I L O 駐 日 事 務 所 (〒150−0001 東京都渋谷区神宮前5−53−70 国連大学本部ビル8階 )は、次のような見解を掲げている。「児童労働」とは 、以下のような子どもの労働のことです。
◆原則15歳未満の子どもが、大人のように働く労働
ILO138号条約 が定める就業最低年齢
最低年齢 15歳
・ 義務教育修了年齢を下回らない(原則)
・ 途上国は14歳とすることができる
軽易な労働 13歳
・ 途上国は12歳とすることできる
危険な労働 18歳
・ 健康・安全・道徳が保護され、適切な職業訓練を受ける場合は16歳
* 子どもたちの健全な成長を妨げる労働をさし、家や田畑での手伝い、小遣い稼ぎのアルバイトなどは含まれません。
◆18歳未満の子どもが行う最悪な形態の労働
ILO182号条約
人身取引、債務奴隷、強制的な子ども兵士、その他の強制労働
買春・ポルノ、麻薬の製造・密売などの不正な活動
子どもの健康・安全・道徳を害し、心身の健全な成長を妨げる危険で有害な労働
◆家族の元で行われる児童家事労働でも、教育に使用をきたすこともあるし、過酷なこともある。路上での物乞いや買い物袋の販売は小遣い稼ぎとて行われる。これが「児童労働」には含まれませんというのは、より過酷な状況の子供たち、「最悪な形態の労働」の救済・保護を優先しているからであって、放置しておいてよい問題ではない。
◆なぜ「児童労働」があるのですか?
一番の原因は <貧困> です。(1日1米ドル未満で暮らす人は10億人)
しかし、その他にも...
・ 子どもの教育へのアクセスがない
・ 親の教育の欠如
・ 子どもの地位が低い価値観や社会慣行
・ 地域社会の労働慣行
・ 地方から都市への移住
・ 家庭の問題
・ 不適切な法律の施行
◆なぜ「児童労働」をなくさなくてはならないのですか?
・ 子どもの人権を侵害するから
・ 子どもが教育を受ける権利を侵害するから
→ 十分な教育を受けられまま大人になり、貧困の連鎖につながる
・ 子どもの心身の健全な発達を妨げるから
児童労働撤廃のコストは、途上国の軍事費の約2割と試算されています。
◆マニラのスモーキーマウンテンとトンド
1.2010年のフィリピン共和国の面積は30万平方キロ(日本の80%)、
人口 9900万人、
GDP 2000億ドルで、工業部門がGDPの30%以上を占めます。
1人当たりGDP は2,100ドルと日本の5%で、マニラ首都圏(
人口 1100万人)は国内では豊かな地域ですが、スラムも広がっています。社会環境課程鳥飼ゼミでは、学生たちが長年、毎年のように現地調査を続けてきました。
2.スモーキーマウンテンは、立ち入り禁止で、無断侵入や不法侵入は犯罪です。フィリピン語の(
Smokey Mountain )の項目もないことからも、一般立ち入りが許されない理由がお分かりになるはずです。
3.
写真解説一覧 を参照。
〇東海大学
新教養学部 の文系と理系を融合した新人間環境学科では、社会環境課程が廃止され、鳥飼ゼミの海外研修・フィールド調査・国際社会ゼミナールの授業はありません。
フィリピンマニラ
Manila
マニラ首都圏ケソン市
Metro Manila
メトロマニラ(マニラ首都圏 )にあるケソン市 (Quezon City )は人口200万人以上で、大規模な廃棄物最終処分場とスラム街のあるパヤタスもケソン市の一角である。パヤタス通り には、トタン板に囲まれたジャンクショップ(屑屋)が並んでいる。
メトロレイル 「ケソン駅」とリテックは、「共和国通り」(Commonwealth Avenue)で結ばれている。メトロレール (Manila Metro Rail Transit :MRT)のケソン駅から、リテック(リテールと聞こえる)にジプニーが行く。そこで乗り換えて、1時間弱でパヤタスにつく。
マニラ首都圏 のケソン市 パヤタスで有価物のガラス瓶や金属などを運ぶ三輪車「カリトン」。ごみを回収するスカベンジャーやごみを分別収集する屑屋が用いている。ケソン市 リテックでは、カリトン (三輪荷車)物を運ぶ仕事をして駄賃を稼ぐお年寄りを見かけた。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市パヤタスのジャンクショップ(屑屋)=ガラス瓶の分別リサイクル施設。
マニラ首都圏 (Metro Manila )東部、ケソン市パヤタス通りのジャンクショップ。
マニラ首都圏 のケソン市 (Quezon City )パヤタスのジャンクショップ(屑屋)。人手を使って、ガラス瓶を分別リサイクルする施設である。
