだ。
ETAIN, FRANCE - CHANGING A CARBURATOR - P-61 From SDASM's 425th Night Fighter Sq. Collection Repository: San Diego Air and Space Museum Archive Toni Bacon 9y This is my grandfather, Ray Bernard Miller
写真は San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右)1944年7月以降、フランス北東部、ルクセンブルク国境付近、エタン、アメリカ陸軍航空隊第425夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の被弾した尾翼:垂直尾翼と水平尾翼の双方に大きな穴の損傷を受けているが、これはドイツ空軍ユンカース(Junkers)Ju88によるものというが、爆弾による被害ではなく、Ju88夜間戦闘機の銃撃によるものと思われる。
ETAIN, FRANCE - GERMAN JU-88 DID THIS - OUTSIDE VIEW From SDASM's 425th Night Fighter Sq. Collection Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右):1944年7月-1945年、フランス北部、ルクセンブルク国境付近、ムーズ地方エタン(Étain)(?)、アメリカ陸軍航空隊第425夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機:機首のドームに、SCR-720空対空レーダーのパラボラ・アンテナを装備した夜間戦闘機だったが、左右主翼下面にランンチャ―を装着して、各4発、合計8発の5インチ口径のロケット弾を装備している。
ETAIN, FRANCE - ROCKETS INSTALLED From SDASM's 425th Night Fighter Sq. Collection Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive引用。


写真(右):1945年1月18日、フランス北部、ルクセンブルク国境付近、ムーズ地方エタン(Étain),アメリカ陸軍航空隊第425夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機:機首のドームに、空対空捜索用のSCR-720レーダーを装備した夜間戦闘機だったが、左右主翼下面にランンチャ―を装着して、各4発、合計8発の5インチ口径のロケット弾を装備している。
ETAIN, FRANCE - ROCKETS INSTALLED From SDASM's 425th Night Fighter Sq. Collection Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive引用。


モスキート NF Mk.XIII夜間戦闘機 アメリカ陸軍航空隊第416夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機は、高出力のプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型エンジン2基を搭載し、機首ドームにSCR-720レーダーを収納し、胴体上面に.50in(12.7mm)M2ブローニング(Browning)4丁を搭載した遠隔操作銃塔を装備、胴体下面の膨らんだバルジに20mm機関銃4丁を装備した重兵装の夜間戦闘機である。また、レーダー・無線機操作に便利な大型のコックピットを持っているので、居住性も高く、長時間の夜間迎撃には都合がよい。

しかし、ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)をイギリス空軍デ・ハビランド(de Havilland)DH.98 モスキート(Mosquito)NF Mk. XIII夜間戦闘機と比較すると、ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)の速力は40km以上遅く、軽快性も劣っていたようで、ドイツ・日本の双発爆撃機の夜間迎撃には、大きく鈍重なために不適当だったように思われる。

カラー写真(右)1944年7月-1945年、フランス北部、ルクセンブルク国境付近、ムーズ地方エタン(Étain)(?)、アメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(25569):P-61の降着装置は前輪式(首輪式)で、P-38と同じである。胴体後方と主翼下面に白黒ストライプを描いているが、これは1944年6月のノルマンディー侵攻以来の連合国軍の味方識別マークである。
Charles M. Daniels Collection Photo Catalog #: 15_000289 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Daniels Album Name: American Manufacturers III N to W Album Page #: 15 Repository: San Diego Air and Space Museum Archive.
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


グラマンF6F-5N夜間戦闘機 アメリカ海軍は、1942年の6月26日にはXF6F-1単発艦上戦闘機を初飛行させ、グラマン(Grumman)F6Fヘルキャット(Hellcat)として制式した。そして、のちになって主翼右端にSCR-720(イギリス名AI Mk.X)のレーダーポッドを搭載し、グラマン(Grumman)F6F-5Nヘルキャット(Hellcat)夜間艦上戦闘機として使用した。同じくヴォ―トF4Uコルセア戦闘機にもレーダーポッドを搭載した夜間戦闘機が開発されている。

F6F-5Nのような単発の軽快な夜間戦闘機が実用化されていることと比較すると、登場の遅かった大型双発のノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)は、プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型エンジン(排気量45.9L)2000hp2基を装備しても、速力も600km/hに達しない鈍重な夜間戦闘機で、撃墜戦果が少ないのもうなづける。


写真(右)1945年、フランス、ラヴァイヨン、アメリカから運搬されてきて飛行場に並べられたアメリカ陸軍航空隊第417夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の左側面:P-61は、船積みされて欧州に到着したが、輸送時の梱包テーピングが不適切だったため、テープを剝がしたときに粘着剤が塗装に浸透し、塗装を剥がしてしまった。写真では、塗装が剥がれて、金属光沢が露出している。胴体上面の遠隔銃塔は撤去されて曲面成形されている。
English: 417th Night Fighter Squadron P-61 Lavailon ALG France. Poor removal of shipping tarp tape left joints stripped of paint, showing bare metal surfaces Date 1945 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces.
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:417th Night Fighter Squadron P-61 Lavailon France.jpg引用。



写真(上)1945年初頭、ベルギー中南部、フロレンヌ前線基地(Florennes Advanced Landing Ground (ALG))欧州線最終局面、雪の滑走路に戦列を作ったアメリカ陸軍航空隊第414夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機
:胴体上面の遠隔銃塔は撤去されて曲面成形されている。
English: 414th Night Fighter Squadron Florennes ALG Belgium. Date 1945 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces Permission (Reusing this file) USGOV-PD.
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:414th Night Fighter Squadron Florennes ALG Belgium.jpg引用。


ベルギー中南部、フロレンヌには、ドイツ占領時代から飛行場があった。1944年9月にフロレンヌを占領した連合国軍は、ドイツ空軍基地を流用し前線の臨時飛行場の「前線離着陸基地」を整備した。当時、ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機は、機首にSCR-720レーダー(イギリス名AI Mk.X)を搭載した夜間戦闘機だが、すでにドイツ空軍の攻撃力は弱く、対地攻撃に使用されることが多くなった。

写真(右)1945年、ドイツ西部、フランクフルト飛行場、アメリカ陸軍航空隊第425夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機:フランクフルト飛行場は、第362戦闘航空団、第368戦闘航空団と共用していた。
FRANKFORT, GERMANY - FLIGHT LINE From SDASM's 425th Night Fighter Sq. Collection Repository: San Diego Air and Space Museum Archive D. Sheley 12y Frankfurt/Rhine-Main airfield (Y-73). The 425th NFS shared the field with the 362nd and 368th Fighter Groups. The 425th was stationed there from April-May 1945.
写真は San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


1945年3月26日、アメリカ第6機甲師団は、3月22日にライン川を突破したアメリカ第5歩兵師団とともにドイツ第7軍第80軍団を攻撃し、ドイツの大都市フランクフルト・アム・マインの攻略を目指した。3月27日、第5師団はマイン川にかかる橋を渡ってフランクフルト市内に突入し、3月29日、市街地を支配下に置くことに成功した。

