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◆豊かさとは何か:物の豊かさと心の豊かさ:ミクロ経済学バーチャルレクチャー


写真(上)2014年8月,フィリピン共和国ルソン島中部、マニラ首都圏マニラ市トンド地区のあるバランガイ・キャプテン(自治区長)に行政ホールでお話を伺った鳥飼ゼミ生たち。周囲にはスラムも広がるが、整ったホールで自治活動ができる。筆者撮影。


写真(右)2014年8月,フィリピン共和国ルソン島中部、マニラ首都圏マニラ市トンド地区のスラムと水上家屋。家屋は、トタン、木材、ビニールシート、ベットのスプリングなどでできている。マニラ市パヤタスのスカベンジャー(ゴミ拾い)世帯は、プラスチック、金属、段ボール、ガラスなどリサイクル可能な有価物を収集し、それを売却して生活している。その家庭用エネルギーの供給は、調理に使う木炭や廃材などバイオマスエネルギーが担っている。 筆者撮影。

マニラ国家首都圏(NCR:National Capital Region)のマニラ市トンド地区にある大規模なスラム街を訪問し、スカベンジャー(ゴミ拾い)世帯に聞き取り調査を行った。ここはバラック住宅が密集し、インファーマルセトラー(不正規居住者)が多数居住している。捨てられたトタン、ベニヤ、ビニールシート、釘、針金、ベットのスプリング、柵、鉄格子など廃材を材料として、バラックを建てて住んでいる最貧困層である。


写真(右)2014年8月,フィリピン共和国ルソン島中部、マニラ首都圏マニラ市トンド地区のスラムと排水路(河川)にかかる歩道橋の下でリサイクルするプラスチック製荷袋を洗浄している。河川の汚い水を使って選択しているのは、節水、節約のため。この作業を観測していたら、子供たちが集まってきた。ここに来る外国人もいないし、ここに降りる住民もスカベンジャーに限られるのに、日本人みたいのが下りてると。このような地区では、井戸はあっても水は汚染されており、飲料水とはならない。しかし、この川の水で洗いものはできる。筆者撮影。

マニラ首都圏トンド地区の河川の周りには、水上家屋も含めバラック住宅が密集している。そこでは、各家庭に水道は敷設されていない。この井戸水は、洗濯や食器洗いに使用するが、飲料はできない。日本では、食器や手洗いだけでなく、洗車するのにも、水洗トイレでも、飲料可能な水道水を大量に消費する。

マニラ首都圏ケソン市パヤタス廃棄物最終処分場の周囲には、たくさんのバラック住宅が密集している。水運びを契機に、住民のお宅にお邪魔してお話を伺った。正規の住宅賃借権ではないが、土地の持ち主に地代を支払ってバラック住宅に住んでいる。インフォーマルセットラー(不正規居住者)・スラム住民といっても、只で住まわせてもらっているとは限らない。

聞き取り調査の基本は、コミュニケ―ションで、双方向の情報のやり取りである。質問者の気持ちや考えをわかってもらう、どんな人物で、なぜこんなところに来ているのか。相手に、一番わかりやすいのは、質問者の抱いている好奇心である。この一日、午前から午後まで、歩き回っていれば、住民が挨拶してくれる、話しかけてくる。自己紹介して、何しに来たかのチャットが、フィールド調査の始まりである。


写真(右)2014年8月,フィリピン共和国ルソン島中部、マニラ首都圏マニラ市トンド地区のスラムと排水路(河川)にかかる歩道橋の下に降りて、河川を観測していたら、子供たちが集まってきた。ここに来る外国人もいないし、ここに降りる住民もスカベンジャーに限られるのに、日本人みたいのが下りてると。このような地区では、井戸はあっても水は汚染されており、飲料水とはならない。しかし、この川の水で荷袋の選択をしている。筆者撮影。

このトンド地区のバランガイには、縫製作業を待つプラスチック製麻荷袋(俗にドンゴロス (dungaree) 、南京袋、Sako:タガログ語)の山がある。これは、荷袋の修理・リサイクルであり、ここに荷袋の製造工場があるのではない。住民の多くが、袋(サック)縫製作業を主な生業にしている。洗った荷袋にはほつれが多いので、ほぐしてミシンを使って手早く袋を縫い上げてゆく。仕事を選ぶ余裕のない途上社会の貧困者だが、意図したわけではなくとも、結果として、循環型社会の形成、環境保全に結び付く活動を行っている。

リサイクルしたPP(polypropylene)製サック(南京袋:woven polypropylene bags)をトライシクル(Tricycle)に積んで売却に行く。トライシクルに積んで売却に行くところを聞き取りもした。