フィリピン Philippinesマニラ首都圏 に位置するケソン市Quezon Cityの共和国大通り左後方にある緑の屋根は、巨大なイグレシア・ニ・クリスト・セントラル教会(Iglesia Ni Cristo - Central Temple )。メトロレイル の駅とリテック(リテールと聞こえる)の間には、ジプニー、バスが多く走行しており、自家用車は日本ほど多くはない。公共交通機関が発達しているので、自家用車がなくとも不便はない。
ケソン市パヤタス
Litex, Quezon City
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市 (人口220万人)の市場向かいパヤタス(Payatas )に行くジプニー(Jeepney )が出る。パヤタスではスラムを見学し、住民に聞き取り調査を行った。
マニラ首都圏 ケソン市東部に位置するパヤタス(Payatas )。メトロレール (Manila Metro Rail Transit :MRT)、ジープでリテック(Litex )ジープニー 、そこからジープで10分、パヤタスにつく。
マニラ首都圏(Metro Manila )パヤタス(Payatas )。
パヤタスにつくと、たくさんのジャンクショップが運営している。政府による社会保障 も生活保護 も不十分なため、自ら仕事を生み出す「起業」が当たり前で、これが草の根民活といわれる所以である。
マニラ首都圏パヤタスごみ処分場の地図
パヤタスの廃棄物処理場 Payatas, Quezon City
マニラ首都圏(Metro Manila )リテックのジープニー (Jeepney )から、ここからパヤタス(Payatas )の廃棄物処分場の近くまでジプニーが出る。これは、たくさんの住民が暮らしているため。
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタス 廃棄物最終処分場のゲート。以前は、ゲートも芝もなかったが、柵で囲われ勝手に入ることができないようになった。
ごみ山のスラム
Slum with corrugated iron roof
マニラ首都圏(Metro Manila )パヤタス 最終処分場ゲート近くで、ごみとして出された廃棄物から有価物を探し出し、収集する住民。 政府による社会保障給付費 も受け取れず、生活保護支給 もない状況で、スラムバラック が拡大する。
マニラ首都圏 ケソン市パヤタス の有価物回収作業。低所得層住宅地、スラムバラック が廃棄物最終処分場の周りにある。
マニラ首都圏パヤタス の低所得層住宅地。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であれば、貧しい住民の中には、やむを得ず不法占拠者となる場合もある。
マニラ首都圏 、パヤタス 住宅、スラムバラック 。右が、パヤタス廃棄物最終処分場のごみ山で緑で覆われている。
マニラ首都圏 ケソン市パヤタスのごみ集積場の周囲に建てられたスクオッター (squatter :不法占拠者)のバラック。たくさんの洗濯物の下で遊ぶ子供。
マニラ首都圏 パヤタスのごみ集積場(右)の周囲に建てられたスクオッター (squatter :不法占拠者)のスラムバラックでも暮らしがある。
マニラ首都圏 ケソン市パヤタススラム街 は、ごみ集積場の周りにある。ニワトリを買ったり、お店があったりと生活感が漂っている。
バランガイ施設
Recycling
マニラ首都圏 ケソン市パヤタス 。バランガイの運営になるガラス瓶リサイクル施設から見たパヤタスごみ山。
マニラ首都圏ケソン市パヤタス 。バランガイの運営になるガラス瓶リサイクル施設を見学させていただき、聞き取りを行った。 政府による社会保障 も生活保護 も不十分であるからこそ、スラム ではリサイクル小規模事業=草の根民活の動きがある。
マニラ首都圏ケソン市パヤタス の瓶リサイクル施設。ここは、バランガイ(集落)の運営になる。
マニラ首都圏ケソン市パヤタス の瓶リサイクル施設。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であり、老人ホーム入居の機会も生活資金も得ることができない。そこで、高齢者も貧困者も働くしかないのである。
マニラ首都圏 ケソン市のスラム地区 であるパヤタス 、バランガイの設置したリサイクル施設。ここは、バランガイ(集落)の運営で、32人雇用されている。
マニラ首都圏 ケソン市パヤタス の瓶リサイクル施設。 政府による社会保障給付費 も受け取れず、生活保護支給額 もゼロであるからこそ、スラム に草の根民活が発達する。
マニラ首都圏ケソン市パヤタス のスラム街 にも自治組織バランガイが組織され、その運営になるガラス瓶分別リサイクル施設がある。
政府による社会保障 も生活保護 も不十分であるからこそ、民活はしぶとく粘り強い。