写真(右)1944-1945年、オーストリア、リンツ郊外、ヘルシング、飛行機格納庫に収まったアメリカ陸軍航空隊第420夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機"Hell In Black"の左側面:P-61は、機首にSCR-720レーダーを搭載した夜間戦闘機だが、すでにドイツ空軍の攻撃力は弱く、対地攻撃に使用された。機首側面には、爆弾投下マーク6個が並んでいる。主翼外側には500L相当の増加増槽を懸架している。格納庫の壁には、NO SMOKINGと英語の表示がしてあるので、占領後しばらくたって撮影されたものと思われる。
English: 416th Night Fighter Squadron P-61 Hell In Black shown in a hangar at Horsching Austria Date 1945 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces.
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:416th Night Fighter Squadron P-61 Hell In Black.jpg引用。


1938年3月、ドイツのオーストリア併合アンシュルスによって、ドイツの一部となったが、第二次大戦末期1945年4月13日にソ連軍によってウィーンが占領された。オーストリアとウィーンは、ドイツ同様に、米英仏ソの四大国によってに分割占領された。オーストリア国家条約に基づいて1955年10月25日に共和国として独立したオーストリアは、東西冷戦の中、永世中立を宣言した。

写真(右):1944年初頭、南太平洋、ソロモン群島ガダルカナル島に到着したアメリカ陸軍航空隊第419夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61Aブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(42-5506/311):中央胴体後方上面に12.7mm M2 ブローニング(Browning )機関銃4挺搭載の遠隔操作銃塔が設置されている。飛行場の近くの誘導路をタキシングして移動している。機首のドームには、空対空レーダーを装備、機首左右には八木式レーダーアンテナが取り付けられている。1942年5月26日初飛行のP-61夜間戦闘機は、1944年初頭にガダルカナルに派遣され、部隊の習熟訓練が行われた。
English: Northrop P-61A-1-NO Black Widow - 42-5506 of the 419th Night Fighter Squadron taxiing at Carney Airfield, Guadalcanal, Solomon Islands, shortly after the P-61's arrival in early 1944. Date 1944 Source United States Army Air Forces via Northrop P-61 Black Widow--The Complete History and Combat Record, Garry R. Pape, John M. Campbell and Donna Campbell, Motorbooks International, 1991. Author United States Army Air Force
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive File:419th Night Fighter Squadron P-61A-1-NO Black Widow - 42-5506.png引用。


写真(右)1945年6月24日、西太平洋、マリアナ諸島(Mariana Islands)サイパン(Saipan)島、イースト・フィールド(East Field)、アメリカ陸軍航空隊第6夜間戦闘飛行隊の3機「のノースロップ(Northrop) P-61A-1 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機と単発戦闘機のリパブリック(Republic)P-47D サンダーボルト(Thunderbolt):P-47Dは、レザーバックのコックピット操縦席でオリーブドラブ迷彩塗装の第318戦闘飛行隊所属と思われる。手前の廃墟は、サイパン島駐留の日本海軍航空隊の指揮所跡。
English: East Field (Kagman Airfield), Saipan, Northrop P-61 Black Widows and Republic P-47 Thunderbolts, June 24, 1945. Date 1945 Source United States Army Air Forces via https://www.flickr.com/photos/18532986@N07/4480679430/in/photostream Author United States Army Air Forces
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:6th Fighter Squadron - P-61 Black Widow - 2.jpg引用。


写真(右)1944年6月以降、西太平洋、マリアナ諸島(Mariana Islands)サイパン(Saipan)島、イースト・フィールド(East Field)、アメリカ陸軍航空隊第6夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61A-1 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(42-5524)の機首ドームと透けて見えるSCR-720捜索レーダーのパラボラ・アンテナ
English: P-61A-1-NO Black Widow s/n 42-5524 of the 6th Night Fighter Squadron. Being readied for a mission, East Field, Saipan, Mariana Islands, September 1944. The SCR-720 radar's parabolic dish antenna can be clearly seen through the partially transparent radome. Date 1944 Source United States Army Air Forces via https://www.flickr.com/photos/18532986@N07/4475833082/in/photostream Author United States Army Air Forces
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:6th Fighter Squadron - P-61 Black Widow - 2.jpg引用。


写真(右)1944年、西太平洋、マリアナ諸島サイパン島(?)、アメリカ陸軍航空隊第6夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の機首ドームを取り外してのSCR-720(イギリス名AI Mk.X)捜索レーダーとパラボラ・アンテナの整備作業
English: 425th Night Fighter Squadron Radar Maintenance. The radar is the SCR-720A. (Another source claims this is a 1945 shot of a 6th NFG P-61 on Saipan.) Date 1944 Source Air Service, United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:Northrop P-61 nose radar bw.gif引用。


写真(右)1944年、アメリカ、ノースロップ飛行機工場、アメリカ陸軍航空隊第414夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の機首へのSCR-720(イギリス名AI Mk.X)レーダー取り付け作業
Northrop P-61 Nose Radar from www.srh.noaa.gov. The radar is the SCR-720.s
写真は Wikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:425th Night Fighter Squadron Radar Maintenence.jpg引用。


ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)が機首のプラスチック製ドーム内に設置されたSCR-720レーダーは、ウェスタン・エレクトリック社(Western Electric)が1944年に実用化したパラボラ・アンテナで,中央から突出した回転式ダイポールアンテナがする探知装置である。探知距離は、最大8km, 最小75m、重量187kgだった。SCR-720は、イギリスではAI Mk.Xの形式名で使用した。

ロッキード飛行機工場で生産中のロッキード(Lockheed) P-38 ライトニング(Lightning)戦闘機が装備した発動機は、アリソン(Allison) V-1710液冷V型12気筒液令エンジン(排気量28.03 L)1,600 hp (1,200 kW)は、1936年12月14日に搭載機が初飛行したが低空用の一段一速過給器型、中高度用の二段二速過給器型に加えて高高度用のターボチャージャー(turbocharger)搭載型があった。

ノースロップ(Northrop) P-61 P-38は、アリソン(Allison) V-1710液冷V型12気筒液令エンジンターボ過給機型を2基搭載、直径10.25 in (260 mm) の翅15枚からなる遠心式の排気タービン過給器(turbocharger)がついているので、気圧が低い高高度でも、エンジンを駆動するため燃料爆発に不可欠な酸素を十分に取り込むことができる。

他方、ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)の発動機は、プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型18気筒エンジン(排気量45.9L)2,250hp2基であり、ヴォ―トF4Uコルセア、リパブリックP-47サンダーボルト、F6Fヘルキャット、F4Uコルセア、グラマンF7F双発艦上戦闘機といった第二次大戦中のアメリカ陸海軍の主力戦闘機、PV-2A-26インベーダーなどの爆撃機に採用され大いに活躍した。

写真(右):1944年、イギリス植民地インド(パキスタン)、カラチ、船積みされて到着したアメリカ陸軍航空隊第426夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61A ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の組み立て作業:エンジンにカバーがかけられ、プロペラも外翼も未装着な状態。
English: English: 426th Night Fighter Squadron Northrop P-61A at Karachi, India being unloaded. Date 1944 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces (Reusing this file) USGOV-PD
写真は, Category:Northrop P-61 Black Widow File:426th Night Fighter Squadron Northrop P-61A at Karachi.jpg引用。


