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◆HK「環境協力論」環境・循環型社会・生物多様性白書


2016年5月,神奈川県川崎の地域環境政策を学ぶために、川崎市川崎区のごみ埋め立て地浮島を訪問し、さらに川崎エコ暮らし未来館に隣接する資源処理センターで聞き取り調査をした。浮島には、メガソーラー(大規模太陽光発煙所)と風力発電所も営業している。筆者撮影。近くの東扇島人工島は、川崎港沖合いに1971年より埋め立てを開始し、1974年に完成。当時は最新式の天然ガスを利用した火力発電所がある。このようなごみ埋立地、人工島は、海岸に容易にアクセスすることができない。


2014年3月,フィリピン共和国ルソン島北部、カリンガ州山村の棚田と家屋:大学生時代から、開発途上国を訪問し、山道、畦道を歩きながら、現地でインタビューしながら、どこか泊めてくれないかと不安になりながら、フィールド調査を行っている。インパクトを受けたため、博士論文も「不確実性下の経済行動-フィリピン米作農村の事例研究」となった。
筆者撮影。



2015年3月,フィリピン共和国ルソン島中部、マニラ首都圏マニラ市トンド地区、排水路のようになった河川でビニール製の荷袋を洗浄する。洗浄後、ミシンを使って縫製し直し、再利用する。:事務所で働く社員、工場労働者、アルバイトにも就業できない貧困者は、自ら仕事を見つけなくてはならない。これが零細自営業を中核とする都市インフォーマル部門で、そこでは廃棄物の再利用などリサイクル産業が盛んである。
筆者撮影。


雑談 昔の図書館

The Role of the Library

『経済白書』『通商白書』など昔からの白書、続く『環境白書』のような政府省庁別の公式刊行物を、すらりと並べて読み比べてみると面白いです。20年前、10年前と皆さんが子供のころと現在と話を比較しただけでもいろいろなことがわかります。昔は、小学生たちは市立図書館・県立図書館に週何回も通って本を借りて読んでいました。学校の図書館は、それほど充実していなかったからです。大学時代には、大学図書館所蔵の白書を借りて、図書館で見たものです。分厚いB版の白書は、貸出禁止だったので、その場で斜め読みするのです。しかし、入手するに値すると思えば、生協で1割引きで購入します。買ったからには、全部読み通し関心のある個所は、マークしながら読むのです。場合によっては、ノートやカードで整理することもします。そして、この内容で大したことないななどと、仲間と粋がって批評するのが楽しいです。これは、本を書いたことのない人間が、レビューして★を付け、何故ならとーーーーと書いているのと同じかもしれません。しかし、このような議論、批判的検討が十分にできるようになることが、高等教育の醍醐味だと思います。

写本 (Manuscript)というのは、本を借りてきてそれを引き写すことです。高価な本を買うことができない書生が、印刷がない時代の僧侶が読みながら写本していたのでしょうか。丸写しにしないで、省略したり、書き換えたりと、古典には異本がつきものです。引き写しながら内容を理解し、自分で考えることができるのが写本です。また、勝海舟 (Katsu Kaishu)は、オランダ医学の医師からオランダ語辞典の『ドゥーフ・ハルマ辞典』(Doeff-Halma Dictionary(全58巻)を1年間10両で借り、写本を2冊ずつして、自分用に1冊取っておいて、残りを販売して、収入を得ています。それで、写本の借り賃を賄うこともできるわけです。写本とは、経済活動で言えば、本を読む消費、引き写す生産、余剰の写本を販売する流通を担っているともいえます。また、読んで、書いて、書き換えてという活動は、見ることに加えて様々な感覚・動作を伴うので、物事の理解が進んだり、記憶に残りやすかったりするようです。その前段階として、本をレビューするのもいいかもしれません。

その後、図書館で無料で本を借りられるようになったことは、個人の能力開発に大きく貢献しました。現在では、図書館で本を借りたことのない人がいますが、別の情報ツールを使ってでも学びを進めなければ、中等教育もおぼつきません。インターネットを検索したら答えが出ているというのであれば、高校も大学もいらなくなるでしょう。講義も対面型授業も、双方型授業も不要になってしまうでしょう。けれども、今回、遠隔地授業がどのように展開できるか、まだ途上ですが、皆さんたちは貴重な経験をすることになるはずです。

白書はどのようにだれが原稿を書くのか、編集するのか、大学生の時、省庁に行って、書いたという何人かの先輩から話を聞きました。たくさんの若手が勉強しながら、過去の白書を読んで書き換え写本しながら書いている姿を想像しました。このようなことを考えると、まだ卒論も書きあがっていなかった大学生ですら、ものを書くことの面白さが感じられました。単に楽しむ消費するだけではなく、何かを作る人に何かを提供することへの興味が沸いてきました。