マニラ首都圏 のスラム に限らないが、トタン屋根 (Corrugated iron roof )は吹き飛ばされやすいので、古タイヤなど使えそうな物を載せておくことが多い。
都市インフォーマル部門 Urban Informal Sector
マニラ首都圏 のパヤタス 。このスラム にたくさんある雑貨店(Sari-sari store )。タガログ語で「いろいろあること」をサリサリ(Sari-sari store )という。このような雑貨店もサリサリ・ストア(Sari-sari store )と呼ばれる。パヤタスの住宅通りで遊ぶ子供たちも顧客になる。 サリサリ・ストアーは、フィリピンの伝統的な個人営業コンビニ(Convenience store )で、「萬屋」(よろずや )である。
マニラ首都圏 (Metro Manila )パヤタス住宅地での炭火の串肉焼屋 の露天商い。レストランの高級な串肉炭火焼 とは違って、路上にたくさんある。 露店も都市インフォーマル部門 (urban informal sector )の生業である。会社に雇用されていなければ、お金を稼ぐために都市インフォーマル部門 (urban informal sector )に雇用機会を見出すしかない。
パヤタスの子供 Children Dreaming
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市パヤタスのスラム街 裏通りの元気な子供たち。田舎ではともかく、都会でも靴はおろか、草履も履いていない子供たちが多い。コンクリートブロックの二階建ての家屋もあるが、施工から見て、自分たちでブロックを積み上げて建築されたもの。マニラ首都圏ケソン市パヤタスのスラム地区 は、排水路 の末端にあり、排水貯水池のような窪地で、住んでいる住民がいなかった。そこで、不法占拠者がここに仮ごしらえの住居を建築した。それが恒常的な居住地となり、住居も次第に増え、構造的にもしっかりしたものに変化していった。
パヤタス裏通りで遊ぶ子供たち。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であっても、家族があれば子供たちは育ってゆく。
パヤタスのスラム街の住居 housing
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタスのスラム地区 の排水路 とごみ。もともと、排水貯水池のような窪地で、住んでいる住民がいなかったために、不法占拠者がここに仮ごしらえの住居を建築した。それが恒常的な居住地となり、住居も次第に増え、構造的にもしっかりしたものに変化していった。
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタス では、排水路の近くにも家ができている。
マニラ首都圏(Metro Manila )スラム に限らないが、トタン屋根 (Corrugated iron roof )は吹き飛ばされやすいので、古タイヤなど使えそうな物を載せておくことが多い。
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタススラム街 バラック。袋やトタンで屋根を覆っている。壁も同様のに、もろい構造である。
マニラ首都圏(Metro Manila )パヤタスのスラム バラック。スラムバラック 街の奥を一人でを見て回っているときに、何を探しているのか声をかけられた。家がすぐ近くだったので、よらせていただいて、聞き取りをした。 この家には水道がひかれていた。政府による社会保障も生活保護 も不十分であっても、家族は働き工夫して生活している。
マニラ 首都圏ケソン市パヤタスのスラムバラック 。ここも聞き取りした世帯。家電製品としては、テレビ、電気洗濯機、電子釜などがある。多くは、ごみとして捨てられたものを回収したリサイクル品。
マニラ首都圏 (Metro Manila )ケソン市パヤタスのバラック 。この家には水道がひかれていた。政府による社会保障 も生活保護 も不十分であっても、家族は働き工夫して生活している。
パヤタスのこの家では、焜炉(調理用ストーブ)を使っていた。フィリピンでは、中層以下の世帯で、料理や給湯には焜炉(こんろ) 、調理用ストーブ を使うのがふつう。燃料は薪炭。 パヤタススラム街 では、炭をまとめ買いし、それを小さな袋に分けて販売する店がある。パヤタスの調理では焜炉(こんろ) 、調理用ストーブ が主流。燃料は薪炭。
マニラ首都圏 ケソン市パヤタスのブロック製バラック 。コンクリブロックは、組石造の建築資材として、フィリピンでは住宅建設に多用されている。積み上げ壁を作り屋根を載せる。日本では、地震など、水平方向の力に備えて、コンクブロックの穴に鉄筋を通したり、脇壁で抑えたりするが、フィリピンでは、ふつうレンガのように積み上げるだけ。