写真(右):1945年頃、中国、四川省、成都近郊、未舗装滑走路のアメリカ陸軍航空隊フライングタイガーズ第427夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の左側面:機首のドームと機首側面に、空対空用捜索レーダーSCR-720 (AI Mk.X)のパラボラ・アンテナを装備している。
SDASM Archives Follow 26 - P-61, 427th NFS, Suichuan, China, Jan '45 118th Tactical Recon Squadron Repository: San Diego Air and Space Museum Archive
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右):1945年頃、中国、四川省、成都近郊、未舗装滑走路のアメリカ陸軍航空隊フライングタイガーズのノースロップ(Northrop)P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の左側面:機首のドームと機首側面に、空対空レーダーアンテナを装備している。
Northrop P-61 Catalog #: 00729 Subject: The Flying Tigers - China Title: Northrop P-61 Repository: San Diego Air and Space Museum Archive Gerry Asher 13y Northrop P-61B 'Black Widow.'
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


ノースロップP-61Bブラックウィドウ(Northrop P-61 Black Widow)

初飛行:1942年5月26日
生産数:706機
乗員:2-3名(操縦・レーダー操作・銃塔操作)
全長:15.12m 49 ft 7 in
全高:4.34m 14 ft 8 in
全幅:20.12m 66 ft
翼面積:61.53m2 662.36 sq ft
自重:9,979kg 23,450 lb
全備重量:13,472 kg 29,700 lb 
発動機:プラット・アンド・ホイットニー R-2800P&W R-2800)空冷星型18気筒 (排気量45.9L)2,250hp(1,680 kW)×2
最高速力:589 km/h 366 mph
航続距離: 1,350 mi (2,170 km, 1,170 nmi)
フェリー: 1,900 mi (3,100 km, 1,700 nmi)
実用上昇限度:10,090m 33,100 ft
上昇時間 20,000 ft (6,100 m) / 12分
.50in(12.7mm)M2ブローニング(Browning)機関銃×4
20mm イスパノ・スイザ(Hispano)機関銃 ×4
爆弾 1,600 lb(726kg) ×4
レーダー: 機首 SCR-720レーダー(AI Mk.X)

ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)の各形式
XP-61 試作機2機生産
YP-61 先行生産型(Pre-production series); 13機生産
P-61A-1 最初の量産型, プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800-10ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型エンジン2000hp (1,491 kW)搭載; 45機生産、最後の7機は胴体上面の遠隔銃塔なし。
P-61A-5 胴体上面の遠隔銃塔なし, R-2800-65空冷エンジン2,250 hp (1,678 kW)搭載; 35機生産
P-61A-10 エンジン過熱防止の水噴射(Water injection)付きエンジン; 100機生産
P-61A-11 主翼下面に爆弾/落下増槽懸架各1基装備; 20機生産
P-61B-1 機首8in (20 cm)延長, 尾部にSCR-695警戒レーダー搭載; 62機生産
P-61B-2 P-61A-11の主翼下面爆弾/落下増槽懸架改装; 38機生産
P-61B-10 爆弾/落下増槽懸架4基装備; 46機生産
P-61B-11 胴体上面に.50 in (12.7 mm) 機関銃2丁装備の遠隔銃塔ターレット再装備; 5機生産
P-61B-15 胴体上面に.50 in (12.7 mm) 機関銃4丁装備の遠隔銃塔ターレット装備; 153機生産
P-61B-16 胴体上面に.50 in (12.7 mm) 機関銃2丁装備の遠隔銃塔ターレットに再転換; 6機生産
P-61B-20 新規のGE(General Electric)製胴体上面に.50 in (12.7 mm) 機関銃4丁装備の遠隔銃塔ターレット装備; 84機生産
P-61B-25 胴体上面.50 in (12.7 mm) 機関銃4丁装備の遠隔銃塔ターレットにAPG-1レーダー連動射撃装置を搭載; 6機生産
P-61C ターボスパーチャージャー過給機(Turbosupercharged)(GE CH-5-A3)付き R-2800-73空冷星型エンジン2,800 hp (2,088 kW)搭載, 最高速力430 mph (374 kn, 692 km/h) / 30,000 ft (9,145 m)。しかし、重量が35,000 lb (15,875 kg) と過大になり安定性が悪化、離陸距離も3 mi (5 km)に延長/離陸重量40,000 lb (18,143 kg) ; 41機生産, 終戦で476機が発注キャンセル。

写真(右)1944年頃、アメリカ、飛行場で待機しているアメリカ陸軍航空隊第548夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop)P-61B-1-NO ブラック・ウィドウ(Black Widow) 夜間戦闘機 'The Spook' (42-39405):この機体は、1945年3月以降、硫黄島に進出したという。
VP-14/VB-102/VPB-102 Collection Photo Second Tour (157) VP-14/VP-102/VPB-102 Special Collection From album #4 Entitled “Second Tour” Batman_60 11y Northrop P-61B-1-NO Black Widow 42-39405 'The Spook' 548th Night Fighter Squadron. Some sources say it was 42-39403. This aircraft was written off in April 1945 on Iwo Jima when it crash landed in the dark and fog, hitting another P-61 on the ground. SOURCE INSTITUTION: San Diego Air and Space Museum Archive.
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右)1944年初期、サイパン島とハワイ諸島の間、アメリカ陸軍航空隊第7航空軍第548飛行隊あるいは第549飛行隊ノースロップ(Northrop)P-61B-1-NO ブラック・ウィドウ(Black Widow) 夜間戦闘機 'The Spook' :1942年5月26日初飛行、全備重量12,610kg、P&W R-2800空冷星型18気筒エンジン2,250hp2搭載、最高速力589 km/h、胴体下部に20mm機関銃4挺を装備。
WWII-Pacific-War-Eagles-Color-Photos-84 WWII-Pacific-War-Eagles-Color-Photos-79 WWII 7-30-20 COLOR Units operating P-61s in the Seventh Air Force included the 6th, 548th and 549th Night Fighter Squadrons, operating between Saipan and Hawaii beginning in the first half of 1944.
写真は Pearl Harbor Aviation Museum引用。


カラー写真(右)1944年10月以降、フィリピン諸島、アメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機:プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型エンジン(排気量45.9L)2000hp2基を装備したが、最高速力も600km/h以下で、日本軍の長距離夜間爆撃が少なかったので、撃墜戦果もあまり上げていない。1944年10月にアメリカ軍はレイテ島に上陸し、日本陸軍は満州にあった第1師団1.3万人を急遽派遣し、ルソン島持久戦の方針をレイテ島決戦に変更した。これは、1944年10月10日からの台湾沖航空戦で、アメリカ海軍空母任務部隊に大打撃を与えたという誤報が信じられてしまったためである。
WWII-Pacific-War-Eagles-Color-Photos-74 Northrop P-61B Black Widow is shown on flight line in the Philippines..
写真は Pearl Harbor Aviation Museum引用。



カラー写真(右)1945年1月以降、フィリピン諸島ルソン島、穴の開いた金属板を敷き詰めた簡易飛行場をタキシングするアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機と後方のB-25爆撃機、P-38戦闘機
:解説では1944年ルソン島撮影というが、アメリカ軍がルソン島に上陸したのは1945年1月9日、ダグラス・マッカーサー指揮の軍隊がリンガエン湾に上陸した。他方、フィリピン南部、レイテ島へのマッカーサー上陸は1944年10月20日である。
WWII-Pacific-War-Eagles-Color-Photos-60 A lineup of several Northrop P-61B night fighters, America’s first radar-nosed fighter aircraft in the Philippines in 1944..
写真は Pearl Harbor Aviation Museum引用。