リサイクルしたPP製サック(南京袋:woven polypropylene bags)を400枚を1台のトライシクルに積んで、売却に行く準備をしている。PP製サック(南京袋:woven polypropylene bags)を1人が1日200袋洗って100ペソから300ペソの収入となる。川で洗ったPP(polypropylene)製サック(南京袋)をミシンで縫う作業は1枚当たり2ペソの収入となる。リサイクルできたサックは、トライシクル1台にPP(polypropylene)製サック400個を積んだ。世界市場では、袋1kg当たりの価格は$0.10 USD Kg.から$0.30 USD Kg.である。


写真(右)2014年8月,フィリピン共和国ルソン島中部、マニラ首都圏マニラ市トンド地区、途上社会にある住民によるプラスチック製(PP加工)ジュート袋(俗にドンゴロス (dungaree) 、南京袋、Sack)の縫製作業。このような麻荷袋(俗にドンゴロス (dungaree) 、Sack:タガログ語Sako)を縫製しリサイクルする作業が主な生業になっている。ミシンを使って手早く袋を縫い上げてゆく。 労働力が重視され、もったいないので化石燃料の消費は節約し、手作業や人力に依存した活動が当たり前に行われる。

スラム住民への聞き取り・フィールド調査によって、生活の質(QOL)、ベーシックヒューマンニーズの充足、電気エネルギー、木質バイオマスエネルギーから途上社会における「民活による循環型社会形成促進」の考察にまで、新しい発見と発想を得ることができる。

雑談:遠隔授業/ITの危うさ

University & Education



◆外出禁止になって、遠隔授業の準備を始め、一日インターネットやパソコンを利用し記号準備をしていた。このインターネットがあるからこそ、遠隔授業で高等教育の単位を認定するといった暴挙とも見える斬新なオンライン教育が始まった。鳥飼行博研究室では、大学のオンライン講義をバーチャルレクチャー、この講義を実施するインターネット上のページをバーチャルクラス(教室)と呼んでいる。

このインターネットを通してホームページにアクセスすると、アクセスした閲覧者の情報が、ホームページ開設者、サーバーを管理するプラットホーム企業に流れているのは知っているであろう。このインターネット利用に伴う情報は、次のように4種類に分けることができる。

(1)入力情報:閲覧者の使用言語、検索した用語や入力した文書、ダウンロード・アップロードした写真・動画・音楽、アクセス日時
(2)ブラウザ情報:使用中のOS・ブラウザ、機材、機器、遷移元ホームページ
(3)通信接触情報:閲覧者のPCパソコンなど情報機器の個別識別コード、ホスト名ポート番号
(4)JavaScript情報: JavaScriptが取得したユーザーPCに関する設定日時。ブラウザのコード・バージョン・ディスプレイ画面・大きさ、位置情報(GPS)

例えば、識別コードはインターネットアクセスに必要な情報機材の数値化された固有名称のようなもので、電話をすれば、お互いの電話番号が接続して初めて連絡できるのと同じである。インターネットで情報を出せば、受けてはその情報を自分の窓口で受け取る。そこに書き込めば、相手がその窓口を知るのである。しかし、悪い奴ら自分の発信元を知られないように、他人に成りすまして入ってくるので厄介なのだ。こんな悪賢い人間は、大学にはまずいない。大学では教員もメールを登録し、玄関に表札を掲げている。顔見世も推奨事項なので、少し若い時のだがルールに従っている。学生も言われたとおりに、学番メールを使い、玄関から名前を名乗って入ってくる。まさに、大学は品行方正な高等教育の殿堂であり、まじめな講義の場である。これは遠隔授業の場合でも同じである。しかし、このことが遠隔授業、バーチャルレクチャーにあっては、大量の情報流出につながってくるのである。

コンピュータでは二進法で記述される。具体的にはコードは「0.0.0.0」から「255.255.255.255」までで、この組み合わせは40億個以上ある。しかし、インターネットの爆発的普及のために、全世界へ割り振り済みとなってしまい、その不足が続いている。大学でも毎年のように不要になった番号、使用中の番号を調査しているほどで、無駄な割り当てはしない。しかし、教職員も学生も番号への認識は深くはないので、返却される数は多くはなく、そのまま退蔵されているものが多い。