マニラ首都圏 パヤタスのスクオッター (squatter :不法占拠者)のバラック。
>マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタスの多くの住宅では、電気が利用できる。消費電力検針メーターがまとめて設置してある。決して盗電が一般的なのではない。
水供給
water supply
マニラ首都圏ケソン市パヤタス 。ガラス越しに水ボトルが見えたので中を見せていただいた。
政府による社会保障 も生活保護 も不十分であるからこそ、スラム では草の根民活の動きがある。
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタス の飲料水 販売所。飲料水ボトルを小型トラックに運ぶ少年。後方には、水のろ過装置と水タンクがある。
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタス の飲料水 販売所。低所得層向けに飲料水を販売する。
マニラ首都圏 ケソン市パヤタス の飲料水ボトル 販売所。飲料水ボトル に、プラスチックカバーを封印する。ボトルの栓にプラスチックがバーをかけて、ドライヤーの熱で溶かして封印する。
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタス の飲料水 ボトル販売所。ボトルの栓にプラスチック製カバーをかけて出来上がり。近所だけではなく、自動車でまとめて購入してゆく業者、バランガイ(集落)も多い。
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタス の飲料水販売所から飲料水ボトル を小型トラックに積み込む少年。
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタス の飲料水ボトル販売所前に、飲料水ボトル を運搬する小型トラックが駐車し、ボトルを積んでいる。
コミュニティ・ヘルスセンター
Community Health Centre
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタスのコミュニティ・ヘルスセンター (Community Health Centre )。ごみ集積場のすぐ隣にある。
マニラ首都圏(Metro Manila )地域医療センター (コミュニティ・ヘルスセンター:Community Health Centre )では、婦人、子供が多い。これは、妊産婦検診が主要な仕事のためである。
リテックスの商業地区 Litex Market, Quezon City
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市 リテックの露天商(urban informal sector )。お店の前に小さな露天商 が重なる。路上での販売が規制されていようとも都市インフォーマル部門 (urban informal sector )の労働集約的産業が住民の生活の糧となっている。マニラ首都圏 のケソン市 リテックの商業地区の横断歩道で、カラマンシ(レモン)を袋に入れて売っている「立ち売り」も見かけた。政府による社会保障給付費 も受け取れず、生活保護支給 もないからこそ、草の根民活の都市インフォーマル部門が興隆する。マニラ首都圏ケソン市パヤタスからジプニーで10分のリテックにも貧困者が多いが、ジプニーやトラックが行き交っているので、公共交通機関には不自由しない。
◆スラム (Slum ) とは、交通・エネルギー・衛生・教育などのインフラが不十分で、都市貧困層の暮らす居住区である。しかし、外見にもかかわらず、そこは、生半可な知識や偏見を抱いた識者が言うように「公共サービスが受けられない」のではないし、「荒廃状態にある状況」とは言い難い。開発途上国の大都市には、どこでもスラム街といっていい地区があるが、そこは貧しいけれども、住民が必死に苦労して生きている場所であり、草の根の民間活力の感じられる場所である。
◆開発途上国 の人口増加と都市化 の進展に伴って、スラム人口 (Slum population )人口は増加傾向にあり、2007年時点で、10億人はスラム居住者であると推測され、国別では、中国 1.7億人、インド 1.1億人、パキスタン2750万人、インドネシア2680万人、フィリピン 2390万人、ブラジル4570万人、メキシコ1180万人、ナイジェリア4530万人、スーダン1550万人などされる。