カラー写真(右)1945年1月以降、フィリピン諸島ルソン島、穴の開いた金属板を敷き詰めた簡易飛行場をタキシングするアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機と後方のB-25爆撃機、P-38戦闘機:解説では1944年ルソン島撮影というが、アメリカ軍がルソン島に上陸したのは1945年1月9日、ダグラス・マッカーサー指揮の軍隊がリンガエン湾に上陸した。他方、フィリピン南部、レイテ島へのマッカーサー上陸は1944年10月20日である。
WWII-Pacific-War-Eagles-Color-Photos-59 A solitary P-61 Black Widow, America’s first true night fighter, rolls along the lengthy Luzon PSP strip populated by B-25s and P-38s in 1944..
写真は Pearl Harbor Aviation Museum引用。



カラー写真(上)1945年頃、アメリカ、沖縄方面(?)、編隊飛行する黒色迷彩塗装を施したアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機
:当初、胴体上面に12.7mm四連装遠隔銃塔を搭載していたが、重量軽減、飛行性能向上のために、撤去されたタイプ。ただし、遠隔銃塔装備の形式もその後も生産されている。1945年4月1日、沖縄本島に、4月16日、伊江島にアメリカ軍が上陸した。平坦な伊江島は元来、日本軍の航空基地の拠点として整備されつつあったが、アメリカ軍が伊江島を占領し、飛行場を整備した。
WWII-Pacific-War-Eagles-Color-Photos-73 Northrop’s P-61 Black Widows were painted black with red AAF tail numbers. The P-61 was the AAF’s frist true purpose-designed night fighter..
写真は Pearl Harbor Aviation Museum引用。


写真(右):1945年4月以降、沖縄(?)、アメリカ陸軍航空隊第418夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機機の正面:機首のドームには、空対空レーダーを装備、機首左右には八木式レーダーアンテナが取り付けられている。
English: 418th Night Fighter Squadron on Okinawa Date 1945 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces Permission (Reusing this file) USGOV-PD
写真は, Category:Northrop P-61 Black Widow File:418th Night Fighter Squadron on Okinawa.jpg引用。


P-61ブラックウィドウ アメリカ陸軍航空隊第418夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機機の機首レーダードームが白色の理由は、プラスチック製だったためである。電波が通過しないような金属ドームの内部にレーダーアンテナを搭載することはできなかった。

さらに、白色のプラスチック製レーダードームには、日射を反射してドーム内を加熱ししてSCR-720レーダーを故障させることを防ぐ目的もあったようだ。夜間であれば、黒塗装にして迷彩効果を発揮したほうが有利なように思えるが、昼間でも機体を野外に駐機するとドーム内が過熱してレーダーに不具合を起こすリスクがあった。

写真(右):1945年、沖縄、アメリカ陸軍航空隊第418夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機機の正面:機首のドームには、空対空レーダーを装備、機首左右には八木式レーダーアンテナが取り付けられている。1942年5月26日初飛行のP-61夜間戦闘機は、1944年4月からの沖縄攻防戦で登場し、沖縄南部の嘉手納基地に投入された。
Description English: 421st Night Fighter Squadron - P-61 Black Widow. Date 1944 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces Permission (Reusing this file) USGOV-PD
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive File:421st Night Fighter Squadron - P-61 Black Widow 2.jpg引用。


写真(右):1945年、アメリカ陸軍航空隊第419夜間戦闘飛行隊のノースロップ(Northrop)P-61B-1ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(42-39450):中央胴体後方上面に12.7mm M2 ブローニング(Browning )機関銃4挺搭載の遠隔操作銃塔を設置している。機首のドームには、空対空レーダーを装備、機首左右には八木式レーダーアンテナが取り付けられている。1942年5月26日初飛行のP-61夜間戦闘機は、1944年初頭にガダルカナルに派遣され、部隊の習熟訓練が行われた。
English: 19th Night Fighter Squadron Northrop P-61B-1-NO Black Widow 42-39450. Aircraft reported missing 4 July 1945 Date 1945 Source United States Army Air Forces photograph Author United States Army Air Forces
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive File:419th Night Fighter Squadron Northrop P-61B-1-NO Black Widow 42-39450.jpg引用。


写真(右):1945年、沖縄、アメリカ陸軍航空隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機機:電波を通すプラスチック製の白の機首のドームには、空対空レーダーを装備。第71戦術偵察部隊の隊員の撮影になる。1942年5月26日初飛行のP-61ブラックウィドウは、1944年以降、実戦配備され、1945年には沖縄に投入された。
Catalog #: 15_000038 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Black Widow Daniels Album Name: 71st Tactical Reconnaisance Group Reunion, 10/1990 Houston, TX Notes From Album: Northrop P-61s on Okinawa, 1945
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive Catalog #: 15_000038引用。


ブローニングM2重機関銃 アメリカ陸軍航空隊ノースロップP-61Bブラックウィドウ夜間戦闘機の諸元
全長:15.12m
全高:4.34m
全幅:20.12m
翼面積:61.53平方メートル
自重:9,979kg
全備重量:12,610kg
発動機:プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800-65ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型18気筒(排気量45.9L)エンジン2,250hp ×2基
最高速力:589 km/h
航続距離: 2,170 km
フェリー: 3,100 km
実用上昇限度:10,090m
乗員:3名
武装: .50in(12.7mm)M2ブローニング(Browning)機関銃4連装動力銃座
胴体下面 20ミリ機関銃4丁

写真(右):1946年、沖縄、アメリカ陸軍航空隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機:機首のドームには、空対空レーダーを装備。1942年5月26日初飛行のP-61ブラックウィドウは、1944年以降、実戦配備され、1945年には沖縄に投入された。第71戦術偵察部隊の隊員の撮影になる。
Charles M. Daniels Collection Photo Catalog #: 15_000039 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Black Widow Daniels Album Name: 71st Tactical Reconnaisance Group Reunion, 10/1990 Houston, TX Notes From Album: Northrop P-61s on Okinawa, 1946
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive Catalog #: 15_000039引用。


P-61ブラックウィドウ アメリカ海兵隊は、艦上戦闘機F4Uコルセア、F6Fヘルキャットなどを改修した単発夜間戦闘機はあったが、これは、航空母艦飛行甲板での夜間戦闘機の運用を視野に入れてのことで、双発夜間戦闘機を航空母艦での運用はまだ困難と考えられていたためである。つまり、アメリカ軍では、まだ当初から夜間戦闘機として開発された機体も、双発以上の本格的な夜間戦闘機も存在していなかった。

そこで、ノースロップP-61Bブラックウィドウの配備を要求したが、陸軍航空隊への配備が優先されたために、双発艦上機として試作されたグラマンF7Fを夜間戦闘機として改修して使用した。

しかし、どちらの機体も1944年終盤から1945年に登場した夜間戦闘機であり、当時はすでにドイツ空軍、日本陸海軍の航空兵力は完全に劣勢になっていた時期であり、実戦参加に間に合ったとはいっても、目覚ましい活躍の場はすでになくなっていた。