世界の一流企業、情報機関なおでは、プラットホーム企業から提供された情報を解析して、マーケティング、顧客動向、職業、政治思想、人種・宗教などを推測し、利用している機材から企業動向やテロの企てを察知して、先手を打っている様だ。この情報が、2010年の新型感染症の流行に伴って導入された遠隔授業でも、急速に増えている。全教職員の情報、学生の情報が、膨大に流れている。毎日のように、銅貨を使い、音声を使い、顔見世をしながら講義をして、質問をして情報を流しているが、それが集約され、マスデータとして、あるいは個人の特定に使用することもできるのである。情報起業は、このような情報伝達は、インターネット利用のシステム上必要不可欠であり、その情報取得は違法でも不正でもないとの主張を繰り返すのみであるが、遠隔授業によって、いままでは入手できなかった個人の顔情報から学生の年齢情報(1-4年生)まで簡単に手に入れた。全教職員、全学生の情報が、毎日のように伝達されている。

新型ウィルスの爆発的流行への対策として外出制限や学校休校の措置が強化され、遠隔授業や遠隔会議が、急速に導入され、それが世界の教育機関、企業に普及してきた。それに伴って、顔認識できる画像や動画が膨大な情報となり発信され、言語・言葉の情報量も急増した。インターネット利用者であれば、従来から、性別、年齢、嗜好、趣味、仕事、居住地、資格などに関する情報が抜き取られ、広告が送られてきていることを知っている。ホームページ管理者なら、頻繁に閲覧する利用者をある程度特定できることを知っている。しかし、遠隔授業によって、プラットホーム企業には、顔情報、音声情報も膨大に集積され、新たなビジネス展開に利用されるとともに、敵対者や危険人物のあぶり出しが容易になり、犯罪捜査やテロ作戦が一層活発になるであろう。放送事故も頻発しているが、誤った操作や、不正な手段によって、教職員・学生にとって、個人情報保護が危殆に瀕する事態に陥らないかが心配だ。

◆情報機関が行っている情報解析の方法は、個人情報を抜き取ろうとしているというよりも、同じコードが何回もアクセスすることで情報が増加し、閲覧画面、閲覧場所、使用言語、頻繁に用いる単語などの情報を集めて、個人やその職業、居住地、年齢、性別、行動を推測することである。反体制、軍事スパイ、危険思想、人権活動家、環境保護活動家など意外に簡単に識別できるであろう。遠隔授業は、毎日大量の情報が、学生、教職員からプラットホーム企業に流れており、それが蓄積されているのである。遠隔授業を充実しようと大学が契約したが、そのために教員氏名も役職も丸わかりになっていると思われる。教員の教えている時間から、その出席者の閲覧状況まで丸わかりになっていると推測できる。

「経済学」講義コンテンツ

Environmental Cooperation




日中韓環境大臣会合始まる 大気汚染で意見交換(2015/04/30)

大臣の話を何回か聞いてくると、環境行政のリーダーシップの中で、成熟社会日本では、持続可能な開発が重視され、それを当然のこととして、どのような環境政策を展開するかが問題になっていることがわかる。しかし、大臣の立場になって考えた後に、大地に足を付けて、土や埃にまみれて生活している貧困者の立ち位置に思いを馳せると、持続可能な開発が、途上社会にとどまっている世界では当然のこととして受け入れられているのか、あるいは受け入れられるようになったのはいつごろからなのかの疑問も沸く。日常の身の回りから考えることは、あくまで日本の豊かな社会を前提とした視点である。つまり、成熟社会の経済の視点は、途上社会も含んだグローバルな世界では、偏った見方かもしれないと思う。上下、左右と一つの事柄も、いろいろな角度で眺めることが、多面的な学術理解、批判的検討に有益である。

林野庁『平成30年度森林・林業白書』から、森林と持続可能な開発に対する認識を整理すると次のようになる。

「将来にわたって森林が有する様々な機能を発揮していくためには、「伐(き)って、使って、植える」という形での循環利用をしていかなくてはならない。そのためには、林業の成長産業化の実現や森林の適切な整備・保全が極めて重要である」「日本には2505万haの森林があるが、その約4割に相当する1020万haは「人工林」だ。これらの人工林は、戦中に荒廃した森林の復旧造林、戦後復興や高度経済成長期を支える木材を供給するための拡大造林、その後の下刈り、間伐などの保育…と先人達による膨大な人手と時間をかけて造成されてきた。現在、その半数が一般的な主伐期である50年生を超える。すなわち本格的な利用期を迎え、森林資源はかつてないほどに充実しているといえる」といのは、1960年代から1970年代から言われてきた、国内林業の発展と木材供給の維持のための施策であり、経済的側面を重視してきた経緯が窺われる。国内でも木材自給、林業関連産業に支えられた地域雇用の維持など、昔ながらの主張である。