スラムの特徴として高失業率 があげられるが、これは正確な表現ではない。なぜならスラム住民で、正規の工場労働者、サラリーマン はきわめて少なく、多くは自らが仕事を作り出している状況にあるからである。
スラム街の居住者を中心に貧困者が、少ない元手で自営的に零細な仕事を起こしているのが、都市インフォーマル部門 である。具体的には、食品など材料を安く買って加工したり、小さな袋に分けたりして、露店で売る転売、路上で客を待つ靴磨きや荷物運び、商店やタクシーやバスの客引き、駐車する車の番人など、さまざまな職を自ら生み出している。この特徴は、小規模な元手で行う自営的サービス業という点であり、高失業率 といった主に会社の正規雇用を念頭に置いた概念で図ることはできない。
スラム街の特徴は、都市インフォーマル部門 程度しか雇用機会を提供できないという貧困であるが、だからといって「犯罪や麻薬 、アルコール依存症や自殺などが多発する」というのも誤解である。開発途上国でなくとも、非衛生的な環境であれば、病気、伝染病が蔓延するが、だからと言って、スラム住民が強盗や盗人 に成り下がるということは言えない。
◆開発途上国 のスラム居住者は、農村から押し出され、あるいは都市に惹きつけられた出稼ぎ者や移住者が多く、貧しいながらも貧困から抜け出そうと、都市インフォーマル部門 において、厳しい低報酬の労働にいそしんでいる。また教育に熱心になる傾向も指摘できる。彼らは、農村という地域コミュニティ を引き継いで、都市のスラムにあっても一定の自治的な秩序をもって生活している。環境の悪い町外れなどの未開発の地域に住み着いたとしても、住民相互には、暗黙の了解・契約があり「無秩序 」ではない。
東海大学 University
マニラ首都圏(Metro Manila )ケソン市パヤタスのリサイクル施設 で聞き取り調査時。
当研究室へのご訪問ありがとうございます。当サイトには,2011年11月14日以来多数の訪問者があります。論文,データ,写真等を引用する際は,URLなど出所を明記してください。ご意見,ご質問をお寄せ下さる時には,ご氏名,ご所属,ご連絡先を明記してくださいますようお願い申し上げます。
お問い合わせ Feedback
〒259-1292 神奈川県 平塚市北金目4-1-1 東海大学 社会環境課程HK 鳥飼 行博
TORIKAI Yukihiro HK,Tokai University, Hiratuka, Kanagawa, Japan 259-1292
Tel: 0463-50-2122, Fax: 0463-50-2078東海大鳥飼研への行き方 |How to go
◆鳥飼研究室ご訪問ありがとうございます。論文 ,写真 を引用・掲載の際はURLなど出所を、ご意見,依頼,資料をお寄せくださる際はご氏名,ご連絡先を明記してください。
◎メール:
torikai007@yahoo.co.jp が良の連絡方法です。
◎当研究室へのアクセスは1日数百あり、お問い合わにはご返事ご回答できないままのものもあり誠に申し訳ございません。ここにお詫び申し上げます。
◆東海大学教養学部 はリベラルエデュケーションカレッジの下で、社会環境課程、教職課程は廃止、「ミクロ/マクロ経済学」「国際経済学」「企業戦略論」「社会福祉概論」「社会保障論」「障害者福祉論」「財政学」「国際社会ゼミ」、鳥飼ゼミの授業は消えたが、当研究室は「懐かし社会環境課程」を伝承する。
◆大学での講義「開発経済学」「環境協力論」「環境政策I」「環境政策II」は、持続可能な開発を、開発途上国、地域コミュニティの視点も含めて、分析する授業です。俗説とは異なる議論も展開しています。持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は次の著作を参考にしてください。
◎当サイトでは,宣伝用アフェリエイトを使って画像や情報を提供しています。これは,「商品の情報提供」として利用が認められているためです。鳥飼研究室での商品・書籍の販売が目的ではありませんが,営利行為にも関わってきます。このような著作権・営利行為と書籍情報提供の相克をご理解の上,ご利用ください。
『アジア地域コミュニティ経済学 フィリピンの棚田とローカルコモンズ』 (東海大学出版部2015年):政府開発援助、フィリピン財政、棚田の有機農業、バイオマスエネルギーを分析しました。 持続可能な開発、特に、熱帯林減少、森林適正管理、バイオマスエネルギーについて専門的に知りたい場合は、著作一覧(アジア途上国の開発と環境保全)紀伊國屋書店 も参照してください。