環境政策の一翼を担う環境省、その環境大臣が、自ら練って文書化し、自らデジタル入力して、自ら最終校正した文書は、最高責任者が環境政策の方針を示した白書の最も重要な個所だと思います。そこで、環境大臣がどのような内容を述べているのか、どのような環境政策を進めようとしているのか読み取ってほしいのです。そこには、日本、世界の将来を左右する重要な環境政策が示されているかもしれません。分厚い白書の巻頭を飾る文章の中に、環境政策の基本方針をしっかり読み取ってもらいたいのです。しかし、それで十分なのでしょうか、抜けていることはないでしょうか、もしかすると間違った基本方針を提唱しているかもしれません。このように考えるのが批判的検討です。

18世紀の哲学者イマヌエル・カント『純粋理性批判』には次のようにありました。「批判によって純化され、それによってまた確固とした地位にもたさされたこのような形而上学で、われわれが後世のひとびとに残そうと企てているのは、そもそもどのような財宝なのか、-------------ひとが純粋理性の端的に必然的な実践的使用が存在することを確信するや否や、実際にきわめて重要な効用をもつのである。」

ウェッブサイトの引き写しやゲームばかりしていると、答えは誰かが描いたものを探して回答するものと思い込んだり、攻略できる方法を早く教えてほしいなど、批判的検討ができなくなってしまいます。苦労してでも自分でやってみるプロセスが教育です。田中正三 (Shozo Tanaka)でもグレタ・トゥンベリ (Greta Thunberg )でも、大勢が決まったように見えるなか、更なる境地を目指すことができる人はすごいです。

東海大学のキャンパスライフエンジンにある授業支援システムや鳥飼行博研究室のブログ掲示もご覧ください。

「環境協力論」授業コンテンツ

Environmental Cooperation



以下には、授業の課題となるレポートを作成するための資料がありますので、まず読んで、それから短冊レポート作成に進んでください。


   平成30年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

      「刊行に当たって」  環境大臣


 東日本大震災の発生から7年、平成28年熊本地震の発生から2年が経過しました。震災で亡くなられた方々に深く哀悼の意を表すとともに、大きな被害を受けられた方々に 心よりお見舞い申し上げます。

就任以来、被災地には何度も足を運び、地元の方々のお話を伺う中で、私自身、復興の取組への決意を新たにしてまいりました。被災地の一日も早い復興と地域の創生に向 け、環境省の総力を挙げて取り組んでまいります。

私が環境事務次官を務めていた2002年当時、我が国はちょうど京都議定書を締結し、持続可能な社会の構築に向け、一歩を踏み出したところでした。

その後、世界的な大きな時代の変化が生まれました。一つは、2015年に国連総会で採択された「持続可能な開発目標SDGs)」です。もう一つは、2016年に発効した気候変 動対策に関する「パリ協定」です。

地球規模の持続可能な社会に向けた動きの中で、我が国として環境行政を推進していくためには、企業、自治体、市民などの多様な主体とのパートナーシップを強化し、経 済・社会の諸課題との同時解決を実現していかなければなりません。

こうした時代の大きな転換期であることを踏まえ、本年4月に閣議決定した「第五次環境基本計画」では、経済社会システム、ライフスタイル、技術といったあらゆる分野 でイノベーションを創り出すことで、先ほど申し上げた同時解決を実現するという方向性を掲げています。

その具体化の鍵となるのが「地域循環共生圏」です。「地域循環共生圏」は、地域資源を持続可能な形で最大限活用することで、我が国の地域の活力を最大限に発揮する考え 方と言えます。そして、その機運は既に高まりつつあります。

今年の白書では、この「地域循環共生圏」の創出に向けた、各地の躍動を取り上げました。この白書をきっかけに、持続可能な社会に向けた更なる一歩を踏み出していただ くことを期待します。



小沢環境大臣からのご挨拶 :(2009/11/19公開)「環境省公式チャンネル」の開設にあたり、小沢環境大臣からのご挨拶。
講義では、環境白書と環境大臣を俎上にのせましたが、環境問題を研究する教授や環境政策を学ぶ大学生は、環境大臣の講話を聴いたことがあるでしょうか。環境行政責任者の話を必ず一度は、虚心坦懐に聞くべきだと思います。


丸川珠代大臣「除染基準」についての知見(2016/02/09撮影:2016/02/09公開)
丸川環境大臣は福島第一原発事故の後、日本が長期的な目標としている年間の被曝量1ミリシーベルトについて、2016年2月7日、長野県松本市内の講演で「科学的根拠がない」と述べたとして国会で追及されました。「記憶が曖昧」としながらも、最後は謝罪しました。


  平成24年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

     「刊行に当たって」  環境大臣


 東日本大震災という、かつてない災害の発生から、既に一年以上が経過しました。しかし、被災地では 今なお大変厳しい状況が続いています。私は、この国難を乗り越えるべく、東日本大震災からの復旧復興と、放射性物質による環境汚染への対処に最優先で取り組んでおります。