「我が国の森林は、地球温暖化防止や生物多様性の保全など、様々な働きを通じて国民生活の安定や経済の発展に寄与している。例えば、樹木の根は土砂や岩石などをおさえ、崩れるのを防いでおり、森林によって育まれた土壌は水質の浄化などに役立っている。これは「森林の有する多面的機能」といわれており、学者たちによって一部の機能については貨幣での価値が示されている」というのは、林業と地球環境を関連付けるもので、持続可能な開発の認識の現れている個所である。そして、森林の多面的機能、特に再生可能エネルギーの供給源としての機能、木質バイオマスを熱エネルギーとして日常利用している途上社会の貧困者を思えば、この森林も持つ意味は極めて重要である。林業を通じて、人々を豊かにするといっても、そこには世界すべての人々、特にミクロ経済学における消費者の豊かさに対する認識が問題となろう。

林野庁が森林の意義は、成熟社会からの視点であり、残念ながら、途上社会の実情に全く思いが至っていないという欠点があるがあるものの、実はグローバルな視点で世界のグリーン経済をどのように理解するかのヒントになる。森林には、木質バイオマスの供給、生物多様性の保全、気候変動防止となる炭素貯蔵機能など多面的機能があるが、持続可能な開発を考えるに際しても、このどれを重視するかは、世界すべての人々、特にミクロ経済学における消費者の豊かさに対する認識に依存している部分も大きいのである。

鳥飼行博研究室の左バナー・ボタン研究業績の中ほど「紀要論文」に示した拙著(2018)「バイオマスエネルギーの人間開発論 : フィリピンを事例としたローカルコモンズの意義」Biomass Energy in Human Economies『東海大学紀要. 教養学部』Journal of the School of Humanities and Culture, Tokai University第 48輯を刊行する20年以上前、テキスト『開発と環境の経済学−人間開発論の視点から』を執筆していた20世紀末、日本では豊かさは、精神的な豊かさ、心の豊かさの重要性が指摘されて久しく、従来までの、物質的豊かさ、物の豊かさを追求する生き方に疑問が投げかけられていた。1960年代に国民所得倍増計画が成り、1970年代には、大きいことはいいことだとばかりに、大建設ブームによる日本列島改造が唱えられてきたが、その後、真の豊かさとは、物理的だけでなく、精神的な心の豊かさの比重が大きいことが指摘されるようになった。そして、日本の消費者は、1980年代からは久しく物質的豊かさより精神的豊かさが、物より心を大切にするようになった。

1992年に開催された人類史上最大の会議「地球サミット」では、持続可能な開発が話題になったが、この時以来、世界中で「地球にやさしい」ことが大切だとの認識が広まった。他方、日本のような成熟社会にある先進工業国は、「中国、インド、フィリピンのようの開発途上国は、環境意識が低いので、ごみのポイ捨てを平気でしている、森林保全に無関心で、樹木をどんどん伐採し、薪をとりつくして森林を大規模に破壊している」「貧困こそが、環境意識の低さゆえに、地球環境を悪化させている」といった開発途上国(途上社会)環境脅威論が蔓延した。その後の京都議定書にも開発途上国は加わっていないと(誤解)して、アメリカは、温暖化への取り組みに加わらないと嘯いた。EUは率先して気候変動や森林破壊の問題に取り組むとして、環境政策のリーダーシップを握った。日本はどうしたか。日本の消費者は、どう考えているのか。


日中韓 福岡で環境大臣会合(2019/11/23 公開)
「小泉環境大臣は大気汚染など地球規模の環境問題について中国・韓国の環境相と話し合う日中韓3カ国環境大臣会合に出席するため、福岡県北九州市を訪問しています。24日に開かれる日中韓3カ国の環境大臣による会合を前に、小泉大臣は韓国の趙明來(チョ・ミョンレ)環境部長官と個別に会談した後、現在中国の李幹傑(リ・カンケツ)生態環境部長と会談しています。小泉大臣は環境分野における日本の取り組みを説明し、両国との間の懸案事項について緊密な協力を呼びかけることにしています。」テレ東NEWS
4,440 回視聴でいい35、だめ199だった。「何の価値も、意味も無い協議やね❗馬の耳に念仏じぁ」「環境のことなんか二の次にしか考えていない中国と韓国と話をして日本が得するどころか、また血税をたかられたり、何億も掛けた技術開発のノウハウをパクられるだけだろ、もう関わるなよ」「中国と韓国だけでやって!!」「協力するって、日本は全部資金持ったり、先端技術を簡単に与えないでください。日本人の技術者を拉致されないようにもお願いします!」「グレタと変わらんなぁ〜小泉w」「中国に環境のことなんて分かるわけないでしょ」「環境をやればやるほど、日本は貧乏になります。 本当に日本の環境が悪いのか?ってよく考えたいです。私の意見は環境より貧困に苦しむ人多くないかと」