『地域コミュニティの環境経済学−開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発』2007年、多賀出版 では、熱帯林の減少と地域コミュニティによる適正管理の有効性を、ローカルコモンズの視点で検討しました。『社会開発と環境保全―開発途上国の地域コミュニティを対象とした人間環境論』2002年、東海大学出版会 では、再生可能エネルギーの開発を論じたうえで、薪炭生産、用材生産、焼畑、企業的フロンティア開発という森林減少の要因を比較しました。二冊とも、発行部数1000部以下の学術図専門書です。前者は文部科学省の助成、後者は東海大学総合研究機構の助成を受けて刊行した「非商業的書籍」です。価格も本体5500円と高価です。公立図書館、大学図書館などで、希望入架してもらうことをお勧めします。 テキストの『開発と環境の経済学―人間開発論の視点から 』東海大学出版会 は、これらの研究の端緒になった著作です。
『CRUGE研究叢書 環境ネットワークの再構築 環境経済学の新展開』田中廣滋編 (中央大学出版部2001年)は「草の根民活論」の嚆矢です。
『環境ネットワークの再構築−環境経済学の新展開』 田中廣滋編(中央大学出版部)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
『地球環境政策』 宇沢弘文・田中廣滋編著(中央大学出版部)の一章を担当し、南北格差を踏まえて、持続可能な開発に必要な環境政策を整理しました。
『ポスト福祉国家の総合政策−経済・福祉・環境への対応』 丸尾直美編著(ミネルヴァ書房)の一章を担当し、熱帯林減少の要因と森林保全の在り方を地域コミュニティを軸に論じています。
『学習漫画 サリバン先生』 (集英社2011年刊行)を監修し解説を書きました。アンの生い立ち、ヘレンケラーとのかかわりから、ノーマライゼーション提唱者としての先見性まで扱っています。
『写真ポスターから学ぶ戦争の百年−二十世紀初頭から現在』 (青弓社2008年刊行)では、二十世紀の戦争を扱い大量破壊、大量殺戮からプロパガンダまで扱いました。
『写真ポスターから見るナチス宣伝術−ワイマール共和国からヒトラー第三帝国』 (青弓社2011年刊行)では、暴力、テロによるナチ党政権奪取と戦争動員を解説しました。
◎当サイトでは,宣伝用アフェリエイトを使って画像や情報を提供しています。これは,「商品の情報提供」として利用が認められているためです。鳥飼研究室での商品・書籍の販売が目的ではありませんが,営利行為にも関わってきます。このような著作権・営利行為と書籍情報提供の相克をご理解の上,ご利用ください。
地球温暖化と森林ビジネス―「地球益」をめざして
土の匂いの子
わたしと地球がつながる食農共育
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org)の引用
ルソン
I – イロコス地方
北イロコス | 南イロコス | ラウニオン | パンガシナン
II – カガヤン・バレー地方
バタネス | カガヤン | イサベラ | ヌエヴァ・ヴィスカヤ | キリノ
III – 中部ルソン地方
アウロラ | バターン | ブラカン | ヌエヴァ・エシハ | パンパンガ | タルラック | サンバレス
IV-A – カラバルソン地方 バタンガス | カヴィテ | ラグナ | ケソン | リサール
IV-B – ミマロパ地方
西ミンドロ | 東ミンドロ | マリンドゥク | ロンブロン | パラワン
V – ビコール地方
アルバイ | 北カマリネス | 南カマリネス | カタンドゥアネス | マスバテ | ソルソゴン
コルディリェラ行政地域
アブラ | アパヤオ | ベンゲット | イフガオ | カリンガ | マウンテン
マニラ首都圏
マニラ首都圏の行政区画
ある女性のofficial blog 2008.12.08 Mondayに次のようにあった。
あっという間の短い滞在だったが、マニラから、戻った
思い起こせば、マニラに着いてすぐには、
ホテルでも、ショッピングセンターでも、
バッグの中身やボディもチェックをされて、
犬を連れての警備など、治安の悪さを、意識させられた
「 もし、道でバッグをとられそうになったら、すぐに渡してください
声をあげて騒いだりしたら、アイスピックで刺されますからね 」
「 実際、弾が出る模造銃が、簡単に入る土地柄ですから 」
「 物乞いの子供も、アイスピックを隠し持っている時があります 」
え? アイスピック? 銃?
こわいよ! 気をつけなきゃ!
ニューヨークでは感じることのなかった「身の危険」!
しかし、治安のいい場所だけで、行動したせいか、
幸運なことに、危険な目に合うことはなかった 朝市も、裕福な家が利用する市場を選んで、連れて行ってもらった
豚や、牛の丸焼きには、一瞬、ひるんだものの、
モノの豊富さ、活気、安さには、ワクワクと、気分が高揚!