P-61 Black Widow Night Fighter:The first operational U.S. aircraft specifically designed as a night-fighter was the P-61 Black Widow. Created in 1940 by Northrop Aviation, in collaboration with the British Royal Air Force, the P-61 was also the first aircraft designed to use radar. With its mysterious appearance and name, the Black Widow ruled the night in the waning months of World War 2. It would even collect the last confirmed air-to-air kill on the last night of the war... - As images and footage of actual events are not always available, Dark Skies sometimes utilizes similar historical images and footage for dramatic effect. I do my best to keep it as visually accurate as possible. All content on Dark Skies is researched, produced, and presented in historical context for educational purposes. We are history enthusiasts and are not always experts in some areas, so please don't hesitate to reach out to us with corrections, additional information, or new ideas. -

写真(右):1945年8月20日頃、沖縄(?)、未舗装飛行場のアメリカ陸軍航空隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機"How's About it"(25627):機首のドームには、空対空レーダーを装備。第71戦術偵察部隊の隊員の撮影になる。1942年5月26日初飛行のP-61ブラックウィドウは、1944年以降、実戦配備され、1945年には沖縄に投入された。
Title: Charles M. Daniels Collection Photo
Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Black Widow
Daniels Album Name: 71st Tactical Reconnaisance Group Reunion, 10/1990 Houston, TX Notes From Album: Northrop P-61s on Okinawa, 1945
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


P-61ブラックウィドウ ノースロップP-61Bブラックウィドウは、強力なプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800-65ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型18気筒エンジン(排気量45.9L)装備の双発夜間戦闘機だったが、この長い航続距離を生かして、昼間長距離護衛戦闘機とすることが検討された。そして、XP-61Eとして、試作1号機が完成し、1944年11月20日に初飛行した。良好な性能だったが、第二次世界大戦が終戦となったために、量産はキャンセルになった。

しかし、このノースロップP-61Bブラックウィドウの機体を生かして、機銃装備を撤去して軽量化し、高速長距離偵察機とする案も検討された。このノースロップP-61夜間戦闘機の高速直距離偵察機仕様がF-15Aである。最高速力 440 マイル (382 ノット:708 km/h)を発揮できた。

写真(右)1945年、アメリカ、急降下を制御するダイブブレーキを広げているアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61C 夜間戦闘機先行生産型:P-61の降着装置は前輪式(首輪式)で、P-38と同じである。引込み式脚を下ろして着陸態勢に入っている。
Charles M. Daniels Collection Photo Catalog #: 15_000282 Title: Charles M. Daniels Collection Photo Aircraft/Subject: Northrop P-61 Daniels Album Name: American Manufacturers III N to W Album Page #: 12 2nd Fighter (All Weather) Squadron, Mitchel Field, LI. Repository: San Diego Air and Space Museum Archive Author United States Army Air Forces P-61C displaying new dive brake design. First deployment in a terminal dive ripped the wings off the bird...
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右):1945年頃、アメリカ(?)、飛行機格納庫のアメリカ陸軍航空隊のノースロップ(Northrop)P-61ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機"How's About it"(25627):ddと機首側面に空対空用八木レーダーアンテナを装備している。
Northrop P-61 SDASM CATALOG #: Blaine_00465 Title: Northrop P-61 Collection: Miles Blaine Collection Repository : San Diego Air and Space Museum Archive
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右)1944-1945年、アメリカ、飛行場で待機しているアメリカ陸軍航空隊第548夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61B 夜間戦闘機 'The Spook' (42-39403?):P-61の降着装置は前輪式(首輪式)である。牽引して移動したのか、降着装置の主輪にロープがかかっている。後方には大型トレーラーが1台写っている。
Army Air Forces Fair 001 Northrop P-61 Black Widow Charles Daniels Collection Photo Charles Danield via Wright Patterson Air Force Base Museum. PUBLIC COMMONS.SOURCE INSTITUTION: San Diego Air and Space Museum Archive.
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右)1946年頃、アメリカ、飛行場で戦列をなしている派手な塗装のアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61C 夜間戦闘機 :後方には、右にダグラスC-54四発輸送機3機が、左にボーイングB-17爆撃機2機ずつ並んでいる。
Northrop : P-61C : Black Widow Catalog #: 00029877 Manufacturer: Northrop Designation: P-61C Official Nickname: Black Widow Notes: Repository: San Diego Air and Space Museum Archive.
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive 引用。


写真(右)1947年、アメリカ、カリフォルニア州ハミルトン基地で滑走路上をタキシングする黒の夜間迷彩塗装のアメリカ陸軍航空隊第318夜間戦闘飛行隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(43-8293)
English: 318th Fighter-All Weather Squadron Northrop P-61B-20-NO Black Widow 43-8293 1947 Hamilton Field CA. One of Air Defense Command's first interceptor aircraft. Date 1947 Source Powers and Menard (2006) Buzz Numbers: The Explanations and Regulations Behind America's Military Aircraft Identification System, Specialty Press ISBN: 1580071031 Image source listed as United States Air Force Author United States Air Force
写真はWikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:318th Fighter Squadron P-61B-20-NO Black Widow 43-8293.jpg引用。



写真(上)1948年10月、アメリカ、ニューヨーク州ロングアイランド、ミッチェル基地で戦列を作って待機する黒の夜間迷彩塗装のアメリカ陸軍航空隊第2夜間戦闘飛行隊(全天候型)ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機(43-8233と43-8290)

English: 2d Fighter Squadron (All Weather) Northrop P-61B on ramp Mitchel AFB 1948 Shown areP-61B 43-8233 and P-61B 43-8290. Taken October 1948 Date 1948 Source Isham, Marty (2010), U.S. Air Force Interceptors: A Military Photo Logbook 1946-1979, Specialty Pr Pub & Wholesalers ISBN 1580071503 Image source listed as United States Air Force Author United States Air Force
写真はWikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:2d Fighter Squadron (All Weather) P-61 Black Widows.jpg引用。


写真(右)1947年、アメリカ、農地上空でラムジェットを胴体下面に搭載し実験中のアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機:発動機プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型18気筒エンジン(排気量45.9L)に加えてラムジェット1基を装備している。
NASA on The Commons P-61 Flight Testing Ramjet Engine P-61 airplane in flight test with ramjet burning. The P-61 aircraft was built by Nothrup and used by the Aircraft Engine Research Laboratory or AERL of the NACA to test the new jet engine. The AERL is now NASA's John H. Glenn Research Center in Cleveland, Ohio. NASA Media Usage Guidelines Credit: NASA Date: January 27, 1947
写真は NASA on The Commons Image Number: C1947-17743引用。


図(右)、アメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61A ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の胴体右側面内部構造図:XP-61E試作1号機は1944年11月20日に初飛行し、当初は胴体上面に遠隔操作銃塔を設置していたが、のちの生産型では、銃塔は撤去された。
Description English: A cross section profile line drawing of the Northrop P-61A Black Widow. Date Unknown date Source T.O. No. 01-15F-5, page 23 Author U.S. Military. Source AN 01-15FB-3, Page 6B Author U.S. Military
写真は写真はWikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:Northrop P-61B Black Widow.svg引用。


