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◆人間学:日清戦争・日露戦争と文化人


写真(上):1904-1905年、日露戦争中、中国大陸で負傷した戦友を担架で搬送する日本軍兵士
:1908年、イギリス公表の写真。
Title: The Russo-Japanese war : medical and sanitary reports from officers attached to the Japanese and Russian forces in the field, General staff, War office, April 1908 Year: 1908 (1900s) Authors: Great Britain. War Office MacPherson, William Grant, Sir, 1858-1927 Subjects: Russo-Japanese War, 1904-1905 Military hygiene Publisher: London : Printed for H. M. Stationery off., by Eyre and Spottiswoode Contributing Library: Harold B. Lee Library Digitizing Sponsor: Brigham Young University View Book Page: Book Viewer About This Book: Catalog Entry
写真は、Category:Russo-Japanese War in 1904:File:The Russo-Japanese war - medical and sanitary reports from officers attached to the Japanese and Russian forces in the field, General staff, War office, April 1908 (1908) (14586299638).jpg引用。


写真(右):1904年、日本海軍連合艦隊の装甲巡洋艦「出雲」「磐手」「敷島」「初瀬」「八雲」「吾妻」「富士」「浅間」:日露戦争では、1905年(明治38年)5月27日から5月28日に、対馬沖で、日本海軍連合艦隊とロシア海軍「バルチック艦隊」(太平洋艦隊)との間で「日本海海戦」が戦われ、ロシア艦艇21隻が沈没した。
Japanese battleships in the Russo-Japanese War 1.Idzumo 2.Iwate 3.Shikishima 4.Hatsuse 5.Mikasa 6.Yakumo 7.Tokiwa 8.Azuma 9. Fuji 10.Yunshima 11.Asama 12.Asahi Date January 1904 Source Le Patriote Illustré Author loki11 写真はCategory:Russo-Japanese War in 1904:File:Japanese battleships.jpg引用。


東京と文京区の湯島聖堂にある扁額は、伏見宮博恭王(1875-1946)の筆になる。博恭王(ひろやすおう)は、 海軍将校としてドイツ海軍大学校を卒業後、1904年に勃発した日露戦争では、戦艦「三笠」に乗艦し、黄海海戦に参加した。その後、日英同盟の縁でイギリス駐在となり、海軍大学校長、艦隊司令長官を歴任、日本海海戦時の連合艦隊司令長官東郷平八郎と並ぶ海軍二大長老となった。1932年、海軍軍令部(陸軍の参謀本部に相当)の長となり、軍令部総長を日米戦争前の1941年4月まで務めた。

鳥飼担当 HK「人間学1」の課題

Report Writing


高校時代に、日露戦争の時の1904年(明治37年)9月、雑誌『明星』に「君死にたまふことなかれ」と発表した反戦歌人として与謝野晶子を習ったかもしれない。また、与謝野晶子を姉と慕った石川啄木(1886ー1912)は、18歳で日露戦争を迎えたが、トルストイの反戦論に触れ、時代を憂うるようになる。貧しいジャーナリストとして北海道で働いた啄木は、将来に明るい展望のない社会を、「時代閉塞の現状」と認識した。 また、日露戦争の時、1904年(明治37)秋に、中国から日本に留学してきたのが、周樹人、後の作家魯迅である。魯迅は、東北大学の前身にあたる仙台医学専門学校で意思を志していたが、文学によって、中国社会の病理を明らかにする思想家として活躍した。

与謝野晶子、石川啄木、魯迅といった有名な文化人と日清戦争・日露戦争の縁は深く、そこから戦争とアジアの共生にかかわる深遠な思想の一端が見えてくる。

優生学とは、優生学的な偏見を一見、科学的な装いの下に正当化する似非(えせ)科学であり、帝国主義の時代には、支配する宗主国と従属する植民地の関係を、そこに住む人種・民族の優劣から正当化するために、科学的、進化論的な装いの下に、吹聴された。しかし、与謝野晶子、石川啄木、魯迅は、優生学的発想の呪縛にはとらわれていなかった。人々や社会の差異は、政治経済、社会など広い意味での環境の関数であると理解していた。 19世紀末から20世紀初頭、帝国主義の全盛期であり、アジアでも植民地や勢力圏を巡る数々の戦争が勃発した。日本がかかわった、帝国主義、ナショナリズムの初期の戦争が、日清戦争・日露戦争で、次いで第一次世界大戦である。国民、国土、国力、国益を結び付けた強力な国家論が登場し、帝国政府の役割が拡大し、官僚機構が発達し、企業活動がグローバル化した。

 戦争は軍民が一体となって戦う総力戦へと移ってゆくが、総力戦を戦うためには、戦争の大義がつくりだされ、市民の世論が戦争賛同へと動員された。大量の戦争ポスターが作成され、新聞、雑誌などメディアを活用して、プロパガンダが大々的に展開された。そのとき、与謝野晶子、石川啄木、魯迅がどのように行動したのかは、国家や戦争賛美に迎合したのかどうかは、非常に興味深い。

現在、帝国主義を自称するような諸国はなくなり、戦争の惨禍が語られるようになったが、当時の与謝野晶子、石川啄木、魯迅は、戦争をどのように認識していたのか。さらに、日本と中国、ロシアが戦うような戦争があった後、「北東アジアの共生」に思い至っていたのか、何か試作を深めていたのか。国家や社会に貢献できる人材が求まられていた時代、個人主義、文学がどのような意味を持っていたのか。夏目漱石や芥川龍之介のような文学者とも重なるような三人の思いを読み取ってみると面白い。

鳥飼行博研究室(http://torikai.starfree.jp/)左バナーボタン「戦争写真集」右列下にある「石川啄木の時代閉塞 Takuboku Ishikawa」「与謝野晶子:Akiko Yosano 君死にたもふこと勿れ」の2本すべて閲覧し、
鳥飼行博著『写真・ポスターから学ぶ戦争の百年―二十世紀初頭から現在まで』青弓社の「第1章 二十世紀初頭の戦争」(pp.32-61)
を参照しながら、与謝野晶子、石川啄木の二人について、20世紀初頭の帝国主義と戦争の時代、彼らがどのようなことに悩み、どのように思っていたのかを考察しなさい。

Virtual Lecture Series鳥飼行博研究室アジア写真集やVirtual Classバーチャルクラス掲示もご覧ください。

「人間学1」課題レポートサンプル

Report Writing


課題B

鳥飼行博研究室左バナーボタン「戦争写真集」にある
「与謝野晶子:Akiko Yosano 君死にたもふこと勿れ」」
「石川啄木の時代閉塞 Takuboku Ishikawa」
では、与謝野晶子、石川啄木、というに二人の著名な日本の文化人の時代とのかかわりが写し出されている。

著名な二人の同時代の文化人、与謝野晶子・石川啄木について、オンデマンドで閲覧を求めた2本のwebsiteバーチャルレクチャーを引用しながら、テキストpp.42-58も参照しながら、帝国主義の時代における彼ら二人の思想を説明しなさい。

1)課題レポートをワード(word)で作成。PDFその他に変換しないこと。
2)課題Aと課題Bのレポート文字数は、各々500- 600文字以上、2400文字以下。他サイトの引用は不可。
3)課題Aと課題Bのレポートには,各々ふさわしい題名,学番,学生氏名を明記。
4)この課題は、サンプルですので提出不要です。正式な課題レポートはLMSに掲載し、そこから提出します。したがって、オープンLSMで開示する課題レポートを随時、各自で確認し、提出のこと。

東海大学教養学部

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