デパ地下のように、味見をして回ると、ウワ、おいしいよ!
(引用終わり)
夜のマニラ繁華街で、ひどいことになったという日本人もいるようだ。たしかに、外国人観光客の多い一見「治安のいい場所」では、プロが待っているのだからから、気を付けるに越したことはない。他方、カリンガ州山村にも山賊がいる、叛徒がいる、野蛮な首狩り族がいるといわれることがあるが、本当かどうか。
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org)のコルディリェラ行政地方の説明
山岳管理地域(さんがくかんりちいき、Cordillera Administrative Region, CAR)またはコルディリェラ行政地域は、フィリピン北部ルソン島のコルディリェラ・セントラル地域一帯の内陸地方である。区域内にはフィリピン最高峰のプログ山(Mt. Pulog:2,929m)を含む2,000m級の山々が連なる。中心都市はバギオ(Baguio)である。「コルディリェラ」はスペイン語で「山脈」「山岳地帯」を意味し、現代スペイン語式の「コルディジェラ」という日本語表記も見られるが、フィリピンではジェイスモの影響がないためもっぱら「コルディリェラ」と発音される。
フィリピン・マニラ旅行 には、次のようにある。
「俺達が着いた街トンドは東洋最大規模のスラム街だ。俺達の目的はこの街にあるゴミの山、スモーキーマウンテンを見に行く事が今回の任務だ(この次点でスモーキーマウンテンは取り壊されていたらしいが、新たな山が出現しているということらしかった)。
下町風の街並を海沿いに向かい歩いてゆく、途中のサリサリストアや駄菓子やでジュースやおかしを買ってみる、キアポやマカティーより物価は安めのようだ。
しばらく行くと列車の線路が道を横切っていた、その線路沿いには沢山のバラックが立ち並んでいる。なんだかめたくそヤバそうな雰囲気。駐車しているジプニーのフロントガラスには弾痕も残っているし…(ひきつり笑)
「ここからがホントのトンドだぜ、スラムに潜入だ!」
スラム街の入り口である踏切りから入って行く、すると各家々から顔を出した何十人ものフィリピン人達が一斉に俺達に視線を向けた!みなさんの視線をチクチク感じながらさらに奥に進んで行く。トタン板の家や増築を繰り返して出来た家などが並び、線路上では子供たちが何人も遊んでいた。その中に台車車のような物を作っている少年達がいた。
「これは何?」
「これはカリトーン」と英語で教えてくれた。
その台車車のタイヤ部分を釘で打ちつけている、タイヤは何かのベアリングで出来ていた。
カリトーンが完成すると、1人の子供を乗せてゴロゴロと台車車を押し出した。
「俺も乗ってみていい?」っと、面白そうなのでノリさんもおもわず言ってしまった。
「OK!」ゴロゴロ、、、大の男が子供に押されるカリトーンを見てみんな爆笑!!
気がついたら、どこからか沸いて出たように子供たちの軍団に辺りをかこまれていた。
みんなの笑いを取るのに成功したノリさんは、さらに奥地に行くのであった。
しばらく歩いた頃に小さな川にぶちあたった、その川沿いにもボロボロのスクオーターが並び、庶民達は道端に設置してある井戸で水をくみをしていた。
この川も、恐ろしいほどのドブ河でゴミが積み重なり水は淀み、無気味な泡を吹き出している。さんざん歩いたのでここら辺で捜査を打ち切る事にした。
宿にもどってヒロさんにトンドへ行ってきたことを話すと、あんな治安の悪いところへ行くなんて、と、あきれられてしまった、あそこは地元の人でも行かないところだ、と。」(引用終わり)
◆注意!!スモーキマウンテンやトンドに行く方法が現地で探し出せないのであれば、「スタディーツアー」や団体旅行としても行くべきではないでしょう。高くつきます。治安や病気が心配だという場合も行くべきではありません。日本の生活感覚、お金や安全の感覚、旅行気分を保って出かけるところではないのです。フィリピン政府にとってもスモーキーマウンテン貧困見学会は好ましいことなわけがありません。望遠レンズを使ったり、カメラマン・ジャーナリスト気取りで、写真を撮り、被写体に嫌悪感を抱かれる人もたくさんいます。了解を得ない写真撮影は、どこであってもしてはいけません。スモーキマウンテンやトンドでは、何が起きても、何を起こしてもおかしくないということを自覚してください。
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