図(右)、アメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の三面図:XP-61E試作1号機は1944年11月20日に初飛行し、当初は胴体上面に遠隔操作銃塔を設置していたが、のちの生産型では、銃塔は撤去された。さらに、機銃装備を撤去して軽量化し、高速長距離偵察機としたF-15も開発された。
Description English: Northrop P-61B Black Widow Date 3 October 2012, 15:27:04 Source Own work Author Kaboldy
写真は写真はWikimedia Commons, Category:Northrop P-61 Black Widow File:Northrop P-61A Black Widow cross section profile line drawing.png引用。


ノースロップ(Northrop) P-61B-20 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機の諸元
初飛行:1942年65月26日
乗員:3名
全長:15.12m
全高:4.34m
全幅:20.12m
翼面積:61.53m2
自重:9,979kg
全備重量:12,610kg
発動機:プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800-65ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型18気筒エンジン(排気量45.9L)2,250hp ×2
最高速力:366 mph (589 km/h, 318 kn) / 20,000 ft (6,100 m)
航続距離: 1,350 mi (2,170 km, 1,170 nmi)
フェリー: 1,900 mi (3,100 km, 1,700 nmi)
実用上昇限度: 33,100 ft (10,100 m)
兵装:
.50in(12.7mm)M2ブローニング(Browning)機関銃×4(携行弾数各560発:四連装遠隔動力銃座)
20mmヒスパノ(Hispano)AN/M2機関銃 ×4(携行弾数各200発:胴体下面)
爆弾:左右主翼下面:各々1,600 lb (726 kg)
あるいは各々5-in(127mm)HVARロケット弾 ×6発
レーダー 機首:SCR-720 (AI Mk.X) 、尾部:SCR-695(警戒用)
生産機数:706機


3.ノースロップ(Northrop)F-15Aリポーター(Reporter)高速長距離偵察機

写真(右)1944年、飛行する黒の夜間迷彩塗装のアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) XP-61E昼間長距離護衛戦闘機試作機(登録コード:42-39549):P-61B夜間戦闘機を改造して昼間長距離護衛戦闘機として試作された。XP-61E試作1号機は1944年11月20日に初飛行した。戦争終了で、キャンセルになったが、機銃装備を撤去して軽量化し、高速長距離偵察機とししたF-15が制式された。 発揮した。
PictionID:47090792 - Catalog:16_008273 - Title:Northrop XP-61E 42-39549 (2) - Filename: 16_008273.tif - Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation ---Repository: San Diego Air and Space Museum Date 1 July 2016, 12:45 Source Ray Wagner Collection Image Author SDASM Archives
写真はWikimedia Commons, Category:Northrop F-15 Reporter File:XP-61E - - Ray Wagner Collection Image (27945737421).jpg引用。


ノースロップ(Northrop) P-61 ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機を改造して昼間長距離護衛戦闘機として試作された。XP-61E試作1号機は1944年11月20日に初飛行した。戦争終了で、キャンセルになったが、機銃装備を撤去して軽量化し、高速長距離偵察機としたノースロップ(Northrop) F-15A(Reporter)高速偵察機が制式された。

写真(右)1944年末-1946年、飛行するアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) XF-15高速長距離偵察機:ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機を改装した高速偵察機である。
Ray Wagner Collection Image F-15 PictionID:47090597 - Catalog:16_008259 - Title:Northrop F-15 - Filename: 16_008259.tif - Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation --- ---Please Tag these images so that the information can be permanently stored with the digital file.---Repository: San Diego Air and Space Museum
写真は San Diego Air and Space Museum 引用。


写真(右)1944−1947年頃、飛行する無塗装銀色のアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) XF-15高速長距離偵察機試作機:P-61Bを改造した昼間長距離護衛戦闘機XP-61E(1944年11月20日)を戦後に偵察機仕様として使用した。これが、ノースロップ(Northrop)F-15Aリポーター(Reporter)高速長距離偵察機で最高速力 440 mph (382 kn, 708 km/h)。 発揮した。
PictionID:47090805 - Catalog:16_008274 - Title:Northrop XF-15 43-8335 - Filename:16_008274.tif - Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation ---Repository: San Diego Air and Space Museum Date 1 July 2016, 12:45 Source Ray Wagner Collection Image Author SDASM Archives Author SDASM Archives
写真はWikimedia Commons, Category:Northrop F-15 Reporter File:F-15 - Ray Wagner Collection Image (27945739681).jpg引用。


写真(右)1945年頃、飛行するアメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop)F-15Aリポーター(Reporter)高速長距離偵察機(登録コード:38335):P-61B夜間戦闘機改造のXP-61E昼間長距離護衛戦闘機から機銃装備を撤去して軽量化し、高速長距離偵察機としたのがF-15である。
Northrop : F-15A : Reporter Catalog #: 00015538 Manufacturer: Northrop Designation: F-15A Official Nickname: Reporter Author SDASM Archives
写真は, San Diego Air and Space Museum Archive引用。


ノースロップ(Northrop) P-61 ノースロップ(Northrop) P-61B ブラックウィドウ(Black Widow)夜間戦闘機は、双発双胴でヒューズXF-11偵察機よりも古い1942年5月26日初飛行。偵察機仕様F-15A レポーター(Reporter)も開発された。離昇重量 32,145 ポンド (14,580 kg)、最高速力 440 mph (382 kn, 708 km/h)で、ヒューズ(Hughes)XF-11を上回る有用性が評価され、制式された。

第二次大戦末期、ノースロップ(Northrop) F-15(Reporter)高速偵察機は、175機が発注されたが、終戦となったために、生産機数は 36機のみで終わった。つまり、XF-11の初飛行より5年も前に同様の飛行性能を誇るノースロップ(Northrop) F-15A(Reporter)偵察機が量産されていたが、それですら僅かしか生産されなかった。戦後には、もはや新規の高速偵察機は、ジェット化されており、プロペラ回転のレシプロ機は必要とされなかったのかもしれない。

図(右)1946年8月16日刊行、アメリカ陸軍航空隊ノースロップ(Northrop) F-15リポーター(Reporter)高速長距離偵察機の三面図
Description English: A 3-view line drawing of the Northrop F-15 Reporter.
Date 16 August 1946
Source AN 01-15FB-3, Page 6B
Author U.S. Military
図はWikimedia Commons, Category:Northrop F-15 Reporter File:Northrop F-15 Reporter 3-view line drawing.png引用。


ノースロップF-15 リポーターNorthrop F-15 Reporter)の諸元
乗員:2/3名(操縦士、レーダー操作員、銃手)
全長:15.11 m (49 ft 7 in)
全幅:20.12 m (66 ft 0 in)
全高:4.47 m (14 ft 8 in)
翼面積:61.53 m² (138 ft²)
翼面荷重:219 kg/m² (45 lb/ft²)
空虚重量:10,637 kg (23,450 lb)
全備重量:13,471 kg (29,700 lb)
最大離陸重量:16,420 kg (36,200 lb)
出力重量比:25 W/kg (0.15 hp/lb)
発動機:プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)R-2800-65ダブル・ワスプ(Double Wasp)空冷星型18気筒エンジン2,250 hp (1,680 kW)2基
プロペラ:4翅 カーチス・エレクトリック
プロペラ直径:3.72 m (146 in)
最大速度:708 km/h (440 mph、318 kn) / 33,000 ft
戦闘行動半径:982 km (610 mi、530 nmi)
航続距離:3,060 km (1,900 mi、1,650 nmi)、落下増槽4個
巡航高度:10,600 m (33,100 ft)
上昇率:12.9 m/s (2,540 ft/min)
上昇時間:12 min to 20,000 ft (6,100 m) (1,667fpm)