今年の環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書でも、東日本大震災と原子力発電所事故への対応を中心に据えています。目下の最大の課題である除 染については、福島を中心に、福島の再生なくして日本の再生なしとの考え方の下、政府として、力の限りを尽くして取り組まねばなりません。また、東日本大震災により、膨大な災害廃棄物が発生しました。被災地の復興の大前提として、この災害廃棄物の迅速な撤去、処理を、全国民が手を携えて進めて いく必要があります。

さらに、原子力安全規制に関しては、東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえて、放射線から人の健康と環境を保護するという目的のために、規制制度、防災体制とこれを運用する行政組織について抜本改革が必要です。安全安心への希求に応えるためには、新たな組織の下で一日も早く人と環境を守る制度と体制を整えなければなりません。

加えて、被災地における本格的な復興にも力を入れてまいります。特に、東北地方の豊かな自然資源や再生可能エネルギーを利用した自立分散型の地域社会づくりを応援するなど、人々が強い絆で結ばれた、災害に強く環境負荷の小さい地域社会づくりを目指します。それは被災地のみならず、東日本大震 災を経て、私たちすべてに投げかけられた課題でもあります。

これらの震災からの復旧・復興の取組は、被災地域に暮らす方々に寄り添いながら、また、知恵を絞りながら進めなければなりません。そして、その過程を、ライフスタイルや社会構造にまで踏み込んだ変革への萌芽とし、将来の安全安心で持続可能な社会の実現につなげていくことが大切です。

国連持続可能な開発会議(リオ+20)では、持続可能な開発や貧困根絶のためのグリーン経済が大きな議題の一つとなっています。私は、環境の保全は経済成長の阻害要因ではなく、むしろこれからの成長そのものを担う分野であると考えます。我が国は、低炭素技術をはじめ、世界の中でも環境分野における高い技術やシステムを有する国です。特に東日本大震災を経験した我が国だからこそ、そのような技術や経験をしっかりと活かし、世界に貢献していかなければなりません。環境負荷を低減させることが新しい価値と豊かさを生み出す社会を実現し、我が国が世界をリードするグリーン成長国家となるように、この環境白書がささやかな一助となれば幸いです。

鳥飼担当 HK「環境協力論」の課題

Report Writing


5月中旬以降、テキスト入手可能になりますからHK「環境協力論」授業、短冊レポートの作成には、教科書拙著『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から』東海大学出版部を入手していることが前提です。教科書ページを指定したレポートも出します。しかし、教科書販売手続き後も入手遅れている履修者も多いので、5月中旬までは、教科書が手元になくとも受講できるように講義します。また、講義部分をPDF化し皆さんが入手できるようにする予定です。

HK「環境協力論」講義内容は、このサイト全画面です。リンクも参照してください。 評価対象の下記レポートを作成し、提出してください。

平成30年版 環境・循環型社会・生物多様性白書の巻頭、 平成24年版 環境・循環型社会・生物多様性白書の巻頭、
上記の2冊の環境白書の「刊行に当たって」は、環境行政トップの環境大臣のことばである。この二つのことばから、環境政策の基本方針を説明しなさい。そして、二つのことばを比較して、批判的検討を加えなさい。 提出期限は、2020/5/12/2359(2020年5月12日23時59分)。

1)レポートは、ワード作成、添付ファイルで学番メールを使いtorikai@tokai-u.jp宛に送信。
2)文字数は、1200文字以上2400文字以下。他サイトの引用は不可。
3)レポートには,ふさわしい題名,学番,学生氏名を明記。
4)メール提出の件名には、「paper」に続けて学番と学生氏名を明記。例「paper 0CHK3401 鈴木花子」
条件を満たさないレポートは採点できません。
誤送信、添付忘れ、誤字・脱字などの理由あっても、1回だけの提出とし出し直しはできません。
不適切な場合、書き直し・再提出をしてもらうかもしれません。


東海大学教養学部人間環境学科社会環境課程

TorikaiLab, Tokai University



大学での講義「環境協力論」「開発経済学」「環境政策I/II」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。

当研究室へのご訪問ありがとうございます。論文,データ,写真等を引用する際は,URLなど出所を記載してください。ご意見,ご質問をお寄せ下さる時には,ご氏名,ご所属,ご連絡先を明記してくださいますようお願い申し上げます。 連絡先: torikai@tokai-u.jp
〒259-1292 神奈川県平塚市北金目4-1-1 
東海大学教養学部人間環境学科社会環境課程
鳥飼 行博 TORIKAI Yukihiro
HK,Toka University,4-1-1 Kitakaname,Hiratuka
Kanagawa,Japan259-1292
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