成熟社会にあり、ベーシックヒューマンニーズを満たした人々が下品なコメントをするのは例外的であろうが、途上社会は環境保全を考慮していないから、駄目であるという開発途上国環境脅威論に与している点で一致している。

豊かさは、今までは、物質的豊かさ、物の豊かさを意味してきたが、現在の日本の消費者は、精神的な豊かさ、心の豊かさの重要することが指摘されている。これは、豊かさには、物と心の二面があるということで、日本では、久しく物質的豊かさより、精神的豊かさが、物より心が大切に思われてきた。1960年代から50年以上も長年に渡って実施されてきた「世論調査」から、成熟社会の消費者の特徴を整理し、しばらく前に成熟社会に達した日本では、なぜ「持続可能な開発」が重視されるようになったのかを考えたい。本当に成熟社会にある日本の消費者が、グローバルな視点で、世界の持続可能の開発のために、できるだけのことをしようと、考えているのか、実行しているのかを見直してみたい。

2020年現在の世界では、貧困者の残る途上社会も含めて、SDGsのような社会的目標が受け入れられるようになった。つまり、途上社会にあった諸国でも、物質的豊かさだけではなく、精神的な豊かさが重視され、経済成長だけではなく、環境保全も大切だと多く考えるように認識が変化したと思われる。この理由を考察してほしい。豊かさは、今までは、物質的豊かさ、物の豊かさを意味してきたが、現在の世界では、日本と同じように、精神的な豊かさ、心の豊かさの重要性が指摘されている。これは、豊かさには、物と心の二面があれば、物質的豊かさより、精神的豊かさが、持続可能な開発にふさわしいとされたのであろう。つまり、途上社会にある消費者でも、ベーシックヒューマンニーズが充足されつつあり、成熟社会化が始まっており、物質的豊かさだけではなく、精神的な豊かさが重視され始めた。また、途上社会の人々は、「もったいない」という節約意識、捨てられたものでも、使えるなら拾って再利用するような姿勢がある。そこで、経済成長だけではなく、環境保全も大切だと多く考えるように世界の消費者の認識が大きく変化してきた中で、成熟社会と途上社会のプラス面に目を向ける必要があると考えられる。
 
テキスト『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』東海大学出版会 「第一章 開発とはな何か」を熟読し、20世紀後半から21世紀に至る期間の認識変化に着目して、真の豊かさとは何か、を考えてほしい。  

Virtual Lecture Series鳥飼行博研究室アジア写真集やVirtual Classバーチャルクラス掲示もご覧ください。

鳥飼担当「経済学」の課題

Report writing


鳥飼担当HK「マクロ経済学」授業は、テキストを手元に置くことが前提です。受講には、テキスト『開発と環境の経済学 人間開発論の視点から [ 鳥飼行博 ]』なしに講義は理解できません。

<レポート課題サンプル>

課題A)講義コンテンツ(バーチャルレクチャーとteams講話)とテキスト『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』「第1章 開発とはなにか」を参考に、20世紀後半の南北格差から持続可能な開発の登場まで、物の豊かさと心の豊かさ、主観的豊かさと客観的豊かさ、途上社会と成熟社会を対比しながら、途上社会は残っているものの、人々のベーシックヒューマンニーズが充足され、世界が成熟社会化しつつある状況の中で、真の豊かさとは何か、を述べなさい。

1)「まとめレポート」をワード(word)で作成、ふさわしい題名,学番,学生氏名を明記。
2)まとめレポートの文字数は、1000文字以上、2400文字以下。他サイトの引用は不可。
3)このレポート課題はサンプルなので提出には及びません。実際の課題レポートは、授業支援システム(OpenLMS)に掲載。

東海大学教養学部人間環境学科社会環境課程

TorikaiLab, Tokai University

大学での講義「ミクロ経済学」「開発経済学」「環境協力論」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する経済学の授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。

当研究室へのご訪問ありがとうございます。論文,データ,写真等を引用する際は,URLなど出所を記載してください。ご意見,ご質問をお寄せ下さる時には,ご氏名,ご所属,ご連絡先を明記してくださいますようお願い申し上げます。 連絡先: torikai@tokai-u.jp
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鳥飼 行博 TORIKAI Yukihiro
HK,Toka University,4-1-1 Kitakaname,Hiratuka
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