4.ヒューズ(Hughes) XF-11 偵察機

写真(右)1947年4月5日前後、アメリカ、ヒューズ(Hughes) XF-11 偵察機試作2号機(通常4翅可変金属プロペラ装備): ヒューズ自らの操縦で1946年7月7日初飛行したが、その時、不時着し大破した失敗作。
Hughes XF-11 PictionID:43267300 - Title:Hughes XF-11 - Catalog:16_003950 - Filename:16_003950.TIF - - - - - Image from the Ray Wagner Collection. Ray Wagner was Archivist at the San Diego Air and Space Museum for several years and is an author of several books on aviation --- ---Please Tag these images so that the information can be permanently stored with the digital file.---Repository: San Diego Air and Space Museum
写真は SDASM Archives引用。


ロッキードXP-38は、1939年1月27日に初飛行し、12週間後の2月11日には軍用機としては最高峰の最高速力420 マイル(680 km/h)を記録した。制式されたP-38は「ライトニング」と命名され、1941–1945年に1万機が量産された。 ヒューズ(Hughes)XF-11偵察機は、ロッキードP-38双発戦闘機と類似の形状で明らかにその影響を受けたようだ。

写真(右)1947年4月5日前後、アメリカ、カリフォルニア州、ヒューズ(Hughes) XF-11 偵察機試作2号機(通常4翅可変金属プロペラ装備)(登録コード: 470156)下面: カリフォルニア州、アメリカ陸軍航空隊のマークを付けているが、明らかにアメリカ軍所有の試作機であり、ヒューズの私物飛行機ではない。
Hughes : XF-11 : Photo Recon Catalog #: 00067691 Manufacturer: Hughes Designation: XF-11 Official Nickname: Photo Recon---Repository: San Diego Air and Space Museum
写真は SDASM Archives引用。


ハワード・ロバード・ヒューズ 戦争に間に合わず、1946年7月7日初飛行したがに初飛行したヒューズXF-11偵察機の模範となった機体は、1939年1月27日に初飛行したロッキード(Lockheed) P-38である。つまり、XF-11の初飛行より6年も前に同様の双胴双発の形状で、高速の偵察機・迎撃機を完成させていたうえに、偵察機仕様ロッキード(Lockheed) F-5 も大量生産されていた。

1946年7月7日、ハワード・ヒューズHoward Hughes)は、XF-11試作1号機を初飛行させたが、その時に起こした飛行機事故で、試作1号機は完全に損失し、操縦者のハワード・ヒューズ自身も重傷を負った。

1947年4月5日、ヒューズ(Hughes)XF-11偵察機試作2号機(通常4翅可変金属プロペラ装備)も飛行したが、操縦性、整備性、量産性への配慮が不足しており、アメリカ陸軍は、既に同水準の性能のノースロップ(Northrop) F-15A(Reporter)偵察機を制式しており、新たにより高額なヒューズ(Hughes)XF-11を採用・発注することはありえなかった。

1946年7月7日初飛行のヒューズ(Hughes)XF-11試作偵察機の仕様
全長:19.94 m (65 ft 5 in)
全幅:30.89 m (101 ft 4 in)
全高:7.06 m (23 ft 2 in)
翼面積:91.3 m2 (983 ft2)
空虚重量:16,800 kg (37,100 lb)
最大離陸重量:26,400 kg (58,300 lb)
発動機:プラット・アンド・ホイットニー R-4360空冷星型28気筒エンジン3,000 hp (2,240 kW)2基
予定最高速力:720 km/h (450 mph)

写真(右)1947年8月16日、アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス西、カルバーシティ (Culver City) 、滑走路に引き出されたヒューズ(Hughes) XF-11 偵察機試作1号機(二重反転プロペラ8翅金属プロペラ装備)(登録コード: 470155)の機首下面の拝察用のガラス窓と機首の首輪とハワード・ロバード・ヒューズ・ジュニア(Howard Robard Hughes Jr.):試作2号機は1947年4月5日に初飛行し、上院議員ハリー・ケイン(Harry Cain)が検分に来たときだが、ヒューズは上院議員に目を合わせていない。
Photograph of Howard Hughes with Senator Harry P. Cain, Culver City, California, August 16, 1947 Description A view of Howard Hughes (left) being asked about his controversial XF-11 photo reconnaissance plane by Senator Harry Cain (right), Republican of Washington, in Culver City, California. Date 1947-08-16 Date Digitized 2013-12-19
写真は, University of Nevada, Las Vegas. Libraries Digital Identifier whh001600 Physical Identifier 0373_1307引用。


  ヒューズ(Hughes)XF-11偵察機は、ロッキードP-38双発戦闘機と類似の形状で明らかにその影響を受けたようだ。ヒューズ(Hughes)XF-11試作1号機の初飛行を1946年7月7日、ハワード・ロバード・ヒューズ・ジュニアHoward Robard Hughes Jr.)自らが担当したが、試作機の初飛行で墜落事故を起こしてしまった。

⇒写真集Album:ヒューズ(Hughes) XF-11 偵察機を見る。 


5.南太平洋戦線の米空軍機 : 機種にも乱調子暴露 : 掛声ばかりの高々度用機
大阪朝日新聞 Vol: 第 54巻 Page: 94 出版年 1943-04-11

【斎藤寅郎本社特派員(海軍報道班員)】最近の南太平洋方面における敵米空軍の情勢に関し、記者が前線各基地において得たところを筆者の見解で綜合すると左の通りである

 第一に使用機は如何なるものが現れつつあるか、先ず戦闘機から列挙すると、
緒戦当時米空軍の当時の第一線戦闘機カーチスP四〇を主体として、リバプリックP四三(ランサ)、(プリュースター・バッファローは米国製ではあるが専ら英空軍用として使われた)海軍系では、グラマンF四Fなどが使われていたが、
最近では、多量生産の体系が確立されたためか、当時は専ら援英用として輸出向けのみを作り、いまだ試作の段階にあったロッキードP三八、ベルP三九および同機の海軍向けモデル「エアラボンタ」(P三九の三車輪式を着艦フックを有する尾橇と改めたもの)などが陸海軍の制式機に繰込まれて続々登場しはじめ、
極く最近では海軍の問題の戦闘機ヴォート・シコルスキーF四U一まで現れはじめた、

ロッキードP-38L 従って、現在の戦闘機主力は[Lockheed]P三八[Bell]P三九の両種に中心が移って、従来の[Curtiss]P四〇は補助的にのみ活動しているもののようである、

これら戦闘機の特質としては、[ロッキード(Lockheed) ]P三八は双発双胴の高速機である点を利用して、単に戦闘のみならず、昼間の高々度偵察に利用されることが多く、前線基地では殆ど毎日のように○○メートル前後の高度をとって白昼我が方の偵察に飛来する同機の姿を目撃することが出来る、

我が戦闘機の追蹤を受ければその高速な逃げ脚を利して逃れ去ることが多いが、ひとたび空戦の姿勢に入れば[P-38]双胴二枚尾翼の形状からいっても視界が甚だ不利で戦闘には十分な強味を発揮することが出来ないといわれる、形式はABCDEの五種類あり武装と装備に若干の相違がある

 [Bell]P三九は液冷のアリリン発動機を胴体中央部に搭載し、延長軸でプロペラを駆動する特長ある構造のために全世界の注目を浴びた問題の戦闘機であるが、これは予期に反して全く速度が出ず、空戦もまた弱い、前線の搭乗員仲間では、これをその形から綽名して「かつお節」と称え、その威力は全く問題にしていない、

P-39 ヴォート・シコルスキーF四U一はその初見参の際すでに八機中の六機を撃墜しているので詳細は未検討ではあるが、大したことはあるまいと評判されている、

面白いのはかつて「マートレット[Martlet]」の名で援英戦闘機として欧洲戦線に出動し相当な成績を収めたといわれるグラマンF四F[Grumman F4F Wildcat]戦闘機が、さして新規な設計でないにも拘らず、未だに極めて優秀な戦闘性能を示すことで、同機に対しては前線方面でも十分な警戒を行っている

次に爆撃機のうち急降下爆撃機の現状を見ると、主力は依然として、ダグラスSBD三[ドーントレス]である、旧ノースロップ系[Northrop A-17]から出発した余り新味のない

爆撃機で、約一箇月前○○方面で捕虜になった同機操縦員の自供によっても同機の急降下爆撃操作は決して進歩的なものとはいえない、寧ろ急降下爆撃機の鼻祖アメリカとしては驚くべき幼稚煩雑な仕組みで取上げるべき特長もないようである、ただし、これに続いて、かつて複葉の急降下爆撃機として名を売ったカーチスの今度は単葉急降下機SB二C一[Curtiss SB2C Helldiver]が、最近ソロモン方面に現れつつあり、これには若干の警戒が払われているが、真相は未だ分らない、

中型爆撃機としてはかねてから高速を予期されていたマーチンB二六[Martin B-26]がこれまた最近盛に登場しているが、これは極めて弾丸に弱く、一発でよく仕止めることが出来るといわれる、速度は予想通り極めて速いが恐るべき点は少しもないそうだ、

これと並んで、すでにジャワ戦線で、鹵獲され内地に空輸されたダグラスA二〇A[Douglas A-20 Havoc]も動いているが、これも前者と同様、また日本内地の空襲にも参加し支那奥地における米空軍基地用として蠢動しているノース・アメリカンB二五[North American B-25 Mitchell]は当方面には姿を現さない、

重爆撃機としてはボーイングB一七E及びFとコンソリデーテッドB二四[Consolidated B-24 Liberator]がともに交々出動しているが昨年から今春劈頭にかけて断然数が多かったB一七に対し最近では航続力のより長いB二四[Consolidated B-24]の数が負けぬくらい目立って来たのは恐らく米本国における生産の進行方向を示すものであろう、

最近何れも武装を強化し装甲を厳にしたため、撃墜が困難になって来たことは事実であるが、その代り行動能力の減少も免れぬところで、近頃両機の爆撃行動半径が概して一、三〇〇キロを超えぬのもそのためであろうと想像される

以上の使用機の変遷のあとを見ると、アメリカの航空工業界が目下生産にその主力を傾けつつある機種は自ら明らかであるが、これは凡そ開戦前からかくあるべしと予想された順路を踏むものであって、そこに我々の全く予期しなかった新しい機種が飛出して来ていないことは注意すべきであろう

 即ち開戦後設計試作に入った新試作機は未だ生産の域には達しないとしても、開戦前後試作の段階にあった飛行機は、いずれも多かれ少かれ、我々の眼に映じ耳に入ったものばかりで、たとい他に珍奇な試みが秘かに行われたものがあったにしろこれは遂に実用に供するに至らなかったことがほぼ裏書されるからである

またこれらの戦闘機、爆撃機の補給状況を眺めていると、必ずしも敵は適時適者を持ち出して来ていない、
何でも出来たものを持って来て、兎に角頭数だけを揃えようとしている傾向が見える、

これはあれだけ生産拡充を呼号しているアメリカの航空工業界が、口ほどもなく甚だ乱調子で、計画性に欠けていることを暴露するもので、この調子で飛行機の数だけが殖えて行くことは恐ろしいことではないという気がする、

ボーイングB17F 同時にアメリカは以前から成層圏爆撃の掛声をかけているにも拘らず、最近現れるボーイングB一七Fでさえ、この方面に関しては、殆ど進歩のあとが見えない、

当初アメリカ当局の計画として示されたものでは[ボーイング]B一七Fで亜成層圏飛行用の予備的な設備を行い、Fにおいてこれを本格的なものに引上げるべく、既に制作に入ったということであったが、Fの搭乗員であった一俘虜の供述によれば、現在のFはEに比して、頭部機銃が強化され圧縮酸素タンクの数が、数個増加した程度で、特に高々度飛行の考慮が加えられていると見るべき節はない、

酸素タンクは圧力四〇〇ポンドの小形のもの約二十五個を一機に積み、自動調節弁を通じマスクによって乗員に酸素を供給するだけで、気密室に類するものは何処にも設けていないから、これでは本格的な高々度飛行は不可能である

[写真(カーチスP四〇)あり 省略]
[写真(グラマンF四F)あり 省略]
[写真(ロッキードP三八)あり 省略]
[写真(ヴォート・シコルスキーF四U一)あり 省略]
[写真(カーチスSB二C一)あり 省略]
[写真(マーチンB二六[Marauder])あり 省略]
[写真(ダグラスA二〇A)あり 省略]
[写真(ボーイングB一七E)あり 省略]
[写真(コンソリデーテッドB二四)あり 省略]
南太平洋戦線の米空軍機 : 機種にも乱調子暴露 : 掛声ばかりの高々度用機引用終わり)


2011年7月刊行の『写真・ポスターに見るナチス宣伝術-ワイマール共和国からヒトラー第三帝国へ』青弓社(2000円)では、反ユダヤ主義、再軍備、ナチ党独裁、第二次世界大戦を扱いました。

フォッカー(Fokker)F.VIIb-3mトライモーター三発輸送機
シェルバ(Cierva)/ピトケイアン(Pitcairn)/ケレット(Kellett)のオートジャイロ
ロッキード(Lockheed)モデル 10 エレクトラ (Electra)輸送機
ロッキード14スーパーエレクトラ(Super Electra)/ロードスター(Lodestar)輸送機
ボーイング(Boeing)247旅客機
ダグラス(Douglas)DC-1旅客輸送機
ダグラス(Douglas)DC-2輸送機
ダグラス(Douglas)DC-3輸送機
ダグラス(Douglas)DC-4E旅客機
ダグラス(Douglas)C-39軍用輸送機
ダグラス(Douglas)C-47スカイトレイン(Skytrain)輸送機
アメリカ陸軍ダグラス(Douglas)C-54 スカイマスター(Skymaster)輸送機
アメリカ海軍ダグラス(Douglas)R5D スカイマスター(Skymaster)輸送機


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